2024/11/22 更新

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ワダ ヨシタカ
和田 仁孝
所属
法学学術院 大学院法務研究科
職名
教授
学位
博士(法学) ( 京都大学 )
修士(法学) ( 京都大学 )

経歴

  • 1996年
    -
     

    九州大学 教授 Associate Professor

  • 1996年
     
     

    九州大学 教授 Associate Professor

  • 1988年
    -
    1996年

    九州大学 助教授

  • 1987年
    -
    1988年

    京都大学 助手

学歴

  •  
    -
    1986年

    京都大学   法学研究科   基礎法学  

  •  
    -
    1979年

    京都大学   法学部  

所属学協会

  •  
     
     

    日本法社会学会

 

論文

  • 『法と社会へのアプローチ』

    和田仁孝, 太田勝造, 阿部昌樹編

    日本評論社    2004年

  • 『法社会学の可能性』

    和田仁孝, 阿部昌樹, 樫村志郎

    法律文化社    2004年

  • 『弁護士活動を問い直す』

    和田仁孝, 佐藤彰一編

    商事法務    2004年

  • 『交渉と紛争処理』

    和田仁孝, 太田勝造, 阿部昌樹編

    日本評論社    2001年

書籍等出版物

  • 医療メディエーション:近不r区都・マネジメントへのナラティヴ・アプローチ

    和田仁孝, 中西淑美

    シーニュ  2011年11月

  • 医療事故sン外賠償の実務

    和田仁孝編

    三協出版  2011年02月

  • 医療事故対応の実践

    和田仁孝編

    和田仁孝編  2009年09月

  • ADR理論と実践

    和田仁孝編

    有斐閣  2007年08月

  • 法社会学

    和田仁孝編

    法律文化社  2006年12月

  • 医療コンフリクト・マネジメント

    和田仁孝, 中西淑美

    シーニュ  2006年05月

  • リーガル・カウンセリングの技法

    和田仁孝, 中村芳彦

    法律文化社  2006年04月

  • 法と社会へのアプローチ

    和田仁孝編

    日本評論社  2004年10月

  • 弁護士活動を問い直す

    和田仁孝編

    商事法務  2004年10月

  • 法社会学の可能性

    和田仁孝編

    法律文化社  2004年08月

  • 交渉と紛争処理

    和田仁孝編

    日本評論社  2002年05月

  • 『医療紛争…メディカル・コンフリクト・マネジメントの提案…』

    和田仁孝

    医学書院  2001年

  • 『法社会学の解体と再生』

    和田仁孝

    弘文堂  1996年

  • 『民事紛争処理論』

    和田仁孝

    信山社  1994年

  • 『民事紛争交渉過程論』

    和田仁孝

    信山社  1991年

  • ADR認証制度ガイドラインの解説

    和田仁孝編

    三協出版 

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Works(作品等)

  • 日系タイ企業の契的行動調査

    その他 

    2000年
    -
     

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 法専門職教育の再定義と臨床法学教育の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

    宮川 成雄, 近江 幸治, 須網 隆夫, 和田 仁孝, 石田 京子, 宮澤 節生, 藤倉 輝道, 大塚 正之, 岡田 裕子

     概要を見る

    本研究課題は、①法専門職教育の再定義、②法専門職教育の社会貢献、③医師養成教育との比較による臨床方法論の検討、および④国際比較を、4つの柱としている。①法専門職教育の再定義については、法律サービスの提供におけるインターネットの利用が、どのように法専門職の教育に影響を与えるかについて、セミナーを開催し検討を行った。また、アメリカ、イギリス、および韓国における法律関連職の業務形態および養成制度について検討した。②法専門職教育の社会貢献については、心理的精神的ストレスの下にある依頼者に、いかに対応するかについて、臨床心理学の知見から司法修習の選択型実務修習として提供するプログラムを、その実施内容の改善について検討した。また、家事紛争解決プログラムについて、若手弁護士を対象とする研修の内容の検討をおこなった。③医師養成教育との比較による臨床方法論の検討については、日本医科大学における一年次生による模擬患者に対する模擬医療面接、および医師としての専門職倫理に関わる授業の見学会を実施し、法専門職教育への応用の可能性を検討した。④臨床法学教育の国際比較については、アメリカ・ロースクール協会年次大会、および同協会の臨床法学大会に研究者を派遣し、アメリカのロースクール教育の動向を把握することに努めた。また、中国の法学教育者との日本での共同研究の機会を設定し、日中の法学教育の動向について検討した。①法専門職教育の再定義については、アメリカ、イギリス、および韓国について、法関連専門職の業態および養成のあり方について、『青山法務研究論集』13号(2017年3月発行)に、「リーガルサービス・プロバイダの多様性に関する予備的考察」として、研究分担者と研究協力者による一連の研究を発表した。②法専門職教育による社会貢献については、臨床心理学の知見を法律相談において活用する司法修習選択型実務修習を実施し、プログラムの質の向上を実現することができた。家事紛争解決プログラムについては、研究協力者の貢献により『臨床実務家のための家族法コンメンタール(民法相続編)』(2017年1月刊)の刊行を見ることができた。③医師養成と法曹養成との方法論上の比較については、2度にわたる日本医科大学の授業見学の機会を設けることができた。第一は、模擬患者の協力による医療面接の教育に関する見学であった。第二は、医学生を小グループに分割し、医療倫理に関わる具体的問題についての討論を中心とする授業の見学であった。このような授業形態における指導教員の役割についての考察をとおして、法曹教育における指導教員の役割と類似する点が多く、今後とも医師教育と法曹教育の方法論上の比較の重要性を認識することができた。④アメリカのロースクール教育について、アメリカ・ロースクール協会の年次大会や臨床法学大会に積極的に参加して、アメリカの教育方法論の改善への取り組みを把握することができた。例えば、2016年度からJD取得要件として臨床科目6単位が必修化されたことについては、学修成果目標の設定とその達成度の評価、学生の実務経験を事後的に省察する機会の設定、および学生成績の集積的(summative)評価だけでなく形成的(formative)評価の導入など、教育心理学の知見を組み込んだ取り組みを把握することができた。①法専門職教育の再定義については、2017年度は諸外国における法関連専門職の業態および養成の実情についての検討を継続し、また日本の司法書士、税理士、弁理士、社会保険労務士等についても、さらにその養成および継続研修の実態を把握することに努める。さらに、インターネットの利用による法律サービスの提供形態の変化についても、検討を継続する。②法専門職教育による社会貢献については、臨床心理プログラムおよび家事紛争解決プログラムの内容の充実に努める。また、大学に付設された法律事務所や法実務センターなどの活動について調査し、リーガルクリニックの実施等で、法実務教育の実施面で大学がどのような社会貢献を行いうるかについて検討を継続する。③医師養成と法曹養成における臨床方法論の利用について比較研究を継続する。とりわけ、専門職責任についての教育において、医師の患者に接する態度やより広範な社会的責任についての教育方法論を、法曹養成においていかに導入することができるかを検討する。④国際比較については、アメリカ・ロースクール協会の動向、国際臨床法学教育ジャーナル学会の動向、および中国や韓国における法曹教育改革の動向の把握に努める。特に、2017年12月には、これまで4年に一度交互に開催してきた早稲田大学とカリフォルニア大学バークレー校との共催シンポジウムを、第4回目としての開催し、ロースクール教育の需要についての変化、法曹界の階層化の変化、臨床方法論の変化等について、日米の比較検討を行う

  • 文化的実践としての「被害」と「法」

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2018年03月
     

    和田 仁孝

     概要を見る

    「被害」の観念は、実は文化によって異なるいわば文化的に構成された概念と言える。被害が生じたと考える際、何が被害の内容を構成しているのか、その理解をもたらした文化的要因は何か、それに伴う責任を人々はどのように認識していくのか、これらは文化によっても、状況によっても、個人によっても微妙に異なってくる。しかもやはり文化的構成物である法や裁判は、この「被害者」の認識に強く影響すると共に、逆に被害者の認識によって揺らいでいくこともある。本研究では,こうした法言説と、人々の被害、責任認知の相互関係について、医療事故や震災等を素材に検討しそのメカニズムを検証したものである

  • 医療職を対象とする法的コンピテンス養成教育プログラムの開発

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    本研究は、医療従事者を対象に、教育効果が高いとされるロールプレイなどの体感的学習方法に基づいて、知識のみならず実践に生かす能力をも含む「法的コンピテンス」を向上させる「法的コンピテンス養成教育プログラム」の構築をめざし、書籍、海外学会での発表のほか、既存の医療者への研修提供システムに組込み、実際に研修による人材養成を実践していくことを目標としたものである。穂年度は最終年度であるが、研究実施の途上で、それに随伴する成果について随時公表してきた。国内外での学会発表や、翻訳書の出版等である。研修プログラムについては、神奈川県病院機構の協力を得て、初年度及び終了年度である今年度にもこれからプログラムの実施検証を行う予定である。プログラム自体については、医療事故後の初期対応を念頭に置いたプログラム、インフォームド・コンセントの実効性を高めるためのプログラム、医療倫理や法が関係する倫理場面での調整についてのプログラムを作成している。いずれも、端野医療職の能力向上を目的とするのでなく、患者側との調整や対話により、いっそう医療者、患者双方にとって満足のいくモデルを構築することを心がけた。いま一段の精錬が必要ではあるがおおむねその骨格は完成することが出来た。また、プログラムにとどまらず、研究過程で米国、台湾、中国等の研究者とのネットワークも構築され、また成果を海外でも公表することを通じて、広くこうした教育プログラムの重要性と普遍的適用可能性について、アピールすることが出来たと考えている。27年度が最終年度であるため、記入しない。27年度が最終年度であるため、記入しない

  • 法科大学院修了弁護士のキャリア規定要因に関する追跡研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2015年03月
     

    宮澤 節生, 石田 京子, 武士俣 敦, 藤本 亮, 上石 圭一, 久保山 力也, 神長 百合子, 和田 仁孝

     概要を見る

    本研究では、新人弁護士のキャリア形成に作用する要因を解明するため、2009年に司法修習を終了した第62期弁護士全員に対する郵送調査を2回実施した。第1回は2011年1月~2月に実施し、621名から回答を得た(回答率29.3%)。第2回は2014年1月~3月に実施し、406名から回答を得た(回答率19.5%)。2回の調査は、回答者個人を識別しない条件で実施しており、第1回調査の回答者のみに対して第2回調査を行うものではなく、毎回同期弁護士全員を対象にしたため、厳密な意味での追跡調査ではなく、繰り返しのクロスセクション分析というべきである。しかし、同種調査の前例はなく、その意義は大きいと考える

  • 医療事故をめぐる過失観念の構造と変容:ナラティヴ・アプローチによる解析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2014年03月
     

    和田 仁孝

     概要を見る

    過失概念については分厚い研究蓄積がある。しかし、事故当事者の日常感覚の中での過失概念、医療や科学技術の専門家の観点からする過失概念は、法的過失概念とは異なる思考体系を前提としておりズレを孕んで認知的に構成されている。本研究は、産科無過失補償制度の創設やADR整備など制度改革の渦中にある医療事故領域を対象に、不法行為をめぐる基礎概念をめぐって①日常的観念、医学専門的観念、法的観念のナラティヴ構造を実証的調査をベースに解析し、②それらが交錯する交渉過程・訴訟過程で生じている相互変容関係解明し、③これら観念の特質と関連性を海外の状況と比較分析したうえで、④実践的提言をも試みようとしたものである

  • インフォームド・コンセントの法社会学―動態分析に基づく行動規律モデル

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2014年03月
     

    中西 淑美, 和田 仁孝

     概要を見る

    インフォームド・コンセントはその基盤を法に置きつつも倫理的に有効な同意プロセスであり、和田・中西の三極のナラティヴメディエーションモデルによるShared Decision Making過程の関係構築が効果的であった。このモデルの検証を、患者・家族、医師、医学生教育、医療有害事象等の調査で有効性を確認した。また、被害と感情について、原発事故の浪江町の調査も実施した。本研究の成果で強調したい点は、このモデルは政策的に評価を受け、2012年1月、厚生労働省の診療報酬政策の患者サポート支援体制のため基本策定資料として採用され、同年(2012年)4月より、医療対話推進教育として公布施行された点である

  • 臨床法学教育の課題と法科大学院教育の再検討

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    臨床法学教育の国際的動向の研究については、研究代表者の宮川が、今年度年5月および9月に、韓国の大学に講演者として招かれたときに、韓国のロースクール制度の実施状況について情報収集するとともに、同国の研究者と意見交換を行った。また、今年度12月には、カリフォルニア大学バークレー校と本科研費グループの共催による国際シンポジウムを同大学で開催し、アメリカのロースクールの直面している入学志願者の減少や、修了生の就職難等の状況について、日本の法科大学院と現象的に似た問題であるが、重要な点で性質が異なることについて、日米双方の研究者による研究報告を行った。
    法科大学院における臨床法学教育の実施状況についての研究は、法科大学院で臨床教育科目を履修した修了生を対象とするアンケートを実施するための質問項目を選定し、アンケート調査票の原案をほぼ確定することができた。またこの調査の協力を受けるための法科大学院数校からの協力承認を得ることができた。
    臨床法学教育の方法論を活用した継続法曹教育については、本研究グループが開発した臨床心理学の知見を活用した司法修習選択型実務修習プログラムの改善改良に取り組んだ。このプログラムは、早稲田大学臨床法学教育研究所との連携の下に、平成23年度の初めてのプログラム実施以来、今年度で3回目の実施を実現した。また、家事紛争解決プログラムとして、本研究グループは、家事調停委員を対象とした研修プログラムを考案しており、今年度は首都圏の家事調停委員の参加を得て、その研修を実施した。
    臨床方法論を用いた法曹養成と医師養成の比較についての研究は、現在中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会で検討中の共通到達度確認試験について研究会を開催して、医学部で実施されているOSCE(臨床実習を履修する能力を確認する試験)との異同について検討を行った。

  • ADR促進法とADR実践の構築:法と運用実践の相互構築過程の法社会学

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2009年
     

    和田 仁孝

     概要を見る

    本研究では、(1)ADR運用プラクティスの構築にみる法の浸透と変容、(2)北米モデルの異なる文化的・法環境的背景のもとでの浸透と変容、(3)構築されたADRプラクティスの我が国における実践的有効性、という三つの課題を、ADR促進法の施行前・施行後を通じたADR制度と運用の変容過程を実証的に明らかにした。研修では北米型を強調しつつも、実際の事案運用の中では、法や専門判断を適宜、組み込むことで現状に即した運用がなされている半面、そこで生じる規範的課題やリスクについての検討は今後の課題となっている状況であることも判明した

  • 「被害」「責任」の認知と医療事故ADRの可能性:法社会学的アプローチ

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    中西 淑美, 和田 仁孝, 和田 仁孝

     概要を見る

    平成18 年度から20 年度にかけて、医療事故をめぐる「被害」「責任」の認知と医療事故ADRの可能性 : 法社会学的アプローチ」をテーマとする研究を実施した。在外調査として、アメリカのジョンズホプキンス病院の医療事故システムのあり方や、イギリスのNHS などの取り組みを調査した。この研究では、医療者及び患者側へのインタビュー調査やアンケート調査を通じて、その感情的葛藤を中心とする紛争解決・関係調整過程のメカニズムの検証と、それに基づく具体的なプロセス・モデルの提言、人材養成プログラムの開発などを行った(和田仁孝・中西淑美『医療コンフリクト・マネジメント』、日本医療メディエーター協会(JAHM)設立などを行い、各種シンポジウムにおいて非医療者と医療者の医療事故ADR についての考えを啓発した)。その過程で、こうした紛争解決・関係調整機能が、原因究明システムの在り方や、医療者やの行動規律システム、また金銭的救済システムとの連動の中で影響を受けていることが考察できた。更に、本研究では、法社会学研究者、医師、看護師からなる研究会を組織し、海外の医療事故防止システム、医療事故紛争処理システムについての研究を進めている。実証的研究ではないが、その準備となる文献研究として、現在進行中である。コロンビア大学ロースクールでメディエーションを講じ、医療メディエーションの推進者でもあるCarol Liebman 教授とJAHMシンポジウムも開催した。医療事故当事者の「被害」「責任」観念の構造についての法社会学的分析を行ってきたが、その過程で、被害・責任のナラティヴ分析を的確に行うために、ナラティヴ分析一般、及び医療領域で注目されつつあるナラティヴ・ベイスド・メディスンなどの新たなアプローチについて文献を検討した。成果としては、日本学術会議特任連携会員として、医療事故紛争処理システム分科会における検討を重ね、分化会委員会のコンセンサスを得て、医療事故紛争処理システムについての提言をすることができた。また、リスクについての医療者と患者の認知の差異について「認知のたすき掛け現象」と名づけた概念を手がかりに分析した論文が、学会誌『法社会学』に投稿し採択され掲載された

  • 法使用パターンの抽出とその相互影響関係の分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2003年
    -
    2008年
     

    和田 仁孝

     概要を見る

    本研究は、大規模質問紙調査、質的調査、各種二次資料を用いて、国民の紛争処理に関わる弁護士・司法書士の利用パターンの客観的把握と、制度変容の影響を実証的に明らかにするものである。具体的には、なお、全体として我が国における法律家利用の低調さが見られるものの、法曹人口増員、司法書士法改正など司法制度改革の影響下で、クレジット・サラ金事件など簡裁事件での活用の増加など新たな動きの出現と、さらにその法改正に連動した動きが発見され、法制度の変容と法曹利用の短期的連動現象が明らかとなった

  • 民事救済法理論の解釈論的・法社会学的・比較法的総合研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2003年
    -
    2006年
     

    川嶋 四郎, 山本 顕治, 和田 仁孝, 曽野 裕夫, 八田 卓也, 本田 裕美子

     概要を見る

    この4年間にわたる研究では、民事救済過程に関する将来的な展望に関するいくつかのさまざまな提言を行った。その研究のさいの基礎的な理論は、救済法の視角であり、とりわけ、「権利志向的な手続過程」から「救済志向的な手続過程」の探求である。基本的には、具体的な事例研究と比較法的研究を素材にしたものである。具体的な研究成果としては、民事訴訟手続の改革のための一般的な展望的指針の提供と各種の提言を含んでいる。たとえば、アメリカ法および日本法における救済法論の比較法的および歴史的展開の解明、救済展開における弁護士の役割および救済展開における裁判所の役割の解明と提言、民事裁判の迅速化と救済展望の探求(裁判の迅速化要請と裁判所の救済使命についての提言)、確認訴訟の機能とその可能性の示唆と提言(「清算条項のみの無効確認の訴え」を手掛かりとした提言)、確認判決における情報提供機能の重要性の指摘と具体的な提言(「みなし相続財産の確認の訴え」を手掛かりとした提言)、確認訴訟過程を通じた将来的救済展望と新たな解釈論の提言、将来的法律関係の確認訴訟における展開可能性の探究とその実効性の探究、将来の給付の訴えにおける救済展開の展望とその実効性の探究、仮処分における救済展開の可能性と新たな解釈論の提言、民事執行における救済実現過程の将来展望の具体的な提言と新しい執行過程の具体像の提言、現実的救済の実現過程における現状と課題の探求と提言、代替執行過程の新たな展開と「適当処分手続」の再構成、および、民事救済の新たな世紀を希求した諸提言などを行った

  • 法的サンクションによる医療事故予防効果についての法社会学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2003年
    -
    2005年
     

    和田 仁孝

     概要を見る

    H17年度は、3年間の研究を経て、研究テーマに関する一定の実証的知見を得られたと共に、それを基盤にして、実践的な紛争処理対応のあり方についての提言などを行うことが出来た。実証的なデータ収集の側面では、主として質問票調査の実施について、国内外ともに、医療機関等の協カを得ることが難しく、必ずしも予定通りに進んだとは言えないが、その代替として行った参与観察、インタビュー調査の結果、民事・刑事の法的サンクションが、現場の医療者に対して非常に防御的な姿勢を取らせ、紛争発生時にも、逆にネガティブな行動の動機となっていることがわかった。医学生については、同様の観点から、産科、外科、整形外科など、訴訟頻度の高い診療科への志望者が激減するなど、医療システム全体を危機に至らしめかねないリスクを将来していることがわかった。また、これら医療者の認識は、たとえば、事故時に謝罪すると訴訟上、不利になるなどという謝った認知がなされていることも判明した。これに対し、メディエーションなど対話型の紛争処理システムへの期待は高く、その有効性認知も高いことが判明している。こうした状況は国内外を問わず共通してみられる特徴であることもわかった。これらの観察やインタビュー、一部の質問票調査による知見に基づき、これら対話促進型、かっ広範な論点を扱えるADR機関や、初期対応の技法の有効な展開が、事故時の医療者の対応のみならず、日常的な診療行為における医療者=患者関係をも改善し、ひいては、医療システム、そして患者側の利益にもなるとの視点から、様々な提言や論文、講演を通じた成果の公表を行ってきた。ただし、データのすべての分析が終了したわけではなく、また異なる観点からも分析が可能であると思われ、こうした探求を今後も継続していく予定である

  • 東アジア社会の法と近代化-法整備支援と法の支配可能性の検証-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2002年
    -
    2005年
     

    棚瀬 孝雄, 寺田 浩明, 松岡 久和, 和田 仁孝, 季 衛東, 玉田 芳史, 芝池 義一

     概要を見る

    本研究は、東アジア社会の法整備を日本との比較の中で明らかにしようとして始められたものであるが、具体的に、中国の法改革を中心に分析した。平成14年度の後期には、まず全体の計画を立て、研究会に外部講師や中国の研究者を呼んで研究活動を開始した。また中国にも出かけて情報を収集するとともに、大学の研究者からも調査の可能性について、意見交換を行った。15年度は、さらに研究会を続けるとともに、比較のために、中国とも日本とも違う形で方の整備が行われてきている、タイやベトナムの調査も行った。また、研究を進めるための理論的枠組みを検討するために、それまでの研究を踏まえつつ、何本かの論文を書いて雑誌に発表するとともに、年度末には、現地の調査報告も含めて、中間報告書をまとめた。この間、とくに契約実務についても、聞き取り調査などを中国、タイ、そして日本で行った。16年度は、日本との比較を中心に研究を進め、日本での法意識調査を行った。その成果は、京都大学の法学雑誌に発表したが、グローバル化の中で、法や権利についての意識がどのように変容してきているか、興味ある知見が得られた。17年度は、この調査を、一部中国の実情に合わせて改訂した上で、中国においても実施した。また、この間、中国からも講師を呼んだりして研究活動を続け、年度末には、報告書をまとめ、研究成果を発表した。その中に、中国での法意識調査も概要を載せたが、まだ分析は完全には終わっておらず、今、引き続き論文化の作業を進めているが、今年度中には、日本での調査分析や他の関連論文と併せ、単行本の形で発表できるように準備を進めている

  • アジア太平洋紛争解決共同研究

    研究期間:

    2004年
    -
     
     

  • アジア経済危機下の契約再交渉過程の法社会学的研究 -日本・タイ国際取引調整をめぐって-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

    和田 仁孝, 北川 俊光, PICHET MAOLANOND, 和田 仁孝

     概要を見る

    本研究はこれまでの米国における契約理論、交渉理論の検討、とりわけ、いわゆる関係的契約をめぐる理論とその適用による法杜会学的な契約交渉過程の実証研究、ならびに企業等の組織が契約交渉に与える影響を射程に収めた組織的契約理論などの研究をベースに、日タイ契約関係に関するデータを分析し、通貨危機時における日系企業のタイでの契約再交渉過程の特質を明らかにしようとしたものである具体的には日タイ国際契約取引関係について、一方でタイの外国投資法、契約法、民事訴訟法などについての変容をフォローしつつ、現地にて日系タイ企業の行動パターンについて、各社の駐在員、担当者へのインタビュー調査を実施した。とりわけ通貨危機時の紛争処理行動と、それが長期的な契約関係のあり方や企業戦略とどのようにかかわっているのかえを検証し、その上で関係的契約論や組織論的な契約理解が、実証的にも妥当性を有していることを確認した。また、さらに、このタイでの法的交渉関係で得た知見をベースにより広く、アジアにおける紛争解決制度研究の基本的視座の構築へも発展的に詩作を展開した。本研究は、本年度でいったん終了するが、現在、京都大学の「東アジアの法と近代化」(4ヵ年計画)についての共同研究、およびカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学を中心とするアジアの紛争解決共同研究プロジェクト(5カ年計画)にも日本側代表者として参加しており、その中で、本研究で得た知見をさらに発展的に展開していくことを考えている

  • 沖縄における「日本的」および「沖縄的」アイデンティティのあり方に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1998年
    -
    2000年
     

    石田 正治, 安達 義弘, 和田 仁孝, 石川 捷治, 仲地 博, 比屋根 照夫

     概要を見る

    本研究は、沖縄地域をとりあげ、ナショナル・アイデンティティおよびローカル・アイデンティティが個人の思考や行動にいかに現れるのかを明らかにしようとした。対象地域を、日本国内の周辺に位置し、独自の歴史・文化的背景をもつ沖縄に限定した。各研究者がそれぞれ祖国物語形成、市民運動、紛争処理、宗教運動、国民統合、および共同体組織に焦点をあてて調査研究を行い、定期的に研究会を開いて、それぞれの研究成果について討論を重ねた。その結果、以上の諸点が明らかになった。物語形成論では、沖縄の代表的言論人、太田朝敷が生産組合運動に関り沖縄の自立を模索する過程で、日本への祖国イメージを形成していく状況が明らかなった。市民運動論では、戦後米軍統治下での祖国復帰運動の過程で、沖縄の人々の「大和」と「沖縄」への関わり方が時代的に変化することが明らかになった。紛争処理論では、沖縄の紛争処理の場面で、その当事者が、沖縄的論理と本土的論理を意図的・戦略的に組み合わせて自己の正当性を主張する状況が明らかなった。宗教運動論では、祖先崇拝が沖縄的アイデンティティを不断に生産し続けている一方で、本土的宗教の受容によって本土的価値観や思考様式が受け入れられていく状況が明らかになった。国民統合論では、沖縄の中での、あるいは海外での社会主義運動をとおして、日本的アイデンティティを相対化しようとする運動が展開されたことが明らかになった。共同体組織論では、本土的編成原理を志向しつつ沖縄的原理を払拭しきれない状況、および編成過程における帰属意識の揺れが明らかになった。以上の諸点が明らかになったが、同時に、国家からの視点ではなく、国民の主体的行動や意欲に焦点を当てる研究の有効性も明らかになった。今後は、この成果をふまえて、日本全体を視野にいれた近代日本の国民国家形成期におけるナショナリズム問題の研究の必要性と可能性が出てきた

  • 「契約紛争解決過程における交渉と合意」 の役割の解釈論的・実証的研究

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    本研究は、1990年代に入り我が国においてのみならず、欧米諸国においてとみに関心の高まっている「交渉」(合意)の、紛争処理過程において果たす役割について理論的・経験的に研究を進めることを目的としたものであった。その際、経験的側面においては、80年代より欧米、日本において新たな実務的問題として紛争事例の急増している「フランチャイズ契約」を巡る紛争を具体的にとりあげ、当事者・弁護士へのヒアリングを一方では行い、それを理論的、解釈学的な研究とつきあわせようとしてきた。その結果、これまでの契約実体法学の視点の狭隘さに大きな反省を迫る重要な知見が得られた。たとえば、(1)契約の意味内容は締約時に「客観的」に確定されたものとは到底言い難い場合があり、当事者自身、紛争の展開過程の中でその都度の状況に照らし合わしつつ契約書の「再解釈」を常に行っているということ、(2)紛争過程における当事者は、なにか確定的な「実体法的権利」を貫徹しようとして、終始一貫した態度を取っているのではなく、紛争過程における自身の取り巻く状況の変化に応じ、あるいは自身を代理するはずの弁護士とのやりとり、および原告(団体)内部での利害関係の変容に強く影響を受けつつ、その都度自身の利害関心を「迷いながら」「再構成」しているということ、(3)従って、訴訟過程をより実効性あるものとするためには、契約の解除の可否、損害賠償の存否、といった既存の法的枠組みをもって対処しようとするだけではきわめて不十分であり、上記に指摘した紛争過程における「当事者の事故解釈」を活性化するための法理、法実践の具体的内容についてこそ考察がはかられねばならないことが実証的にも明らかになった。また、本研究約の知見は1997年11月29日〜30日に京都大学法学部において開催された「現代契約理論シンポジウム」と題する国際シンポジウムでも報告され、また現在タイのタマサート大学の協力を得て、アジア法の領域での比較研究へと進展している

  • 少年犯罪被害者による民事損害賠償請求訴訟の法社会学的研究-紛争処理論の視点から見た少年法と民事司法の調和的架橋-

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    本年度は、本萌芽的研究の最後の年度として、被害者や関連機関での最終的な補充調査を実施したほか、その成果の取りまとめの作業を行った。とりわけ、犯罪被害者の刑事ADRの特質を理論的に明らかにするため、典型的な刑事犯罪とは異なり、刑事事件として処理されると同時に、民事司法の領域でも損害賠償請求訴訟が提起されうる事件類型として、医療過誤事件をとりあげ、比較検討を行った。すなわち、民事訴訟提起が、「真相を知る」ためのものと考えられる前者と、金銭的賠償を目的とする後者という仮説の検討である。しかし、その結果は、むしろ、両者の相似性、それもいずれも金銭賠償問題でなく、より情緒的・社会的な動機による紛争処理行動であることを浮き彫りとするものであった。このことは、逆に、民事司法やADR型の紛争処理制度こそが当事者にとって、より意義のあるフォーラムとして機能する可能性を示しており、今後、そうしたフォーラムのあり方の提言へ向けて、より本格的な研究を展開していく予定である。なお、副産物ではあるが比較対象とした医療過誤紛争領域では、すでに著書の形で成果を公開している

  • 法化社会における紛争処理と民事司法の総括

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    特定領域研究全体の活動は、データ分析と研究成果の公開の段階に移行しているため、総括班では本研究の成果をまとまった形で刊行すること、および、本研究で得られたデータに基づき、国際的な研究活動を発展させることを、平成20年度の主な目的として活動した。具体的には、A班、B班、C班の活動の連携を図るために、総括班会議を5回開催した。また、全体研究会を年度前半に2回開催した。年度後半には、各班のなかで、研究成果出版に向けて研究成果のさらに掘り下げた検討を行うよう促し、平成21年度における出版のための作業を進めた。また、アメリカの法と社会学会のなかで正式に国際的研究グループであるCollaborative Research Network on Civil Justice and Dispute Resolutionを組織し活動を始めたほか、国際法社会学会International Sociological Association Research Committee on Sociology of Lawのなかに設立したWorking Group on Civil Justice and Dispute Resolutionも、本特定領域研究のメンバーが参加して学会報告を中心に国際的な研究活動を行った。総括班はこうした研究成果の国際発信をサポートしたほか、それらの邦語・英語報告をまとめたワーキングペーパー第5集も発行した

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 法学学術院   法学部

  • 法学学術院   大学院法学研究科

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2020年
    -
    2025年

    紛争交渉研究所   プロジェクト研究所所長

特定課題制度(学内資金)

  • 弁護士懲戒制度の機能転換へ向けて

    2024年   和田仁孝

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    弁護士懲戒制度は弁護士自治の根幹をなす制度のひとつである。弁護士が自浄作用をもってその成員の行動規律を図ることは、公的使命を帯びた弁護士という職業にあって不可欠の重要性を持っている。しかるに、社会的環境の変化の中で、そうした機能に逆機能的な状況が生じてきていることも否定できない。弁護士懲戒委員会の委員としての参与観察から、以下のような問題点について検討した、第1に、受任した職務を放置する事案が、近年、顕著に増加いており、その背景に弁護士自身のメンタルヘルスの問題が潜んでいる場合が多いが、こうした事案は懲戒することよりも、問題を早期に把握し弁護士会としての適切な支援を提供しうるシステムの構築が必要である。わが国にはそうしたシステムは存在しないが、比較対象としてAmerican Bar Association の状況を検討した。アメリカでは、全米50州すべてに弁護士(週により裁判官も含む)を対象とする、Assistance Programが整備されており、24時間いつでも、相談できる体制を弁護士会内部に設置している。国内でのインタビュー調査により、東京にもならず少なからぬ地域で同様の傾向が見られ、懲戒処分を与える事後対応的処置とは異なる、アメリカのような早期対応システムの設置は弁護士のため、ひいては利用者のためにも必要であると思われる(なお11月に米国での補充調査もよちぇいしている)。懲戒制度も、ただ懲罰的機能に専心するだけの現在のシステムから、弁護士の業務の適正化のための支援機能をも担う新たな支援・教育型懲戒制度への転換を考えていく必要があると思われる。なお、本研究は、早稲田大学特定課題研究の支援のほか、民事紛争処理研究基金からの支援も受けることができた。

  • 責任概念をめぐる比較文化論的研究

    2022年   和田仁孝

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    コロナ禍のもとで、海外での調査・資料収集は実施できなかったが、ウェブや書籍を通じて研究の背景となる比較文化論、コア概念である責任観念についての検討を深めることができた。責任観念については、それが、責任の所在を明確に指摘する責任所属の側面と、一定の応答負担を負う責任負担の要素が構造的に混在し、それぞれの側面について、文化的な差異が存在しうることが確認できた。また、そこに影響する要因として、文化的に比較的安定的に継続する社会関係倫理と、問題に具体的に直面した際に動員される観念との間には差異があること、かつその変移には、周囲の影響力を持つ様々な位相の他者からの情報の影響の存在が明らかとなった。

  • リスク認知、責任観念の文化的差異と不法行為制度の動態に関する比較法社会学研究

    2021年  

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     本研究は、リスク認知、責任観念の文化的差異と不法行為制度の動態に関して、原理的に考察していくための基盤となる実証的調査を含めた研究を実施しようとしたものである。とりわけ、無過失補償制度を徹底しているニュージーランドのシステムを軸にわが国の制度との比較文化論的研究を意図したが、残念ながら、新型コロナ感染状況のために、ニュージーランドでの予定していた調査研究を実施することができなかった。そのため、文献を中心とする基本的研究が中止となったが、これらは、2020年に刊行した3つの書籍の各所に反映することができた。また、国内での調査研究については、新型コロナ感染症が小康状態であった秋に、神戸市史機械でのインタビュー調査など今後の研究展開のための素材を得ることもできた。

  • 民事責任の構成が責任観念に与える影響:無過失補障制度とリスク行為についての研究

    2020年  

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    無過失補償制度の下では、過失の有無とはかかわりなく、被害者への救済が図られることから広範な被害者救済が可能となる。他方で、無過失補償の下では、加害者側に一切の民事責任が発生しないことから、事故防止への意識が弱まることが指摘されている。本研究では、無過失補償の潜在的加害者の意識への影響について、実証的に検証し、今後の政策的導入の在り方への提言を行うため、全面的無過失補償制度を採用するニュージーランドの状況、我が国の産科医療補償制度の潜在的加害者への影響について文献、統計データをもとに検証した。

  • 不法行為加害者の責任意識の構造化と法的制裁:医療事故領域を素材に

    2020年  

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    本研究は、過失により被害、とりわけ人身被害を生ぜしめた場合に、加害者における責任意識がどのように具体的に構成されていく過程において、被害それ自体に対する認識と、他方で法的制裁の付与可能性が、いかなる形で交錯しながら、その責任意識や責任負担行動を構成していくことになるのかを検討しようとしたものである。責任意識については、責任観念(責任についての認知的側面)と責任負担(責任を何らかの行為によって負担する側面)に分析的に分離して考察した。いくつかのケース分析で背金意識の構造にかかわる仮説が構成できたので、今後は調査の量を増やすことで、より詳細な責任意識の構造的理解を進めていくことが課題である

  • 医療事故調査制度の法的制裁関連機能の研究:紛争抑止機能及び訴訟促進機能の交錯

    2019年  

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    本研究は、医療事故調査制度のもとで提出された事故報告書が、実際に民事訴訟に援用され、あるいは刑事訴追に援用されている可能性を精査することを通じて、①この医療事故調査制度が、現実にどのような社会的機能をもち、訴訟や法的制裁との関係でいかなる効果を及ぼすのか、②また設置された第三者調査機関は、紛争抑止を目指す厚労省や医療法が示す基本的役割をどの程度遵守し、あるいは逸脱しているのかについて検証したものである。現時点では、事故調査の結果が訴訟の増加に直接影響した可能性は少ないが、他方、産科医療補償制度はその原因分析報告書が、脳性麻痺事案について訴訟の増加に影響していることが判明した。

  • リスク認知、責任観念の文化的差異と不法行為制度の動態に関する比較法社会学研究

    2018年  

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     本研究は、対象各国の不法行為に関わる制度の差異や、損害の態様による賠償のあり方を原理的に考察していくための基盤となる実証的知見を得るべく、人々のリスク認知が、当該事故態様に関する責任観念にいかに影響しているかを明らかにし、さらにそうした文化的な認知の差異が、実際の不法行為制度の運用、構成にいかに反映しているかを、いくつかの国を対象として実証的検証していこうとするものである。そのための準備的調査を実施した。具体的にはタイ、アメリカを中心に、現地協力研究者の協力を得て、医療事故被害者、及び医療関係者へのヒアリング調査を行った。中間的成果について、タイのスコタイタマシラート大学において講演を行い、またアジア法社会学会において、成果を総合的に発表した。

  • リスク認知と責任観念の連関モデルに関する法社会学的研究

    2017年  

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     本研究は、対象各国の不法行為に関わる制度の差異や、損害の態様による賠償のあり方を原理的に考察していくための基盤となる実証的知見を得るべく、人々のリスク認知が、当該事故態様に関する責任観念にいかに影響しているかを明らかにし、さらにそうした文化的な認知の差異が、実際の不法行為制度の運用、構成にいかに反映しているかを、いくつかの国を対象として実証的検証していこうとするものである。そのための準備的調査を実施した。具体的にはタイ、アメリカを中心に、現地協力研究者の協力を得て、医療事故被害者、及び医療関係者へのヒアリング調査を行った。中間的成果について、タイのスコタイタマシラート大学において講演を行った。

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