2024/12/15 更新

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ツジ ユウスケ
辻 悠佑
所属
教育・総合科学学術院 教育学部
職名
助手
学位
修士(政治学) ( 2016年03月 早稲田大学 )
プロフィール

政治哲学・法哲学・倫理学にまたがる正義論のフィールドで研究しています。特に歴史的不正義論とグローバル正義論に関心があります(部分的に世代間正義論も)。

私の研究全体を統合する問いをおおまかに説明すると、いま私たちが暮らす(グローバル)社会が、様々な不正にまみれた歴史の先端にあるという事実を考慮に入れたとき、私たちのあいだにある権利や義務関係はどのようになるのか、というものです。過去世代の不正に由来する賠償の正当化論(の挫折)や、歴史的に再生産される構造的不正義に対する責任論、M・U・ウォーカーの打ち出している匡正的正義の道徳的関係修復構想の検討などに取り組んでいます。

これまで、程度の差はあれど、以下の議論をフォローしてきました。

  1. ロールズおよびそれ以降の分配的正義論(特に運の平等主義と関係論的平等主義)
  2. リバタリアニズムの正義論
  3. デモクラシー論
  4. グローバル正義論(援助/救助義務、グローバルな/国際的分配的正義、領有権論、正戦論など)
  5. 集合的責任論(近年台頭した集団の行為者性group agencyを援用した議論が念頭にあります)
  6. 世代間正義論および関連する非同一性問題や危害概念の議論
  7. 差別の倫理学
  8. 人種正義論(例えばC・W・ミルズ、T・シェルビーらの議論)
  9. 構造的不正義論

→主に、2, 4と部分的に5が「植民地支配と政治的集合体の自己決定」に、1, 2, 4, 6が「歴史的不正義論における権原理論アプローチとその問題」の議論に貢献しています。

目下、特に着目してフォローしようとしている議論は以下です。

  • フェミニズム哲学(認識的不正義論周辺や、抑圧、モノ化、ハラスメント等諸概念)
  • 社会集団の社会存在論

記憶の倫理(たとえばマルガリート)や赦し(J.G. マーフィーやグリズウォルドなど)といった議論の検討も進めたいと思っているのですが、手がつけられていません。

おねがい
特定の社会(諸)集団に対する制度的/構造的な不正義や、個人を超えた主体(国家)が行った不正義の責任を扱おうとすると、社会集団の社会存在論や集団行為者性/共同行為論といった、政治哲学の領域を越えた議論の蓄積を摂取しなければならず、勉強しつつもしばしば途方に暮れております。いろいろご教示いただければと思います。よろしくお願いします。

経歴

  • 2023年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   教育・総合科学学術院   助手

    社会科公共市民学専修

学歴

  • 2016年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   大学院政治学研究科博士後期課程  

  • 2014年04月
    -
    2016年03月

    早稲田大学   大学院政治学研究科修士課程  

  • 2010年04月
    -
    2014年03月

    国際基督教大学   教養学部  

研究分野

  • 政治学   政治哲学、政治理論

研究キーワード

  • 世代間正義

  • 構造的不正義

  • 援助義務

  • 責任

  • 非理想理論

  • 平等

  • 賠償

  • 正義

  • 領有権

  • 正統性

  • リベラリズム

  • リバタリアニズム

  • 非同一性問題

  • 危害

  • 匡正的正義

  • 歴史的不正義

  • グローバル正義

  • 分配的正義

  • 政治哲学

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受賞

  • 研究奨励賞

    2023年05月   政治思想学会   歴史的不正義論における権原理論アプローチとその問題  

 

論文

  • 歴史的不正義論における権原理論アプローチとその問題

    辻悠佑

    政治思想研究   ( 23 ) 361 - 390  2023年04月  [査読有り]

  • 植民地支配と政治的集合体の自己決定

    辻悠佑

    思想   ( 1155 ) 138 - 153  2020年07月  [招待有り]

書籍等出版物

  • アゲインスト・デモクラシー(上・下)

    井上彰, 小林卓人, 辻悠佑, 福島弦, 福原正人, 福家佑亮( 担当: 共訳,  担当範囲: 第1, 2章)

    勁草書房  2022年08月 ISBN: 9784326351862

講演・口頭発表等

  • 不正からの受益について

    辻悠佑

    オンライン政治理論研究会  

    発表年月: 2023年03月

  • 構造的不正義論における責任論の再検討: 歴史的不正義の規範的含意を巡って

    辻悠佑

    オンライン政治理論研究会  

    発表年月: 2022年03月

  • 構造的不正義論における責任の再検討: 歴史的不正義の規範的含意を巡って

    辻悠佑

    政治経済学会  

    発表年月: 2022年03月

    開催年月:
    2022年03月
     
     
  • 契約主義と歴史的不正義

    辻悠佑

    オンライン政治理論研究会  

    発表年月: 2020年09月

  • 歴史的不正義論をめぐる批判的検討: 賠償説から関係説へ

    辻悠佑

    政治思想学会  

    発表年月: 2019年05月

  • 歴史的不正義論における過去の不正の地位: <ロッキアン・アーギュメント>の批判的検討

    辻悠佑

    政治経済学会  

    発表年月: 2017年03月

  • 歴史的不正義における反実仮想: 理論による問題の歪曲?(ワークショップ「政治哲学の方法論」)

    辻悠佑

    哲学若手研究者フォーラム  

    発表年月: 2016年07月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 地層処分の超長期的影響に関する世代間正義と民主的合意形成の法哲学的・法政策論的基盤構築

    原子力発電環境整備機構(NUMO) 

    研究期間:

    2020年05月
    -
    2021年11月
     

Misc

  • グローバルな歴史的不正義の償いとして、世界の再構築は要請されるのか?: Olúfẹ́mi O. Táíwò, Reconsidering Reparations(Oxford University Press, 2022)を読む

    辻悠佑

    政治思想学会会報   57   10 - 12  2023年12月  [招待有り]

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 訳者解説

    小林卓人, 辻悠佑, 福島弦, 福家佑亮

    ジェイソン・ブレナン『アゲインスト・デモクラシー(下)』(勁草書房)     173 - 194  2022年08月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 世代間正義に関わる制度構想の政治哲学的考察

    辻 悠佑

    【報告書】2020 年度・2021 年度原子力発電環境整備機構支援研究「地層処分事業に係る社会的側面に関する研究」【研究代表者:吉良貴之】     66 - 71  2021年11月  [招待有り]

    担当区分:責任著者

 

担当経験のある科目(授業)

  • 公共哲学

    高崎経済大学  

    2023年04月
    -
    継続中
     

  • 国際関係

    立教池袋中学校・高等学校  

    2022年04月
    -
    継続中
     

     概要を見る

    高校3年生に向けた大学準備科目として、国際関係における倫理的諸問題を扱った。援助義務、グローバルな分配的正義、スウェットショップ問題、正戦論と人道的介入、気候正義など。

  • 政治分析入門02(久米郁男教授)TAセッション

    早稲田大学 政治経済学部  

    2021年09月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    教授による全体講義をTAが補足するTAセッション(20人45分×2班)

  • 政治分析入門01(久米郁男教授)TAセッション

    早稲田大学 政治経済学部  

    2021年04月
    -
    2021年07月
     

     概要を見る

    教授による全体講義をTAが補足するTAセッション(20人45分×2班)

  • 政治分析入門02(河野勝教授)TAセッション

    早稲田大学 政治経済学部  

    2020年09月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    教授による全体講義をTAが補足するTAセッション(20人45分×2班)

  • 政治分析入門01(河野勝教授)TAセッション

    早稲田大学 政治経済学部  

    2020年04月
    -
    2020年07月
     

     概要を見る

    教授による全体講義をTAが補足するTAセッション(20人45分×2班)

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