2024/12/21 更新

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マキノ ヒロキ
牧野 広樹
所属
人間科学学術院 人間科学部
職名
講師(テニュアトラック)
学位
修士(人間・環境学) ( 2017年03月 京都大学 )
博士(人間・環境学) ( 2020年09月 京都大学 )
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プロフィール

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研究領域:
文化史・文化論

現在の関心:
①近現代ドイツにおける音楽的思考/音楽実践の文化史・文化論的研究
「音楽すること」とそれに伴って現出する共同体、そしてそれを基礎づける「聴覚/聴くこと」という感覚に着目しつつ、近現代ドイツにおける音楽的思考/音楽実践を追っています。

「聴くこと」をはじめとする音楽に係る感覚と実践は、常に他者との関係性とともにあります。近代市民社会の絶え間ない再編制のポリティクスと、それが織りなす包摂と排除の様相を「音楽と社会」という観点から明らかにすることを目指しています。

現在は第三帝国期、そして第二次世界大戦後の復興期へと時代を移し、音楽学者や音楽活動家たちの国民社会主義への順応、そして第二次世界大戦後における音楽文化と「過去の克服」について考察しています。


②近現代ドイツ語圏文学におけるメデイア伝説の系譜
「自己」という存在もまた、他なる存在なくして存立しえません。

その観点を踏まえたうえで、近現代ドイツ語圏文学におけるメデイア伝説の改作・翻案の系譜をたどっています。

近現代ドイツにおける自己/他者アイデンティティの成立とそれに付随する市民社会における包摂と排除のポリティクスという問題系に関して、西洋における「他者」としてのメデイアを描く物語を辿ることで解明を試みます。

③その他
上記二項の関心に共通しているのは、共同体から排除され、零れ落ちていく様々な存在をめぐる思考です。

われわれはなぜ「他なるもの」を排除することなしに自己や共同体を存立しえないのか?すべての包摂と救済、その(不)可能性の先にあるユートピアや理想はいかにして創造/想像しうるのか?そして語り、表現しうるのか?

今後、この興味関心に沿いつつ、ドイツ語圏にとどまらない様々な文化的事象に関する研究を展開していくことを構想しています。

経歴

  • 2024年08月
    -
    継続中

    早稲田大学総合研究機構   オペラ/音楽劇研究所   研究所員

  • 2022年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   人間科学学術院   講師(テニュアトラック)

  • 2021年04月
    -
    2022年03月

    京都大学   非常勤講師

  • 2021年04月
    -
    2022年03月

    近畿大学   非常勤講師

  • 2020年04月
    -
    2022年03月

    立命館大学   授業担当講師

  • 2017年04月
    -
    2020年03月

    日本学術振興会   特別研究員DC1

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学歴

  • 2017年04月
    -
    2020年03月

    京都大学   大学院人間・環境学研究科  

  • 2015年04月
    -
    2017年03月

    京都大学   大学院人間・環境学研究科  

所属学協会

  • 2020年04月
    -
    継続中

    世界文学会

  • 2020年04月
    -
    継続中

    日本ドイツ学会

  • 2017年04月
    -
    継続中

    日本音楽学会

  • 2017年04月
    -
    継続中

    日本音楽表現学会

  • 2015年04月
    -
    継続中

    ドイツ現代史研究会

  • 2015年04月
    -
    継続中

    日本独文学会

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研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史 / ヨーロッパ文学 / 美学、芸術論

研究キーワード

  • 西洋史

  • 文化学

  • ドイツ文化史・文化論

 

論文

  • 楽壇のポリティクス:第三帝国における音楽研究史概観

    牧野 広樹

    関西美学音楽学論叢 / 関西美学音楽学研究会 編   8   2 - 37  2024年03月

  • 邂逅するメデイア : グリルパルツァー『金羊毛皮』における「他者」との遭遇

    牧野 広樹

    世界文学 / 世界文学会 編   138 ( 138 ) 50 - 59  2023年12月  [査読有り]

  • 継承か、断絶か : ドイツ青年音楽運動とヒトラー・ユーゲントにおける音楽活動の連関に関する政治的評価をめぐって

    牧野 広樹

    音楽学 = Journal of the Musicological Society of Japan / 日本音楽学会 編   69 ( 1 ) 50 - 63  2023年10月  [査読有り]

    DOI

  • 『ギター弾きのハンス』と民謡の「再発見」

    牧野 広樹

    音楽学 = Journal of the Musicological Society of Japan   67 ( 1 ) 1 - 16  2021年10月  [査読有り]

    DOI CiNii

  • 沈黙するメデイア : クリスタ・ヴォルフ『メデイア さまざまな声』における語りと沈黙

    牧野 広樹

    Germanistik Kyoto   ( 22 ) 43 - 62  2021年07月  [査読有り]

    CiNii

  • 青年音楽運動と音響メディア

    牧野 広樹

    ドイツ研究 = Deutschstudien   54 ( 54 ) 42 - 52  2020年03月  [査読有り]

    CiNii

  • 芸術的共同体:青年音楽運動における音楽実践の役割について

    牧野 広樹

    音楽学   65 ( 1 ) 18 - 31  2019年10月  [査読有り]

     概要を見る

    本稿では、青年音楽運動における共同体像がどのような芸術表象をモデルとして形成されたのか、そしてその実現にあたって音楽実践がどのような役割を担ったのかを、その代表的な活動家であるフリッツ・イェーデ、ゲオルク・ゲッチュ、ハンス・フライヤーの著作をもとに考察する。その際、トマス・トゥリノの「可能世界」概念を導入しつつ、〈可能世界〉を〈現実世界〉へと接続させる行為として音楽実践を捉えることによって、彼らそれぞれの共同体モデルを浮き彫りにすることを試みる。<br>
      フリッツ・イェーデは、ポリフォニーという音楽形式をメタファーとして、それぞれに立場の異なる構成員が一つの作品を織りなす共同体像を構想し、その実現にあたって対話の契機として音楽実践の役割を位置づけた。彼の行った授業の様子や「開かれた音楽の時間」という催しから、その実現を試行していたことが明らかになる。ゲオルク・ゲッチュは、イングランドの形式舞踊をモデルとした共同体像を構想し、個々の小共同体の形成と、それらをネットワークで繋げる手段として、音楽実践の役割を位置づけた。その実現に向けて、ゲッチュは頻繁に外国への演奏旅行を行っている。ハンス・フライヤーは、音楽作品が実践によって生起するという構造そのものをモデルとした共同体像を構想し、その共同体を形成し、維持する手段として、音楽実践の役割を位置づけた。この音楽が生起する構造をモデルとした共同体像は、国家にまで敷衍され、彼の共同体論を支えることとなる。<br>
      このようにみると、「ゲマインシャフト(共同体)」という一語には集約しえない、多彩な共同体モデルが、青年音楽運動の活動家たちによって構想されていたこと、その構想にあたって諸芸術の形式や特徴がモデルとして援用されていたこと、そしてその共同体像の実現にあたって音楽実践が重要な役割を担っていたことが明らかになる。

    DOI CiNii

  • 青年音楽運動における聴覚論

    牧野 広樹

    Germanistik Kyoto   20   1 - 19  2019年07月  [査読有り]

    CiNii

  • 青年運動における指導者概念をめぐって : フリッツ・イェーデと「導かない指導者」

    牧野 広樹

    人間・環境学   27   115 - 126  2018年12月  [査読有り]

    CiNii

  • フリッツ・イェーデの音楽観における共同性 : 共同の音楽実践とその目的設定をめぐって

    牧野 広樹

    音楽表現学 = Bulletin of the Japan Music Expression Society   15   1 - 18  2017年11月  [査読有り]

    CiNii

  • 青年音楽運動の歴史的位相:アドルノによる批判とイェーデの再評価を手がかりに

    牧野 広樹

    文芸表象論集 = Literary Arts and Representation   3   31 - 49  2016年03月  [査読有り]

    DOI CiNii

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書籍等出版物

  • 歌声の共同体:ドイツ青年音楽運動の思想圏

    牧野 広樹( 担当: 単著)

    松籟社  2022年02月 ISBN: 4879844187

    ASIN

講演・口頭発表等

  • 第三帝国期の音楽界の第二次世界大戦後における評価をめぐって

    牧野広樹  [招待有り]

    第277回「歴史と人間」研究会10月例会  

    発表年月: 2023年10月

  • 第三帝国期の音楽実践における理念とイデオロギー

    日本音楽学会第73回全国大会  

    発表年月: 2022年11月

    開催年月:
    2022年11月
     
     
  • ドイツ青年音楽運動におけるマルクス主義批判とナチ体制容認の意思決定過程について

    ドイツ現代史研究会10月例会  

    発表年月: 2020年10月

  • 他者の受容と共同体のポリティクス――メデイアの形姿をめぐって――

    牧野 広樹

    世界文学会関西支部第4回研究会  

    発表年月: 2020年09月

  • 青年音楽運動と音響メディア

    牧野 広樹  [招待有り]

    「音楽と社会」研究会 研究フォーラム  

    発表年月: 2019年02月

  • 青年音楽運動における「聴覚/聴くこと」

    牧野 広樹

    日本独文学会京都支部 秋季研究発表会  

    発表年月: 2018年12月

  • 青年音楽運動における音楽実践の位置づけ――楽師ギルドを中心に――

    牧野 広樹

    日本音楽学会 第68回全国大会  

    発表年月: 2017年10月

  • 青年音楽運動における境界線の再編制―党派・宗派・家庭から民族へ―

    牧野 広樹

    日本独文学会 秋季研究発表会  

    発表年月: 2017年09月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 第三帝国期における音楽業界・音楽学研究に関する基盤的調査

    早稲田大学  特定課題研究助成費

    研究期間:

    2024年06月
    -
    2025年03月
     

  • ドイツ文学におけるメデイア伝説改作・翻案の系譜

    早稲田大学  特定課題研究助成費

    研究期間:

    2023年06月
    -
    2024年03月
     

    牧野 広樹

  • ドイツ青年音楽運動の政治的評価をめぐって:ナチズムとの歴史的連関に関する考察

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2024年03月
     

    牧野 広樹

     概要を見る

    本年度は、本研究を遂行するにあたっての、基礎的文献の収集と読解に努めた。
    基礎的文献の収集は、1)近現代ドイツ史全体におけるナチズム研究の現況とその問題点、2)聴覚と音楽の社会的作用についての様々な観点からの研究、3)ドイツ青年音楽運動の活動者たちによる1933年以後の文書、著作の三つの方向性から収集を継続している。
    1)および2)に関しては、ある程度の収集を見込むことができたが、3)に関しては、新型コロナウイルスの感染状況によって、ドイツでの調査を行うことが出来ず、やや停滞している。
    そのため、現在はでき得る限りの文献収集を継続しつつ、収集した文献の読解と整理に資金と時間を当てることに主眼を置き、研究を進めている。
    現時点では、次年度(2022年度)の学会発表及び論文投稿に向け、ある程度の成果を見込むことができると思われる。

  • 共同の音楽行為と全体主義:ドイツ青年音楽運動の文化史的検討を中心として

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

    牧野 広樹

     概要を見る

    本年度は、これまで集めてきたドイツ青年運動文書館(Archiv der deutschen Jugendbewegung)所蔵の史料やその他史資料の収集と、これまでの発表の成果をまとめ、それらを論文化することに努めた。
    まず、青年音楽運動における聴覚論に関して、ヴァルター・ヘンゼルとハンス・フライヤーを取り上げ、論文「青年音楽運動における聴覚論」に示した。この論文は、「聴覚/聴くこと」が彼らにとってどのような意味を持っていたかを探ることによって、彼らが青年音楽運動に参加した理由を探るものである。次に、青年音楽運動でも特に大きなグループ、「楽師ギルド」の参加者、フリッツ・イェーデ、ゲオルク・ゲッチュ、ハンス・フライヤーにおける共同体像に関して、論文「芸術的共同体――青年音楽運動における音楽実践の役割について――」に示した。この論文は、彼らの共同体像に「芸術」なるもののイメージがどのように表れていたのかを探ることで、「ゲマインシャフト(Gemeinschaft)」という一語では捉えきることのできない、多様な共同体像があったことを明らかにするものである。そして、技術論に関して、論文「青年音楽運動と音響メディア」に示した。この論文は、反近代的・ロマン主義なとされる青年音楽運動において等閑視されてきた技術、主に音響メディア(ラジオ・レコード)についての議論を、ドイツ青年運動文書館所蔵の史料から読み取り整理するとともに、それが運動にとって持つ意味を明らかにするものである。
    本年度は、前年度からの目標であった、多角的なアプローチと幅広い人物を扱うことによって、多層的な青年音楽運動の様相を明らかにすることができ、最終年度としてふさわしい成果を上げることができたように思われる。

  • 「愛」の思想史研究会

    京都大学大学院人間・環境学研究科 学際教育研究部  研究会支援制度

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2019年03月
     

Misc

  • みんなそれぞれ宇宙人、それでも共に生きていくために

    牧野 広樹

    京都日独協会報   ( 17 ) 2 - 9  2023年01月  [招待有り]

    記事・総説・解説・論説等(その他)  

その他

  • ドイツ語教員研修奨学金プログラム

    2022年08月
     
     

     概要を見る

    Goethe Institutの奨学金プログラムを利用し、2022年8月14日から2022年8月27日Bremenにて開催されたSprachkurs Deutsch für Lehrkräfteに参加。

 

現在担当している科目

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担当経験のある科目(授業)

  • 卒業研究ゼミII(政治・文化複合史)

    早稲田大学  

    2024年10月
    -
    継続中
     

  • 卒業研究ゼミI(政治・文化複合史)

    早稲田大学  

    2024年04月
    -
    継続中
     

  • 専門ゼミII(政治・文化複合史)

    早稲田大学  

    2023年09月
    -
    継続中
     

  • 専門ゼミI(政治・文化複合史)

    早稲田大学  

    2023年04月
    -
    継続中
     

  • 政治・文化複合史特論

    早稲田大学  

    2022年09月
    -
    継続中
     

  • ドイツ近現代史

    早稲田大学  

    2022年09月
    -
    継続中
     

  • 歴史学の理論と方法

    早稲田大学  

    2022年04月
    -
    継続中
     

  • ドイツ語基礎II

    早稲田大学  

    2022年04月
    -
    継続中
     

  • ドイツ語基礎I

    早稲田大学  

    2022年04月
    -
    継続中
     

  • 場の形成からみた環境デザイン評価論

    早稲田大学  

    2023年08月
    -
    2025年08月
     

  • 基礎ゼミI

    早稲田大学  

    2023年04月
    -
    2023年08月
     

  • 基本ドイツ語(表現)Ⅱ

    立命館大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語・展開1

    立命館大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語・応用Ⅱ

    立命館大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語ⅡB

    京都大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語総合4

    近畿大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語総合2

    近畿大学  

    2021年09月
    -
     
     

  • ドイツ語ⅡA

    京都大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • ドイツ語総合3

    近畿大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • ドイツ語総合1

    近畿大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • 基本ドイツ語(表現)I

    立命館大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • ドイツ語・応用I

    立命館大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • 時事ドイツ語

    立命館大学  

    2021年04月
    -
     
     

  • 映像・CALLで学ぶドイツ語

    立命館大学  

    2020年09月
    -
     
     

  • ドイツ語で読み解く世界と経済B

    立命館大学  

    2020年09月
    -
     
     

  • ドイツ語展開1

    立命館大学  

    2020年09月
    -
     
     

  • ドイツ語で読み解く社会と文化B

    立命館大学  

    2020年09月
    -
     
     

  • ドイツ語・比較文化論

    立命館大学  

    2020年04月
    -
     
     

  • ドイツ語で読み解く社会と文化A

    立命館大学  

    2020年04月
    -
     
     

  • ドイツ語基礎1

    立命館大学  

    2020年04月
    -
     
     

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社会貢献活動

  • 良いリーダーになるには?

    京都大学高大連携事業「学びコーディネーター事業」 

    2019年
    -
     

     概要を見る

    授業依頼校:熊谷高等学校、静岡高等学校

  • 「共生」について考える

    京都大学高大連携事業「学びコーディネーター事業」 

    2017年
    -
    2019年

     概要を見る

    授業依頼校:京都教育大学附属高等学校、時習館高等学校、豊多摩高等学校

  • 人文学への誘い

    京都大学高大連携事業「学びコーディネーター事業」 

    2017年
    -
     

     概要を見る

    授業依頼校:新潟南高等学校

  • 「歴史」について考える

    京都大学高大連携事業「学びコーディネーター事業」 

    2017年
    -
     

     概要を見る

    授業依頼校:浜松北高等学校、小松北高等学校

他学部・他研究科等兼任情報

  • 人間科学学術院   大学院人間科学研究科

  • 人間科学学術院   人間科学部通信課程

特定課題制度(学内資金)

  • ドイツ文学におけるメデイア伝説改作・翻案の系譜

    2023年  

     概要を見る

    本研究課題では、、1) フランツ・グリルパルツァー『金羊毛皮』(1822年)の読解と解釈2) ドイツ語圏文学における主要なメデイア伝説改作・翻案の把握、3) メデイア伝説に関わる問題圏の検討の三点を主要な方向性として定め研究を推敲した。 1) では、ドイツ語圏文学におけるメデイア改作の戯曲として最も有名と言ってよいグリルパルツァーの『金羊毛皮』の読解と解釈を行った。本作品では、他の作品にはない長い前日譚をも扱った、当時では珍しく三一致の法則を破って作られた長編戯曲という点に着目し、メデイアとその夫ヤーゾン、そしてヤーゾンの不倫相手でコリント王の娘クレウーサのコミュニケーションの様相、および関係性の変容を考察した。2)では、グリルパルツァーの上記作品のほか、ハイナー・ミュラーの『落魄の岸辺、メデイアマテリアル、アルゴー船隊員たちのいる風景』(1982年)を中心に、メデイア伝説改作・翻案作品を収集、整理した。3)では、メデイア伝説のうち、「家族」や「子殺し」等、物語内において多くの作品に共通して見られる要素について、様々な視点から考察するための基礎的な問題圏について調査し、文献の購入および読解と解釈を行った。そのうち、1)についての研究成果を、論文「邂逅するメデイア : グリルパルツァー『金羊毛皮』における「他者」との遭遇」を『世界文学』第138号に投稿、査読の上掲載された。