2026/04/13 更新

所属
社会科学総合学術院 社会科学部
職名
准教授(任期付)
 

現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 文学学術院   文化構想学部

特定課題制度(学内資金)

  • 日本近代浪漫主義の起源の再検討

    2025年  

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    本研究は、日本近代浪漫主義の起源を再検討することを目的とし、従来の西洋影響中心の解釈枠組みに対して、雑誌メディア、古典的伝統、東アジア思想の交錯という三つの視座から、その生成過程を総合的に解明したものである。主な研究成果は以下の通りである。第一に、資料的基盤の側面において、本研究は明治期の雑誌『文学界』を中心に、関連資料の体系的整理・精読・分析を行った。掲載作品および評論、さらには言説空間の構造を精緻に検討することにより、「浪漫主義」という概念が確立される以前の日本における言論空間を再構築し、その成立以前の思想的文脈を明らかにした。第二に、思想的源流の側面において、本研究は日本近代浪漫主義と日本古典文学との内在的連関に着目し、西行・鴨長明・兼好・芭蕉といった古典的表象が明治期にいかに再評価されたのかを考察した。その結果、近代知識人は西洋ロマン主義を単に移入したのではなく、日本古典に内在する「漂泊」「自然」といった思想を再解釈する過程において、内発的な浪漫主義的言説を構築していたことを明らかにした。第三に、東アジア的視座において、本研究は中国の隠逸詩人陶淵明の受容を手がかりに、その思想が明治期の浪漫主義文人といかなる関係を有していたのかを検討した。明治知識人による陶淵明言説を分析することにより、その隠逸思想が日本へと伝播・変容していく過程を描き出し、中国文化の視点から日本近代浪漫主義に対する新たな解釈の手がかりを提示した。以上三つの研究成果は、それぞれ異なる国際学会において報告され、継続的な学術的対話と検討を通じて、さらに深化・精緻化が図られている。

  • 近代日本における浪漫主義と隠逸思想

    2024年  

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    本研究は、近代日本における浪漫主義の生成を再検討することを目的とし、従来の西洋文学受容を中心とする解釈枠組みを相対化し、「隠逸思想」の視座からその再考を試みるものである。とりわけ、明治前期の言論空間に注目し、浪漫主義がいかなる思想的基盤の上に生成・展開されたのかを明らかにすることを目指した。本研究が提示する第一の観点は、近代日本の浪漫主義を、日本古典以来の隠逸思想が近代的文脈の中で再編成されたものとして捉える必要性である。第二、北村透谷に代表される明治知識人の言説において、「厭世」が単なる消極的感情ではなく、近代社会に対する批判的認識として機能している点である。この「厭世」は、前近代の隠逸思想と内在的な連関を有しつつ、新たな歴史的条件のもとで近代化を再考する契機として転化されている。第三、本研究は、明治期における陶淵明の流行に着目し、夏目漱石をはじめとする作家の作品分析を通じて、中国古典の隠逸思想が近代日本文学においていかに再生産されたのかを明らかにし、近代日本と中国古典との思想的連関を提示した。以上の研究成果は、学術論文および国際学会において公表されている。

  • 明治日本の近代化構想と国語施策・漢字論

    2023年  

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    明治日本の国語施策および漢学教育改革と関連する法令を検討し、「国家政策レベル」から明治日本がめざした近代文明の言語論的な側面を描き上げた。その研究成果を「How did Meiji Japan eliminate “Kan” from a perspective of language policy」という題目で2023年9月にオーストラリアのシドニー大学で開催されたBiennial Conference of the Japanese Studies Associationで発表した。