2024/11/23 更新

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ヨゴ タクマ
余語 琢磨
所属
人間科学学術院 人間科学部
職名
准教授
学位
文学修士 ( 早稲田大学 )

経歴

  • 2005年
    -
    継続中

    早稲田大学   人間科学学術院   准教授

  • 2002年
    -
    2005年

    自治医科大学 看護学部 専任講師

  • 1999年
    -
    2002年

    自治医科大学看護短期大学 専任講師

  • 1996年
    -
    1999年

    早稲田大学 人間科学部 助手

学歴

  •  
    -
    1996年

    早稲田大学   文学研究科   考古学専攻  

  •  
    -
    1989年

    早稲田大学   文学部   史学科・考古学専修  

所属学協会

  •  
     
     

    日本植生史学会

  •  
     
     

    早稲田大学考古学会

  •  
     
     

    日本保健医療社会学会

  •  
     
     

    日本質的心理学会

  •  
     
     

    日本民俗学会

  •  
     
     

    東南アジア考古学会

  •  
     
     

    現代文化人類学会

  •  
     
     

    日本生活学会

  •  
     
     

    日本考古学協会

  •  
     
     

    日本文化人類学会

  •  
     
     

    日本文化財科学会

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研究分野

  • 考古学 / 文化人類学、民俗学

研究キーワード

  • 文化人類学(地域研究・技術文化論、医療人類学)、考古学(民族考古学、実験考古学、技術史)

 

論文

  • 延喜式にみる酢の原料・醸造過程・関連道具について : 甕を⽤いる酢屋の⺠俗考古学的調査と伝統的壺酢の醸造学的研究の検討から

    余語琢磨

    国立歴史民俗博物館研究報告   244   537 - 574  2024年03月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者

  • インバウンドとコロナにゆらぐ伝統工芸と観光地−京焼および京都五条坂を事例として−

    余語琢磨

    COVID-19の現状と課題−生活学からの提言     339 - 354  2022年05月  [国内誌]

  • 石黒宗麿と“京窯”—京都蛇ヶ谷・八瀬における創作活動と生活—

    余語琢磨

    生活学論叢   38   56 - 71  2021年03月  [査読有り]

  • 古代窯業技術の基礎ノート—窯焚き・築窯の経験的知を読み解くために

    余語琢磨

    古代窯業の基礎研究—須恵器窯の技術と系譜     85 - 106  2010年05月

  • 「エスノグラフィーの素朴」から方法論の深化へ—序:人類学におけるフィールドデータの扱い方再考

    余語琢磨

    文化人類学研究   10   1 - 12  2009年12月  [査読有り]  [国内誌]

    CiNii

  • 韓国陶質土器・日本須恵器の実験的色調復元

    佐々木幹雄, 余語琢磨, 大島誠

    世界の土器づくり     151 - 164  2005年12月

  • 閉じた共同性と開かれた共同体のはざまで—参加者の軋轢とアイデンティティからみた祭り集団の変容と再生産

    梅崎高行, 余語琢磨

    生活学論叢   9 ( 9 ) 3 - 18  2004年09月  [査読有り]

     概要を見る

    This paper is the result of the fieldwork performed for several associations of people who joins "traditional" city festival. The purpose of investigation was, firstly, how the people operate the festival and reproduce its associations under the community changing, and secondly, to clarify the relationship among the individuals with various senses of values and the festival itself, community life and its communality. Attention was given specially to traditional norms inherited by the association and conflict attendant on replacement of their positions within the association, during the progress of the investigation. The conflict can be visualized as a problem involving membership and constructing identity of participants respectively under the difficulties to practice the festival. Then, the present condition of the association was considered from framework of "community of practice" having applying the Legitimate Peripheral Participation (LPP) theory and related researches for analysis. As a result, a) the character of " Wakasyu (main young members in the festival associations) identity" and its construction process, b) the aspect of conflict accompanying with replacement of a participants, c) the participant's selecting process and closing nature, d) the correlation of multilayer identity of each participant with the actual local life, e) the separation of the "afterimage of traditional local communality" among the membership and reality of the local life, etc. became clear. Moreover, the "future" of the festival in a turning point and its association of people was considered together with its problems and foresight.

    CiNii

  • 須恵器の色—実験的技術復元と理化学的分析に関する考察

    佐々木幹雄, 余語琢磨

    古代   ( 112 ) 121 - 150  2004年07月  [査読有り]

    CiNii

  • 古代窯業技術論—焼成実験と遺構計測値から読み解く窯焚き技術と築窯プラン

    余語琢磨

    須恵器窯の技術と系譜2—8世紀中頃から12世紀を中心にして     9 - 22  2004年06月

  • 「アトピー」のインターネット医療民族誌

    余語琢磨

    現代のエスプリ   439 ( 441 ) 155 - 163  2004年04月

    CiNii

  • 「アトピー」をめぐる病いの語り—インターネット上にみる病者の苦悩と戦術

    余語琢磨

    自治医科大学看護学部紀要   1   41 - 54  2003年03月  [査読有り]

    CiNii

  • インドネシア・バリ島の土器作りIII—北部における生産の様相,および諸生産地の技法的関連について

    余語琢磨

    土曜考古   25   161 - 184  2001年05月

  • バリ島東部の土器生産と流通ー旧4王国の支配地域にみつ生業の動態

    余語琢磨

    古代   ( 107 ) 145 - 168  1999年09月  [査読有り]

    CiNii

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書籍等出版物

  • COVID-19の現状と展望 : 生活学からの提言

    日本生活学会COVID-19特別研究委員会( 担当: 分担執筆,  担当範囲: インバウンドとコロナにゆらぐ伝統工芸と観光地—京焼および京都五条坂を事例として—)

    国際文献社  2022年05月 ISBN: 9784910603070

  • やきもの : つくる・うごく・つかう

    佐々木, 幹雄, 齋藤, 正憲( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 土器はどのように運ばれ、売られたか —バリ島の民族例)

    近代文藝社  2018年05月 ISBN: 9784773380491

  • アフリカ横断一万粁—関根吉郎とアフリカ・マヤ資料コレクション

    ナワビアハマッド矢麻, 余語琢磨( 担当: 共編者(共編著者))

    早稲田大学會津八一記念博物館  2017年10月

  • 近代における「考古学」の役割の比較研究ーその本質的表象と政治的境界の関連を軸に

    余語琢磨( 担当: 編集,  担当範囲: 1.「考古学」の歴史学—本質主義的表象の再考にむけて, 4.考古学における「技術」研究の恣意性—実験と理化学的分析結果からの再検証)

    2010年06月

  • 身体から発達を問う―衣食住のなかのからだとこころ

    根ヶ山 光一, 川野 健治( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 身体を作る・見せる)

    新曜社  2003年03月 ISBN: 478850846X

    ASIN

  • 間主観性の人間科学―他者・行為・物・環境の言説再構にむけて

    川野健治, 圓岡偉男, 余語琢磨, 太田 俊二, 橘 弘志, 三嶋 博之, 木戸 功, 原 知章( 担当: 共編者(共編著者),  担当範囲: 「もの」をめぐる文化的行為—意味の器としてのやきもの)

    言叢社  1999年07月 ISBN: 4905913667

    ASIN

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Works(作品等)

  • 書評:名久井文明著『食べ物の民俗考古学』『生活道具の民俗考古学』

    余語琢磨  その他 

    2020年01月
    -
     

  • バリ島の切り葉細工

    余語琢磨  その他 

    2006年03月
    -
     

     概要を見る

    日中国際シンポジウム「《中国の伝統・民間剪紙芸術》と日本「装飾」のシンボリズム」の報告冊子 (鶴岡真弓/五十嵐芳子編、2006年3月、立命館大学アートリサーチセンター発行)への寄稿

講演・口頭発表等

  • 近現代考古学と登り窯の三次元計測−鞆の浦・鞆皿山窯跡の事例−

    鈴木重治, 岡本純夫, ナワビ矢麻, 木立雅朗, 余語琢磨, 田畑幸嗣

    日本文化財科学会第41回大会  

    発表年月: 2024年07月

    開催年月:
    2024年07月
     
     
  • Understanding the productivity and cultivation methods of rice farming in Yayoi period using experimental archaeology and phytolith analysis

    Yukiko Kikuchi, Masashi Mori, Hiroo Nasu, Takuma Yogo

    The transition to agriculture at the edges of Eurasia: the British Neolithisation and the Jomon-Yayoi transition  

    発表年月: 2024年07月

    開催年月:
    2024年07月
     
     
  • 京焼登り窯の三次元計測④ —五条坂京焼登り窯(旧藤平)の事例—

    ナワビ矢麻, 木立雅朗, 余語琢磨, 田畑幸嗣

    日本文化財科学会第40回大会  

    発表年月: 2023年10月

    開催年月:
    2023年10月
     
     
  • 都市工芸・京焼における製造者:問屋関係—“フセガマ”的慣行にみるそのアンビバレント—

    余語琢磨

    日本民俗学会第75回年会  

    発表年月: 2023年10月

    開催年月:
    2023年10月
     
     
  • 京都五条坂にみる陶磁器業の「近代化」—石田製陶所・日興電磁器株式会社の新出資料から—

    余語琢磨

    日本生活学会第50回研究発表大会  

    発表年月: 2023年06月

    開催年月:
    2023年06月
     
     
  • 京都市・五条坂京焼登り窯 ( 旧藤平)第 2 次発掘調査と工房の三次元計測

    余語琢磨, 田畑幸嗣, ナワビ矢麻, 川口華乃好, 立花唯翔, 木立雅朗

    日本考古学協会第89回総会  

    発表年月: 2023年05月

    開催年月:
    2023年05月
     
     
  • 京式登り窯のフレキシビリティ —近世・近現代京焼の多様性と職人の技術・生活—

    余語琢磨  [招待有り]

    神奈川県「考古学ゼミナール」  

    発表年月: 2022年10月

    開催年月:
    2022年10月
    -
    2022年11月
  • 都市工芸・京焼の民俗誌的記述にむけて―伝統工芸と近代産業のはざまで

    余語琢磨

    日本民俗学会第73回年会  

    発表年月: 2021年10月

  • コロナ不況」にゆらぐ伝統工芸と観光地—京焼および京都五条坂を事例として

    余語琢磨

    日本生活学会第48回研究発表大会  

    発表年月: 2021年06月

  • 五条坂の工房と登り窯を歩く—語りと写真測量から考える京焼今昔

    余語琢磨  [招待有り]

    京都市埋蔵文化財研究所文化財講演会  

    開催年月:
    2020年11月
    -
     
  • 京都五条坂北側・道仙路地の研究(1)—窯業史・民俗考古学的視点から見た「ロージ」の成立と性格

    余語琢磨

    日本生活学会第47回研究発表大会  

    発表年月: 2020年06月

  • 延喜式中の大型須恵器・諸道具と醸造プロセス—酢を事例とする研究ノート

    余語琢磨

    「古代の百科全書『延喜式』の多分野共同研究」第10回全体研究会  

    発表年月: 2019年08月

  • 京都八瀬・石黒宗麿の作陶の場の研究(1)—民俗考古学的視点から

    余語琢磨

    日本生活学会第46回研究発表大会  

    発表年月: 2019年06月

  • インドネシア・バリ島東部における病気観と受療行動—多元的医療体系下の治療者バリアンをめぐる「呪術的世界」の脱構築

    余語琢磨

    日本生活学会第45回研究発表大会  

    発表年月: 2018年05月

  • 復元水田を用いた実験考古学的アプローチ:弥生時代の米収量の推定研究について

    菊地有希子, 菊地真, 余語琢磨

    日本第四紀学会2017年大会  

    発表年月: 2017年08月

    開催年月:
    2017年08月
     
     
  • Experimental archaeological project investigating ancient paddy fields

    Yukiko Kikuchi, Bhandari Sudarchan, Hiroo Nasu, Masashi Mori, Makoto Kikuchi, Takuma Yogo

    8th World Archaeological Congress  

    発表年月: 2016年08月

    開催年月:
    2016年08月
    -
    2016年09月
  • What can we say from phytoliths?: Modern phytolith distribution in the experimental paddy field in Japan

    Yukiko Kikuchi, Masashi Mori, Hiroo Nasu, Makoto Kikuchi, Takuma Yogo

    8th World Archaeological Congress  

    発表年月: 2016年08月

    開催年月:
    2016年08月
    -
    2016年09月
  • Experimental archaeological project investigating ancient paddy fields

    Yukiko Kikuchi, Masashi Mori, Hiroo Nasu, Makoto Kikuchi, Takuma Yogo

    ⅩⅨ INQUA (International Union for Quaternary Research) Congress  

    発表年月: 2015年08月

  • インドネシア・バリ島の土器売りの実践とその変容—消費財の物流・需要と生活の変化過程を探る歴史人類学的試み

    余語琢磨

    日本生活学会第41回研究発表大会  

    発表年月: 2014年05月

  • バリ島における土器の生産と流通

    余語琢磨  [招待有り]

    公開講座「ひたちなか市の考古学」第7回  

    発表年月: 2014年03月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 近代産業遺産の民俗考古学的研究-京都における伝統工芸の総合的研究と地域連携-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    木立 雅朗, 余語 琢磨, 田中 聡, 田畑 幸嗣, 黒石 いずみ, 畑中 英二, 佐藤 弘隆

  • 京焼の産業民俗・都市民俗学的な研究基盤形成—観光開発による産業集積解体に際して

    日本学術振興会  科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    余語琢磨, 木立雅朗, 黒石いずみ, 佐藤弘隆

  • 五条坂の窯業考古学的研究-多様性と「伝統」の現在-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

    木立 雅朗, 余語 琢磨, ナワビ アハマッド矢麻, 田畑 幸嗣

     概要を見る

    本年度も昨年度に引き続き、京式登り窯の3D写真測量を継続し、それに関わる民俗考古学的調査・建築学的調査をあわせて行った。
    2019年5月、故伊吹弘氏による「五条坂南側町並散華の図」屏風等を調査し、写真撮影と作者についての聞き取り調査を行った。戦前における五条坂南側の繁栄と強制疎開の実態を詳細に記録した地域の記憶遺産であり、このような記憶遺産として重要な記録であることを確認した。2019年5月30日以降、嘉豊陶苑工房の建築調査と写真撮影・聞き取り調査を行った。民俗考古学的調査はその後も数回行い、聞き取り調査は2010年3月3日にも追加して行った。かつての道仙化学製陶所轆轤場であり、理化学陶磁器の轆轤場を京焼陶器工房が大きな改変を加えずに引き継ぎ活用していたことがわかった。2019年6月1-2日には日本文化財科学会大会において、昨年度3D測量を行った石黒宗麿窯の成果報告を行った。2019年6月3-5日には、河井寛次郎窯の3D写真測量を行った。現存する京式登り窯としてはもっとも大きい部類であり、残存状態も極めて良好であった。地形改変の状況も良好に確認できた。あわせて、周囲の聞き取り調査も行った。
    2019年8月5日には石黒宗麿がかつて住んでいた蛇ヶ谷周辺の踏査と写真撮影を行い、6-7日には今熊野・K陶業の工房跡の略測と写真撮影、絵場の3D写真測量を行った。
    2019年11月8-11日には岩倉木野・上田恒次窯の3D写真撮影を行い、あわせて所蔵文書の撮影を行った。2020年2月17日には道仙化学製陶所職人長屋の建築学的調査を行い、3月4日には長屋で工房を構えていた桐箱職人の聞き取り調査を行った。
    その他、室内作業として、昨年調査した小川文斎家と道仙化学製陶所の近代文書の写真撮影を行い、その検討をはじめた。この文書調査によって、登り窯周囲の具体的な人の動きを詳細に復原することができた。

  • 古代の百科全書『延喜式』の多分野共同研究:主計式分科会(考古班)

    国立歴史民俗博物館 

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2022年03月
     

    荒井秀規, 酒井清治, 余語琢磨

  • 東アジアの大学を結ぶ対話共同体への参与過程として生成される集団間異文化理解

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    呉 宣児, 高木 光太郎, 榊原 知美, 余語 琢磨, 伊藤 哲司, 奥田 雄一郎, 竹尾 和子, 砂川 裕一, 崔 順子, 片 成男, 姜 英敏, 周 念麗, 渡辺 忠温

     概要を見る

    日本の大学と中国、韓国、ベトナムの大学がペアになり交流授業を行い、集団間の異文化理解が起こりやすい授業の方式や素材の検討を行った。授業の素材としては、映画、イラスト-によるストーリ、公的な場所での規範・ルールなどが有用であることを確認した。また異文化理解へのプロセスを検討する分析概念として 「歪んだ合わせ鏡」「対の構造」「対話の接続と遮断」「情動反応」などの用語が有効であることが示された。

  • 近代における「考古学」の役割の比較研究―その本質的表象と政治的境界の関連を軸に

    科学研究費助成事業(自治医科大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2003年
    -
    2005年
     

    余語 琢磨, 小川 英文, 谷川 章雄, 寺崎 秀一郎

     概要を見る

    1.資料の収集と分析:(1)考古資料を用いて政治的「境界」の正統性・優位性を明らかにしようとする研究対象地域の出版物、考古学と国民国家形成・植民地経験の関係を論じた内外の研究文献を収集・整理し、リファレンス作成と個々の言説分析を行った。(2)西南諸島担当の研究協力者は、奄美と琉球の考古資料と関連言説の比較から、国家内の境界認識の問題点を明らかにした。(3)韓国担当の研究協力者は、韓国での調査・関連研究者との交流により、日韓史上の人的・技術的交流に対する両国の視点の差の抽出および分析を行った。(4)インドネシア担当者は、バリ島の考古遺産の資源化と観光利用の実態調査と、文化政策関連資料などの収集と分析を行った。(5)ラテンアメリカ担当者は、ホンジュラス・グアテマラ両国の現地調査を行い、先住民集団の歴史と構成,文化遺産の価値をめぐる議論とアイデンティティ・経済問題との関係を明らかにした。
    2.ワークショップの開催1研究代表者・分担者・協力者の参加による国内ワークショップを、東京・奄美大島・福岡で計10回開催した。テーマは、「野生の残像-過去をめぐるイデオロギーの磁場」「政治的資源としてのラテンアメリカ先住民文化遺産」「日本考古学批判の現状に関して」「近代日本の考古学と文化財をめぐって」「欧米の考古学における関連議論の射程」,「考古学の研究法と過去表象」「ホンジュラス人類学会・遺跡保存会議における文化遺産利用の問題点」「近代日本の考古学と文化財」「日琉同祖論と考古学」「戦後における縄文時代像の変遷」「奄美史・琉球史における歴史意識」等で、各研究者の調査地・テーマについての研究動向・関連資料を検討し,その問題点について討議を重ねた。フィリピンで開催したワークショップでは、現地考古学者の協力を得て、フィリピンにおける近代考古学が国民アイデンティティに果たした役割の変遷を整理した。

  • 介護の社会化に関する意志決定モデルの構成

    科学研究費助成事業(国立精神・神経センター)  科学研究費助成事業(萌芽的研究)

    研究期間:

    2001年
    -
    2003年
     

    川野 健治, 余語 琢磨

     概要を見る

    本研究では、高齢者介護において社会資源を導入する際の、利用者と家族による情報編集の過程の検討を通して、生活者の側から介護保険制度を吟味する。栃木県の伝統的城下町をフィールドした聞き取り調査を行なってきた。最終年度にあたる本年は、補足情報の収集、および理論的欠損事例を加え、ナラティブ・アナリシスを用いて全体的な考察を行なった。後者については、主に介護サービス提供者からより多くの支援を必要としていると思われる介護家庭の情報収集を含む。
    結果として、利用者と介護者による情報編集は、以下の3つのフェイズによって理解することが適切と解釈された。すなわち、(1)社会資源との相互作用、(2)個人資源との相互作用、(3)介護への意味づけ、が相互に連関しながら情報編集が進行する。
    例えば介護初期には、高齢者の体調の変化に応じて、まず家庭における状態の見立てと家庭の諸事情(e.g.田植え、連休など)など個人資源が考慮される。次に、社会資源としての役場、ホームドクターとの接触が起こり、そこから介護保険情報が収集され、医療措置が施される。家族は医療施設と家庭との「対比」によって要介護者の新たな側面に気づき、リハビリの様子を「観察」することで適切な介護への考え方を得る。また、病院の利用制限情報が提供され、「家庭介護信念」、また受療と帰宅の『交換性概念』(治らないと家に帰れない)を生成する。これらの介護への意味づけがさらに、社会資源、個人資源との接触に影響する。
    この3つのフェイズを支える資源分布は同一行政区域内においても偏りがあり、利用可能なサービス内容を限定するだけでなく、生活者の利用を動機づけるものであると考察された。したがって、生活者の介護サービス利用状況を理解し、また必要に応じて促進するためには、地域特性を考慮しつつ3つのフェイズの連鎖から情報編集過程を検討することが有効であると示唆された。

  • 日本窯業技術の歴史的展開に関する実験的研究-還元焔冷却法から酸化焔冷却法へ-

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(奨励研究(A))

    研究期間:

    1997年
    -
    1998年
     

    余語 琢磨

     概要を見る

    平成10年度は、平成9年度に行った須恵器焼成技術の研究に続き、中世焼締陶器の「還元焔焼成・酸化雰囲気冷却」技術の実験的復元研究と、考古遺物および焼成サンプルの自然科学的分析を目的とした。
    1 平成10年7月20〜24日、12月23〜25日、平成11年3月10〜12日の3回にわたり、倒焔式実験窯で薪燃料による焼成実験を行い、中世焼締陶器の酸化色(赤褐色)および須恵器の還元色(青灰色)を得る焼成技術の差異の探求とあわせて、温度域・焼成時間・酸素供給量などのデータ化を図った。
    2 分析用の考古遺物として、中世の代表的な焼締陶器生産地である越前焼(福井県)および珠洲焼(石川県)の出土品や復元焼成資料の提供を受け、実験窯における焼成サンプルとともに、岡山理科大学理学部に分析を依頼した。現在、X線解析による胎土中の鉱物組成の種類と量・金属結合状態および焼成温度、色スペクトル分光による色階調、炭素の吸着量などを分析・検討中である。
    この結果、1に関しては、薪燃料窯による「酸化焔・還元雰囲気冷却」技術の確立を得るとともに、表面呈色のおもな要因として、胎土中の鉄分含有量の少一多と、冷却段階、特に1,150〜950℃間の窯内酸素量と時間が、色調の灰(黒)ー赤、淡ー濃と相関関係にあることが明らかとなった。2に関しては分析継続中であるが、須恵器と中世焼締陶器の最高焼成はともに1,200-1,300℃に及ぶこと、遺物および実験資料の呈色は3価鉄と2価鉄の微妙な挙動により大きく変化することが明らかとなった。したがって、須恵器と中世焼締陶器の焼成技術に大きな懸隔はなく、表面呈色は冷却段階の酸化・還元操作によって意識的に選択されたものであり、その呈色は、生産者の技術的系統・流通機構・使用者の需要など、多様な要素の複合的選択の結果であると捉えられる。

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Misc

  • 都市工芸・京焼における近代−職人から職工へ−

    余語琢磨

    日本民俗学学会第76会年会研究発表要旨集     81 - 81  2024年10月

    担当区分:筆頭著者

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 都市工芸・京焼における製造者:問屋関係—“フセガマ”的取引慣行にみるそのアンビバレント—

    余語琢磨

    日本民俗学会第75回年会研究発表要旨集     133 - 133  2023年10月

  • 京都五条坂にみる陶磁器業の「近代化」—石田製陶所・日興電磁器株式会社の新出資料から—

    余語琢磨

    日本生活学会第50回大会発表梗概集     80 - 81  2023年06月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 京都市五条坂京焼登り窯(旧藤平)第2次発掘調査と工房の三次元計測

    余語琢磨, 田畑幸嗣, ナワビ矢麻, 川口華乃好, 立花唯翔, 木立雅朗

    日本考古学協会第89回総会研究発表要旨     111 - 111  2023年05月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 第4講 京式登り窯のフレキシビリティ —近世・近現代京焼の多様性と職人の技術・生活—

    令和4年度 考古学ゼミナール 「技術」から過去をさぐる     25 - 34  2022年  [招待有り]

    講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)  

  • 都市工芸・京焼の民俗誌的記述にむけて―伝統工芸と近代産業のはざまで

    余語琢磨

    日本民俗学会第73回年会研究発表要旨集     86 - 86  2021年10月

  • 京焼登り窯の三次元計測③-河井寬次郎窯の事例

    ナワビ矢麻, 木立雅朗, 余語琢磨, 田畑幸嗣

    日本文化財科学会第38回大会研究発表要旨集     262 - 263  2021年09月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 「コロナ不況」にゆらぐ伝統工芸と観光地——京焼および京都五条坂を事例として

    余語琢磨

    日本生活学会第48回研究発表大会資料集     93 - 94  2021年06月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 五条坂の工房と登り窯を歩く—語りと写真測量から考える京焼今昔—

    余語琢磨

    令和2年度京都市埋蔵文化財研究所文化財講演会「 五条坂の登り窯—京焼 今むかし—」     1 - 17  2020年11月  [招待有り]

    講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)  

  • 京焼登り窯の三次元計測②-上田恒次窯の事例-

    ナワビ矢麻, 木立雅朗, 余語琢磨, 田畑幸嗣

    日本文化財科学会第37回大会研究発表要旨集     294 - 295  2020年09月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 京都五条坂北側・道仙路地の研究(1)—窯業史・民俗考古学的視点から見た「ロージ」の成立と性格

    余語琢磨

    日本生活学会第47回研究発表大会梗概集     76 - 77  2020年06月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 胎土分析の目的と方法の研究史的再検討—学問の伝統と一般性をめぐる紙上鼎談

    篠藤マリア, 木立雅朗, 余語琢磨

    窯跡研究   4   67 - 102  2020年05月

    担当区分:責任著者

    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

  • 京都八瀬・石黒宗麿の作陶の場の研究(1)—民俗考古学的視点から

    余語琢磨

    日本生活学会第46回研究発表大会梗概集     90 - 91  2019年06月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 京焼登り窯の三次元計測①-石黒宗麿窯の事例-

    ナワビ矢麻, 木立雅朗, 余語琢磨, 田畑幸嗣

    本文化財科学会第36回大会研究発表要旨集     272 - 273  2019年06月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • 関根吉郎コレクションのアフリカ・マヤ資料について

    ナワビアハマッド矢麻, 余語琢磨

    早稲田大学會津八一記念博物館 研究紀要   19   43 - 51  2018年03月

    記事・総説・解説・論説等(大学・研究所紀要)  

  • Observations of "Waiting behavior" at Hachi-ko Square, A Comparative study 1977:2014—待ち合わせ・休憩者の滞留時間とポーズに注目して

    余語琢磨, 上野祐治, ほか

    日本生活学会ワークショップシリーズ 001:渋谷野帳     39 - 48  2015年04月

    担当区分:筆頭著者, 責任著者

    講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他)  

  • インドネシア・バリ島の土器売りの実践とその変容—消費財の物流・需要と生活の変化過程を探る歴史人類学的試み

    余語琢磨

    日本生活学会第41回研究発表大会 梗概集     52 - 53  2014年05月

    研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)  

  • “主観主義”と“楽観主義”のはざまで

    余語琢磨

    質的心理学フォーラム   5   89 - 90  2013年12月

    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)  

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現在担当している科目

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担当経験のある科目(授業)

  • バリ島の村

    早稲田大学オープン教育センター  

  • 文化人類学の最前線

    早稲田大学文学部  

  • 国際看護論

    高知医科大学  

  • 考古学各論

    静岡大学  

  • 技術文化論

    早稲田大学人間科学部  

  • 日本史III

    早稲田大学人間科学部  

  • ものづくりの技術論

    早稲田大学人間科学部  

  • 考古学の理論と方法

    早稲田大学大学院人間科学研究科  

  • 人間科学概論

    早稲田大学人間科学部  

  • 医療人類学

    自治医科大学医学部  

  • 参与観察法

    早稲田大学人間科学部  

  • 文化人類学

    早稲田大学教育学部, 自治医科大学医学部・看護学部, 放送大学  

  • 歴史学

    早稲田大学人間科学部,自治医科大学看護学部  

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 教育・総合科学学術院   教育学部

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

特定課題制度(学内資金)

  • インドネシアにおける伝統的生業の歴史的変容に関する調査―バリ島の土器作りを中心として―

    1998年  

     概要を見る

    バリ島カランガスム県で行った1997年度の調査に引き続き、伝統的生業製品としての土器の生産・流通・使用に関する研究を目的として1998年8~9月に行った調査は、東部4県に範囲を拡大した。生産地としては、クルンクン県トジャン村、バンリ県タマンバリ村、ギァニャール県トゥリクッ村・プランサダ村を、また東部4県の市場もその対象とした。 バリ島東部の土器生産 大型品を除く成形技法は、回転成形とタタキが基盤となる。しかしながら、煮沸用甕の胴部をすべて叩き出すジャシイ村に対し、トジャン村・タマンバリ村は、その半ばまで回転成形すること、糸切り技法の存在などが異なる。大型品の成形技法はジャシイ村とプランサダ村で大きな違いがあり、後者がタタキを用いない点は東部において特異である。また後者の粘土紐輪積み技法には、西部との繋がりがうかがえた。焼成技法は、ジャシイ村の野焼きに対して、他県では昇焔式窯を用いている。器形・器種の点では、儀礼用品のみを生産するトジャン・タマンバリ両村の類似性が際立っている。 東部の土器流通 最も東部に位置し他県に比して経済力が低いカランガスム県では、旧王国域全般におよぶネットワークが遺存し、材料採掘者・生産者・中央市場商人・他村の小売商の間で、慣習的に利益が細分化されている。東部4県全体を概観すれば、島中央部に近い県ほど近代的商業形態の浸透により旧来の生業ネットワークがゆらいでいる。流通のみならず村ごとの生産においても、儀礼土器への特化、レンガ生産への転業、観光用土器の創出など、旧来からの生業がもつ諸要素のなかから「戦術」的に選択され、生産地どうしで無意識的に分業化された、超県域的ネットワークへの変容・再編が強まっている。 本調査は99年度も継続予定であり、バリ島全域の生産・流通の状況把握と、その多様性を織りなしている文化的・地理的・歴史的諸条件を明らかにすることが課題である。

  • インドネシアにおける土器づくり村とその技術の調査

    1997年  

     概要を見る

    1997年8月、伝統的土器の製作技術と作り手の生業を研究目的として、インドネシア共和国バリ島カランガスム(Karangasem)県西部のジャシィ(Jasi)村において調査を行った。 製作技術 同村の技術的特徴が最も表出するのが、大型水甕(gombang)である。まず粘土を掌で短冊状に伸ばしながら横に接合して作った粘土板を円筒形にし、これを回転台上でタタキ板で叩いて膨らまし、さらに2回の乾燥・タタキ成形工程を経て、肩の張った完成形とする。前半段階の「板作り円筒技法」は東南アジア全域からみて希少な技術で、ジャシィ村においても現在数家族しか保持していない。この失われつつある技術を、記録保存した意義は大きい。焼成技法は野焼きで、乾期で月3回、雨期で月1回焼成する。 価格・流通 旧カランガスム王宮前の中央市場の商人が仲買いし、他村の人は市場から購入する。水甕の価格は、同村でRp.6,000、商人への卸値がRp.10,000、市場ではRp.13,000~15,000ほどである。流通圏は旧カランガスム王国域に相当し、植民地化から100年ほど経つ現在において、隣県の市場の方が近い県境の村におよぶことから、伝統的土器の流通や需要は、経済効率よりおもに文化的な規制力に基づいていると考察された。 土器作り村の生活 同村において土器作りに直接携わるのは女性のみで、多くの家が椰子・バナナ等の栽培、豚・鶏の飼育などの農業を兼ねている。父系制ゆえに女性は婚姻とともに実家を出るが、村内婚も多いようで、他村に嫁いだ者が土器を作ると壊れるとの伝承と相まって、技術は村内で継承される。土器作りにおける強いタブーはなく、祖先祭祀などの準備期間と祭礼日を除いてほぼ毎日作業が行われるが、雨期は生産量が減少する。 本調査は98年度も継続されるが、隣接地域の土器作り村へ調査対象を広げるとともに、環境・食生活・他の生業・価値観などとの関連を一層明確に解明していく予定である。研究成果の発表平成10年3月31日 余語琢磨「研究報告要旨 インドネシア・バリ島の土器作り」『ASIAN LETTER』第2号、東アジアの歴史と文化懇話会平成10年5月 余語琢磨「インドネシア・バリ島の土器作り―伝統的土器の製作技法を中心として―」『土曜考古』第22号、土曜考古研究会