2024/12/30 更新

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イワタ タカシ
岩田 孝
所属
文学学術院
職名
名誉教授
学位
文学修士 ( 早稲田大学 )
理学修士 ( 早稲田大学 )
哲学博士(ハンブルク大学) ( ハンブルク大学 )
Dr.Phil.(ハンブルク大)

経歴

  • 2003年
    -
    2004年

    ウィーン大学文学部客員教授

  • 2003年
    -
    2004年

    Visiting professor, University of Vienna (Instituts fuer Sued-asien-, Tibet- und Buddhismuskunde)

  • 1993年
    -
     

    - 早稲田大学文学部 教授

  • 1993年
    -
     

    - Waseda University, Professor

  • 1988年
    -
    1993年

    早稲田大学文学部 助教授

  • 1988年
    -
    1993年

    早稲田大学

  • 1985年
    -
    1988年

    早稲田大学文学部 専任講師

  • 1985年
    -
    1988年

    早稲田大学

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学歴

  •  
    -
    1973年

    早稲田大学   文学研究科   東洋哲学  

  •  
    -
    1973年

    早稲田大学  

  •  
    -
    1967年

    早稲田大学   理工学部   応用物理学科  

  •  
    -
    1967年

    早稲田大学  

委員歴

  • 2009年
    -
    継続中

    日本仏教思想学会  理事

  • 2013年
    -
    2019年

    東方学会  理事

  • 2005年
    -
    2015年

    日本印度学仏教学学会  理事

  • 1993年
    -
    2015年

    日本西蔵学会  委員

  • 2010年
    -
    2014年

    早稲田大学東洋哲学会  会長

  • 1993年
    -
    2011年

    東方学会  評議員

  • 1996年
    -
    2009年

    日本仏教学会  理事

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所属学協会

  •  
     
     

    早稲田大学東洋哲学会

  •  
     
     

    日本西蔵学会

  •  
     
     

    東方学会

  •  
     
     

    日本仏教思想学会

  •  
     
     

    国際仏教学会

  •  
     
     

    日本仏教学会

  •  
     
     

    日本印度学仏教学学会

  •  
     
     

    The Association for Asian Studies of Waseda University

  •  
     
     

    The Japanese Association for Tibetan Studies

  •  
     
     

    The Institute of Eastern Culture

  •  
     
     

    The Nippon Buddhist Research Association

  •  
     
     

    Japanese Association of Indian Buddhist Studies

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研究分野

  • 中国哲学、印度哲学、仏教学

研究キーワード

  • 印度哲学(含仏教学)

  • 仏教認識論論理学

  • Buddhist Epistemology and Logic

受賞

  • 仏教思想学術賞(仏教思想学会)

    2012年  

 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集(バウッダコーシャ)の構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2016年03月
     

    斉藤 明, 榎本 文雄, 室寺 義仁, 佐久間 秀範, 宮崎 泉, 山部 能宜, 桜井 宗信, 石井 公成, 下田 正弘, 蓑輪 顕量, 高橋 晃一, 石田 尚敬, 岩田 孝, 高橋 晃一

     概要を見る

    本研究はXML形式(拡張可能なマーク付き言語)により関連文献および用例の整理を行った上で、重要な仏教術語に関して、その定義的あるいは主要な用例を訳語の根拠として提示しながら、現代語(日本語・英語)への基準的な訳語を検討し、提起することを目的とする。期間中に、『瑜伽行派の五位百法』(バウッダコーシャII)山喜房仏書林および『ブッダゴーサの著作に至るパーリ文献の五位七十五法対応語』(同III)同の両成果を紙媒体で公にするとともに、HP(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~b_kosha/html/preface_1.html)において、関連データを含め、Web媒体で公開した。

  • 『知識論決択』における法称の論理学の解析 ― 法上の梵文注釈に基づいて ―

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

    岩田 孝

     概要を見る

    法称(7世紀中葉)の論理学の特質を理解するためにPramanaviniscaya(『知識論決択』)での論理学の基本的見解を要約した。法称は同書において陳那の論理学の新たな解釈を述べている。本研究では、主張命題の定義に関する法称の解釈に焦点を合わせた。その際にはダルモーッタラの梵文写本註釈を拠り所とした。
    仏教哲学の後期の展開の解明に法称の論理学の研究成果を応用しつつ、サハジャヴァジュラ(11世紀頃)のSthitisamasa(『定説集成』)における瑜伽行派の定説を論じ、知識が形相を有するという有形相知識論と知識が形相を有しないという無形相知識論を説く二つの瑜伽行派の理論的な相違点を明らかにした。

  • 仏教論理学と後期大乗仏教への展開

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

    岩田 孝, 杉木 恒彦

     概要を見る

    サハジャヴァジュラ(11世紀)の仏教の哲学綱要書『定説集成』での瑜伽行派の無形相知識論の節についての梵文校訂テキストと和訳注を作成し、この定説の論理的思考方法が法称やシャーンタラクシタなどの見解に遡ることを示した。更に、この教理の分析の基礎として法称の『知識論決択』の主張命題の定義の節を解読した。この文脈では、聖言と世間での承認(prasiddhi)は、それらに反対する主張を否定する根拠と見なされる。しかし、聖言等は常に妥当であるわけではない。同書の分析に基づき、聖言と承認がどのような条件の下で妥当となり得るのかを示した。

  • SahajavajraのSthitisamasaの英訳注

    国際共同研究

    研究期間:

    2008年
    -
     
     

  • An annotated English translation of Sahajavajra's Sthitisamasa

    International Joint Research Projects

    研究期間:

    2008年
    -
     
     

  • 仏教における主張命題の意義-梵文写本『知識論決択』の解読に基づいて-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

    岩田 孝

     概要を見る

    インド思想の歴史的な展開は、諸学派間の論諍に依る所が少なくない。しかし、学派間の哲学的な論争では、立論者が自らの主張を曖昧に表現することによって、自らの主張を強引に成立させる論法が処々に見られる。これらの疑似論証を否定するためには、まず立論者が何を主張しているのかを明確にしなければならない。ここに、或る言明が証明されるべき主張命題となる為には如何なる条件を必要とするのかという問題が生じてくる。仏教においてこの主張命題の定義に本格的に取り組み、論理体系を構築したのは、法称(Dharmakirti ca.600-660)である。本研究においては、主張命題の成立の一条件「立論者に真に意図されたこと(言外の意図)が主張命題である」という条件の意味を考察した。当時、数論学派やチャールヴァーカなどが、主張命題の表現の曖昧さを利用して自らに都合の良い帰結を導く論証を提唱していた。その論証の不合理性は直感的には理解されてはいたが、論証の内容が複雑なために、論理的に解明することの難しい一つの難問とされていた。法称は、立論者の言外に意図したことも主張命題に含まれるという規定を主張命題の定義に含めることにより、その問題が解決する、と説明している。本研究では、法称の主著『知識論決択』の新発見梵文の当該箇所の解読を通して、法称の説示を理論的に分析し、仏教の学匠が、健全な議論を行う為の基盤を如何に構築したのかを明らかにした。更に、教理の分析に仏教論理学的思考を応用した例として、仏教における悲愍の実践が如何に可能となるのかを論じた法称の理論を分析した。

  • インド思想における帰謬論

    研究期間:

    2005年
    -
     
     

  • Prasanga in Indian thought

    研究期間:

    2005年
    -
     
     

  • 後期大乗仏教の慈悲

    研究期間:

    2004年
    -
     
     

  • Compassion in later Mahayana Buddhism

    研究期間:

    2004年
    -
     
     

  • 特定領域研究及び国際共同研究「新しい論理学の展開」のための企画研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2002年
     
     
     

    岡田 光弘, 野矢 茂樹, 土屋 俊, 飯田 隆, 佐藤 雅彦, 岩田 孝

     概要を見る

    特定領域研究及び国際共同研究「新しい論理学の展開」に向けた企画・調査を行った。本企画・調査研究班は、論理哲学者達だけでなく、これに認知言語学者、論理学史学者、情報科学者等も含めて形成されている。特に本年度は国際共同研究の基礎となるネットワーク作りを発展させた。
    (1)企画にあたっては英米系論理哲学の分野だけでなく、認知科学・情報科学・AIなどとの学際的分野や、西洋・東洋論理哲学史や現象学的論理学をはじめ広い意味での論理の哲学的解明に関わる分野も視野に入れて進めた。又、我々哲学系論理学グループが中心となり、これに情報科学系AI及び認知科学系、数学基礎論系研究者達を交えてオントロジー工学、現象学的論理学、線形論理学等の分野を中心に学際的企画研究を進めた。
    (2)哲学系論理学グループを中心に欧州及び北米の研究グループとの協議を進め、欧州グループおよび北米グループとも協力して特定領域研究を立ち上げるための調査を進めた。なお、欧米の企画グループGirard及びJoinet及びAbrusciとは欧州の論理哲学界との研究協力の企画を行った。Benoistらとは各々のグループと現象学的論理学の共同研究企画を行った。又北米の論理学者達との間でも調査を進め、特にScedrov.Mitchell等の北米の重要な論理学グループが来日して協議を行った。

  • 法称の推論説とその展開

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2001年
    -
    2002年
     

    岩田 孝

     概要を見る

    仏教論理学派の学匠である法称(ca.600-660A.D.)は、主著『知識論決択』において、陳那(ca.480-540A.D)の論理学をより合理的な視点から解釈し、新たな見解をも提示している。今年度の研究では、法称の論理学について次の二点を明らかにした。陳那の九句因説では、推論における論証因の妥当性は喩例に基づいて決められた、しかし、喩例は、一つの事例であるから、他の場合にも成り立つことを確定するわけではない。そこで、法称は、この喩例に依る考え方を改めた。即ち、論証因と所証との間に、最低限度必要な関係が成り立てば、論証因の妥当性を確定できる、そしてその関係とは、論証因と所証との同一性または因果関係からなる「本質的結合関係」である、という独自な原理を導入した。本研究では、法称が、この本質的結合関係の視点からどのようにして、九句因説をより明快に再解釈したのかを、文献的に解明した。これは、法称の論理学の基礎的研究である。次に、法称の論理学の応用研究として、インド思想での基本的な思考方法の一つである帰謬法についての、法称の見解を解析した。法称以前の仏教の諸学匠は、帰謬法を用いたが、帰謬法の妥当性については、それを暗黙のうちに前提した。法称はその妥当性を立証し、更に、帰謬法を換質換位して構成する帰謬還元法の可能であることを是認した。この法称の帰謬法説の特色を『知識論決択』およびその註釈に基づいて解明した。

  • 国際共同研究及び特定領域研究「新しい論理学の展開」のための企画

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2001年
     
     
     

    岡田 光弘, 野矢 茂樹, 土屋 俊, 飯田 隆, 佐藤 雅彦, 岩田 孝

     概要を見る

    特定領域研究及び国際共同研究「新しい論理学の展開」に向けた企画・調査を行った。本企画・調査研究班は、論理哲学者達だけでなく、これに認知言語学者、論理学史学者、情報科学者含めて形成されている。各々の分担者が各自の専門分野を担当する形で、特定領域研究の企画を進めた。
    1.企画にあたっては英米系論理哲学の分野だけでなく、認知科学・情報科学・AIなどとの学際的分野や、西洋・東洋論理哲学史や現象学的論理学をはじめ広い意味での論埋の哲学的解明に関わる分野も視野に入れて進めた。本チームメンバー(および研究協力者グループ)との研究会を重ねて各分野から出された共同研究の企画を検討した。又、我々哲学系論理学グループが中心となり、これに情報科学系AI及び認知科学系、数学基礎論系研究者達を交えて「哲学と工学におけるオントロジー」ワークショップ、「ヒルベルト」国際ワークショップ、「ウィトゲンシュタインの数学の哲学」ワークショップ等多数の研究会を行い、学際的企画研究を進めた。
    2.哲学系論理学グループを中心に欧州及び北米の研究グループとの協議を進め、欧州グループおよび北米グループのそれぞれの地域での研究費申請と連動して、日本側も特定領域研究を立ち上げるための準備を進めた。なお、欧米の企画グループvan Dalen及びJoinet及びAbrusciとは欧州の論理哲学界との研究協力の企画を行った。Benoistとは各々のグループと現象学的論理学の共同研究企画を行った。Girard及びBarendregtとは欧州の惰報論理学界との共同研究企画を行った。Mancosu及びZach及びDrummondとは北米論理哲学界との共同研究の企画を行った。Vandervekenとは北米の言語行為論者達および「AIの論理」研究者達との研究協力の企画を行った。

  • 国際共同研究及び特定領域研究「新しい論理学の展開」のための企画研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年
     
     
     

    岡田 光弘, 野矢 茂樹, 土屋 俊, 飯田 隆, 佐藤 雅彦, 岩田 孝

     概要を見る

    特定領域研究「新しい論理学の展開」及びそれと並行して行う国際共同研究に向けて,その準備のための企画・調査を行った.現在進みつつある新しい論理学の展開を把握し,論理学の進むべき方向を明らかにしていくには,哲学系論理学者達が中心となり,これに西洋・東洋の論理学史の学者達および認知科学,言語学,人工知能論,情報科学基礎論,数学基礎論を含めて特定領域研究チームを形成する必要がある.このため,本企画・調査研究においても,論理哲学者だけでなく,これに認知言語学者,論理学史者,情報科学者に加わってもらった.
    昨年度に引続き,岡田は論理哲学(数学基礎論やフッサール後期の論理学も含む)を,飯田は言語分析哲学を,野矢は日常言語と論理との関係を,土屋は認知科学的立場からの論理を,岩田はおもに印度論理を中心に企画調査を行った.また,これらのメンバーの各々は,哲学以外の他の分野との交流も盛んに行ってきた.例えば,土屋は言語学界および認知科学界においても哲学的立場から多くの成果をあげており,また 岡田及び佐藤は人工知能論や情報科学や数学との境界領域の研究者達との打ち合わせも進めてきた.また,これまでも哲学系の研究代表者岡田と分担者土屋は情報科学系の分担者佐藤と分野を超えて本企画調査のための学術交流を重ねてきた.
    これと並行して,岡田が海外における代表的な哲学系論理学の共同研究プロジェクトの視察・調査を行った.特に4月にソルボンヌ大(パリ大学第1校)哲学科において欧州側共同研究者達と共同研究企画のための会合を行ったのに続いて,7月末のヨーロッパ論理学会の折には米国側の共同研究者達も含めて上記課題の国際共同研究の企画会議を行った.

  • 法称の推論説とその展開

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1999年
    -
    2000年
     

    岩田 孝, 桂 紹隆

     概要を見る

    法称(七世紀中葉)は、独自な論理系を導入して、陳那(六世紀前半)の論理学を説明しつつ、自らの論理系と、陳那のそれとの無矛盾性を多くの箇所で示している。本研究では、法称の論理系が陳那の独創である九句因説と矛盾しないことを論じた『知識論決択』の箇所を分析した。その結果、陳那には見られない法称の視点が浮き彫りになった。それは、推論の成立の主要な条件である論証因と所証との論理的関係を、陳那が「確定される」ものと見なしたのに対して、法称は確定できない場合も有るとし、「疑い」の視点を導入して論理的関係を再分類したという点である。「疑い」の概念の導入により、他者が日常的に認識できない不確定な事柄を証明する場合(例えば常住不変なる実我などの存在を証明しようとする場合に)これを批判することが可能になった。
    印度の論理学は実例に依存する為に帰納的であると言われている。実例に基づく為に生じる諸矛盾を回避する方法を検討することは、印度論理学の限界を示すという意味で重要である。本研究では、陳那の論理学での喩例の役割を分析した。更に、法称の『知識論決択』での疑似論証因の論述を調べ、実例に依らずに、論証因の成否を検討するという見方の萌芽が法称説に存することを指摘した。
    上記の推論説の文献学的研究は、仏教論理学の基礎論の研究である。以下の研究は、その応用部分に相当する。ものごとの認識を成立させる根拠を定め、その根拠に基づいて、何が妥当なものとして残るかをラディカルに追求した法称は、世尊自身についても、何ゆえに人々にとって信頼される拠り所(公準、量)になるのかを問題にし、これの証明を試みた。本研究では、この証明に関するプラジュニャーカラグプタ(八世紀後半)の解釈を分析し、世尊の量性の証明が、世俗的上での証明と、勝義上での証明に分類されることなどの特徴を指摘した。

  • 特定領域研究「新しい論理学の展開」のための企画研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1999年
     
     
     

    岡田 光弘, 野家 茂樹, 土屋 俊, 飯田 隆, 佐藤 雅彦, 岩田 孝

     概要を見る

    特定領域研究「新しい論理学の展開」に向けて、その準備のための企画・調査を行った。現在進みつつある新しい論理学の展開を把握し、論理学の進むべき方向を明らかにしていくには、哲学系論理学者達が中心となり、これに西洋・東洋の論理学史の学者達および認知科学、言語学、人工知能論、情報科学基礎論、数学基礎論を含めて特定領域研究チームを形成する必要がある。このため、本企画・調査研究においても、論理哲学者達だけでなく、これに認知言語学者、論理学史学者、情報科学者に加わってもらった。
    岡田は論理哲学(数学基礎論やフッサール後期の論理学も含む)を、飯田は言語分析哲学を、野矢は日常言語と論理との関係を、土屋は認知科学的立場からの論理を、岩田はおもに印度論理を中心に企画調査を行った。また、これらのメンバーの各々は、哲学以外の他の分野との交流も盛んに行ってきた。例えば、土屋は言語学界および認知科学界においても哲学的立場から多くの成果をあげており、また岡田は人工知能論や情報科学や数学との境界領域の研究者たちとの打ち合わせも進めてきた。また、これまでも哲学系の研究代表者岡田と分担者土屋は情報科学系の分担者佐藤と分野を超えて本企画調査のための学術交流を重ねてきた。
    これと並行して、岡田が海外における代表的な哲学系論理学の共同研究プロジェクトの視察・調査を行った。また、ソルボンヌ大学哲学科Joinet博士、パリ・エコールノルマールシュープリュールのLongo博士ら欧州の論理学者およびホンコン大学哲学科及び米国テキサス大哲学科Thomason博士らアジア、米国の何人かの分析哲学者や言語行為論の論理研究者らを招いて、本研究企画のためのディスカッションを行い、助言を仰いだ。

  • 仏教論理学における推論の構造-他者の為の推論の定義について-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1995年
    -
    1996年
     

    岩田 孝

     概要を見る

    法称の主著『知識論決択』(Pramanaviniscaya)第三章(=PVin III)の和訳研究(『東洋の思想と宗教』13,14)により、法称の帰謬法(prasanga)には、法称の帰謬還元法(prasangaviparyaya)を構成する為の能成要因となるという肯定的な面のあることが明らかになった。法称自身による帰謬法の記述は簡単なものである為に、その構成の仕方に関して注釈者達の間に解釈の相異が見られた。主たる相違点は、立論者にとって存在しない事柄を主題にした場合、帰謬法から帰謬還元法を構成できるのか否かを巡るものであった。諸注釈の解読研究により、PrajnakaraguptaがDharmottara説を批判していることが判明した。この成果は、PVin IIIの独語訳研究としてWiener Zeitschrift fur die Kunde Sudasiens(Band 41,1997)にも発表される予定である。法称の帰謬法説は、チベット仏教論理学にも影響を与えており、チベットの最初期の注釈者の一つであるgTsan nag pa(12世紀)は、法称の帰謬法論に基づき、詳細な論を展開している。そのgTsannag paの帰謬法論には、Prajnakaraguptaの見解とパラレルな部分があることを示した(この論文は、『第七回国際チベット学会議事録』(今年度出版予定)に収載される)。Bu ston(1290-1364)も、PrajnakaraguptaがDharmottaraの帰謬法の解釈に相異のあることを言及している。両者の注釈の文献学的な研究により、そのBu stonの言及が、実際に注釈者の論書の説にまで遡って跡付けられることを証示した(『今西教授記念論集』収載)。これらにより、帰謬法の解釈という視点から、インドの仏教論理学よりチベット仏教論理学への展開の様子の一端を明らかにした。

  • インド仏教論理における推論の定義

    研究期間:

    1993年
    -
     
     

  • Definition of the Inference in the Indian Buddhist Logic

    研究期間:

    1993年
    -
     
     

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Misc

  • 論証(samvedana)による対象と知識の非別性論証再考

    岩田 孝

    東方学   131   1 (148) - 25 (124)  2016年01月  [査読有り]  [招待有り]

  • ダルモーッタラのsamvedana論証解釈

    岩田 孝

    三友健容博士古希記念論文集 智慧のともしび アビダルマ佛教の展開     679 - 705  2016年  [招待有り]

  • 論理学 ― 法称の論理学

    桂紹隆, 斎藤明, 下田正弘, 末木文美士編集

    『認識と論理学』シリーズ大乗仏教9     121 - 153  2012年

  • 『定説集成』(Sthitisamasa)和訳研究 無形相知識論瑜伽行派の定説(3) ― 知識における形相の存在の否定 ―

    岩田 孝

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   56   1 - 12  2011年

  • Compassion in Buddhist Logic, Dharmakirti’s View of Compassion as Interpretated by Prajnakaragupta

    Eds. Helmut Krasser

    Religion and Logic in Buddhist Philosophical Analysis -- Proceedings of the Fourth International Dharmakirti Conference Vienna, August 23-27, 2005     211 - 230  2011年

  • 他者の為の推論(parārthānumāna)における世間承認(prasiddhi)― 法称の見解とダルモーッタラの解釈 -

    東洋の思想と宗教   26   1 - 33  2009年

  • 諸行無常について

    四天王寺国際仏教大学紀要   45   1 - 27  2008年

  • デーヴェーンドラブッディによる悲愍増長の論証(上)

    日本仏教学会年報   72   39 - 50  2007年

  • Dharmakirti's Interpretation of the Word ista in the Definition ofthe Thesis

    Indica et Tibetica Festschrift für Michael Hahn zum 65. Geburtstag von Freunden und Schülern überreicht     275 - 288  2007年

  • An Analysis of Examples for the Interpretation of the Word ista in Dharmakirti's Definition of the Thesis

    Pramanakirtih, Papers dedicated to Ernst Steinkellner on the occasion of the 70th birthday, Wien   ( 1 ) 315 - 344  2007年

  • Dharmakirti's Interpretation of the Word ista in the Definition ofthe Thesis

    Indica et Tibetica Festschrift für Michael Hahn zum 65. Geburtstag von Freunden und Schülern überreicht     275 - 288  2007年

  • An Analysis of Examples for the Interpretation of the Word ista in Dharmakirti's Definition of the Thesis

    Pramanakirtih, Papers dedicated to Ernst Steinkellner on the occasion of the 70th birthday, Wien   ( 1 ) 315 - 344  2007年

  • プラジュニャーカラグプタの悲愍修習論(1)

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   52   45 - 57  2006年

  • 法称の主張命題の定義についての覚書

    福井文雅博士 古希記念論集 アジア文化の思想と儀礼     45 - 72  2005年

  • ウィーン大学仏教学研究

    東方学   109   126 - 138  2005年

  • On the concept of necessity in Buddhist texts - from the perspectives of Yogacaras and the Buddhist logical tradition

    Horin Vergleichende, Studien zur, japanischen Kultur

    Haus der Japanischen Kultur in Dusseldorf   11   57 - 81  2004年

  • Prajnakaragupta's proof of the Buddha's Authority

    Three Mountains and Seven Rivers: Prof. Musashi Tachikawa's Felicitation Volume Motilal Banarasidass Publishers     355 - 374  2004年

  • The Negative Concomitance (vyatireka) in the Case of Inconclusive (anaikantika) Reasons

    The Role of the Example (drstanta) in Classical Indian Logic     91 - 134  2004年

  • An interpretation of Dharmakirti's 'Svabhava-Hetu'

    T Iwata

    JOURNAL OF INDIAN PHILOSOPHY   31 ( 1-3 ) 61 - 87  2003年06月

  • 九句因解釈に見られる法称の不定論証因説

    神子上恵生教授頌寿記念論集     55 - 93  2003年

  • The Pramanaviniscaya on the purpose of the division of reasons into nine types in the Hetucakra

    Wiener Zeitschrift fur die Kunde Sudasiens und Archiv fur Indische Philosophie   46   225 - 257  2002年

  • 佛教と自然倫理-若干の所見(2)(Lambert Schmithausen執筆論文)

    東洋の思想と宗教   19   1 - 32  2002年

  • 仏教論理学派による世尊の量性の証明における悲愍

    東方学   104   125 - 140  2002年

  • 世尊の量性の証明の一解釈 ‐プラジュニャーカラグプタの解釈の視点から‐

    印度哲学仏教学   16   44 - 74  2001年

  • 倶舎宗

    大久保良峻

    『新・八宗綱要』     269 - 317  2001年

  • 佛教と自然倫理─若干の所見─(1)

    Schmithausen Lambert, 岩田 孝, 瀧川 郁久

    東洋の思想と宗教   18 ( 18 ) 1 - 41  2001年

    CiNii

  • (他者の為の推論章)和訳研究ad vv. 4-5-他者の為の推論の定義のprakasanaについて(6)-

    インドの文化と論理 戸崎宏正博士古希記念論文集     267 - 288  2000年

  • 『定説集成』(Sthitisamuccaya)和訳研究―無形相知識論瑜伽行派の定説(2)―

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   45   13 - 26  2000年

  • 『知識論決擇(Pramanaviniscaya)第三章(他者の為の推論章)和訳研究 ad V.3―他者の為の推論の定義のarthaについて(5)―

    東洋の思想と宗教   17   1 - 17  2000年

  • 世尊は如何にして公準(pramana)となったのか

    岩田孝

    駒澤短期大学佛教論集   6   1 - 38  2000年

    CiNii

  • 古典インドにおける倫理学(第36回国際アジア、北アフリカ研究会議ICANAS 2000)

    東方学会報   79   27 - 31  2000年

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 後期大乗仏教のサンスクリット語写本解読研究

    2003年09月
    -
    2004年09月

    オーストリア   ウィーン大学

特定課題制度(学内資金)

  • 法称の推論説とその展開

    2002年  

     概要を見る

    仏教論理学派の学匠である法称 (ca. 600-660 A.D.) は、主著『知識論決択』において、陳那 (ca. 480-540 A.D) の論理学をより合理的な視点から解釈し、新たな見解をも提示している。本研究では、法称の論理学について次の二点を明らかにした。陳那の九句因説では、推論における論証因の妥当性は喩例に基づいて決められた、しかし、喩例は、一つの事例であるから、他の場合にも成り立つことを確定するわけではない。そこで、法称は、この喩例に依る考え方を改めた。即ち、論証因と所証との間に、最低限度必要な関係が成り立てば、論証因の妥当性を確定できる、そしてその関係とは、論証因と所証との同一性または因果関係からなる「本質的結合関係」である、という独自な原理を導入した。本研究では、法称が、この本質的結合関係の視点からどのようにして、九句因説をより明快に再解釈したのかを、文献的に解明した。これは、法称の論理学の基礎的研究である(2001年ワルシャワ大学での国際会議、International Seminar “Argument and reason in Indian Logic”にて発表)。次に、法称の論理学の応用研究として、インド思想での基本的な思考方法の一つである帰謬法についての、法称の見解を解析した。法称以前の仏教の諸学匠は、帰謬法を用いたが、帰謬法の妥当性については、それを暗黙のうちに前提した。法称はその妥当性を立証し、更に、帰謬法を換質換位して構成する帰謬還元法の可能であることを是認した。この法称の帰謬法説の特色を『知識論決択』およびその註釈に基づいて解明した(2002年バンコクでの国際会議、The XIIIth Conference of the International Association of Buddhist Studiesにて発表)。

  • 梵文写本『哲学定説集成』(Sthitisamuccaya)の解読研究

    1997年  

     概要を見る

    Nepal-German manuscript preservation projectに収蔵されている梵文写本『定説集成』の解読研究を1990年代の初めより進めている。十一世紀頃に著述されたこの論書は、韻文による偈文からなり、散文の註釈がない為に、解読は極めて難しい。しかも、同書はそれまでのインド仏教内外の諸思想を前提に記述されており、偈文の解釈の為には、諸教理の思想史的な展開を踏まえ、大乗仏教の諸文献を参照するという準備段階が不可欠となる。これが写本読解に時間を要している理由である。そこで、同書の読解に際して、一方において長期的な視野から本書の全体像を諸文献を参考にして捉えつつ、他方において読解可能な箇所を成果として部分的に提出することにした。その最初の成果として、第三章(唯識哲学)の一部を和訳し、内容を考察した。唯識説の基本構成は、外界の対象の否定により、存在するものは識のみであると証明する理論と、認識する方の我々の意識の在り方を明かす理論とからなっている。今回の和訳研究においては、外界の対象の否定の論理の解明が主たる論題である。外界の対象を否定する為には、紀元前からのインド仏教内外における外界対象説をまず明らかにしなければならない。『定説集成』では、この外界対象説を次の三種に分類する。対象は、(イ)諸極微(最小単位の物質)の完全な結合から構成される、(ロ)諸極微の間隙のある(又は間隙のない)集合から構成される、(ハ)諸部分を有する全体としての単一な実体から構成される、という三種に分類する。本論文では、(イ)の諸極微結合からなる外界対象の否定を取り挙げた。分析の結果、その論理は、世親(五世紀頃)の著述した『倶舎論』『唯識二十論』などの説と関連することが明らかになった。これにより、本論書における外界対象否定の思考方法の解析が可能になった。 なお、対象が実体として存在しないという考え方は、後期インド大乗仏教に共通するものである。それは、ものごとが自性(不変なる実体)を有しない(無自性)という説である。八世紀後半にはその説の一般的な論証が確立されている。この論証の成立過程から捉えた外界対象否定の論理をも考察した。これを1997年の第三回国際ダルマキールティ会議において発表した。研究成果の発表1998 『定説集成(Sthitisamuccaya)』和訳研究―無形相知識論瑜伽行派の定説(1)―、早大文研紀要、43, 1, 1998, pp.3-14.1998 On the Interpretation of the Subject (dharmin) of the Inference Negating Invariable Entities in Dharmakirtian Logic, Proceedings of the Third International Dharmakirti Conference 1977(ウイーン大学より刊行予定)

  • 仏教における帰謬法の研究-インド・チベット仏教論理学における帰謬法の解釈

    1995年  

     概要を見る

    印度後期大乗仏教の思想史的な発展は,仏教の諸学派とそれ以外のバラモン系の諸学派との間の対論に依るところが大きい。そこでは,認識論・存在論・宗教論などにおける諸問題が討究されているが,それらの論述はすべて印度における共通の論証方法に基づいて行われている。その論難の基礎となっているのが印度論理学での推論である。法称 (Dharmakirti ca. 600-660 A.D.) は,仏教の側からの推論説を確立した学匠である。今回の研究は,仏教論理学の基本テキストである法称の『知識論決択』,特に,その中の第三章である。「他者の為の推論章」を取り挙げ,妥当な推論を成立させる為の条件は何か,という問題意識のもとに,他者の為に構成する推論の定義を考察した。この他者の為の推論が,他者との対論の際の共通な議論の場となるのであるが,それと並んで,対論の手段として頻繁に用いられた論法が帰謬法 (prasanga) である。しかし,帰謬法が妥当な論法であることは,暗黙のうちに認められていただけで,その証明は十分になされていなかった。その点を明確に証明したのが法称であり,その証明が上述の著作の第三章に記述されている。この帰謬法の妥当性を積極的に支持する法称の言説は,極めて難解である。そこで,原典の翻訳の直後に,コンテクストに意趣された内容に対して,可能な限り説明を加え,論旨を読み取り易くした。今年度は,これを,日本語訳注の形で『東洋の思想と宗教』(第13号,1996,pp. 1-23)に発表した。平成九年度には,その独語訳注をウィーン大学の研究誌に掲載する予定である(受領済み)。 帰謬法を巡る諸解釈は,印度のみならず,チベット仏教にも影響を与えている。その一例として,Bu ston(1290-1364) の帰謬法論を分析し,印度仏教での帰謬法の解釈が,チベットにおいてどのように捉えられていたのか,という点を明らかにした(『今西順吉博士還暦記念論集』受領済み)。また,昨年(1995年)オーストラリアで開催された国際チベット学会での発表では,法称の注釈者が捉えた帰謬法論の解釈を取り挙げ,特に,宗教的な立場に立つPrajnakaragupta(八世紀後半)による帰謬法論の解釈を明らかにした,そして,その思考方法が,法称の著作に対するチベットでの最初期の注釈(十一世紀)にも受け継がれていることを示した。この成果はProceedings of the 7th Seminar of the International Association for Tibetan Studies(forthcoming) に収載される予定である(受領済み)。国際チベット学会には三百人を越える世界の学者が参集し,旧知の諸学者との学術的な交流を行うことができた。そこで論題となった諸問題については,学会での主な発表の紹介と共に,『東方学』(第91輯,1966,pp. 143-150)において報告した。