Internal Special Research Projects
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植民地台湾における公式的な歴史編纂事業 −隈本繁吉文書を中心に−
2023
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昨年10月上旬に特定課題研究を助成していただけるようになり、その後、「目録」を作成しながら、必要な機材(カメラ・ノートパソコンなど)の購入・協力していただく研究補助者の確保などを進めた。隈本繁吉文書について、「教育関連」の部分は『日本植民地教育政策資料集成』朝鮮篇と台湾篇に取り上げられ、翻刻されたが、教育以外に関する内容は、現在でも東京大学国際社会科学図書館が所蔵している原本を利用しなければならない。今回、報告者は「台湾関係一般/台湾史料関係」に焦点を絞って、原本の画像データを撮影し、画像データを整理した上で、翻刻作業を行なったが、半年しかないという期間的な限定および予算の限界で、23年度の作業では翻刻作業の途中で中断せざるを得なかったが、現段階の成果として、簡単に説明する。まずは「隈本繁吉文書(台湾史料関係)目録」の作成、資料名および分類などについては、阿部洋氏の「改題」の基づいたものになるが、翻刻作業および翻刻内容の確認作業を通して得られた詳細な情報を追加し、誤読・誤植の部分に対して修正を行なった。次に、上述した通り、翻刻作業を行なうために、翻刻対象の画像データを入手する必要があり、現在「台湾関係一般/台湾史料関係」の原本画像撮影が完了し、撮影した画像データを目録に従い、資料毎に整理し、PDF化を行なった。隈本繁吉文書(台湾史料関係)の翻刻について、研究補助者として総合研究大学院文化科学研究科博士課程所属の方に、第一段階の翻刻作業を依頼した。全41項目中、18項目の第一段階翻刻作業が完了した。第一段階翻刻作業が完了したデータに対して、報告者は翻刻内容の確認作業を行なっている。現在18項目中、8項目の確認作業が完了した。未完成の作業を完遂し、翻刻した内容を分析・研究するため、24年度も継続する必要があり、次のステップとして、整理・翻刻・分析・研究の内容を如何に発信すべきか検討したい。