2024/04/19 更新

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ナガイ ヤスナリ
永井 保成
所属
理工学術院 基幹理工学部
職名
教授
学位
博士(数理科学) ( 東京大学 )

学歴

  •  
    -
    2005年

    東京大学   数理科学研究科   数理科学  

所属学協会

  •  
     
     

    日本数学会

研究分野

  • 代数学

研究キーワード

  • 代数幾何学

 

論文

  • Birational geometry of O’Grady’s six dimensional example over the Donaldson–Uhlenbeck compactification

    Nagai, Yasunari

    Mathematische Annalen   358 ( 1-2 ) 143 - 168  2014年02月

    DOI

    Scopus

    3
    被引用数
    (Scopus)
  • Non-locally-free locus of O’Grady’s ten dimensional example

    Nagai, Yasunari

    manuscripta mathematica   142 ( 1-2 ) 127 - 156  2013年09月

    DOI

    Scopus

  • Deformation of a smooth Deligne–Mumford stack via differential graded Lie algebra

    Nagai, Yasunari, Sato, Fumitoshi

    Journal of Algebra   320 ( 9 ) 3481 - 3492  2008年11月

    DOI

    Scopus

    1
    被引用数
    (Scopus)
  • On monodromies of a degeneration of irreducible symplectic Kähler manifolds

    Nagai, Yasunari

    Mathematische Zeitschrift   258 ( 2 ) 407 - 426  2008年02月

    DOI

    Scopus

    12
    被引用数
    (Scopus)
  • Algebraic complete integrability of an integrable system of Beauville

    Jun-Muk Hwang, Yasunari Nagai

    ANNALES DE L INSTITUT FOURIER   58 ( 2 ) 559 - 570  2008年

     概要を見る

    We show that the Beauville's integrahle system on a ten dimensional moduli space of sheaves on a K3 surface constricted via a moduli space of stable sheaves on cubic threefolds is algebraically completely integrable, using O'Grady's construction of a symplectic resolution of the moduli space of sheaves on a K3.

  • A characterization of certain irreducible symplectic 4-folds

    Y Nagai

    MANUSCRIPTA MATHEMATICA   110 ( 3 ) 273 - 282  2003年03月

     概要を見る

    We give a characterization of irreducible symplectic fourfolds which are given as Hilbert scheme of points on a K3 surface.

    DOI

    Scopus

    2
    被引用数
    (Scopus)
  • Symmetric products of a semistable degeneration of surfaces

    Nagai, Yasunari

    Mathematische Zeitschrift   289 ( 3-4 ) 1143 - 1168

    DOI

    Scopus

    2
    被引用数
    (Scopus)

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 4次元3次超曲面上の層のモジュライと既約シンプレクティック多様体

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

    永井 保成

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    前年度までの研究で,4次元3次超曲面上の正規有理5次曲線に関連するヒルベルト多項式が5n+2の連接層に対して,それがもし大域切断で生成されれば,ある特定の Kuznetsov 射影を行ったものはつねに階数9のねじれのない連接層になり,さらに,元の層の台が滑らかな有理曲線になるものについては,射影してできる層がμ-安定になることがわかっていた.しかし,この1次元捻れ層の退化の様子を調べていくと,大域切断で生成されない層がモジュライ空間の境界の点として現れることがわかった.また,このような点では,普遍層に対して相対的な Kuznetsov 射影を行った族の行列式直線束が固定点を持ちそうであることが,計算機代数による検討で判明した.大域切断で生成されないような例は,その台が3次元の射影部分空間,従って,元の4次元3次超曲面の線形切断として得られる3次曲面に乗っている場合に作られる.さらに考察を進めていくと,3次曲面上に台が乗るようなものに対応する点の軌跡B全体で,行列式直線束は固定点を持つことを,最終的には普遍族を用いた交点数の計算によって理論的に示すことができた.Kuznetsov 圏の対象のモジュライ空間の存在を信じるならば,このことは,Bに沿った小さな双有理改変を行う必要があることを示唆する.このような双有理改変を実現するモジュライ関手の変更は一般には記述が難しく,今のところよい記述がみつかっていない.そこで,軌跡Bのより具体的な記述を求めることで,想定される双有理改変を構成することを考えた.その結果,Bにはquiverの表現に対応するモジュライ空間による良い記述が存在することがわかってきた.このようなGITモデルの詳細な研究はなおも進行中であるが,3次曲面上の5次の有理曲線のモジュライのコンパクト化の問題はそれ自身非常に興味深い古典的な問題でもある

  • 既約シンプレクティック多様体の退化

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    永井 保成

     概要を見る

    既約シンプレクティック多様体の良い退化族の例を構成する問題と関連し,代数曲面の半安定退化であって特異ファイバーが3重点を持たないようなものに対して,その上のn点の相対的ヒルベルトスキームの族の局所的な構造に関して研究した.より正確には,ヒルベルトスキームのヒルベルト=チョウ射の像であるところの相対的対称積の特異点の構造とその双有理改変,位相的不変量であるオービフォルドコホモロジーなどについて明らかにした

  • 既約シンプレクティック多様体の構造の明示的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

    永井 保成

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    コンパクト既約シンプレクティックケーラー多様体の例としてO'Gradyによる散在的な2つの例が知られている.これらはK3曲面およびアーベル曲面の上の階数2の半安定連接層のモジュライ空間として構成されるが,本研究ではこれらモジュライ空間上の局所自由でない連接層の軌跡を調べることで,O'Gradyの例における双有理幾何的な構造を明らかにした.その際にはモジュライ問題と関連する不変式環を,古典不変式論を用いて計算機代数などの助けによって明示的に計算する方法について考察した

 

現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 理工学術院   大学院基幹理工学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    理工学術院総合研究所   兼任研究員

特定課題制度(学内資金)

  • 正則シンプレクティック多様体の射影モデルの研究

    2021年   Lehn, Manfred

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    4次元3次超曲面の上の5次正規有理曲線のモジュライについて研究を行い,曲線が3次元射影空間を張るような場合,すなわち,曲線が空間3次曲面上に乗っている場合の軌跡について詳細な研究を行った.大きな開集合上で安定層のモジュライ空間の明示的記述を得ることに成功したが,特殊な曲線上での振る舞いは,当初予期していたよりも複雑であることがわかった.

  • 高次元既約シンプレクティック多様体の射影モデルの研究

    2020年  

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    本課題は.既約シンプレクティック多様体の知られている族のうち,一般Kummer型の多様体の射影モデルの理解を深めることを目的とし,様々な活動を通して海外の研究者との連携・協力関係を強化することも目指したが,COVID-19の流行で当初計画は大きな変更を余儀なくされた.特に,欧州を中心とする海外の研究者との往来は事実上不可能となったが,例年行われてきたシンポジウムをビデオ会議システムに移行して運営するなど一定の成果を上げることができた.一般Kummer 型多様体の研究については今後も鋭意継続していく.

  • 4次元3次超曲面上の層のモジュライと既約シンプレクティック多様体

    2020年   Lehn, Manfred, van Straten, Duco

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    科研費による研究(基盤(C) 17K05212)は,一定の成果を挙げつつも,最終的に満足いく結論に到達せずに課題期間が終了したため,その完成を期してこの特定課題研究費により研究を継続した.海外の研究者との共同研究であるため,研究費を用いて出張・招聘などによる共同作業を予定したが,COVID-19の流行で当初計画は大きな変更を余儀なくされた.それでもビデオ会議システムなどを用いて共同研究を進め,正規でない3次曲面上の一般化された正規有理5次曲線のモジュライ空間の明示的構成問題の理解を大きく前進させることができた.

  • 代数的シンプレクティック幾何における退化についての諸問題

    2013年  

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    代数的シンプレクティック多様体の退化の問題を主たる興味の対象として研究を行った.代数的シンプレクティック多様体の退化は,代数的シンプレクティック形式を持つ曲面の退化族の相対的なヒルベルト概形を考えることによって得られる.特に,元の曲面の退化族が半安定である場合,対応するヒルベルト概形の退化族も類似のマイルドな退化になっていることが期待できる.しかし,このようにして得られるヒルベルト概形の退化はそのままでは半安定にはならないことがわかる.現れる特異点は高次元の双有理幾何学との関連を示唆している.双有理幾何学的な観点から見ると,曲面の退化族の相対的な対称積はヒルベルト概形の双有理収縮として得られる代数的シンプレクティック多様体の退化族であり,こちらは対称群の作用による商として現れることから,見方によってはヒルベルト概形よりも捉えやすい対象である.そこで,代数的シンプレクティック曲面の半安定退化に対してその相対的対称積について考察し,その双有理改変について明示的な方法で研究を行った.特に,対称積の次数が2および3の場合についてはトーリック幾何などを用いた計算手法を用いることでそのQ-分解的端末化を具体的にひとつ構成し,さらに対称積上の双有理改変として相対的ヒルベルト概形をえるプロセスを明示的に構成した. これらの成果については,2013年10月に行われた国際研究集会「Symmetric products of semi-stable degeneration of surfaces, Yasunari Nagai, Symplectic Algebraic Geometry, (於 関西セミナーハウス, 京都)」および「5th Algebraic Geometry in East Asia,(於 Academy of mathematics and systems science, Chinese Academy of Sciences,中国,北京)」の招待講演において発表した. より次数が高い場合の対称積のQ-分解的端末化の構成問題とその双有理幾何に関する問題は対称群が複雑になるにつれその商として得られる多様体の特異点の構造が複雑になることから,より精密な研究が必要となる.これらについては2014年度より採択された科研費・若手研究(B)・26800025「既約シンプレクティック多様体の退化」において継続する予定であり,まとまった成果が得られ次第出版したいと考えている.

  • 様々な代数的シンプレクティックなモジュライ空間の双有理変換

    2011年  

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    私が以前より興味を持って研究を行ってきた対象である代数的シンプレクティック多様体は,既に知られている例を見る限り,その多くが別の代数多様体の上の対象をパラメータ付けするモジュライ空間として得られている.本研究ではそのようなモジュライ空間のうち,代数曲線上の放物Higgs束と呼ばれる対象のモジュライ空間として得られる代数的シンプレクティック多様体の幾何学,なかんずく,モジュライ理論の立場から自然に引き起こされる双有理変換に注目して研究を行った.最も基本的な場合については M. Thaddeus の研究が知られているのみであるが,その細部を検討すると,彼の手法では予測される結論を得るために代数幾何学的な操作を行う「逆構成的」なものであり,より複雑な双有理変換の記述を得るには適していないことが確認され,異なる考え方でのアプローチが必要であることがわかる.また,幾何学的により面白い双有理変換は,ベキ零軌道閉包の幾何学で現れる双有理変換とのアナロジーを考えれば,一般線形群を変換群としてもつ放物Higgs束だけでなく,別の単純代数群を変換群として持つ放物主Higgs束から得られるであろうことが予測されたが,文献調査を行ったところ,放物主Higgs束については,そのモジュライ空間の構成も含めて基本的な研究がまだ十分行われていないことがわかった.2011年度は,放物Higgs束の放物構造の変化と双有理変換について,次元の低い場合に関して具体例の計算を行った.この場合には一般にA型の向井フロップが現れるであろうことのエビデンスが得られているが,一般的な設定のもとでこれを証明するためにはモジュライ理論の観点からより洗練された記述法が必要になる.また,放物主Higgs束の基本的な性質についても研究を行った.これらの研究はまだ進行の途上にあり,論文にまとめて発表する段階までは至らなかった.これらの課題については今後も継続して研究していく.