2024/04/21 更新

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モガミ トシキ
最上 敏樹
所属
政治経済学術院
職名
名誉教授
学位
博士
 

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 国境を越える立憲主義の成立可能性と国際法・憲法の基本概念

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

  • 移行期正義論・紛争解決学を応用した東アジア歴史認識問題解決の思想基盤構築

    研究期間:

    2017年06月
    -
    2022年03月
     

  • 補償的正義(Reparatory Justice)の研究

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

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    本務校において課題の研究をするほか、これまでの継続としてバーゼル大学(スイス)ヨーロッパ研究所においてしばしば在外研究を遂行した。同研究所における国際共同研究は、(1)市民権の学際的研究(特に、市民権が市民共同体を分断する効果を及ぼした事例の歴史的研究、その国際法的側面など)、(2)マルティラテラリズムの研究(国際機構を媒介とする多国間主義や市民間の脱国家的結合、その国際秩序構築効果など)、(3)境界研究 (Border Studies) を軸とする新学際領域的な国際主義研究、の三者が中心テーマである。同研究所の所員のほか、ドイツ、イタリア、オーストラリアの研究者の参画も得て、文字通り国際的な共同研究となっている。狭義の補償的正義の研究は、国際訴訟の進捗が滞っているため、それ自体についての研究も並行して大幅な進捗を見ていないが、上記3共同研究は直接間接に補償的正義に関連する分野であり、その意味では側面から研究課題を構築し、課題の外縁を強化する作業が先に進んだとも言える。研究報告・学会報告としては、2019年9月、国際私法裁判所(オランダ・ハーグ)において、世界国際法学会長会合(フランス国際法学会主催)でアジアにおける国際法学の連携につき報告を依頼され、その報告を行った。同会議で世界各地からの参加者に補償的正義の研究についても説明し、志を同じくする研究者を募ったので、今後その面での協働も大いに期待できる。まだ本格的刊行物の発刊にまで至っていないが、新分野であり、国際共同研究に従事して研究体制を組み立てて来たためである。今後、次々と研究成果を刊行する準備はできているが、期間延長になった今年度(2020~2021暦年)を十分に活用し、その面での進捗は十分に期待できると考えている。基本的にこれまでの方策と変わらず、国際共同研究を中心に準備研究を重ね、成果物刊行へとつなげていく。共同研究のうち、(1)および(2)は出版計画も同時に進め、原則的に共著であるが、確実に出版へと通ずる見通しが立っている。(3)は数大学共同の国際主義研究プログラムへと結びついたため、そこにおいて補償的正義の研究もプログラムに組み込んで、教員・院生協働の研究遂行体制を構築する

  • 東アジアにおける歴史和解のための総合的研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

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    1.国際シンポジウムを4回開催。①6月「移行期正義と和解-『<帝国>の慰安婦』をめぐる事態を考える」提題者浅野豊美、朴裕河(世宗大学)、②7月「東アジアの選挙と民主主義」報告者:張智程(京都大学法学研究科・助教)ベ・ヨンミ(立命館大学コリアセンター・研究員)元山仁士郎(国際基督教大学)上地聡子(早稲田大学)司会:野口真弘、アン・ドヒョン(東京大学)、③ 7月「文化と記憶」William Marotti(UCLA)“Dramatic Politics and Political Space: Shinjuku 1968”Christopher Nelson (University of North Carolina) "Iphigenia in the China Sea: The Politics of Memory in Postwar Japan" ④2017年2月、「光州事件と移行期正義」鄭文永(Jeong Moon-young)(5.18紀念財団研究所 研究員)Social Origins of the May Ceremony: between ritual and rebellion、平井新(早稲田大学)移行期正義概念の再検討、コメンテーター:呉豪人(輔仁大学)。2.定例研究会を2回開催。各研究者ならびに班ごとの研究の進捗状況と研究計画について報告と議論を行ったのち、以下の主題について報告と議論を行った。①6月、田嶋美登里(早稲田大学)「西アフリカ、ベニン共和国における「和解発展プロジェクト」をめぐって」、②2017年1月、土佐弘之(神戸大学)「闘技的デモクラシーとしての移行期正義:集合的記憶の脱/再領域化のアイデンティティ・ポリティクスとの関連」。3.研究成果の一部をワセダアジアレビューを通じて公表。4.国際共同研究の進展(マックス・プランク研究所、UCLA)1.国際シンポジウムを当初の予定以上に開催することができ、国際共同研究が順調に進展した。その際、アジアの研究者との研究交流、アメリカ、ヨーロッパの研究者との研究交流が順調に進展し、グローバルな和解研究のハブとなる準備と環境が整ってきたことが最大の成果である。2.定例研究会を通じ、とりわけ、新しくアフリカにおける移行期正義の問題と、移行期正義と国際関係論の理論的な関係についての研究が進展した。その際、田嶋美登里や平井新など若手の研究者が、中心的な役割を果たし、研究をリードした。3.小林聡明による韓国、アメリカにおける史料調査で大きな進展があった。梅森直之によるUCLAの研究者との共同研究に大きな進展があった。最上敏樹によるマックス・プランク研究所ならびにパリ政治学院における共同研究に大きな進展があった。これらの活動により、それぞれの地域の学術機関との共同研究を相互に連携させて進める環境が整い、国際共同研究の幅と密度が高まった。4.『ワセダアジアレビュー』19号において、特集「選挙とレファレンダム」を企画、東アジアの選挙に関して行ったシンポジウム、調査の結果を公表した。また、シンポジウムの開催にあたっては、基本的に公開の原則で実施し、研究成果を広く社会的に還元することに努めた。1.最終年度の成果報告に向けた研究体制を強化する。とりわけ移行期正義論文データベースに関しては、今年度中の仮公開をめざす。2.定例研究会を開催し、個人と班ごとの研究成果報告に向けた準備を進める。3.これまでの国際シンポジウム等で作り上げた国際共同研究のネットワークを、最終年度の研究成果報告のなかにどのように生かしていくかを検討し、その具体的準備を進める。4.東アジアにおける歴史和解のための具体的な提言の最終版の作成に先立ち、そのパイロット版を準備する

  • 時際法(intertemporal law)と国際立憲主義

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    最上 敏樹, アンネ ペータース

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    国際立憲主義の新たな地平を開拓すべく、国際法における「時間」の意味を洗い直すための研究を行った。その手始めとして、これまでの国際法史の研究を体系的に研究し直し、それら先行研究において「正義」の要素が十分に取り込まれていないとの認識が得られた。それはまた、国際立憲主義においても欠落している要素であり、「時間」の意味と「正義」の要素とを結節させることにより、国際法史研究と国際立憲主義とを有機的に関連づけられることが確認された。資料文献研究が中心となったが、とくに平成28年後半からは、ハイデルベルクのマックス・プランク研究所に2度滞在し、有意義な共同研究を実施できた

  • 国際法の哲学的基盤

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

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    国際法および国際法学のもろもろの哲学的基盤のうち、とりわけ国際立憲主義を中軸として理論的研究を進め、基盤は概ね造成することができた。そもそもは、実定国際法のさまざまな準則がどのような哲学的・思想的背景をもって成立しているかの探求から始まったが、研究を進めるうちに国際法と国際秩序の関係性へと議論を深めることになった。同時にその過程で、国際立憲主義の可能性と限界についても考究を深め、それを歴史的な視点から洗い直すことが不可欠であるとの結論に達した。国際法の歴史的展開に関する理解を再構成するこの研究課題は、平成26年度からの新助成事業(「時際法と国際立憲主義」)へとつなげられている

  • 国際法学における立憲主義と機能主義

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    3年+1年にわたって研究会の開催や協議を通じ、この意欲的な分野の先鞭をつけてきた。とりわけ立憲主義の問題は、わが国ではこの共同研究がきっかけになって活性化したと言っても過言ではなく、わが国学界に最先端の論題を導入し、国際水準の議論ができる基盤を作ったと自負している。それと旧来の機能主義の理論枠組みをどう接合するかについても大きな展望が開けた

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