2024/10/03 更新

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タニモト カンジ
谷本 寛治
所属
商学学術院 商学部
職名
教授
学位
博士
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プロフィール
詳しくは下記研究室ウェブサイトをご覧ください。
 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 多元的な意味・価値空間の機構を可能にする社会システムのデザイン -グローバル情報時代における意味処理の中間単位の構築にむけて-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

    中山 慶子, 出口 弘, 奥田 栄, 渡辺 秀樹, 徳安 彰, 谷本 寛治

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    本研究は、グローバル情報時代における社会経済システムの再構築という課題に、社会経済システムにおける具体的な課題の検討と理論の再構築という二つの軸から挑んだ。我々は理論的研究の成果として、多元的な意味・価値空間の構築を可能にする社会経済システムをデザインするために、意味処理の中間単位という概念にたどりつき、その理論の精微化と実証研究を展開してきた。意味処理の中間単位となる様々な中間組織とそのネットワークが、政府と市場を補完する弱い紐帯としのみ機能するのではなく、市場を包摂するより多様な評価と選択、競争と資源配分のダイナミズムを形成する中で、社会経済システムの中核となる機能的システムとして成長し得るという仮説をたて、この仮説を理論と実証の両面から検証してきた。我々の研究は以下の三つのアプローチから展開された。第一には、社会経済システム理論のボトムアップな視点からの再構築に関する研究である。第二には、NPO、中間組織、ネットワークの構造機能デザインに関する研究である。従来市場と政府を補完する補助的なシステムとして認識されがちな、社会ネットワークや中間組織、NPOなどの諸システムを、グローバルな社会経済システムの中での、補完ではなく主要な機能セクターとして位置付けて、その構造機能を分析し、デザインを提起した。第三には、グローバルな産業構造の中での意味・価値空間の構築の研究である。産業の中での多元的な意味・価値空間の構築と意味処理の中間単位といった課題を具体的に検証するために、工業集積の中での「もの」に関する意味・価値空間とものづくりの機能との関係を分析した。上記のように展開された我々の研究は、システム論という明確な理論的基盤を持ちながらも、新しい価値論に基づいた社会経済システムのデザインの提案に至ろうとする方向性を持つものである

 

現在担当している科目

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特別研究期間制度(学内資金)

  • サステナブルな企業とサステナブル・イノベーションについて

    2017年04月
    -
    2018年03月

    ドイツ   ベルリン自由大学

    ドイツ   ケルンビジネススクール

他学部・他研究科等兼任情報

  • 商学学術院   大学院商学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2019年
    -
     

    産業経営研究所   兼任研究所員

特定課題制度(学内資金)

  • CSRとコーポレート・ガバナンス-日本企業における取り組みの現状と課題

    2013年  

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    本研究では、日本企業の経営において、CSRがどのように理解されマネジメント・システムに組み込まれているのか、またそれがいかに統治されているのか、ということが問題関心の中心にある。CSRとコーポレート・ガバナンスをめぐる取り組みの現状と課題を明らかにすることを目的として、文献調査および複数企業へのヒアリングを行い、国際カンファレンスにおいて報告を行った。まず文献調査では、CSRとマネジメント/ガバナンスに関する論文、および企業とステイクホルダー・エンゲージメントに関する論文のサーベイを行い、CSRとコーポレート・ガバナンスの関係性について、理論的フレームワーク構築に向け考察した。さらに、日本企業のみならず在日欧州企業にもインタビューを行い、「どのようにCSRを中期経営計画、経営戦略の中に組み込み、中長期的ビジョンのもと、戦略を立て、実行計画を示し、社内各ラインに落とし込む作業を進めているのか」という問いについて、企業経営者・担当者より現状を聞いた。これらの文献調査およびヒアリング内容を踏まえ、「CSRとコーポレート・ガバナンス」を統一テーマとする国際学会で報告を行った(主催・共催:企業と社会フォーラム・フンボルト大学国際CSRカンファレンス・ベルリン日独センター、2013年9月19日実施のPlenary Session)。本報告において、日本企業では2000年代より、CSR部署の設置や担当役員の任命、CSR報告書の発行、ステイクホルダーとの対話の場の設定など「制度化」は急速に進んだものの、「社会的・環境的関心をマネジメントプロセスや事業活動の中に、またステイクホルダーとの関係の中に組み込んでいくこと」というCSRの本質はまだ充分理解されているとは言えない現状を明らかにした。そして、企業はステイクホルダーからの経済的・環境的・社会的期待に応えていくことによって、株主価値を高めることができることを指摘した。今後の課題として、CSRを戦略や中期経営計画、各部署の行動計画に組み込み、経営委員会において半期/四半期ごとに財務/非財務パフォーマンスをチェックしていくことが求められることを指摘し、今まで以上に実質的なステークホルダー・エンゲージメントが重要であることを指摘した。

  • 日本企業のステイクホルダー・エンゲージメントに関する研究

    2012年  

     概要を見る

    論文概要・持続的な発展に貢献する企業の役割を考える上で、ステイクホルダーと良い関係を構築していくことは重要なテーマである。近年、企業に求められる役割あるいは責任は変わり、その企業観も変化している。その結果、企業とステイクホルダーとの関係も、これまでとは大きく変わりつつある。・日本企業においては、2000年代以降、CSRにかかわる様々な制度化が世界でもトップクラスで進んでいるが、内容的には総体としてはかなり進んでいる部分と遅れている部分があると指摘される。CSRに関係する部署の設立やCSR報告書の発行など制度化の面は進んでいるが、サプライチェーンのマネンジメントやステイクホルダーとの対話の実施などの面については、その対応が遅れていると言える。・日本企業におけるステイクホルダー・エンゲージメントの課題としてはとくに、①経営の課題として外部の声を聞いてフィードバックし経営戦略の核に組み込んでいくこと、②グローバル企業はグローバル化に対応したステイクホルダー・ダイアログを積極的に展開していくこと、が挙げられる。より基本的な課題としては、CSRを中期経営計画、経営戦略の中に組み込み、中長期的なビジョンのもと、経営計画、戦略を立て、アクションプランを示し、それを各ラインに落としていく作業が必要となる。・さらに今後は、持続可能な発展に企業がどうかかわり、そこにどのような新しいビジネスの可能性を見出していくか、競争優位をもてるようなイノベーションをいかに生み出していくかというresponsible competitivenessという発想が次のステージの課題になってくる。環境や社会の課題に関して、どのように「サステナビリティ」を経営戦略に組み込むかは、ステイクホルダー・エンゲージメントを通して課題を知り、新しい可能性を見つけていくことが必要である。こういった新しい価値の創出は、ステイクホルダーにとってもプラスになる。単なる会社の説明会ではなく、双方向のコミュニケーションをベースとするエンゲージメントを実施し、サステナビリティを企業経営にどのように位置づけるか、それが新しいイノベーションの芽をどのように生んでいくかが日本企業の今後の課題の一つだと言える。