2024/12/21 更新

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セガワ シロウ
瀬川 至朗
所属
政治経済学術院 政治経済学部
職名
教授
学位
教養学士 ( 東京大学 )

学歴

  •  
    -
    1978年

    東京大学   大学院工学系研究科   化学工学専攻(環境システム工学)  

  •  
    -
    1977年

    東京大学   教養学部   教養学科 科学史・科学哲学分科  

委員歴

  • 2019年04月
    -
    継続中

    NPO法人 報道実務家フォーラム  理事長

  • 2018年01月
    -
    継続中

    認定NPO法人 ファクトチェック・イニシアティブ (FIJ)  理事長

  • 2015年04月
    -
    継続中

    石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞  選考委員

  • 2017年06月
    -
    2019年05月

    日本マス・コミュニケーション学会  編集委員

  • 2015年04月
    -
    2017年03月

    国立国会図書館  客員調査員

  • 2009年11月
     
     

    科学技術社会論学会  第8回年次研究大会 大会実行委員長

  • 2012年
    -
    継続中

    一般財団法人・山本美香記念財団  理事

  • 2007年05月
    -
    2017年03月

    文部科学省独立行政法人評価委員会  臨時委員

  • 2002年05月
    -
    2014年04月

    日本科学技術ジャーナリスト会議  理事

  • 2009年06月
    -
    2013年05月

    日本記者クラブ  企画委員

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所属学協会

  •  
     
     

    科学技術社会論学会

  •  
     
     

    日本メディア学会

研究分野

  • 図書館情報学、人文社会情報学 / 科学社会学、科学技術史 / 社会学

研究キーワード

  • ジャーナリズム研究、ファクトチェック、情報リテラシー、科学技術社会論、環境とメディア

受賞

  • 科学ジャーナリスト賞2017

    2017年05月   日本科学技術ジャーナリスト会議   『科学報道の真相――ジャーナリズムとマスメディア共同体』(筑摩書房)の著作に対して  

    受賞者: 瀬川至朗

 

論文

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書籍等出版物

  • データが切り拓く新しいジャーナリズム(石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座 2023)

    瀬川至朗( 担当: 編集)

    早稲田大学出版部  2023年12月 ISBN: 9784657230157

  • SNS時代のジャーナリズムを考える(石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座 2022)

    瀬川 至朗( 担当: 編集)

    早稲田大学出版部  2022年12月 ISBN: 9784657220158

  • 「専門家」とは誰か

    村上, 陽一郎, 藤垣, 裕子, 隠岐, さや香, 佐藤, 卓己, 瀬川, 至朗, 神里, 達博, 佐伯, 順子, 小林, 傳司, 鈴木, 哲也( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「ジャーナリストと専門家は協働できるか」)

    晶文社  2022年10月 ISBN: 9784794973351

  • 民主主義は支えられることを求めている!(石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座 2021)

    瀬川, 至朗( 担当: 編集)

    早稲田大学出版部  2021年12月 ISBN: 9784657210203

  • ニュースは「真実」なのか(石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座 2019)

    瀬川, 至朗( 担当: 編集)

    早稲田大学出版部  2019年12月 ISBN: 9784657190253

  • ジャーナリズムは歴史の第一稿である。(石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座 2018)

    瀬川, 至朗( 担当: 編集)

    成文堂  2018年12月 ISBN: 9784792333829

  • 冷戦後の科学技術政策の変容

    国立国会図書館調査及び立法考査局( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「米国エネルギー省とヒトゲノム計画」)

    国立国会図書館  2017年03月 ISBN: 9784875827962

  • 科学報道の真相 : ジャーナリズムとマスメディア共同体

    瀬川, 至朗( 担当: 単著)

    筑摩書房  2017年01月 ISBN: 9784480069276

  • ライフサイエンスをめぐる諸課題

    国立国会図書館調査及び立法考査局, 瀬川, 至朗, 吉澤, 剛, 広井, 良典, 小林, 信一, 菅, 裕明, 竹内, 勝之, 森田, 倫子, 永松, 陽明, 高野, 哲( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「先端医療技術と生命倫理をめぐる議論の変遷―新聞社説の分析から― 」)

    国立国会図書館調査及び立法考査局  2016年03月 ISBN: 9784875827856

  • メディアは環境問題をどう伝えてきたのか——公害・地球温暖化・生物多様性

    関谷直也, 瀬川至朗( 担当: 共編者(共編著者))

    ミネルヴァ書房  2015年04月 ISBN: 9784623073634

  • 震災後に考える : 東日本大震災と向きあう92の分析と提言

    鎌田薫監修, 瀬川至朗分担執筆

    早稲田大学出版部  2015年03月 ISBN: 9784657150035

  • 図説 日本のメディア

    藤竹曉編著, 瀬川至朗分担執筆

    NHK出版  2012年09月 ISBN: 9784140911969

  • 英和・和英 エコロジー用語辞典

    瀬川至朗, 研究社編集( 担当: 編集)

    研究社  2010年08月 ISBN: 4767434688

  • ジャーナリズムは科学技術とどう向き合うか

    小林宏一, 瀬川至朗, 谷川建司( 担当: 共編者(共編著者))

    東京電機大学出版局  2009年04月

  • 理系白書

    毎日新聞科学環境部( 担当: 共著)

    講談社  2003年06月

  • 健康食品ノート

    瀬川, 至朗( 担当: 単著)

    岩波書店  2002年02月 ISBN: 4004307732

  • アジア30億人の爆発 : 迫り来る食糧危機,資源戦争

    毎日新聞社外信部( 担当: 共著)

    毎日新聞社  1996年08月 ISBN: 4620311294

  • これからのメディアとネットワークがわかる事典 : 映像、通信、ビジネス…あらゆる分野のマルチメディア事情のすべて

    瀬川, 至朗( 担当: 編集)

    日本実業出版社  1995年02月 ISBN: 4534022794

  • 大学病院ってなんだ

    毎日新聞社科学部( 担当: 共著)

    新潮社  1994年12月 ISBN: 4104023019

  • カードの科学 : 磁気からICへカードは進化する

    瀬川, 至朗( 担当: 単著)

    講談社  1993年01月 ISBN: 4061329502

  • 心臓移植の現場

    瀬川, 至朗( 担当: 単著)

    新潮社  1988年10月 ISBN: 4103706015

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Works(作品等)

  • FUKUSHIMA STUDY

    瀬川 至朗, 中村 理, 山田 耕, 桶田 敦  データベース 

    2016年03月
    -
    継続中

     概要を見る

    私たちの研究グループは、東京電力福島第一原子力発電所の事故の初期段階に注目する。とくに発生当時、国民にとって重要な情報源であった日本政府や東京電力などの記者会見の内容をテキスト化してweb上に公開し、公共的な価値をもつ記録として広く利用していただくことを考えている。

講演・口頭発表等

  • ファクトチェックの有効性の検証—沖縄県知事選2018におけるTwitter上の疑義言説を事例に―

    永井健太郎, 瀬川至朗

    日本メディア学会2023年秋季大会  

    発表年月: 2023年11月

  • 偽情報のリスクセスメント:日本のオンラインニュース市場

    永井健太郎, Talia Hagerty, 瀬川至朗

    日本の主要ニュースサイトの偽情報リスクアセスメント報告書の説明会(ローンチイベント)  

    発表年月: 2023年02月

  • 「地方紙が伝えた10年とこれから」

    熊谷宏彰, 今里直樹, 円谷真路, 中田和宏, 瀬川至朗  [招待有り]

    日本新聞博物館企画展「伝える、寄り添う、守る――『3.11』から10年」関連シンポジウム  

    発表年月: 2021年08月

    開催年月:
    2021年08月
    -
     
  • 地球温暖化問題の報道と懐疑論

    瀬川至朗  [招待有り]

    諜報研究会  

    発表年月: 2019年12月

  • Fact-checking as a Countermeasure against Mis- & Disinformation, and its Introduction into Journalism Education in Japan

    Shiro SEGAWA  [招待有り]

    “Journalism and Communication Education in the Context of Media Convergence” 3rd International Forum for Yuelu Media and Culture Industry Development  

    発表年月: 2019年11月

  • Methodology, Specialized Journalism, Data and Investigative Journalism

    Shiro SEGAWA  [招待有り]

    Paradigm Exploration and Innovation: Journalism and Communication Talents Cultivation in a Changing Era  

    発表年月: 2018年10月

  • 科学ニュースの読み解き方

    瀬川至朗  [招待有り]

    筑波大付属駒場高校スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)講演会  

    発表年月: 2017年12月

  • 日本のファクトチェックの現状と課題

    瀬川至朗  [招待有り]

    中国伝媒大学・復旦大学・早稲田大学合同メディアシンポジウム  

    発表年月: 2017年11月

  • 科学ニュースの読み方――フェイクニュースとPR報道にだまされないための基礎知識

    瀬川至朗  [招待有り]

    日比谷図書文化館講演会「日比谷カレッジ」  

    発表年月: 2017年10月

  • 日本におけるファクトチェックとジャーナリズム教育の現状

    平 和博, 足立義則, 西山誠慈, 別所直哉, 馬渕邦美, 瀬川至朗  [招待有り]

    政策分析ネットワークシンポジウム「政治とメディア:フェイクニュース ―― 信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体」  

    発表年月: 2017年09月

  • 日韓歴史認識に関する日本の全国紙社説の比較分析

    瀬川至朗  [招待有り]

    済州大学・早稲田大学合同シンポジウム  

    発表年月: 2015年09月

  • メディアの課題 ~ ジャーナリズム教育の現場から考える

    瀬川至朗  [招待有り]

    立命館メディア塾開講記念シンポジウム  

    発表年月: 2015年06月

  • 東北再生に向けた新聞の役割

    菅原智広, 今野俊宏, 早川正也, 小野広司, 瀬川至朗

    日本新聞博物館企画展「再生への道――地元紙が伝える東日本大震災」開催記念シンポジウム  

    発表年月: 2013年05月

    開催年月:
    2013年05月
    -
     
  • 研究者とメディアをつなぐサイエンス・メディア・センター構築の試み

    瀬川至朗  [招待有り]

    第 6 回日本化学連合シンポジウム『科学技術と社会を結ぶサイエンスコミュニケーション』  

    発表年月: 2013年03月

  • 原発事故報道は「大本営発表」だったか

    瀬川至朗  [招待有り]

    日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)シンポジウム 「原発報道を振り返る」  

    発表年月: 2011年11月

  • 大震災におけるマスメディアとソーシャルメディアの役割

    瀬川至朗  [招待有り]

    日本新聞協会第 162 回メディア開発委員会  

    発表年月: 2011年05月

  • 環境報道におけるテレビメディアの役割と課題〜水俣病から地球温暖化問題へ

     [招待有り]

    日中マスメディアサミット  

    発表年月: 2011年03月

  • 東北地方太平洋沖地震と初期報道

     [招待有り]

    日中マスメディアサミット  

    発表年月: 2011年03月

  • 気候変動問題とジャーナリズム

    瀬川至朗  [招待有り]

    国際シンポジウム「岐路に立つ世界の気候政策とジャーナリズムの役割」  

    発表年月: 2010年01月

  • 新型インフルエンザ報道と市民の意識・行動〜特にマスク着用について

    瀬川至朗  [招待有り]

    復旦大学・早稲田大学ジャーナリズム大学院合同シンポジウム  

    発表年月: 2009年12月

  • New innovative challenges of the first J-School in Japan

    瀬川至朗  [招待有り]

    Forum of the 80th Anniversary celebration Event of Journalism School of Fudan University  

    発表年月: 2009年11月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • Disinformation Risk Assessment: The Online News Market in Japan

    研究期間:

    2022年06月
    -
    2023年03月
     

    Shiro Segawa (Waseda University), Talia Hagerty (Global Disinformation Index)

  • 実効性ある偽情報・誤情報対応策としてのファクトチェック・システムの構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

    瀬川 至朗, 乾 健太郎, 関谷 直也, 牧野 恵美

     概要を見る

    本年は、海外、とりわけ、ファクトチェックが活発におこなわれている近隣の韓国、台湾を中心に、アジアにおける偽情報・誤情報の実情やファクトチェック・システムの現状について調査研究を実施した。具体的には、以下のような訪問調査、セミナー開催(▽韓国ソウル大学SNUファクトチェクセンターの訪問調査(研究協力者=池雅蓉)、▽台湾でのファクトチェック国際会議参加(池雅蓉)、▽SNUファクトチェックセンター長らを招聘してのセミナー開催、▽台湾のメディア状況や偽情報・誤情報対策に詳しい専門家によるセミナーの開催、▽香港の偽情報・誤情報の実情とファクトチェックの取り組みについて研究者を招聘してのセミナー開催)などにより、情報収集と分析を進めた。今後、実効性のあるファクトチェック・システムの研究に取り組む上で、モデルとしての参照が可能になる。
    また、アジアの情報に加えて、欧米やアフリカなど他地域の情報については文献調査を中心に収集・整理に努めた。こうした調査研究・文献研究をもとに、世界の偽情報・誤情報の状況と各国のファクトチェックの取り組みの現状をまとめた『ファクトチェック白書』をNPO法人 ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)と共同で作成する作業を進めた(完成は2020年夏予定)。
    研究代表者(瀬川至朗)は、学部・大学院の授業の一部にファクトチェック実習を導入し、受講後の学生に対してアンケート調査(無記名)を実施した。ファクトチェックの理解、情報の真偽を見分ける力の向上などの点で、学生からポジティブな回答が得られた。ファクトチェックの学習がメディアリテラシーの向上につながる可能性が示唆された。ただし、これは意識調査の結果であり、実際にメディアリテラシーが向上したかどうかを調べるには実験などの手法を用いる必要がある。

  • 2018年沖縄県知事選挙における偽情報・誤情報とファクトチェックの研究

    一般財団法人 櫻田会  2019年度政治研究助成

    研究期間:

    2019年
    -
    2020年08月
     

    瀬川至朗

  • 福島第一原発事故における日本政府記者会見と各国の新聞報道の比較分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2018年03月
     

    瀬川 至朗, 中村 理, 山田 耕, 桶田 敦, 千葉 涼, 于 海春

     概要を見る

    東日本大震災に伴う福島第一原発事故の初期段階について「事故の実態」「日本政府記者会見(東京電力を含む)」「全国紙の報道」という三者の関係性を分析した。「炉心溶融」に絞り、量的かつ質的に分析したところ、全体として、炉心溶融の実態を政府記者会見が過小に評価し、その記者会見を踏襲した形で報道される傾向がみられた。また、隣国である中国の新聞は当時、記事の情報源として日本のメディア報道を採用していた。
    本研究では日本政府記者会見をテキスト化しFUKUSHIMA STUDYのサイトで公開した。この会見テキストを用い、記者会見における記者の積極性や記者会見と新聞報道の連動性について、より詳細な分析を実施した。

  • 科学技術情報ハブとしてのサイエンス・メディア・センターの構築

    科学技術振興機構 社会技術研究開発センター  社会技術研究開発プログラム

    研究期間:

    2009年10月
    -
    2013年03月
     

    瀬川至朗, 田中幹人, 難波美帆, 角林元子

  • 研究者のマス・メディア・リテラシー

    科学技術振興機構 社会技術研究開発センター  社会技術研究開発プログラム

    研究期間:

    2008年10月
    -
    2009年03月
     

    瀬川至朗, 田中幹人

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Misc

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 政治経済学術院   大学院公共経営研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 理工学術院   大学院先進理工学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • ニュース・ブログサイトの偽情報リスクアセスメントの研究

    2023年  

     概要を見る

    今回は、日本における誤情報・偽情報の全体像を知る手がかりとして、NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のClaimMonitor(CM)というシステムで得られた疑義言説のデータセットを分析した。CMは、自然言語処理と機械学習を利用したFCC(Fact Check Console)システムにより疑義言説候補を自動抽出、それらの情報を元にFIJのモデレーターが人の手で選別して初期調査を行い、疑義言説としてファクトチェック組織に提供するシステム。FIJによると、新しいCMシステムを2019年12月に稼働させたという。今回は2019年12月~21年12月の2年と1ヵ月を対象にした。その間にリストアップされた疑義言説は5010件で月平均200件。カテゴリー分類をしたところ、Covid-19が37%と一番多く、続いて政治(15.2)、国際(12.9)、社会(10.9)、選挙(4.6)、科学・環境・IT(4.5)、経済(3.4)、医療・健康(3.2)、文化・芸能(3.1)、スポーツ(2.9)、気象災害(1.8)、ワクチン=Covid-19以外=(0.5)となっている。時系列変化をみると、Covid-19の疑義言説数は20年4月にピークがあり、その後増加と減少を繰り返しており、緊急事態宣言や流行の波に関連する部分がみられた。また、選挙の疑義言説数は20年の米大統領選挙、21年の衆院選挙時などにピークがみられた。 次に疑義言説の発信媒体別に分類した。トップはソーシャルメディアで76.2%。約4分の3を占めている。続いて伝統メディア(15.6)、デジタルメディア(1.9)、個人サイト/匿名サイト(1.8)、演説・講演会、ビラ・チラシ(0.8)、企業・団体のウェブサイト(0.6)、公的機関のウェブサイト(0.5)、ポータルサイト(0.5)、その他(0.5)となっている。また、「不明・削除済み」が1.6%あった。伝統メディア発の誤情報・偽情報は一般に少ないとされている。にもかかわらず、CMの疑義言説において15.6%を占めた。この数字が誤情報・偽情報の全体状況を反映したものかどうかについては、今後さらに詳細な分析を進める必要がある。※本研究はJSPS科研費19H04425の助成を受けたものです。

  • 実効性ある偽情報・誤情報対応策としてのファクトチェック・システムの構築

    2022年  

     概要を見る

    早稲田大学の研究グループ(永井健太郎、戸村臨、瀬川至朗ら6名)は、イギリスに本拠を置くNPO組織、グローバル・ディスインフォメーション・インデックス(GDI)と共同で、日本の主要33のニュースサイトの偽情報アセスメントを実施した。GDIは、各サイトのコンテンツ・ピラー(コンテンツの品質と信頼性)の各指標、運営ピラー(サイト運営と編集の誠実性)の各指標をコーディングルールに基づいて測定する手法を開発しており、そのGDIの手法を適用した。評価の結果、日本のニュースサイトは、全体として偽情報のリスクが低いことがわかった。特に、コンテンツ・ピラーの得点はかなり高い(偽情報リスクが低い)が、それに比べて運営ピラーの指標は得点が低い(偽情報リスクが高い)。今後、運営ピラーの各指標を改善することは、偽情報のリスクを低減し、信頼性を高めることにつながる。

  • 実効性ある偽情報・誤情報対応策としてのファクトチェック・システムの構築

    2021年  

     概要を見る

    2018年の沖縄県知事選において、疑義言説とファクトチェックに関連するツイート50万件(全量350万件のランダムサンプリング)を入手し、拡散数の多かった5事例のツイートを対象に選んだ。ツイートごとに、疑義言説に対する態度とアカウントの政治傾向をコーディングし、そのデータセットを対象に、「肯定・否定比率」と「政治的選択度」という2つの指標について数量的に分析した。結果、2指標がファクトチェックに関するツイートの動態分析に役立つことが示唆された。※本研究はJSPS科研費 JP19H04425(基盤研究B「実効性ある偽情報・誤情報対応策としてのファクトチェック・システムの構築」)と一般財団法人櫻田会令和元年度政治研究助成を受けています。

  • 実効性ある偽情報・誤情報対応策としてのファクトチェック・システムの構築

    2020年  

     概要を見る

    In order to explore the requirements for an effective fact-checking system, we attempted to analyze the effectiveness and limitations of fact-checking articles during the September 2018 Okinawa gubernatorial election. The first basic analysis on fact-checking of the Okinawa gubernatorial election was conducted by Okamoto (2021), and Segawa built on Okamoto's research and analyzed data from 500,000 tweets (September 1-October 15, 2018), including retweets. Specifically, we compared the amount of tweets that affirmed or denied the target discourse (questionable discourse) to be fact-checked before and after the publication of the fact-checked article. We also focused on the accounts that tweeted and retweeted positively or negatively about the target discourse, and coded the political leanings of the accounts based on the descriptions in their profiles. We analyze whether or not there is a relationship between the political tendencies of the accounts and the affirmation or negation of the target discourse.Taro Okamoto (2021), "Exploring the Effectiveness of Fact-Checking: Focusing on the 2018 Okinawa Gubernatorial Election," March 6, 2021, Fact-Checking Research Group, Institute for Next Generation Journalism and Media, Waseda UniversityThis research was supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP19H04425.This research was supported by a grant from the Sakuradakai Foundation for Political Research.

  • ファクトチェック・システムの有効性と課題

    2019年  

     概要を見る

    In order to establish an effectivefact-checking system in Japan, this year we conducted a survey and research on thecurrent situation of fact-checking system in Asia, especially in neighboring countries such as Koreaand Taiwan. In Korea, university (SNU), news organizations, and platformer(NAVER) are working together to build a fact-checking system. In Taiwan, afact-checking system has been established by fact-checking organizations,citizens, and platformer (LINE Taiwan). South Korea is characterized byfact-checking done by journalists, while Taiwan is characterized byfact-checking that involves citizen participation. Citizen participation isalso important in fact-checking in Indonesia and the Philippines. Fact-checkingin these countries mainly covers Dis- & Mis-information in the politicalfield as well as Dis- & Mis-information on SNS that are widely used in eachcountry.(For this study, Yajung Chih participated in a fact-checking conference held in Taiwan in October 2019. Descriptions for Taiwan and other countries (excluding Korea) are based on Chih's report.)

  • マスメディアのニュース生産過程における誤報発生の要因と誤報対策の研究

    2018年  

     概要を見る

    課題を「沖縄をめぐる偽情報・誤情報の実情と、その対応策としてのファクトチェックの取り組み」に変更して研究に取り組んだ。沖縄をめぐる偽情報と誤情報の実情を把握するため、沖縄の地元紙である琉球新報と沖縄タイムス両社の編集局長にインタビューを実施した(2018年9月実施)。その結果、以下の説明するような特徴が明らかになった。①2000年代半ばから、米軍普天間飛行場や米海兵隊について「事実と異なる言説」が登場していた。その頃は単なる誤解や知識不足から来る誤情報と考えられた。②2016年頃から「事実と異なる言説」に悪意が感じられるようになった。誤解というよりも意図的な中傷(デマやフェイク)が感じられるようになった。誤情報から偽情報へと情報の質が変化した。③沖縄に関する偽情報・誤情報を信じやすいのは沖縄以外に人と、沖縄の若者である。沖縄の若者は、新聞をあまり読まず、ネットで情報を得るため、ネットで拡散しやすい偽情報・誤情報に接しやすく、信じやすいと考えられる。

  • マスメディアのニュース生産過程における誤報発生の要因と誤報対策の研究

    2018年  

     概要を見る

    課題を「沖縄をめぐる偽情報・誤情報の実情と、その対応策としてのファクトチェックの取り組み」に変更して研究に取り組んだ。本研究では、2018年9月に実施された沖縄県知事選挙で取り組まれた、NPO法人 ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)(注1)のプロジェクトによるファクトチェックの状況を整理・分析した。FIJの沖縄県知事選プロジェクトには、バズフィードジャパンなど5つのネットメディアと地元新聞の琉球新報の計6メディアが参加して実施した。計25件のファクトチェックが掲載され、FIJのファクトチェック基準を満たしていたケースは21件だった(注2)。計25件のファクトチェックの対象言説を玉城候補サイドあるいは佐喜真候補サイドのいずれかに分類したところ、玉城サイド13件、佐喜真サイド12件だった。判定は正確6件、ほぼ正確5件、不正確1件、ミスリード2件、根拠不明1件、誤り・偽情報9件、不明1件だった。疑義言説は玉城候補を対象としたものが多いといわれたが、ファクトチェックの対象としてはほぼ半々となった。対象言説の選ばれ方やは、ファクトチェックの有効性については今後、さらに質的・量的な分析をしていく必要がある。(注1)筆者はFIJの理事長を務めている。(注2)一人の疑義言説の中で2つのファクトチェックが行われている場合は2件とした。

  • 福島第一原発事故における日本政府記者会見と各国の新聞報道の比較研究

    2016年   中村理, 山田耕

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     福島第一原発事故における日本政府記者会見と各国新聞報道の比較研究の一つとして、対象とする新聞を日本の全国紙4紙(朝日新聞、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞)とし、また、対象とする事象を「炉心溶融」に限定して、4つの分析方法(見出し分析、情報源分析、言説分析、数量分析)で研究を実施した。 その結果、炉心溶融に関する新聞の初期報道は政府・東京電力の記者会見の内容にほぼ沿った「発表報道」になっていた。ただし、朝日新聞、毎日新聞の2紙と読売新聞、日経新聞の2紙とは語り方に差異がみられた。朝日・毎日は、炉心溶融が一部はおきているという前提の見出しや記事が目立つのにたいし、読売・日経は、おきているのは燃料棒の損傷であり、炉心溶融はおきていないという前提の見出し・記事が目立った。

  • 福島第一原発事故における日本政府記者会見と各国の新聞報道の比較研究

    2015年   中村理

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    2011年3月11日に東日本大震災が発生し、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故と放射能汚染は、日本だけでなく世界の人々を震撼させた。本研究では、東京電力福島第一原子力発電所の事故の初期段階に注目し、日本政府や東京電力による記者会見とマスメディア報道との比較分析などを実施し、「政府とメディア」の観点から原発事故対応に関わる研究を進めている。本年度は、当時、国民にとって重要な情報源であった日本政府や東京電力などの記者会見の内容をテキスト化して公開した。本研究を進めていくうえで重要な資料となるのが、日本政府と東京電力が福島第一原発事故に関連して連日開催した記者会見の内容である。その日本政府と東京電力の記者会見のデータを探すなかで、そうした重要な記者会見について記者会見の一問一答全体を記録したテキストデータが存在しないことが判明した。具体的には、内閣官房長官の記者会見と原子力安全・保安院の記者会見、東京電力本店での記者会見である。そこで本研究のデータとして必要な、事故発生後に開かれた官房長官の記者会見=2016年度に掲載予定=、原子力安全・保安院の記者会見、東京電力本店の記者会見の一問一答全体を記録したテキストデータを作成することにした。具体的には、それぞれ2011年3月11日~同年3月31日という、事故の初期段階に開かれた記者会見のテキストデータの文字起こしをした。作成したテキストデータは、本研究のためだけでなく、公共的な価値があると考え、ウェブサイト「FUKUSHIMA STUDY」を構築して公開することにした。 公開に際しては、原子力安全・保安院の記者会見と東京電力本店の記者会見の整理の仕方に差があったため、原子力安全・保安院は会見単位で、また東京電力本店は1日単位で、その会見(その日)に特有なかたちで多く現れる言葉を特徴語として上位10位まで抽出し、会見テキストの横に掲示した。特徴語の抽出には計量テキスト分析ソフト、KHCoderを使用した。これにより、会見の内容が経時的に変化する様子を概観できるようになった。 2016年度は、記者会見と新聞報道記事の比較分析を進める予定である。なお本研究は、主に、科学研究費補助金基盤研究(C)「福島第一原発事故における日本政府記者会見と各国に新聞報道の分析」(2014年度~2016年度、研究代表者・瀬川至朗)により実施しているが、とりわけウェブサイトの構築には特定課題基礎助成のサポートを利用した。ウェブサイトURL http://fukushimastudy.org

  • 中国国営ニュースサイト「人民網」「新華網」の研究~日本のニュースサイトとの比較

    2014年  

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    中国共産党機関誌「人民日報」と国営通信社「新華社」はそれぞれ「人民網」と「新華網」というニュースサイトを開設している。今回、両サイト幹部にインタビュー調査を実施した。明らかになったのは、両サイトともに、「党の喉と舌」と表され中国共産党の宣伝・広報に徹してきた中国伝統メディアの傘下にありながら、大衆の関心とアクセス数を意識したビジネスモデルを追求し、独立性の高いネットメディアとして運営されていることである。経営面では年3億~1.5億元の黒字だ。課題としては、経営的に人民日報や新華社からの独立性を確保しながらも、政治的には党・政府の統制を強く受けており、ネットビジネスモデルの転換に制約がかかる可能性があることであろう。

  • 福島第一原発事故における政府・東電の記者会見とマス・メディア報道の比較分析

    2013年  

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     瀬川は2011年、東日本大震災における福島第一原発事故の初期報道において、主要全国紙が「炉心溶融」の問題をどのように報道したか、という問題意識に基づき、主要全国紙である朝日・毎日・読売・日経の記事(2011年3月12日朝刊~6月11日夕刊)を対象に、見出しのキーワード分析を実施した。その結果、当時の新聞報道が、政府・東電の記者会見をそのまま報じる発表報道(大本営発表報道)だった可能性が強いということを示した。研究成果は「原発事故は『大本営発表』だったか 朝・毎・読・日経の記事から探る」(『Journalism』2011年8月号)に掲載するとともに、いくつかの学術的会合で発表している。しかし、実証面で不十分ではないかとの指摘を受け、発展的な研究の実施を考えた。 本研究では、政府・東電の記者会見と新聞の報道を、より精緻に数量的に比較分析することにより、原発事故直後の新聞報道が発表報道だったかどうかを、実証的に明らかにすることをめざす。 初年度の2013年度は、分析に必要な政府記者会見の詳細なデータベースを構築することを試みた。政府会見には官房長官の会見と経済産業省・原子力安全保安院の会見の二つがあった。2011年3月11日~4月11日に開催された二つの記者会見について、情報公開法に基づく行政文書開示請求を実施し、記者会見記録の詳細なテキスト入手をそれぞれ内閣府、原子力規制庁(原子力保安院の後継組織)に対して試みた。 官房長官記者会見については、内閣府から、首相官邸HP上に各記者会見の動画と概要テキストが掲載されており、開示できる行政文書もHP上のものと同じであるとの回答を得た。そのため、官房長官会見の動画を視聴し、記者会見の詳細について質疑応答を含めて文字起こしすることにした。2013年度中に2011年3月18日まで計20回の記者会見の文字起こしを終えた。 また、原子力安全保安院の記者会見については、原子力規制庁から、3月13日~4月11日のあいだの記者会見の議事概要についての開示を得た。3月11日と12日の記者会見の議事概要は存在しないとの回答を得た。原子力安全保安院の記者会見についても、動画をもとに詳細な文字起こしをすることを考えている。 新聞報道については、朝日、毎日、読売、日経4紙を対象に、「溶融」の文字を含む記事の収集をおこない、分析に用いる記事データベースを作成した。 2014年度以降は、科学研究費補助金(基盤C)による研究費などを活用しながら、現在構築しつつある政府記者会見のデータベースを更に完成させるとともに、そのデータベースを用いて記者会見の詳細な内容分析に取り組む予定である。

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