2022/05/18 更新

写真a

クメ イクオ
久米 郁男
所属
政治経済学術院 政治経済学部
職名
教授

兼担

  • 政治経済学術院   大学院政治学研究科

  • 政治経済学術院   大学院経済学研究科

学歴

  •  
    -
    1994年06月

    コーネル大学   政治学大学院  

  •  
    -
    1994年

    コーネル大学   政治学  

  • 1981年04月
    -
    1983年02月

    京都大学   大学院法学研究科  

  •  
    -
    1981年

    京都大学   法学部  

学位

  • Cornell University   Ph.D.(Government)

経歴

  •  
     
     

    政策研究大学院併任教授

  •  
     
     

    東京大学社会科学研究所併任教授

  •  
     
     

    コーネル大学客員助教授

  •  
     
     

    スタンフォード大学日本センター客員教授

  •  
     
     

    神戸大学法学部教授

所属学協会

  •  
     
     

    American Political Science Association

  •  
     
     

    日本比較政治学会

  •  
     
     

    日本政治学会

 

研究分野

  • 政治学

研究キーワード

  • 比較政治経済学

論文

  • Workers or Consumers? A Survey Experiment on the Duality of Citizens’ Interests in the Politics of Trade

    Megumi Naoi, Ikuo Kume

    Comparative Political Studies   48 ( 10 )  2015年10月  [査読有り]

  • 人々はなぜ農業保護を支持するのか? サーベイ実験から見えてくるもの

    直井恵, 久米郁男

    レヴァイアサン   55  2014年

  • Coalition of Losers: Why Agricultural Protectionism Has Survived during the Great Recession

    Naoi Megumi &amp, Ikuo Kume

    Politics in the New Hard Times: The Great Recession in Comparative Perspective (Cornell Studies in Political Economy)    2013年

  • Explaining Mass Support for Agricultural Protectionism: Evidence from a Survey Experiment During the Global Recession

    Megumi Naoi, Ikuo Kume

    International Organization   Vol.65 ( No.4. )  2011年

  • 事例研究:定性的研究の方法論的基礎

    久米郁男

    清水和己・河野勝編『入門 政治経済学方法論』東洋経済新報社    2008年

  • Bringing Politics Back In (Symposium)

    Ikuo Kume

    Labor History    2008年

  • 小泉政治は分水嶺か

    久米郁男

    アステイオン    2006年

  • Coordination as a political problem in coordinated market economies

    K Thelen, Kume, I

    GOVERNANCE-AN INTERNATIONAL JOURNAL OF POLICY AND ADMINISTRATION   19 ( 1 ) 11 - 42  2006年01月  [査読有り]

     概要を見る

    The purpose of this article is to explore the political dynamics of employer coordination in three well-known "coordinated market economies." We examine differences in how employer coordination has been organized in Sweden, Germany, and Japan in the area of industrial relations, and we examine the extent to which such coordination represents a self-sustaining equilibrium, as some of the most influential treatments suggest. To preview the findings, we argue that precisely the intensification of cooperation between labor and management in some firms and industries ( that the "varieties of capitalism" literature correctly emphasizes) has paradoxically had deeply destabilizing collateral effects that have undermined or are undermining these systems as they were traditionally constituted. All three cases are characterized not so much by a full-blown breakdown of coordination so much as a very significant reconfiguration of the terms and scope of such coordination. Specifically, all three countries feature the emergence of new or intensified forms of dualism-different in each case based on different starting points-in which continued coordination within a smaller core has in some ways been underwritten through the breaking off of other, more peripheral, firms and workers.

  • 「先送り」と財政政策

    久米郁男

    村松岐夫編『平成バブル 先送りの研究』東洋経済新報社    2005年

  • 公的資金投入をめぐる世論・政治

    久米郁男

    奥野正寛・村松岐夫編「平成バブルの研究」東洋経済新報社    2001年

  • 機関委任事務制度はいかなる政策効果を持っていたのか - 幼稚園行政と保育行政の比較を手がかりに

    久米郁男

    季刊行政管理研究   94号  2001年

  • Institutionalizing postwar Japanese political economy: industrial policy revisited

    Ikuo Kume

    State Capacity in East Asia: Japan Twaiwan,China and Vietnam(K.E.Brodsgaard & S.Young eds) Oxford University Press    2000年

  • The effects of globalization on labor revisited: Lessons from Germany and Japan

    K Thelen, Kume, I

    POLITICS & SOCIETY   27 ( 4 ) 477 - 505  1999年12月  [査読有り]

  • The rise of non-market training regimes: Germany and Japan compared

    Kathleen Thelen &amp, Ikuo Kume

    Journal of Japanese Studies   27 ( 4 )  1999年

  • 竹下登 保守政治完成者の不幸

    久米郁男

    渡邊昭夫編『戦後日本の宰相達』中公文庫    1995年

  • 政治経済環境の変化と行政システム

    久米郁男

    西尾勝・村松岐夫編『講座行政学 第3巻 政策と行政』有斐閣    1995年

  • Changing relations among the government, labor, and business in Japan after the oil crisis."

    Ikuo Kume

    International Organization   42, 4: 659-687  1988年

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書籍等出版物

  • 原因を推論する : 政治分析方法論のすゝめ = Causal inference and political analysis

    久米郁男著

    有斐閣  2013年 ISBN: 9784641149076

  • 政治学

    久米郁男, ほか] 著

    有斐閣  2011年

  • 政治学

    久米郁男, ほか] 著

    有斐閣  2011年 ISBN: 9784641053779

  • はじめて出会う政治学 : 構造改革の向こうに

    北山俊哉, 久米郁男, 真渕勝著

    有斐閣  2010年 ISBN: 9784641123687

  • 専門知と政治

    久米郁男編

    早稲田大学出版部  2009年 ISBN: 9784657097019

  • 生活者がつくる市場社会

    久米郁男編

    東信堂  2008年 ISBN: 9784887138094

  • 現代日本の政治

    久米郁男, 田中愛治, 河野勝著

    放送大学教育振興会  2007年 ISBN: 9784595307324

  • 新版 現代日本の政治

    久米郁男, 田中愛治, 河野勝

    放送大学出版会  2007年

  • 日本政治変動の30年 : 政治家・官僚・団体調査に見る構造変容

    村松岐夫, 久米郁男編著

    東洋経済新報社  2006年 ISBN: 4492211632

  • 労働政治

    久米郁男

    中公新書  2005年

  • はじめて出会う政治学

    北山俊哉, 真渕勝, 久米郁男

    有斐閣  2003年

  • Local Government Development in Japan

    Michio Muramatsu, Farrukh Iqbal, Ikuo Kume

    Oxford University Press  2001年

  • 変化をどう説明するか 政治編

    水口憲人, 北原鉄也, 久米郁男編

    木鐸社  2000年

  • Disparaged Success: Labor Politics in Postwar Japan

    Ikuo Kume

    Cornell University Press  1998年

  • 日本型労使関係の成功

    久米郁男

    有斐閣  1998年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 政治的分極化の総合的研究

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    本研究は、「政党システムの分極化」を、有権者の選好と政治制度に注目して総合的に研究する。そのために、このテーマに関して研究蓄積のあるゲーム論を用いた理論研究、クロスナショナルなデータを用いた計量分析の既存研究の上に研究の発展を目指すと共に、そこでの知見をより深く理解するために、日本を対象とした「分厚い」研究を目指す。なお、研究期間中に実施される参議院選挙を利用し、有権者の選好が制度に媒介されてどのような帰結をもたらすかを体系的に調査研究する。これら分析を踏まえ、日本における分極化のメカニズムの解明とそこでの知見の一般化可能性をアメリカとイタリアとの比較事例分析で検討する

  • 現代中国の政治エリートに関する総合研究:選抜と競争の在り方、ガバナンス能力

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

  • 少子高齢化社会における移民政策

    研究期間:

    2018年11月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    2019年度における研究実績は、以下の3点にまとめられる。第1に、韓国における外国人労働者、貿易自由化、企業の海外直接投資に対してどのような議論が行われてきたかを、日本との比較において前年度に引き続き日韓両国における文献調査とインタビューを行い、整理し、両国において観察されるグローバル化に対する態度形成メカニズムが、どの程度一般化しうるかを検討するために、International Social Survey Programme (ISSP)が実施し蓄積している3波(1995,2003,2013年)の国別サーベイ調査データを用いた国家間比較分析を継続した。第2に、日本人の「国籍」に対するパースペクティブにつき、既存の日本のエスニシティ研究をレビューし、日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)ことを確認した上で、従来の研究が主として質的な研究にとどまっていた限界を超えるべく、2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析を進めた。第3に、日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる点に注目し、この政策が自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのかを明らかにするコンジョイント分析を可能にするサーベイ実験の設計を行い、2020年度の実施に向けた準備を行った。第1に、韓国における外国人労働者、貿易自由化、企業の海外直接投資に対してどのような議論が行われてきたかを、日本との比較において前年度に引き続き日韓両国における文献調査とインタビューを行い、整理し、両国において観察されるグローバル化に対する態度形成メカニズムが、どの程度一般化しうるかを検討するために、International Social Survey Programme (ISSP)が実施し蓄積している3波(1995,2003,2013年)の国別サーベイ調査データを用いた国家間比較分析を継続した。分析結果は、ほぼまとまっており予定通りである。第2に、日本人の「国籍」に対するパースペクティブにつき、既存の日本のエスニシティ研究をレビューし、日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)ことを確認した上で、従来の研究が主として質的な研究にとどまっていた限界を超えるべく、2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析を進めた。これについても、興味深い分析結果を得ており問題なく進行している。第3に、日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる点に注目し、この政策が自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのかを明らかにするコンジョイント分析を可能にするサーベイ実験の設計を行い、2020年度の実施に向けた準備を行った。倫理審査までは終えられなかったが、実施に向けて順調にすすんでいる。本年度の研究は以下の3課題を中心に行う。1)日本人の「国籍」に対するパースペクティブ:日本の国籍法は血統主義を採用しており、「日本人」と見なされるには同じ民族である必要があると思われる傾向が高い(mono-ethnocentrism)。既存の日本のエスニシティ研究の殆どは質的事例研究に基づいている。2015年におこなったサーベイ・データを元に、現代の日本人の「日本人」に関する考えを計量分析してきたが、それを投稿論文として完成させる。2)日本政府と韓国政府の多文化政策が自国民の外国人に対する認識に及ぼす影響:日本と韓国の戦後の外国人政策は類似している部分が多いが、多文化政策が大きく異なる。この政策は自国民の外国人への態度にどのような影響をもたらすのだろうか。コンジョイント分析を取り入れたサーベイ実験を用じて実証分析するため、両国でサーベイを行い、分析、論文執筆に取り掛かる予定である。3)国籍法が国民の外国人に対する態度に及ぼす影響:アジアの諸国は主に血統主義を採用しており、各国の政府が比較的介入しやすい分野は帰化条件の変更である。日本、韓国、台湾、中国でのサーベイ実験を通して、各国での現在の国籍法の難しさや(または、容易さ)が各国民の外国人に対する態度にどの様な影響を与えるのかを実証分析し、投稿論文を完成させる

  • 自由貿易と国内政治基盤:埋め込まれた自由主義の再検討

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    最終年度における研究実績は以下の5点にまとめられる。(1)戦前期に自由貿易体制から離反し、国内的に介入主義的経済政策を取った日本とイタリアにおいて埋め込まれた自由主義がどのように受容され定着していったかを歴史的に分析するとともに、それが現在どのような形で挑戦を受けているかの分析を行った。(2)自由貿易体制への「組み込まれ」が、よりグローバル化が進んだ状況においてどのようになされたかを、NAFTAとメキシコ、EUとバルト三国を取り上げて歴史的に分析するとともに、その後の変化を検証した。(3)ISSPのサーベイ個票データを利用して、自由貿易を受容する態度が諸個人の様々な属性や態度とどのように相関しているのか、そのパターンの国別の特徴を計量分析によって解明を進めた。具体的には、自由貿易への支持態度を従属変数とした計量分析を行い、「埋め込まれた自由主義」仮説から導かれる「観察可能な含意」の検証をを踏まえて、「生産者利益」補償と異なる自由貿易支持メカニズムの析出を行い、サーベイ実験の結果と併せて検討を行いワーキングペーパーを作成し国際学術誌に投稿した。(4)上記の仮説を検証するために、前年度にメキシコ、ラトビア、アメリカで実施したサーベイ実験データの分析を行い、論文草稿を作成した。同時に、イタリアとエストニア、さらにドイツにおいて同様のサーベイ実験を行い、データの一次分析を終えた。(5)以上の分析を踏まえた上で、自由貿易及びより広くグローバル化に対する態度の形成過程の解明を試み、草稿論文を作成し出版準備に入った。なお、草稿論文を持ち寄り最終会議を行う予定であったが、コロナ禍の影響でそれが不可能となったため、研究代表者が草稿のとりまとめ調整を行うこととした。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない

  • 江戸幕藩体制の計量分析

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    本研究は、江戸時代における大名家の「統治体制」の成立を、大名家が大名個人の「家」から、家臣団がそれぞれの分限にしたがって帰属する「公的」な共同体たる「御家」へといたる変化と捉えて、そのプロセスを実証的に解明し、その意義を検討することを目的とし、そのために江戸諸大名に関する既存の歴史的研究を利用したデータベースを構築した。そのデータベースには、江戸大名3576名について、藩名、石高、生年、没年、家督相続年月、退任年月、退任理由などが含まれており、それを利用して藩主在任期間、藩主交替の態様などについてより広く計量分析を行い、大名家の統治体制の改革が、大名家の存続に影響を与えたことを示した。現代の発展途上国において、その国の経済発展や政治的安定に重要である効率的で民主的な国家をどのようにすれば打ち立てられるかは政治学の世界にとどまらない重要な関心となっている。ヨーロッパにおける政治発展にその手がかりを求める研究は以前から存在してきたが、近年、データを用いて計量的にこの問いに答えようとする研究が欧米の政治学の世界で急速に発展してきた。しかし、そこではヨーロッパ特殊的な要因へ注目がなされている。本研究は、日本の江戸期における大名家の統治体制の改革に注目することで、ヨーロッパの視点を超えたより一般的な視点からこの問題を検討する手がかりを与える研究として学術的、社会的意義が高い

  • グローバル化をめぐる国内政治過程の分析:計量分析から事例分析へ

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    本研究は、グローバル化、とりわけ自由貿易がどのような国内政治的反応を生み出しているのかを、計量分析と事例分析による過程追跡の手法を結合することで実証的かつ総合的に解明することを目指した。そこでは、自由貿易協定の締結で日本に先行する韓国との比較及び日本国内における中央と地方でのTPPをめぐる政治過程の比較を事例分析的に検証する一方、そこでの知見をサーベイ調査と国会議員候補者調査を利用して自由貿易がもたらす「雇用不安」と「消費者利益」そして、自由貿易協定をめぐって論じられる外交戦略、とりわけ「安全保障」という要因が、貿易をめぐる政治過程に影響を与えることを実証し、そのメカニズムを解明した

  • グローバル化と国内政治:世論調査と政策アクター分析を用いた総合的実証研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2008年
    -
    2011年
     

     概要を見る

    本研究は、国境を越える貿易、投資、人間や情報の移動の劇的な増大、すなわちグローバル化が、どのような国内政治的反応を生み出しているのかを一般市民意識の分析と政治・経済アクター(政治家、企業、利益団体)の態度及び行動の分析を組み合わせて解明することを試み、一般市民や政治アクター、経済アクターのグローバル化への態度を規定する要因を明らかにした。

  • 変革期における中央-地方関係の総合的解明

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

     概要を見る

    本研究は、わが国の政治行政システムにおける中央-地方関係の位置づけ、中央と地方両レベルの政治行政構造の重層的なリンク、また両レベルの政治過程の連動等を、全国市区町村長調査の量的分析および行政・団体関係者へのインタビューによる質的分析を通じ、明らかにした。これにより、「政策受益団体・地方政府連合」論の有効性を確認し、今後、この概念を用いた日本型経営、日本型福祉国家、一党優位制の総合的な分析の手がかりを得ることができた。

  • 政治変動と日本人の意志決定のメカニズム-心理学・経済学実験と全国世論調査の統合-

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

     概要を見る

    本研究では、全国の有権者から無作為抽出した対象者(サンプル)に対し、ノート・パソコンを用いた世論調査(CASI方式)を日本で初めて実施した。さらに、ノート・パソコンによるCASI調査に、認知心理学的視点を加えた政治経済学実験の要素を組み込み、実験を導入した世界初のCASI方式全国世論調査に成功した。これにより、政治変動をもたらす日本人の意志決定のメカニズムの解明を可能にし得る新たな研究を踏み出した。

  • 政策ネットワークの変容に関する実証研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

     概要を見る

    政治家・官僚・利益団体リーダーに対して蓄積されてきた3波のサーベイデータの分析を行い、日本政治の30年間の構造変化を解明する研究成果を東洋経済新報社から、研究代表者である久米郁男と研究分担者であり、3波のサーベイデータ作成の責任者であった村松岐夫との共編著として2006年に出版した。その後この分析結果のより広い政治学的意義を確認しつつ、またそのような変化が生じた因果メカニズムの解明を目指して研究を発展させるため、サーベイデータと世論調査データをリンクした分析、さらに利益団体の政治経済学的属性とリンクした分析、さらには事例研究的手法での分析などを進めた。その中間報告会は、2006年3月に神戸において国際ワークショップとして開催したが、2007年8月にはブリティッシュ・コロンビア大学民主主義制度研究所との共催で米国の政治学者であるT.J.Pempel、Ellis Krauss、Megumi Naoiなどの海外研究者を招き開催した国際研究集会Modeling Power Relationships in Japanese Democracyにおいて、各メンバーが最終ペーパーを発表した。
    そこでの基本的な知見は、日本政治に「中央化」の傾向、すなわち、断片化・分権化していた政策決定機能が、中央に形成されるリーダーシップや中枢人物の交流場にシフトして来たことの発見であり、更にその背後では団体調査データや世論調査データの分析から示される、国家-社会関係の変化があることを実証的に解明できたことにある。なお、これらの研究業績を英文ジャーナルへ発表すべく最終改訂作業を終えつつある。

  • 高度経済成長終了以後の日本政治の実証的研究

    科学研究費助成事業(京都大学)  科学研究費助成事業(特別推進研究)

    研究期間:

    2001年
    -
    2003年
     

     概要を見る

    高度成長以後の政治の分析を目的とする本研究は、サーベイ班と事例研究班に分けて実施された。サーベイ班では、国会議員、官僚、団体について過去二回のサーベイデータを生かすべく2001-03時点における調査を行い、これらの政策アクターの自己認識や、これらに間の相互関係の変化を分析することを目指した。官僚と国会議員に関しては、01-02年に遅れ気味ながら、調査を完了し、分析を行ってきた。団体調査は結局最終年度の2月中旬にやっとインタビューを終了した。サーベイ班では、官僚の自己の影響力認知が減少したこと、国会議員の政策情報源における官僚依存が後退したこと、団体調査では、93年連立政権成立以後に、団体と政府(政治家、官僚)の情報経路が細くなっていることなどを共通して確認し、30年の経年的な傾向とその中での連立政権がもたらしたインパクトを、現在、研究協力者がそれぞれのテーマで執筆中である。
    事例研究班では、政策決定過程に関する55の事例を分析した。事例選択の基準は、第一に1990年以降に決定された政策であること、第二に可能な限り網羅的に政策を選ぶこと、この二つであった。このような基準をおいた理由は、高度成長以降の日本における公共政策の決定過程の全体像、すなわち平均値と分散を知ることが目的であったからである。諸事例によって90年代における各政策分野での再編状況を詳しく分析しているが、本班では、サーベイデータを利用することも前提に、今日本政治学が忘れかけている「誰が統治しているか」の問題にもう一度回帰する試みもした。両班はそれぞれの研究会組織で研究したが、サーベイ班のデータが政治のトレンドの大筋を示し、事例研究班では、90年代でどう変わったかを事例で具体的に実証するという形をとった。これらは出版において明らかにされる。

  • 日独行政システムの比較研究:1980年代における新自由主義と行政システム

    科学研究費助成事業(京都大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1993年
     
     
     

     概要を見る

    日本・ドイツの政治行政の比較研究を目的とする本研究の本年度の活動は以下の通りである。
    1.神戸における研究集会
    平成5年12月12日、日本側参加者5名を集めて神戸において研究集会を行った。この研究集会では、3月の日・独合同の研究集会において行われる報告について、各人の研究の現状が報告され、報告者以外の参加者も交えて活発な討論が行われた。
    2.京都におけるコンフェレンス
    平成6年3月1日から3日の3日間、京都・国際交流会館において、“State and Administration in Germany and in Japan"と題して、日本・ドイツ合同のコンフェレンスを開催した。このコンフェレンスでは、昨年3月にドイツ・ベルリンで行われたコンフェレンスを受け、ドイツ側5名、日本側6名、計12の報告がなされ、活発な討論がなされた。
    報告は以下の通りである(いずれも、報告時のタイトルは英語)。
    Gerhard Lehmbruch“The German State and Its Environment:A Devel-opmental Analysis"
    Michio Muramatsu“Transformation of Japanese Bureaucracy under the Impact of 'Internationalization"
    Frieder Naschold“Industrial Policy in Germany:Old Issue and New Challenges"
    Masaru Mabuchi“Financing the Japanese Industries:Industrial Policies of the Financal Ministry and Financial Policies of the Industrial Ministry"
    Gerhard Lehmbruch“Varieties of the‘Natwork State'?:Elements of a German-Japanese Comparison"
    Adrienne Heritier“State and Society in German Social Policy"
    Kuniaki Tanabe“Pluralization and Diversification of Welfare Programs in Japan"
    Koichiro Agata“Telecommunication Policy in Germany and in Japan"
    Hellmut Wollmann“Administrative Reform Movements and Developments in Germany"
    Mitsutoshi Ito“Japanese Administrative Reform in the 1980s"
    Maria Oppen“Labour Policy in Germany:Regulation of the Age Limits to Paid Workers"
    Ikuo Kume“Labor Policy in Japan:Labor Policies in the Era of Neo-Consevatism"
    Lehmbruchの二つ目の報告およびAgata報告を除いて、日独の報告はそれぞれが一報告づつ組み合わされ、両国の国家・行政の現状が比較された。
    コンフェレンスでは、1)日独双方の政治・行政が、これまでの「制度的遺産」によって強く規定されていること、2)しかし、同時に1970年代以降の国際化・政策の相互依存的状況の下で、両国の政治・行政が緩やかに同じ方向を向きつつあることが確認された。また、政治学・行政学の研究について、方法論をめぐっても議論がなされたことは特筆すべきであろう。
    3.東京における研究集会
    京都におけるコンフェレンスに引き続き、東京・早稲田大学両国のペーパーについての枠組みの理解を深めた。この研究集会には、ドイツ側報告者2名、日本側報告者2名のほか、東京におけるドイツ政治の専門家を含む多数の参加者があり、活発な質疑応答がなされた。
    なお、本コンフェレンスの成果は、英語による出版が検討されている。

  • 日独行政システムの比較研究:1980年代における新自由主義と行政システム

    科学研究費助成事業(京都大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1992年
     
     
     

     概要を見る

    1993年3月25日、26日の二日間ベルリンの科学センター(WZB)にて次のような研究会が行われた。第一日は、国家制度と国際的・社会経済的環境の変化との相互作用をテーマしとて、午前にはレームブルックと村松岐夫が、戦後政治行政を独日のそれぞれについて概観した。この議論から、ドイツ側は日本をドイツと異なった国家システムと政策を採用してきた国と見る傾向があるのに対して、日本はドイツと日本の共通の経験を強調しがちであることが分かった。またドイツと日本の政治の現況に関しては類似点が多いとの共通の理解が得られた。既成政党への不信、左右の両極から新しい政治集団が生まれていることである。ただ大きな違いは、それらの両極が政党内に日本では包含されているのに対して、ドイツでは、既成政党の外から政治批判をしている点である。このことが、それぞれにおける政治改革や政策の変更に意味ある違いを与える傾向がある。
    午後は、ボルマンと真渕勝が独日のそれぞれの行政改革の沿革を概観して今日の両国の立っている地点を確認した。行政改革はドイツでは、1969年の政権の交代にともなう改革が重要であるのにたいして、日本で重要なのは1980年代の第二臨調改革である。いずれにおきても大きな改革の原因は国際化と国内の経済発展に起因する価値観の変化である。戦後の国際依存関係の深まりについて理解を高める必要を感じた。程度は極点に達しつつある。
    第二日は、社会経済政策の内容分析である。午前は、ドイツの社会政策をウィンドホーフが、日本の社会政策を伊藤光利が報告した。この分野では、ドイツは、ビスマルク以来の長い伝統を持つ。また。今日の問題としては、ゲスト・アルバイターの大量存在をどう見るかが重要である。これに対して日本の社会政策が組織的に行われるようになったのは比較的に最近であるとされている。しかし、日本の場合、戦前の多くの都市政策が社会政策の意味を持っていたなど研究されていない分野が多いとの結論に達した。ゲスト・アルバイターについては政策論的に参考になる情報が提供された。午後は、産業政策と労働政策をドイツ側がナショルド、日本側が県公一郎と久米郁男によって報告された。県の電気通信政策は、産業政策の事例としては狭く、産業政策をテーマとして続けるのであれば、より広い政策を取り上げる必要があるとの合意ができた。
    本研究会の目的は、ドイツと日本両国の戦後を政治学の観点から相互理解を深めると同時に、10月16、17日に行われる最終研究会のペーパーの内容を調整することである。上の二日間にわたる研究会の後、二七日に我々は、今後の研究スケデュールと内容に関する調整を行った。日本で行われる第二回の研究会について次の合意ができた。開催地は京都、開催日程は、10月16・17日。このときは完成稿を持って、次の出版計画に移る。
    最後に感想を付言すると、ドイツの日本への関心の底流に、日本経済への脅威があることが感じられた。自動車産業で言えば、かってホルクスワーゲンは、小型車市場で日本と競争の結果、敗退した。今ベンツもまたトヨタと日産の追い上げで苦しんでいる。ハイテク産業に関しても日本の脅威は大きい。考えてみればカメラに始まりドイツは得意分野で後退してきた。日本とは何かという関心がやはり経済問題に刺激され政治学の関心になったようである。そして、日本政治については、いわゆるリビジョニストの見解が大きな影響を与えている。日本の政治に関してすぐれた研究書が独訳されていないし、アメリカの日本政治研究も広く読まれていない。日本政治に関するドイツ語文献が増えることを望むしだいである。

  • 日本の政治学研究・教育における情報化への対応に関する実証的研究

    科学研究費助成事業(名古屋大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1990年
    -
    1991年
     

     概要を見る

    1、平成2年度に行った、「政治学の情報化に関する機関向けアンケ-ト」調査は、政治学教育を行っている全国の法学部・政治経済学部などあわせて164部局に対して実施し、104部局からの回答を得たが、本年度はそれらをコンピュ-タを利用して集計し、集計結果に関する集団的討論を行なったのち、その作業の成果を『政治学教育の情報化に関する機関向けアンケ-ト報告書』として平成3年6月に公刊した。その結果、70%以上の機関ですでに情報化に対応した授業科目を設置済みである、等の知見を得ることができた。なお、同報告書は、日本学術会議政治研連、日本政治学会理事会などに配布した。
    2、本年度には、「政治学の情報化に関する政治学会会員向けアンケ-ト」調査を、日本政治学会会員全員(1200名弱)を対象として実施し、401名からの有効回答を得た。この調査に関する事前の打ち合わせのため、名古屋で第1回研究会を行い、回答集計後は東京で第2回研究会、さらに報告書作成のための第3回の研究会を名古屋でそれぞれ実施し、必要な討論を行った。その結果、ワ-プロは60%以上、パソコンは40%弱の政治学会会員に普及しているが、パソコンの利用形態はまだワ-プロの域を充分に脱していない、等の興味深い知見を得ることができた。
    3、上記の作業を経て、平成4年3月には、『政治学教育の情報化に関する政治学会会員向けアンケ-ト報告書』を公刊した。同報告も、日本学術会議政治学研連、日本政治学会理事会などに配布した。

  • 政治関連デ-タバンクシステムの開発と利用

    科学研究費助成事業(慶應義塾大学)  科学研究費助成事業(試験研究)

    研究期間:

    1989年
    -
    1991年
     

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    本科学研究費試験研究では、次の研究を実施した。
    (1)デ-タバンクシステムの作成:具体的には、政治関連デ-タを収納・利用するためのデ-タバンクシステムを開発・作成した。
    (2)サ-ベイデ-タバンクの作成:政治関連サ-ベイデ-タに伴う情報を整理し、光ディスクファイルシステムに収納した。また、明推協サ-ベイデ-タをPC版に変換し、PC用デ-タバンクを作成した。さらに、ANESサ-ベイデ-タが同じ変数であっても調査毎に異なる変数番号を用いているために時系列分析が困難であることに着目し、新たに共通変数番号を作り従来の変数との変換一覧表を作成した。
    (3)アグリゲ-トデ-タバンクの作成:各国政選挙結果などを含む政治関連アグリゲ-トデ-タを収集・整理・入力した。また政治家キャリアデ-タについても同様の収集・入力した。
    (4)デ-タバンクの普及:上記のデ-タバンクならびにデ-タに関するマニュアルを作成し、デ-タバンクを広く普及させることを目指した。
    なお、今後も本研究で作成した政治関連デ-タバンクシステムに収納するデ-タを積極的に収集・整理・入力していくつもりである。

  • 占領期日本の総合的研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(総合研究(B))

    研究期間:

    1989年
     
     
     

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    本研究の目的は、占領期日本に関する資料状況・研究状況を全般的に検討し、それにもとづいて、政治・外交をはじめ、経済・社会・文化の諸領域にまたがる占領期日本の変動を総合的に研究するための組織を企画し準備することにあった。
    その目的は十分に達成されたと考える。たび重なる研究・打合せ会議を、神戸・東京などで行い、活発な意見交換を通して、平成3年度の重点領域研究を申請することを決定し、11の班と70名余の研究者によって構成される研究グル-プを作りあげることができた。諸分野の専門家から成る学際的研究である点は当初の予定通りであるが、研究テ-マと問題関心については、討議を通して大きな拡がりを持つに至った。すなわち、研究対象をたんに「占領期日本」に局限するのではなく、占領期を中心に高度成長が構造化するまでの「戦後日本の形成」を総合的に検討し、戦後日本の全体像を提示することを目的とすることになった。現在の日本が「戦後日本」をあとに、歴史の新しい局面に進もうとしていることは、「戦後日本とは何か」に答えることを急務としているのみならず、資料状況・研究状況も本格的な研究を可能にしていると判断されるからである。国際的に理解可能な総合的研究とするため、多様な分析視角を導入することとした。戦後日本の国際的要因と国内的要因、戦後社会の国際比較、戦前・戦後の連続と非連続、戦後の外交・政治・社会文化の継承と変容などを主要な共通的問題関心とし、占領改革、1950年代の戦後体制の形成を通しての高度成長への帰結を、各レベル・各分野で分析しつつ、全体像の解明を試みる。以上のような重点領域研究「戦後日本の形成の総合的研究」(代表者・渡辺昭夫東京大学教授)を申請するという目的を達成したことを御報告申しあげたい。終りに、この企画につき相談に乗っていただいた故砂子田忠孝氏の御冥福を祈りたい。

  • 55年体制と戦後政治

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    戦後体制が大きな起伏と輻輳を伴いつつ形成された1950年代について多角的に調査研究した結果、細部の実証とともに全体像をかなり概念化できる段階に達した。占領改革の所産たる憲法体制の上に、吉田茂は講和に際し日米安保体制を重ねた。それは冷戦環境下で日本が西側に帰属することを鮮明にしつつ、自由貿易体制への参与を通して通商国家として再生する選択を含意た(吉田ドクトリン)。独立後55年体制形成期の日本政治は「反吉田」を暗部の動因とし、鳩山・石橋内閣は米国以外に外交的地平を拡げる途を模索した。同時に吉田の経済中心主義に対し「改憲再軍備」を掲げ伝統的ナショナリズムの再生を尋ねた。それを一層果敢に試みたのが岸内閣であったが、「平和と民主主義」を掲げる革新勢力は激しく反発し、二極化するイデオロギー対決が50年代後半の外見上の主要な特徴となった。鳩山から岸政権までを、権力構造の再強化を図る国家主義的時代とまとめうるが、実は複雑な不連続面が走っている。日米体制から見れば、東側陣営との関係改善を追求する鳩山・石橋と、対米関係の深化からさらなる利益を引き出す岸とは正反対に近い。ワシントンはそう見ており、そのことが国内の革新側ナショナリズムの岸とは正反対に近い。ワシントンはそう見ており、そのことが国内の革新側ナショナリズムの岸への批判を強化した。経済政策について、吉田・池田が主に大蔵省を用い金融政策を通じて総資本の存続と体質強化を課題としていたとすれば、鳩山から岸らは通産省等を使って中小企業育成や福祉政策にも熱心であり、ポピュリスト的な利益民主主義の形成を促進した。こうした国内政策の重点の変化は戦後政治体制を固めるうえで無視しがたい要因であることが、社会集団・利益団体の側からの研究を通しても認識された

  • 日本とヨーロッパにおける政治変動

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    本研究では、一九九〇年代における日本および西ヨーロッパにおける急激な政治変動を、(1)有権者の政党支持の再編や連立の組み替えなどの政党再編、(2)経済活動における政府の役割の変化、労働市場の再編、福祉の再編などにみられる政治経済体制の再編、(3)EUおよび東アジアにおける地域統合の進展(ないしはその停滞)という3つの側面に焦点を当てて、検討を行った。さらに、以上の研究を進めるために、比較研究の方法論的考察をも試みた。比較研究の方法的検討は、全員がそれぞれの個別テーマに関する研究の中で行ったが、先の政治変動の3つの側面については、3つの班に分かれて、分科会を構成し、熊本における国際研究集会などにおいて研究成果の相互批判を通じて、考察を深めてきた。本年度の研究を通じて、グローバリゼーションと情報化、(経済の)ソフト化を受けて、日本においても西ヨーロッパにおいても、市場経済原理が一層加速され、それが政党や政府・企業関係、そして地域統合に大きなインパクトを与えていることが確認されたが、日本(および日本を含む東アジア)と西ヨーロッパとの違いもまた、大きなものであることも同時に認められた。さらに、こうした違いの重要な一因として、九〇年代以前の歴史的遺産が各研究によって指摘された。そのため、幾つかの研究においては、戦後の、ないしは石油危機以降の歴史的展開を視野に入れた分析を行っている。研究全般を通じて、日本と西ヨーロッパが直面している課題の共通性、にもかかわらず対応の上での、文化的、制度的、歴史的違いに由来する相違性が浮かび上がってきたといえよう

  • 日本とヨーロッパにおける政治変動の比較研究

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    本研究においては、日本とヨーロッパの政治についての本格的研究を準備することを念頭において、両地球の研究状況を知るため日本とヨーロッパの政治についての文献の検討を中心とし、その上で、日本の日欧政治研究者のネットワークを作り上げることにも努力した。以上の一般的作業に加えて、それぞれの班ごとに、次のような作業を行った。第1班は、1990年代における政党再編の過程をテーマとして、理論的および実証的研究を開始し、タブリン大学のマイケル・レ-ヴァー教授を中心とするヨーロッパの政治学者との国際的共同研究の準備を行った。ここでは、連合政権形成とそれぞれの政党における党内派閥の形態との関係、政党システムと棄権率との関係、日仏、日伊、日英の3つの2国間比較を、3つの主要テーマとして、来年度以降本格的比較研究を行うこととなった。第2班は、1980年代以降のネオ・リベラリズムの登場によって、政府と企業との関係がいかなる再編をとげてきたかをテーマとして討論を重ね、エグジタ-大学のスティーヴン・ウィルクス教授を中心とするヨーロッパ側との国際共同研究の準備を行った。ここでは、産業政策、競争維持政策、福祉政策につき、それぞれ日仏、日英、日独の3つの2国間比較を行う準備が整えられた。第3班は、ヨーロッパおよびアジアにおける地域統合の最近の動向を理論的に解明することに焦点を置き、ウォーイック大学のヒゴット教授との国際共同研究の準備を行った。ここでは、安全保障、経済交流、ナショナル・アイデンティティを主要テーマとして、将来本格的研究を行うための準備が整えられた。以上の過程で、本研究組織のそれぞれのメンバーが、英文で研究計画およびリサーチ・ノートを執筆し、これを交換して、相互に批評しあう作業を行った

  • 「新選挙制度が代議士の政治活動と政党再編成に与える影響」

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    この研究は(1)総選挙前の議員の政党選択、(2)有権者の投票行動、(3)候補者の公約、(4)議員の選ぶ政策分野の4つの面で新選挙制度の影響を実証的に考察しようとした。(1)については、96年総選挙までの議員行動は、一部のイデオロギー色の強い、あるいは選挙に強い候補者を除いて、概ね二大政党化を意識した合理的な保身として説明がつく。久米「社民勢力と政界再編」が成果である。(2)については、鈴木・品田・建林がアメリカ政治学会で報告したように、新選挙制度の有権者に対する二大政党化圧力は存在するが弱く、むしろ付加的諸制度によって野党間の協力を阻害し多党化を促すものだったこと、二票制が有権者の戦略的均衡化をもたらしたことを明らかにした。なお報告論文は米国の主要雑誌に投稿中である。(3)は政治家の政策選好を選挙公約で測定し、新旧選挙制度間の比較をしようとするものであるが、データの作成に難航した。このデータについて作成方法とその長短を解説し改良についての提案を行ったのが品田「選挙公約政策データについて」である。先行して試験的に作成した社民系議員の公約データについて分析した結果が久米「社民勢力と政界再編」であり、社民系議員の多くが選挙制度の効果を予想した保身的行動を行ったが政策面でも適応したことを明らかにした。また年度末完成を目途に品田が論文「90年代日本の選挙公約」を執筆中である。(4)では主に保守系議員を念頭に新旧両制度間で所属する政調会の部会等が異なるかを検討しようとした。中選挙区制時代の自民党の部会名簿を分析したものが建林「中小企業政策と選挙制度」(日本政治学会1997年年報)で、選挙制度が規定する競争状況によって議員の選挙区向けサービスの性質、活躍する政策分野、さらには政策内容に影響することを日米比較の観点から論じた

  • 日本とドイツにおける技能形成の政治経済学的比較研究

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    大競争時代において日本とドイツの技能形成制度がいかなる試練に直面しているかの事実の検討を行い、技能形成の仕組みの変容と政府の政策の関係を分析した。1:日独技能形成システムが実際にどの様に機能してきたかにつき、既存の研究を利用してThelen教授との間に共通の理解を形成するべく、両者が文献レビューペーパーを行いその知見を交換した。2:日本の事例について、新聞・雑誌記事の分析、専門家への意見聴取等を用いて現状の把握に努めた。そこでの関心は、技能形成が企業から外部化された場合の政策対応(職業訓練政策、職業教育政策、産業政策等)とその実現可能性にあった。そこでは、従来のOJTを中心とする技能形成に替えて、技能形成を外部化する動きが観察された。しかし、それがどの程度まで伝統的な仕組みを変革するかについては、まだ判断を下すに到らなかった。3:Thelen教授が来日した機会を捉えて、日独技能形成制度の抱える問題を議論し、これへの政策的対応が現実にどのような方向でなされつつあるかを日独について比較分析するための基礎的作業を行った。この問題を検討する上で、両国における失業率の上昇、潜在的失業の存在に注目すべき点で意見が一致した。将来、この共同研究を失業問題が政治的にどのように解釈されるかという観点から、更に発展させることとなった

  • 金融危機における「決定」と「非決定」に関する政治学的研究

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    本研究は、バブル経済対策の遅れを政治学的な観点から実証的に解明することを目的としていた。そのため理論研究、文献・資料収集、聞き取り調査を行い、世論調査の時系列データ・新聞報道の内容データ・聞き取りデータ・各種年表を整備した。また各自がテーマを決めて分析を進めた。内容的には(1)バブル崩壊後の処理を説明する伊藤・真渕・大西と(2)バブル経済前後の環境を検討する加藤・久米・品田に分かれる。(1)の中で伊藤・真渕は、住専問題に焦点を定める。この問題が早い段階で国民に公的資金投入への不信感を植え付けたため、後に不良債権処理が困難になった。真渕は日住金の第一次再建計画、第二次再建計画、財政資金投入を含む処理案の策定過程を時系列で追跡し、各時点での当事者の考え・行動を検討した。伊藤は新制度論アプローチを用い、護送船団方式という理念、さまざまな制度配置、官僚スキャンダルなどの状況的要因を住専処理策の説明要因として析出した。大西は昨年来の理論研究を踏まえ、韓国通貨危機は、「擬似中央銀行」と見られてきた財政経済院の力の限界が露呈したことをきっかけに投資家の平価切り下げ予測が決定的になったからだとした。(2)の中で、加藤は、わが国の官僚・政党・企業組織に共通して存在する、同質的で低い流動性という組織的特徴が、政治経済上の成功局面では合意の効率的形成と効率的な機能遂行に貢献したが、逆に失敗の局面では、組織の機能の衰退を黙認する存在となったことを示した。久米は、不良債権処理のための公的資金投入をめぐる新聞報道について記事件数、論調、各アクターの立場を系時的に分析した。品田は、各候補者の選挙公約から「全体-個別」、「創出-修正」の二軸を抽出し、93年以降、政治改革のような「全体・創出」型の政策が急増し政党再編の焦点となったことを明らかにした。以上、最終年度終了にあたり一定の成果は示すことができたが、研究の未完成部分および各研究の体系的な結合を進め、今後、最終的な成果を可及的速やかに公表することを期したい

  • 「宏池会」の研究 ―戦後保守本流の政策に関する研究―

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    本研究は、宏池会(自民党池田派の系譜)に関する資料収集・インタビューを行い基礎資料を整備すると共に、分担者による研究、報告および議論、論文の執筆を行ってきた。1 資料収集およびインタビュー 宏池会研究の基礎的データの最終的な整理完成が本年度の第1の成果である。宏池会所属議員の役職、経歴、選挙などのデータを収集し、利用可能な形にデータベース化した。このデータに基づき、宏池会という派閥がいかなる特性を持つものかが分析された。また、前年度までに収集された宏池会機関誌「進路」の記事データを整理し解題を行った。また宏池会を解明するためのインタビューを行った。本研究代表である五百籏頭教授は、宮沢喜一元総理に対するインタビューに加えて、非宏池会政治家である中曽根康弘、橋本龍太郎両元総理などへのインタビューを行い、その結果を研究会でメンバーと共有することを行った。また、伊藤昌哉氏、神谷克己氏、桑田弘一郎氏、田勢康弘氏、松崎哲久氏、長富祐一郎氏、畠山元氏、森田一氏らを研究会に招いて聞き取りを行った。また中村隆英先生からは経済史に関し貴重なお話しをいただいた。2 研究報告 分担者である品田、福永が、宏池会系政治家の特性を解明する分析を行った。そこでは、宏池会系議員の部会所属が池田時代以降徐々に変化してきたことが明らかにされた。村田は、宏池会系政治家から防衛庁長官が輩出しているという事態の政治的意味を分析した。中西、久米は、宏池会の経済政策の分析を行った。中西の分析は、池田内閣の政策的ブレーンであった下村治の経済思想を政治学的に分析するものである。久米は、池田内閣期と佐藤内閣期の経済財政政策の策定を実証的に検討し、アイデアの政治という観点から分析を行った。五百旗頭は、これらの分析をふまえつつ、宏池会という政策色の強い派閥が戦後日本にとっていかなる意味を持ったのかを考察した。3 成果発表 以上の研究成果は、PHP出版から年内に研究書として公刊される予定である

  • 日本とヨーロッパにおける国家と社会

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    1.研究の目的 本研究の目的は、日本政治学会とヨーロッパ政治学会連合(ECPR)との正式な交流計画に基づき、(1)政治意識と価値変動のヨーロッパ・アジアの比較研究、(2)アジア・東欧および南欧の民主化の比較研究、(3)グローバル化における市民社会の展開、(4)戦後政治経済体制の日欧比較の4つのグループを形成し、日欧の政治学者が対等な立場で本格的な国際共同研究を行うことである。2.研究実績の概要 平成11年度は、それぞれの班ごとに、「日本とヨーロッパの国家と社会」という統一テーマのもと、共同研究を進めた。平成12年度においては、まず8月初旬にカナダのケベックで開催された、世界政治学会で合同研究会をもつことができた。第1班の「政治意識と価値変動のヨーロッパ・アジアの比較研究」グループは、全員が世界政治学会のパネルで研究発表を行った。第3班の「グローバル化における市民社会の展開」グループは、世界政治学会で東洋と西洋の市民社会論とグローバル化のテーマでパネルを開いた。平成13年度においては、まず9月初旬に英国のケント大学で開催された、ECPRの総会で合同研究会をもつことができた。第1班の「政治意識と価値変動のヨーロッパ・アジアの比較研究」グループ(代表:猪口孝)は、この研究会で全員が報告を行うとともに、提出した論文をもとに、英文での出版を準備中である。第2班の「アジア・東欧および南欧の民主化の比較研究」グループ(代表:大嶽秀夫)は、京都において研究会を行い、日欧の政治学者が論文報告を行った。第3班の「グローバル化における市民社会の展開」グループ(代表:千葉真)および第4班「戦後政治経済体制の日欧比較」グループ(代表:久米郁男)は、ECPRの総会で研究発表を行った。なお、特筆すべきものとして、蒲島郁夫とマイケル・レイヴァーが共同でリーダーを務める政党研究グループは、「日本の政党政治の変容と継続-ヨーロッパとの比較の観点を通して」というテーマで、英語ではElectoral Studies誌、日本語ではレヴァイアサン誌で特集号を出版した。いずれも、国際的に評価の高いジャーナルであり、本研究の長年にわたる成果を広く公開することができた

  • 経済危機争点化の比較政治学的研究

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    1.昨年度に引き続き、1990年代から現在までの経済危機が新聞においてどのように報道されてきたかを、内容分析の手法に基づいて分析した。その結果、当初危機が循環的な問題として理解されていたのが、不良債権問題、更に日本経済の構造問題として争点化されてきたこと、「経済危機」 への対応が、当初の対処療法的なものから、不良債権処理促進、金融危機対応から、構造改革へと性格を変えてきた原因であることが更に確認された。2.80年代に日本の経済繁栄を支えたとされた日本的経営に対する評価が逆転し、それの根本的変革が唱道されるようになったこと。それが、日本経済の構造改革の一環として主張されるに至ったことを示した。しかし、日本的経営を支えた3本柱とされる「年功賃金」、「終身雇用」、「協調的労使関係」について、個別に見ていくと、それらがどの程度実際に変化してきたかについては、大きな差異があることを、更に事例研究によって分析した。3.労使関係の変化について、キャサリン・セレン教授と日独比較分析に加えて、スウェーデンの事例を分析し、日本、ドイツ、スウェーデンという代表的な調整型市場経済において、従来とは異なる新たな労使連合と利益対立の分岐が生じていることを明らかにしたことりわけ、3カ国に共通に見られる新たな利益対立分岐は、輸出セクターと非輸出セクターの間に生じていることが解明された。4.上記の、分析をふまえて、制度変化と制度的相互補完性に関する英文研究論文を発表した。なお、その草稿は、欧米の研究者に回覧してコメントを得た

  • 変革期における執政集団の比較研究

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    本研究は世界各国の「コア・エグゼクティヴ」の特徴を比較の枠組の中で明らかにすることを目的とした。コア・エグゼクティヴとは、たんに首相や大統領などの一人のリーダーではなく、英国で言えば、首相、内閣、内閣委員会、上級官僚などからなるいわば執政ネットワークのことである。鹿毛論文は、多くの文献を渉猟しアメリカのみならず他の国を含めた最新の大統領制研究の到達点を批判的にまとめあげた。久保論文は、アメリカ大統領と他のアクターのわが国では十分に認識されなかった関係を興味深く明らかにした。阪野論文は、英国の政治システムの脱集権化におけるコア・エクゼクティヴの集権化という逆説を析出した。吉田論文は、フランスの国家主義的政体が多元的・開放的EUガヴァナンスとの不適合性ゆえに、むしろフランス政体が脆弱であるという逆説を浮き彫りにしている。曽我論文は、コア・エグゼクティヴ・ネットワークを「情報共有型」か「機能特化型」かという軸によって比較可能な操作化を行い、サーベイ調査データを基礎に近年の諸改革に生じた各省庁の変容を類型化した。伊藤論文は、制度、コンテキスト、戦略を重視するコア・エグゼクティヴの研究枠組により,選挙制度改革および中央省庁再編のインパクトが一定の帰結をもたらすメカニズムを説得的に明らかにし、玉田論文は、タイのコア・エグゼクティヴを分析し、興味深いことに少なくとも現象的に日本とタイのコア・エグゼクティヴ政治の類似性を明らかにしている。これらの研究から得られる観察としては,一方で世界各国の政治は多元化の傾向が見られるのに対して,他方では各国は固有の歴史、制度、およびダイナミズムを示しながらも,コア・エグゼクティヴの集権化という興味深い逆説が指摘できることである。今後は、この共通の傾向をもたらす要因(独立変数)の探求と,この一般的傾向と各国固有の特徴の相互作用を分析していくことが有意義な課題となると思われる

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特定課題研究

  • 自由貿易と国内政治基盤:「埋め込まれた自由主義」の再検討

    2016年  

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    本研究は、戦後の国際的自由貿易体制の安定を、対外開放政策と介入的国内経済政策の組み合わせに求めた「埋め込まれた自由主義」仮説の再検討を目指した。本仮説においては、自由貿易が当事国の労働者の雇用に与えるネガティブな影響を緩和する福祉政策や経済政策が、自由貿易への支持を調達する上での条件とされてきた。本研究では、既に積み上げてきた日本におけるサーベイ実験の再分析とInternational Social Survey Programme (ISSP)が実施した2003年のデータ分析により、自由貿易支持は、福祉政策の展開よりも、貿易自体がもたらす消費者利益によって調達されうることを示した。

  • グローバル化と労働政治の変容

    2004年  

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    申請者とキャサリーン・セレンNorthwestern University教授は、スウェーデンにおいては1980年代に、グローバル化圧力の下で従来型労使関係制度が大きく変化するとともに、90年代にはいるとその変化は新たな労使関係調整制度の成立という形で安定化したのに対して、日本とドイツは90年代以降グローバル市場の圧力の下、従来型制度の「崩壊」過程が継続し新たな均衡に至っていないことを明らかにした。そこには、ドイツにおける産業別賃金交渉のカバー範囲の縮小や日本型経営を特徴づけてきた「年功賃金」「終身雇用制」、さらには春闘制度の変化といった「変化」の側面が観察されると同時に、従来型制度の継続の側面も観察された。その混在状況こそが、まさに両国の特徴である。 本研究では、何故スウェーデンにおける労使関係制度の再安定が比較的短期に生じ、日本とドイツがそうではないかを、更に進んで分析した。そこでは、スウェーデンにおける労働組合の交渉資源、戦略と日本、ドイツにおける労働組合、あるいは労働者の交渉資源、交渉戦略の違いを主たる分析の対象とした。 我々は、いずれの事例においても、グローバル化の下で経営者側からの一方的な攻勢が行われ従来型の労使関係制度が変容したわけではなく、そこに労使間のcross-class allianceが生じていたことを明らかにした。しかし、他方で、その様なallianceは、従来の労使関係制度の国別の相違、すなわち、スウェーデンでは全国レベルに、ドイツでは産業レベルに、そして日本では企業レベルに軸足をおいたものであったという制度的特徴に媒介されて、異なる均衡へと向かっていったこと(スウェーデンの事例)、あるいは向かいつつあること(日本とドイツの事例)を示した。そして、均衡へ至るスピードの差は各制度における取引費用の大きさに依存している可能性があることを結論とした。

 

現在担当している科目

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