Updated on 2026/04/13

Affiliation
Faculty of Social Sciences, Institute for Advanced Social Sciences
Job title
Research Associate
 

Internal Special Research Projects

  • 「人間との近さ」の技術的操作可能性とそれに基づく道徳的価値評価の限界

    2025  

     View Summary

    本研究では、科学技術の進展により「人間との近さ」が技術的に操作可能となる現代において、この基準に依拠した道徳的価値評価の限界を、動物倫理学とAI倫理学を横断して検討した。研究期間中は、生命操作技術と倫理の連関を扱った論考・分担執筆を通じて、ゲノム編集、分子ロボティクス、培養肉などの技術が、生命の設計可能性を拡大する一方で、既存の種差別規範や生命観、人間中心的な価値序列を揺さぶることを考察した。また、「サイボーグ化する生命」や人間中心主義を超える倫理枠組みを主題とする研究発表により、動物・人工物・環境を横断する規範的視座の再構成を進めた。さらに、ペットの安楽死をめぐる文化的・倫理的差異や、AIによって死者を「蘇らせる」ことの是非を検討することで、動物福祉、人工物との関係、死生観をめぐる具体的事例に即した分析を深めた。加えて、気候変動における責任の共有に関する検討を通じて、個体の内在的性質のみに還元されない責任と価値の捉え方を広げた。以上の成果を基盤として、現在はコンパニオンロボットにおける関係的個体化と関係的地位を軸に、AI倫理論文の執筆を進めている。

  • 遺伝子操作と道徳的義務:包括的な倫理的枠組みに向けて

    2024   Julian Savulescu

     View Summary

    本研究は、ゲノム編集や幹細胞研究などの生命操作技術を中心とする先端科学技術によって、応用倫理学の中で論じられてきた倫理的議論がどのような限界や問題に直面するのかを明らかにし、新たな倫理規範を探究することを目的とする。  本研究では、既存の倫理的議論の限界が個体の生成過程への技術的介入および操作によって生じるという見方のもと、応用倫理学分野の重鎮であるジュアリン・サバレスキュ氏と共著論文(“In Defense of Moral Status Nullification: A Framework for Ethical Animal Modification"「「道徳的地位の無効化を擁護する:動物の倫理的改変のための枠組み」」)を執筆した。American Journal of Bioethicsに投稿・査読期間を経て、2025年3月末までに再投稿予定である。  また、2024年6月には京都大学の児玉聡氏のもとで開催された倫理学のワークショップにて発表し、有益なコメントおよびフィードバックを得た。そして、2024年7月から8月の二ヶ月間、スイスに滞在し、新たな倫理規範として、道具化の再考に基づく関係アプローチを構想した。この構想は、スイス滞在中に訪問したドイツのミュンヘン大学のニール・ナイロム氏のインフォーマルゼミにて研究発表し、今後につながるフィードバックを得ることができた。