2024/11/22 更新

写真a

フクシマ ヨシヒコ
福島 淑彦
所属
政治経済学術院 大学院政治学研究科
職名
教授
学位
Ph.D. ( スウェーデン王立ストックホルム大学 )

学歴

  •  
     
     

    慶應義塾大学   経済学研究科 前期博士課程   理論経済学  

  •  
     
     

    慶應義塾大学   経済学部  

  •  
     
     

    スウェーデン王立ストックホルム大学   経済学研究科   Economics  

所属学協会

  • 2002年10月
    -
    継続中

    北ヨーロッパ学会

  •  
     
     

    社会政策学会

  •  
     
     

    日本経済学会

  •  
     
     

    European Association of Labour Economists

研究分野

  • 公共経済、労働経済   社会保障論 / 経済政策 / 理論経済学   労働経済学

研究キーワード

  • 北欧諸国

  • スウェーデン

  • 積極的労働市場政策、障害者雇用 Transparency 正規労働、非正規労働、解雇法制、若年雇用

 

論文

  • スウェーデンの障害者労働市場

    福島 淑彦

    北ヨーロッパ研究   15  2019年07月  [査読有り]

  • スウェーデンにおける再雇用支援

    福島 淑彦

    日本労働研究雑誌   61 ( 5 ) 57 - 69  2019年05月  [招待有り]

  • Employment of Persons with Disabilities in Sweden

    福島 淑彦

    Global Business & Economics Anthology   I   54 - 63  2019年03月  [査読有り]

  • The Size of Government, Bribery and Labour Market

    福島 淑彦

    Global Business & Economics Anthology   I   34 - 44  2018年03月  [査読有り]

  • Public Sector Size and Corruption

    福島 淑彦

    Japanese Journal of European Studies   4   30 - 39  2016年03月  [査読有り]

    CiNii

  • Flexibility of Human Resource Portfolio and Labour Market

    福島 淑彦

    Global Business & Economics Anthology,   I   92 - 101  2015年03月  [査読有り]

  • Technological Progress and Labour Market Outcomes

    福島 淑彦

    Global Business & Economics Anthology   I   98 - 107  2014年03月  [査読有り]

  • Employment Subsidy Programmes and Training Progarammes

    福島 淑彦

    Global Business & Economics Anthology     200 - 209  2012年03月  [査読有り]

  • 諸外国における職務評価を通じた均等賃金促進の取り組みに関する調査

    福島 淑彦

    JILPT資料シリーズ   107   7 - 23  2012年03月

  • Macroeconomic Shock and Labour Market Programmes

    Yoshihiko Fukushima

    INTERNATIONAL CONFERENCE ON APPLIED ECONOMICS (ICOAE)   1   138 - 147  2012年  [査読有り]

     概要を見る

    The paper presents a theoretical analysis of macroeconomic effects of employment subsidy programmes and training/education programmes when the economy faces a macroeconomic shock. Wages and employment are determined by the intersection of demand curves and wage-setting schedules. The wage curve is derived from the Shapiro-Stiglitz efficiency-wage model. Employment subsidy programmes decrease the risk of being unemployed and tend to keep the welfare of workers. Training programmes upgrade labour skill and tend to transfer labour from a low-productivity to a high-productivity sector. Both programmes tend to increase the welfare of workers. However, the macroeconomic impacts of these two programmes on wages and labour productivity are different. The paper investigates and compares the macroeconomic influences of subsidised employment programmes and training/education programmes in a dual labourmarket framework. (C) 2012 Published by Elsevier Ltd. Selection and/or peer-review under responsibility of the Organising Committee of ICOAE 2012

    DOI

  • サムハル(Samhall) - スウェーデンにおける保護雇用の取り組み

    福島 淑彦

    Business Labour Trend   2011.3   58 - 63  2011年03月

    CiNii

  • ワーク・ライフ・バランスに関する企業の自主的な取り組みを促すための支援策ーフランス・ドイツ・スウェーデン・イギリス・アメリカ比較ー

    福島 淑彦

    JILPT資料シリーズ   No. 84   47 - 61  2011年03月

  • 雇用保護法制と労働市場

    福島 淑彦

    早稲田大学 政治経済学雑誌   380 ( 380 ) 37 - 59  2011年03月

    CiNii

  • Self-Employment and Labour Market Outcomes

    Yoshihiko Fukushima

    Waseda Journal of Political Sceience and Economics   No.378-379 ( 378 ) 129 - 138  2010年10月

    CiNii

  • 解雇法制と労働市場

    福島 淑彦

    早稲田大学 政治経済学雑誌     2 - 9  2010年03月

  • Employment Protection Legislation and Labour Market Outcomes

    Yoshihiko Fukushima

    Global Business & Economics Anthology   Volume I, March 2010 ( 377 ) 258 - 267  2010年03月

    CiNii

  • スウェーデンの家族政策 〜負担と給付の視点から〜

    福島 淑彦

    スウェーデン医療保険に関する研究 【2008年版】     151 - 166  2009年03月

  • Non-regular Employment and Labour Costs

    Yoshihiko Fukushima

    早稲田大学大学院 公共経営研究e   第一号   1 - 17  2008年10月

    CiNii

  • 雇用補助金は若年失業対策として有効か?

    福島 淑彦

    NUCB Journal of Economics and Information Science   51 ( 2 ) 197 - 208  2007年03月  [査読有り]

     概要を見る

    本論文は、積極的労働市場政策 (active labour market programmes) の一つである雇用補助金のマクロ経済効果について理論的分析を行っている。企業が新たに失業者を雇い入れた場合に支払われる雇補助金は、北欧諾国では近年、若年失業者対策として最も有効な政策の一つであると認識されている。一般に、若年失業者は雇用期問が短期で、労働者としてのスキル (熟練度) が十分ではないため、再就職が困難である。未熟練な若年労働者のスキルアップ (熟練度の向上) のためには、仕事の場をはなれての職業訓練・教育を行うOffJT (off the job training) と企業で働きながら行うOJT (on the job training) とがある。雇用補助金は若年失業者の雇用拡大と働きながらスキルアップがなされるOJTを促進するものと考えられる。本論文は若年失業者対策としての雇用補助金のマクロ経済効果について一般均衡モデルを用いて理論的に分析を行っている。

    CiNii

  • Youth Employment and Employment Subsidy Programmes

    Yoshihiko Fukushima

    Global Business & Economics Anthology   Volume II   236 - 237  2006年12月  [査読有り]

  • 完全雇用とノルウェー労働市場

    福島 淑彦

    NUCB Journal of Economics and Information Science   Vol. 50 ( No.2 ) 165 - 182  2006年03月

     概要を見る

    本論文は完全雇用を達成してきたノルウェー労働市場を概観し、完全雇用を実現させたノルウェーの賃金決定システム及び労働市場政策について検証している。ノルウェーにおける賃金決定は、第2時世界大戦以後一貫して全国レベルでの労使間賃金交渉によって特徴付けられてきたが、近年は地域レベル或いは産業レベルの交渉へと移行している。その結果、労働者間の賃金格差が拡大している。また1980年代後半の景気後退移行、ノルウェーでは雇用政策の重点を受動的労働市場政策(passive labour market programmes) から積極的労働市場政策(active labour market programmes) へと移しており、これが雇用の増大、失業の減少、延いては「完全雇用の維持」に大きく貢献してきた。さらに、ノルウェーの基幹産業である石油や天然ガスから得られる巨額の収益がノルウェーの完全雇用の実現に大きく寄与してきたことについても本論文は考察を加えている。

    CiNii

  • 教育・訓練と若年失業

    福島 淑彦

    NUCB Journal of Economics and Information Science   Vol. 50 ( No.1 ) 105 - 119  2005年09月

     概要を見る

    本論文は、積極的労働市場政策の若年失業者向けプログラムがどのようなマクロ経済効果を有しているかについて一般均衡モデルを用いて理論的に分析している。理論モデルは二部門モデルで、各部門の賃金及び雇用量は労働需要曲線と賃金曲線によって決定される。モデルでは若年失業者向け教育・訓練プログラムの拡大・充実が、熟練労働者の増加、未熟練失業者の減少、さらには経済全体の総雇用量の増加 (総失業者数の減少) をもたらすことが分析されている。また、社会的厚生水準を最大にする教育・訓練プログラムの規模についても分析を行っている。

    CiNii

  • 中国の二重労働経済と経済発展

    福島 淑彦

    NUCB Journal of Economics and Information Science   49 ( 2 ) 323 - 338  2005年03月  [査読有り]

     概要を見る

    近年、中国において農村から都市への労働移動が増加し続けている。その要因として、経済格差の拡大、農村での過剰労働力の存在、政策の転換、拝金主義の浸透などがある。都市・農村間の労働移動は、都市・農村間の経済格差の縮小や農村における過剰労働力による経済的・政治的圧力の緩和などに貢献している。しかし同時に、治安の悪化、エネルギー不足、都市社会インフラ不足といった負の影響も及ぼしている。中国政府はこういった弊害を懸念し、人口移動を抑制する政策をこれまでとってきた。本論文は経済学的な視点から、政府が行う労働移動抑制政策がどのようなマクロ経済効果を有するのかについて分析を行っている。理論モデルを用いた分析から、労働移動抑制政策の強化が必ずしも都市の失業を減少させる方向に導くわけではなく、かえって都市の失業率を上昇させることを示している。

    CiNii

  • 若年失業と積極的労働市場政策

    福島 淑彦

    NUCB Journal of Economics and Information Science   49 ( 2 ) 303 - 338  2005年03月  [査読有り]

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書籍等出版物

  • スウェーデンのフェアと幸福

    福島, 淑彦( 担当: 単著)

    早稲田大学出版部  2022年09月 ISBN: 9784657220134

  • 首都直下地震 被害・損失とリスクマネジメント

    福島 淑彦( 担当: 単著)

    早稲田大学出版会  2019年06月

  • 福祉社会へのアプローチ(下巻)

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 社会の透明性と北欧社会)

    成文堂  2019年06月

  • 日本・スウェーデン交流150年 足跡と今、そしてこれから

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第5章「スウェーデン企業と日本」 第6章「スウェーデンの財政と税制」)

    彩流社  2018年04月

  • 選挙ガバナンスの実態 世界編 ~その多様性と「民主主義」の質への影響~

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第8章「北欧諸国における選挙ガバナンス——なぜ選挙違反が発生しないのか」)

    ミネルヴァ書房  2017年03月

  • スウェーデン・モデル

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第8章「スウェーデンの税制と企業活動」)

    彩流社  2016年01月

  • 北欧学のフロンティア

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第21章「北欧の労働市場」)

    ミネルヴァ書房  2015年01月

  • 世界の保育保障

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第2章 保育政策の経済分析)

    法律文化社  2012年02月

  • 少子化政策の新しい挑戦

    岡沢憲芙, 福島淑彦他( 担当範囲: 第1章 「少子化の政治経済学」)

    中央法規  2010年04月 ISBN: 9784805849170

  • ノルウェーの経済

    岡沢憲芙, 福島淑彦他

    早稲田大学出版部  2004年11月 ISBN: 4657049275

  • ノルウェーの政治

    岡沢憲芙, 福島淑彦他

    早稲田大学出版部  2004年11月 ISBN: 4657049267

  • 経済学の進路

    大山道広, 福島淑彦, 嘉治佐和子, 柳川範之, 白井義昌, 津曲正俊他

    慶応義塾大学出版会  2004年03月 ISBN: 4766410602

  • Imperfect Competition in International Trade

    福島 淑彦( 担当: 分担執筆,  担当範囲: Ch.12 Endogenous Dualistic Structure, Marshallian Externalities, and Industrialization)

    Kluwer Academic Publishers  1995年

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講演・口頭発表等

  • 障害者の雇用と社会厚生

    福島淑彦

    社会政策学会第143回全国大会  

    発表年月: 2021年10月

    開催年月:
    2021年10月
    -
     
  • スウェーデンにおける障害者労働市場と労働市場政策

    福島淑彦

    北ヨーロッパ学会  

    発表年月: 2018年11月

    開催年月:
    2018年11月
    -
     
  • 社会の透明性に影響を及ぼす要因は何か?

    福島淑彦

    社会政策学会第137回全国大会  

    発表年月: 2018年09月

    開催年月:
    2018年09月
    -
     
  • Bribery and Labour Market

    Yoshihiko Fukushima

    社会政策学会第34回全国大会  

    発表年月: 2017年05月

    開催年月:
    2017年05月
    -
     
  • Rents, Corruption and Labour Market

    Yoshihiko Fukushima

    World Conference on Business and Management (WCBM) 2016  

    発表年月: 2016年06月

    開催年月:
    2016年06月
    -
     
  • 労働市場の制度と労働市場政策

    発表年月: 2010年10月

  • Self-Employment and Labour Market Outcomes

    発表年月: 2010年08月

  • 創業・起業支援政策と雇用

    発表年月: 2010年06月

  • Employment Protection Legislation and Labour Market Outcomes

    発表年月: 2010年01月

  • 北欧諸国における労働市場政策と労働規制

    発表年月: 2009年05月

  • Non-regular Employment and Labour Costs

    発表年月: 2008年10月

  • 北欧諸国における若年労働者向け労働市場政策

    発表年月: 2008年05月

  • 正規・非正規雇用と雇用コスト

    発表年月: 2008年05月

  • 賃金、正規・非正規雇用と失業

    発表年月: 2007年10月

  • Youth Unemployment and Employment Subsidy Programmes

    発表年月: 2006年07月

  • 若年失業と雇用補助金

    発表年月: 2006年05月

  • 積極的労働市場政策と若年失業問題

    発表年月: 2005年05月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • スウェーデン企業から学ぶ障害者の「雇用の量」と「雇用の質」に関する理論研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    福島 淑彦

     概要を見る

    本研究の目的は、障害を持つ労働者(以下、「障害者」と記す)の雇用に関するスウェーデン企業の取り組みを検証することによって、日本企業による高い水準での障害者の「雇用の量」と「雇用の質」を同時に実現するために必要な障害者向けの職種、働き方、人事管理制度を導出することである。
    2021年度は、2020年度の行った特例子会社に関する情報のアップデートと新たに設置された特例子会社 (2020年6月時点で544社、2021年6月時点で562社)に関する情報整理を、ホームページや有価証券報告書などの公開情報(資料)を基に行った。特例子会社によって、公開されている情報にばらつきがあるため、メール等で問い合わせを行い情報収集に努めた。その上で、特例子会社の所在地域(都市部、地方)、障害者との雇用形態、障害者が従事している職種、障害者の賃金水準や福利厚生の状況、障害者に関する雇用管理制度、などについて、特例子会社の全体像が把握できるような俯瞰図を作成した。さらに、東京近郊で特色のある障害者雇用を行っていると思われる特例子会社を数社訪問し、インタビュー調査による質的調査を行うと同時に、公開情報の特例子会社の状況と実際の状況に乖離があるのかどうかを確認する作業を行った。
    スウェーデン企業については、ホームページ、Annual Report、emailによる問い合わせなどによって情報の整理を行った。しかし、コロナ禍の影響で、当初計画していたスウェーデン企業へのインタビュー調査やアンケート調査を進めることができなかった。
    また、障害者雇用と社会厚生に関する理論モデルを構築した。同モデルで、障害者を雇用することが社会の総生産量を増加させ、社会厚生水準を高める可能性があることを示した。

  • スウェーデンとフィンランドの障害者政策から導出する障害者雇用拡大に関する理論研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

    研究期間:

    2019年10月
    -
    2023年03月
     

    福島 淑彦

  • スウェーデン社会の透明性の分析から導出する腐敗・汚職と公共部門に関する理論研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

    福島 淑彦

  • 選挙ガバナンスの比較研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2015年03月
     

  • 雇用創出と雇用安定のための創業・起業支援政策に関する理論研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

    福島 淑彦

     概要を見る

    日本及びスウェーデンでのヒアリング調査の結果判明したことは、以下の通りである。日本では各省庁が独立に創業・起業に関するサポートを行っており、創業・起業後の事業継続率(存続率)が低く政策効果が高くはない。一方、スウェーデンでは資金的な支援策や創業・起業に関するノウハウについての情報が一本化されており、創業・起業後の事業継続率(存続率)が非常に高く政策効果が高い。理論モデルでは、創業・起業支援プログラムは、失業者に創業・起業を促すと同時に、企業で雇われている労働者が離職して創業・起業を行うことを促進させる。経済全体では雇用を増加させ、失業を減少させる効果が存在することを示した。

  • 正規・非正規雇用間処遇格差是正のための労働市場政策と労働法制に関する理論研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2008年04月
    -
    2011年03月
     

    福島 淑彦

     概要を見る

    本研究の理論モデルから導き出された結論は、厳しい解雇規制と低い失業手当という組み合わせが社会的厚生水準を最大にするということである。但し、この帰結は解雇規制の厳しさと労働者の離職率がトレード・オフの関係にあるという仮定に依存している。仮に、解雇規制の厳しさと労働者の離職率との間にトレード・オフの関係が成立しないならば、解雇規制が全く存在しない時に雇用労働が最大となり、社会的厚生水準は最大となることを本研究の理論モデルで示した。

  • 若年失業者対策としての積極的労働市場政策の政策効果に関する理論分析

    科学研究費助成事業(名古屋商科大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2005年04月
    -
    2008年03月
     

    福島 淑彦

     概要を見る

    平成17年度から平成19年度の3年間継続的に行ったスウェーデン、ノルウェー、デンマークの若年層向け労働市場政策に関する実態調査・研究から、すべての調査対象国で、「雇用補助金プログラム」が若年失業者対策として総合的に最も有効な政策であるという回答を得た。さらに、プログラムの効果、つまり、プログラムが若年失業者の雇用を後押ししているということが容易に確認できるという点から「雇用補助金プログラム」が政策担当者にも好まれている。本研究では、理論モデルを構築し、教育・訓練プログラム、雇用補助金プログラムのマクロ経済効果について一般均衡分析を行った。理論モデル分析では、両プログラムとも若年失業を減少させ、若年雇用を含めた社会全体の雇用の拡大を促すと結論付けている。また、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの若年労働者向けプログラムに関する実証研究のサーベイを行い、多くの研究で雇用補助金プログラムが若年労働者の失業期間の短縮、就職へのスピードアップ、就職確率、プログラム終了後の所得等にプラスの効果を有していることを確認した。一方、教育・職業訓練プログラムについては、「封じ込め」効果(lock-in effect)もあり、必ずしも若年労働者の失業期間の短縮と就職へのスピードアップを促すものではない。但し、労働者のスキルアップを図る教育・職業訓練プログラムは長期的には若年失業者の労働市場における将来の見通しを明るくするものである。以上の研究結果を踏まえ、日本の若年雇用対策として雇用補助金プログラムを充実させることが最も有効であると考える。また、雇用補助金プログラムの有効性を補完し、その効果を高めるために教育・職業訓練プログラムによる若年労働者のスキルアップが欠かせない。つまり、本研究の結論は、雇用補助金プログラムと教育・職業訓練プログラムを組み合わせたプログラムを充実させることが日本の若年失業改善の政策として最も必要かつ有効であるということである。

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Misc

  • Youth Employment and Wage Subsidy

    福島 淑彦

    NUCB journal of economics and information science   51 ( 1 ) 75 - 87  2006年09月

     概要を見る

    The paper presents a theoretical analysis of macroeconomic effects of wage subsidy programmes for young workers. Subsidised employment is an important and effective tool of active labour market programmes to improve the chances to be hired for unemployed workers, especially for the young unskilled unemployed. One of the main reasons why young workers have difficulties in finding decent work opportunities is that their skills are not good enough to be employed. To upgrade labour skill, there are several ways, such as off-the-job training / education and on-the-job training. Wage subsidy programmes encourage the hiring of young unskilled workers and upgrade young workers' skills at the same time. The paper examines the macroeconomic effects of subsidised employment programmes targeted on young workers in a general equilibrium framework.

    CiNii

  • Active Labour Market Programmes and Unemployment in a Dual Labour Market

    福島 淑彦

    NUCB journal of economics and information science   49 ( 1 ) 141 - 166  2004年07月

     概要を見る

    The paper presents a theoretical analysis of the macroeconomic effects of active labour market programmes in a dual labour-market framework. The paper uses the Shapiro-Stiglitz effciency -wage model. Active labour market programmes train unskilled labour and transfer them from a high-unemployment to a low-unemployment sector. Programmes have a direct labour-transfer effect which tends to reduce total uneployment. They also have effects on wages via expectations. The latter effcts were to a very large extent neglected in earlier discussions of active labour labour-market policy. The model formally identifies and defines the effects on wages via expectations. The net signature of the latter effects depends on how programmes are targeted. In general, the net effect on unemployment is ambiguous. The model explains the conditions under which active labour market programmes reduce aggregate unemployment.

    CiNii

  • Taxes, Employment, and Social Welfare Services : An Analysis of International Spillover Effects

    福島 淑彦

    NUCB journal of economics and information science   48 ( 2 ) 247 - 263  2004年03月

     概要を見る

    The paper presents a theoretical analysis of the macroeconomic effects of the labour tax reduction in a two-country general equilibrium framework. Both labour and goods markets are imperfectly competitive. Wages are determined by monopoly unions. A change in the labour tax rate in one country gives rise to international spillover effects on the other country. The model formally identifies and analyses spillover effects via both the terms of trade and capital reallocation. A reduction in the labour tax rate in the domestic economy leads to a reduction in wage costs for employers in the private sector. As a result, private-sector employment is increased in the domestic economy. A spillover effect via the terms of trade tends to increase employment in the foreign country, whereas an effect via capital reallocation works in the opposite direction. The former effect, however, dominates the latter and thus employment tends to increase in the foreign country. Policy coordination leads to a lower tax rate, higher private-sector employment, and a smaller supply of social welfare services.

    CiNii

 

現在担当している科目

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社会貢献活動

特別研究期間制度(学内資金)

  • スウェーデン社会の透明性の分析から導出する 腐敗・汚職と公共部門に関する 理論研 究

    2017年03月
    -
    2019年03月

    Swedem   Stockholm University

他学部・他研究科等兼任情報

  • 政治経済学術院   政治経済学部

  • 政治経済学術院   大学院経済学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 政治経済学術院   大学院公共経営研究科

特定課題制度(学内資金)

  • 北欧諸国の障害者雇用政策から導出する障害の特性と仕事の特質に関する理論研究

    2021年  

     概要を見る

    スウェーデンとフィンランドでは如何にして障害者の雇用率を高めているのかを文献調査、聞き取り調査を通じて明らかにしようと試みた。判明したことは、(i)障害者の雇用の安定(継続)には障害者と雇用主とのマッチングが重要であること、(ii)マッチングを高めるには障害者が就職活動を行う際のジョブコーチの役割が重要であること、(iii)雇用補助金が障害者を雇用しようとする雇用主のインセンティブ高めていること、である。また、スウェーデンでは障害者雇用政策が国として展開されているのに対して、フィンランドでは自治体が独自に展開している障害者雇用の促進・支援プログラムの比重が大きいということも判明した。

  • Samhallの障害者雇用促進効果に関する理論研究

    2020年  

     概要を見る

    2020年は、Samhallを通じて働いている障害を持つ労働者のWell-beingについて検証を行う予定であった。しかし、コロナ禍の影響でSwedenを訪問してSamhallで働く障害を持つ労働者に対して直接インタビュー調査等を行うことができなかった。代替策として、Zoom等を利用してStockholmのSamhall本社で障害を持つ労働者の職業斡旋等をサポートしている職員に対して、労働者のWell-beingを中心にインタビュー調査を行った。加えて、Samhallから提供された資料を分析することを中心に研究を進めた。調査の結果、Samhallから一般企業へ就職した労働者のWell-beingの方がSamhall内で働いている労働者よりも高いであろうことが判明した。

  • スウェーデンの障害者雇用政策から導出する障害者雇用拡大に関する理論研究

    2019年  

     概要を見る

    スウェーデンの障害者労働市場及び労働市場政策の過去及び現在の状況について資料・文献調査を行った。加えて、(i) スウェーデンで障害者の労働市場政策を担っている中心省庁である雇用省 (Arbetsmarknadsdepartementet)、(ii) 実際に障害者に職業訓練や職業紹介の斡旋業務を行っている公共職業安定所(Arbetsförmedlingen)、に対してインタビュー調査を行い、障害者の就業意識や求職活動の状況を明らかにすることを試みた。

  • Samhallの障害者雇用促進効果に関する理論研究

    2019年  

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    2019年度は、2018年度に引き続き、StockholmにあるSamhall本社を訪問しSamhallによる障害者支援の実効性について、担当者及びSamhallで雇用されている労働者に対してインタビュー調査を行った。また、Samhallの労働者がどのように働いているのかを、Samhallからの派遣先に行き、労働者の実際の働きぶりを視察した。加えて、スウェーデンの障害者雇用政策の中でSamhallがどのような位置付けで運営されてきているのかを資料・文献調査をおこなうことによって整理した。

  • Samhallの障害者雇用促進効果に関する理論研究

    2018年  

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    本研究は、スウェーデンの障害者雇用政策の中でも特にユニークな取り組みである「Samhall」に着目し、Samhallにおける障害者雇用促進政策がどの程度障害者の就職に有効に機能しているのかを明らかすることを目的としている。2018年度はStockholmにあるSamhall本社を訪問しSamhallによる障害者支援の実効性についてインタビュー調査を行った。加えて、スウェーデンの障害者雇用政策がどのような形でこれまで展開されてきたのかを資料・文献調査をおこなうことによって整理した。

  • Samhallの障害者雇用促進効果に関する理論研究

    2017年  

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    本研究では、スウェーデンの障害者雇用政策の中でも特にユニークな取り組みである「Samhall」に着目し、Samhallにおける障害者雇用促進政策がどの程度障害者の就職に有効に機能しているのかを明らかすることを目的としている。2017年度は、過去10年のAnnualReport(年次報告書)及び関連資料を精査し、Samhallの運営状況、Samhallによる障害者の一般就労への取り組みと実績に関して整理を行った。その上で、Samhallがどのようなメカニズムで、障害者の就労支援の促進を図っているのかを検証した。

  • 長期失業者対策としての積極的労働市場政策の政策効果に関する理論研究

    2015年  

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    本研究の目的は、スウェーデンの労働市場政策を検証・研究することによって、日本の長期失業者を減少させるための解決方法を探ることである。先行研究では積極的労働市場政策の内、「Activation Policy」と呼ばれる労働政策については失業期間の減少と長期失業者の減少に有意に寄与するという研究が多数存在する。先行研究は主に実証的アプローチが中心であり、様々な要素間の因果関係や政策効果を理論的に説明する理論モデルを用いた分析はほとんど存在していない。このような状況を踏まえ、理論モデルの構築を行い、ActivationPolicyと失業期間の短縮化とがどのように関わっているのかを明らかにした。

  • イノベーション政策と雇用創出に関する理論研究

    2014年  

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    本研究の目的は、雇用の創出という観点からイノベーション政策を捉え、労働生産性の上昇、賃金水準の上昇、雇用の拡大、失業の減少を同時に達成できるようなイノベーション政策と労働市場政策の組合せを探ることである。具体的には、雇用の創出という観点からイノベーション政策がこれまで行われてきたスウェーデンとフィンランドのイノベーション政策に着目し、両国のイノベーション政策と労働市場政策が雇用創出とどのように結び付いていたかを検証した。本研究が明らかしよう点は以下の2点である。第1に、補助金、交付金、貸付、税法上の優遇措置、クラスター地域の創設などのイノベーション政策の内、スウェーデン、フィンランドにおいて雇用創出という観点から効果的であった政策は何であったのかを検証することである。第2に、イノベーション政策の雇用創出効果をより高める労働市場政策とはいかなるものであったのかを明らかにすることである。第一の点、つまりイノベーション政策の内、最も効果的であると両国の政策担当者や経済学者が指摘していたのが、既存の中規模以上の企業に対しては、ビジネスとして成功した際に支給されるインセンティブ金の支給である。一方、新たに起業や創業を行う個人や小規模企業に対しては、スタートアップのための返済義務のない交付金が最も効果的である。企業規模による政策効果の違いは、中企業・大企業の場合、スタートアップ資金が新しい技術・商品を開発することの制約条件にはなっていないのに対して、個人或いは小規模企業にとってはスタートアップの資金が制約条件となっているためである。第2の点については、新たらしいスキルの習得やスキル・アップを労働者に促す職業訓練や教育が中規模以上の企業に対しては最も有効である。一方、個人ないし小規模企業に対しては、技術や商品開発に関する以外の側面、例えば、税務上の手続きといった企業活動を行う際に必要な手続きに対する手助けが最も有効である。

  • イノベーション政策と雇用創出に関する理論研究

    2013年  

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    本研究は、スウェーデンとフィンランドのイノベーション政策を検証・研究することによって、日本においていかなるイノベーション政策が最も雇用創出効果が高いかを探ることを目的としている。  ノベーション創出において国際的評価が高く、社会福祉の面でも先進的な、スウェーデン・フィンランドなどの北欧諸国は、先進国のイノベーション政策と雇用創出の実験場とみなされており、多くの研究対象となっている。日本の科学技術イノベーション政策と雇用創出の関係性の問題点を考えるうえで、北欧諸国はベンチマークにすべき国々とみなすことができる。スウェーデンとフィンランドのイノベーション政策を検証した結果判明したことは、以下の通りである。 北欧諸国の科学技術イノベーション政策は、R&DによってもたらされたProduct Innovationが、新商品の開発→新市場の誕生(新需要の喚起)→売上・利益の増大→雇用の創出・増加、という流れに向かうように実行されている。北欧諸国と比較すると、日本における科学技術の成果の多くは技術の開発や特許取得で止まってしまっている。つまり、科学技術の成果が「新商品の開発」や「新商品の市販化」まで辿りつかないため、雇用の創出・拡大へとつながっていかないのである。  北欧諸国では科学技術イノベーション政策を後押しするように産業構造を積極的に変化させる経済・産業・教育政策が行われている。これは、日本の経済・産業政策が既存の産業や企業を維持・温存させる方向で行われているのとは対照的である。例えば、北欧諸国の労働市場政策では、競争力を失った伝統的産業から競争力のある新規産業へと労働力を積極的に移動させるような政策が行われているのに対して、日本では競争力を失った既存産業での雇用を維持させる方向で政策が行われている。また、大学などの高等教育・研究機関に対する教育政策についても、北欧諸国では新産業向けの技術と関連のある分野・領域(学部)への人的・物的資本の投入が積極的に行われている。その一方で、競争力を失った伝統産業関連の分野・領域(学部)への人的・物的投資は劇的に削減されている。  北欧諸国では過半の労働者が中小企業で働いており、多くの利益が中小企業によって生み出されている。特にSelf-employmentの状態にある労働者が非常に多いという点は注目に値する。これは科学技術イノベーション政策が中小企業をターゲットとしていること、若年層向けに起業家精神の教育を積極的に行っていること、労働者向けの職業訓練教育が充実していること、の結果と言える。

  • 失業・雇用対策としての創業・起業支援政策に関する理論研究

    2010年  

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    本研究の目的は、これまで日本であまり重点を置かれてこなかった失業・雇用対策としての創業・起業支援政策に注目し、スウェーデンの創業・起業支援政策を検証・研究することによって、日本の失業問題の解決方法としての創業・起業支援政策の可能性を探ることであった。 スウェーデンの創業・起業支援政策を検証した結果判明したことは、資金調達・融資等以外の部分に資金調達と同程度か、それ以上の重きが置かれて創業・起業支援政策が行われていることであった。このことを踏まえて、資金面以外に重きを置く創業・起業支援政策のマクロ経済効果を一般均衡モデルを用いて分析した。 理論モデルでは、労働者の賃金及び雇用水準は、労働需要曲線と賃金曲線(wage-setting curve或いはwage curve)の交点で決まるというシンプルな枠組みを用いた。労働需要曲線は企業の利潤最大化の行動から導出し、賃金曲線はManning(1991、1993)が用いたナッシュ交渉モデルによって導出する。理論モデルでは政府が自営業者の生産する財を買い上げるという形で、創業・起業の支援を行うと設定している。つまり、政府による買い上げの増加は創業・起業のインセンティブを高める。分析では政府による自営業者の生産物の買い上げが増加(減少)した時に、自営業者の賃金や、自営業者以外の雇用労働者数や賃金、失業にどのような影響を及ぼすのか分析している。モデルから導かれた結論は以下のとおりである。政府の支援によって自営業者が増加すると、企業で雇用されている労働者数は減少する。つまり、「クラウディング・アウト効果」が存在している。しかし、この「クラウディング・アウト効果」が経済全体の総就業者数の減少を引き起こすとは限らない。経済全体の総就業者数が減少するかどうかは、企業部門の労働者が失業者になる確率と自営業者が廃業して失業者となる確率との大小関係に依存している。企業部門の労働者が離職して失業者となる確率の方が自営業者が廃業して失業者となる確率よりも大きい場合には、自営業者の増加は総就業者数を増加させる。自営業者数の増加は企業部門で雇われている労働者と自営業者の両方の賃金或いは所得を上昇させる。自営業者数の増加は失業プールから自営業部門へ移行できる失業者が増加することを意味し、このことは失業の現在価値を上昇させる。失業の現在価値の上昇は、企業部門での賃金の賃金上昇圧力として働き、結果として企業部門の賃金が増加する。さらには自営業者の所得も上昇する。これは企業で働くことの現在価値と自営業者として働くことの現在価値が均衡では等しくなるためである。

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