2024/12/26 更新

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ハシモト ケンジ
橋本 健二
所属
人間科学学術院 人間科学部
職名
教授
学位
博士(社会学)

経歴

  • 2002年
    -
    2012年

    武蔵大学教員

  • 1988年
    -
    2001年

    静岡大学教員

学歴

  • 1982年04月
    -
    1988年03月

    東京大学大学院  

  • 1978年04月
    -
    1982年03月

    東京大学  

所属学協会

  •  
     
     

    経済理論学会

  •  
     
     

    数理社会学会

  •  
     
     

    関東社会学会

  •  
     
     

    社会政策学会

  •  
     
     

    日本労働社会学会

  •  
     
     

    日本社会学会

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研究分野

  • 社会学

研究キーワード

  • 階級・社会階層論

 

論文

  • Time Difference Gentrification as a Bloodless Revolution: Class Structure and Spatial Polarization in the Tokyo Metropolitan Area after the 1980s

    Kenji Hashimoto

    International Journal of Japanese Sociology   30 ( 1 ) 23 - 63  2021年03月

     概要を見る

    Economic disparity in Japan has been increasing since approximately 1980. This change has been particularly significant in one of its global cities, the Tokyo metropolitan area, resulting in a dramatic transformation of its socio-spatial structure. Until the 1980s, economic disparity in Tokyo was not as large as that in the whole of Japan. Moreover, the concentration of high-income households in the center of Tokyo was not significant. However, the old middle class, which consist of self-employed individuals, and small capitalist class began to dissolve in the 1980s and 1990s, respectively, resulting in a decline in the population in the center of the city and its surrounding areas. In the 2000s the new middle class began to move into these areas. This was gentrification; however, because of the time difference between the dissolution of the old middle class and small capitalists and the influx of the new middle class, it was not violent but proceeded in a relatively peaceful manner. Until 1990, in areas 20-40 km from the center of Tokyo, income levels and the proportion of the new middle class were high, however by 2010 the proportion of the working class had increased, and income levels had fallen significantly. Thus, in the Tokyo metropolitan area, the old middle class and the small capitalists in and around the center of Tokyo were replaced by the new middle class, and a hierarchical socio-spatial structure culminationg in the center of Tokyo developed.

    DOI

    Scopus

    8
    被引用数
    (Scopus)
  • Transformation of the class structure in contemporary Japan

    Kenji Hashimoto

    Japanese Political Economy   47 ( 2-3 ) 163 - 189  2021年

     概要を見る

    Japan had experienced a rapid increase in economic disparity since the early 1980s. This article attempts to quantitatively clarify the structure of economic disparity and its social consequences in contemporary Japan from the perspective of Marxian class theory. Based on the analysis of government statistics and questionnaire survey data, the following facts were revealed. First, the class categories based on Marxian class theory had strong explanatory power for income and social consciousness. Second, in Japanese society, there is an exploitation relationship in which the three classes located in the capitalist mode of production exploit the old middle class located in simple commodity production. Within the capitalist mode of production, the capitalist class and the new middle class are the exploiting classes and the working class is the exploited class, however the central targets of exploitation are the underclass and female workers. Thirdly, the underclass is fundamentally different from the other classes in terms of income, life course, consciousness and living conditions. From the above, we can conclude that Japanese society today is a new class society that includes the underclass as an important element at the bottom of class structure.

    DOI

    Scopus

    2
    被引用数
    (Scopus)
  • 現代日本における階級構造の変容

    橋本健二

    季刊経済理論   56 ( 1 ) 15 - 27  2019年04月  [査読有り]  [招待有り]

    DOI CiNii

  • 1980年代以降の格差拡大と大都市分極化:「無血革命」としての時間差ジェントリフィケーション

    橋本健二

    日本都市社会学会年報   35   23 - 44  2017年09月  [査読有り]  [招待有り]

  • 氏原正治郎「企業封鎖的労働市場モデル」の検証 : [京浜工業地帯調査」原票の分析をもとに

    橋本健二

    社会政策   6 ( 2 ) 125 - 137  2015年01月

     概要を見る

    本論文は,氏原正治郎が「京浜工業地帯調査」の結果にもとづいて提示した諸仮説を「年功制仮説」「長期雇用仮説」「労働市場の企業封鎖性仮説」の3つにまとめ,同調査の現存する調査票原票を再分析することによって検証するものである。分析の結果,次の点が明らかになった。年功制仮説は,役付工への昇進と賃金が年齢と勤続年数によって強く影響されているという意味では実証されるが,例外も多く,他企業での経験年数も一定の効果をもっている。長期雇用仮説は,機械工業に限り,また新規学卒で採用された労働者の比率は3割程度だったとはいえ,1920年代後半,戦時期,1950年代初めについて部分的に実証される。労働市場の企業封鎖性仮説は,中途退職者が大企業の労働市場に参入できる機会がかなりの程度に存在しており,とくに戦前期では大企業労働者が大企業間で移動することが一般的だったことから,否定される。

    CiNii

  • アンダークラスと新しい階級社会

    橋本 健二

    学術の動向   20 ( 9 ) 9_44 - 9_49  2015年

    CiNii

  • 階級間格差の拡大と階級所属の固定化──「格差社会」の計量分析

    橋本健二

    季刊経済理論   44 ( 4 ) 29 - 40  2008年

  • 現代資本主義国家の危機と公教育制度

    橋本健二

    海老原治善・黒沢惟昭・嶺井正也編『現代教育科学論のフロンティア』エイデル研究所     55 - 78

  • 階級社会としての日本社会

    橋本健二

    直井優・盛山和夫編『社会階層の構造と過程(現代日本の階層構造1)』東京大学出版会     51 - 64

  • 文化としての「女」と「男」

    橋本健二

    宮島喬・藤田英典編『文化と社会──差異化・構造化・再生産』有信堂高文社     77 - 95

  • 文化としての資本主義・資本主義の文化

    橋本健二

    宮島喬・藤田英典編『文化と社会──差異化・構造化・再生産』有信堂高文社     97 - 118

  • 「マルクス主義教育社会学」の展望

    橋本健二

    教育社会学研究   39   127 - 139

  • 教育による階級決定と階級構造の再生産

    橋本健二

    東京大学教育学部紀要   25   181 - 190

  • 現代日本社会の階級分析

    橋本健二

    社会学評論   37 ( 2 ) 43 - 58

  • 文化の階層性と文化的再生産

    藤田英典, 宮島喬, 秋永雄一, 橋本健二, 志水宏吉

    東京大学教育学部紀要   27   51 - 89

  • 資本主義社会の再生産と国家装置の理論

    橋本健二

    東京大学教育学部紀要   27   249 - 257

  • 文化評価の構造と文化の階層性

    橋本健二

    静岡大学教養部研究報告(人文・社会篇)   24 ( 2 ) 151 - 166

  • 大規模集合住宅における高齢化の進行とコミュニティ形成

    橋本健二

    坂本重雄・山脇貞司編『高齢者生活保障の法と政策──地域社会の視点から』多賀出版     189 - 211

  • 資本主義社会の文化的再生産──イデオロギー・ハビトゥス・変革主体

    橋本健二

    庄司興吉編『再生産と自己変革』法政大学出版会     188 - 212

  • 「企業社会」日本の階級・階層構造と女性労働者

    橋本健二

    日本労働社会学会年報   6   49 - 76

  • 「同・級・生」の軌跡──職業と社会階層

    橋本健二

    犬塚先編『新しい産業社会学』有斐閣     158 - 182

  • ジェンダーと階層構造──理論内在的セクシズムの問題

    橋本健二

    教育社会学研究   61   55 - 76

  • 戦後日本の階級構造──空想から科学への階級研究の発展

    橋本健二

    社会学評論   50 ( 2 ) 24 - 40

  • 教育機会の不平等と階層格差の固定化

    橋本健二

    生活経済政策   21   6 - 10

  • 現代資本主義の階級構造:エリック・オリン・ライトとその周辺

    橋本健二

    高増明・松井暁編『アナリテイカル・マルクシズム』ナカニシヤ出版     86 - 109

  • 教育と家父長制の再生産──「ジェンダーと教育」研究のニュー・フロンティア

    橋本健二

    家計経済研究   44 ( 秋 ) 19 - 36

  • 戦後日本の農民層分解

    橋本健二

    原純輔編『近代化と社会階層(日本の階層システム1)』東京大学出版会     109 - 134

  • 階級社会日本──「総中流」など存在しなかった

    橋本健二

    教育   50 ( 11 ) 22 - 29

  • フェミニズムからみた階級理論・階級理論からみた女性

    橋本健二

    女性労働研究   51   47 - 63

  • Class Structure in Contemporary Japan

    橋本健二

    International Journal of Sociology   30 ( 1 ) 79 - 87

  • 階級社会日本の大学教育──学生叛乱と大学改革のあいだ

    橋本健二

    アソシエ   8   194 - 204

  • 女性と階級構造──所属階級と配偶関係からみた女性の経済的・社会的格差

    橋本健二

    社会政策学会誌   7   47 - 63

  • 高校入学者選抜における平等化と個性化──教育機会の平等とコミュニティ形成の視点から

    橋本健二

    都市問題   85 ( 3 ) 77 - 87

  • 増加するニートと日本社会の未来

    橋本健二

    労働の科学   60 ( 2 ) 48 - 51

  • 教育機会の不平等と、平等のための教育— 社会政策

    橋本健二

    世界の労働   56 ( 11 ) 38 - 45

  • 「格差社会」と若者の未来

    橋本健二

    全国民主主義教育研究会編, 『格差社会と若者の未来』同時代社     28 - 53

  • 「格差社会」と教育機会の不平等

    橋本健二

    神野直彦・宮本太郎編『脱「格差社会」への戦略』岩波書店     157 - 170

  • アンダークラス化する若年層──近代的階級構造の変貌

    橋本健二

    社会学年報   35   19 - 46

  • 格差拡大とジェンダー──女性内部の格差拡大と貧困層の集積

    橋本健二

    女性労働研究   51   26 - 40

  • 「格差社会」における階級・階層研究と地域社会研究──「土地の社会移動」研究の提案

    橋本健二

    地域社会学会年報   19   12 - 30

  • 底なしの格差拡大の果てに 問題は「機会の不平等」だけではない

    橋本健二

    月刊ベリタ   ( 39142.0 ) 6 - 17

  • Neoliberalism, Civilian control, and Public Education

    橋本健二

    Japonesia Review   3   38 - 45

  • 新自由主義・グローバリゼーションと「新しい階級社会」

    橋本健二

    社会理論研究   9   22 - 45

  • 「格差社会論」から「階級−階層研究」へ

    橋本健二

    社会学評論   59 ( 1 ) 94 - 113

  • 「格差社会」と「機会の平等」

    橋本健二

    社会政策研究   8   34 - 52

  • 「階級−社会階層研究」の可能性

    橋本健二

    理論と方法   44   5 - 22

  • 格差拡大と「新しい階級社会」

    橋本健二

    現代の理論   9 ( 春 ) 64 - 74

  • 貧困調査から総合政策の構想へ

    橋本健二

    現代の理論   10 ( 新春 ) 109 - 117

  • 労働者階級はどこから来てどこへ行くのか

    橋本健二

    石田浩・近藤博之・中尾啓子編『現代の階層社会2 階層と移動の構造』東京大学出版会     53 - 69

  • 戦後史のなかの主婦──特権から清貧へ

    橋本健二

    生活経済政策   174 ( 590 ) 6 - 10

  • 「アンダークラス」化する日本の若者たち

    橋本健二

    エコノミスト   2011 ( 2.8 ) 46 - 49

  • 戦後史における若者の貧困

    橋本健二

    現代の理論   11 ( 新春 ) 16 - 25

  • 格差拡大と都市の空間構造

    橋本健二

    統計   66 ( 2 ) 26 - 31

  • 格差拡大と変貌する大都市の空間構造

    橋本健二

    都市問題   106 ( 11 ) 80 - 87

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書籍等出版物

  • 東京23区×格差と階級

    橋本, 健二

    中央公論新社  2021年09月 ISBN: 9784121507419

  • アンダークラス2030 : 置き去りにされる「氷河期世代」

    橋本, 健二

    毎日新聞出版  2020年10月 ISBN: 9784620326566

  • 格差社会と都市空間 : 東京圏の社会地図1990-2010

    橋本, 健二, 浅川, 達人

    鹿島出版会  2020年07月 ISBN: 9784306073555

  • 中流崩壊

    橋本, 健二

    朝日新聞出版  2020年07月 ISBN: 9784022950789

  • 「格差」と「階級」の戦後史

    橋本, 健二

    河出書房新社  2020年01月 ISBN: 9784309631172

  • アンダークラス

    橋本健二( 担当: 単著)

    筑摩書房  2018年12月 ISBN: 9784480071873

  • 新・日本の階級社会

    橋本健二( 担当: 単著)

    講談社  2018年01月 ISBN: 9784062884617

  • 現代貧乏物語

    橋本健二( 担当: 単著)

    弘文堂  2016年11月 ISBN: 9784335551826

  • はじまりの戦後日本

    橋本健二( 担当: 単著)

    河出書房新社  2016年04月 ISBN: 9784309624907

  • 居酒屋の戦後史

    橋本, 健二

    祥伝社  2015年12月 ISBN: 9784396114503

  • 戦後日本社会の誕生

    橋本健二( 担当: 編集)

    弘文堂  2015年06月 ISBN: 9784335551697

  • 「格差」の戦後史──階級社会 日本の履歴書【増補新版】

    橋本健二

    河出書房新社  2013年12月 ISBN: 9784309624662

  • 盛り場はヤミ市から生まれた

    橋本健二, 初田香成

    青弓社  2013年12月

  • 階級都市

    橋本健二

    筑摩書房  2011年12月

  • 貧困連鎖──拡大する格差とアンダークラスの出現

    橋本健二

    大和書房  2009年

  • 「格差」の戦後史──階級社会 日本の履歴書

    橋本健二

    河出書房新社  2009年

  • 居酒屋ほろ酔い考現学

    橋本健二

    毎日新聞社  2008年

  • 新しい階級社会・新しい階級闘争

    橋本健二

    光文社  2007年

  • 階級社会── 現代日本の格差を問う

    橋本健二

    講談社  2006年

  • Class Structure in Contemporary Japan

    Kenji Hashimto

    Trans Pacific Press, Melbourne  2003年

  • 階級・ジェンダー・再生産──現代資本主義社会の存続メカニズム

    橋本健二

    東信堂  2003年

  • 階級社会日本

    橋本健二

    青木書店  2001年

  • 現代日本の階級構造──理論・方法・計量分析

    橋本健二

    東信堂  1999年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

    橋本 健二, 佐藤 香, 片瀬 一男, 武田 尚子, 浅川 達人, 石田 光規, 津田 好美, コン アラン

     概要を見る

    本研究の目的は、階級・階層論と社会地区分析の方法を統合することにより、格差拡大の進行過程を階級・階層構造と都市空間構造の両面から解明することである。この目的のため、平成28年度においては、27年度に引き続き国勢調査のメッシュ統計による社会地区分析を進めるとともに、その結果にもとづいて質問紙調査を設計し、実施した。まず社会地区分析から、都心から半径60km圏の各地域メッシュを、その社会的特性から「郊外ホワイトカラー居住地域」「第2・3次産業子育て地域」「都心市街地域」など8類型、また所得分布の特徴から「貧困率の高い地域」「富裕層比率の高い地域」「所得格差の大きい地域」などの地域類型を抽出し、さらに2000年から2010年にかけての各地域類型の分布の変化について検討した。次に、これらの地域類型を代表すると考えられる60地点を選定し、これを調査地点とし、7月から9月にかけて、(株)サーベイリサーチセンターに委託して実査を行なった。調査対象は、60地点から各100人を選挙人名簿(一部は住民基本台帳)により無作為抽出した、合計6000人で、有効回収数は2351、有効回収率は39.2%だった。データクリーニングを経て、29年1月からデータ分析を開始した。これまでに得られた知見は、次のとおりである。①10年間で富裕地域の縮小と都心部への集中、周辺部での貧困地域の拡大が進行し、首都圏の空間構造はおおむね分極化の傾向を示している。②都心部では旧中間階級と労働者階級が減少して新中間階級が増加しており、ジェントリフィケーションの傾向が確認できる。③都心周辺の遷移地帯には、非正規労働者を中心とし、生活のみならず健康面でも問題を抱える貧困層の集積が認められる。④人々の階層意識は、本人の階級・階層的位置のみならず、居住地域の階級・階層構成によっても影響されている。2年目の28年度は、質問紙調査の内容を確定し、調査を実施し、データを完成させて基本的な集計まで行なうことを目標としていた。上記「研究実績の概要」に示したとおり、これらは順調に進展している。年度末には、質問紙調査データに職業コードと地域コード、回答者の居住地域に関するマクロ変数を付加するところまで作業が進展しており、部分的には予定以上の作業が進んだ部分もある。社会地区分析と、今回実施した調査と関連する他の調査データの分析による研究成果も、いくつか上がっており、いくつかの論文と単行本は、すでに公表されるか、印刷段階に入っている。以上から、おおむね順調に進展していると評価できる。当初の予定通り、今後は調査データの分析を進め、研究成果の公表を進めていく。このため、複数の学会大会での発表と、論文の投稿を予定している。また研究協力者として早稲田大学および東京大学の大学院生を確保しており、データの整備と分析についての協力を得る予定である。また本研究課題では、28年度の実査に研究経費の7割以上をあてたため、本年度は研究経費が100万円と少なくなっているが、これを補うため、早稲田大学学内の競争的研究経費を獲得し、研究を円滑に進めるめどが立っている。他の研究プロジェクトとの関係では、特別推進研究(課題番号25000001)を受けた「2015年社会階層と社会移動調査研究会」に複数のメンバーが参加しており、調査データを利用することによって、本研究課題との相乗効果が期待される

  • 大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究(基盤研究(A))

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2015年
    -
     
     

  • 戦後日本社会の形成過程に関する計量歴史社会学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

    橋本 健二, 佐藤 香, 片瀬 一男, 岩井 八郎, 元治 恵子, 稲田 雅也

     概要を見る

    本研究の目的は、戦前から戦後にかけての日本社会の転形過程を計量的に明らかにすることである。このために東京大学社会科学研究所に保存されている労働調査資料をデータ化し、分析を行った。その結果、以下の諸点が明らかになった。(1)出身階層としての戦前期の族籍と農地所有形態は、戦後もかなり長期にわたって人々の所属階層を規定し続けた。(2)徴兵・戦災などの戦争体験は労働者のキャリアや貧困リスクに強く影響していた。(3)製造業のブルーカラーでは、機械工業を中心に1920年代から長期雇用慣行が形成されており、これが部分的には、戦後の長期雇用慣行へと連続していた

  • 戦後日本社会の形成過程に関する計量歴史社会学的研究(基盤研究(B))

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

  • 戦後日本における「女性職」の形成・定着過程に関する実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    木本 喜美子, 笹谷 春美, 千葉 悦子, 高橋 準, 宮下 さおり, 中澤 高志, 駒川 智子, 橋本 健二, 萩原 久美子, 橋本 健二

     概要を見る

    本研究は、長期雇用、年功賃金などの日本的雇用慣行が適用される「男性職」とは区別される形で、いかにして「女性職」が形成されてきたのかを探ることを通じて、女性労働史を再構成することを目的としている。そのために、女性労働の集積地域である福島県北・川俣町の織物産業に従事した女性労働者を調査対象としてとりあげ、そのライフヒストリー分析を軸に、雇用労働と家族生活とがどのように接合されてきたのかを明らかにした

  • 戦後日本における「女性職」の形成・定着過程に関する実証的研究(基盤研究(B))

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

  • 近代日本の女性労働に関する計量歴史社会学的研究(基盤研究(C))

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

  • 現代日本におけるジェンダーと社会階層に関する総合的研究(基盤研究(B))

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2003年
    -
    2004年
     

  • 現代日本におけるジェンダーと社会階層に関する総合的研究

     概要を見る

    本研究の目的は、2005年秋に実施予定の2005年社会階層と社会移動調査に向けた、ジェンダーと社会階層をめぐる研究枠組みの形成と日本・韓国・台湾の3力国比較の研究体制の確立である。1.国際比較調査の体制作りのために、「東アジアにおける社会階層・京都会議」を開催し、その後、韓国ならびに台湾との研究交流を進め、ジェンダーと職場環境、ライフステージを明確化する変数の導入など、新たな調査項目を導入し、比較研究の基本枠組みを作成した。2.またSSM韓国・台湾調査の調査方法に関して調査機関の実査体制や調査員の能力等も含めて調査・資料収集を行い、調査体制の確立をはかった。その結果、両国で調査委託可能な調査機関を見つけることができた。3.上記の点以外に具体的な調査内容の検討や国内調査の問題として、以下の観点から調査データ等の分析を行った。a.2003年調査の分析からみえてくる課題(これまでの伝統的調査項目や新しい調査項目の検討など、ジェンダーの関連項目など国内予備調査結果の検討)b.国際比較調査への準備(韓国職業威信スコアの作成、階層帰属意識の日韓比較など)c.回収率改善のための方策(調査環境の悪化の中でどのようにして回収率を上げていくか)4.3の分析を行った結果、不公平感の回答カテゴリーの問題点やキャリア・イメージの回答方法の修正点、さらには女性の15歳時に持っていたライフコース・イメージのその後のキャリアに及ぼす影響などが明らかになった。また、面接調査時の訪問時間や回数など調査員の行動を管理者がいかにコントロールするかによって、現在の低回収率も上昇しうる可能性が示された

  • 近代日本の女性労働に関する計量歴史社会学的研究

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    本研究は、性別分業の形成過程と変容過程、近代産業への女性労働力の供給メカニズム、世帯の就業構造と労働力供給構造などを長期にわたって明らかにすることを目的とするものである。この目的のため、(1)統計データ・既存調査データの収集と分析、(2)1965年SSM調査のこれまでデータ化されていなかった回答のデータ化と分析、(3)郡山女子高等学校卒業生を対象とする質問紙調査を実施した。このうちもっとも多くの研究成果が生み出したのは、(2)の1965年SSM調査の再コードデータである。このデータにより、1870年代生まれから1940年代生まれまでの女性を含む、世帯単位の就業に関する分析が可能になったが、その結果、多数の家族が自営業と被雇用にまたがって就労する世帯の量的規模とその労働力構成、男性世帯主のみが就労する被雇用者世帯の形成過程、世帯類型間の経済格差などが明らかにされた。この成果は、これまでデータが得られなかった世代の女性が世帯の労働力構成に占める位置を解明した点で、従来の研究の空白を埋めるものである。(3)からは、女性の地域間移動と階級間移動には密接な関係があり、女性の職業経歴は、他地域に流出して労働者階級になるパターンと、出身地にとどまって新中間階級・旧中間階級およびその妻になるパターンがあること、そして前者のパターンは労働者階級または農民層出身者に多く、後者のパターンは新中間階級・旧中間階級出身者に多いことが明らかになった。男性については従来から指摘されていたことだが、今回の分析により、女性についても同じパターンがみられることが示された

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 人間科学学術院   大学院人間科学研究科

  • 人間科学学術院   人間科学部通信課程

特定課題制度(学内資金)

  • 三大都市圏における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究

    2022年  

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     本研究は、科学研究費補助金「三大都市圏における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究」(基盤A)を受けて行なわれる一連の研究を補足するため、資料収集、データの加工と分析などを行なうものである。本調査は2022年1月に東京圏、名古屋圏、京阪神圏の3大都市圏の約44000人を対象として実施された。分析の結果、社会的ニーズの充足状況に大きな階級格差が存在していること、新型コロナウイルス感染症の蔓延は旧中間階級とアンダークラスに強く影響し、この2階級と他の階級の格差が拡大していること、三大都市圏では共通に、都心に富裕層が流入し、貧困層は周縁部で増加していることが明らかとなった。

  • 三大都市圏における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究

    2021年  

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     本研究は、科学研究費補助金「三大都市圏における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究」(基盤A)を受けて行なわれる一連の研究を補足するため、資料収集、データの加工と分析などを行なうものである。科学研究費による調査は、2021年1月に東京圏、名古屋圏、京阪神圏の3大都市圏の約6000人を対象として実施された。分析の結果、アンダークラスの生活困難が深刻化していること、新型コロナウイルスか感染症の蔓延は旧中間階級とアンダークラスに強く影響し、この2階級と他の階級の格差が拡大していることが明らかとなった。また3大都市圏のメッシュ統計の分析から、3大都市圏はそれぞれにセクター型構造と同心円型構造の複合した空間構造をもっていることが明らかとなった。

  • 三大都市圏における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究

    2020年  

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     (1)科学研究費補助金を受けて実施した「大都市部住民の仕事・生活と地域社会に関する調査」から得られたデータを分析し、首都圏住民の格差・貧困と生活実態、生活要求に関する分析を行なった。 (2)東京駅から半径60km圏内の市区町村別データ、メッシュ統計データを分析し、東京圏の社会空間構造とその変遷に関する分析を行なった。その結果、都心と周辺、東と西を2つの対立軸とした格差拡大と分極化が進行していることが明らかとなった。 (3)名古屋駅から40km圏内の中京圏、大阪駅から50km圏内の京阪神圏について、市区町村別データとメッシュ統計データを収集・加工し、予備的な分析を行なった。

  • 東京圏におけるアンダークラスの存在形態と生活実態に関する計量的研究

    2019年  

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     本研究では、雇用の多様化により形成された非正規雇用者からなる新しい下層階級=アンダークラスの空間的分布、形成過程、生活実態を明らかにするため、地域メッシュ統計の分析と2016年首都圏調査データの再分析を行った。これにより以下の諸点が明らかとなった。①パート主婦が主に都心から20km以遠に分布しているのに対して、アンダークラスは都心を含む50km圏内に幅広く分布している。②アンダークラスは都心からの距離と年齢層によって分化しており、若年都心型、中高年都心型、若年郊外型、中高年郊外型に分類される。③郊外では、就業機会の乏しい郊外から移動せずにいることがアンダークラスへの所属をもたらしている。

  • 首都圏における貧困世帯・生活困難世帯の空間的分布と生活実態に関する計量的研究

    2018年  

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     本研究は、2015-2018年度の科学研究費補助金(基盤A)「大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究」に付随して、収集した統計データのより詳細な分析を進めるとともに、2016年度に実施した質問紙調査データに回答者の居住歴情報を付加して、貧困層の多い地域の分布およびその変化、住民の居住地および居住歴を分析することを通じて、貧困層および貧困層の多い地域の形成過程を明らかにしようとするものである。分析の結果、(1)首都圏ではかつて貧困層は都心から周辺部に幅広く分布していたが、近年では都心部で減少し、都心からの距離が大きいほど貧困層比率が高くなっていること、(2)貧困層は出身地または旧住地に定着する傾向が強いのに対して、富裕層は周辺部から都心部へと転居する傾向が強く、このため都心でジェントリフィケーション、周辺部では貧困比率の上昇してきたことが明らかとなった。

  • 大都市住民の地域間移動と格差に関する計量的研究

    2017年  

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     本研究は、「大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究」(基盤研究A、2015-2018年度)を補完し、とくに大都市住民の地域間移動と格差の関係について計量的な分析を行なおうとするものである。 この目的のため、上記の科学研究費によって2016年に実施した質問紙調査の調査票原票に記された、回答者の出身地、前住地、現住地に関する自由記述回答をコーディングし、これと出身階級、初職時点の所属階級、現在の所属階級、階層意識との関係を分析した。この結果、地域間移動経験が世代間階層移動と密接な関係にあること、首都圏周辺部出身者が、出身地にそのまま定住した場合には、上昇移動する可能性が小さく、しかも一部は下降移動してアンダークラスとなる可能性が高いことが判明した。

  • アジア太平洋戦争前後の人の移動に関する計量的研究

    2016年  

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     本研究は、戦前から戦中・戦後にかけての日本人の移動のようす、とりわけ空間的移動と階級・階層間移動の量と構造を、計量的データにもとづいて明らかにしようとするものである。この目的のため、1965年SSM調査(社会階層と移動全国調査)の調査票原票から、1920年代から60年代にかけての、人々の職歴と勤務場所についての回答の再コーディングを実施した。データはほぼ完成し、現在はクリーニング作業中である。分析結果は、2017年度中には論文として公表できる予定である。なおこれとは別に、1955年と1965年のSSM調査データにより、戦前・戦中から戦後にかけての階級・階層間移動についての時系列的な分析を行ない、その成果を著書『はじまりの戦後日本』(河出書房新社)で公表している。

  • 戦後復興期における階級・階層構造の形成過程に関する計量歴史社会学的研究

    2014年  

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     本研究は、科学研究費を受けた「戦後日本社会の形成過程に関する計量歴史社会学的研究」を継承・発展させるため、データ分析と史料の探索を行うものである。成果は、以下の通りである。①日本的雇用慣行は、1920年代後半に機械工業で先行する形で導入されたが、他産業には広がらず、50年代になって機械工業から他産業へ拡大した。②50年代の製鉄・化学工業ではOJTを通じた技能形成とこれを基礎とする年功制が成立していたが、造船業では部分的にしか成立していなかった。③東京大学社会科学研究所が所蔵する2つの調査の調査票原票を精査し、その分析によって得られると考えられる成果と、そのための作業量及び経費を特定した。

  • 戦後復興期における労使関係の形成過程に関する研究

    2013年  

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     本研究は科学研究費(基盤(B))に採択された「戦後日本社会の形成過程に関する計量歴史社会学的研究」を補足するために、当初予定になかったデータの作成と分析を行おうとするものである。上記科研費研究では、1951 年に東京大学社会科学研究所によって実施された「京浜工業地帯調査」の調査票原票の回答をデータ化し、分析をすすめている。これに付随して、調査対象者のうち50名に対して行なわれた詳細な面接調査記録が発見されたため、これをデジタルカメラで撮影して画像化し、さらに学生アルバイトを雇用してワードプロセッサに入力して文書化した。これによって、「京浜工業地帯調査」の主要部分のデータが、すべてデジタル化された。 以上を分析した結果、以下の諸点が明らかとなった。 (1)調査の中心人物だった氏原正治郎は、本調査から「企業封鎖的労働市場」という労働市場モデルを提唱し、日本の大企業は主に若年の未熟練労働者を採用して育成し、長期にわたって雇用すること、ここでは勤続年数に基づく年功制が形成されていること、大企業の労働市場は封鎖性が強く、中小企業の労働市場から分断されていることなどを主張した。これが、その後の「日本的雇用慣行」をめぐる研究の原型となった。しかしデータの再分析からは、これらは一部しか実証されなかった。 (2)さらに氏原は、明確な根拠を示さなかったものの、企業封鎖的労働市場の成立時期は「第一次大戦後の合理化の時代と戦時中の生産力増強の時代」と指摘した。これはその後、兵藤剣の研究によって実証的根拠が与えられ、ある時期までは定説と扱われたものの、近年ではこれを否定する研究が相次いでいた。これに対して今回、機械工業の労働者の職歴分析を行なったところ、この指摘がかなりの程度に実証されることが判明した。 (3)氏原の研究では、聞き取り調査の結果のうち、長期勤続しているごく一部の労働者の証言を中心に結論が組み立てられていた。この結果、長期勤続を中心とする「日本的雇用慣行」の存在が過大評価された可能性があることが判明した。

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