2022/10/01 更新

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ワタナベ アイコ
渡辺 愛子
所属
文学学術院 文化構想学部
職名
教授
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兼担

  • 文学学術院   大学院文学研究科

学位

  • 修士

経歴

  • 2012年04月
    -
     

    : 早稲田大学文学学術院 教授

  • 2007年04月
    -
    2012年03月

    : 早稲田大学文学学術院 准教授

  • 2004年04月
    -
    2007年03月

    : 早稲田大学文学部 専任講師

  • 2002年04月
    -
    2004年03月

    : 東京大学大学院総合文化研究科 助手

  • 2000年01月
    -
    2002年03月

    : 日本学術振興会 特別研究員

所属学協会

  • 2003年07月
    -
    継続中

    日本国際文化学会

  • 2002年07月
    -
    継続中

    日本国際政治学会

  • 2002年06月
    -
    継続中

    文化経済学会<日本>

  • 1993年04月
    -
    継続中

    日本英文学会

  •  
     
     

    日本西洋史学会

 

研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

  • ヨーロッパ文学

  • 地域研究

研究キーワード

  • 現代イギリス地域研究

  • 20世紀イギリス文化外交史(ブリティッシュ・カウンシル)

  • ブリティッシュ・カルチュラル・スタディーズ

  • 英文学

論文

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書籍等出版物

  • エリック・ホブズボーム: 歴史の中の人生 (上)

    木畑 洋一, 原田 真見, 渡辺 愛子, 芝崎 祐典, 浜井 祐三子, 古泉 達矢, 古泉, 達矢( 担当: 共訳,  担当範囲: 第4章「イギリス陸軍の左翼知識人:1939年~1946年」)

    岩波書店  2021年07月 ISBN: 4000223097

    ASIN

  • エリック・ホブズボーム: 歴史の中の人生 (下)

    木畑 洋一, 原田 真見, 渡辺 愛子, 芝崎 祐典, 浜井 祐三子, 古泉 達矢, 古泉, 達矢( 担当: 共訳,  担当範囲: 第6章「危険な人物:1954年~1962年」)

    岩波書店  2021年07月 ISBN: 4000223100

    ASIN

  • ジョージ・オーウェル『一九八四年』を読む

    秦邦生, Atwood, Margaret Eleanor, 渡辺 愛子ほか( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「改竄される『一九八四年』~冷戦初期の映像三作品と原作、そしてオーディエンス」)

    水声社  2021年05月 ISBN: 4801005748

    ASIN

  • 英国ミドルブラウ文化研究の挑戦 (中央大学人文科学研究所研究叢書68)

    武藤, 浩史, 渡辺, 愛子ほか( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 「戦間期における新たなミドルブラウ読者層の創成 ~ふたつの『デイリー・メイル』の連載小説を手掛かりに~」)

    中央大学出版部  2018年04月 ISBN: 4805753528

    ASIN

  • 「イギリスの対外文化政策 〜冷戦、脱植民地化、そしてヨーロッパ〜」, 川端康雄ほか編 『愛と戦いのイギリス文化史 —1951年-2010年—』

    渡辺 愛子

    慶應義塾大学出版会  2011年09月 ISBN: 9784766418781

  • 『対訳・あらすじで読む英国の歴史』

    ジェームス・M・バーダマン, 渡辺 愛子

    中経出版  2008年03月 ISBN: 9784806129622

  • 「メディアとプロパガンダ —戦争をめぐる大衆説得術の系譜—」, 武藤浩史ほか編 『愛と戦いのイギリス文化史 —1900年-1950年—』

    渡辺 愛子

    慶應義塾大学出版会  2007年02月 ISBN: 9784766413281

  • 「権力崇拝の謎 —フーコーの権力論から読む『一九八四年』—」,日本オーウェル協会編 『オーウェル—二十世紀を超えて—』

    渡辺 愛子

    音羽書房鶴見書店  2002年03月 ISBN: 475530220X

  • 「人種と帝国意識 —ジョージ・オーウェルのビルマ文学再考—」,工藤昭雄編 『静かなる中心 —イギリス文学をよむ—』

    渡辺 愛子

    南雲堂  2001年03月 ISBN: 4523292671

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 冷戦期イギリス文化外交における文化触変の理論的・実証的研究

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    本研究課題は、イギリスを対象に、20世紀という歴史的文脈における政治的な文化の様相を理論と実証の両側面から考究するものである。<BR>初年度は、イギリスの文化外交が本格化した20世紀初頭から「ソフトパワー」や「パブリックディプロマシー」を外交上の重要な戦略として活用しはじめた21世紀初頭の現在までを、大きく三つの時代: ①「戦前・戦時期」、②「冷戦期」、③「冷戦終結後~21世紀初頭」に分けて調査することで、海外に投影されようとする文化が、国内あるいは国際状況のどのような動向を受けて変容して行ったのかを見極め、その中間に位置する②冷戦期の特性を浮き彫りにすることを目的とした。そのために二次資料の読み込みに多大な時間を費やすこととなったが、夏季のほか冬季にも海外出張を加えたことで、イギリスの公文書館所蔵の史料(おもにブリティッシュ・カウンシルと外務省関連の一次資料をかなり収集することができた。<BR>さて、当初の目的は上記のごとく冷戦期の特異性を「長い20世紀」の文脈から解釈することであったが、調査の途中でオーストリアとイギリスの文化関係に注目することとなった。すなわち、ふつう冷戦の中心的アクターとは認識されてはいない、西側陣営のイギリスと、事実上、ソ連の衛星国ではなかったオーストリアとの文化関係である。オーストリアは、ソ連邦の衛星国への編入を免れたとはいえ、地理的に見れば東欧諸国と隣接し、東側から当時多大な政治的プレッシャーを受けていた。そのようななか、アメリカ合衆国、フランスとともに西側の分割統治に当たっていたイギリスは、この緩衝地を東側陣営へ入りこむ好機としてとらえ、なんらかの文化介入を目論んでいていたのではないかという問題意識を持つにいたった。本研究課題を遂行するにあたり、今回、オーストリアという国の特異性を発見したことは、来年以降の研究にも大きな意味を持つものと考えられる。本年度は、イギリスの文化外交が本格化した20世紀初頭から約100年間のイギリスの文化外交の特徴をとらえ、さらに冷戦の特異性を浮き彫りにすることを目的として研究を進めたが、ここ数年量産されている諸研究者の学術論文を精査するのに想定以上の時間を要してしまった。また、上述のとおり、調査のなかで、これまで研究対象となっていなかったイギリスとオーストリアの文化関係に関心が生じたことも一因である。引き続き、研究申請書の通り、研究を遂行する。上記で生じた遅れは2年以降の研究テーマにおいても踏まえなければならない論点であるため、各年テーマを考察する際に、カバーしていく。また、オーストリアとイギリスとの文化関係に関しても、非常に興味深い様相をはらんでいることが予想されるため、引き続き資料を探していきたい

  • 創造された伝統としてのイギリス文化の価値に関する理論的・実証的研究

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2017年03月
     

     概要を見る

    本研究課題は、現代において改編・消費・再生産される「伝統的」イギリス文化に付加された諸価値を見出し、そこにどのような「イギリス性(イギリス的特性・イギリスらしさ)」が表象されているかを解釈することによって、現代イギリス社会が包含する特異性を解明しようという試みであった。たとえば、伝統的建築物の改造といった事例からは、伝統のなかにも革新的な要素を盛り込んだ文化がイギリス社会に構築されていることが解明できた。一方、それが海外においてどう受容されているかというイメージの観点から見ると、革新的な部分は鳴りを潜め、依然として伝統的なイメージが先行し、それが国外では好まれ、再生産されていることがわかった

  • ヴィクトリア朝以降の英国ナショナル・アイデンティティ構築に関する融合的研究

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2013年03月
     

     概要を見る

    本研究は、ヴィクトリア朝以降の(というより、18世紀末から20世紀末にいたる)英国のナショナル・アイデンティティ(イングリッシュネス/ブリティッシュネス)の歴史的変容・多様化を、おもに文学と歴史学の観点から追跡した。国民国家、ナショナリズム、産業革命、都市の拡大、帝国主義、グローバリズム、消費文化、観光学、移民、フェミニズム、文化政策などなど多様な観点を導入することによって、また、英国とその外側との関係に注目することによって、英国のナショナル・アイデンティティの多様性をその歴史的背景とともに確認することができた

  • 「英国文化事情調査−大型日本文化紹介事業『Japan2001』の成果と今後の日英交流に関する提言−」(独立行政法人国際交流基金)

    研究期間:

    2003年
    -
    2005年
     

  • 「主要先進諸国における国際交流機関調査報告書−英国−」(国際交流基金)

    研究期間:

    2001年
    -
    2003年
     

  • 冷戦期英国文化外交における自国表象の政治性:ブリティッシュ・カウンシルを中心に

     概要を見る

    本研究は、戦後冷戦期、とくにイギリスの国際交流機関であるブリティッシュ・カウンシルが旧ソ連・東欧諸国に向けて展開した文化外交において、イギリスが自国をどのように表象することで効果的な外交戦略を達しえたのかを、歴史実証的かつ理論的に解明しようとするものである。今年度とくに集中的に資料収集した国は、チェコスロバキアである。同国は、戦前より共産主義の隆盛に対して比較的寛容であった一方で、第二次世界大戦中、ベネシュ亡命政権がロンドンに樹立されたこと、またミュンヘン会談後、イギリス国民の同国に対する同情心が高まったことから両国の関係に変化が生じ、戦争直後の1947年、東欧諸国で唯一、イギリスと文化協約を締結した。しかし、1948年2月のクーデター勃発によりソ導のチェコスロバキアへの圧力が増大した結果、50年の協約破棄にいたっている。夏の出張では、春にひきつづき、英国公文書館において、ブリティッシュ・カウンシルおよびイギリス外務省の資料収集を行った。さらに、これまでに収集したチェコスロバキア関連の文書をもとに、学術論文を完成し国際的な学術雑誌へ投稿することを目標に、ロンドン大学図書館において執筆作業を続けた。本論文では、ソ連による政治的・軍事的統制が強まるなかで、マスメディアによるイギリスへの虚偽報道、スパイ容疑で秘密警察に摘発されるカウンシル職員の動向などを考察し、同時に、イギリスが「文化」を通じてどのようにソ連的共産主義に対抗し、西側の影響力を浸透させようかと画策する事情を論じた。拙論は現在、冷戦史関係の学術雑誌に投稿中であるが、刊行済みの以下の論考でも、この問題に触れている

  • 20世紀英国の文化変容にともなう対外パブリシティ戦略の変遷とその成果

     概要を見る

    20世紀英国の対外文化政策におけるパブリシティは、戦前は一元的な国家表象にとどまっていたが、戦後、大英帝国の解体や冷戦という新世界秩序、さらにはヨーロッパ地域統合、国内の多文化化の進行によって齟齬をきたすようになった。その結果、国益追求の理念は誇示されるのではなく、むしろ国益を超えた多様な文化関係構築の牽引役を標榜することで、自国への政治的・経済的・文化的利益を享受するよう巧妙な変化を遂げたと思われる

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講演・口頭発表等

  • 「権力崇拝の謎 ~フーコーの権力論から読む『一九八四年』~」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    大東文化研究文学研究科英文学研究専攻特別講義  

    発表年月: 2019年02月

  • 「英連邦の歴史的背景といま ~人文学からのアプローチ~」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    第一回 日本・英連邦学生会議  

    発表年月: 2017年12月

  • 「ブリティッシュ・カルチュラル・スタディーズ ~「インターカルチュラル」からの再検討~」

    渡辺 愛子

    日本国際文化学会2017フォーラム『諸外国における「インターカルチュラル」へのアプローチ ~加・英・独・ユネスコにみる理論と実践からの示唆~』  

    発表年月: 2017年07月

  • 「新たなミドルブラウ読者の創成 ~『デイリー・メール〈海外版〉』(1919-1939年)の連載小説を手掛かりに~」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    「企画展 新聞の中の文学(2017 年・連続特別講演・)」(東京大学 駒場博物館)  

    発表年月: 2017年06月

  • 「The Daily Mail紙の隆盛にともなう新たなミドルブラウ読者層の創成」

    渡辺 愛子

    ミドルブラウ研究会  

    発表年月: 2016年12月

  • 「『英国ハ謀略派ナリ』~20世紀イギリス対外文化投影の系譜~」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    『多元文化論(第2期)~日本史・世界史の常識を再考する~』早稲田松代塾  

    発表年月: 2016年09月

  • 「『ネイション』とはなにか~連合王国イギリス形成史からの再考~」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    『多元文化論(第2期)~日本史・世界史の常識を再考する~』早稲田松代塾  

    発表年月: 2016年09月

  • 「20世紀イギリス文化外交の特性」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    『世界の国々の対外文化政策』青山学院大学総合文化政策学部  

    発表年月: 2015年11月

  • 'A Grand Design for/by English Heritage: the Ideals, Processes and Touristic Impact of Restoring a Scheduled Ancient Monument'

    Aiko Watanabe

    2014 ISCAL (International Symposium on Culture, Arts and Literature, at ANA Crowne Plaza Hotel Grand Court Nagoya, Japan)  

    発表年月: 2014年09月

  • 「イギリス文化政策におけるEnglishness」

    渡辺 愛子

    科学研究費補助金基盤B2012年度公開研究会  

    発表年月: 2013年03月

  • 「戦後のイギリス社会におけるロックとポップの政治学」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    多元文化学会第2回大会「文化論入門としてのポップ・カルチャー 〜多元文化のなかで〜」  

    発表年月: 2012年06月

  • ‘Purveying “British Art” abroad: the politics behind the British Council’s selection of art and visual culture shown behind the Iron Curtain’

    Aiko Watanabe

    Art and Politics in Britain  

    発表年月: 2011年11月

  • 「国際文化交流理念の変遷 〜イギリスを中心に〜」

    渡辺 愛子  [招待有り]

    青山学院大学・国際交流共同研究センター主催・2010年度第5回Dejeuner-Debat  

    発表年月: 2010年07月

  • 「英文学をめぐる冷戦期インテリジェンス活動と文化プロパガンダ」

    渡辺 愛子

    日本英文学会第80回大会Symposia  

    発表年月: 2008年05月

  • 「イギリス外務省と外郭公共団体の相克 〜冷戦初期文化外交を事例に〜」

    渡辺 愛子

    世界政治研究会  

    発表年月: 2005年07月

  • ‘Assessing the impact of Britain’s cultural diplomacy with the USSR: Cultural sparring or significant engagement?’

    Aiko Watanabe

    Britain and the Culture of the Cold War (Conference at the Institute of Historical Research, Senate House, University of London, UK)  

    発表年月: 2003年09月

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特定課題研究

  • 日墺交流に関する実地研究~文化親善大使としてのウィーン少年合唱団を中心に~

    2021年  

     概要を見る

    本研究課題では、オーストリア文化交流の象徴として名声を博すウィーン少年合唱団の果たす役割について現地で量的統計調査する予定であった。しかし、コロナウィルス(COVID-19)の世界的流行によってミサやコンサートは軒並み中止となり、最大の収入源である海外ツアーがすべて中止になったことで合唱団は財政難から崩壊の危機に直面することとなった。唯一、観客数を大幅に制限して演目を再開した専用コンサートホール「MuTh」で、来場者に聞き取り調査を行う機会に恵まれた。コロナ禍という世界的危機により、芸術・文化交流の分野の活動がいかなる被害を受けるのかを目の当たりにした一方で、さまざまな規制に縛られた人々が渇望するものもまた、こうした芸術・文化交流の分野であることを期せずして知ることとなった。

  • 「ミドルブラウ」とはだれか~英『デイリー・メール』紙の言説分析からの一考察~

    2020年  

     概要を見る

    本研究課題は、20世紀戦間期に隆盛したミドルブラウ文化の「受容者」として位置づけられる「ミドルブラウ層」の実像を、当時の主要タブロイド紙『デイリー・メール(The Daily Mail)』における読者の言説分析から解明しようとするものであった。本来は2019年度採用の研究課題であったが、コロナ禍により研究が中断されたために2020年度に延長となった。しかし、2020年度もコロナの猛威は収まらず、とくにイギリスでの感染者急増によって大英図書館が長期休館・制限付き開館となったことから、海外出張を断念せざるを得なかった。「研究資料ありき」の研究課題であったため、遂行が叶わず残念であった。この代替として、日本で二次文献にあたるなどの補助的作業を行った。

  • イギリス戦間期のタブロイド紙『デイリー・メール』にみる連載小説の解読

    2018年  

     概要を見る

    &nbsp; 本研究課題では、20世紀の前半に人気を博したタブロイド紙『デイリー・メール』の〈国内版〉と、それとはまったく異なるコンテンツを掲げた〈海外版〉が唯一「共有」していた連載小説の分析を当初の目的としていたが、そのまえに、海外の本紙の受容者について把握するため、〈海外版〉の読者層についてより深く追究した。 海外の「帝国建設者たち」は、国内の『デイリー・メール』読者(下層中流階級や労働者階級)とは根本的に異なったエリート層であった。今回の研究で、〈海外版〉の編集者たちは、本誌を購読することがすなわちイギリス帝国の支持者であるという言説を作り上げ、読者層を増やすことに成功していたことがわかった。

  • 文化と政治をめぐる「干渉」と「共振」関係の研究―冷戦期イギリス文化外交を中心に―

    2017年  

     概要を見る

    本研究課題は、20世紀以降のイギリス国際関係史において政治外交が行き詰まりを見せた冷戦期、これを打破する突破口として東側陣営に発信された「文化」が、相手国との水際での折衝や心理的駆け引きを通じていかなる操作や加工処理を経て受容され、どのような効果をもたらしたのかを、実証的・理論的に解明する試みであった。とくに、イギリスの国家的アイデンティティを色濃く反映した「伝統的文化」は、東西の対立構造が顕在化するなか、相手を牽制しながらも交流のカギとして効果的に機能していたようである。とくに夏季のイギリス出張中に、政府官庁内部資料や当時の新聞雑誌、さらに同時代の芸術作品の浸透状況を調査することができた。

  • イギリス国外におけるミドルブラウ文化の受容とその概念の「反動的」形成について

    2017年  

     概要を見る

    本研究課題は、本研究課題は、20世紀戦間期にイギリスにおいて認知されるようになった「ミドルブラウ文化」と言われる文化現象が、海外においてどのように受容され、また諸外国の文化事情をどのように受けることでその概念が反動形成的に創造されたのかを読み解こうとする試みであった。国内で人気を博していた『デイリー・メール』の姉妹版『デイリー・メール〈海外版〉』の読者を投稿欄などを精査することによって、彼らが国内の読者とは大きく異なる上流・上層中流階級といったエリート層であることを突き止めた。結果的に「ミドルブラウ」の従来の定義を修正することができたのが、本研究課題の大きな成果である。

  • 冷戦期イギリス文化外交が東欧諸国にもたらした社会的インパクトについて

    2016年   ピーター・ロビンソン

     概要を見る

     本研究課題の目的は、冷戦期にソ連の支配下にあった東欧諸国に対し、イギリスの文化外交がどれほどの社会的影響力を与えたのかを考察するものであった。冷戦期の現状を把握するためとくに着目したソ連政府刊行の英字新聞The Moscow Newsは、ときにイデオロギー的には正反対な立場をとる西側陣営の諸文化を取り上げ、これを賛美しながら巧妙に自国文化に取り込み、自国宣伝に利用しようとしたことがわかった。イギリスの場合、ソ連が重視したのは文学(なかでもシェイクスピア作品)であったが、資料の収集にやや手間取り、この状況をイギリス政府が逆手にとって対抗プロパガンダに打って出た可能性と東欧諸国への浸透状況については、現在も考察中である。

  • 冷戦期文化外交におけるイギリスとポーランドの特異な関係性について

    2015年  

     概要を見る

    本研究課題は、冷戦初期のポーランドにおけるイギリスとの国際文化交流が、その他の東欧諸国のケースとは対照的に、ソ連邦の妨害を受けながらも、いかにして発展・存続しえたのか、その要因と状況を解明することである。夏季出張中、イギリス公文書館において、イギリス政府の外郭公共機関「ブリティッシュ・カウンシル」の対波文化交流活動についてリサーチし、またこれがきっかけとなって、その後、ケンブリッジ大学所蔵のPolish Cultural Institute in Londonの「M. S. Needham」関連の文書に到達することができた。現在、入手したデジタル画像について調査を進めている。

  • 「ブダペスト裁判」(1949年~53年)が英洪関係に与えた文化的影響に関する研究

    2014年  

     概要を見る

    本研究課題は、冷戦初期にハンガリーのブダペストで起こった英米人のスパイ容疑逮捕をめぐる裁判記録およびメディアの動向を分析することによって、この事件が当時のイギリス・ハンガリー間の国際文化交流の現場にどのような影響を与えることになったのかを解明することを目的とした。夏季にイギリス公文書館および大英図書館での史料収集と研究を行い、このブダペスト裁判においてイギリス民間人Sandersがブリティッシュ・カウンシルを国家的スパイ集団と名指しで非難した詳細が明らかとなり、結果的に、これが当時の英洪外交関係・文化交流に、少なからず衝撃を与えていたことがわかった。

  • 国際文化交流理念の形成 ~現代イギリス文化外交に関する補完的研究~

    2011年  

     概要を見る

    本研究課題は、20世紀のイギリスの文化外交における国際交流理念の展開と21世紀における展望について、包括的な調査および考察を行うことを目的とした。題目に「補完的」研究と付したのは、今年度まで交付を受けてきた科学研究費補助金(基盤C)「20世紀英国の文化変容にともなう対外パブリシティ戦略の変遷とその成果」の遂行中に新たに判明した問題点を、本研究によって「補い」かつ「完成」させたいという意図によるものであった。本研究課題遂行のためには、膨大な一次資料を、研究対象国であるイギリスにおいて集積する必要があったが、2011年度の特別研究期間適用によるイギリス滞在を最大限に利用し、過去、夏季休暇中に断続的に行っていた公文書館における一次資料の収集を集中的に行うことができた。具体的には、ロンドンにある英国公文書館に総計3週間程度を費やして、イギリスの国際交流機関ブリティッシュ・カウンシルの内部資料(BW)のほか、監督官庁として影響力が最も大きかった外務省ファイル(FO)、間接的影響力を持つ内務省ファイル(HO)および総理大臣文書(PREM)、政策方針形成に関与した内閣関係ファイル(CAB)、補助金予算との関係を示す財務省ファイル(T)の史料を中心に、閲覧・収集した。また、それまでの研究成果の一部を、2011年11月にケンブリッジ大学で開催された学会Art and Politics in Britainにおいて口頭発表した(‘Purveying “British Art” abroad: the politics behind the British Council’s selection of art and visual culture shown behind the Iron Curtain’)。そこではブリティッシュ・カウンシルの旧ソ連共産圏への文化投影の手法だけでなく、伝達する文化の内容(質)についても注意を払って考察した。さらに、研究課題遂行中、「経済」と文化の影響関係についての理解が不十分であったことを痛感したことから、アムステルダム大学において文化経済学に関する専門機関CREARE (所長はエラスムス大学Arjo Klamer教授)主催の夏季集中セミナーである‘Value of Culture: on the Relationship between Economics, Culture and Arts’に参加することができた。そこでは大学研究者や文化政策担当者たちとも活発な議論を行い、本研究課題における問題意識をさらに強めることとなった。本課題を通じて、これまでの数年間携わってきた科研費その他の研究課題の修正作業を含め、過去の研究課題において見落としてきた大局的な外交史と、そこに位置づけられる文化外交史との関係性について理解を深めることができた。

  • 現代イギリス社会におけるアイデンティティ形成と他者性に関する研究

    2005年  

     概要を見る

    本課題は、イギリスにおける現代の国民アイデンティティが、20世紀における歴史的、社会的、文化的コンテクストのなかで、他者との対峙によってどのように形成され、現在いかに保持され、また表象されているのかを考察するものである。イギリスのように、長き歴史にわたって、全世界的な規模での植民地政策を繰り広げることによって他国、他民族を侵略、征服してきた歴史をもつ国にとって、今世紀に入ってからの世界的権威の衰えがもたらす国民への精神的打撃は根深いように思われる。そして20世紀後半以降は、とくにそのイギリス自体が「他者」からの様々な形での侵入行為によって、逆に文化的、心理的植民を被る立場にあるといえる。本課題では、伝統的、権威的イメージの上に培われた「イギリス的」アイデンティティや「イギリス性」('Britishness'というよりはむしろ'Englishness'や'Whiteness')というものが、現代の多文化国家としての、あるいは、グローバル社会の一員としてのイギリスにおいて、いかに保持され、増幅されているのか、そして「他者」とみなされる人間や事象がこれによりいかに区別、排斥され、その反動として伝統的なイギリスのアイデンティティが強固にされているのかを多角的な観点からとらえなおし、いま現在も進行している社会問題とからめながら、探究・解釈することを主眼にすえ研究を行った。研究期間中、「土着(white native)」のイギリス人にとってのナショナリズム高揚を触発する社会・政治・文化的事象、そしてそこから反動的に形成される「その他」のイギリス人との軋轢については、担当講義『現代批評の諸問題2』「大英帝国の残像」の主要テーマとしてとりあげることができた。さらに、2月に2週間ほどイギリスに滞在し、文献収集を継続して行ったほか、関連学会にも参加した。なお、「イギリス性」に着目したテーマとしては、20世紀前半の第一次・第二次世界大戦時におけるイギリスのプロパガンダ政策を論じた以下の論文が本課題に関連するものであり、2006年秋に刊行予定である。

  • 冷戦期ソ連・東欧諸国における英国文化外交の諸相

    2004年  

     概要を見る

    本課題では、冷戦期におけるイギリスの文化交流機関がソ連・東欧諸国と中心とした旧共産主義国に対してどのような文化外交を展開したのかを考察する研究の一環として、おもに対外文化政策拠点の現地調査を行った。これは、研究課題の対象地がイギリス国外であるという性質上、実際に当地に赴き、各事業所における史料の有無を確認することが不可欠であると考えたためである。2004年9月、ロシア、ポーランド、チェコ、ハンガリーにおけるブリティッシュ・カウンシルの各事業所を訪問し、ヒヤリング調査・資料調査を行った。どの事業所も一様に英語教育、イギリスへの留学支援などに力を入れていたが、プレゼンテーションの仕方は各国がオーディエンスのニーズに応える意味で非常に個性的であり、とくに東欧3カ国に関していえば、少し前まで西側諸国から「ソ連の衛星国」とひと括りに扱われていた事実が受け入れがたかった。各事業所には、あいにく旧共産主義国時代の史料を収めたアーカイブの類は存在しなかったが、今回の訪問により、モスクワ事業所の現地スタッフ(兼イギリス大使館員)であるMelissa Cook氏より、ロシアにおける文化交流活動の現況およびそこにいたるまでの経緯について興味深い話を聞くことができた。さらにプラハでは、元カウンシル・スタッフのNora Hronkova氏へのインタビューに成功した。同氏は、1945年以降、冷戦初期の混沌とした社会情勢のなかで、チェコスロヴァキアにおける事務所の創設に直接携わった人物である。高齢の同氏から調査対象時期における生の体験を聴取することができたことは、非常に大きな収穫であった。

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海外研究活動

  • 20世紀イギリス文化外交における自国表象の政治性に関する研究

    2011年04月
    -
    2012年03月

    イギリス   ケンブリッジ大学歴史学部

 

現在担当している科目

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