Updated on 2025/05/09

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MIYOSHI, Yuko
 
Affiliation
Affiliated organization, Center for Japanese Language
Job title
Associate Professor(non-tenure-track)
 

Syllabus

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Sub-affiliation

  • Affiliated organization   Global Education Center

Internal Special Research Projects

  • 日本語教育における動詞の構文情報の指導

    2025  

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    動詞は文の核となり、構文を決める役割を持つ。そのため、日本語学習者が自分の考えを正確に日本語で表現できるようになるために、動詞の意味と構文の知識が必要である。本研究の目的は動詞の持つ構文の情報をいかに指導するかを明らかにすることである。指導の方法として、動詞の意味のカテゴリーごとに項構造パターンを示す指導が有効であると考え、その方法についての調査を進めている。例えば、「入れる」のように物を移動させるという意味の動詞は「〈もの〉を〈場所〉にV」という構文パターンを取り、同様の動詞に「置く」「つける」などがある。どのような動詞がどのような構文パターンを取るかを指導するのである。構文パターンを示した場合と示さない場合を比較する実験的調査を行い、構文パターンを示すことの効果を検証した。この調査の結果明らかになったことを日本語教育学会で発表し、さらに雑誌にも投稿する予定である。調査により、この方法の効果がある程度認められたことから、今後はこの方法を具体化するための調査を進めたいと考えている。

  • 日本語教育のための多義動詞の意味・用法ごとの親密度測定

    2024  

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    本研究は、多義動詞の個々の意味・用法について、母語話者にとっての馴染みの深さの程度である「親密度」を測るシステムを構築するものである。動詞は文の核となる品詞であり、表現活動において動詞の適切な選択と使用は非常に重要である。しかし、動詞の適切な使用に必要な意味・用法の理解は学習者にとって容易ではない。特に基本動詞は多義化する傾向があるが、日本語教育の現状では、学習対象とすべき意味・用法の範囲を決定するための明確な指標がなく、学習者の日本語レベルに合わせた範囲設定の指標が求められている。本研究では、その指標となるものとして、現在作成の進んでいる基本動詞データベース「Don 動詞どん」を用い、動詞の意味・用法ごとの「親密度」を測るシステムを作ることを目指す。現在、「Don 動詞どん」の作成を進めており、現在までに約800エントリーを完成させ、すでに一部を公開している。また、「Don動詞どん」の効果を検証する実験を行い、効果を実証することができた。その調査で、「Don動詞どん」は調査に協力した学習者から高く評価された。この調査結果は、ICJLE2024において「日本語動詞学習データベース「Don動詞どん」の有用性―適切な文産出のために―」というタイトルで発表した。さらに、この調査において収集したデータの分析を行い、「動詞の持つ構文情報の指導に向けてー日本語動詞学習データベース「Don動詞どん」の効果検証実験からー」というタイトルで、論文の投稿を行った。

  • 日本語教育のための多義動詞の意味・用法データベースの構築

    2024  

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    動詞は構文情報を持つという意味で文の核となる品詞であり、表現活動において動詞の適切な選択と使用は非常に重要である。本研究は、日本語学習者が動詞の持つ構文情報を学ぶことができるよう、動詞の意味と項構造を英語訳のついた例文とともに示した基本動詞データベース「Don動詞どん」の作成を目指すものである。研究では、各動詞に関する記述の方法の検討を進め、その方法をほぼ決定することができた。その方法に従い、現在までに約800エントリーを完成させ、すでに一部を公開している。また、「Don動詞どん」の効果を検証する実験を行い、効果を実証することができた。その調査で、「Don動詞どん」は調査に協力した学習者から高く評価された。この調査結果は、ICJLE2024において「日本語動詞学習データベース「Don動詞どん」の有用性―適切な文産出のために―」というタイトルで発表した。さらに、この調査において収集したデータの分析を行い、「動詞の持つ構文情報の指導に向けてー日本語動詞学習データベース「Don動詞どん」の効果検証実験からー」というタイトルで、論文の投稿を行った。

  • 日本語教育における連語による語彙と文法の学習とその指導

    2019  

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      本研究は、統語関係を持つ語と語の結びつきである連語を用い、語彙と文法を学ぶ「連語による学習」を考案し、それをより効果的な学びにするための方法を明らかにしようとするものである。  具体的な指導方法を探るため、2019年4月から7月にかけて、国内の大学の2つの初級クラスにおいて、実際にこの考え方に基づく授業を行った。1つは、語彙を主眼とし、語の使い方を学びながら語彙の拡張を図るクラス、もう1つは、連語を用いて助詞の理解を図るクラスである。いずれのクラスにおいても、オリジナル教材を作成し、指導を行った。現在、アンケート等から、授業に対する学生の反応や学習の成果の分析を行っている。

  • 日本語教育における「考える語彙学習」の実現のための教材と指導方法の開発

    2017  

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     語の使い方について「考える」ことで、効果的、かつ面白みのある語彙学習が可能になると考え、そのための教材として語句の問題作成を試みた。問題を用いた指導の後に学習者が作った短文では誤りが減少し、語彙学習に関する気づきが得られるなどの効果も認められた。学習者の評価も好意的であった。一方で、難しさ、わかりにくさの指摘も少なくなかった。特に、語句の正確な使用を追求すると問題の難易度が上がり、学習者のニーズとのずれや不活発な授業につながりかねないことがわかった。また、意味的に複雑な語句の場合、理解のためにより多くの文脈が必要で、短文を用いた問題形式では十分な理解が得られにくいこともわかった。