2024/11/21 更新

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タヤマ テルアキ
田山 輝明
所属
法学学術院
職名
名誉教授
学位
法学博士 ( 早稲田大学 )
ホームページ

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研究分野

  • 民事法学
 

論文

書籍等出版物

  • 事例で学ぶ家族法

    田山, 輝明

    法学書院  2019年02月 ISBN: 9784587036744

  • 事務管理・不当利得・不法行為

    田山, 輝明

    成文堂  2016年05月 ISBN: 9784792326890

  • 成年後見読本

    田山, 輝明

    三省堂  2016年03月 ISBN: 9784385363424

  • 成年後見読本〔第2版〕

    田山 輝明( 担当: 単著)

    三省堂  2016年

  • 土地法の歴史と課題

    田山, 輝明

    成文堂  2015年12月 ISBN: 9784792326791

  • 成年後見人の医療代諾権と法定代理権 : 障害者権利条約下の成年後見制度

    田山, 輝明

    三省堂  2015年06月 ISBN: 9784385322476

  • 成年後見人の医療代諾権と法定代理権

    田山 輝明

    三省堂  2015年

  • 成年後見 : 現状の課題と展望

    田山, 輝明

    日本加除出版  2014年05月 ISBN: 9784817841605

  • 成年後見――現状の課題と展望

    田山 輝明

    日本加除出版  2014年

  • 担保物権法

    田山, 輝明

    成文堂  2013年10月 ISBN: 9784792326449

  • 成年後見制度と障害者権利条約 : 東西諸国における成年後見制度の課題と動向

    田山, 輝明

    三省堂  2012年10月 ISBN: 9784385363448

  • 事例演習民法

    田山, 輝明

    法学書院  2012年02月 ISBN: 9784587040451

  • 成年後見制度と障害者権利条約 東西諸国における成年後見制度の課題と動向

    田山 輝明

    三省堂  2012年

  • 日本侵权行为法

    田山, 輝明, 顾, 祝轩, 丁, 相顺

    北京大学出版社  2011年06月 ISBN: 9787301188569

  • 債権総論 : 特別講義

    田山, 輝明

    法学書院  2009年06月 ISBN: 9784587040253

  • 事務管理・不当利得

    田山, 輝明

    成文堂  1996年11月 ISBN: 4792322928

  • 不法行為法

    田山, 輝明

    青林書院  1996年11月 ISBN: 4417009953

  • 債権総論

    田山, 輝明

    成文堂  1996年03月 ISBN: 4792322766

  • 特別講義民法

    田山, 輝明

    法学書院  1996年02月 ISBN: 4587522155

  • 物権法・担保物権法

    田山, 輝明

    法学書院  1996年02月 ISBN: 9784587522209

  • 物権法

    田山, 輝明

    弘文堂  1995年04月 ISBN: 4335320310

  • Das Bodenrecht in den japanischen Dörfern und Städten : gegenwärtige Aspekte und jungere [sic] Geschichte

    田山, 輝明

    Seibundo  1995年

  • 入門民法ゼミナール

    田山, 輝明

    実務教育出版  1994年11月 ISBN: 4788949318

  • 契約法

    田山, 輝明

    成文堂  1993年08月 ISBN: 4792322197

  • 現代家族法の諸相 : 高野竹三郎先生古稀記念

    田山, 輝明

    成文堂  1993年03月 ISBN: 4792322111

  • 通説物権法

    田山, 輝明

    三省堂  1992年02月 ISBN: 4385312087

  • ドイツの土地住宅法制

    田山, 輝明

    成文堂  1991年11月 ISBN: 4792321905

  • 法曹入門

    田山, 輝明

    成文堂  1991年06月 ISBN: 4792331013

  • 債権法

    田山, 輝明

    法学書院  1991年03月 ISBN: 4587522252

  • 現代土地住宅法の基本問題

    田山, 輝明

    成文堂  1990年11月 ISBN: 4792321662

  • 民法総則

    田山, 輝明

    成文堂  1990年08月 ISBN: 4792321611

  • 民法 : 市民・財産と法

    田山, 輝明

    岩波書店  1990年06月 ISBN: 4000040774

  • 口述契約・事務管理・不当利得

    田山, 輝明

    成文堂  1989年09月 ISBN: 4792321247

  • 西ドイツ農地整備法制の研究

    田山, 輝明

    成文堂  1988年11月 ISBN: 4792321107

  • 西ドイツの新用益賃貸借法制

    田山, 輝明

    早稲田大学比較法研究所  1986年10月

  • 契約法各則

    田山, 輝明

    成文堂  1984年

  • 米軍基地と市民法 : 軍用地法制論

    田山, 輝明

    一粒社  1983年04月

  • 民法

    田山, 輝明

    法学書院  1983年04月 ISBN: 4587614203

  • 契約法総則

    田山, 輝明

    成文堂  1983年02月

  • 民法演習

    田山, 輝明

    成文堂 

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 成年後見制度の在り方に関する具体的提言

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2023年04月
    -
    2026年03月
     

    田山 輝明, 志村 武, 黒田 美亜紀, 藤巻 梓, 山城 一真, 青木 仁美, 橋本 有生, 梶谷 康久, 足立 祐一

  • 比較法的研究による後見制度改革に関する具体的提言、特に現行制度の権利条約への対応

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

    田山 輝明, 志村 武, 黒田 美亜紀, 藤巻 梓, 山城 一真, 青木 仁美, 橋本 有生, 足立 祐一, 梶谷 康久

     概要を見る

    ドイツ・フランス・オーストリア、イギリス・アメリカ等のうち、それらの国における社会福祉の中核機関としての機能を研究する為、ドイツについては、ガナー教授(オーストリア、インスブルック大学・私法研究所教授)による「ドイツの新世話法の紹介」について、福祉の関係者・専門家によるものも含めた質疑を書面により行った。さらに、オーストリアについては、ガナー教授による「社会法及び成年者保護法における必要性の原則とultima ratio [最後の方策]」を福祉の関係者・専門家にお送りし、議論・質疑を行う等を通じて、同国における中核的社会福祉機関の活動実態を知ることができた。司法システムの違いを考慮しなければならないが、我々も、裁判所の内外の機関を市民が気軽に利用できるようにするにはどうすればよいかについて、考えてゆかなければならない。
    成年後見人の医療代諾権については、システムの日本における具体化を検討した。本人の「リヴィングウイル」の活用は、ドイツでは既に具体化[本人の意思が確認できなくなった状態でも、これと意思の判断と世話人の判断が一致すれば裁判所の許可が不要になりうる]されており、その導入は検討に値すると思われる。障害者権利条約の「本人意思の尊重」をこの制度において具体化するためにも我が国に合った制度を検討すべきであろう。
    成年後見領域における親族の役割については、ドイツでは、健康配慮事務における配偶者の相互代理、オーストリアでは、一定範囲における親族の法定代理権をめぐって議論を行った。いずれについても、親族における権限の濫用の問題等に留意しつつ、検討すべきである。親族後見が減少している我が国において、このような動向を慎重に参考にすべきである。
    まだ発表はしていないが、既に、アメリカ法やオーストラリア法についても、Eメール等を活用した研究(会)を行っている(今年中に成果を発表する)。

  • 比較法的研究に基づく後見人の権限のあり方に関する具体的提言

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

    田山 輝明

  • 成年後見制度に関する具体的改正提言

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    田山 輝明

  • 成年後見法制の比較法的検討と日本法への改正提言

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    田山 輝明, 志村 武, 黒田 美亜紀, 山城 一真, 青木 仁美, 黒田 実亜紀

     概要を見る

    成年後見制度が抱えている問題点について、比較法的観点から具体的に検討してきた。その中でも、成年被後見人の選挙権剥奪問題については、集中的に研究を行い、『成年後見制度と障害者権利条約』(三省堂、2012年)にその成果を発表し、2013年3月の東京地裁判決にも少なからず影響を与えることが出来た。その結果、公職選挙法11条1項1号は削除される見通しである。なお、成年後見人の医療同意権についても研究を進めた。

  • 区分所有法制の国際比較

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

    田山 輝明

     概要を見る

    日本で建物等の区分所有に関する法律が昭和37年に制定されてから、すでに40年以上が経過し、今日、区分所有建物は都市における主要な居住形態として定着している。しかし、それに伴い、特に都市部では、区分所有建物における様々な問題が顕在化してきた。すなわち、区分所有建物の維持、管理の問題、さらに、建築後相当の年数を経過した、老朽化マンションの増加である。日本法は、その制定時に予見し得なかったこれらの問題状況に対応するための改正を重ねてきたが、現行法の下ではなお多くの問題が残されている。
    本研究は、建物の区分所有法制の国際比較、主として日本の区分所有法がその制定時に強い影響を受けたドイツの住居所有権法制を対象として比較研究を行うことにより、わが国の区分所有法制のあり方を検討することにあった。具体的に、本研究では、平成17年度から19年度までの三年間にわたり、主としてドイツの区分所有法制度に関する現地調査および文献調査を行い、その現状と課題を明らかにすることを試みた。ドイツにおいても、区分所有建物について日本と共通した問題状況があることが指摘されており、今般判例および立法において大きな展開が見られる。本研究では、特に建物の管理と合意形成のあり方に重点を置いて、法改正および判例と学説の動向の調査を行っているが、これらの問題について、日本法とドイツ法はそれぞれ独自の対応策をとっており、その相違は大変興味深い。区分所有法制の国際比較のためには、単にその法制度上の相違にとどまらず、そのような相違の生じる背景を探る必要があるが、ドイツでの現地調査により、実務の現状について一定の認識を得ることができたと考える。

  • 東アジアにける近代法形成と法の回廊に関する実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2004年
    -
    2007年
     

    浅古 弘, 小澤 隆司, 浦川 道太郎, 加藤 哲夫, 岡本 真希子, 藤野 裕子, 田山 輝明, 田口 守一

     概要を見る

    「岡松文書研究班」・「千種文書研究班」・「裁判記録研究班」の3つのグループを組織して、東アジアの諸国・地域の近代法形成過程を知るための一等資料である早稲田大学図書館が所蔵する「岡松家旧蔵文書資料」・「千種達夫文書資料」及び台湾法務部司法官訓練所が保管する「刑事裁判記録」を、研究者の共有の研究資料として学界に提供するため、公開利用に向けて、各班において、次のような基礎的研究・作業を行った。
    (1)「岡松文書研究班」:早稲田大学図書館が所蔵する「岡松家旧蔵文書資料」(8,579件)について、「(マクロフィルム版)岡松参太郎文書」(122リール)と「岡松参太郎文書目録」(全820頁)を雄松堂より刊行した。
    (2)「千種文書研究班」:早稲田大学図書館に寄贈された「千種達夫文書資料」(1,271件)の仮目録を作成した。
    (3)「裁判記録班」:台湾法務部司法官訓練所が保管する日本統治時代の刑事裁判記録について、現地調査を行い、刑事判決原本など192冊19,558件を仮目録に採録した。
    (4)これらの目録は成果報告書に掲載し公開した。
    (5)東アジアでの法形成における法の回廊を実証的に研究する材料として、東アジア各国で盛んに議論をされている新たな法曹養成・法学教育の展開を取り上げ、各国で開催された国際シンポジウ等に参加し、活発な意見交換をし、各国の歴史的・社会的背景の違いと相互の制度的比較を研究した。

  • 岡松参太郎の学問と政策提言に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

    浅古 弘, 田山 輝明, 小林 英夫, 浦川 道太郎, 岡本 真希子, 江 正殷

     概要を見る

    1)岡松家寄贈図書・文書資料の整理
    (1)文書資料の仮目録作成作業
    ・岡松家から寄贈された文書資料(書架延長約15m)の整理を行い、件名単位の仮目録カードの作成とデータ入力作業を行った。作成したカードの総件数は8,340件であった。内訳は以下の通りである。
    ・岡松甕谷関係の記録群182件
    ・岡松参太郎関係の記録群8,158件
    書簡類799件 留学関係580件 独逸商品カタログ類86件
    ノート類114件 大学・学士院関係426件 鑑定意見書183件
    原稿類2,336件 台湾関係1,967件 満鉄関係347件
    拓殖委員会関係11件 立法関係93件 葬儀関係27件
    その他1,189件
    (2)図書類の整理
    ・寄贈図書の整理と早稲田大学図書館所蔵本との重複調査を行った。
    ・重複本2,991タイトルの入力作業を行った。
    ・古書については、長澤孝三の協力得て、整理を終わった。
    2)岡松参太郎の著作リスト(327件)の作成および著作の所在調査と蒐集を国内及び台湾に於いて行った。
    3)台湾所在の岡松参太郎及び台湾総督府旧慣調査会関係資料の所在調査と複写蒐集のため、国史館文献館・国家図書館台湾分館・国立台湾大学図書館・同大法学院図書館の各所蔵資料の7調査を行った。
    4)台湾司法院・台中地方法院・台南地方法院・台北高等法院などの档案室及び法務部司法官訓練所図書館の調査を行い、日本植民地統治統治時代の司法資料の所在調査のための予備調査を故なった。
    5)「岡松家旧蔵資料展」(平成15年4月22日-27日)および「ミニ・シンポジウム:岡松参太郎の学問と政策提言」(平成15年4月27日、法制史学会)の為の準備作業を行った。

  • 農村土地利用構造の秩序化に関する方法論的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1994年
    -
    1995年
     

    北村 貞太郎, 富樫 頴, 武内 和彦, 千賀 裕太郎, 糸長 浩司, 相川 哲夫, 井手 久登, 田山 輝明, 和田 照男, 高橋 強

     概要を見る

    平成7年度は最終年度として,環境・資源構造研究班(緑地生態系,水界生態系,アメニティー等の土地利用の生態的基盤構造の体系的解明,土地利用秩序形成の基底的要因となるべき論理の追求),社会・経済研究班(農村を含む広域の社会・経済的地域構造が土地利用秩序に与える影響についての解明,土地利用秩序を形成する社会・経済的要因の追求),施設構造研究班(農業を中心とした生産施設及び共同・公共生活施設等の配置が,土地利用構造に与える影響についての解明,土地利用秩序を形成する施設構造的要因の整理),空間・土地利用構造班(農地・非農地を含む農村空間・土地利用の総合的な構造の解明,土地利用秩序形成の総合的要因の整理)及び法制度研究班(土地利用を規定する法制度とその規定の強度の解明,土地利用秩序形成にとって不十分な点とあるべき方向についての究明)の各班による研究を進めるとともに,各研究の総合化を行った。こうした研究成果を,“21世紀の国土と農村"(第1部)及び“土地利用計画論"(第2部)に分けて体系的に集約した。第1部では,環境・資源,社会・経済,施設・基盤及び農村空間という農村の構成要素別にこれからの農村のあり方を論じた上で,農村空間の再構築について具体的事例を通じて論じた。第2部では,近々訪れる地球環境時代の農村発展の課題をふまえて,農村土地利用秩序構造に即した土地利用計画論の体系的アプローチを追求した。まず,現行の制度における国土利用計画体系を個別に検討した上で,地球環境時代の土地利用計画体系のあり方を提言し,それに基づく具体的方策に立ち入って論じたものである。
    以上のように,本研究は,農村土地利用構造を基礎から解明し,その秩序化の方向を総合的に明示したものである。

  • 「土地基本法」と都市土地法の媒介・結合関係に関する比較・総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1990年
    -
    1991年
     

    原田 純孝, 安本 典夫, 田山 輝明, 吉田 克己, 戒能 通厚, 広渡 清吾, 池田 恒男

     概要を見る

    1 外部の研究者をも招いた5回の全体研究会と国別研究会(計4回)を通じて、(1)わが国での関係の施策・立法の動き(土地税制改正、生産緑地制度改正、リゾート開発と自治体の条例制定の動向、都市計画法・建築基準法の改正への動きなど)をフォローすると同時に、(2)対象とする各国での「土地に関する基本理念」と都市土地法との媒介・結合関係のあり方を、その制度的諸態様、媒介項となる法論理や副次的理念の特徴と差異、各国の特徴と相違を基礎づける諸要因などに着目して比較検討する作業を行った。 2 わが国については、新しい発展への動きもあるが、台湾などと異なり″土地基本法の理念を具体化する″という方向は必ずしも強くないこと、計画規制の強化・詳細化への指向もみられる反面、市場メカニズムに依拠した民間活力の誘導という論理は基本的に存続していること、そのことが諸外国と異なるわが国法制度の基本的特質を基礎づけていること、などを確認した。 3 他方、他の諸国については、「基本理念」と具体的法制度との関係はより明確であるが、その内容の的確な相互比較を行うためには、欧米諸国での新たな動向(とくに都市計画・都市形成システムの柔軟化とその地域的範囲、権限等の見直し)をも踏まえつつ各国都市土地法の全体的な構造を共通の基準で解明する必要があることが確認され、年度の後半から、(1)都市土地法形成の系譜と理念、(2)都市計画とその主体ならびに土地所有権論、(3)公共団体の土地活動、(4)都市開発の事業手法、(5)開発利益論、(6)住宅政策のインパクトを主要な柱として、国別の取りまとめ作業を行った。 4 平成5年度末に刊行した別記『現代の都市法』(東京大学出版会、1993年2月)はその成果であり、その中では、″土地所有がもつ二重的性格″を社会公共的に制御するための理念と多様な法制度、ならびに両者の相互関係がもつ各国の主要な諸特徴が、詳細に分析されている。また、それとは別に、別記の「研究成果報告書」を平成5年度末に作成・提出した。

  • 現代都市開発法制と都市居住環境の形成・整備に関する比較・総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1987年
    -
    1988年
     

    原田 純孝, 池田 恒男, 吉田 克巳, 田山 輝明, 戒能 通厚, 広渡 清吾

     概要を見る

    1.本研究の目的は、わが国と欧米諸国(独・仏・英・米)における近時の都市開発(再開発)政策とその法制度の動向を、《住民にとっての住宅と居住・生活環境の改善・整備》という観点から比較・総合的に考察することにより、わが国で推進されている都市開発の動向に内在する問題点を析出しその克服の方策を探ることにある。そのために本研究は、(1)個々の制度・政策の単純な横並びの比較ではなく、各国の法制度の全体的構造と特徴をその国の都市問題の実情に即して分析・把握した上で、(2)幾つかの重要な検討項目を課題に即して設定し、より堀り下げた比較対照を行うこと、また、(3)とくにわが国については、制度と政策の問題点を都市開発の具体的実態に即して理解することに留意して進められた。
    2.その成果としては、まず、(1)各国間の差異と共通性を総合的に洗い直すことにより、こうした研究作業に不可欠な比較分析の視座と基準を明確化したことがある。また、(2)その基準に即してみた場合、彼我の間には都市法の理念・目的、土地所有権の法規制、都市法の構造と機能、都市形成における住民の役割などにつき様々な差異が存在するが、それらは、他の諸要因のほかにも、《市場原理による都市形成》と《その公共的・計画的コントロール》という2つの要素の政策的・制度的関連づけの仕方の相違と密接に結合していること、そして、(3)この点での相違が、わが国の都市開発における居住環境の改善・整備という課題の比重の軽さと結びついている以上、その面での制度的システムの見直しが今後の重要な問題となるであろうことなども、明らかになった。
    3.なお残された問題もあるとはいえ、本研究の成果(二度にわたって発表した13本の論文と、その一部をも収録した「研究成果報告書」参照)は、今後の都市開発法制の研究にとって、1つの重要な拠り所を提供しうるものであろう。

  • 成年後見制度

  • 農地法制の研究―特に日独比較研究

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Misc

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特定課題制度(学内資金)

  • 成年後見法制の課題と改正提言

    2008年  

     概要を見る

     日本の成年後見法制の課題を析出し、改正提言を行うことを目的とする本研究においては、独仏における法状況を明らかにしてその参考に供すべく、次のような活動を行った。 1 ドイツ法  以下の問題意識に基づき、基礎資料を収集するとともに、ボンおよびゲッティンゲンにおいて2度にわたる現地調査を行った。 ① わが国の成年後見法制の課題を認識するためには、任意後見制度と法定後見制度とが正しく区別される必要がある。しかし、わが国の運用状況をみると、この基本的な区別が十分に意識されてこなかった。この点、ドイツにおいては、両制度の違いはよく認識され、各々の長所を活用した運用がされている。 ② わが国においては、身上監護にあたる人材を確保するために裾野の広い後見人を育成することが、運用上の課題となっている。この点、ドイツにおいては、法律家のみならず、ソーシャルワーカーが後見の任に当たり、被後見人の意向を重視した身上看護を行われていることが注目される。 2 フランス法  連携研究者が、2009年2月25日から同年3月4日までの1週間、パリにて調査を行った。 フランスにおいては、2009年1月1日、改正成年後見法が施行されたため、本調査においては主として同改正関係の資料収集を行った。また、滞在中、Philippe STOFFEL-MUNCK教授(パリ第1大学)と面会する機会を得たため、同教授から改正に対する意見を聴取することもできた。 今般の改正は、20年来の議論の成果を反映して、100条あまりに及ぶ条文に手を加えてその内容の現代化を図ったものである。また、個別の規律をみても、任意後見に類する制度(mandat de protection future)が設けられている。このように、そこには日本法を見直すうえでの重要な示唆が含まれているといえる。調査から日が浅いこともあって、いまだ具体的な成果をみるには至っていないが、今後、調査結果をもとに今般の改正の内容を明らかにするための基礎資料を作成し、改正提言の端緒を得たいと考えている。

  • 大学の国際化に関する日独比較研究

    2004年  

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     本特定課題研究は、参加メンバーが研究期間中において個別に研究を遂行したことはもとより、その集大成として以下のような国際ワークショップの実施によって締めくくられた。以下、これに関する報告を中心にして、本研究課題の報告としたい。 本特定課題研究のグループは、「大学の国際化をめぐる諸問題-日本・ドイツ・中国のケース」と題する国際ワークショップを、2005年3月17日午後から翌18日(金)の夕方まで、早稲田奉仕園を会場にして開催した。初日は、研究代表者の田山輝明が基調報告を行った後、東アジアにおける大学の国際化の動向を討論するセッションとして設定し、本学理事(国際交流担当・当時)小口彦太が「早稲田大学と北京大学他との双学位制度について」と題して報告し、それに続いて中国人である王智新(宮崎公立大学教授)が「双学位制度への評価と中国の大学における留学政策」と題して報告した。それを受けて参加者全員で討論を行った。二日目の前半は東アジアと同様に国際化が遅れているとされてきたヨーロッパ諸大学における動向を考察するセッションとして設定し、まず、ドイツ大使館文化担当官であるDr. Wolfgang Brennが「ドイツの大学の国際化をめぐる諸問題」という報告を行い、さらに「ヨーロッパにおけるボローニャ宣言以降の動向と課題」と題して、ベルリン・フンボルト大学教授J. Schriewer の報告(在京中のD. Hedinger氏が代読)とオックスフォード大学で研究中の鶴田洋子の報告がなされ、引き続き討論をした。この日の午後のセッションは、大学における国際化の意義を考察する場として設定し、早稲田大学名誉教授鈴木慎一が「国際化される『大学』の新しい意義はなにか」という報告を、また早稲田大学教授八巻和彦が「東アジアの大学における共通教養教育を求めて」という報告を行った。さらに、若手の研究者である劉文君, Daniel Hedinger, Nadin Heé, 鴨川明子らが、「交流する学生の生活:実態と課題」と題して、自らの留学経験をふまえつつ各自報告をした後、参加者による自由討論を行い議論を深めた。なお、本研究課題は終了後、長島啓記氏(早稲田大学教育学部教授)とJ. Schriewer氏(ベルリン・フンボルト大学教授)の共同研究プロジェクトへと発展的に引き継がれており、2007年4月13日から15日に早稲田大学において国際シンポジウムが開催された。これらの成果は、英文で刊行されることになっており、目下、その準備作業中である。

  • 障害者による公正証書の作成をめぐる法的問題点

    2001年  

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    この場合の障害者とは、知的障害者であり、痴呆性高齢者を含む。公正証書が作成されるのは、遺言(検認手続の不要)の場合や任意後見契約(法律上の義務)の場合、さらには金銭消費貸借契約(認諾条項の挿入により強制執行が可能)の場合等である。括弧内の自由が公正証書を利用する理由となる場合が多い。何れの場合にも重要な内容を定めることになるので、作成依頼者本人の意思に基づくことが不可欠である。そこで、知的障害者や痴呆性高齢者にその内容を理解し、判断することが可能であるかが問題となる。「証書」の作成に当たる公証人は本人の判断能力を確認しなければならない義務を負っているが(ここに公正証書への信頼の源がある)、これが実際にどのように実現されているかは必ずしも明らかではない。本研究では、この課題につき、公正証書遺言の作成をめぐる裁判例を素材として、任意後見制度との関連で研究を行なった。問題となった裁判例においては、公証人が本人と面接したのはたった15分とというケース等もあり、意思確認に関する状況は深刻であることが判明した。この研究の成果の詳細は、公証法学第32号(2002年12月)に「任意後見制度と公証人の役割」と題して公表されている。

  • ドイツ土地登記法の研究

    2000年  

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     ドイツ土地登記法の研究については、すでに法律の全条文を翻訳済みであるが(民事月報、法務省民事局、15/10)、その訳の適否を含めて、注釈書の前注部分の検討を行った。 登記は、現在コンピューター化が進んでいるが、ドイツの土地法規法ではすでにそれを前提とした条文の改正が済んでいる。日独両国においては、立法の基本的部分において共通しているため、以下に示すように、近々予想される日本の不動産登記法改正のためにも大いに参考になると思われる。ドイツ土地登記法の構成第一章 総則                    第二章 登記簿への登記第三章 抵当証券、土地債務証券、定期土地債務証券、 第四章 抗告第五章 特別の場合における登記所の手続き    第六 登記簿用紙の調製第七章 コンピューター管理による登記簿       第八章 経過規定および最終規程 以上のうち、特に、第六章および第七章が、登記事務のコンピューター化との関連において、現在の日本にとっては、特に重要である。その中でも、データーファイルの管理がとりわけ重要である。不動産登記簿のコンピューター化は一挙に実現するわけではないので、新システムもさることながら、既存の登記簿用紙との調整・関連付けをどのようにするか等が、今後具体的に問題となる。

  • 現代社会における扶養と相続

    1998年  

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    扶養という概念は、しばしば介護に近い意味で用いられる。例えば、老後の面倒を見てもらったから、相続財産を多く与えたいという場合に「老後の面倒」の代わりに「扶養」という概念を用いるとすれば、介護と扶養の両方の意味になる可能性がある。扶養という概念を法律的に厳密に用いるのであれば、民法上の扶養義務との関連で用いるべきである。 今年度の研究では、この点を明らかにするために、ドイツにおける判例を紹介する形で問題点を整理した。例えば、民法上の扶養義務者がいるのに、高齢者が公的扶助を受けて生活している場合には、費用を負担した公的機関は後に扶養義務者に対して求償することが出来るのである。さもなければ費用負担を免れた扶養義務者が不当に利得することになるからである。 今後の研究としては、上述の概念的整理を前提として、介護と扶養の関係にまで論点を広げて検討する必要がある。いわゆる長男の嫁の介護に対して相続面での配慮が法的には認められていない点等を取り上げて改善を求める主張を展開する必要があると考えている。 さらには、その点とも関連するが、遺留分制度の抜本的な解決についても検討する必要がある。なんらの介護も費用負担もしなかった法定相続人に遺留分が保証されている根拠は一体何であるのか、が問いなおされなければならない。

  • 法の支配と行政権墓地使用権の法的研究―基礎研究

    1997年  

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    1.墓地使用権の古いタイプに関する研究 下記の判例研究などを通じて、墓地使用権の法的性質に関する研究を行った。2.墓地使用権に関する新しいタイプに関する研究 東京都の霊園管理規則に関する検討会への出席の機会などを利用して、資料の収集や法的問題点の検討を行った。3.墓地使用権に関する日独比較研究 ドイツへ資料収集のために出張し、新しい文献などを入手し、管理規則の翻訳を行ったが、未発表である。研究成果の発表1997年5月 墓収去・墓地明渡・焼骨入骨壷収去請求事件 判例時報1594号163頁

  • 成年後見・世話・介護に関する法学的研究

    1996年  

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     成年後見制度のドイツでの現況について、1996年の日本私法学会のワークショップにおいて共同報告を行った。その際にも述べたが、日本の法改正の可能性は大きく分けると二つあり、その一つは民法の抜本的な改正を中心とした法律制度の改正であり、もう一つは、民法の改正は最小限度に止めて、他の特別法の改正と新たな特別法の制定によって対応する方法である。いずれにしても禁治産宣言の戸籍への記載の廃止や、中・重度の知的障害者 の日常の生活必需品に関する契約の有効性に関する規定の新設等を含めて最少限度の民法改正を急ぐべきである。 世話を媒介とした、権利擁護センターを中心とした成年後見制度のシステムが、東京都、大阪府、埼玉県、神奈川県等を中心として実現しつつあり、ようやく成年後見と世話制度が現実のものとなりつつある。これらを前提として実現の介護をいかに実権していくか、が今後の課題となる。

  • 精神薄弱者等の権利擁護に関する比較法的研究-ドイツ・オーストリア・日本を中心として-

    1995年  

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    一.高齢化社会と知的障害者 標記のテーマは,まず高齢化・少子化社会との関連で検討されるべきである。最近の人口統計によると(注1の論文等参照),日本の平均寿命は1947年では男50.06歳,女53.96歳であったが,1993年には男76.25歳,女82.51歳となっている。他の論文(注2)でも指摘されているように,日本で65歳以上の人口が7%(高齢化社会の指標)を越えたのが1970年であり,1995年には14%であり,最近の予測によれば,2025年においては23.4%となるとされている。この高齢化の速さに注目し,高齢の故に介護を必要とする者のための法制度の改革が急がれている。 このことは特に知的障害を持つ者に重要な問題を定期している。つまり,障害者の両親の死後に障害をもった子供(成人)が「世話」を必要とする期間が長期に及ぶという事態である。知的障害者の中の発達遅滞者と痴呆性高齢者を含めるならば,まさに知的障害者にとって成年後見制度は,現在最も重要な検討課題となりつつあるというべきである。2.成年後見の概念について ところで,成年後見という言葉自体が一般的には何となく馴染みにくい面を持っている。「後見」については,民法において,未成年者のための後見と禁治産宣告を受けた者(主として成年者)のための後見とが規定されている(838条以下)。しかし,最近において,「成年後見」と言う場合には,後者に限定されることなく,身上監護や財産管理の面において障害者の「世話」をすることを意味していると解してよい(場合によっては準禁治産者のための「保佐」をも含めて用いることがある。) また,「世話」についても,狭い意味では,知的障害者に対する世話を意味するが,広い意味では,身体的障害者に対する世話をも含めてこの概念を用いる場合がある。つまり介護とほぼ同義に用いられる場合がある。しかし,「成年後見」やドイツ法上の「世話」は,通常は法定代理権を含のものとして用いられるのに対して,「介護」は通常はそれを含んでいないから,その意味では両者が同義に用いられることはないと解してよい。二.成年後見の対象1.知的障害を有する成年者 未成年者にも知的な障害や肉体的障害のために自分自身に必要な事務処理ができない者がいるが,障害者が未成年者である限りは,通常は未成年者のための制度(=親権者,それを欠く場合は後見人)により保護されているから,通常は問題にならない。しかし,その者が満20歳に達した途端に,法定代理人は存在しなくなるのである。親だから子供の法定代理人なのではなく,子供が未成年者だから親を法定代理人とする,というのが民法の考え方なのである。したがって,子供が満20歳に達して成年になっても,確かに親は親でありつづけるが(従って必要であれば介護を継続するであるろうが),もはや法定代理人(親権者)ではない。つまり,親だからといって(成人した)子供に代わって法律行為をする権限はないのである。2.痴呆性高齢者 健常者であった者でも,昨今のような高齢化社会にあっては,アルツハイマー病等の痴呆症にかかってしまう割合が次第に多くなっている。痴呆症にかからないで天寿を全うする人も多いが,誰にでも痴呆になる可能性はあるのだから,各人が痴呆になる前に,自分のそのような事態に備えて一定の対策を用意しておくことが望ましいと言えよう。このような観点からは,まず遺言がその方策として思い浮かぶであろう。しかし,遺言は自分の死後のためになすものであるから,これは痴呆対策としては用いることができない。そこで,自分で自分の事務処理ができなくなった場合(健常と死の間)を想定して,特定の者を世話人(代理人)に依頼しておくなどの方法が必要となる。しかし,自分でそうした配慮をすることなく痴呆症にかかってしまった場合には自分で世話人を選任できないから,身上監護と財産管理を行う者(世話人)が,裁判所のような公的機関によって選任されなければならないことになる(法定または選定成年後見人)。3.身体的障害により日常の事務処理ができない成年者 精神的な判断能力が不十分であるために世話を必要とするという場合には,世話の内容として重要なことは,契約のような法律行為を本人に代わって行うこと(代理)である。民法上の後見人が法定代理人とされているのもそのためである。しかし,生活をしていく上で不可欠な世話を必要としている人は知的障害者に限らない。自分に関する事務はすべて自分で判断できるが,身体的障害のためにその実際の処理ができないという人もいる。この場合には身上監護が重要であり,代理権については必要な限度で授与すればよいし,通常は本人との契約によって代理権を発生させることができる。ドイツの世話法ではこのような場合であっても,契約に基づく世話人を自ら選任できない人のための裁判所の手続きをも定めている。三.欧米諸国における成年後見制度改革の傾向 国により制度や方法が異なるが,今回は主としてドイツとオーストリア法における大きな流れについて検討した。1.制度改革の背景 成年後見制度の改革が世界的潮流となった背景的事情の一つに,国連の精神薄弱者権利宣言(1971年)や障害者権利宣言(1975)等に基づく世界的規模の運動の盛り上がりがある。これらの運動は主として障害者の人権の擁護と強化に大きく寄与してきたと考えることができる。こうした運動を通じて障害者の立場に立った後見ないし世話が考えられるようになり,各国においてしだいに従来の法体系ないし法理念の一定程度の転換が迫られることになったと考えてよい。 さらに,各国における高齢化社会の到来をあげることができ,日本も例外ではない。高齢者の間では痴呆症患者の割合も当然に高いから,彼らのための身上監護や財産管理が深刻な問題となってきているのである。2.ドイツ・オーストリアの新世話法における諸原則 これらの国の制度の根幹を流れている原作は,以下のようにもとめることができる。(1)本人の意思(自己決定権)の尊重 世話は,世話を受ける側の意思を尊重してなされなければならない。世話を受けるか否か,世話の内容や態様についても,本人の意思が尊重される。特に,施設入所や手術を受ける場合等においては,本人の意思は可能な限り最大限に尊重されるべきものとされている。このような考え方に立って,本人の行為能力の制限も最少限度(日本では禁治産と準禁治産に画一化されている)に留められている。この非画一化という点は,特にドイツ法において特徴的である。(2)補充性の原則 裁判所が世話人を選任することによって行う公的な世話制度は,私的な世話が不可能な場合に初めて導入されるべきものとされている。自分自身の身の回りの世話や財産の管理は,ほんらい私的自治の原則の支配する領域に属するものであるから,費用負担の問題を含めて,国家の干渉はできるだけ差し控えるべきであるとの考えに基づいている。ここでいう私的自治は,市民社会においては互いに他人の支配領域に不当に干渉はしないということであり,障害者の世話や介護は,親族の負担において行うというような事は意味していない。むしろ逆であり,障害者問題等は社会的な問題として位置づけられている。このような考え方が欧米の法改正の根底にあると考えてよい。(3)必要性の原則 世話をするに当たっては,本人が必要としている場合に限って,必要としている限りで行う,という原則に立っている。まず,世話の制度は周囲の人(親族など)の利益のための制度ではないという点を徹底すれば,世話ないし後見の申請権は本人のみに与えるのが妥当である。しかし,本人が必要性について適切な判断ができない場合が少なからずあるから,裁判所が職権により手続きを開始できるようにしておく必要がある。日本では四親等内の親族等も申請権者になっているが(民法7条),ドイツ法等の改正にみられるように申請権者を本人に限定し,その代わりに職権主義を導入すれば,親族等が禁治産宣告等を利用(場合によっては悪用)することをかなり効果的に防止することが可能となる。申請権者をこのように限定すると,周囲の者が本人のために世話の必要性を感じた場合に不便であると考える者もいるかも知れないが,必要性を感じた者は裁判所に対して職権の発動を求めればよいのであり,これは利害関係人でなくても,誰でもできるのである。このような法制度が実現すれば,日本におけるように身寄りのない老人のために,禁治産宣告の申請権者を探すような必要はなくなるのである。この職権は狭義の裁判官のみが行使できることが前提である。(4)個人的世話 世話人は,披世話人と個人的に接触し,個人的需要を満たすように努力し,具体的には本人のリハビリテーションに努めるべきものとされている。従って,身上監護は施設に任せ,財産管理は弁護士や税理士に任せる,というような方法は,特にそのような専門知識等の必要性がある場合にのみ認められるもりと解すべきである。

  • 都市周辺地域における土地整理手段に関する日欧比較研究-農地転用の方法に関するドイツと日本の比較を中心として

    1995年   堀口 健治, 楜澤 能生, 北山 雅昭

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    日本の大都市周辺部における市街化の状況は,都市計画的努力にもかかわらず決して優れたものとは言えない。法制度上はドイツ等の都市計画法制と大きく異なっているわけではないが,実現された都市の姿は全く異なったものとなっている。日本にとっては,ドイツ等の制度の本質的部分についてさらに研究する必要があり,ドイツを初めとする欧州側では,日本の経済発展との関連において日本の都市政策ないし法制度の研究を行う必要がある。すでに文献による予備的研究の段階は過ぎており,両者が一堂に会して討論を行う必要があった。 研究代表者と日本側分担者三名は,これまで,主としてドイツと日本の農業,土地法制ないし環境法制について比較研究を行ってきたが,特に1993年4月に早稲田大学ヨーロッパセンター・ボンにおいて行った日本農業法学会主催の「日本,ドイツ及び近隣諸国における特に環境問題に配慮した,農業構造政策とその法的諸問題に関するシンポジューム」以降,ヨーロッパセンターを媒体とした現地の研究者との研究上の連絡を密にしていた。日本と欧州諸国とは異なった社会的・経済的基礎の上にあるが,双方による問題意識のすり合わせにより,上記テーマに関する比較研究が可能であるとの共通認識に到達した。その具体的研究の場として,ヨーロッパ土地整備研究所の第21回定期学術大会のテーマとして我々のテーマを取り上げてもらい,「都市周辺部における土地整理手段」につき,早稲田大学ヨーロッパセンター・ボンにおいてシンポジュームを開催し,日本側からは,田山,楜沢,北山が報告を行い,田山と楜沢はセッションの司会も行った(ヨーロッパセンター・ボンの年報1994年度およびTeruaki Tayama / Erich Weiss, Bodenprobleme am Stadtrand, Peter Lange, 1996(提出済)参照)。1995年3月31日~4月9日迄の日程で,Prof. Dr. De Leeuw氏とProf. Dr. E. Weiss氏とが来日し,翌年のシンポジュームの内容上の検討を行った(この点については内部資料がある)。この講演もすでに一定の成果であるが,あくまでも準備段階における問題点の整理であり,本格的な研究の成果は1996年の「総合的なシンポジューム」において行う。 この3年間にわたるヨーロッパセンターボンにおけるシンポジュームの積み重ねにおいて,ヨーロッパの農地法制・政策の研究者にとっては,日本との交流については早稲田大学の研究者を通じての研究の交流が最も信頼のおけるものであるとの認識が定着しつつあると言える。2度にわたって(センターの第二プロジェクトを含めれば3回)ドイツにおいてシンポジュームを行ったが,その仕上げとして,早稲田大学の国際会議場において総括的なシンポジュームを行うことは,ごく自然であり,研究機関としての早稲田大学の地位をヨーロッパにおいて多少なりとも更に高めることになるものと信じている。

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