2024/03/28 更新

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ツボイ ヒデト
坪井 秀人
所属
文学学術院 文学部
職名
教授

経歴

  • 2022年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   文学学術院   教授

  • 2014年04月
    -
    2022年03月

    国際日本文化研究センター   教授   名誉教授

  • 2003年04月
    -
    2014年03月

    名古屋大学   大学院人文学研究科   教授   名誉教授

  • 1998年04月
    -
    2003年03月

    名古屋大学   情報文化学部 社会システム情報学科   教授

  • 1995年04月
    -
    1998年03月

    名古屋大学   情報文化学部 社会システム情報学科   准教授

  • 1991年04月
    -
    1995年03月

    金沢美術工芸大学   美術工芸学部   助教授

  • 1987年04月
    -
    1991年03月

    金沢美術工芸大学   美術工芸学部 一般教育等   講師

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委員歴

  • 2022年04月
    -
    継続中

    日本近代文学会  理事

  • 2019年04月
    -
    継続中

    日本比較文学会  理事

  • 2019年04月
    -
    2021年03月

    日本比較文学会  学会賞選考委員長

研究分野

  • 日本文学

受賞

  • 第72回読売文学賞(評論・伝記賞)

    2021年   読売新聞社  

  • 第4回鮎川信夫賞

    2013年  

 

論文

書籍等出版物

  • 戦後日本の傷跡 = The scars of post-war Japan

    坪井, 秀人

    臨川書店  2022年02月 ISBN: 9784653045175

  • 対抗文化史 : 冷戦期日本の表現と運動

    宇野田, 尚哉, 坪井, 秀人

    大阪大学出版会  2021年10月 ISBN: 9784872597394

  • 二十世紀日本語詩を思い出す

    坪井, 秀人

    思潮社  2020年09月 ISBN: 9784783738220

  • 戦後日本文化再考

    坪井, 秀人

    三人社  2019年10月 ISBN: 9784866912295

  • ツルオカ

    林, 華, 坪井, 秀人, 秦, 刚, 渡辺, 一夫

    三人社  2019年07月 ISBN: 9784866911793

  • 世界のなかの「ポスト3.11」 : ヨーロッパと日本の対話

    坪井, 秀人, Richter, Steffi, Roth, Martin

    新曜社  2019年03月 ISBN: 9784788516205

  • 高度経済成長の時代

    坪井, 秀人

    臨川書店  2019年03月 ISBN: 9784653043935

  • 감각의 근대

    坪井, 秀人

    어문학사  2018年11月

  • 東アジアの中の戦後日本

    坪井, 秀人

    臨川書店  2018年07月 ISBN: 9784653043959

  • 運動の時代

    坪井, 秀人

    臨川書店  2018年07月 ISBN: 9784653043928

  • 敗戦と占領

    坪井, 秀人

    臨川書店  2018年06月 ISBN: 9784653043911

  • バブルと失われた20年

    坪井, 秀人

    臨川書店  2018年06月 ISBN: 9784653043966

  • アジアの中の韓国日本研究

    坪井, 秀人

    名古屋大学大学院文学研究科  2007年06月

  • 戦時期・敗戦期における少年雑誌の研究 : 『週刊少国民』を中心として

    坪井, 秀人

    [出版者不明]  2006年03月

  • 感覚の近代 : 声・身体・表象

    坪井, 秀人

    名古屋大学出版会  2006年02月 ISBN: 9784815805333

  • 戦争の記憶をさかのぼる

    坪井, 秀人

    筑摩書房  2005年08月 ISBN: 4480062521

  • 声の祝祭 : 日本近代詩と戦争

    坪井, 秀人

    名古屋大学出版会  1997年08月 ISBN: 4815803285

  • 萩原朔太郎論 : 《詩》をひらく

    坪井, 秀人

    和泉書院  1989年04月 ISBN: 4870883457

  • 萩原朔太郎 : 感情の詩学

    坪井, 秀人

    有精堂出版  1988年06月 ISBN: 4640309732

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 20世紀北東・中央アジアにおける難民と戦争捕虜の表象

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2026年03月
     

    坪井 秀人, 小林 昭菜, 川口 隆行, シュラトフ ヤロスラブ, 溝渕 園子, 黒川 伊織, 石川 巧, 宋 恵媛, 渡辺 直紀, 天野 尚樹

  • 中村古峡資料群と近代の〈異常心理〉に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

    竹内 瑞穂, 大橋 崇行, 橋本 明, 一柳 廣孝, 小松 史生子, 小泉 晋一, 坪井 秀人, 光石 亜由美

     概要を見る

    本研究は、中村古峡記念病院所蔵の中村古峡資料群の整理・データベース化を行い、その上で近代日本の〈異常心理〉を軸とした知的・人的ネットワークの実態と意義とを総合的に考究していくものである。
    令和元年度は、年度初めに開催された研究会(5/26)で決定された方針に従い、中村古峡記念病院での現地調査と資料データの収集・整理を中心に行った。また、そこで得られた成果の一部を学会発表、書籍などのかたちで公開した。
    竹内瑞穂、大橋崇行、安斉順子[研究協力者]、橋本明は、日本近代文学会・昭和文学会・社会文学会合同国際研究集会(11/24 二松學舍大学九段キャンパス)において、パネル発表「中村古峡資料群を読む―近代日本の〈異常心理〉文化の再考に向けて」を行った。竹内(「イントロダクション」)、大橋(「中村古峡記念病院所蔵資料調査について」)、安斉(「明治大正の心理学、催眠と中村古峡」)、橋本(「精神医療史からみた 臨床家・中村古峡」)の発表を通じて、文学・臨床心理学・精神医学の各領域における資料群の重要性を報告した。学会発表としては他に、竹内瑞穂の学際シンポジウム「近代日本を生きた「人々」の日記に向き合い、未来へ継承する」(9/29 明治学院大学白金校舎)での研究発表「自己を書く日記/自己を書く書簡―中村古峡史料群の研究プロジェクトより」や、安斉順子の心理学史研究会(2/29 法政大学市ヶ谷キャンパス )での研究発表「大正時代の精神病院調査―中村病院調査中間報告」がある。
    また、書籍としては、心霊学からみる中村古峡像の分析を担当する一柳廣孝による『怪異の表象空間』(国書刊行会 2020/3)、戦後文化における〈異常心理〉言説の分析を担当する坪井秀人による『戦後日本文化再考』(三人社 2019/10 編著)、『戦後日本を読みかえる』3巻,4巻(臨川書店 2019/4)が刊行された。

  • 〈難民〉の時代とその表現:1930─50年代北東アジアにおける移動と文化活動

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2021年03月
     

    坪井 秀人, 北原 恵, 川口 隆行, 溝渕 園子, 平田 由美, 石川 巧, 宋 恵媛, 渡辺 直紀

     概要を見る

    本研究は1930ー50年代北東アジアにおける〈難民〉化した日本人および韓国朝鮮人などの文化活動について理論研究・文化活動研究・比較研究の3部門から研究を行った。理論研究については難民研究の基礎的文献の読書会等を開き、国内および海外から講師を招聘してワークショップを開催した。比較研究については『ツルオカ』『日本新聞』などの分析を進めた。最も力を注いだ文化活動研究については、旧満洲の長春、ハルビン、シベリアのハバロフスク、イルクーツク、サハリン(旧樺太)のユジノサハリンスク等において調査を行うとともに各地の主要大学とワークショップを共催し、当地の研究者との研究ネットワークを構築することが出来た。

  • 占領期ローカルメディアに関する資料調査および総合的考察

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2021年03月
     

    大原 祐治, 水溜 真由美, 仁平 政人, 川口 隆行, 天野 知幸, 石川 巧, 森岡 卓司, 鈴木 貴宇, 佐藤 泉, 坪井 秀人, 鳥羽 耕史, 光石 亜由美, 牧 義之

     概要を見る

    敗戦直後の時代、人々は出版物を強く求めたが、その需要に応えるだけの出版物は市場に存在しなかった。首都圏の印刷・出版機能が空襲によって失われ、外地からの用紙の供給が途絶えたためである。しかし、深刻な戦災を免れた地方では多く出版物が刊行された。とりわけ雑誌は全国各地で大量に刊行されていた。
    これらの地方雑誌は図書館などでも体系的に収蔵されておらず、しばしば散逸している。本研究ではこうした雑誌について、占領期検閲資料(プランゲ文庫)および各地の図書館における調査と古書の収集によって網羅的な調査を実現した。その成果は『占領期の地方総合文芸雑誌事典』(金沢文圃閣、2022年)として結実した。

  • 高度成長期の社会イメージ:「社会主義像」と「資本主義像」の文化史的考察

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2020年03月
     

    成田 龍一, 竹内 栄美子, 鈴木 勝雄, 高 榮蘭, 丸川 哲史, 黒川 みどり, 坪井 秀人, 島村 輝, 戸邉 秀明, 渡辺 直紀, 東 由美子

     概要を見る

    本研究は、国内での定期的な高度成長文化研究会と、国際的な会議への参加、国際的な会議の開催を軸に活動した。前者は、各年度3回ずつ、総計15回の研究会をおこない、1960年代を核とする高度成長期の日本における文化史的考察をおこなった。また、映画や読み物を中心とする大衆文化も視野に収めた。後者も各年度、実施した。アメリカ合衆国カリフォルニア大学、コロンビア大学、ニューヨーク大学などと提携し、ワークショップや国際会議を共催した。また他の大学、他の団体による国際会議に参加し、パネルを組織した。研究代表者および研究分担者は、本研究のなかで得た成果をもとに、各自それぞれ著作や論文を公表した。

  • 1940-50年代の日本における民衆芸術運動に関する比較文化史的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    坪井 秀人

     概要を見る

    戦中戦後の日本国内におけるサークル運動研究に関する総括を行うとともに、在外日本人たちが主体となって展開された外地における民衆芸術運動の実態について調査と分析を行い、両者がどのように関連づけられるかについて考察を進めた。外地の運動については、戦時下米国の強制収容所で刊行されていた『ハートマウンテン文芸』等の雑誌、1950年代初頭に中国東北部地方の炭砿地域で刊行されていた雑誌『ツルオカ』を発掘調査することによって調査を進めた。以上の調査分析によって、戦中戦後をまたぐ民衆芸術運動の歴史的再定位を行うことが出来た。

  • 移動する作家たちの東アジア:交渉の場としての文学運動

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2017年03月
     

    平田 由美, 西川 祐子, 伊豫谷 登士翁, 坪井 秀人, 美馬 達哉, ブレット・ド・バリー, テッサ・モリス=スズキ, 孫 歌, 朴 裕河, 申 寅燮

     概要を見る

    歴史的、文化的に長く広範囲に及ぶ「東アジア」と日本との関係は、近代以降、帝国日本の軍事主義と戦争によって、より複雑に絡み合い重なり合ったものに変化したが、しかし敗戦後の日本は植民地主義の過去を清算し終えたとは言えず、その遺産をめぐる論争はしばしば東アジア地域の緊張を作り出している。本研究は、東アジアを越境的に移動した人々とその文学的活動に照準を合わせ、種々の交渉の過程から出現する場所と人との関係に新たな光を当てた。

  • 国境未満の異文化接触/衝突/浸潤

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2016年03月
     

    池内 敏, 高江洲 昌哉, 木部 和昭, 河西 秀哉, 福原 裕二, 真栄平 房昭, 渡辺 美季, 日比 嘉高, 坪井 秀人

     概要を見る

    異文化接触や衝突の議論は珍しくない。本研究は、「国境未満」という作業仮説をもとに、「国境未満」状態における異文化接触、衝突および浸潤の諸様相を検討することを意図した。科研メンバーによる個別研究と、可能な限り多数のメンバーの参加を得て行った現地調査(沖永良部島、利尻島)調査を通じて、そうした課題解決を目指した。その概要は、『JunCtute』07の特集頁にまとめて掲載した。

  • 朝鮮近代文学における日本語創作に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    波田野 節子, 山田 佳子, 永島 広紀, 三ツ井 崇, 熊木 勉, 沈 元燮, 坪井 秀人, 五味渕 典嗣, 渡辺 直紀, 金 牡蘭, 白川 豊, 金 榮敏, 金 哲, 李 京塤, 金 在湧, 朴 光賢, 鄭 鍾賢, 具 仁謨, 黄 鎬德, 李 英載, 李 慧眞, 車 恵英, 徐 栄彩, 権 明娥, 李 相雨, 崔 珠瀚, 鄭 善太, 黄 鍾淵, 大村 益夫, 芹川 哲世, 郭 炯德, 李 賢植, 咸 苔英, 申 知瑛, 伊藤 知子, 高橋 梓, 相川 拓也, 李 正熙, 裵 相美, 曺 恩美, 李 侑珍, 金 景彩, 武井 一, 尹 仁老, 高 恩美, 權 杜妍, 岸井 紀子, 牧瀬 明子, 芹川 哲世

     概要を見る

    本研究には11名の分担者と42名の協力者が参加した。2013年に武蔵大学、2014年に新潟県立大学、最終年度の2015年には福岡大学を会場に、「植民地期朝鮮の文学・文化と日本語の言説空間」と題する国際公開シンポジウムを3年間にわたって連続開催し、毎回約40名の研究分担者の研究者が集まって活発な討論を行なった。2015年3月には米国デューク大学が中国のデューク・クンサン大学と国際ワークショップを共催して討論を行ない、同年10月には、韓国の林和学会と協力して、東京で「林和と植民地朝鮮のプロレタリア文学」を共催した。このほかに在米研究者による講演会を3回、韓国研究者による講演会を1回開催した。

  • 東アジアにおける前期冷戦文化の多角的考察

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2015年03月
     

    成田 龍一, 岩崎 稔, 坪井 秀人, 鳥羽 耕史, 戸邉 秀明, 丸川 哲史, 吉見 俊哉, 渡辺 直紀, 佐藤 泉

     概要を見る

    「戦後」といわれる時期は、世界史的な視野では冷戦体制となる。この認識のもとで、これまで「戦後文化」として、一国史的に考察されてきた思想史、文化史を「冷戦文化」として、あらためて把握しなおした。東アジアのなかで、「日本」の思想史を点検し再文脈化をおこなったが、「戦争経験」が大きな軸となった。アジア・太平洋戦争の「戦争経験」が、朝鮮戦争とベトナム戦争の影響のもとで、いかなる総括がなされたか、の解明を試み、とくに、沖縄での営みの考察には、力を入れた。また、冷戦文化は、映画や大衆小説として展開されることが多く、その点から映画の分析をおこなった。この過程を通じて、冷戦文化という概念を鍛えていった。

  • 1920~30年代の日本および東アジアのメディア言説における異常概念の解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

    小松 史生子, 坪井 秀人, 古川 裕佳, 山口 俊雄, 一柳 廣孝, 小泉 晋一, 光石 亜由美

     概要を見る

    1920~30年代の日本の言説状況において、<異常>という概念の知識が、好奇心と探求心をもって一般大衆に広まっていった経緯を、多様な一次資料の収集と復刻作業で確認することができた。論文の単行本化、通俗心理学雑誌の掘り起し、異常心理を扱った探偵小説同人誌の復刻などといった成果が得られた。
    また、学際的なシンポジウムも三回開催することができた。

  • 詩歌のジャポニスム ──西欧における展開と日本モダニズムへの接合に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

    坪井 秀人

     概要を見る

    本研究では、日本の短詩型文学、特に和歌が西欧語に翻訳され、その翻訳テクスト歌曲として作曲された過程をドイツ語・東欧諸語・フランス語の翻訳テクストによる歌曲作品を対象に調査し、20世紀初頭、1930年代まで独墺仏および東欧・北欧地域の作曲家による歌曲作品のリストを作成し、その波及の実態を考察した。資料調査は日本国内の図書館、海外ではウィーンのオーストリア国立図書館、ベルリン州立図書館およびプラハのチェコ国立図書館などの海外の図書館と国内の大学図書館を中心に行い、その研究成果として日本語版論考を学術雑誌に発表し、そのドイツ語版を、本年中にスイスの出版社から刊行される論集に発表する予定である。

  • 文化の越境と翻訳に関する国際的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年
    -
    2012年
     

    齋藤 文俊, 坪井 秀人, 藤木 秀朗, 茂登山 清文, 秋庭 史典

     概要を見る

    本研究は、研究代表者および研究分担者が所属する「名古屋大学文学研究科附属日本近現代文化研究センター」がこれまで行ってきた、現代日本文化に関する国際的研究プロジェクトを継続発展させたものであり、異文化間・異言語間の翻訳の問題について、「文化の越境と翻訳」の問題としてとらえ直し、国際的に考察していくことを目指したものである。2011 年度においては、上海において、国際シンポジウム「文化の越境、メディアの越境--翻訳とトランスメディア」を開催し、翻訳の問題を超域的に研究していくことができた。2012 年度には、2011 年度の成果をふまえ、さらにこの問題を「東アジア関係学」という枠組の中で再構築することを目指し、国際シンポジウム「東アジア関係学の構想」を開催することで、「文化の越境と翻訳」を超域的・国際的に研究していくことを可能にした。

  • ジェンダーのグローバリゼーション研究-移動のポリティクスと身体の変容

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2004年
    -
    2007年
     

    伊豫谷 登士翁, 平田 由美, 西川 裕子, 成田 龍一, 坪井 秀人, 美馬 達哉, イ ヨンスク, 姫岡 とし子, 坂元 ひろ子, 足立 真理子

     概要を見る

    プロジェクトの目的は、ジェンダー研究の提起してきた課題をグローバリゼーション研究がどのように受け止めることができるのか、二つのG研究(ジェンダー研究とグローバリゼーション研究)の接点から現代という時代を読み解く課題をいかに発見するか、という点にあった。こうした課題への接近方法として、プロジェクトでは、移動する女性に焦点を当ててきた。それは、1)人の移動にかかわる研究領域が二つの研究領域を連接する接点に位置すること、2)二つのG研究が、国家の領域性と一体化してきた近代的な知の枠組に対する挑戦でもあり、定住あるいは居場所と対比した移動はそのことを明らかにするテーマのひとつであること、にある。プロジェクトでは、これまでの移民研究の方法的な再検討の作業から始め、民博地域企画交流センターとの共催で開催したシンポジウム「移動から場所を問う」は、その研究成果である。ここでは、人の移動にかかわる隣接領域の研究者を中心として、移動から場所を捉え返すという問題提起に対して、海外からの報告者9名を含めた11名の参加者を得た。移民研究の再検討を手がかりとして、移動のジェンダー化という課題を理論的に明らかにするとともに、人文科学と社会科学との対話を通じて、二つのG研究が提起する問題を模索することにした。<女性、移動、かたり>を掲げたワークショップは、韓国の世宗大学の朴裕河、アメリカのコーネル大学のブレット・ド・バリー両氏の参加によって、海外研究者との交流を進め、その成果の一部をオーストラリア国立大学、コーネル大学において報告した。これらワークショップを通じて、1)グローバリゼーション研究が新しい局面に入っており、2)再生産のグローバル化におけるジェンダーの課題として、ジェンダー研究の成果を踏まえた女性移民研究が要請されており、3)二つのG研究を含めた研究領域の間での対話の必要性が再認識された。

  • 戦時期・敗戦期における少年雑誌の研究 -『週刊少国民』を中心として-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2004年
    -
    2005年
     

    坪井 秀人

     概要を見る

    戦時期および敗戦期に刊行された少年雑誌、朝日新聞社刊行の『週刊少国民』および日本少国民文化協會が刊行した『少国民文化』、さらに朝日新聞社の関連する雑誌『アサヒグラフ』その他のグラフ雑誌や『科学朝日』など戦時期の関連雑誌を収集し、本研究の主たる対象である『週刊少国民』については戦時期までの大部分は収集を終え、戦後期についても収集や調査を行い、全国的にも完備されていない同誌の資料整備と調査を行った。また同誌が後継した『コドモアサヒ』及びその戦後のその後継誌『こども朝日』についても調査を行った。『週刊少国民』の戦時期の収集分すべての号について内容目次のデータベースを作成し、グラビア記事を中心に(一部は全頁)スキャニング作業によってデータファイル化した。
    この資料調査とデータベース化によって『週刊少国民』とそれに関連する戦時期の少年雑誌およびグラフ雑誌の性格を位置づけるとともに、グラビア記事の写真表現と文学者らによる文学表現とが緊密に相関し、子どもの読者に対してどのようにプロパガンダとして機能したのか、あるいは戦時期の戦局に対してどのような葛藤を生じていたのかを分析した。これらの作業と平行して、戦時期の少国民文化、特に少年少女の歌謡文化や綴方等に関する分析を行った。
    以上の研究の成果の一部は単著『戦争の記憶をさかのぼる』(筑摩書房)に組み込まれた(同書は第14回「やまなし文学賞」を受賞した)。また、本年度(2005年8-9月)ウィーン大学で開催されたEuropean Association for Japanese Studies(ヨーロッパ日本学会)の大会でもパネル発表を行い、「Structuring Desire through Poetry and Photographs in Shukan shokokumin」と題してその成果を報告した。

  • 1920-50年代の近代詩における朗読の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1996年
     
     
     

    坪井 秀人

     概要を見る

    以前より近代詩と朗読との関係については予備的な考察をすすめてきたが、今回の研究では1920年代から50年代というように、ある程度範囲を区切って、なおかつ包括的にその実態の検証と、文学史的な評価、位置づけを与えることにつとめた。幸いにも、本研究によって情報の収集や研究論文の発表など、多くの成果を得ることが出来た。
    まず何よりも、範囲を区切ったとはいえ、大正期から戦後までの近代詩史における音声への関心と書記(エクリチュール)の意識との相関性を、かなり大きな視野で系統づけることが出来た。これは従来の作者/作品中心の記述による文学史とは全く異なった表現史的な詩史を構築していく一つの段階を作りえたものと自負している。
    各論的には、大正期に詩檀を形成したいわゆる民衆詩派がきわめて積極的に朗読運動を推進したことを再発見し、あらたな評価をそこに与えることが出来た。大正期の近代詩はともすれば民衆詩を史的な事項の中だけで評価しがちだが、これはそれを改める契機にもなろう。また、20年代から30年代にかけてのモダニズムと音声/書記との関わりを分析し、日本におけるモダニズム芸術の特質を、その分析から抽出することが出来た。この研究はモダニズム詩をブロレタリア詩や当時萌芽をみた勤労詩、そして戦時期の戦争詩へとリンクさせることにも意を注いだ。特に戦争詩とモダニズム、朗読運動との関係については従来の私自身の研究をも十分に補訂しえたと考えている。その他、戦後の勤労時運動、あるいは『荒地』『列島』などの戦時詩の中心的な動向と、以下の戦前戦中の近代詩の問題との連続性/不連続性についても研究を発展させることができた。
    未知の研究領域でもあるため大量の文献を必要とし、また聞き取り調査なども数度にわたって行った。これらにより充実した成果を得たと自負している。本研究をさらに今後の研究計画にいかしていきたい所存である。

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Misc

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現在担当している科目

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特定課題制度(学内資金)

  • 20世紀東北アジアにおける戦争と移動:日本文学における表象を視座として

    2022年  

     概要を見る

    2022年7月24・25日、広島大学にて李眞惠氏を招いて氏の著書のレビューと中央アジアのディアスポラに関する講演会を行い、広島国際会議場にて広島市役所平和推進課の方々に被爆体験伝承者養成事業についてお話をうかがった。2023年2月28日~3月6日にはウィーンにて調査を行い、3月2日にはウィーン大学において講演を行った。2023年3月24日~29日はカザフスタンで調査を行い、セメイおよびアルマティにおいてセメイ医科大学、カザフ国立大学にて研究者と意見交換し、セミパラチンスクの被害関係者に聴き取り調査を行った。またアバイ国立大学においてワークショップを行い、プロジェクトの趣旨説明を行った。