Details of a Researcher
Updated on 2025/04/23
Personnel Information
Profile Information
Education Activity
Syllabus
Contribution to Society
Internal Special Research Projects
Theater and Culture
School of Fundamental Science and Engineering
2025 fall semester
School of Creative Science and Engineering
School of Advanced Science and Engineering
1960-70年代イギリス・ドイツにおけるドラマティック・バレエ興隆に関する研究
2024
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2024年7月6日から同7月17日にかけて、ドイツのケルンとハンブルクにおいて資料調査・上演調査を行った。ケルンでは、ケルン・ドイツダンスアーカイヴ(Deutsches Tanzarchiv Köln)を訪問し、ドイツの1960年代から現代までのバレエに関する一次資料の調査と、同施設でのみ視聴可能な映像資料の調査を行った。ハンブルクでは、研究対象である振付家ジョン・ノイマイヤーが芸術監督として最終年度を迎えるハンブルク・バレエの上演調査を行った。加えて、高齢者施設や刑務所などでのダンス公演を社会貢献活動として行う独創性の高い附属カンパニー、連邦青少年バレエ団(Das Bundesjugendballett)の活動状況についても調査を行った。調査の主な成果として、ダンスアーカイヴでは振付家ジョン・クランコがシュトゥットガルト・バレエの芸術監督に就任して間もない頃の創作について書かれた地元新聞の公演評を読み、後年クランコが成功を収めた《オネーギン》のようなドラマティック・バレエの代表作と、初期の短編バレエ作品との繋がりについて考察を深めることができた。クランコが《オネーギン》で成功を収めた直後に手がけた実験的なダンス作品、《尋問》のテレビ放映用映像作品を確認できたのも大きな収穫であった。加えて、一般的には英国ロイヤル・バレエの振付家として名高いケネス・マクミランが、クランコの就任初期からシュトゥットガルト・バレエのゲスト振付家として初期のバレエを同地で上演していたことも確認できた。ハンブルクでは、連邦青少年バレエ団においてノイマイヤーが、2000年代以降のコンテンポラリー・ダンスにおけるトレンドであった「リエナクトメント(reenactment)」にきわめて類似する手法での創作を行ったことがわかった。また、ノイマイヤーがプライベートで収集してきた膨大なバレエ・ダンス関連資料やバレエ・リュス関連の一次資料を、アーカイヴ施設として公開する準備が進められていることも確認できた。