藤野 京子 (フジノ キョウコ)

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所属

文学学術院 文学部

職名

教授

ホームページ

http://www.f.waseda.jp/fujino/

兼担 【 表示 / 非表示

  • 教育・総合科学学術院   大学院教育学研究科

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 教育・総合科学学術院   教育学部

学位 【 表示 / 非表示

  • 修士

所属学協会 【 表示 / 非表示

  •  
     
     

    日本犯罪社会学会

  •  
     
     

    日本心理臨床学会

  •  
     
     

    日本教育心理学会

  •  
     
     

    日本心理学会

  •  
     
     

    日本犯罪心理学会

 

研究分野 【 表示 / 非表示

  • 臨床心理学

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 犯罪・非行

論文 【 表示 / 非表示

  • 2人の死に関与した50代の仮釈放中の女性薬物犯の事例分析

    藤野京子

    犯罪心理学研究   59 ( 1 ) 15 - 28  2021年08月  [査読有り]

  • 成人期における年齢層別ジェネラティヴィティの特徴

    藤野京子

    心理臨床学研究   37 ( 6 ) 582 - 592  2020年02月  [査読有り]

  • 男子非行少年と男子学生の共感喚起場面における感情や対処についての反応の比較

    藤野京子, 井上彩弥, 東山哲也, 向井智哉

    犯罪心理学研究   55 ( 2 ) 1 - 13  2018年02月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者

     概要を見る

    <p>非行少年や犯罪者について,共感性に焦点を当てた研究がなされてきた。しかし,共感を喚起させるさまざまに異なった状況における非行少年や犯罪者の感情や対処についての反応の特徴を明らかにすることも大切である。したがって,少年鑑別所在所中の男子非行少年(n=174)と男子学生(n=164)の反応を比較することにした。共感を喚起させる3場面における感情的反応の指標として並行的感情,他者指向感情,行動的反応の指標として衝動的援助,統制的援助,回避的対処が測定された。Davidによる共感の組織モデルに基づいて構築したモデルについて共分散構造分析を行った結果,双方の感情的反応は統制的援助に正の影響を与えていた。反対に,並行的感情は衝動的援助に正,回避的対処に負の影響を与えていた一方,他者指向感情は衝動的援助に負,回避的対処に正の影響を与えていた。さらに,非行少年は学生に比べて並行的感情,統制的援助,回避的対処が少なく,加えて,他者指向感情,衝動的援助が多い傾向にあった。</p>

    DOI CiNii

  • 否定的に評価された場面における怒り表出に至るプロセスの解明について−自尊心や不安の影響を加味した分析−

    藤野京子

    犯罪心理学研究   52 ( 1 ) 47 - 58  2014年08月  [査読有り]

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書籍等出版物 【 表示 / 非表示

  • 罪を犯した女たち

    藤野京子( 担当: 単著)

    2020年07月

  • 司法・犯罪心理学

    岡本吉生( 担当: 分担執筆)

    遠見書房  2019年03月 ISBN: 9784866160696

     概要を見る

    第1章 犯罪心理学の歴史

  • Crime and justice in contemporary Japan

    Liu, J, Miyazawa, S( 担当: 分担執筆)

    Springer  2018年01月 ISBN: 9783319693583

  • 薬物離脱ワークブック

    藤野京子, 鷲野薫, 藤掛友希, 両全会薬物プログラム開発会

    金剛出版  2017年09月 ISBN: 9784772415767

  • テキスト司法・犯罪心理学

    越智啓太, 桐生正幸( 担当: 分担執筆)

    北大路書房  2017年07月 ISBN: 9784762829758

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Misc 【 表示 / 非表示

  • いじめ「隠蔽」の構造 ①「心理学」から探る

    藤野京子

    月刊教職研修   566   86 - 87  2019年09月  [招待有り]

  • 女性の更生保護施設で個別の心理的働き掛けを行う意義と課題

    藤野京子

    更生保護学研究   14   73 - 75  2019年  [招待有り]

  • 書評 機能的家族療法 対応困難な青少年とその家族へのエビデンスにもとづいた処遇

    藤野京子

    精神療法   44 ( 2 ) 287 - 288  2018年04月  [招待有り]

  • 犯罪者の思考スタイルを考える-Walters, G. D.の理論に触れながら-

    藤野京子

    矯正研究   1   184 - 197  2018年03月  [招待有り]

  • 刑事施設における被害者の視点を取り入れた教育の実状

    藤野京子

    被害者学研究   28   132 - 144  2018年03月  [招待有り]

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共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 非行少年や犯罪者を抱える家族についての質的研究

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    家族に非行や犯罪も走った者がいると、残りの家族成員は非行や犯罪に走ることを許容する犯罪加害者の一味である、十分に養育してこなかったために非行や犯罪に走っている、十分に監護していれば、非行や犯罪を抑止できたはずである、などと世間からのさまざまなそしりを免れない。また、自身も、自身の働きかけが不適切あるいは不十分であったのではないかとの自責の念に苛まれがちである。しかし、このような家族も、見方を変えると、非行少年や犯罪者の被害者とみなせる。当人に成り代わって犯した罪の賠償を行うなどの任を負わされることになる。こうした中、それまでの日常が奪われ、孤立無援状態に陥ることも少なくない。さらに、これが端緒となり、家族力動にきしみが生じることも稀ではない。非行や犯罪のリスクアセスメントにおいては、変わりうることを想定している動的領域の評価項目として、家族との関係性が含まれている。すなわち、家族は犯罪リスクを低減させる重要な要因でもある。したがって、本研究はその実態を明らかにすることを目指すものである。まず、本研究の初年度だっため、学内の倫理委員会で調査研究をすることの了解を得た。つづいて、国内で発刊されている非行少年や加害者の家族当事者の体験記やそれにかかわる文献収集を行った。また、子どもの非行で困っている親の会に調査協力を要請し、ラポール形成及び親たちの実状把握のため、その会に複数回参加し、参与観察を行った。また、薬物離脱できない人の家族会に、研究目的で参加させてもらうことの了承を得、家族に対するプログラム内容の情報を体験学習すると同時に、そこで家族がどのような発言をするかについて、参与観察を行った。調査協力者を集めることが難航している。現在、複数の家族会に参加して、調査協力を得られるよう、家族会に参加している人に対してラポールを形成中である。非行や犯罪が始まったばかりの家族や、非行や犯罪現象が悪化している状況の家族は、心的余裕がなく、調査協力を要請することがはばかられる一方、問題が小康状態になると家族会に出席しないという現実に直面している。ホームページにおいても調査募集を行ってはいるが、そこからの照会はない状態である。家族会に繰り返し参加する中で、家族がどのようなことを悩むのか、家族がどのように変容していくか、家族がこれまでをどのように振り返るのか、といった情報を入手することはできている。したがって、この1・2年はさまざまな家族会に繰り返し参加して、情報を収集することを計画していく。そして、その中で調査協力してもらえそうな人を地道に集め、個別面接につなげていくことを計画している

  • 更生保護法人に帰住した女子窃盗事犯者の実態調査

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

     概要を見る

    本調査は女性を標的としているため、まず女性の特徴を明らかにするため、一般人の男女を対象(n=600)に調査を行い、MillerやGilliganの主張のとおり、女性は他者関係を重視することを確認した。次に、一般女性(n=500)と更生保護法人在所中の主として窃盗事犯女性 (n=36)を比較し、女性犯罪者はEPSI尺度で測定した信頼性、統合性、自立性、自主性が乏しく、AAQ-Ⅱで測定した現実受容傾向が低いこと、また、Maslowの欲求段階説のより下位段階の欲求に関心がある等の結果を得た。加えて、女性犯罪者の面接結果からは、刑務所初入群の方が累入群よりも肯定的な語りが多いことも示された

  • 子どもの非行・虐待防止のための地域社会ネットワークの実証的研究

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

     概要を見る

    本研究では、少年警察・学校教育・児童福祉・更生保護の各領域における、子どもの非行・虐待防止に関わる民間団体に焦点を当て、それらが地域社会ネットワークで果たしている役割について調査研究を行った。領域毎にグループを構成し、各領域で画期的な取組みを行っている各種団体の聞き取り調査を実施して分析・考察を行った。いずれの領域においても、地域差が見られるものの民間団体は公的機関と多様な連携方策を展開している。研究成果については、研究母体となった早稲田大学社会安全政策研究所の研究会においても報告を行い、また紀要に論文等の形で掲載したほか、同研究所のホームページでも随時情報発信を行った

  • 児童虐待等の被害経験が成人期女性に及ぼす影響に関する研究

     概要を見る

    児童虐待被害についての調査の多くは、病院等特定機関に係属している者を対象としていることから、本調査では、そのような母集団の偏りを排除するため、二段抽出法により東京都内在住の一般人女性5,000名を調査対象者とした。また、児童虐待被害の影響は、被害を受けている時点に限定されず、被害を受けて以降の生活に影響を及ぼすと予想されたことから、本調査では、調査対象者が受けた児童虐待被害のみならず、調査対象者の配偶者等との間の暴力の加害や被害、調査対象者ないし配偶者等が調査対象者の子どもに振るう児童虐待加害について調査することとし、加えて、調査対象者の児童のころのセルフ・エフィカシー、親の養育態度、成人以降の夫婦関係や一般の他者との関係の持ち方、育児観、人生に対する主観的幸福感等についても測定し、児童虐待被害が後続の生活に与える影響の範囲やその抑止要因、促進要因を明らかにすることを目的とした。上記調査対象者に調査票を郵送し、有効回答者1,027名を分析対象とした。その結果、児童のころ親から暴力を振るわれた者ほど、配偶者等や子どもに暴力を振るったり、配偶者等から暴力を振るわれたりするなど両者の関連性が認められた一方で、配偶者等との被害・加害関係には暴力以外の夫婦関係が影響を及ぼしていること、子どもへの暴力に対しては、調査対象者の親の養育態度、調査対象者自身の育児観等が影響を及ぼしていることが示された。加えて、主観的幸福感についても、親からの暴力以外に、セルフ・エフィカシー、他者関係のあり方等が強い影響を及ぼしており、すなわち、親からの暴力が同程度であったとしても、他の要因如何で、成人期以降の適応の程度が異なることが示された。なお、質問紙調査の回答者の一部である39名に面接調査を行い、児童虐待被害を受けながらも、今日に至ることができた過程の詳細についても調査した

講演・口頭発表等 【 表示 / 非表示

  • 切れ目のない処遇・支援について~女性薬物犯の模擬事例をもとに~

    藤野京子, 小川洋子, 佐々木彩子, 谷真如

    日本犯罪心理学第57回大会   (日本女子大学) 

    発表年月: 2019年09月

  • 被害を与えた際の受け止め方の変化-周囲の反応の影響についての検討-

    藤野京子

    日本教育心理学会第60回総会  

    発表年月: 2018年09月

  • 世代性尺度の検討-McAdamsが提示した5側面についての検討-

    藤野京子

    日本心理臨床学会第37回大会  

    発表年月: 2018年08月

  • 道徳性と社会場面での認知との関係

    藤野京子

    日本応用心理学会第85回大会   (大阪大学人間科学部) 

    発表年月: 2018年08月

  • 窃盗の矯正における法と心理_指定討論

    藤野京子  [招待有り]

    法と心理  

    発表年月: 2017年10月

    開催年月:
    2017年10月
     
     

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特定課題研究 【 表示 / 非表示

  • いじめ問題への当事者以外からの取組み

    2014年  

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    <学外>様々な集団についての環境尺度を作成したMoosは学級環境尺度も作成している(Trickett &amp; Moos, 2002)が、いずれの尺度についても、「関係性(人間関係)」、「個人の成長/目標志向」、「組織の維持と変革」の3領域を測定していることが共通している。Moosの学級環境尺度には、生徒の勢力が」含まれていないことから、これらも勘案の上、我が国の学級事情を反映した尺度作成を試みた結果、「関係性」の領域では、「凝集性」、「軋轢」、「教師の援助性」、「リーダーの援助性」の4下位尺度、「個人の発達/目標志向」の領域では、「自己の成長」、「クラスとしての成長」の2下位尺度、「組織の維持と変革」の領域では、「規律と秩序」、「恣意存在」、「リーダーによる統率」、「教師による統率」の4下位尺度が認められ、さらに、いじめ現象と各下位尺度得点との間に関連が見られた。

  • 非行少年の共感性及び共感喚起についての実証的研究

    2013年  

     概要を見る

    1.研究の目的 非行少年や犯罪者は一般人に比べて共感性が低いかどうかについては、一貫した結果が得られていない。 共感を「他者の感情体験に対する感情的反応性」ととらえるDavis(1994)は、他者の苦痛に接した際に起こる反応として、相手の苦痛を軽減したいという他者志向的共感である「共感的関心」と、自分の中に生じた苦痛を軽減したいという自己に向けられる「個人指向共感」があるとしている。このDavisの主張のように共感性にはいくつかの側面があり、たとえば非行少年や犯罪者では個人指向共感が高く示される一方、一般人では共感的関心が高く示されるなど、共感の質が違うのではないかということが考えられる。 一方、非行少年や犯罪者と一般人との共感性の質に違いはないものの、共感する相手が異なり、たとえば非行少年や犯罪者は反社会的行動を促進する他者に共感する結果、逸脱行動が抑止されないということも想定できる。すなわち、共感性とはどの他者に対しても一様に喚起されるわけではないことも考えられる。共感の研究では、個々人にそなわった特性としての共感が取り上げられることが多いが、どのような場面で共感が喚起されるかということも大切であろう。 そこで、本研究では、後者を検証するために、その前段として大学生を調査対象に、共感する相手との関係性や状況によって、喚起される共感なり援助行動なりが異なるかどうかを調査することを目的とした。 なお、次年度以降、非行少年に同種の調査を行い、比較検討する予定である。2.方法(1)調査協力者:学生101名(男性33名、女性68名:18歳から25歳、平均20.55歳)(2)調査内容   いじめの被害を受けているとの話を聞くないし目の当りにするという以下の3場面を設定し、その3場面それぞれに居合わせたと想定した場合の、自身の反応について回答させた。    場面A:調査協力者といじめ被害者は知り合いでないが、その人がいじめられていると聞かされた。    場面B:調査協力者といじめ被害者は知り合いで、その人がいじめられているのを知らなかったが、いじめられていると聞かされた。    場面C:調査協力者といじめ被害者は知り合いで、その人がいじめられているのを知っているが、かばえば自分がいじめられそうである。   自身の反応として回答を求めたのは、Davis(1994)の個人指向共感及び共感的関心に相当するものを測定している登張(2005)の並行的感情反応及び他者指向的反応を参考に今回新たに作成した個人指向共感(6項目)及び他者指向共感(5項目)、共感喚起のモードとしてHoffman(1990)が提示した自動的・無意識的に起こるモード、認知的に高度のモードの概念に対応して生じるであろう対処項目として作成した衝動的対処(5項目)及び統制的対処(5項目)、加えて、共感を伴わない対処項目として作成した回避的思考(5項目)であった。   このほか、調査協力者のいじめ経験に加えて特性として、吉津・関口・雨宮(2013)の感情調整尺度の再評価項目(6項目)、原田・吉澤・吉田(2009)の注意の制御項目(9項目)、杉浦・佐藤(2005)のサイコパシー尺度の1軸も加味して作成した自己中心性項目(11項目)を測定した。3.結果&考察 上記場面によって各尺度得点が異なるかどうかを分析したところ、個人指向共感では、場面A、B、Cの順に得点が高くなり、いずれの場面間にも有意差が認められた。また、他者指向共感では、場面Aが場面B、Cに比べて有意にその得点が低かった。衝動的対処については、場面A、C、Bの順に得点が高くなり、いずれの場面間にも有意差が認められた。統制的対処については、場面Aが場面B、Cに比べて有意に得点が低かった。回避的思考については、場面B、C、Aの順に得点が高くなり、いずれの場面間にも有意差が認められた。これらは、同一個人であっても、状況に応じて、喚起される共感が異なることを示している。このほか、個人特性のうち感情調整ができる者ほど、場面によって、衝動的対処や統制的対処の程度が異なることが示された。 重回帰分析によって各尺度の関係を分析したところ、個人指向共感には注意制御特性が正の影響を及ぼしていること、他者指向共感には自己中心性特性が負の影響を及ぼしていること、統制対処や衝動対処には他者指向共感が正の影響を及ぼしていること、一方、回避思考には他者指向共感が負の影響を及ぼしていることなどが示された。 なお、調査協力者のいじめの加害や被害の経験(いじめ加害歴あり33名、なし67名、いじめ被害歴あり36名、なし64名)と各変数との関係を分析したところ、衝動対処について、A場面で、加害あり群よりもない群の方がその傾向が強いとの結果が得られた。また、回避思考については、A場面において、被害経験がある群よりもない群の方が、その得点が高いこと、また、C場面において、加害経験がある場合は、被害経験があるよりもない方が回避思考が強いのに対して、加害経験がない場合は、被害経験がないよりもある方が回避思考が強い傾向がみられた。参考文献Davis, M. H. 1994 Empathy: A social and psychological approach. Madison, WI: Brown & Benchmark. (デイヴィス、M. H. 菊池章夫(訳) 1999 共感の社会心理学 川島書店)原田知佳・吉澤寛之・吉田俊和 2009 自己制御が社会的迷惑行為および逸脱行為に及ぼす影響-気質レベルと能力レベルからの検討 実験社会心理学研究, 48, 122-136.Hoffman, M. L. 1990 Empathy and justice motivation. Motivation and Emotion, 14, 151-172.杉浦義典・佐藤徳 2005 日本語版Primary and Secondary Psychopathy Scaleの妥当性 日本心理学会第69回大会発表論文集, 407.登張真稲 2005 共感喚起過程と感情的結果、特性共感の関係-性の類似度、心理的重なりの効果 パーソナリティ研究, 13, 143-155.吉津潤・関口理久子・雨宮俊彦 2013 感情調整尺度(Emotion Regulation Questionnaire)の日本語版の作成 感情心理学研究, 20, 56-62.

  • 女性薬物犯の薬物再使用防止に向けての働きかけ

    2013年  

     概要を見る

    1.本研究の目的 嗜癖についての研究は、精神医学の分野で積み重ねられてきており、物質の薬理作用であるところの中毒症状に対しては、投薬による治療が行われるようになってきている。しかし、その一方で、その精神依存については難治であることが知られている。加えて、物質使用経験者は、一定期間やめていても、容易に再発させてしまうことも知られている。これらへの対応として、医療関係者や心理の専門家による認知行動療法の視点を取り入れた介入や、元物質使用者で現在は回復者であるスタッフが中心になって提供しているダルクの活動や、物質使用者同士が共助するナルコティック・アノニマス (NA) 等のグループ・ミーティングなどが行われてきているものの、物質の再使用者は後を絶たない状況が続いている。 ところで、上記働きかけについて、ジェンダーの視点を十分に取り入れた働きかけを行っているところは多くない。大半の犯罪者が男性であることから、我が国の薬物事犯の受刑者や保護観察対象者の処遇では、男性を対象者とイメージして作られた介入プログラムを、女性にも原則適用しているのが実情であり、対象者が女性であるということを、どのように介入プログラムに組み込んでいくかは、個々の介入プログラム実施者にまかされているのが実情である。 しかし、近年、欧米では、ジェンダーによって、物質使用やそれへの治療について差異が見られることが報告され始めており、女性向けの介入のありようが検討され始めている。たとえば、Najavits (2002a) は、男性に比べて女性は気持ちの問題、例えば、過去のトラウマや気分の落ち込みや不安などをかかえて、それが物質使用につながっていることが多いこと、また、DVを含めた夫との関係や子育てのストレスなど、周囲の人との対人関係に疲労困憊し、その解消のために物質使用に至ることも多いこと、などを指摘している。すなわち、女性が物質使用をやめるには、適切な対人関係のあり方をさぐってみたり、押しつぶされた自我を元通りにしたりすることも、大切であると言及している。そして、物質使用に至った経緯や動機、物質使用によって失ったもの、物質使用をやめるに際しての障壁などは、ジェンダーの影響を多分に受ける、としている。藤野・高橋 (2007) でも、我が国の薬物事犯受刑者に性差を認めている。このほか、薬物事犯者に限定したことではないが、女性受刑者と男子受刑者には多様な違いがみられる (藤野, 2010)。 米国の連邦刑務所では、女性の薬物事犯者の生活実態を念頭においた介入プログラムが開発されている (Federal Bureau of Prisons & The Change Companies, 2004)。また、Najavits (2002b) やClark & Fearday (2003) は、女性の物質使用者が併存疾病を抱えている場合が多いことを踏まえた上での介入プログラムとなっている。 これらのことからは、我が国の女性薬物事犯者に対しても男性薬物事犯者とは異なった働きかけの必要性が示唆される。しかし、体系的な検討はなされていない。一方で、ジェンダーのありようは個々人が置かれている社会・文化を反映するので、必ずしも欧米と同様であるとは限らない。したがって、我が国の成人女性の物質使用者に対して、物質の再使用を抑止するのに有用な働きかけについて検討することを目的とした。2.研究方法(1)研究対象者 更生保護法人への入所期間が4か月未満の覚せい剤事犯女性(2)実施方法 同法人で2週間ごとに毎回1時間、グループ・ミーティング形式で実施。研究対象者の入所時期が異なり、かつ、在所期間が短く、同施設の入所者総数もそれほど多くないため、グループのメンバー構成はオープンとして、8名を上限とした。(3)扱う内容 対象者の年齢層やジェンダーを特定していない藤野・高橋・北村 (2007)の物質使用者に対するワークブック(認知行動療法を中心として折衷的に作成されたもの)の一部を取り上げ、成人女性という対象に限定した場合、同ワークブックをどのように変更していく必要があるか、すなわち、削除してよい箇所、修正すべき箇所、追加すべき箇所を検討することにした。追加する内容として検討する資料には、米国の連邦刑務所で使用されているFederal Bureau of Prisons & The Change Companies (2004)に加えて、過去のトラウマ経験、落ち込みや不安などの気持ちの扱い、対人関係の持ち方の扱い(家族関係を含む)、など女性においては特に配意する必要がある(ニーズがある)と欧米でみなされ始めている点に配意している併存疾病を抱える物質依存者への効果が期待されるものとの評価を受けているNajavits (2002b)、Clark & Fearday (2003) を含めることにした。3.結果及び考察 まず、刑務所在所中に物質離脱に向けてのなんらかの働きかけを受けた者が本研究対象者であったが、その働きかけの程度ないしその働きかけを通じての対象者自身の学びの程度は一様ではなかった。また、刑務所在所中という薬物を絶対に入手できない状況下と、更生保護法人在所中という薬物に触れようと思えば触れられる状況下とでは、類似の働きかけを行っても、対象者の受け止め方が異なることが明らかになった。 プログラムへの参加については、「もうやらないから不要」と楽観視する者、「薬物のことを考えるとかえってやりたくなってしまうので参加したくない」と薬物のことをあれこれ考えること自体を回避しようとする者、「慣れない日中の仕事で疲れてきっている。余暇時間くらいは、このようなものに参加せず、自由に過ごしたい」「目下、今後の生活プランを考えては不安が押し寄せてくる状態。その上に薬物のことを扱うと、一層気分がめいってしまう」など、参加への動機づけが低い者が少なからず見受けられた。プログラムに参加させるにあたっての動機づけを十分に行うことの必要性が示唆される。扱った内容のうち、状況ごとに物質使用のリスクがどのように変化するかを検討させる課題は、自身にとっての再発につながりやすい状況を把握するに当たって有意義な様子であった。 一定期間物質を使用せずにいられた場合の自分への褒美を考える課題においては、現実吟味をしながら自分の気持ちの張りになるものを選定するのが難しい様子で、非現実的なものを設定する者、特に何も思い浮かばないとする者が少なからず存在した。情報処理理論のもとづき、薬物使用時の代替思考を考えていく訓練や、薬物についての損得を考えさせる課題は、分析的・多角的に物事を考える習慣がない対象者にとって、なかなか自身の実体験と十分にリンクさせるまでにはいかない様子が観察された。その時々の気分に任せて思いついた行動をとっているのが実情なのであろう。 日々の生活において、情緒がきわめて不安定になってしまったり、突発的に行動してしまったりしていることを参加者は語っており、衝動のコントロールやリラクゼーションを含む自己統制の訓練が必要であることがうかがえたが、それを限られた期間の中で習得させるのは難しい様子であった。加えて、自身が思い受かる他者関係の持ち方や社会生活と現実とのギャップが大きく、それへの対処策として、現実即応的な方策を模索したり、あるいは自身を変えようとしたりするよりはむしろ、短絡的に物質で穴埋めしてしまおうとの思考の強さが認められた。<引用文献>Clark, C., & Fearday, F. 2003 Triad women’s project: Group treatment manual.Federal Bureau of Prisons & The Change Companies 2004 Residential drug abuse treatment-Women: Federal Bureau of Prisons women’s facilitator guide. NV: The Change Companies.藤野京子 2010 女性犯罪の現状と課題、藤野京子、犯罪と非行、166、5-28.藤野京子・高橋哲 2007 覚せい剤事犯受刑者の現状(2)-児童虐待被害経験からの分析-,アディクションと家族、24(2)、160-168.藤野京子・高橋哲・北村大 2007 薬物はやめられる!? 矯正協会Najavits, L. M. 2002a A woman’s addiction workbook: Your guide to In-depth healing. Oakland, CA, New Harbinger Publications, Inc.Najavits, L. M. 2002b Seeking safety: A treatment manual for PTSD and substance abuse. New York: Guilford.

  • 大学生における児童虐待等の被害体験の実態及びそれらの体験後の経過について

    2004年  

     概要を見る

     児童虐待等の被害経験が、その人の心身に及ぼす影響は大きいことが予想される。法務総合研究所では、平成12年に全国の少年院在院者に対して、また、平成14年に全国の一般市民に対して、アンケート調査を実施し、被害体験の過多を比較している。ただし、両調査は調査対象となる年齢は著しく異なっており、それを比較することには、やや疑問がもたれるところである。そこで、本研究では、平成12年に実施した全国の少年院在院者調査の調査対象者の年齢層と比較的年齢層が近い大学生を調査対象とすることで、非行少年とそれ以外の者との被害体験の過多等を比較することを第一の目的とした。このほか、児童虐待以外の他の被害状況、そうした被害経験が及ぼす影響についても明らかにすることとした。 本調査の有効回答者数は、266名(内訳は男子90名、女子175名、性別不明1名。平均年齢は20.8歳)であった。 その結果、法務総合研究所が行った一般市民を対象とした場合の比較結果と同様、少年院在院生に比べて大学生は、児童虐待を含む各種被害経験を有する比率が低いことが示された。また、少年院在院生で見られた傾向と同様に、家族から被害を受けた者(親に限らず兄弟等同居している家族全員を含む)の方が受けない者に比べて、家族以外から被害を受ける確率が高くなるとの結果も得られた。 加えて、就学前、小学校時代、中学校時代、高校時代のそれぞれに時期について、児童虐待を含む各種被害経験を有する者と有しない者を比較すると、前者の方が、自他への暴力行為などの各種問題行動、体調不良、健全でない心的状態などを伴う確率が高いことが示された。また、調査時点における精神健康度調査を比較してみると、前者の方が、健康度が不良である傾向がみられ、加えて、不信感について測定した結果についても、前者の方が不信感が強い傾向にあるとの結果が得られた。 これらの結果からは、児童虐待を含む各種被害経験については、その被害を受けた時点にとどまらず、それに続く後の生活においても大きな影響を及ぼしていることが示されたと言える。 

海外研究活動 【 表示 / 非表示

  • 非行予防のための心理学的介入についての研究

    2010年10月
    -
    2011年09月

    イギリス   ケンブリッジ大学

 

現在担当している科目 【 表示 / 非表示

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委員歴 【 表示 / 非表示

  • 2006年
     
     

    特別支援教育体制推進事業  巡回相談員

社会貢献活動 【 表示 / 非表示

  • 西日本新聞

    西日本新聞 

    2006年04月
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    シリーズ「こどもたちは今」で、非行少年が非行に走る理由や立ち直りにあたっての処方箋について、記者のインタビューに答えた内容が掲載

  • 茨城新聞

    茨城新聞 

    2005年02月
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    常盤大学大学院被害者学研究科・芝浦サテライトキャンパス開設記念国際被害者学研究所 第2回シンポジウム「児童虐待−国際的視点から見た原因と対応」のパネラーとしての発言内容などが掲載