2023/06/06 更新

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オオキ マサトシ
大木 正俊
所属
法学学術院 法学部
職名
教授
学位
早稲田大学 修士(法学)
早稲田大学 博士(法学)

経歴

  • 2019年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   法学部   教授

  • 2018年04月
    -
    2019年03月

    早稲田大学   法学部   准教授

  • 2016年04月
    -
    2018年03月

    姫路獨協大学   人間社会学群   准教授

  • 2012年04月
    -
    2016年03月

    姫路獨協大学   法学部   准教授

  • 2009年04月
    -
    2012年03月

    姫路獨協大学   法学部   専任講師

  • 2006年04月
    -
    2009年03月

    早稲田大学   法学部   助手

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学歴

  • 2006年04月
    -
    2012年03月

    早稲田大学   法学研究科博士後期課程   民事法  

  • 2003年04月
    -
    2006年03月

    早稲田大学   法学研究科修士課程   民事法  

  • 1999年04月
    -
    2003年03月

    早稲田大学   法学部  

所属学協会

  •  
     
     

    日本労使関係研究協会

  •  
     
     

    日本労働法学会

研究分野

  • 社会法学

研究キーワード

  • イタリア法

  • 労働法

  • Labour Law

受賞

  • 第31回冲永賞

    2017年03月   公益財団法人 労働問題リサーチセンター  

    受賞者: 大木 正俊

  • 日本労働法学会奨励賞

    2011年10月   日本労働法学会  

    受賞者: 大木 正俊

 

論文

  • HRテックにおけるAI活用の法的問題 : 特に採用の場面を中心に

    大木正俊

    比較法学   56 ( 1 ) 45 - 56  2022年06月  [招待有り]

  • 契約締結の自由と採用の自由 : 締約強制を中心に (特集 民法と労働法の交錯)

    大木 正俊

    日本労働研究雑誌   ( 700 ) 99 - 109  2018年11月

    CiNii

  • 非正規雇用の雇用保障法理および処遇格差是正法理の正当化根拠をめぐる一考察 (2017年労働政策研究会議報告 非正規社員の処遇をめぐる政策課題) -- (パネルディスカッション)

    大木 正俊

    日本労働研究雑誌   ( 691 ) 10 - 18  2018年01月

    CiNii

  • イタリア労働契約論の展開 : 契約外規範研究序説として (「労働の場(site)」における契約外規範の探求)

    大木 正俊

    季刊労働法   ( 251 ) 131 - 142  2015年12月

    CiNii

  • 神戸労働法研究会(第24回)イタリアにおける有期労働法制の変遷 : 2012年改正とその意味

    大木 正俊

    季刊労働法   ( 242 ) 164 - 181  2013年09月

    CiNii

  • イタリアにおける集団的労使紛争解決制度 (特集 紛争解決システムと労使関係立法改革)

    大木 正俊

    季刊労働法   0 ( 236 ) 80 - 91  2012年01月

    CiNii

  • 文献研究労働法学(第2回)非典型労働者の均等待遇をめぐる法理論

    大木 正俊

    季刊労働法   ( 234 ) 223 - 242  2011年09月

    CiNii

  • イタリア労働法における賃金の均等待遇原則の展開 (4・完) : 同一労働同一賃金原則と私的自治の関係

    大木 正俊

    早稻田法學   86 ( 1 ) 31 - 62  2010年10月  [査読有り]

    CiNii

  • 同一労働同一賃金原則と私的自治--イタリアの判例から

    大木 正俊

    日本労働法学会誌   ( 115 ) 151 - 163  2010年05月  [査読有り]

    CiNii

  • イタリア労働法における賃金の均等待遇原則の展開 (3) : 同一労働同一賃金原則と私的自治の関係

    大木 正俊

    早稻田法學   85 ( 2 ) 117 - 149  2010年03月  [査読有り]

    CiNii

  • 中小企業における労働法規制の適用除外--イタリア (比較法研究・中小企業に対する労働法規制の適用除外)

    大内 伸哉, 大木 正俊, 山本 陽大

    季刊労働法   ( 226 ) 108 - 116  2009年09月

    CiNii

  • イタリア労働法における賃金の均等待遇原則の展開(2)同一労働同一賃金原則と私的自治の関係

    大木 正俊

    早稲田法学   85 ( 1 ) 219 - 247  2009年09月  [査読有り]

    CiNii

  • 神戸労働法研究会(第7回)イタリアの新しい雇用差別禁止法--イタリアは差別禁止法をいかに受容したのか

    大木 正俊

    季刊労働法   ( 224 ) 223 - 235  2009年03月

    CiNii

  • イタリア労働法における賃金の均等待遇原則の展開(1)同一労働同一賃金原則と私的自治の関係

    大木 正俊

    早稲田法学   84 ( 2 ) 101 - 143  2009年03月  [査読有り]

    CiNii

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書籍等出版物

  • 働く社会の変容と生活保障の法 : 島田陽一先生古稀記念論集

    菊池, 馨実, 竹内, 寿, 細川, 良, 大木, 正俊, 鈴木, 俊晴, 島田, 陽一( 担当: 共編者(共編著者),  担当範囲: パート・有期の格差是正法理と組織的公正)

    旬報社  2023年01月 ISBN: 9784845117932

  • 戦後労働立法史

    島田 陽一, 菊池 馨実, 竹内 寿( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第2部第3章「労働契約法」)

    旬報社  2018年12月 ISBN: 9784845115556

  • 講座労働法の再生 第6巻 労働法のフロンティア

    日本労働法( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第8章「外部市場・非正規雇用と労働法制」)

    日本評論社  2017年06月 ISBN: 9784535065161

  • イタリアにおける均等待遇原則の生成と展開 : 均等待遇原則と私的自治の相克をめぐって

    大木 正俊

    日本評論社  2016年 ISBN: 9784535521308

  • 有期労働契約の法理と政策―法と経済・比較法の知見をいかして

    大内伸哉( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「第1章日本法の状況 第1節労働法 (3)均等・均衡処遇」、「第2章外国法の状況 第1節ヨーロッパの有期労働契約法制 (4)イタリア」)

    弘文堂  2014年03月 ISBN: 9784335355943

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 労働法と経済法の関係の再定位-労働者性および労働法と反トラスト法の調整に着目して

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2026年03月
     

    大木 正俊

  • データ駆動型社会の法に関する領域横断的研究‐デジタルプラットフォームを焦点に

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2024年03月
     

    土田 和博, 若林 亜理砂, 武田 邦宣, 深町 晋也, 長谷河 亜希子, 大木 正俊, 越知 保見, 洪 淳康, 伊永 大輔, 吉田 克己, 林 秀弥, 小向 太郎, 小田切 宏之, 金井 貴嗣, 舟田 正之, 中島 徹, 青柳 由香, 清水 章雄, 東條 吉純, 石田 眞, 須網 隆夫, 早川 雄一郎, 柴田 潤子, 渡邉 昭成, 渡辺 徹也

  • 日本における「同一労働同一賃金」の法政策に関する基礎的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

    島田 陽一, 大木 正俊, 戸谷 義治, 所 浩代, 鈴木 俊晴, 石田 眞, 細川 良

  • 個人請負型就業者に関する保護規制の現代的あり方:比較法的検討を通じて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

    大木 正俊

     概要を見る

    2年目は、初年度の成果をうけて、2017年5月にイタリアで成立した個人請負型就労者を対象とした立法の分析に多くのエネルギーを割いた。今年度の分析からは、同立法は、報酬支払いの確保、個人請負型就労者の労働市場における支援、母性や傷病時などの保護、職務発明に関する規定などの方が実務に及ぼす影響が大きい可能性があることがわかった。
    また、今年度は個人請負型就労者の労働者性に関してもイタリアで重要な進展があったため、その分析にも時間を割いた。具体的には、フードデリバリー型のプラットフォームワーカーの労働者性に関する裁判において、従前の裁判例と同様の見地からワーカーの労働者性を否定した第一審を覆し、一部の規制の適用を認めた控訴院判決が2019年初頭に出された。判決後まだ間もないことから、イタリアでも同判決への評価は定まっていないため、今後の分析が必要となる。
    理論研究については、労働法の基礎理論に関する研究をおこなっており、その成果の一部として今年度は労働契約法の歴史に関する論文、民法と労働法の接点に関する論文等を公刊した。
    今後は、当初の計画通り、初年度および今年度に収集した資料の分析のほか、追加的な資料収集とそれらの分析をおこないつつ理論研究を進めていくことになるが、同時に立法・判例研究も行なう必要がある。
    というのも、当初計画が策定された後の2017年および2019年に相次いで重要な立法および裁判例がイタリアから出たことから、これらの立法および裁判例にも注目せざるを得ないからである。
    最終年度は海外調査をおこない、これまでの分析をもとにイタリアの研究者などにヒアリング調査を実施して、イタリア法の正確な理解に努める。

  • 労働の場(site)を淵源とする権利義務の創出-契約外労働関係とその理論基盤

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    野田 進, 中窪 裕也, 高橋 賢司, キョウ 敏, 大木 正俊, 新屋敷 恵美子

     概要を見る

    政府は、「成長戦略」の一環として、労働法分野の多くの側面で、規制緩和を推進している。その特徴として、経済成長政策の優先による契約規律の後退という点をあげることができる。政策的課題を推進するために、労働契約が本来持つ規制力を弱め、労働契約論は、政策の動向に左右され、本来有する独自の規制力が失われている。 このことは、日本の労働契約論の理論的な弱さにも原因がある。日本の労働契約論は、実定法において不十分であるだけでなく理論基盤が貧弱であり、これが理論的な対抗力を弱めた。これらを克服するために、本研究は、「契約外労働関係」という基本概念を基軸に、欧米の労働契約法理の理論展開を調査した。

  • 非正社員の均等待遇規制と間接差別規制の再定位―判例分析・理論分析を通じて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    大木 正俊

     概要を見る

    本研究は、非正規雇用の均等待遇規制と間接差別規制(特に間接性差別)の意義および特色について、両規制が重なる箇所に着目して問い直すものである。具体的には、判例研究および理論研究によって、間接差別法理が、正規・非正規の均等待遇の領域を規制対象としていることの意味を明らかにし、そのうえで非正規雇用の均等待遇規制と間接差別規制の法的な位置づけを再度問い直した。
    研究の結果、差別禁止規制の問題と非正規雇用の問題の結節点として、非正規雇用に対する間接性差別規制を論じることは難しく、EUにおける間接性差別法理を通じた非正規 問題への規制は、当時の特殊な事情を背景とした一時的な現象とみることができる。

  • 非正社員に対する均等待遇の法的根拠・意義と射程-EUとイタリアから

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    大木 正俊

     概要を見る

    差別禁止規制は、差別事由の一般化、すなわち一般的な平等取扱いを要請する均等待遇原則を根拠づけるのが難しい法的構成であろう。強力な介入を予定してきた差別禁止規制は、その分適用範囲を容易に拡げられないからである。これに対して、組織的規制は均等待遇原則を根拠づける法的根拠になりうるものである。同一組織に所属する者同士が一定の条件下において平等な取扱いをもとめられることはありうるからである。とはいえ、その組織規制を根拠とする均等待遇原則の射程はそれほど広くはないだろう。

  • 同一労働同一賃金原則の考察-イタリアでの議論を通じて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)

    研究期間:

    2008年
    -
    2009年
     

    大木 正俊

     概要を見る

    2点指摘する。一つは、同一労働同一賃金原則は、人権(差別禁止)的な根拠から生じる原則ではないという点である。平等という抽象的な要請ではなく、より具体的な要請がなければこれを法原則として認めるのは難しいであろう。もう一つは、これらの議論では既存の賃金決定システムに対する評価が立場の違いになって現れているということである。イタリアの議論は、全国レベルの労働協約を中心とした賃金決定システムを、前提に、展開されている。この賃金決定システムへの評価がイタリアの議論には大きく影響している。従来の日本の議論では、非典型労働者の賃金決定システム自体の評価を明確に意識した議論はされてこなかったのではなかろうか。

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Misc

  • 学界展望 労働法理論の現在 : 2017~19年の業績を通じて

    大木正俊, 野田進, 橋本陽子, 川口美貴

    日本労働研究雑誌   62 ( 2・3 ) 2 - 50  2020年

  • 定年後再雇用制度における有期契約労働者の賃金格差と労働契約法20条違反の成否―長澤運輸事件(最二小判平成30・6・1)

    大木 正俊

    ジュリスト臨時増刊平成30年度重要判例解説     224 - 225  2019年04月

  • 時の問題 同一労働同一賃金の肖像 : 用語・歴史・法理から

    大木 正俊

    法学教室   ( 459 ) 42 - 49  2018年12月

    CiNii

  • 労働判例研究(269)セクシュアル・ハラスメントに関わる懲戒処分の有効性 : 海遊館事件[最高裁第一小法廷平成27.2.26判決]

    大木 正俊

    法律時報   88 ( 12 ) 159 - 162  2016年11月

    CiNii

  • 神戸労働法研究会(第20回)自宅待機命令の無効の確認の利益および同命令の違法性 : 全日本海員組合事件[東京高裁平成24.1.25判決]

    大木 正俊

    季刊労働法   ( 238 ) 186 - 196  2012年

    CiNii

  • イタリア協同組合の組合員に対する労働法上の保護 (「ワーカーズ協同組合」が社会と労働の座標軸を変えるために)

    大木 正俊

    社会運動   ( 368 ) 7 - 15  2010年11月

    CiNii

  • 判例研究 職能資格制度における女性の昇格差別とその救済--昭和シェル石油(男女差別)事件[東京地裁判決平成21.6.29]

    大木 正俊

    労働法律旬報   ( 1719 ) 38 - 47  2010年05月

    CiNii

  • 労働判例研究(184)客室乗務員に対する地上職への職種変更をともなう配転命令の効力--ノースウエスト航空(FA配転)事件[東京高裁平成20.3.27判決]

    大木 正俊

    法律時報   81 ( 8 ) 143 - 146  2009年07月

    CiNii

  • 外国労働判例研究(159)イタリア 裁判官による公正な賃金の決定と国内の社会的経済的格差[破毀院労働部2001.7.26判決 Cass.226 luglio 2001,n. 10260,in Foro it.2001.l,3088]

    大木 正俊

    労働法律旬報   ( 1663 ) 72 - 79  2008年01月

    CiNii

  • 一部の組合員の労働条件を引き下げた労働協約の効力--日本郵便逓送(協約改訂)事件・大阪地裁判決(平成17.9.21)

    大木 正俊

    労働法律旬報   ( 1636 ) 37 - 45  2006年11月

    CiNii

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 法学学術院   大学院法務研究科

特定課題制度(学内資金)

  • 雇用平等法の新展開に関する基礎的研究ー日欧の裁判例分析から

    2022年  

     概要を見る

    本年度は、日本の判例では、人種差別関連の事案としてフジ住宅事件大阪高判令和3年11月18日を分析し、また、使用者によるマイノリティへの配慮義務の事案として、淀川交通事件大阪地決令和2年7月20日、国・人事院(経産省)事件東京高判令和3年5月27日を分析した。EUの事例としては、宗教差別が争われた一連の事案(Achibita事件、Bougnaoui事件、WABE and MH Muller Handel事件)の分析を進めた。EUの一連の事件は、宗教的な徴標を身にまとうことを使用者が禁止できるかという論点が争われたものであるが、これは宗教的マイノリティへの配慮を使用者はどこまで行う義務があるかという論点とも近似しており、日本の裁判例との間に共通した特徴が認められると評価することもできる。もっとも、EUの一連の事件は近代国家の成立にまで遡る文脈の中で出てきた問題であり、日本の事例との表面的な相似形のみで上記判断をすることは慎むべきであろう。今後は歴史的文脈の中にEUの事例を位置付ける作業を行うことが必要となる。

  • テレワークをめぐる法的課題ーイタリア法を参考に

    2021年  

     概要を見る

    本年は基礎となる文献の収集、読み込みを中心におこなった。特に、 (1)労働者の個人情報の保護をめぐる問題、(2)場所的時間的拘束の希薄化/欠如に伴う非労働者化の問題に焦点をあてて、検討をおこなった。(1)には、日本法における問題に加えて、欧州のGDPRなどを主たる検討対象とし、(2)については、2017年イタリア立法、2020年イタリア判決、労働法と経済法の関係などを主たる検討対象とし、(1)については労働者の同意取得の問題があること、その他労働関係の特性をとらえた法規制が不十分なことが明らかとなり、(2)については、現在の諸問題の解決策として労働法的保護の範囲の拡大があり得ることが明らかとなった。

  • イタリアにおける独立労働者の規制のあり方

    2020年  

     概要を見る

     2017年法律81号(独立労働者保護法)3条に定められた経済的従属の濫用に関わる規制を特に扱った。同条は、1998年制定の下請け関係に関わる経済的従属規制を独立労働者にも拡大したものだが、企業間取引おける弱者の保護と雇用類似就業者の保護を同一の基盤で捉えるべきかについては、疑問も残るようである。というのも、イタリア法では前者の「従属」と後者の「従属」は異なる概念と理解されているからである。それゆえ、経済法的規制の雇用類似就業者への拡大には慎重な検討を要するものと考えられる。今後は、雇用類似就業者にも従属労働者と同様の法律上の保護を付与したように解釈できる2015年委任立法81号2条をめぐる議論の検討をする。

  • 労働者の個別意思による強行法規適用除外の可能性に関する日伊比較法研究

    2020年  

     概要を見る

     本年度は、イタリア民法典2113条の位置づけおよび規定内容等に関する検討をおこなった。同条は、近年では労働者の権利を二元的に把握した上で、一次的権利(強行規範そのものから導かれる権利)、二次権利(強行規範違反の結果として生じる財産的権利)に分類し、後者についてのみ2113条が定めたものと位置づけられているようである。 同条の法的根拠について、学説は労働者個人の保護に主眼をおいた主観説と労働者全体の保護に着目した客観説が提示されている。 本条はまた、和解に関する民法典1695条との関連も指摘されている。本年度の研究では、同条に関する判例法理の検討にまでは至っておらず、残された課題となっている。

  • 労働立法過程の変容とその影響に関する基礎的研究

    2019年  

     概要を見る

     本年度は日本の労働立法過程の(1)変容および(2)正当性を検討した。 (1)については、戦後より三者構成を通じた立法が行われてきたが、90年代以降は労働立法の具体的作業にあたる官庁の外部からの圧力をうけて、公労使による一致が十分にみられないまま立法が進められることが起きた。現在もその延長にあると考えられる。 (2)については、三者構成方式は、欧州諸国と同様基本的には労使合意に正統性があると考えられる。ただし、欧州諸国と同様日本でも組合の代表性が疑われており、三者構成原則は正統性においてもゆらいでいる。他方、労使合意の機能はまだ必要であり、三者構成の否定ではなく、いかに現代的な正統性を付与するかが今後の課題となる。

  • 個人請負型就業者の保護規制における経済法アプローチの有効性

    2018年  

     概要を見る

    本研究では、個人請負型就業者に対する法的保護の方法として、(1)判例等を通じた労働者保護立法の適用拡大(労働者概念の拡大)、(2)集団的交渉の活用、(3)新たな立法の3つがあるものと整理し、それぞれについてイタリアの状況を分析した。全体としてみると、イタリアでは、さしあたり個人請負型就業者に対して、(2)(3)を通じて従属労働者に及んでいる法的保護の一部のみを及ぼしているのではないか。ただし、各規制の規制根拠、そして規制の実効性(エンフォースメント)は不透明であり、今後さらなる分析が必要である。

  • 均等待遇原則(同一労働同一賃金原則)をめぐるイタリア労働法の展開

    2006年  

     概要を見る

    本研究では、まず日本の労使自治に関する議論、特に「協約自治の限界」を検討することが不可欠だと判断した。そのため、まず日本の議論を再検討し、イタリアの議論を参照するための視点をえることとした。検討の結果として、日本でも協約は私的自治の産物だとの認識はもたれていると考えるに至った。それでもなお、日本では労使間の交渉力等の不均衡が存在することを背景に、または労使の「癒着」を背景に、協約自治の重視を強調できない土壌が存在すると考えられる(この考察の成果の一部は後掲研究発表で表した)。 以上をふまえてイタリアの議論の検討を始めた。まず、イタリアではどの程度私的自治が尊重されているかの検討に入った。ここでは、イタリアの労働協約の解釈方法に関する議論を検討するにいたった。イタリアでは、裁判官が労働協約を解釈するにあたって、どの程度当事者の主観的意思に拘束されるかをめぐって大きな議論がある。当事者の主観的意思を尊重することは¥労使自治の強さを認めることに他ならない。この議論を検討することにより、イタリアでの労使自治の強さの程度をある程度把握できる。この点については、近日雑誌等の論文の形で発表する予定である。 さらに、私的自治が賃金均等待遇原則とどのような関係に立つかについて、イタリアの文献を読み込み、理解を深めた。この点を検討するには望外の多量な文献を読み込む必要があることが判明したため、現在その読み込み作業を続けているところである。現在は、その作業の途中経過の報告の意味も含めた、一つの論文を執筆中である。 また、イタリアのカターニア大学で労働法を研究されているカルーゾ教授へのインタビューをおこなった。主に、上記の問題に対する教授の見解をうかがった。被差別者の置かれている不利益な立場を「補完する」という差別の機能を強調される教授独自の見解を基にした議論をしてくださり、非常に有益であった。

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