三浦 清美 (ミウラ キヨハル)

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所属

文学学術院 文学部

職名

教授

プロフィール

中世ロシア文学の研究を行うことを決めたのは、大学院修士課程進学時であった。一番初めに取り組んだ研究は、12世紀キエフ時代にテキストが成立した『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』であり、当作品の説話構造とそれを成立させた文体を中心に修士論文から博士課程の業績はこのテーマによるものであった。
その後、博士課程在学中1992年9月から1993年12月まで、中世ロシア文学研究の中心地ロシア共和国サンクト・ペテルブルグ市に留学したことが研究上の大きな転機となった。サンクト・ペテルブルグはテキスト学研究の中心地である。テキスト学とは、あるテキスト(作品)につき、種々の写本に収められた様々なヴァリエーションを厚め、それらの異同に一字一句厳密な検討を加えてあらゆる情報を総合し、ヴァリエーション相互の影響関係を確定した上で信頼に足る刊行テキストを作成する仕事であり、研究者の総合的な実力が最も問われる研究ジャンルである。筆者がテキスト学的な研究対象として選んだのは、『聖グレゴリウス講話』であった。この講話はビザンツ教父神学者グレゴリオスの原典に遡るが、テキストの大部分が中世ロシアでの挿入からなる。異教的風習を論難しつつその儀礼を百科辞典的に詳細に記述して「研究」した東スラヴ版『聖グレゴリオス講話』の成立過程は、キリスト教と異教が接触、交流、同化してゆくプロセスでもあった。この研究テーマは、科学研究費奨励研究(A)のテーマ、1996年度「『聖グレゴリオス講話』伝承の歴史をめぐるテキスト学的考察」に引き継がれ、『聖グレゴリオス講話』伝承史が明らかになった。
概して筆者は、スラヴの異教的伝統と普遍性をもつキリスト教の融合のプロセスに特別の関心を抱いて研究を行ってきた。1997-1998年度「民族の記憶としてのモスクワ公国揺籃期研究」では教会と国家との関係において、1999-2000年度「中世ロシア精神史の羅針盤としてのプスコフ文化研究」では、当時のロシア全体がその縮図として先鋭的にあらわれたプスコフの文化を包括的に扱うことによって、異文化融合のプロセスを考察した。この研究成果は、その後、『ロシアの源流』(講談社叢書メチエ、2003年)となって高い評価を得た。
大学院時代の研究は、文体研究(ことに『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』)を通じてキリスト教文学における異教的伝統を主なる関心事としていたが、当時大学院学生であった筆者は研究経験が浅かったため、本研究テーマの十分な意識化が出来なかった。その後、上記の研究をおこなって、写本を含む一次資料の学問的取り扱いに習熟し、中世ロシアの歴史全般への見通しを獲得したのちに、ふたたび文体研究にもどり、若手研究(B)2002-2004年度「中世ロシア教会文学における異教起源口承モチーフの研究(異文化融合過程の考察)」では、本来キリスト教文化と異教文化の緊張的対立性が集約的に現れるはずの聖者伝文学に属する『キエフ・ペチェルスキイ修道院聖者列伝』の物語のいくつかがロシア・フォークロアに典型的な魔法昔話の構造をとっていることを明らかにした。概して、筆者は、公式的な文化(ロシア国家とロシア正教)と非公式的な文化(異教的民衆文化)のあいだで生じた緊張、対立、葛藤、無関心を装った許容、

学歴 【 表示 / 非表示

  •  
    -
    1993年03月

    東京大学   人文科学研究科   ロシア文学  

  •  
    -
    1990年03月

    東京大学   人文科学研究科   ロシア文学  

  •  
    -
    1988年03月

    東京大学   文学部   ロシア語ロシア文学科  

  • 1984年04月
    -
    1987年03月

    早稲田高等学校  

学位 【 表示 / 非表示

  • 東京大学   博士(文学)

経歴 【 表示 / 非表示

  • 2019年04月
    -
    継続中

    早稲田大学文学学術院   ロシア語ロシア文学科   教授

  • 2014年04月
    -
    2019年03月

    電気通信大学   情報理工学部   教授

  • 2007年04月
    -
    2013年03月

    電気通信大学   情報理工学部   准教授

  •  
     
     

    電気通信大学 情報理工学域共通教育部   教授

所属学協会 【 表示 / 非表示

  • 2018年04月
    -
    継続中

    日本ビザンツ学会

  • 2008年04月
    -
     

    ロシア・東欧学会

  •  
     
     

    日本ロシア文学会

 

研究分野 【 表示 / 非表示

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

  • ヨーロッパ文学

  • 地域研究

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 伝記研究

  • シンクレティズム

  • 習合

  • 異文化

  • 文学

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論文 【 表示 / 非表示

  • 中世ロシア文学図書館 (XIX)ラドネジのセルギイ伝②

    三浦清美

    エクフラシスーヨーロッパ文化研究   ( 10 )  2020年03月  [査読有り]

    担当区分:最終著者

  • 中世ロシア文学図書館(XVII)府主教フィリップ伝(上)-翻訳と注釈

    三浦清美

    文学研究科紀要(早稲田大学)   65  2020年03月  [査読有り]

    担当区分:最終著者

  • フェンネル『ロシア中世教会史』(宮野裕訳)

    三浦清美

    ロシア語ロシア文学研究   50   163 - 175  2019年10月  [査読有り]

    担当区分:最終著者

  • 中世ロシア文学図書館(XVI)佯狂者アンドレイ伝-翻訳と解題

    三浦清美

    Waseda RILAS Journal   7   301 - 314  2019年10月  [査読有り]

    担当区分:最終著者

  • 中世ロシア文学図書館(XV)セルギイ伝①

    三浦清美, 丸山由紀子

    エクフラシスーヨーロッパ文化研究   9   31 - 67  2019年03月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者

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書籍等出版物 【 表示 / 非表示

  • ロシア文化事典

    沼野, 充義, 望月, 哲男, 池田, 嘉郎, 井上, まどか, 金山, 浩司, 熊野谷, 葉子, 鴻野, わか菜, 坂庭, 淳史, 楯岡, 求美, 乗松, 亨平( 担当範囲: 母なるロシア、母なる大地)

    丸善出版  2019年10月 ISBN: 9784621304136

  • ロシア文化事典

    沼野, 充義, 望月, 哲男, 池田, 嘉郎, 井上, まどか, 金山, 浩司, 熊野谷, 葉子, 鴻野, わか菜, 坂庭, 淳史, 楯岡, 求美, 乗松, 亨平( 担当範囲: 度量衡と世界観)

    丸善出版  2019年10月 ISBN: 9784621304136

  • ロシア文化事典

    沼野, 充義, 望月, 哲男, 池田, 嘉郎, 井上, まどか, 金山, 浩司, 熊野谷, 葉子, 鴻野, わか菜, 坂庭, 淳史, 楯岡, 求美, 乗松, 亨平( 担当範囲: 修道院)

    丸善出版  2019年10月 ISBN: 9784621304136

  • ロシア文化事典

    沼野, 充義, 望月, 哲男, 池田, 嘉郎, 井上, まどか, 金山, 浩司, 熊野谷, 葉子, 鴻野, わか菜, 坂庭, 淳史, 楯岡, 求美, 乗松, 亨平( 担当範囲: スラヴの神々)

    丸善出版  2019年10月 ISBN: 9784621304136

  • ロシア正教古儀式派の歴史と文化 = Русское старообрядчество : история и культура

    阪本, 秀昭, 中沢, 敦夫( 担当範囲: 中世ロシアの精神史における古儀式派)

    明石書店  2019年01月 ISBN: 9784750347868

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Misc 【 表示 / 非表示

  • 書評 豊川浩一『18世紀ロシアの「探検」と変容する空間認識ーキリーロフのオレンブルグ遠征とヤーロフ事件』

    三浦清美

    『日本18世紀ロシア研究会年報』   15   38 - 41  2018年05月  [招待有り]

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • Ужанков А.Н. "Слово о полку Игореве" и его эпоха. М.:"НИЦ" Академика, 2015. С.512.

    三浦清美

    ロシア語ロシア文学研究   49   149 - 168  2017年10月

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • Ужанков.А.Н. "Слово о полку Игореве" и его эпоха. М.:"НИЦ" Академика, 2015. С.512.

    三浦清美

    ロシア語ロシア文学研究   49   149 - 168  2017年10月  [査読有り]  [招待有り]

    書評論文,書評,文献紹介等  

  • 「満州・内モンゴル」調査旅行記 はじめての中国

    Север セーヴェル   33   199 - 203  2017年03月

    速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)  

  • 栗生沢猛夫『『ロシア原初年代記』を読む-キエフ・ルーシとヨーロッパ、あるいは「ロシアとヨーロッパ」についての覚書』

    三浦清美

    法制史研究   66   368 - 374  2017年03月  [査読有り]  [招待有り]

    書評論文,書評,文献紹介等  

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 中近世ヨーロッパにおける「正しい認識力」観念の変遷

    研究期間:

    2017年
    -
    2020年
     

  • ロシアおよび在外古儀式派教徒の歴史・民族誌的研究

    研究期間:

    2016年
    -
    2018年
     

  • 近代ロシア文化の「自叙」の研究:自伝的散文と回想を中心に

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2017年03月
     

    中村 唯史

  • ロシア文化学の構築 - 国際共同研究に基づく創出的アプローチ

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

  • 中近世キリスト教世界の多元性とグローバル・ヒストリーへの視角

    研究期間:

    2013年
    -
     
     

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講演・口頭発表等 【 表示 / 非表示

  • ルーシ人はビザンツ帝国の危機をどう見たか―1204年と1453年

    三浦清美  [招待有り]

    日本ビザンツ学会16回大会  

    発表年月: 2018年03月

    開催年月:
    2018年03月
     
     
  • 中世ロシアにおける権力と宗教 - アンドレイ・ボゴリュプスキイVS.トゥーロフのキリル

    三浦清美

    中世ロシア文献講読会  

    発表年月: 2017年07月

  • 宗教説話に滲出する自叙:破戒僧ポリカルプと女性たち

    科研研究会「近代ロシア文化の「自叙」の研究:自伝的散文と回想を中心に」  

    発表年月: 2017年06月

  • Симеон Юродивый и Андрей Юродивый изЦарьграда и Исакий из Киевопечерского монастыря - Попытка сравнительного исследования византийского и древнерусского юродств

    三浦 清美

    日本ロシア文学会第66回大会   日本ロシア文学会  

    発表年月: 2016年10月

  • Как читать "Слово о воскресении Лазаря?" - К вопросу о древнерусском мифотворчестве и религиозном воображении в мире славянских апокрифов

    Kiyoharu MIURA

    Thesis of Workshop: New Approaches to Medieval Slavic texts   北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター  

    発表年月: 2016年03月

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特定課題研究 【 表示 / 非表示

  • 民衆文化としてのロシア修道聖人伝の史的展開に関する研究-ロシア人の死生観への展望

    2019年  

     概要を見る

    本研究は、中世ロシア聖人伝文学をロシア民衆文化の所産として捉え直し、種々の奇跡、幻視、悪魔との戦いの物語など、「この世」と「超越界(天上界、異界、神の世界)」との境界にある諸エプソードを題材に、ロシア人の死生観を歴史的に展望するという目的をもっていた。「この世」と「超越界」の接点としての奇跡譚という観点から、『キエフ洞窟修道院聖者列伝』(13世紀初頭)と、この補助金の期間中に翻訳を完成させた『セルギイ伝』(14世紀末)を比較した結果、次のことがわかった。前者が聖者の生活の実態よりもキリスト教文化の説話の型により忠実であるのにたいして、後者は聖者セルギイの人格により近い実話が多く集められている。 

 

現在担当している科目 【 表示 / 非表示

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担当経験のある科目(授業) 【 表示 / 非表示

  • Studies on Regional Cultures

    The University of Electro-Communications  

  • 地域文化論

    電気通信大学  

  • Studies on Cultural Interference and Interaction

    The University of Electro-Communications  

  • 文化干渉論

    電気通信大学  

  • Foreign Languages and Practice B (Russian)

    The University of Electro-Communications  

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