特定課題制度(学内資金)
特定課題制度(学内資金)
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2024年 Julian Savulescu
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本研究は、ゲノム編集や幹細胞研究などの生命操作技術を中心とする先端科学技術によって、応用倫理学の中で論じられてきた倫理的議論がどのような限界や問題に直面するのかを明らかにし、新たな倫理規範を探究することを目的とする。 本研究では、既存の倫理的議論の限界が個体の生成過程への技術的介入および操作によって生じるという見方のもと、応用倫理学分野の重鎮であるジュアリン・サバレスキュ氏と共著論文(“In Defense of Moral Status Nullification: A Framework for Ethical Animal Modification"「「道徳的地位の無効化を擁護する:動物の倫理的改変のための枠組み」」)を執筆した。American Journal of Bioethicsに投稿・査読期間を経て、2025年3月末までに再投稿予定である。 また、2024年6月には京都大学の児玉聡氏のもとで開催された倫理学のワークショップにて発表し、有益なコメントおよびフィードバックを得た。そして、2024年7月から8月の二ヶ月間、スイスに滞在し、新たな倫理規範として、道具化の再考に基づく関係アプローチを構想した。この構想は、スイス滞在中に訪問したドイツのミュンヘン大学のニール・ナイロム氏のインフォーマルゼミにて研究発表し、今後につながるフィードバックを得ることができた。