2024/12/27 更新

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タケダ ジュンイチロウ
竹田 淳一郎
所属
附属機関・学校 高等学院
職名
教諭

委員歴

  • 2008年04月
    -
    2013年03月

    東京私学教育研究所  理数系教科研究会地学運営委員

所属学協会

  •  
     
     

    地学団体研究会

  •  
     
     

    日本化学会

 
 

特定課題制度(学内資金)

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングへの応用

    2023年  

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    【概要】 理科は実験を必要不可欠とすることが他の教科と異なるが,あらかじめ結果がわかっているテーマで実験を行うことが基本であるため,その内容をアクティブラーニングに適用するには工夫が必要である。そこで,国際化学オリンピックや科学の甲子園などで実施された競技性の高い実験問題を改良して授業に導入できれば有意義であると考えた。この研究は6年ほど前から進めているが,現段階での進行状況を報告する。【結果と考察】今年度は中学生の力学の分野で教科書の実験を踏まえて,運動エネルギーと位置エネルギーの関係について実感できる教材開発を行った。本教材は,どの教科書にも掲載されている斜面を転がる球の衝突実験をベースにして,球の質量や転がる高さを変えて衝突させる木片の移動距離から位置エネルギーと運動エネルギーが何に影響を受けるかということについて先行研究などを提示したうえで生徒一人一人が考察できるように工夫したものである。中学生の化学,電池の分野では私が執筆した検定教科書に基づいて授業および実験を行い,改良点を把握したうえで次回の改訂に向けて教科書の執筆を進めている。また,今年度新たに開発した教材として,2020年度の科研費奨励研究「科学史における重要な発見や業績を生徒が追体験できる教材の開発」の研究成果,2022年度の早稲田大学特定課題研究助成費,科研費連動「産業史及び産業遺産を科学教育に効果的に導入できる教材の開発」の研究成果に基づいて銅の化学反応を用いた教材を開発した。この成果に基づいて学会発表(「産業遺産から学ぶ銅を用いた探究的な化学実験の実践報告」 竹田淳一郎・谷川佳樹 令和5年度 全国理科教育大会・第94回日本理化学協会総会 2023年8月<口頭発表>)を行った。学会では,足尾銅山以外で教材として利用できる可能性の高い鉱山跡についての有益な情報交換を行った。

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングへの応⽤

    2022年  

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    理科は実験を必要不可欠とすることが他の教科と異なるが,国際化学オリンピックや科学の甲子園などで実施された実験問題は競技性が高く,改良して授業に導入できればアクティブラーニングとして適用できると考えた。今年度は中学の理科ではモーターの作成とカルメ焼きの条件検討を行った。そして高校の化学では昨年度に実施したアレニウスの反応速度式を利用した競技性の高い実験教材の内容について再検討を行い,学会発表(「時計反応を生徒実験にするための最適な条件検討とその実践」 竹田淳一郎・谷川佳樹 令和4年度 全国理科教育大会・第93回日本理化学協会総会 2022年8月<口頭発表>)を行った。

  • 産業史及び産業遺産を科学教育に効果的に導入できる教材の開発

    2022年  

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    教科書には所々で産業史,産業遺産の話題が挿入されるが,あくまで簡易な読み物なのでその業績を身近に感じることは難しいと感じている。そこで,産業史や産業遺産を中等教育に有効に導入できる方法を研究し,生徒がその業績を実感できるような教材を開発することを試みた。8月に足尾銅山跡およびその周辺の産業遺産を訪問し,12月には別子銅山遺跡およびその周辺の産業遺産を訪問し,教材としてどのように利用すべきか,どのような形で中等教育に導入できるか研究を行った。足尾銅山跡及び別子銅山跡で収集した資料およびその研究成果については次年度以降の授業で利用し,その成果を学会等で発表する予定である。

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングへの応用

    2021年  

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     高校の化学では結晶構造を学習するが,教科書の紙面上では二次元でしか表現できないために結晶構造の立体感を理解するのは難しい。しかし,教科書に載っている結晶模型の作成方法は時間のかかるものが多く授業時間内での完成は困難である。そこで本研究では安価な材料を使って簡易に結晶模型構造を作成できる教材を開発し,授業で実践をした。その結果は授業を受けた生徒にアンケートをとって確認し,成果を日本理科教育学会第71回全国大会で「短時間で安価に作成できる結晶構造模型の開発とその実践」というタイトルでオンライン発表を行った。今後は,この開発した教材を競技種目に利用できるように改良するのが目標である。

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングへの応用

    2020年  

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     今年度はコロナの影響が甚大であったので,オンライン・オンデマンドでも実施できる教材開発を試みた。中学校においては,早稲田大学の授業支援システム(LMS)のWaseda Moodle上でイオンに関して学習できる教材を作成し,その成果を対面授業におけるテストで確認した。また,高校3年生ではWaseda Moodleを活用したオンライン,オンデマンドの授業期間に科学史に関する問題を解いてもらいその結果を分析した。この成果は日本理科教育学会第70回全国大会で「科学史を中等教育に有機的に取り入れるための基礎研究」というタイトルで紙上発表を行った。

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングへの応用

    2019年  

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     理科は実験を必要不可欠とすることが他の教科と異なるが,あらかじめ結果がわかっているテーマで実験を行うことが基本であり,その内容をアクティブラーニングに適用するには教員が発問の方法を工夫するなどの高いスキルが必要である。そこで中学の新課程で導入されるイオン化傾向~ダニエル電池までの流れの中で使用できる教材の開発を試みた。 新課程で導入される金属のイオン化傾向に関して、競技性を導入することで生徒の理解が深まるように実験を工夫した。また、株式会社ナリカとダニエル電池の新規教材について共同開発を行った。開発した教材は「ダニエル電池(セパレートカップ式)カタログNo:B10-2013」として実際に販売されている。以上の成果は日本理科教育学会第69回全国大会で「イオン化傾向、ダニエル電池を中学理科に導入する試み ~学習指導要領の改訂を見据えて~」というタイトルで口頭発を行った。

  • 中等教育で使用できるクロマトグラフィーの教材化に関する基礎研究

    2018年  

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    物質の分離は化学において基本的でかつ重要な技術であり、研究分野としても一大領域を占めている。本研究では、いままでに報告されているイオン交換樹脂を使った実験を参考にして、クロマトグラフィーを使った新しい教材の開発を試みた。通常銅イオンの定量は吸光光度法によるものが一般的であるが、高価な機材が必要であるために中等教育の段階では障害が大きい。しかし本研究による方法ならば安価でかつ精度の高い定量が可能である。今後は、実際に授業で使用してその効果を検証していく予定である。

  • 競技性をもつ理科実験教材の開発とアクティブラーニングの応用

    2018年  

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    理科は実験を必要不可欠とすることが他の教科と異なるが,あらかじめ結果がわかっているテーマで実験を行うことが基本であるため、競技性を持たせることができれば有用であると考えた。そこで構造が単純で安価である100円ショップの置時計を分解して標本を作る教材を開発し、何らかの競技性が導入できないかどうか検討した。この教材を試行的に授業で実践した中学生のアンケートは好評であったので、今後はどのように競技性を導入できるかを検討してく予定である。また、中学3年生の理科1分野で学習する電池分野では電池を自作させてどれくらい性能の良い電池が作成できるかという競争できる教材についても開発に着手した。

  • 人工宝石の教材化に関する基礎研究

    2017年  

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    【概要】高等学校の化学分野では結晶構造の単元でダイヤモンドなどの宝石が結晶格子の例として提示され、ここで学習した内容は物理のX線回折による結晶構造の解析につながっていく。また、地学分野の地質の単元では鉱物の中で特に美しく、価値のあるものとして宝石が取り上げられている。しかし、天然の宝石は高価なため、中学生・高校生にとって手に取ったり、課外活動で研究のテーマとして取り上げたりすることは難しい。そこで、現在開発されている人工宝石の製造法を検証・改良して中等教育に導入できれば、生徒の興味関心を引き出せると考えた。本研究では、人工宝石の製造法の導入するための基礎研究として、結晶構造に焦点を当てて、従来の方法より安価で教育上効果のある結晶構造に関する教材開発を実施した。開発した教材を高校3年生を対象にして授業で実践した。まず、1つ目の教材開発と授業実践では、市販の卓球のピンポン玉と少し小さな発泡スチロール球を利用して、体心立方格子、面心立方格子、六方最密充填構造、塩化ナトリウム型結晶の4種類を生徒に作成させた。ピンポン玉はポリプロピレン製でできているために、通常の接着剤ではピンポン玉同士が接着できない。そこで、ポリプロピレンでも接着できるコニシボンド社製の「ウルトラ多用途SU」を使用した。2つ目の教材開発と授業実践では、市販のクリスタル岩塩結晶を用いて、これを砕いて直方体を複数個作り,密度を計算してグラフを作成させてアボガドロ数を算出させた。どちらの授業実践でも、終了後にアンケートで面白さと大変さそれぞれについて5段階で評価させた。【結果と考察】 生徒は一人ずつ模型を作成でき、また作った結晶模型は自宅に持ち帰ることができるので,高いモチベーションをもって取り組むことができた。アンケートでは,1回目の授業実践で面白さで5の評価が43%、4の評価が43%、3の評価が14%、1と2の評価は0%であり、大変さの評価では5段階(とても大変,やや大変,普通,やや簡単,とても簡単)で4(やや大変)の評価が最大値であった。また、2回目の授業実践のアンケートでは、面白さで5の評価が43%、4の評価が57%、1~3の評価は0%であり、大変さの評価では1回目の授業実践と同様に5段階で4(やや大変)の評価が最大値であった。以上のように、人工宝石の製造法のための基礎研究である結晶構造の教材開発に成功した。

  • 実験競技としてアクティブラーニングに活用できる理科教材の開発とその実践

    2017年  

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    【概要】 理科は実験を必要不可欠とすることが他の教科と異なるが,あらかじめ結果がわかっているテーマで実験を行うことが基本であり,その内容をアクティブラーニングに適用するには教員が発問の方法を工夫するなどの高いスキルが必要である。しかし,国際化学オリンピックや科学の甲子園などで実施された実験問題は競技性が高く,改良して授業に導入できればアクティブラーニングとして適用できると考えた。そこで、金曜日の3,4時間目の自由選択科目の化学を履修した高等学校3年生理系選択者19名に対して、全21回の授業の内17回で物理・無機化学分野の実験を行い,可能な限り化学オリンピックや科学の甲子園の実験問題を参考に競技性を導入し,チームもしくは個人で競わせることでアクティブラーニングの要素を高めることを試みた。 その結果、生徒は競技であるという意識をもって,高いモチベーションをもって取り組んだ。アンケートでは,各実験において,面白さの評価では上位2段階の合計で7割以上,大変さの評価では5段階(とても大変,やや大変,普通,やや簡単,とても簡単)で4(やや大変)の評価が最大値であった。このことから,競技性の高い実験をおこなうことは,生徒のモチベーションを高めるために有効であることが示唆された。

  • ネイティブ教員とのチームティーチングの効果を高める新規理科実験教材の開発と実践

    2015年   アダム・エザード, 小川慎二郎

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     大学では科学技術に関する最先端の研究に関わるには英語が不可欠であるため、ネイティブの教員とのチームティーチングで化学、生物、物理をテーマにした各1講座ずつの実験授業を行った。また、将来アクティブラーニングを導入することもにらんで、生徒が自学自習で理科と英語が学習できる教材(『NewPath Learning Chemistry Review Curriculum Mastery Game, High School, Class Pack』、SAT(Scholastic Assessment Test)をモデルにした英語の学期末確認試験)の実践を高校3年生の自由選択の授業内で行った。

  • ネイティブ教員とのチームティーチングの効果を高める理科実験教材の開発

    2014年   アダム・エザード, 小川慎二郎, 有澤哲郎, 加藤陽一郎

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    近年、英語の重要性がより一層高まっているのはいうまでもないことであり、どの学校でも英語に関しては非常に力を入れて学習活動をおこなっているが、英語以外の教科で英語に触れることは非常に少ない。しかしながら将来理系に進学する生徒は、論文は英語のものを読むのであり、高校生のうちから科学英語になるべくたくさん触れておくと有利である。そこで、ただ実験をするのではなく、そのレジュメが英語で書いてあるものを使ってネイティブ教員(大学での専門が生物学であり科学の知識が十分にある)とのチームティーチングを企画し、化学で2つ、物理で2つ、生物で1つの合計5テーマの実験講座を行った。

  • イオン交換樹脂を利用した中等教育で使用できるカラムクロマトグラフィーの開発

    2014年  

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      現在は水質分析には定性分析と定量分析が同時にできるイオン交換クロマトグラフィーを利用するのが一般的である。しかし、中等教育ではイオン交換法は樹脂の単元で少し出てくるのみで、クロマトグラフィーは化学および生物の教科書に植物の光合成色素をペーパークロマトグラフィーで分離する実験が掲載されているのみである。今回は、いままでに報告されているイオン交換樹脂を使った実験を参考にして、イオン交換樹脂について簡単な実験をしたのちに、簡易なイオン交換カラムクロマトグラフィーを利用して視覚的にクロマトグラフィーの仕組みが分かる実験を開発した。   

  • 親水性高分子を利用した新しい環境測定用教材の開発

    2013年  

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    高分子化学は繊維やプラスチック、炭水化物やたんぱく質など高校化学の重要な履修内容であり、教科書でも多くのページが説明に割かれている。しかしながら、モノマーから合成できる高校生向けの高分子材料の教材はナイロンやスチレンの合成などごく少数に限られており、大変少ないのが現状である。 また、中学や高校で使用するフェノールフタレインなどの水素イオン濃度感応性の色素は、反応系中に投入して使用したり、pH試験紙として紙に固定化して使用したりするものがほとんどで、使用後は反応系の溶液とともに廃棄せざるを得ず、環境に負荷を与えている。そこで、本研究では繰り返し使用できる環境測定用の親水性高分子膜を作成し、中学高校生向けの教材化を試みた。具体的には、親水性ソフトコンタクトレンズの材料を参考にして、親水性高分子膜の合成を行ったのち、色素を包含させて周りの環境変化により色が変わる環境指示薬として使用できるかどうかも併せて検討した。まず、一般的なソフトコンタクトレンズの材料として使用されている材料のN-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミドを用い、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤、ジメチルスルホキシド、水を溶媒として使用し、これらの割合と重合条件を変えて何回も重合を繰り返し、最適なものを探索した。この過程で、ポリエチレングリコールジメタクリレートは膜の硬さに重要な影響を与え、特に量が少なすぎる場合には膜の硬さが損なわれてしまうことが分かった。また、ヒドロキシエチルメタクリレートは割合を減らすと膜が不透明になってしまい、視認性に問題が出てしまうこともわかった。これらの結果を総合し、重合開始剤を投入後10分程度で透明な親水性高分子膜を重合できる方法を開発できた。さらに教材化にあたり、親水性高分子膜に包含する環境応答性の色素(具体的にはフェノールフタレインやアントシアニンをはじめとする水素イオン応答性のもの、鉄や銅などの金属イオンに対して応答を示すもの)の種類を検討した。この研究では、フェノールフタレインを包含させた高分子膜を作成したが、測定の際にわずかに高分子膜からフェノールフタレインが流れ出してしまう現象が確認できたので、今後はこの点の改良を進める必要がある。

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