2024/04/25 更新

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タナカ ジュンイチ
田中 純一
所属
教育・総合科学学術院
職名
名誉教授
学位
理学博士 ( 早稲田大学 )

所属学協会

  •  
     
     

    アメリカ数学会

  •  
     
     

    日本数学会

研究分野

  • 基礎解析学 / 応用数学、統計数学 / 数学基礎

研究キーワード

  • 実関数論および関数解析学

 

論文

  • INVARIANT SUBSPACES WITH NO GENERATOR AND A PROBLEM OF H. HELSON

    Jun-ichi Tanaka

    ANNALES DE L INSTITUT FOURIER   65 ( 4 ) 1469 - 1491  2015年

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    In the almost-periodic context, the H-0(2)-space cannot be generated by one of its elements. Together with a cocycle argument, this implies that there exist all kinds of invariant subspaces without a single generator, from which we answer some questions on invariant subspace theory.

  • A tribute to Henry Helson

    Jun-ichi Tanaka

      58 ( 2 ) 284 - 286  2011年02月

  • Dirichlet series induced by the Riemann zeta-function

    Jun-Ichi Tanaka

    STUDIA MATHEMATICA   187 ( 2 ) 157 - 184  2008年

     概要を見る

    The Riemann zeta-function zeta(s) extends to an outer function in ergodic Hardy spaces on T-w, the infinite-dimensional torus indexed by primes p. This enables us to investigate collectively certain proper-ties of Dirichlet series of the form delta({a(p)},s) = Pi(p)(1 - a(p)p(-s))(-1) for {a(p)} in T-w. Among other things, using the Haar measure on T-w for measuring the asymptotic behavior of zeta(s) in the critical strip, we shall prove, in a weak sense, the mean-value theorem for zeta(s), equivalent to the Lindelof hypothesis.

  • Extension of almost periodie functions and analyticity on flows.

    Jun-ichi Tanaka

    Amer. Math. Soc. Transl.   204   63 - 80  2001年01月

  • Singular cocycles and the generator probrem

    Henry Helson, Jun-ichi Tanaka

    17th Operator Theory Conference Proceedings     173 - 186  2000年10月

  • 概周期関数の拡張と流れの上の解析性

    田中純一

    岩波「数学」/岩波書店   51 ( 22 ) 113 - 128  1999年04月

  • Single generator problem

    Jun-ichi Tanaka

    Trans. Amer. Math. Soc.   Vol.348,No.10(4113p-4129p)  1996年12月

  • Flows in fibers

    Jun-ichi Tanaka

    Trans. Amer. Math. Soc.   Vol.343,No.2(779p-804p)  1994年06月

  • Corona problem and flows

    Jun-ichi Tanaka

    J. Funct. Anal.   Vol.102, No.2(360p-378p)  1991年12月

  • Blaschke cocycles and generators

    Jun-ichi Tanaka

    Pacific J. Math.   Vol.142, No.2(357p-378p)  1990年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 概周期関数の拡張と零点の分布について.

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1998年
    -
    2001年
     

    田中 純一

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    この研究ではDirichlet級数をBohr群K上の解析関数として捉え,関数環論とエルゴード理論を用いて,それらの性質と応用を調べてきた.とりわけ解析数論への関連から,Riemannのζ関数の平均値定理やcritical stripにおける値分布を中心に扱った.まずK_tを{log r ; rは正の有理数}で生成される離散群Γのコンパクトな双対群とする。このときΚ上に自然な位相同型の1係数群{Tt}_<t∈R>が定義される.いま1/2<uを固定し,Z_u(x)=Σ^^∞__<n=1> 1/n^u_<Xlogn>(x), x∈K,とする.ここで_<χlogn>はlognで定まる指標を表す.このときt→Z_u(T_t0)はζ(u+it)となりζ関数のH^2(K)内の関数への拡張となる.またZ_u(x)はH^2(K)の外部関数となる.流れ(K,{T_t}_<t∈R>)のもつエルゴード性とRoucheの定理より,Riemannのζ関数のつぎのような(弱いが)一般的な平均値定理が成り立つ:定理 任意の0<k<∞およびl>0を定める.このときZ^+の適当な密度零の部分集合Jが存在し,以下の式がなりたつ:lim__<j∋N→∞>1/(Nl)Σ^^<N-1>__<n=0>∫^<(n+1)l>_<nl>|ζ(u+it)|^<2k>dt=∫_K|Z_u(x)|^<2k>dσ(x).この

  • 解析関数空間の構造を決定する関数族の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1998年
    -
    2000年
     

    泉池 敬司, 羽鳥 理, 古谷 正, 斎藤 吉助, 田中 純一, 林 実樹広

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    代表者は弱無限ベキ積ブラシュケ積の概念を導入し、L^∞の弱生成元となるブラシュケ積の特徴付けを与えた。その後、L^1-型およびL^∞-型特異内部関数の概念を導入し、特異測度に直接関係する部分集合をM(H^∞)の中に確定した。非自明なグリースン部分の閉包に含まれない自明点の存在を示すことにより、Buddeの問題を解決した。またそのような点の集合は自明点の集合の中で稠密であることを示した。locally sparseでないhomeomorphic pointが存在することを示した。これはGorkin-Mortiniの問題の解決である。M(H^∞)の自明でない点にだけ共通零点をもつ閉イデアルの構造を完全に決定した(Gorkin-Mortini氏と)。また素イデアルについてのGorkin-Mortiniの問題を解決した。不変部分空間の研究については、A_<φ^->不変性について研究し、中路氏の研究結果を更に拡張することができた(真次氏と)。H^∞の合成作用素の研究をスタートさせ、本質ノルムに関する連結成分を決定した(Zheng氏と)。分担者においては

  • 流れから導入される解析性とその不変部分空間論への応用

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    上記研究課題に対し、次の3項目に渡って研究を進めた。[1]Blaschke cocycles and generators、コンパクト群上の不変部分空間は、そのコサイクルが全てBlaschkeコサイクルへcohomologeousとなる、ここでは無限乗積を用い、単一生成元を持つ不変部分空間に対応するBlaschkeコサイクルを特徴付けた。[2]Corona type probhem and flows、コロナ定理のエルゴ-ド的Hardy空間H^<10>(μ)への拡張である。あわせてH^<10>(μ)の極大イデアル空間のいくつかの性質を調べてみた。ここでの手法は古典的Hardy空間H^<10>(II)のファイバ-の分析に、有効な考察をもたらす。ファイバ-の中に流れを導入し、その上の不変測皮(エルゴ-ド的)で極大イデアルを表現するというアイディアはコロナ定理と個別エルゴ-ド定理との結び付きを暗示している。[3]On single generator problemコンパクト群上の解析函数で積分値が0となるものの全体H^2Oは単一生成元を持ち得るだろうか?この問題は1950年代に提出され未解決のまま現代に至っている。最近いくつかの

  • Hardy空間のFiberにおけるエルゴ-ド論的考察.

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    △を開単位円板とする。この上の有界解析函数全体のなすHardy空間H^∞(△)は,一様ノルムで可換Banach環となる。H^∞(△)の極大イデアル空間の構造は極めて複雑で難解である。極大イデアル空間mは,互いに交わらない,部分集合mα(1α1=1)へ分解される。(mαはfiberと呼ばれる)。この研究ではfiber内へ流れ(continuous flow)を導入することにより,エルゴ-ド理論を用いた,新たな極大イデアル空間の解析を試みた。現時点までに既得されている主要結果は次の2点である。(1)コロナ定理と個別エルゴ-ド定理はタウバ-型定理を経由して,密接に関連していること。特にある種のoneーpoint partが△の集積点(mにおける)となっていることが個別エルゴ-ド定理から証明される。(2)“流れがminimalのとき,導入される函数環はDirichlet環か?"というF.Forelli(Wisconsin大)が1970年Niceでのコングレスで提出した問題へ否定的解を与えた。Fiber内へ位置するminimalな流れ上で,導入される函数環はDirichlet環ではない,logmodular環となる。これら

  • 不変部分空間の単一生成元について

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    Pを実数Rにおける稠密な部分群とする。Pに離散位相を入れ、そのコンパクトな双対群をKとする。このとき、正規Haar測度σに関して、二乗可積分で、Fourier係数が負で0となる凾数の全体をH^2(σ)と書く。H^2_0(σ)はH^2_0(σ)の部分空間で0におけるFourier係数が0となるものとする。このとき「H^2_0(σ)は単一生成元を持つか?」という問題は、50年代以後、この分野の主専テーマの一つとして未解決のまま残ってきた。この研究では、この問題に対し背定的解答、即ちH^2_0(σ)は単一生成元を持つという結論を与え得たように思う。主要なアイデアは、有〓な可測凾数を コロナ定理と関連させ、連続凾数として表現する。そしてエルゴード理論の適用から本来測度0の集合内に押し込まれている情報を引き出すという手法である。一般の不変部分空間については 現在検討予定であるが、ほぼ背定的であろうと確信している。ただあまりにも論証が細かく、複雑なため、いくつかの改良を摸索している段階で

  • 単一生成元と零点分布

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    AをL^∞(mu)におけるW^☆-Dirichlet環とする。Hardy空間H^D,1【less than or equal】P【less than or equal】∞,をAのL^D(mu)における閉包と定義し、H^P_O(mu)はf【reverse surface chemistry arrow】H^D(mu)でf^^<^>(mu)=0となるもの全体のなす不変部分空間とする。このときH^P_O(mu)は単一生成元を持ち得るか?即ちg【reverse surface chemistry arrow】H^P_O(mu)でA・gがH^P_O(mu)で稠密となる凾数gが存在し得るか?というのが単一生成元問題である。この問題は、解析的概周期関数の無限遠点近くでの零点の分布状況の検証に端を発し、50年代に可換コンパクト群上でHelson-Lowdeuslangerによってこの形に形式化された。この問題について、流れから導入されるW^☆-Dirichlet環のある族において、H^P_O(mu)は単一生成元を持ち得る。即ち単一生成元問題は背定的である。(W^☆-Dirichlet環の枠内では)との結論を得た。またこの結果からH^1_O(mu)の単位球が端点を持ち得ることが従い、60年代後半にT.Gamelinによって提出された問題も背定される。これらの内容は「Sin

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特定課題制度(学内資金)

  • コロナ定理とDirichlet級数

    2013年  

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    多重円板上のコロナ問題は多変数解析関数論における著名な問題である.ここでは一つの試みとして,次元を2次元(bidisc)に限定し,テンソル積からつくられる関数環の極大イデアル空間の構造との比較での検証を試みた.より具体的には以下のとおりである:B(D^2)を2次元多重円盤D^2上で有界な解析関数の作る関数環とする.この極大イデアル空間 M(B(D^2))でD^2が稠密か否かを問うのがコロナ問題である.一方単位円 D上の有界な解析関数の作る関数環 B(D)がコロナ定理を満たすことはCarlesonの定理としてよく知られている.したがって二つのB(D)のテンソル積 B(D)(x)B(D)ではコロナ定理が自動的に成立してくる.すなわちB(D)(x)B(D)の極大イデアル空間 M(B(D)(x)B(D))においてD^2は稠密となっている.一方 B(D)(x)B(D)はB(D^2)でかなり大きな部分環をなすことから,M(B(D^2))の要素をB(D)(x)B(D)へ制限して得られるhomomorphismを M(B(D)(x)B(D))の性質を利用しM(B(D^2))の構造を調べてみた.かなり複雑で相当の手数を要するがいくつかの結果を得た.(1)制限したhomomophism が M(B(D)(x)B(D))の nontrivial Gleason partに含まれるならHoffmanの定理が適用できそれ 自身D^2の閉包内にあること,(2)Bishopによる Choquet境界の特徴付からその閉包であるSilov境界の各点がD^2の閉包内にあること,などである.しかし極大イデアル空間 M(B(D^2))の構造はかなり複雑で現在も鋭意考察中である.多重円板上のコロナ問題は解析的なDirichlet級数の集積値集合と強く関連している.上記の結果を利用すると2つの独立な特性関数 exp{ist}から生成されるDirichlet級数の無限遠点付近での挙動がある程度理解できる.この方向での研究は解析数論との関連で興味深いと思う.

  • Dirichlet級数の拡張と零点の分布について

    1998年  

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     この研究ではFourier解析学およびエルゴード理論を用いてDirichlet級数によって定まるBohr群K上の解析関数の性質とそれらの応用を調べてみた。{an}を複素数列とするとき、f (s)=Σ∞/n=1 an/ns、 s=σ+it、をDirichlet級数と呼ぶ。特にam・an=amnで|an|=1となるときのDirichlet級数は f (s)=Πp:系数(1-ap/ps)-1、 σ>1とEuler積で表現され、Riemannのζ関数と深い関連性を持つ。そしてRiemannのζ関数をBohr群K上(即ち、{logr ; rは正の有理数}で生成される離散群Γの双対群)へ拡張したとき、Kの軌道上にすべてが現れる。この性質を利用し、これらのDirichlet級数はほとんどの場合1/2<σまで解析的に拡張され零点を持たないことが示される。そしてこの結果からRiemannのζ関数による近似式を利用しその零点の分布に関して興味深い結果を得た。いまN (σ,T)をβ>σ、0?T Riemannのζ関数の零点β+itの個数とする。流れ(K, {Tt}t∈R)のもつエルゴード性とRouch&#233;の定理により、Riemannのζ関数の零点の分布の様子がある程度分かる:定理 1/2<σ0のときσ0?σで一様にN (σ, T)=o(TlogT)となる。この性質は既知の結果より現時点ではあらい評価だが、エルゴード理論を用いた新たな証明法であり今後改良の可能性は有ると思う。