2022/05/17 更新

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ゴトウ ジュンペイ
後藤 潤平
所属
附属機関・学校 高等学院
職名
教諭
 

研究分野

  • 教科教育学、初等中等教育学

  • 政治学

特定課題研究

  • 日独姉妹都市の諸関係の経緯と現在に関する比較調査研究

    2020年  

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    ドイツの諸都市と姉妹都市提携を結ぶ日本国内の市町村は50あるが、どの交流関係も個別特殊なものであり、様々な担い手がそのネットワークを用いて発展させてきた。このように地域独自の資源となっている姉妹都市関係の共通の課題として、世代交代と継続性の問題がある。本研究はこうした問題意識に基づき、様々な姉妹都市関係を調査することを目指したものである。本年の成果として、一般社団法人自治体国際化協会の関係資料が充実しており、その分析にはまだ時間を要するものの、数ある姉妹都市関係の分類の際に、交流の起点、交流の主体、交流内容などの視点が役立つであろうことが把握された。

  • RESASと「体験の言語化」を用いた、都市部高校生に向け地方創生学習メソッドの開発

    2018年  

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    消費者という立場で社会と関わり続けてきた都市部の高校生に対して、公民的資質の形成を図っていくことは如何にして可能か。本研究は、消費社会論の視点から青年たちの特質を捉え、当事者意識をもって新しいアイデアの生産に向かう姿勢を促すような課題発見解決型の学習メソッドの開発を目指したものである。テーマに地方創生を掲げ、事前学習や現地訪問を経た学習方法も採用したものの、地方における体験学習自体が、あたかも商品として消費されそうな一面もあり、その後のアイデア生産に集中できない場合もあることが明らかとなった。自身の体験を意味づける「言語化」を促す方法について、検討を重ねることが求められた。

  • 地域創生政策をめぐる市町村の連携可能性に関する研究~高知県幡多地区を事例として

    2018年  

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    急速な少子高齢化が進み、人口減少に直面する我が国においては、今後さまざまな政策分野で市町村の枠組みを超えた連携のあり方が模索される可能性がある。すでに今日でも地方中枢拠点都市を核とした近隣市町村の連携の必要性を指摘する声がある。こうした問題関心を背景に、本年度は広域連携をキーワードとした文献研究を中心に市町村の連携可能性に関する議論の整理を行うとともに、具体的な地域として高知県西部の幡多地域に注目して、四万十市、宿毛市、土佐清水市などを訪れ、首長や一部事務組合を取材した。政策分野ごとに連携の見通しや方法は異なることから、改めて丁寧に議論を整理していく必要が明確となった。

  • 高等教育機関の存在に注目した市町村レベルにおける多文化共生政策の比較分析

    2017年  

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    本研究では、地方自治体における大学など高等教育機関と、そこにおける留学生の存在を、多文化共生政策を左右する「資源」として解釈できるかを研究課題とし、大分県別府市を調査した。大分県は平成23年に「大分県海外戦略」を策定しており、そこで明確に「留学生の支援と活用」に言及している。さらに「大学コンソーシアムおおいた」などの機関が継続的に機能しており、留学生の起業や就業などが支援され、地域への多様な貢献を確認することができた。とはいえ、県と市町村という政策主体の違いや、地域経済と多文化共生という政策内容の違いを丁寧に整理して、改めて検討することが必要であることが明確となった。

  • 外国人労働者受け入れ政策をめぐる国家とメディアの公的熟慮の相互作用に関する分析

    2016年  

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    90年代の定住者や技能実習生の受け入れ、EPA(経済連携協定)にもとづく介護・看護人材の受け入れなどに加え、昨今では高度人材の積極的受け入れや特区での家事労働者の受け入れも進められ、既にさまざまな資格にもとづきさまざまな国々からさまざまな人々が来日している。一方、来日した人々の生活課題に実質的に対応するのは居住する地域社会である。そのため2016年度は外国人集住都市である三重県津市、伊賀市、滋賀県甲賀市の行政担当者や国際交流協会職員に取材し、また愛知県豊橋市で行われた外国人集住都市会議に参加することで、現在の外国人労働者受け入れをめぐる論点整理を行った。成果は、高等学院の研究年誌に報告する予定である。

  • 熟議民主主義的手法の公民科教育教材としての実現可能性

    2013年  

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    グラハム・スミスは2000年にデンマークにおけるコンセンサス会議、ドイツのプラーヌンクスツェレ、イギリスの市民陪審、アメリカのデリバラティブ・ポリングを熟議民主主義の実践的アプローチとして位置づけた(Smith, G, 2000, Toward deliberative institutions)。これらの取組は、日本においても各地の青年会議所による市民討議会をはじめ、大学や研究機関が実施しており、その意義や課題への理解も積み重ねられている。本研究ではこれらの熟議民主主義的な手法の共通点を、論争的な公的課題、多様な立場からの情報提供、小グループによる討論といった点に求め、中等教育課程における課題解決型授業への適用可能性を模索するものである。本年度は各地で行われている課題解決型授業の取組を整理することが目指された。実際に教育現場では、浦和第一女子高等学校の華井裕隆教諭が2013年10月に日本社会科教育学会で「政策的思考の育成をはかる授業」として報告した複数のエネルギー政策を選択肢として討論させる授業など、数多くの取組が展開されており、その取組への注目度や評価も高く、社会科教育における関心の高さが伺えるものであった。今年度の授業実践としては、高校3年生の政治経済の授業において、アメリカ・モンタナ州のシムズ高校の生徒とパキスタンのBVSParsiの生徒と共同で、Japan SocietyのSNSを利用したGoing Globalプロジェクトを行った。これは各校の生徒が、核開発、貧困、エネルギー政策の3テーマに関する各国の新聞記事を紹介し、それらの記事への意見を交換しあうもので、各国の生徒がどのような記事に興味を持ち、どのようにその記事を捉え、どのような課題を設定するかといった点に注目するものであった。公的な課題に対する多様な立場からの情報提供と小グループによる討論を実験し、それを踏まえて外国の同世代と意見を交換する取組が行われた点で一定の可能性は示したものの、その内容に関しては課題を残しており、その克服のためには、中等教育課程に相応しいさらに丁寧なシステムの設計が必要である。また、今後は中学における公民の時間や、政治経済や倫理といった公民科の授業における展開を引き続き継続するとともに、多様な教科内における実現可能性を模索することも肝要である。

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