2024/12/21 更新

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コマツ シゲヒサ
小松 茂久
所属
教育・総合科学学術院
職名
名誉教授
学位
博士 ( 神戸大学 )

学歴

  •  
    -
    1987年

    大阪大学大学院   人間科学研究科   教育制度学  

研究分野

  • 教育学

研究キーワード

  • 教育行政学

 

論文

  • 障害者差別解消法と地方教育行政の役割に関する一考察

    小松茂久

    『教育行財政研究集録』(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   ( 第13号 ) 1 - 14  2018年03月

  • ニューヨーク市の首長主導教育改革の特質と課題-ブルームバーグ市政下の教育改革-

    小松茂久

    『教育行財政研究集録』(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   ( 第12号 ) 1 - 19  2017年03月

  • 新教育委員会制度について考えるー教育委員会制度研究の立場からー

    小松茂久

    関西教育行政学会編『教育行財政研究』   ( 第43号 ) 24-28  2016年03月

  • シカゴの市長主導教育改革の導入に関する一考察−ニュー・アカウンタビリティ政策との関連を中心に−

    小松茂久

    教育行財政研究集録(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   第8号   5 - 18  2013年03月

  • シカゴにおける市長主導教育改革の効果性に関する検討−教育成果と教育統治への影響を中心に−

    小松茂久

    早稲田大学大学院教育学研究科紀要   第23号 ( 23 ) 35 - 50  2013年03月

    CiNii

  • アメリカ現代地方教育統治の再編と課題−教育委員会制度の理念と実態を中心に−

    小松茂久

    早稲田教育評論(早稲田大学教育総合研究所)   第26号   1 - 20  2012年03月

  • アメリカ地方教育統治における市長直轄管理の形態に関する考察−市長と教育委員会の権限関係を中心に−

    小松茂久

    教育行財政研究集録(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   第7号   5 - 30  2012年03月

  • アメリカ現代地方教育統治の再編と課題−教育長職の理念と実態を中心に−

    小松茂久

    早稲田大学大学院教育学研究科紀要   第22号   91 - 105  2012年03月

  • アメリカの教育統治における市長直轄管理の要因に関する考察−政治的、社会的、経済的な要因を中心に−

    小松茂久

    教育行財政研究集録(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   第6号   5 - 20  2011年03月

  • アメリカの教育統治における市長直轄管理の要因に関する考察−行財政的な要因を中心に−

    小松茂久

    早稲田大学教育学研究科紀要   第21号   25 - 37  2011年03月

  • アメリカ州政府による都市の学区と学校の直轄管理に関する研究-ボルティモアの教育統治改革を中心として-

    小松茂久

    『早稲田大学大学院教育学研究科紀要』   ( 第20号 ) 43 - 55  2010年03月

  • アメリカ州政府による都市の学区と学校の直轄管理に関する研究-ペンシルバニア州フィラデルフィアの事例-

    小松茂久

    『教育行財政研究集録』(早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室)   第5号   5 - 26  2010年03月

  • 教育行政学と教育統治(ガバナンス)学

    小松茂久

    関西教育行政学会『教育行財政研究』   ( 第36号 ) 71 - 74  2009年03月

  • 「教育ガバナンス」と地方教育行政システムの再編

    小松茂久

    関西教育行政学会編『教育行財政研究』   ( 第31号 ) 63 - 66  2004年03月

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書籍等出版物

  • 「私立学校の経営と助成」高見茂他編『教職教養講座第14巻教育経営』所収

    小松茂久( 担当: 単著)

    協同出版  2017年10月 ISBN: 9784319003365

  • 「世界の教育行政と教育改革」小松茂久編『教育行政学−教育ガバナンスの未来図−(改訂版)』所収

    ( 担当: 単著)

    昭和堂  2016年03月 ISBN: 9784812212608

  • 「教育行政学のフロンティア」小松茂久編『教育行政学−教育ガバナンスの未来図−(改訂版)』所収

    小松茂久( 担当: 単著)

    昭和堂  2016年03月

  • 「首長と教育委員会-米国との比較から-」『日本教育政策学会編『日本教育政策学会年報2015新教育委員会制度と地方自治』所収

    小松茂久( 担当: 単著)

    八月書館  2015年07月 ISBN: 9784938140908

  • 「アメリカにおける首長による教育行政のtakeover」日本教育行政学会研究推進委員会編『首長主導改革と教育委員会制度-現代日本における教育と政治-』所収

    小松茂久( 担当: 単著)

    福村出版  2014年04月 ISBN: 9784571101670

  • 「日本の教育制度と行政」安彦忠彦他編『最新教育原理』

    小松茂久( 担当: 単著)

    勁草書房  2010年10月 ISBN: 9784326250677

  • 「都市の地域特性と教育統治」三上和夫他編『地域教育の構想』所収

    小松茂久( 担当: 単著)

    同時代社  2010年03月 ISBN: 9784886836694

  • アメリカ都市教育政治の研究-20世紀におけるシカゴの教育統治改革-

    小松茂久

    人文書院  2006年08月

  • 学校改革のゆくえ-教育行政と学校経営の現状・改革・課題(改訂版)

    小松茂久

    昭和堂  2005年04月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 教育における障害者差別解消の推進と自治体教育政策過程との相互関係に関する研究

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    2016年から施行されている障害者差別解消法によって、国、都道府県、市町村などの行政機関は障害者に対する「差別的取り扱い」を禁止されるとともに、「合理的配慮の提供」を義務づけられるようになった。ただし、実際には自治体による障害者差別解消をめぐる政策、施策は多様であり、教育においても自治体別に多様性が生じている。先進的に学校教育分野での障害者差別解消を推進している自治体を取り上げて、その推進要因について自治体の教育政策の形成・実施過程の特徴について明らかにする。教育政策過程に依拠して導入された地方における教育上の障害者差別にかかわる政策・行政が実効性を持つのかを解明しようとすることが本研究の主たる目的である。そこで、都道府県の障害者差別解消条例を素材として、施行年、条例名、障害や障害者の定義、不利益取扱ならびに合理的配慮の不提供の禁止は誰に対してなのか等について比較検討を行った。その際に、本研究が条例全体の研究ではなく、教育における障害者差別解消の府県での取り組みを研究するものであるから、条例に用いられる文言で「教育」「学校」「教職員」等の表現に留意して分析を進めていった。特に着目したのは、インクルーシブ教育の推進を明記している自治体である。条例の中にインクルーシブ教育を明記している自治体では、インクルーシブ教育のみならず、障害に対する理解の促進や障害児・保護者の希望・意見の尊重、専門的な人材の育成・確保・研修充実などについて言及していることが明らかとなった。本研究は障害者差別解消に関する地方教育行政機関の実態分析を主たる目的にしており、2019年度の検討によって、地方教育行政における差別解消の先進性を探る方向性を部分的ではあるが見い出すことができた。2019年度の研究成果の一部は以下の論文として公表している。小松茂久「都道府県障害者差別解消条例における教育関連条項の一考察」早稲田大学教育・総合科学学術院教育行財政研究室『教育行財政研究集録』第15号、2020年、pp.1-18。条例とインクルーシブ教育とを関連づけて分析していることから、インクルーシブ教育の概念の進展について考察を加えた。つまり、従来、特定の障害を有する人は、障害ごとに分離された学校で学んでいたが、この教育のあり方が社会の中で障害のある人に対する差別や偏見を生み出す契機にもなっていたことの反省から、人々の多様性を前提として、多様性を尊重することの大切さを自覚し、障害の有無によらない社会づくりや個人の社会参加の推進の観点から、教育の仕組みが見直されてきた。その結果、障害のある人がその持っている力を最大限に発達させて、分け隔てなく活躍できるような教育の仕組みとして、インクルーシブ教育の概念が成立してきた。こうしたインクルーシブ教育の概念を都道府県の条例の中にどのような文言で、あるいはどのような形式で組み込んで、教育行政を推進するのかについて、各自治体の政策過程を分析するための方法論を検討してきている。都道府県の差別解消条例で触れている教育関連条項の内容の分析と並んで、都道府県の対応要領の分析も進めている。障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の規定に基づき、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針に即して、教育委員会や学校以外の教育機関に勤務する職員が適切に対応するために必要な事項を定める対応要領の策定を努力義務としている。障害者差別解消条例と職員の対応要領の相互の関連性を見据えて考察を深め始めている。本年度の研究で検討対象にしたのは主に障害者差別解消条例であり、自治体での教育における障害者差別解消のための施策は条例以外に、不当な差別的取扱と合理的配慮の不提供を禁ずるために、職員の適切な対応を促すに必要な要領である「地方公共団体等職員対応要領」の策定が努力義務となっている。2019年度末時点で多くの都道府県で職員対応要領が策定されており、対応要領に含まれる教育分野での差別解消に際して、府県間にはいかなる相違があるかの検討を今後とも継続的に進めていく予定である。また都道府県では、条例の制定や対応要領の策定の外にも、差別解消に関する意識の啓発活動を進めることとなっている。障害者差別解消法で触れている障害者差別解消支援地域協議会や相談窓口の設置の実態分析やあっせんの実効性に関する分析検討も今後に推進していく予定である。その際には、文献研究と並んで訪問調査も予定している。ところが、新型コロナの蔓延によって、訪問の見通しをつけた自治体でのインタビュー調査が2020年度内に可能かどうか、感染状況しだいであることが目下のところ最も懸念される研究課題となっている

  • 政治主導教育改革のもたらす教育政策の特質に関する日米比較研究

    早稲田大学  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    小松 茂久, 阿内 春生, 植田 啓嗣, 江口 和美, 大崎 広行, 小野 まどか, 木村 康彦, 金 相奎, 栗原 真孝, 山田 朋子

     概要を見る

    わが国と米国では教育委員会ではなく首長が主導する教育改革が行われつつある。その改革は、いかなる経緯を経て、どのような特色を持つ教育政策を生み出すことになるのかについて、明らかにすることを目的として研究を進めた。その結果、わが国に関しては少子化対策、子育て環境の整備、福祉との連携などを視野に含めて首長が新規の教育政策を導入する傾向が強いのに対して、米国では市長が教育委員会による教育政策の形成を忌避して、事業の外部委託、民営化など新自由主義的な政策を推進する傾向が強かった

  • 地方分権下における教育委員会の機能変容に関する先駆的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    大野 裕己, 古田 薫, 青木 栄一, 小松 茂久, 福島 正行

     概要を見る

    本研究では、教育政策過程への民間機関の関与と教育委員会の機能変容の可能性について、アメリカを中心に考察した。第一に、同国において1980年代以降の連邦補助金制度改革に伴い学区・学校の管理運営への民間機関関与の方途が拡大し、教育行政コンサルティングを提供する民間機関が出現した経緯を明らかにした。第二に、民間機関の関与の新たなトレンドとしての教育イノベーション・クラスターの組織と、その基盤となる教育エコシステムの理論枠組みの特質を解題した。第三に、教育コンサルティングを提供する民間機関や連携先となる学区・学校への調査を行い、取組内容の実際や成果・課題、教育行政機関に与える影響について考察した

  • 米国の州と市長による教育行政の包摂と学校民営化政策の導入に関する調査研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

    小松 茂久

     概要を見る

    本研究の着想にいたった背景として、わが国の教育委員会制度の改革をめぐる議論がある。わが国の教育委員会制度の母国であるアメリカの改革動向について、特に市長主導教育改革の要因、実態、成果について検討することを目的として研究を進めた。シカゴやニューヨークなどの大都市では市長がリーダーシップを発揮して教育民営化などの教育改革を進めており、その功罪について一定程度明らかにすることができた

  • 分権化時代における教育ガバナンスと地方教育行政システムに関する理論的・実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

    白石 裕, 小松 茂久, 白川 優治, 栗原 真孝, 澤里 翼, 時田 詠子, 阿内 春生, 小野 まどか, 下舘 和章

     概要を見る

    本研究は、地方自治体における教育政策の形成過程に、多数のアクターが関与し、その相互作用によって教育政策が形成される過程を教育ガバナンスの分析枠組みに基づいて検討した。2010年5月~8月に全国1750市区町村(2010年4月1日現在悉皆)を対象にアンケート調査を実施した。その結果、市区町村の教育ガバナンスにおいては教育行政アクターが中心的役割を果たしていた。また教育ガバナンスを構成する各アクターは政策課題によって発揮しうる影響力に差が見られた

  • 米国の州政府主導による公立学区と学校の直轄管理に関する調査実証研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

    小松 茂久

     概要を見る

    米国において歴史的に公立学校教育統治の主体であった学区が撤退して、替わって州や市長が直接的に乗り出す事例が見られるようなっている。この直轄管理の動向についての要因と事例分析を行った。その結果、この改革は教育委員会制度の存在そのものの抜本的な再検討を迫る可能性を内包するとともに、今後の地方教育統治の在り方の多様化を示唆するものであることが明らかとなった

  • 米国連邦NCLB法下での公教育ガバナンスの変容に関する教育法政策学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2008年
     

    青木 宏治, 坪井 由実, 新井 秀明, 添田 久美子, 山下 晃一, 高野 良一, 小松 茂久, 中田 康彦

     概要を見る

    アメリカのNCLB法によって学力テストおよび成績評価向上策が実施されている。2004年から各州、学区、学校から成績、向上値などが公表され、検証されているが、教師、親はそれによるストレス、歪みも感じて、公教育の向上だろうか、との疑問も出されている。いくつかの州、学区、学校の実情を調査し、また、検証研究について調査した。2009年のオバマ政権によるNCLB法の改正の方向も明らかにした

  • 学校の民営化における「効率性」と「公正性」に関する総合的研究医術

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    榊 達雄, 篠原 清昭, 三上 和夫, 小島 弘道, 小松 茂久, 窪田 眞二, 坪井 由実, 中嶋 哲彦, 笠井 尚, 武者 一弘, 大野 裕己, 篠原 清昭, 三上 和夫, 小島 弘道, 小松 茂久, 窪田 眞二

     概要を見る

    本研究では、学校の民営化を「学校の設置・経営・運営形態の変更の現象」と狭義に定義し、教育政策の政治過程の分析、教育特区の事例分析、株式会社に対する教育市場への参入可能性を検証する意識調査、諸外国(アメリカ・イギリス・中国・ロシア・オーストラリア・ドイツ)における教育政策の分析と事例分析をとおして、学校の民営化の進行状況とその実態と課題を明らかにした

  • 米国の市長主導の教育改革と市長部局による教育行政の包摂に関する調査実証研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

    小松 茂久

     概要を見る

    本報告書は以下の構成から成っている。第一に本研究の意義・目的・経緯、第二に地方自治体の教育政策策定過程における教育委員会の役割、第三にアメリカ地方教育統治の動向と課題、第四にアメリカの教育統治の変質と教育行政研究の課題、第五に教育への市長のリーダーシップと参加である。第一では、本研究の意義ならびに目的および、研究経費、研究発表の概要について記述した。第二および第三は、アメリカの地方教育委員会制度の実態と課題、市長による直轄管理改革の背景と目的、直轄管理の方法・影響ならびに批判について言及し,この動向がアメリカの連邦・州・地方の三層構造の抜本的再編をもたらす可能性を示唆した。それのみでなく、わが国において教育委員会再編論が活発化しており、論争に対して貴重な一石を投じることになる点について言及した。同時に、既存の教育委員会制度を前提としたわが国の地方教育行政研究に対しても貴重な示唆を与えることについて論究した。第四では、市長による直轄管理が公立学校の民営化を随伴しており、民営化ならびに学校選択の推進に顕現される政策の推進が教育行政研究に与える影響について論じた。最後に全米市長会が発行した市長による直轄管理推進のための重要な論拠を示す文書の邦訳を掲載した。この文書内ではコラムにおいて、個別の都市の市長自身が直轄管理の推進の根拠について明快に論じているだけでなく、全体的に、市長は直轄管理のメリット・デメリットを十分に理解した上で同政策を積極的に推進することの意義が示されており、潜在的な影響力を内包した文書であると判断できる

  • 株式会社立学校の設置と経営の現状に関する比較調査研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

    上田 学, 小松 郁夫, 小松 茂久

     概要を見る

    近年の内閣府による特区政策により新たに登場した「株式会社立学校」のあり方を検討するため、海外での実例ならびに国内での実態を対象とした調査研究を実施した。研究の成果は以下の通りである。(1)英国の場合、通常の学校において「学校理事会」が設置され、学校運営に責任を負っているのにたいし、会社立学校では本社が統合的に経営の情報を管理し、本社の果たす役割が極めて大きい。しかし個々の学校の実情や要望の入手につとめ、不断のコミュニケーションを基礎に各校と本社の連携を密にする努力を行っている。(2)中国(大連)の場合には、校長と本社との協力関係によって、経営目標の達成につとめるという手法がとられている。学校を経営する理事会における校長の役割は大きく、また理事会との信頼関係によって、経営は順調に進捗している。(3)日本の事例として、朝日塾学園をとりあげたが、そこでは独自にカリキュラムを開発し、生徒募集と学力の向上に努めている。完成年度には至っておらず、また当分は収支状況の改善は期待できないものの、経営努力と学校の実績を上げることによって経営の安定化を図っている。(4)いずれにせよ、会社が学校を経営するということには格別の支障があるとは考えられず、また経営の効率化と実績の確保という二つの命題がともに追究されているという実態が確認できた。ついで、経営者の姿勢やそれを支える理念と校長の実務的努力が無視できない要素であることも調査研究の結果明らかになった

  • 現代アメリカにおける学校統治と学校責任の調査実証研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2002年
    -
    2004年
     

    高野 良一, 青木 宏治, 坪井 由実, 中嶋 哲彦, 小松 茂久, 本多 正人, 岩永 定, 山下 晃一

     概要を見る

    この研究プロジェクトは、アメリカ合衆国の現地調査を踏まえて、実証的に学校改革の日米比較を行う目的で組織された。研究仮説として、学校改革の二つの類型を設定した。第1のタイプとして学校参加・内在的責任型、第2のタイプとして教育市場・外在的責任型である。特筆すべき研究成果は、1990年以降、日本では学校参加と外在的責任をミックスした第3の改革類型が、大きな潮流になってきたことを認識できたことである。もちろん、仮説で提起した二つの類型の改革も、規制改革の推進とその批判という枠組みの中で、教員組合をはじめとする民間や政党、そして政府系審議会において、政策や運動として推進された。しかし、主なる制度化は、2001年の学校評議員制度から2004年の学校運営協議会制度への展開であり、これはまさに第3の類型の現実化である。3つの類型をアメリカの制度改革に即していうと、第1類型の典型はシカゴ学校改革であり、第2の類型はチャータースクールと教育バウチャー制度である。ところで、連邦や州によるアカウンタビリティ政策の中で、第1類型であるシカゴ改革にも外在的責任の要素が付加され、日本の第3類型に類似してきている。そうした中で、学業達成などの成果を上げるためにも、学校内部のソーシャル・キャピタル、特に信頼という資産が不可欠であることが明らかにされた。また、チャータースクールについては、日本ではその肯定と否定に2分されているが、事例分析を通じて類型化をおこない、また、教育バウチャーについてもクリーブランドの事例を取り上げて、教育法的検討を加えたことは、従来の研究の空白を埋めるものである。以上の成果は、第2年度の中間報告書と第3(最終)年度の最終報告書という形で、公表されている

  • 高校中退生徒の在学中の意識構造の特質と環境条件に関する調査研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1989年
    -
    1991年
     

    金子 照基, 榊原 禎宏, 小松 茂久

     概要を見る

    3年間にわたる本研究を通じて、以下のようないくつかの知見を獲得し、また今後の研究課額を整理することができた。まず、結果として中退した生徒の在学中の意識的特性は、ただ学校生活に対する否定的あるいは消極的姿勢によって示されるだけでなく、そうした彼らの態度を基底的に支える自己評価意識が大きく関わっていることが、明らかとなった。つまり、中退した生徒の多くは、高校進学自体や現在通う高校での諸活動への参加意欲が低いということに加えて、学校で前提的な要求される、継続的な努力志向や、勉学に対する目的意識を十分に用意することができず、このことが原級留置措置を受けやすい要因となり、年度末には退学するパタ-ンが多いことを確認できた。また、彼らの友人関係や進路意識に関わっても、従来とは異なった中退者像を認めることができた。それは、どちらといえば学校生活に消極的で学校での行動も控え目な生徒が中退しやすいのではないか、というイメ-ジを転換させるものであった。中退した生徒の少なくない部分は、学校外活動に積極的で、友人関係も盛んであると認識している。また彼らの多くは、自己主張が強く、そのための行動を惜しまないとも理解できる。こうした彼らの意識特性は、現在の学校が彼らを受け入れる素地をあまり有していないことの証左として見ることもできる。つまり、準義務教育機関化している現在の高校ではあるが、その教育機能の相対化を発想の上でも図らなけれればならないかということである。以上の考察および分析を通じて、従来描かれてきた姿とは異なった中退者像を抽出することができたが、それは全体として曖味であり、高度に妥当な指標を発見しえたわけではない。このことは、より計画された調査表を作成することよって解決できる部分のあることを予想できるが、他方、中退群の識別そのものがどの程度可能なのかについて、再検討すべきことも確かである。つまり、彼らの意識特性が彼らの置かれている環境との関連でいかに規定されているのかの分析を欠いては,総体としての中退者像を確定することができず、その意味で、彼らの学校生活を中心とする実態の把握が課題とされている

  • 政治主導教育改革のもたらす教育政策の特質に関する日米比較研究

    早稲田大学 

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特定課題制度(学内資金)

  • 地方自治体による教育関連の障害児(者)差別解消政策の研究

    2019年  

     概要を見る

    2019年末までに制定・施行されている都道府県の障害者差別解消条例について、施行年、条例名、障害や障害者の定義、不利益取扱ならびに合理的配慮の不提供の禁止の名宛て人などについて比較検討を進めるとともに、教育分野に特化して差別解消条例の特徴を比較検討した。便宜的措置として、「教育」「学校」「教職員」等の文言を含めている33の自治体を抽出して差別解消に関わる教育行政の方向性を探ることを試みた。その結果、本研究が障害者差別解消に関する地方教育行政機関の実態分析を主たる目的にしていることから、上記の分析によって差別解消の先進性を探る方向性を部分的に見い出すことができた。

  • 米国の市長主導教育改革と教育民営化の研究

    2016年  

     概要を見る

    本研究課題に即した調査研究によって得られた知見をまとめると以下の通りとなる。2014年にわが国では地方教育行政法が改正され、首長による教育長の任命権付与、総合教育会議の設置などを通して、首長の権限が強化され、首長による教育の政治的中立性の侵害が懸念されている。アメリカのいくつかの都市学区でも市長が教育統治を直接に掌握して、市長主導で教育改革が進められつつある。本研究ではニューヨーク市を事例にブルームバーグ市政下の教育統治改革、教育の内容と方法の改革、校長養成の新方法などを中心として、ニューヨークでの訪問調査結果も踏まえて、首長主導教育改革の意義と課題について検討し、その成果を研究論文として公刊した。

  • 米国における首長主導教育改革による教育民営化政策の導入に関する研究

    2014年  

     概要を見る

    米国における首長と教育委員会との権限関係の再編について、ニュー・パブリック・マネージメントおよび教育民営化の観点から研究を進めた。日米比較の視点からは両国の地方自治法制の相違に留意しなければならず、米国については地方学区と教育委員会との権限関係の歴史と実態を整理しておくことが必須であり、それに留意しながら研究を進めた。そして今日の首長による教育統治掌握の歴史的位置づけと、それが教育行政・教育統治にもたらす含意を、ニュー・パブリック・マネージメントの導入と教育における専門性確保の観点から検討し、日本教育政策学会年報第22号(2015年7月刊)に論文が掲載される。