2024/04/25 更新

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ウノ ジュン
宇野 淳
所属
商学学術院
職名
名誉教授
学位
その他

所属学協会

  •  
     
     

    European Finance Association

  •  
     
     

    American Finance Association

  •  
     
     

    日本金融・証券計量・工学学会

  •  
     
     

    日本証券経済学会

  •  
     
     

    日本金融学会

  •  
     
     

    日本ファイナンス学会

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研究キーワード

  • 現代ファイナンス論、マーケットマイクロストラクチャー、投資家行動、証券市場論、証券論

受賞

  • 証券アナリストジャーナル賞

    2010年10月  

  • 第42回日経経済図書文化賞

    1999年11月  

  • Graham & Dodd Award (Scroll) for 1991

    1991年05月  

  • Graham & Dodd Award (Scroll) for 1991

    1991年05月  

 

論文

  • Sovereign Credit Risk, Liquidity and ECB Intervention:Deus ex Machina?

    Loriana Pelizzon, Marti G Subrahmanyam, Davide Tomio, Jun Uno

    working paper    2013年09月

  • The Microstructure of the European Sovereign Bond Market: A Study of the Euro-zone Crisis

    Loriana Pelizzon, Marti G Subrahmanyam, Davide Tomio, Jun Uno

    working paper    2013年02月

  • 株式取引の市場間競争:上場株取引の市場分散と価格形成

    宇野淳

    証券アナリストジャーナル   50 ( 9 ) 6 - 16  2012年09月

    CiNii

  • 取引の高速化と流動性へのインパクト:東証アローヘッドのケース

    宇野淳, 柴田舞

    現代ファイナンス   31 ( 31 ) 87 - 107  2012年03月

    CiNii

  • 高速取引と流動性へのインパクト:東証アローヘッドのケース

    宇野淳, 柴田舞

    working paper    2011年03月

  • 株式売買高と企業の保有構造:四半期業績発表のケース

    宇野淳

    working paper    2010年05月

  • Ownership structure, liquidity and firm value: Effects of the investment horizon

    Uno Jun, Kamiyama Naoki

    working paper    2009年10月

  • インデックス・ファンドの行動と流動性:実証と実験による価格形成の検証

    宇野淳

    『わが国証券市場の機能と投資家の行動バイアス:アンケート調査と実験の融合による研究』    2008年03月

  • インデックス・ゲーム

    宇野淳, 梅野純也

    ワーキングペーパー    2006年09月

  • わが国株式市場における最良執行義務と市場間競争

    宇野淳

    証券アナリストジャーナル   43 ( 11 ) 79 - 88  2005年11月

  • 上場変更と株価:株主分散と流動性変化のインパクト

    宇野淳, 柴田舞, 嶋谷毅, 清水季子, 万年佐知子

    金融研究(日本銀行)   23 ( 1 ) 37 - 60  2004年06月

  • JASDAQ市場のスプレッド比較:オーダードリブン対マーケットメイキング (共著)

    宇野淳, 柴田舞, 嶋谷毅, 清水季子, 万年佐知子

    金融研究(日本銀行)   22 ( 1 )  2003年06月

  • Number of Shareholders and Stock Prices: Evidence from Japan

    Y.Amihud, H.Mendelson, J.Uno

    Journal of Finance   ( 54 ) 1169 - 1184  1999年06月  [査読有り]

  • Coupon Effects and Japanese Government Bonds: An Empirical Analysis

    Y.Eom, M.Subrahmanyam, J.Uno

    Journal of Fixed Income(Institutional Investors Inc.) Vol.8, No.2, 69-86   ( 18 ) 69 - 86  1998年09月

  • The Behavior of Prices in the Nikkei Spot and Futures Market

    M.Brenner, M.Subrahmanyam, J.Uno

    Jo. of Financial Economics(North Holland) Vol.23,363-383   ( 23 ) 363 - 383  1989年08月  [査読有り]

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書籍等出版物

  • 証券市場のグランドデザイン

    宇野淳, 大崎貞和編著

    中央経済社  2012年12月

  • 株式市場の流動性と投資家行動

    太田亘, 宇野淳, 竹原均

    中央経済社  2011年03月

  • アセットマネジメントの世界

    宇野淳監修

    東洋経済新報社  2010年03月

  • 価格はなぜ動くのか

    宇野淳, 宇野研究室

    日経BP社  2008年02月

  • 指値注文の執行確率

    宇野淳, 大村敬一, 谷川寧彦

    『資産運用の最先端理論』 日本経済新聞社  2002年03月

  • OTCバスケット取引と執行コスト:手数料自由化後の取引システムの変化

    宇野淳

    証券アナリストジャーナル(日本証券アナリスト協会)  1999年11月

  • 執行戦略と取引コスト

    宇野淳

    『機関投資家運用の新戦略』所収 日本経済新聞社  1995年06月

  • Stock Index Futures Arbitrage in the Japanese Markets, Arbitrage Opportunities in the Japanese Stock and Futures Markets

    M.Brenner, M.Subrahmanyam, J.Uno

    Japanese Financial Markets Research North-Holland  1991年

  • 株式市場のマイクロストラクチャー:株価形成のブラックボックス

    大村敬一, 宇野淳, 川北英隆, 俊野雅司

    日本経済新聞社  1990年07月

  • The Japanese Stock Index Futures Markets: The Early Experience

    M.Brenner, M.Subrahmanyam, J.Uno

    Japanese Capital Markets Harper & Raw  1990年

  • 日本の株価指数先物市場における裁定取引

    M.Brenner, M.Subrahmanyam, J.Uno

    『現代証券投資技法の新展開』所収 日本経済新聞社  1989年06月

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講演・口頭発表等

  • The Microstructure of the European Sovereign Bond Market: A Study of the Euro-zone Crisis

    Second Annual Conference on Global Financial Stability  

    発表年月: 2013年07月

  • Speed of Trade and Liquidity

    Asian Finance Association International Conference  

    発表年月: 2012年07月

  • Speed of Trade and Liquidity

    THE SWISS SOCIETY FOR FINANCIAL MARKET RESEARCH  

    発表年月: 2012年03月

  • Speed of Trade and Liquidity

    The 24nd Australasian Finance and Banking Conference 2011  

    発表年月: 2011年12月

  • Ownership Structure,Liquidity,and Firm Value: Effects from Investment Horizon

    Asian Finance Association Conference 2010  

    発表年月: 2010年06月

  • Ownership Structure,Liquidity,and Firm Value: Effects from Investment Horizon

    The 24nd Australasian Finance and Banking Conference 2009  

    発表年月: 2009年12月

  • インデックス運用と短期リスクプレミアム

    日本ファイナンス学会第15回大会  

    発表年月: 2007年06月

  • 指数採用と異常収益:価格プレッシャーvsメンバーシップ効果

    日本ファイナンス学会第14回大会  

    発表年月: 2006年06月

  • TOPIX浮動株指数導入が株価形成に与える影響

    日本ファイナンス学会第14回大会  

    発表年月: 2006年06月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 国債レポ市場の実証研究

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    中央銀行の金融政策として国債の大量購入(Large Scale Asset Purchase)が実施されると、国債の希少性が高まり、ディーラーの「カバー・リスク」が高まる影響の重要性を明らかにする。中央銀行の国債購入は入札方式で行われるため、多くの入札者(ディーラー)は現物のショートポジションを持つ前提で入札する。日銀が購入した銘柄では、ディーラーのショートカバーのニーズが高まり、レポ市場での調達が活発化すると予想される。しかし、こうした銘柄のなかにはすでに希少性が高いものが多数含まれており、レポ市場での手当ての容易さが異なる。こうした状況を理論モデルと実証データで示す論文を作成した。<BR>結果の要約は以下のとおりである。国債の手当が困難性な銘柄においてはスペシャルネス(特定の銘柄を対象とするレート(SC)レートと銘柄を特定しないレート(GCレート)の差として計測)が増大する。また、レポ市場に出した注文が約定するまでに要する時間が長くなることが確認された。発注から約定に至る過程の所要時間の計測はイントラデーデータを活用することにより初めて明らかにされたものであり、本研究のユニークな貢献である。また、所要時間は、発注者が適正なレートをだしたかどうかで左右される。適正レートよりも高いレートを提示した場合は時間が短くなり、当初レートが割安な場合は相手が応じてこないため、レートの妥協幅が多くなり、時間も長くかかることが明らかになった。すなわち、カバーリスクの大きさはレポ市場において決定されるスペシャルネスの重要な要因であることが確認された。当該論文(タイトルはCover Risk)は共著論文として次年度の活動のなかで国内外の学会で報告し、ジャーナルへの投稿につなげる予定である。レポ市場データを活用して、理論的な関係性を実証的に明らかにするプロセスを進めています。年度最終局面で新型コロナウイルスの感染防止対策が重視され、多数の学会が中止されたことから発表の機会が減少した。Cover Risk 論文は、今年度、国内外の学会で報告し、ジャーナルへの投稿につなげる予定である。オンラインによる学会開催への移行が開始される見通しのため、研究内容へのフィードバックを得るまでの遅れは徐々に回復されるであろう。最終年度に入ってから、web開催された学会発表で、有益なフィードバックを多数受けることができた。これをもって、研究の完成に向けた作業を再開する。また、新たねテーマとして国債市場の流動性枯渇を緩和するための政策の評価を、レポ市場のデータを使って行う予定である。具体的には、財務省の国債のリオープンおよび流動性供給発行、日銀の国債貸出オペレーション流動性緩和貸し出しの効果について比較検討する

  • 高頻度取引による証券市場変革と資産運用へのインパクト

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

    宇野 淳, 保田 隆明

     概要を見る

    世界の証券市場は高速化の進展で劇的な変革期を迎えている。高頻度取引業者(HFT)の存在感の上昇は、市場の価格形成や流動性にとってよい影響があるのか、悪い影響なのか、多様な視点から分析した。本研究の結果を総合すれば、日本の株式市場においてもHFTの影響は、価格発見や流動性にプラスの効果を発揮している。取引所外取引の発展や東京・大阪両証券取引所の合併などで市場間競争が促進され始めた。金融危機時にどのマーケットでも経験する流動性の枯渇は、日本の株式市場も例外でなく、この緩和についてなにができるかの検討が必要である。また、証券市場多様化のひとつの方向として、クラウドファンディングについて分析した

  • 高頻度取引による証券市場変革と資産運用へのインパクト

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2012年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    昨年度は前年度に引き続き、主に、高頻度取引による影響に関する分析、金融危機や震災など危機における投資家行動と高速化の関係を検証を行った。また、昨年度から研究開始を予定していた私設市場の台頭によるインパクトの分析に関しては、私設市場の立ち上がりが想定よりもやや遅れている一方、クラウドファンディングという市場外による資金調達手段が発達してきたことにより、クラウドファンディングの可能性の分析を開始した。
    市場取引の高速化と参加者へのインパクトの分野では、①2013年5月23-24日に発生した株価の乱高下と高速取引の関係を、市場流動性に及ぼした影響という視点から分析し、研究会で報告した。高速取引者が市場の乱高下に積極的に関与したという事実はなかったが、流動性供給から一時的に離脱した影響とみられる流動性悪化が観察された。これは、高頻度取引業者による流動性供給を維持するために、メイカーフィーのような制度を導入する必要性があるという根拠のひとつとなる。株価下落に驚いた投資家からの売り注文の受け皿が薄くなり、価格変動性を高める遠因になった。②取引の高速化の影響については、欧州国債の市場についての分析を行い、国債のインターディーラー市場と国債先物市場の価格形成の関係を分析した。どのような市場構造が金融危機の発生時に、市場機能の頑健さを維持できるか制度比較研究を行った。流動性供給義務を負わせることの効果を計測し、流動性を向上させる仕組みとしての特徴を明らかにした。③東京証券取引所と大阪証券取引所が株式市場を統合した効果を分析した。

  • わが国証券市場の機能と投資家の行動バイアス:アンケート調査と実験の融合による研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2005年
    -
    2007年
     

    宇野 淳, 首藤 恵, 谷川 寧彦, 広田 真一, 須齋 正幸, 森保 洋

     概要を見る

    証券市場における機関投資家の行動について、伝統的なファナンス理論と矛盾する運用行動を機関投資家の資産運用における行動バイアスとその決定要因をアンケート調査に基づき分析した。調査分析の結果は、わが国機関投資家のファンド・マネージャーの行動バイアスは、組織内部のインセンティブ構造と密接に関連し、ファンド・マネージャーにとっては合理的行動として理解できるが、コグニティブ・バイアスやディスポジション効果も検出され情報の非対称性がもたらす心理的要因も強く働いていることが明らかとなった。一方、ファイナンス実験により、機関投資家と年金基金の間で締結される運用ガイドラインやパフォーマンス評価基準に縛られ、委託者の立場に立った本来の投資判断で行動せず、ガイドラインに整合的で説明責任を果たしやすい行動をとる傾向があることが確認された。複数の評価基準を設定した実験により、現実の制度変更前後で行なった実証分析結果と整合的な現象が再現された。また、機関投資家運用はその規模が大きく、市場の流動性に著しい不均衡を生じることがあるため、短期的な投資スタイルをもつヘッジファンドが流動性供給の役割を果たしているが、こうした短期投資家の行動も市場制度や機関投資家行動の変化によるリスクの増大に敏感に反応し、流動性供給行動の減退により投資家の取引コストに甚大な影響を与える可能性があることが示唆された。証券市場制度の決定にあたって、実験とアンケートを組み合わせた効果測定をする意義が示唆された。

  • マーケットインパクトモデル推計方法の実証的検証

    研究期間:

    2005年
    -
     
     

 

特別研究期間制度(学内資金)

  • 高頻度取引による証券市場変革と資産運用のインパクト

    2014年09月
    -
    2016年08月

    イタリア   Ca'Foscari University of Venice

特定課題制度(学内資金)

  • 株式市場の超高速取引環境の解明と市場へのインパクト

    2017年   五島圭一, 戸辺玲子

     概要を見る

    ClusterAnalysis on Trading Behavior of HFT&nbsp;JunUno, Keiichi Goshima, Reiko Tobe&nbsp;March26, 2018&nbsp;&nbsp;We apply a method of cluster analysisto identify a group of traders who exhibit similar trading patterns in theTokyo Stock Exchange. In the literature on HFT (high frequency trading),cancelation ratio and inventory ratio are popular proxies to identify tradersas HFT, but what should be the threshold for each proxy is difficult todetermine objectively. Cluster analysis can overcome such subjective classificationof traders. We use DBSCAN (Density-Based Spatial Clustering of Applicationswith Noise)in this study.&nbsp;Weidentify a group of trades with low inventory and exclusive usage of limitorders as a HFT, then examine their behavior in the case of market crash. Morespecifically, we focus on orders and trades submitted by HFT on five daysbetween May 23 and May 29, 2013 as a crash period, comparing those on priorfive days as a benchmark period. We find that they increase presence at thetime of market crash and participate as limit order traders. Our classificationreveals that the usage of specific threshold such as 20% of cancellation ratiocan be misleading due to exclusion of traders from HFT who show very similarbehavior but slightly higher cancellation ratio.

  • 企業とマーケットの相互作用:マイクロストラクチャーと財務戦略の学際的研究

    2011年   保田 隆明, 柴田 舞

     概要を見る

    (1)自社株買いにおける流動性仮説の実証分析企業のペイアウト政策の選択における「流動性仮説」を検証した。企業のペイアウトのレベルや手段が企業価値に影響を与えることはないというMiller and Modigliani(1961)の配当無関連命題が成立するための重要な仮定の一つは取引コストが存在しないことである。しかし、現実の世界では株主が配当を受け取るにはコストがかからないが、自社株買いの場合は証券会社への手数料やビッド・アスク・スプレッドが取引コストとして存在する。したがってBanerjee 他(2007)が指摘するように、他の仮定が同一であれば、配当無関連命題からのインプリケーションは、流動性が低く取引コストの大きい銘柄ほど配当を支払う傾向にあるということになる。近年、日本企業の株主還元は、ほとんどの企業が配当を実施し、一部の企業がその上乗せ的に自社株買いを行っており、自社株買いのみで株主還元している企業はほぼ存在しない。日本では自社株買いが実質的に解禁されてからまだ時期が浅いということの影響も否定できないが、自社株買いを行う上での何らかの制約要因が存在することも考えられ、配当と自社株買いが代替的に用いられている米国以上に流動性仮説の検証は意義深く、日本ではなぜペイアウトに占める自社株買いの存在が薄いのか検証する必要性は高い。また、日本では市場流動性に加えて株主構成も流動性仮説の検証を促す状況である。株主にとって、流動性とは保有株式の売却の容易さを表すものであるが、持合い株主のように長期保有の場合と短期保有の株主では、流動性の重要性は自ずと異なるはずである。長期保有では安定配当をより重視するであろう。したがって、持合い株主が存在する日本市場においては、より配当重視のペイアウトになることが想像され、日米の株主還元策の違いは、日本企業の保有構造の特徴と深く関わっている可能性がある。本研究では、株式の流動性と保有株主の流動性選好の度合いによって企業の還元政策が影響を受けている可能性を検証する。 結果は、以下のように要約できる。流動性の高い企業ほど、また投資ホライズン(期間)の短い企業ほど市場での自社株買いを開始する傾向にある。自社株買い金額の規模やペイアウトに占める割合も高くなる。これらは流動性仮説と整合的な結果であり、花枝, 芹田(2008)のサーベイを実証分析にて裏付ける結果である。本研究の貢献は、以下の 2 点である。まずは、ペイアウトと流動性に焦点を当てた研究としては、筆者らが知る限りわが国で初めてである。二つ目は、自社株買いの歴史が浅いわが国において、流動性および投資ホライズンが市場買付による自社株買いを実施する制約要因となっている可能性を示唆するものであり、ペイアウトにおいて自社株買いの選択肢を機能させるには流動性向上に取り組むべきという実務的な視点を提供したことである。(2)株式取引の高速化と流動性へのインパクト:東証アローヘッドのケース 株式市場における取引スピードの高速化は流動性に影響するか.2010年1月に稼働した東京証券取引所の新システム「アローヘッド」により取引が高速化した影響を,東証1部上場銘柄について導入前後で比較したところ,約定件数の増加と約定サイズの縮小という取引パターンの小口高頻度化への変化が見られた.これとともに,投資家の即時執行コストを示す実効スプレッドが低下したが,その減少幅はアローヘッドの影響の大小により異なる.顕著な変化を示したメッセージ・トラフィック・パターンを銘柄別に推計し,流動性指標との関係を検証したところ,メッセージ・トラフィックが高頻度化した銘柄ほど取引後の逆選択コストが増加し,流動性供給リスクが上昇したという関係が推定された.この結果は米国市場で逆選択コストと実効スプレッドがともに上昇したのとは異なる.東証では,高頻度化のもとで流動性供給競争が激化し,これが流動性供給の対価と実効スプレッドの低下に寄与したものと推察される.市場における流動性供給環境が大きく変化したことを示唆する結果である.

  • 証券市場の流動性

    2004年  

     概要を見る

    1.流動性の計測方法に関する検討流動性を計測する方法として、Amihud[2000]に従い日次株価データに基づく計測方法を比較する。低流動性指標として、ILLIQ1=(株価の日次リターンの絶対値)÷(日次出来高)と、代替的な定義として、日次出来高を売買回転率に置き換えた計算した流動性指標をILLIQ2と呼ぶ。日次リターンは対数収益率、日次出来高は円建て売買代金を使う。これらの指標の特徴は(1)