2024/04/12 更新

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ウチダ カツイチ
内田 勝一
所属
国際学術院
職名
名誉教授
学位
法学修士 ( 早稲田大学 )

経歴

  • 1979年
    -
    1984年

    早稲田大学法学部 助教授

  • 1977年
    -
    1979年

    早稲田大学法学部 講師

  • 1974年
    -
    1977年

    早稲田大学法学部 助手

学歴

  •  
    -
    1975年

    早稲田大学   法学研究科   民法  

所属学協会

  •  
     
     

    法社会学会

  •  
     
     

    信託法学会

  •  
     
     

    比較法学会

  •  
     
     

    日本土地法学会

  •  
     
     

    日本私法学会

研究分野

  • 民事法学

研究キーワード

  • 民事法学,社会法学

 

論文

  • 現代の都市と土地私法

    内田勝一, 鎌田薫, 浦川道太郎

    有斐閣     231 - 252  2001年06月

  • 債権総論

    内田勝一

    弘文堂     1 - 342  2000年10月

  • 民法(全)

    水本浩, 内田勝一

    有斐閣     1 - 290  2000年05月

  • 基本判例 民法総則・物権

    法学書院   160頁  1999年07月

  • 立退料の提供と正当の事由

    民法の基本判例/有斐閣   p151-154  1999年05月

  • 借地人の妻名義で保存登記された建物と借地権の対抗力

    民法判例百選II「第4版」/有斐閣    1996年03月

  • 正当事由を補完する立ち退き料の提供ないし増額の申し出の時期

    私法判例リマークス/日本評論社   12 (1996上)  1996年02月

  • 民法177条の第三者−賃貸人に対する賃料請求・解除

    民法判例百選I「第4版」/有斐閣    1996年02月

  • イギリス不動産登記法

    民事月報/法務省民事局   50;11〜51;1  1995年11月

  • 借地権の対抗力 等6編

    借地借家法の基礎知識 上(篠塚昭次=吉永順作=永田真三郎編)/青林書院    1995年10月

  • 借地借家法制(戦後50年の法制)

    ジュリスト/有斐閣   1073  1995年08月

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書籍等出版物

  • 都市政策と住宅法制(共著) 著者名 現代の都市法

    東京大学出版会  1993年

  • 借地・借家制度の比較研究(共著)

    東京大学出版会  1987年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 法の国際化における民事責任の総合的・比較法的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    淡路 剛久, 大塚 直, 浦川 道太郎, 内田 勝一, 後藤 巻則, 柴崎 暁

     概要を見る

    本研究では、欧州を中心とする諸外国の動向を踏まえ、(1)事前規制の緩和により、事後的な段階で働く民事責任の制裁的側面が重要になるとともに、(2)事前の救済手段である差止請求の役割が、特に環境法等の分野においては増大していること、(3)生命・身体・財産・環境・プライバシー等にかかわる安全性の保護や、(4)競争秩序の確保を含めた取引の公正性の確保のために、契約責任・不法行為責任の役割が増大していることを確認し、これらが、各国の法の改革、さらに国を超えた法の統一・調和への動きの中で、どのように受容、拡大、あるいは変容されるかを解明し、これを通して、わが国の民事責任法の今後を展望した。近時重要になっている消費者法領域や商事法領域における民事責任法の展開を含め、上記(1)~(4)の諸相を中心とする一定の成果を得ることができたと考えている。

  • リベラルアーツとしての民法学の教育研究方法論の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

    内田 勝一

     概要を見る

    専門職としての法律家養成を目的とするロースクール制度が確立しているアメリカでは学士課程法学教育には、プレローモデル、リベラルアーツモデル、学際モデル、職業教育モデルがある。法科大学院制度導入時の日本では学士課程法学教育の理念としてリベラルアーツとしての法学が強調された。しかし、法科大学院既修者コースへの進学が重視された結果、既修者試験合格のための法学教育が中心を占め、現在ではリベラルアーツとしての法律学、民法学という観点は失われてしまった。

  • 民法学における市民社会論・福祉国家論の比較法的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

    内田 勝一

     概要を見る

    民法は、一方では、市民的自由と平等を基調とする市民社会を前提とし、他方では財産権の保障と契約の自由を基本的な構成要素とする市場経済の基盤を形成している。戦後の西欧及び日本社会は、その実現の程度に相違はあるとしても、福祉国家の実現を政治的目標としてきた。戦後初期の日本民法学は、前近代的な雇用関係、農村における小作・入会問題、都市における借地借家問題などに関心を抱き、日本社会の近代化を目指し、そこでの自由と平等の実現を志向し、「社会法」論などの議論がなされ、市民の権利獲得要求・運動を支援する傾向も見られ、市民社会の形成を目標とする理論的構築を目指していた。
    1960年代には福祉国家が実現され、1970年代以降は国家財政支出の削減に伴う福祉国家の縮減が生じ、さらに1990年代以降は経済のグローバル化の中で福祉国家の再編が問題となった。政治学や社会学などの領域では、福祉社会の根拠付けに関して、国民統合の理念では不十分となり、共生と連帯という理念が提唱され、社会的排除と包摂という論理が主張され、市民権(citizenship)の理論がなされている。
    近時の日本民法学は、経済活動を支援するための法的ルール作りへと問題関心が向けられ、市場経済の基盤形成が主要な関心となり、自己決定と自己責任を強調する理論的潮流が主流としての地位を占め、かつて存在した社会的公正と正義を実現する福祉的要素をも民法学に含もうとする理論は伏流として表面から消えたように思われる。そこで、本研究は近時の政治学などの隣接諸分野における理論的深化をふまえ、民法学の分野において、福祉的要素を含んだ市民社会の実現を志向する学問的潮流を再構築するために、戦後民法学史を検討し、福祉国家論を内在化する民法学の理論的構造を分析したものである。

  • 日本法のアイデンティティに関する総合的・比較法的研究-源流の法とグローバル化の法

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2002年
    -
    2004年
     

    野村 稔, 早川 弘道, 石田 眞, 加藤 哲夫, 内田 勝一, 土田 和博, 尾崎 安央, 須網 隆夫, 田口 守一, 戸波 江二

     概要を見る

    本研究は、研究代表者及び研究分担者の全員が早稲田大学比較法研究所兼任研究員であり、2001年から現在も進行中の同研究所プロジェクト「比較法研究の新段階」(I期)「日本法の国際的文脈」(II期)「比較と歴史のなかの日本法学」(III期)との関連において構想・企画されたものであり、それらの成果も踏まえつつ、各研究分担者の専攻法領域に係る自国法形成過程における外国法制度の関わりが考察された。そのなかで、三年間の共同研究の成果として日本法のアイデンティティ、そして、法の移植と定着についての多くの知見が得られることとなった。具体的には、まず、刑事法分野で、遺棄罪の旧刑法立法過程が考察され「家」制度が同罪の危険犯としての純化を妨げたことが明らかにされた。また刑事司法の日本的特色としての「精密司法論」が取り扱われ、実体的真実主義の意義が改めて問い直された。一方、独占禁止法の分野では、不公正な競争方法に係る規定の制定過程が考察対象とされ、原始独禁法制定と米国法制との関係が批判的に再検討された。同様に米国法の日本法への影響という視点からは、企業倒産法制と企業統治法制に対する分析もなされ、急激な米国法制化の背景や問題点が明らかにされた。これに対し、「地域」という捉え方から、EU拡大と新加盟国における法継受の問題が正面から考察され、また「アジアの憲法裁判」という視点において違憲審査制がアジア各国でどのように展開されたかが明らかにされた。アジアにおける日本法からの「法整備支援」に関連しては、ヴェトナム民法改正の現状と問題点、台湾・満州・華北農村の慣行調査からの教訓がまとめられた。このほか、ハンガリーにおける体制転換を題材にして東中欧諸国の「再同定化」過程が明らかにされ、以上の研究成果は、国際シンポジウムの講演・報告内容とともに『日本法のアイデンティティに関する総合的・比較法的研究-源流の法とグローバル化の法-』(成文堂、2006年)として刊行される予定になっている。

  • 契約自由原則の民法内在的論理による制限と外在的政策的理由による制限とに関する研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2001年
    -
    2003年
     

    内田 勝一

     概要を見る

    本研究は民法における基本原則である契約自由の原則について、その制限には、民法内在的理由による制約と外在的政策的理由による制限とがあることを研究するものである。その結果の概要はおおよそ以下の通りである。
    現代の福祉国家においては、国家は市場経済を前提としつつ、一定の社会経済的目的を達成するために、介入する性格を持っている。どのような理念に基づいて、どのような方法で、どの程度まで介入するかは、当該国家の政治的性質によるが、一般的には、社会福祉サービスの供給における「脱商品化」と、「階層化」とを基準として3つの類型が認められる。
    法律学の領域においても、立法や裁判所による介入には、その根拠づけに関して、形式主義的、現実主義的という区分があり、後者は市場個人主義的なものと消費者福祉主義的なものとに細分化される。これは私法社会=市場モデルと社会国家モデルとに対比できる。炉現代市民社会では、契約が社会関係の規律において至上価値を有する。契約自由に関する最近の研究の成果によれば、契約の自由は無制限のものではなく、18世紀末までは衡平を原理とする伝統的な契約観により制約され、契約正義、契約の本性、契約の本質的債務などの概念が契約の内在的制約を根拠づける概念として用いられてきた。
    他方、現代福祉国家においては社会経済的地位の弱者に対する保護という民法にとっては外在的な政策的理由による契約自由に対する制限もなされている。内在的制約の場合と外在的制限の場合とでは、その根拠のみならず、規制の法的な手法も異なっている。
    ドイツ民法においては、契約内在的な制限は公序良俗違反などの原則により、一般法である民法のレベルにおいて規律され、外在的な政策的理由による場合は特別法による制限として現れる。フランス民法においては、契約の本質的債務、契約の本性、カウザなどの論理により内在的制約が付され、弱者保護の理念による外在的な制限がされている。日本民法の研究においては、これまで内在的制約と外在的制限とを区別して、契約自由原則の制限を議論することは行われてこなかった。本研究は、日本民法においても、この両者の自覚的な区別による検討の重要性を示した点に、意義がある。

  • 民間借家に対する法的規制のあり方に関する比較法的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    1999年
    -
    2000年
     

    内田 勝一

     概要を見る

    本研究の目的は、アメリカ及びイギリスにおける民間借家制度の現状、法的規制の内容、規制の社会的効果を考察し、日本における今後の民間借家制度とその法的規制のあり方を研究することである。
    本研究の研究成果として以下の4点を挙げることができる。第1は、住宅政策、借家法制の比較研究についての方法論的考察である。住宅の供給-消費の全体構造を把握するという視点から、近時のヨーロッパにおける住宅政策研究の動向をフォローした。そして、比較類型論的研究においては、比較の対象となった国々における住宅政策の同一性と異同性・類型的展開と段階的発展を基本概念として考察すべきことを主張した。
    第2に、わが国において2000年3月から施行された定期借家制度の立法的背景、法律内容の特徴を明確にし、実際の効果について検討を加えた。その結果、定期借家制度の役割は限定的であることを明らかにした。
    第3に、2000年に発表された住宅緑書(Housing Greenpaper)、住宅政策書をもとにして、近時のイギリスの民間借家の状況と借家法制の内容を明らかにした。
    第4に1970年代以降のアメリカ不動産賃貸借法制の変貌状況を明らかにし、州法、市条例による立法活動の進捗状況、リステイトメントや模範賃貸借法典における理論的進展状況を明らかにした。

  • 都市政策における公共・民間・第3セクターの役割分担のあり方に関する比較研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1997年
    -
    1999年
     

    内田 勝一, 中島 明子, 渡名喜 庸安, 鈴木 浩, 前田 昭彦, 塩崎 賢明, MURIE Alan, WATSON Chris

     概要を見る

    平成9(1997)年度から平成11(1999)年度の3年間において、都市政策における公共・民間・第3セクターの役割分担のありかたを日本とイギリスとを対比しつつ検討を行った。その際、東京及びBirminghamにおける都市住宅再開発の地域研究、福島等を例とした衰退した地方都市の再生を目指す、都市政策・商業政策・住宅政策の検討をもおこなった。その結果以下のように結論を導くことができた。
    (1)イギリスにおいては97年労働党政権の成立以降、いわゆる「第三の途」と呼ばれる政策が中心となっており、公共と民間とのパートナーシップによる都市政策、住宅政策が主要な方向となっている。日本においては市場機構を重視した民間企業の活力利用が中心であり、第3セクターの育成に関する基本的な政策理念が明確でないという特徴が見られる。
    (2)日英両国ともに、都市政策・住宅政策の両面において、非政府・非営利組織が活動の中心を担いつつあり、その育成が基本的な課題になっている。とくに、コミュニティーの自主的・内発的な動きが重視され、主体の力量形成(Capacity Building)が基本概念となっている。
    (3)住宅政策と都市政策とが総合的に関連づけられて進んでおり、イギリスでは、社会的排除(Social Exclusion)という基本的な概念が重視されているが、日本では中心的な概念が未だ不明確であり、その形成が必要である。
    なお、これらの研究成果を基礎として、「イギリスの都市住宅再生」、「Housing and Urban Policy in Japan」という2冊の著作を共同執筆中である。

  • 現代日本の都市土地法「自治的」土地利用秩序形成の方向に関する総合的研究

    科学研究費助成事業(東京大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1996年
    -
    1997年
     

    原田 純孝, 吉田 克己, 安本 典夫, 見上 崇洋, 戒能 通厚, 五十嵐 敬喜, 内田 勝一

     概要を見る

    1.都市土地法の全体的構造の把握については、規制緩和と地方分権の動きが法システムの構造と機能をどう変え、今後の街づくりにいかなる影響を及ぼそうとしているかを重点的に検討にした。その成果の一端が「法律時報」1997年4月号98年2月号の特集であり(「研究発表」欄参照)、(1)右の動きは「自己決定」と「自己責任」の強調にもかかわらず、必ずしも「望ましい共同の都市空間の形成・整備」に向けた住民の制御権能を強化するものとなっていない、(2)都市計画権限の分権化の内容は-欧米諸国と対比すればとくに-なお限定されている一方、(3)個々の関係諸措置も当面の不動産流動化や景気対策を狙う側面が強く、歪曲された要素を伴う、(4)それ故その動きは、現に存在している「自治的」土地利用秩序形成への実態的動向を下支えするにもなお不十分である。などの点を確認した。
    2.他方、歴史的観点からみれば、日本の都市土地法は今日大きな曲がり角にある。すなわち、従来の法制度は、(1)戦前期の中央集権的な法システムが大きな改正を受けることなく戦後に引き継がれたのち、(2)高度成長期の開発・土地政策の下で土地所有の独特の経済的機能を包摂しつつ「日本型」の都市土地法として形成・確立され、(3)80年代の「自己展開」の過程で土地バブルを生み出し、限界に達した。(4)そこからの脱却とより安定的な成熟期の都市形成-すなわち「住民・市民の共同の居住・生活空間の形成」-に向けた新しい社会的ルールの確立がいま求められているのである。
    3.そのためには、1で触れた歪曲的要素を除去する一方、実際の「自治的」土地利用秩序形成の動向を踏まえつつ、(1)住民自治と市民自治を基礎とした都市計画権限の分権化、(2)その下での新しい「市民的公共・パブリック」の論理とその発現手法の確立、(3)土地利用に対する住民・市民の法的制御権能の強化などを実現していくことが-欧米諸国の経験からみても-必須のものとなる。

  • 都市再生政策の国際比較研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

  • 賃貸住宅市場の変貌と交渉力格差論の視点からの法規制の方向性の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

  • 都市再生政策の国際比較研究

  • ベトナムにおける民法改正共同研究

  • 都市政策における官、民、第3セクターの関係

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特定課題制度(学内資金)

  • 契約自由原則の民法内在的論理による制限と外在的政策的理由による制限とに関する研究

    2002年  

     概要を見る

     現代の福祉国家においては、国家は市場経済を前提としつつ、一定の社会経済的な目的を達成するために、社会経済過程に介入をする。本研究では、福祉国家の諸類型についての考察を前提として、民法における基本原則である契約自由の原則の制約制限について検討を加えた。本研究では、契約自由原則に関しては、民法内在的な論理に基づく制約と、外在的・政策的理由による制限とがあるとして、制限についての二つの異なる形態を分析した。 契約自由の内在的制約原理としての、契約の本性、契約正義、公序良俗、信義則等の原理と、契約法の各領域における、消費者保護、社会的弱者保護等政策的理由に基づく制限とは発生的には異なること。政策的理由による制限は、民法典の外部に特別法として生成するが、民法の拠って立つ社会哲学である、国家像の変化に伴い、福祉国家としての性格が強化されるにともない、民法典に組み込まれていく傾向が見られる。組み込みに際しては、両者の区分分けが行われ、公法的規制、特別の政策的配慮に基づく規制は民法典には組み込まれることなく、特別法として存在する。このプロセスがもっとも明確なのはドイツ法における賃貸借法改正である。 このことを念頭に置いて、賃貸借法における制約の形態を分析し、戦後の民法学に見られる居住権という論理に基づく賃貸借法の再構成は、住宅政策との関連においてその特性を浮き彫りにしたが、それ故に、民法内在的な論理との結びつきが希薄になり、ドイツ法に見られるような民法典の基本原則への影響が見られなかった。しかも労働法のような政策的理由付けの強固さが見られなかったが故に、特別法領域としての独立性にも乏しいという状態を生じさせてしまった。 以上のようにこの研究では、福祉国家の類型による法的介入の相違、契約自由原則制限における二つの異なる論理、賃貸借法の分野における分析の3点についての考察が加えられた。

  • サプライヤーシステム契約の研究

    2000年  

     概要を見る

     本研究の目的は、中小零細企業と大企業との間の取引関係を分析し、取引関係において法の果たす役割を検討することである。実際には極めて多様な関係が存在し、しかも業種により異なるのであるが、本研究では特定の企業との間の継続的かつ従属的な下請負関係を特徴とする「系列型構造」と、多様な業種の特殊な技術を有する中小企業が集積し、それらが蜘蛛の巣状のネットワークとして関係を結び、その基盤の上に不特定の大企業との取引関係が結ばれる「ネットワーク型構造」という二つの基本的概念を用いて分析をした。技術の観点からすると、中小企業の技術水準が低く、大企業の開発した量産型技術をより低コストで実現する場合には系列型構造が成立し、ネットワーク型構造は中小企業の有する技術水準が高度で先端的な場合に成立することが確かめられた。 「系列型構造」においては、社会経済的な従属性の故に、独立した当事者関係が形成されず、明確な権利義務関係からなる法的関係が取り結ばれることが少ない。「ネットワーク型構造」において、新規技術の共同開発を複数の企業間でおこなう場合には、一定の期日までに参加各企業が技術の完成をすることが内容となっており、契約による関係づけもみられる。しかし、一般的には、「ネットワーク型構造」においても契約的な関係が成立していないことが多い。取引の対象となる製品が大企業向けの試作品であることが多く、技術要求に臨機応変に対応することが必要であり、当事者の関心は新規技術の開発に向けられており、しかも試作品の価格は高額ではなく、常に瑕疵がないわけではないことも当事者間では理解されており、不履行による損害賠償が問題となることは少ない結果、固定性・画一性を特徴とする契約的・法的関係が取り結ばれることは少ないことが明確になった。 「ネットワーク型構造」の法学的研究は本研究が嚆矢であり、未だ未成熟である。今後、十分に実態調査をおこない、その結果を踏まえ、理論化を完成させ、独立した論考として公表したいと考えている。

  • 現代都市における居住法の意義に関する基礎的研究

    1997年  

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    19世紀から始まった都市化、産業化の中で、西欧諸国においては、独自のしかも重要な社会問題として、住宅問題が登場した。これまで、小職は、イギリスにおける住宅法の発展過程についての研究を行ってきた。本研究は、それをうけて、第一に、現代都市における住宅問題・土地問題を対象にして、国家がおこなってきた住宅問題解決への政策的介入の諸類型を明確にし、第二に、体系的介入の論理的構造を分析し、法制度の構造分析をおこない、第三に、政策、法の背後にある、思想を明らかにすることを目的としている。本年は、現代日本の居住問題を居住者の権利という観点から考察し、その基本的構成要素を明らかにすることに努めた。一九八〇年代後半からのいわゆるバブル期を経て、都市における居住地の階層的分化が著しくなっている。このような中では、国民の権利としての居住を保障するための公共政策の進展が不可欠である。しかし、規制緩和、民営化、脱福祉国家論の横行する今日の我が国では、住宅政策への公共的介入が弱まっている。本研究では、このような状況に変革を迫るため、居住法・住宅法の基本的な構造要素を明らかにし、現代国家においても、その課題が存在していることを明らかにした。 本研究成果の一面は、下記の論文によって公刊した。なお、本研究を発展させるものとして、小職が代表者となり、文部省科学研究費国際学術共同研究をえて、おこなっている「都市政策における公共・民間・第三セクターの機能分担のあり方」がある。この研究はバーミンガム大学都市地域研究センター、および日本研究センターの研究者と共同して研究を行っている。研究成果の発表1997年 「都市における居住問題」岩波書店発行11月 『講座現代の法第9巻・都市と法』所収

  • 住宅政策の新しい動きについての研究

    1996年  

     概要を見る

     本研究において、1980年代から90年代にかけての欧米諸国の住宅政策は、「市場の失敗」と「政府の失敗」という時代的な背景の下で、非営利団体による住宅供給及び分権化された地方自治体の総合的住宅戦略によって特徴づけられることを明らかにした。また、アジア諸国においても住民の自主的な住宅建設運動が住宅政策の中心になっていることを示した。これに対して、90年代のわが国においては、規制緩和、民間市場の重視という政策が進められる中で、アジア・アメリカ・ヨーロッパに見られるような新たな方向への胎動は未だ極めて弱いことを指摘し、今後、地方分権化の深化、ボランタリズムの深化によって、住宅政策の中心的部分にも変化が生じる可能性を指摘した。 この研究の一部は、『講座現代居住』第4巻所収の「都市定住の権利」(東大出版会・1996年10月)、第5巻所収の「世界の居住運動一序論」(同11月)において、すでに公刊したところである。さらに、今年度において、法律学的な観点を踏まえて、「住宅問題と法」(岩波講座『現代の法』第9巻『都市と法』所収予定)と題する論文として公表した(97年12月)。また、イギリスの住宅政策・都市計画の歴史的な発展と現状と関連させつつ、バーミンガム大学の研究者との国際学術共同研究を進めているところである。

  • 民法学史の研究序説

    1995年  

     概要を見る

    本研究は我国民法学の歴史的研究を目的とするものであるが,今年度は現行民法典の所有権規定の制定過程から戦前までの理論史を研究した。 その結果,(1)民法典の制定過程においては,天賦人権説的な自然権としての所有権,絶対的な権利としての所有権という考え方と法令の制限の範囲内で認められ,国家によってその権利内容が制約されるのは当然であるという考え方が対立していた。(2)この対立関係は明治憲法における財産権保障のあり方と密接に関連していたこと。(3)しかし,その後は,制定過程におけるこのような緊張関係が民法学の中では必ずしも十分には理解されず,条文の極めて形式的な解釈が行われるに止まっていったこと。(4)戦時体制では共同体的な所有権理論が主張され,一定の支持を得ていたこと。などを明らかにした。 民法学史研究会の研究成果の一部は獨協法学に掲載されたが,研究成果の全体は信山社から二巻本として刊行されることになっており,本研究者の研究成果はそれに含まれることになっている。