2024/12/08 更新

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ゴミブチ ノリツグ
五味渕 典嗣
所属
教育・総合科学学術院 教育学部
職名
教授
学位
博士(文学) ( 慶應義塾大学 )
プロフィール
専攻は20世紀前半の日本語による文学・文化現象。現在はとくに、1930~1940年代の日本帝国の戦争と、東アジアにおける「内戦」の時代の文学作品や映画に関心があります。

経歴

  • 2019年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   教育・総合科学学術院   教授

  • 2018年04月
    -
    2019年03月

    大妻女子大学   文学部   教授

  • 2011年04月
    -
    2018年03月

    大妻女子大学   文学部   准教授

  • 2006年04月
    -
    2011年03月

    大妻女子大学   文学部   専任講師

  • 2001年04月
    -
    2006年03月

    中央大学附属高等学校   教諭

学歴

  • 1998年04月
    -
    2001年03月

    慶應義塾大学大学院   文学研究科博士課程   国文学専攻  

  • 1996年04月
    -
    1998年03月

    慶應義塾大学大学院   文学研究科修士課程   国文学専攻  

  • 1992年04月
    -
    1996年03月

    慶應義塾大学   文学部   文学科国文学専攻  

委員歴

  • 2018年04月
    -
    継続中

    日本近代文学会  評議員

  • 2017年04月
    -
    継続中

    昭和文学会  幹事

  • 2016年04月
    -
    2018年03月

    日本近代文学会  編集委員

  • 2011年04月
    -
    2013年03月

    日本近代文学会  編集委員

  • 2006年08月
    -
    2008年07月

    昭和文学会  編集委員

  • 2003年04月
    -
    2005年03月

    日本近代文学会  運営委員

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所属学協会

  •  
     
     

    昭和文学会

  •  
     
     

    日本近代文学会

  •  
     
     

    日本文学協会

研究分野

  • 日本文学   近現代日本語文学・文化研究

研究キーワード

  • プロパガンダ

  • 保田與重郎

  • 戦争記憶

  • 谷崎潤一郎

  • 植民地主義

  • アジア太平洋戦争

  • 日中戦争

  • 言論統制

  • 文化研究

  • 日本近代文学

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論文

  • 帝国の残響――横光利一『微笑』再読――

    五味渕 典嗣

    国文学研究   ( 199 ) 114 - 127  2023年11月

    担当区分:筆頭著者

  • 散種されることば、依代となることば : 教材としての鷲田清一—総特集 鷲田清一 : ふれる・まとう・きく

    五味渕 典嗣

    現代思想   51 ( 5 ) 336 - 344  2023年05月

  • 戦場の高見順 : 日本近代文学館蔵「陸軍宣伝班資料ノート」「ビルマ雑記帖」から

    五味渕 典嗣

    日本近代文学館年誌 : 資料探索   ( 16 ) 17 - 28  2021年

    CiNii

  • 久米正雄『白蘭の歌』と断片の政治学 : メロドラマの(不)可能性をめぐって (特集 中国大陸でのメディアと宣伝)

    五味渕 典嗣

    Intelligence = インテリジェンス   ( 20 ) 132 - 141  2020年03月  [査読有り]

    CiNii

  • 『麦と兵隊』映画化をめぐる二、三の問題

    五味渕 典嗣

    大妻国文   ( 50 ) 103 - 122  2019年03月

    CiNii

  • 学知の歴史を刻む : 『漱石辞典』編集を振りかえって

    五味渕 典嗣

    日本近代文学 = Modern Japanese literary studies   99   120 - 125  2018年11月

    CiNii

  • 石川達三と東京裁判 : 『生きてゐる兵隊』戦後版の受容をめぐって

    五味渕 典嗣

    大妻国文   ( 49 ) 91 - 113  2018年03月

    CiNii

  • 福島県浜通り地域における複合災害の記憶と表象――文学研究の立場から

    五味渕典嗣

    人間生活文化研究   ( 27 ) 299 - 308  2017年07月

  • 日中戦争期〈大陸映画工作〉への一視点 : 大妻女子大学図書館所蔵『中支派遣軍報道部映画関係調査資料』を手がかりに

    五味渕 典嗣

    大妻国文   ( 48 ) 129 - 149  2017年03月

    CiNii

  • 『こころ』を読む困難 : テクストとしての教材本文

    五味渕 典嗣

    大妻国文   47   145 - 161  2016年03月

    CiNii

  • スペクタクルの残余 : 日中戦争期戦記テクストの戦場表象

    五味渕 典嗣

    論叢国語教育学   ( 12 ) 91 - 106  2016年

    DOI CiNii

  • なぜ〈中国の戦線〉を問うのか

    五味渕典嗣

    人間生活文化研究   ( 25 ) 353 - 360  2015年12月

  • テクストという名の戦場 : 金史良『郷愁』の言語戦略 (特集 発禁・検閲・自主規制)

    五味渕 典嗣

    日本文学   64 ( 11 ) 44 - 53  2015年11月

    CiNii

  • 日本文学科「基礎ゼミⅠ」の試み

    五味渕典嗣, 木戸雄一, 倉住薫, 小井土守敏

    人間生活文化研究   2015 ( 25 ) 287 - 313  2015年09月

     概要を見る

    <p> 日本文学科では,2014 年度から始まった新しいカリキュラムにおいて,初年次セミナー科目「基礎ゼミⅠ」を導入した.この科目では,学生に大学教育への適応を促すとともに,調査と口頭発表のスキルを中心に,日本文学科での学習の基礎を着実に定着させることを目指した.その目標を達成するために,授業担当者は授業期間内に6 つの課題を設定,共同して教材開発を行った.</p><p> 現在の日本において,大学教育の意義や有効性に対する社会の視線は厳しさを増している.だが,今回の日本文学科の試みは,いたずらに新自由主義的な経済界からの要求に迎合するのではない人文学のあるべき教育の姿について,教員が自らを問い直すきっかけともなった.</p>

    DOI CiNii

  • 友情の効用 : 小林秀雄と火野葦平

    五味渕 典嗣

    大妻国文   46   63 - 81  2015年03月

    CiNii

  • 敗北への想像力 : 保田與重郎『南山踏雲録』を読む (藤原茂樹教授 松村友視教授 退任記念論文集)

    五味渕 典嗣

    藝文研究   ( 109 ) 165 - 180  2015年

    CiNii

  • 文字と変身 : 谷崎潤一郎の原稿から

    五味渕 典嗣

    三田文学. [第3期]   94 ( 122 ) 239 - 244  2015年

    CiNii

  • 曖昧な戦場 : 日中戦争期戦記テクストと他者の表象 (特集 戦争と文学)

    五味渕 典嗣

    昭和文学研究   69   36 - 47  2014年09月

    CiNii

  • 文学・メディア・思想戦 : 〈従軍ペン部隊〉の歴史的意義

    五味渕 典嗣

    大妻国文   45   93 - 116  2014年03月

    CiNii

  • メディア・出版文化論(フォーラム 方法論の現在II)

    五味渕 典嗣

    日本近代文学   90 ( 0 ) 196 - 201  2014年

    CiNii

  • 核関連広報施設を見る : 六ヶ所村・東海村訪問記

    五味渕 典嗣

    原爆文学研究   12   205 - 214  2013年12月

    CiNii

  • 戦場のエクリチュール : 日中戦争期戦記テクストの言語空間 (近代小説の文体)

    五味渕 典嗣

    国語と国文学   90 ( 11 ) 126 - 137  2013年11月

    CiNii

  • 凍りつくことば : 『雪国』論ノート

    五味渕 典嗣

    大妻国文   44   127 - 143  2013年03月

    CiNii

  • 紙の支配と紙による支配 : 《出版新体制》と権力の表象

    五味渕 典嗣

    Intelligence   ( 12 ) 114 - 124  2012年03月

    CiNii

  • 漸近と交錯 : 「春琴抄後語」をめぐる言説配置

    五味渕 典嗣

    大妻国文   43   167 - 183  2012年03月

    CiNii

  • 社内文書は何を語るか : 『改造社出版関係資料』への一視点

    五味渕 典嗣

    大妻国文   42   171 - 187  2011年03月

    CiNii

  • 大妻女子大学草稿・テキスト研究所所蔵「梶井基次郎出版関係資料」について

    五味渕典嗣

    大妻女子大学草稿・テキスト研究所研究年報   ( 2 ) 16 - 23  2010年03月

  • 甲斐のない多忙--戦時下日本語文学論序説 (特集 日韓トランスナショナル--一九二〇-三〇年代の文学)

    五味渕 典嗣

    文学   11 ( 2 ) 138 - 154  2010年03月

    CiNii

  • 横溝正史と戦後啓蒙 : 『獄門島』試論

    五味渕 典嗣

    大妻国文   41   77 - 91  2010年03月

    CiNii

  • 山本実彦年譜考――『東京毎日新聞』時代を中心に――

    五味渕 典嗣

    大妻国文   40 ( 40 ) 97 - 114  2009年03月

    CiNii

  • 物語の抵抗と抵抗の物語--《谷崎源氏》以前 (特集=『源氏物語』--危機の彼方に) -- (『源氏物語』近代の盲点と理路)

    五味渕 典嗣

    国文学 : 解釈と鑑賞   73 ( 5 ) 165 - 173  2008年05月

    CiNii

  • 対抗的公共圏の言説編制――『新高新報』日文欄をめぐって――

    五味渕 典嗣

    大妻女子大学紀要   40 ( 40 ) 97 - 112  2008年03月

    CiNii

  • 坂口安吾の戦後天皇論(2)――安吾における〈始まり〉をめぐって――

    五味渕 典嗣

    大妻国文   39 ( 39 ) 179 - 196  2008年03月

    CiNii

  • 『婦人公論』のメディア戦略――〈円本〉以後の出版流通の観点から――

    五味渕 典嗣

    大妻女子大学紀要   39 ( 39 ) 51 - 72  2007年03月

    CiNii

  • 坂口安吾の戦後天皇論(1)――『安吾の新日本地理』を手がかりに――

    五味渕 典嗣

    大妻国文   38 ( 38 ) 253 - 273  2007年03月

    CiNii

  • <国語の時間>との対話(<特集>文学教育の転回と希望 日本文学協会第61回大会報告)

    五味渕 典嗣

    日本文学   56 ( 3 ) 33 - 43  2007年

     概要を見る

    わたしの前任校・中央大学附属高等学校では、精読・多読・表現を柱とする独自の実践を続けている。これは、教員集団が、生徒を含めた関係者との継続的な対話と交渉自体を制度化したものだと言える。現在、文部行政は&lt;国語科&gt;の将来的枠組みを描きつつあるが、そこでは、「実用性」という名目で、学習者の受け手としての能動性・自発性が標的にされる。&lt;国語科&gt;教員には、従順な生徒を前に、権力の代理人となることが求められている。

    DOI CiNii

  • 坂上弘における関係性の表象 (特集=内向の世代--最後の純文学) -- (作家群像)

    五味渕 典嗣

    国文学   71 ( 6 ) 98 - 105  2006年06月

    CiNii

  • こぼれ落ちた血のゆくえ――『沼尻村』再読

    五味渕 典嗣

    「文学」としての小林多喜二(国文学解釈と鑑賞 別冊)     201 - 213  2006年

  • 隠喩としての人形--『蓼喰ふ虫』と1930年代の日本文化論 (特集:レッスン・複合領域(インターディシプリン)の文化研究)

    五味渕 典嗣

    国文学 解釈と教材の研究   49 ( 6 ) 90 - 99  2004年05月

    CiNii

  • 占領の言説、あるいは小市民たちの帝国--『門』と植民地主義を考えるために (特集『門』) -- (仕組まれた冒険と植民地)

    五味渕 典嗣

    漱石研究   ( 17 ) 50 - 62  2004年

    CiNii

  • われわれの内なる《アメリカ》--『痴人の愛』と〈排日移民法〉言説

    五味渕 典嗣

    日本近代文学   68   34 - 48  2003年05月

    CiNii

  • 《芸術》の危機--谷崎=芥川論争への一視点

    五味渕 典嗣

    人文科学   ( 18 ) 154 - 131  2003年

    CiNii

  • 〈文明〉を批評するとはどういうことか――評釈・永井荷風『深川の唄』

    五味渕典嗣

    教育・研究   ( 16 ) 1 - 48  2002年12月

  • 展望 《共同研究》にかんするささやかな提案

    五味渕 典嗣

    日本近代文学   67   148 - 154  2002年10月

    CiNii

  • 台湾竹パルプ事業の周辺――紙と近代(2)

    五味渕典嗣

    教育・研究   ( 15 ) 43 - 54  2001年12月  [査読有り]

  • この国で書くこと : 『吉野葛』 と南北朝正閏論争

    五味渕 典嗣

    藝文研究   79   43 - 61  2000年12月

     概要を見る

    一 はじめに二 「私」の「歴史小説」三 南北朝正閏論争を読む四 この国で書くこと

    CiNii

  • <評論>それぞれの遠足 : 坂口安吾 『真珠』 論

    五味渕 典嗣

    三田文學   79 ( 63 ) 180 - 191  2000年11月

    CiNii

  • 花咲く乙女たちのかげに--「明星」の〈女〉と〈男〉 (特集 与謝野晶子)

    五味渕 典嗣

    ユリイカ   32 ( 11 ) 167 - 175  2000年08月

    CiNii

  • 与謝野鉄幹と日本のフロンティア

    五味渕典嗣

    金子明雄・高橋修・吉田司雄編『ディスクールの帝国』(新曜社)     82 - 113  2000年

  • 街鉄の技手はなぜこの手記を書いたか--〈教室〉から読む『坊つちやん』 (特集 『坊つちやん』)

    高原 和政, 五味渕 典嗣, 大高 知児

    漱石研究   ( 12 ) 72 - 90  1999年10月

    CiNii

  • 〈教材〉としての『富嶽百景』――『富嶽百景』をどう読むか、どう読めるか――

    五味渕 典嗣, 長谷川 達哉, 大高 知児

    国文学解釈と鑑賞   63 ( 6 ) 144 - 155  1998年

    CiNii

  • 紙と近代

    五味渕典嗣

    教育・研究   ( 11 ) 1 - 13  1997年12月

  • 〔第三回三田文学新人賞佳作〕谷崎潤一郎-散文家の執念

    五味渕 典嗣

    三田文學   75 ( 45 ) 90 - 113  1996年05月

    CiNii

  • [新鋭評論]不在の作品-森鴎外『青年』論

    五味渕 典嗣

    三田文學   74 ( 41 ) 236 - 248  1995年05月

    CiNii

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書籍等出版物

  • 「敗け方」の問題 戦後文学・戦後思想の原風景

    五味渕 典嗣( 担当: 単著)

    有志舎  2023年11月 ISBN: 9784908672699

  • 「国語の時間」と対話する : 教室から考える

    五味渕, 典嗣

    青土社  2021年04月 ISBN: 9784791773701

  • プロパガンダの文学 : 日中戦争下の表現者たち = Literature as propaganda

    五味渕 典嗣

    共和国  2018年05月 ISBN: 9784907986452

  • 独語としての対話――『有心』を読む保田與重郎(奥山文幸編『蓮田善明論 戦時下の国文学者と〈知〉の行方』)

    五味渕典嗣( 担当: 分担執筆)

    翰林書房  2017年 ISBN: 9784877374150

  • 国語総合

    井島 正博, 木村 博, 黒田 あつ子, 紅野 謙介, 五味渕 典嗣, 清水 良典, 鈴木 日出男, 高田 祐彦, 千野 浩一, 野中 潤, 三上 英司, 吉田 光

    筑摩書房  2017年 ISBN: 9784480900562

  • 漱石辞典

    小森 陽一, 飯田 祐子, 五味渕 典嗣, 佐藤 泉, 佐藤 裕子, 野網 摩利子

    翰林書房  2017年 ISBN: 9784877374105

  • 谷崎潤一郎讀本

    五味渕 典嗣, 日高 佳紀

    翰林書房  2016年 ISBN: 9784877374082

  • ちくま評論文の読み方 : 高校生のための現代文ガイダンス

    五味渕 典嗣, 塚原 政和, 吉田 光

    筑摩書房  2016年 ISBN: 9784480917300

  • 中国の戦線

    五味渕 典嗣, 南支派遣軍報道部, 陸軍省報道部, 三省堂

    ゆまに書房  2014年 ISBN: 9784843341346

  • 言葉を食べる : 谷崎潤一郎、1920-1931

    五味渕 典嗣

    世織書房  2009年 ISBN: 9784902163483

  • もうひとつの〈テクスト〉――『沖縄県宮古島々費軽減及島政改革請願書』『建議書』に見る言説の政治学(『文学年報2 ポストコロニアルの地平』)

    世織書房  2005年 ISBN: 4902163187

  • 死に行く者の自意識――保田與重郎初期批評論(『岩波講座 文学10 政治への挑戦』)

    小森 陽一, 川田 潤, 関 礼子, 野谷 文昭, 望月 哲男, 富山 太佳夫, 高橋 修, 五味渕 典嗣, 有田 英也, 細見 和之, 代田 智明, 島村 輝

    岩波書店  2003年 ISBN: 4000112104

  • 漱石文学全注釈9 「門」(共著)

    夏目 漱石, 小森 陽一, 五味渕 典嗣, 内藤 千珠子

    若草書房  2001年 ISBN: 4948755680

  • ディスクールの帝国 : 明治三〇年代の文化研究

    金子 明雄, 高橋 修, 吉田 司雄, 中山 昭彦, 内藤 千珠子, 五味渕 典嗣, 小平 麻衣子, 村瀬 士朗, 五井 信, 高 榮蘭, 和田 敦彦, 紅野 謙介

    新曜社  2000年 ISBN: 4788507161

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 貫戦期東アジアのナショナリズム/トランスナショナリズムと日中映画交渉の包括的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2024年04月
    -
    2028年03月
     

    アン ニ, 五味渕 典嗣, 菅原 慶乃, 張 新民, 志賀 賢子, 渡辺 直紀, 吉田 則昭

  • 「負け方」の問題――戦後日本における敗北の語りの歴史的分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2024年03月
     

    五味渕 典嗣

     概要を見る

    2021年度は「研究の離陸期」と位置づけ、以下の活動を行った。
    (1)研究資料の集積と分析。新型コロナウイルス禍の影響で、歴史資料館や文学館等に所蔵されている一次資料の調査は十分に進められなかったが、1944年~1945年の日本敗戦直前期の新聞・雑誌言説資料を集中的に収集・整理した他、敗戦後に公刊された日記・回想記の分析を継続的に行うことで、2022年度以降の研究の土台作りを行った。
    (2)「敗北」の受容にかんする多角的検討。1945年の日本敗戦の社会的受容を複数の視座から検証するために、近代以降の「敗戦国」の政治史・社会史・思想史にかかわる文献を集積し、精査した。また、日中戦争・アジア太平洋戦争後の東アジアにおける脱植民地化と国際秩序の再編を視野から取り落とさないために、いわゆる「引き揚げ」にかかるテクストも含め、1945年~1950年の朝鮮・台湾・中国を舞台として取り上げた文学テクストを積極的に収集し、日本列島の経験との差異を考究した。
    (3)研究成果の報告。(1)で行った調査をもとに、アジア太平洋戦争末期の日本社会が来たるべき「敗北」をどのように想像・表象したかをめぐって、研究分担者として参加している科研費プロジェクトの合同研究集会にて研究報告を行った。また、日中戦争期の従軍記の表象の分析から、日中戦争・アジア太平洋戦争期の他者表象が現在の日本社会におけるレイシズムの言説と連続的であることについて、問題提起を行った。

  • 貫戦期における日中映画の越境と協働をめぐる総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    アン ニ, 五味渕 典嗣, 張 新民, 志賀 賢子, 松岡 昌和, 渡辺 直紀, 吉田 則昭

     概要を見る

    コロナ感染がまだ収まらない本年度では、本研究のメンバーたちがそれぞれ自分の判断により、地方に出張して資料調査を行ったか、あるいは居住している本拠地で研究を展開した。調査した新しい資料による業績を発表した人もいた。また研究グループ全員が参加する研究会は昨年度と同じく、下記の通り、zoomで三回開催した。
    (1)2021年6月20日 韓国映画研究所代表韓相言氏(ハン・サンオン)による講演「朝ソ文化協会の主要刊行物ー解放直後・北朝鮮の文化状況と映画」を行い、参加者は研究メンバーを含めて全部で40名ほど。(2)2021年8月29日 北京外国語大学教授秦剛氏による講演「戦時上海における日本の映画工作ー光明影業公司『茶花女』をめぐる映画史の内幕」を行い、メンバー全員が参加した。(3)2021年11月28日 ロシア国立研究大学高等経済学院東洋学・西洋古典学研究所准教授フィオードロワ・アナスタシア氏による講演「Dirty and Clean ソビエト・ロシアにおける日本映画の受容(1923ー1963)」を行い、メンバー全員が参加した。
    上記の定例研究会を踏まえて、年度末に「日本近現代文学研究におけるメロドラマ的想像力に関する多角的研究」(研究科研費基盤C 代表者:木戸雄一)とオンライン研究集会「〈国民〉を縫い直す 貫戦期におけるメロドラマ的想像力の歴史的位相」を2022年3月20日に共催した。本科研から張新民、五味渕典嗣とアンニはそれぞれ貫戦期における映画を対象にメロドラマ的想像力がいかに戦時と戦後の作品に投影されており、また歴史的文脈の変化によって、メロドラマの形式がどんな変容を遂げたのかと考察した。この研究会は両グループのメンバー以外に60名ほどの聴衆を集めることがてき、広く社会に向けて発信した。
    また国立映画アーカイブでの研究映写会は2021年9月16日と2022年1月6日に二回開催し、映画を七本鑑賞した。

  • 世界戦争とナショナル・アイデンティティ――アジア太平洋戦争期の他者体験と文学言説

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

    松本 和也, 西村 将洋, 山本 亮介, 若松 伸哉, 五味渕 典嗣, 渋谷 豊

     概要を見る

    2年目にあたる今年度は、昨年度までの調査・分析の成果をベースにしつつ、メンバー各自の問題関心を掘り下げるかたちで研究を進めた。
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    チーム全体では、浜井和史先生に「戦場の落穂拾い――戦後日本の海外戦没者処理問題の展開とその特質」と題したご講演を頂き、太平洋戦争の問題が現在に至るまで続いていること、関連する文学者や言説、痕跡‐レトリックについての原理的な問題等について認識を新たにすると同時に、ディスカッションで意見交換を行うことができた。また、歴史学からの知見に鑑み、文学を研究することの意義やアプローチについて、再考する機会となった。
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    研究メンバー間では、以下の3つの柱から研究を進めた。
    第1に、内地の動向に関しては、昭和10年代における〈地方(文化)〉についてのリサーチを進め、考察を論文にまとめた。また、政府の「輿論指導方針」をはじめ、メディア統制・管理の政策的な展開を確認し、谷崎潤一郎の『源氏物語』現代語訳を同時代の国際的潮流と結びつけて分析した。第2に、対外文化工作とでも称すべき領域では、昭和10年代における日本文学の対外翻訳紹介や日本における外国文学受容の調査・考察などを進めた。仏文学受容については、戦時下に企画された筑摩書房『ヴァレリー全集』について検討すると同時に、そのベースとなる同時代のフランス語教育・研究の実態について調査した。英文学受容については、日本における英文学・英語学の動向や言説を、古典文学(『雨月物語』中、「吉備津の釜」)を英訳した英語学者佐々木高政を軸とした検証を進めた。第3に、アジア太平洋戦争期における外地との関係に関して、台湾・朝鮮・満洲で刊行された日本語メディアに掲載された文学テクストを精査し、「内地」の言説状況との相同性と差異について検討を行った。また、高見順、火野葦平を軸に、文化交錯に関わった文学者の書いた作品を分析し、論文化した。

  • 日本近現代文学におけるメロドラマ的想像力の展開に関する多角的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

    木戸 雄一, 五味渕 典嗣, 横濱 雄二, 副田 賢二, 高橋 修, 渡邊 英理, 森本 智子, 大島 丈志, 大橋 崇行

     概要を見る

    本研究では、「メロドラマ的想像力」をキーワードに、日本近現代文学作品の生産・流通・受容の様相を複数の視座から検討した。大衆的なメロドラマの物語を同時代の社会的・道徳的な規範にかかわる葛藤の表現と位置づけ、メロドラマの享受者が物語の特定の場面を引用しながら、自己自身にとっての現実を了解する枠組みへと転用していく様相を明らかにした。また、「メロドラマ的想像力」が雑誌メディアの誌面構成の原理として活用された事例について考究した。

  • 昭和10年代における文学の〈世界化〉をめぐる総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

    松本 和也, 西村 将洋, 山本 亮介, 若松 伸哉, 五味渕 典嗣, 平 浩一

     概要を見る

    本研究では、〈世界化〉を特徴とする、多彩かつ複雑な昭和10年代における文学活動全般を研究対象とした。多角的・包括的なアプローチによって、昭和10年代文学についての調査・分析・考察を積み重ね、その具体的な様相・問題を明らかにした。その際、〈世界化〉という視座から、文学(者)と国内外の政治や外交、戦争などとの関係を重視し、歴史的な文学研究を展開した。(その成果は、著書1冊・論文26本などを通じて公開した。)

  • 朝鮮近代文学における日本語創作に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    波田野 節子, 山田 佳子, 永島 広紀, 三ツ井 崇, 熊木 勉, 沈 元燮, 坪井 秀人, 五味渕 典嗣, 渡辺 直紀, 金 牡蘭, 白川 豊, 金 榮敏, 金 哲, 李 京塤, 金 在湧, 朴 光賢, 鄭 鍾賢, 具 仁謨, 黄 鎬德, 李 英載, 李 慧眞, 車 恵英, 徐 栄彩, 権 明娥, 李 相雨, 崔 珠瀚, 鄭 善太, 黄 鍾淵, 大村 益夫, 芹川 哲世, 郭 炯德, 李 賢植, 咸 苔英, 申 知瑛, 伊藤 知子, 高橋 梓, 相川 拓也, 李 正熙, 裵 相美, 曺 恩美, 李 侑珍, 金 景彩, 武井 一, 尹 仁老, 高 恩美, 權 杜妍, 岸井 紀子, 牧瀬 明子, 芹川 哲世

     概要を見る

    本研究には11名の分担者と42名の協力者が参加した。2013年に武蔵大学、2014年に新潟県立大学、最終年度の2015年には福岡大学を会場に、「植民地期朝鮮の文学・文化と日本語の言説空間」と題する国際公開シンポジウムを3年間にわたって連続開催し、毎回約40名の研究分担者の研究者が集まって活発な討論を行なった。2015年3月には米国デューク大学が中国のデューク・クンサン大学と国際ワークショップを共催して討論を行ない、同年10月には、韓国の林和学会と協力して、東京で「林和と植民地朝鮮のプロレタリア文学」を共催した。このほかに在米研究者による講演会を3回、韓国研究者による講演会を1回開催した。

  • 福島県浜通り地域における複合災害の記憶と表象――文学研究の立場から(S2820)

    大妻女子大学  戦略的個人研究費

    研究期間:

    2016年
     
     
     

    五味渕典嗣

  • 日中戦争の記憶と表象に関する総合的研究(S2618)

    大妻女子大学  戦略的個人研究費

    研究期間:

    2014年
     
     
     

    五味渕典嗣

  • 《文学》の生存戦略――戦時下日本語文学の再審に向けて(科研費:若手研究(B)、課題番号21720074)

    日本学術振興会  科学研究費補助金

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

    五味渕典嗣

     概要を見る

    本研究では、1930年代から40年代にかけての戦時体制下に生きた文学者たちが行った国策への協力や政治的な活動の再評価を試みた。具体的には、1930年代から1940年代にかけての同時代言説の分析を通して、文学者たちが、戦時体制下の政治的・社会的な状況といかに向き合い、みずからを適合させていったかを明らかにした。

  • 改造社を中心とする20世紀日本のジャーナリズムと知的言説をめぐる総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2005年
    -
    2008年
     

    松村 友視, 五味渕 典嗣, 杉野 元子, 紅野 謙介, 浅岡 邦雄, 高 榮蘭, 小向 和誠, 黒田 俊太郎, 和泉 司, 三浦 卓, 大澤 聡, 尾崎 名津子, 柴野 京子, 高島 健一郎, 戸家 誠, 杉野 元子, 紅野 謙介, 浅岡 邦雄

     概要を見る

    慶應義塾大学三田メディアセンターに寄贈された改造社関係資料の整理・調査を行い、同資料のデジタル・アーカイヴ化に貢献した。また、近現代の日本文学・中国文学・メディア史・思想史を専攻する研究者による共同研究プロジェクトを立ち上げ、改造社にかかわる実証的な研究を行う他、20世紀の前半期に日本語の雑誌や書籍が、列島の「外」において、どのように受容され、どんな作用を及ぼしていたかを明らかにした。

  • 旧植民地発行日本語逐次刊行物に見るメディアの共同性構築機能についての研究(科研費:若手研究(スタートアップ)、課題番号18820025)

    日本学術振興会  科学研究費補助金

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

    五味渕典嗣

     概要を見る

    本課題の最終年度である平成19年度は、前年度からひきつづいて研究環境の整備を図る他、具体的な成果の公表を見据え、積極的に資料の集積を行い、特に台湾で発行されていた日本語週刊新聞の記事分析・データベース化を進めた。平成19年8月には、植民地期台湾の日本語文学を専攻する和泉司氏(慶應義塾大学日本語・日本文化教育センター非常勤講師)を研究協力者として委嘱、台湾・台北に出張し、国立中央図書館台湾分館・国立台湾大学図書館での調査を行い、資料の補足と週刊新聞の紙面分析に必要な情報収集につとめた。その成果は、「対抗的公共圏の言説編制-『新高新報』日文欄をめぐって-」(『大妻女子大学紀要-文系-』40号)にとりまとめた。また、本課題で集積した資料体のうち、1920年代〜30年代の新聞学・広告論にかかわるものは、関連する研究課題である「改造社を中心とする20世紀日本のジャーナリズムと知的言説をめぐる総合的研究」(基盤研究(C)、課題番号17520126、研究代表者:松村友視慶應義塾大学教授)における研究の相互乗り入れ的な進展にも、積極的に活用した。
    この他、植民地時代の朝鮮半島で発刊されていた日本語逐次刊行物について、大妻女子大学文学部草稿・テキスト研究所の調査研究費を活用し、韓国・ソウル市に出張、ソウル大学中央図書館での調査を行った(平成20年2月)。当時の半島各地に存在していた新聞の所蔵状況についてはいまだ明確な成果は出ていないが、1930年前後の朝鮮・満州で発行されていた逐次刊行物にかかわる二次的な資料を研究資料として収集することができた。東京を中心とする情報ネットワークとは異なる、旧植民地地域独自の日本語言説の生産・流通・受容のサイクルを考えるうえで、今後、さらなる発展的な研究に向けた重要な足がかりを作ることができたと考えている。

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Misc

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 教育・総合科学学術院   大学院教育学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • 現代日本の戦争表現に関する研究基盤の構築

    2023年  

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     本研究では、主に2000年代以降の日本で発表された戦争表現の特質と問題点を明らかにすることを目指し、以下の研究活動を行った。(1)2001年の米国同時多発テロ事件以後の日本文学・映画における戦争表象について、リービ英雄、岡田利規、目取真俊、伊藤計劃らのテクストを取り上げ検討した。また、過去の日本の戦争記憶、とりわけ帝国と植民地の問題がどのような形で召喚され、物語化されたかについて調査と分析を行った。関連して、2015年の「戦後70年」のタイミングでリメイクされた原田眞人監督の映画『日本のいちばん長い日』を取り上げ、この作が1990年代以降の天皇制研究の進展を取り込む一方で、昭和天皇の「聖断」を戦後日本の起源と位置づけるナショナルな神話を積極的に上書きしている様相について論文を執筆、学内紀要に投稿した。(2)現代日本における歴史実践の現場に赴き、フィールド調査を行った。10月には北海道旭川市、2月には沖縄県宜野湾市・糸満市を訪れ、北鎮記念館・旭川兵村記念館(旭川市)、佐喜眞美術館(宜野湾市)、沖縄平和祈念資料館(糸満市)等で、思想的政治的には立場の異なる各施設が過去の日本の戦争・戦場をどのように語り、どんなスタイルで現在のオーディエンスとの接触と交渉を企てているかを確認した。また、それらの施設付近に設置されたモニュメントが喚起するイメージの政治について調査と検討を行った。(3)関心を同じくする研究者と議論を重ね、現代日本における戦争の語りが戦時・戦後をまたぐ日本社会の歴史意識の切断と密接に関係していること、また、文学・絵画・写真などの表現媒体を跨ぐかたちで、こうした切断と批判的に対峙している表現者の仕事に重要な問題提起が内包されていることを確認した。今後さらに議論を深化させ、2024年度の科研費申請に備える予定である。

  • 戦争と情動――戦後日本文化と大量死の表象

    2020年  

     概要を見る

     本研究では、主に「情動」という観点から、戦後日本文学・日本映画における「戦争」の描き方を再検討することを目標とした。とくに、(1)戦後日本において日本の「敗北」がどう語られたかに注目、「先の大戦」における敗北を語る語りが、一方で植民地帝国としての近代日本の歴史を総体として救抜し、「過去」としての戦前を懐旧的に想起する語りの基盤ともなっていたことを明らかにした。 また、(2)戦後における戦場体験者の「沈黙」について、いわゆる「第二世代」のテクストに注目、戦争の暴力を抱え込み続けていた親たちを見つめる子どもたちの記憶を「もう一つの戦争記憶」として捉え返す可能性について検討した。