甚野 尚志 (ジンノ タカシ)

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所属

文学学術院 文学部

職名

教授

ホームページ

http://www.prj-globalhistory.jp/

兼担 【 表示 / 非表示

  • 文学学術院   大学院文学研究科

学歴 【 表示 / 非表示

  •  
    -
    1983年

    東京大学   人文科学研究科   西洋史学  

  •  
    -
    1980年

    東京大学   文学部   西洋史学  

学位 【 表示 / 非表示

  • 東京大学   文学修士

  • 早稲田大学   博士(文学)

経歴 【 表示 / 非表示

  • 2007年
    -
    2008年

    東京大学大学院総合文化研究科 教授

  • 2008年
    -
     

    早稲田大学文学学術院 教授

  • 1996年
    -
    2007年

    東京大学大学院総合文化研究科 助教授

  • 1990年
    -
    1996年

    東京大学教養学部 助教授

  • 1983年
    -
    1990年

    京都大学人文科学研究所 助手

所属学協会 【 表示 / 非表示

  •  
     
     

    「教会と社会」研究会−中近世のヨーロッパ−

  •  
     
     

    ヨーロッパ中世史研究会

  •  
     
     

    比較都市史研究会

  •  
     
     

    中世哲学会

  •  
     
     

    西洋史研究会

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研究分野 【 表示 / 非表示

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 中世ヨーロッパ、教会、社会、文化

論文 【 表示 / 非表示

  • 12世紀の教会知識人による東西教会の対話

    甚野尚志

    エクフラシス−ヨーロッパ文化研究−(早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所)   1   82 - 95  2011年03月

  • 十二世紀ルネサンスの精神−「十二世紀ルネサンス」を真に再考するために−

    甚野尚志

    西洋中世研究   1   19 - 29  2009年12月

  • Intellectual Networks of Humanists at the Councils of Constance and Basel in the 15th Century

    Takashi Jinno

    Journal of Western Medieval History(The Korean Society for Western Medieval History)   20   215 - 240  2007年09月

  • 王権と象徴、思想と芸術

    甚野尚志

    佐藤彰一・高山博・池上俊一編『西洋中世史研究入門−増補改訂版』(名古屋大学出版会)    2005年

  • 教会文書

    甚野尚志

    高山博・池上俊一編『西洋中世学入門』(東京大学出版会)    2005年

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書籍等出版物 【 表示 / 非表示

  • Christianity and Violence in the Middle Ages and Early Modern Period. Perspectives from Europe and Japan

    Fernanda Alfieri, Takashi Jinno( 担当: 共編者(共編著者))

    De Gruyter, Oldenbourg  2021年03月

  • 15のテーマで学ぶ中世ヨーロッパ史

    堀越宏一, 甚野尚志

    ミネルヴァ書房  2013年01月

  • 12世紀の歴史記述−ハーフェルベルクのアンセルムスと終末論的歴史−

    甚野尚志

    甚野尚志・益田朋幸編『ヨーロッパ中世の時間意識』(知泉書館)  2012年05月 ISBN: 9784862851338

  • コンスタンツ公会議における教皇権と公会議−「ハエク・サンクタ」の解釈をめぐって−

    甚野尚志

    渡辺節夫編『ヨーロッパ中世社会における統合と調整』(創文社)  2011年02月 ISBN: 9784423460665

  • 中近世ヨーロッパのキリスト教会と民衆宗教

    甚野尚志編

    文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)・研究成果報告書  2010年03月

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Works(作品等) 【 表示 / 非表示

  • ボーデン湖・コンスタンツ周辺地域(南西ドイツ)の教会と修道院の調査

    その他 

    2007年09月
    -
    2007年10月

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 中近世ヨーロッパ社会における合意形成の起源と展開―合議制・代議制の理念と現実ー

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    本研究は、中近世ヨーロッパにおける身分制議会に代表される代表制集会および合議制の起源とその歴史的展開を王国、諸侯領、教会、都市という4つの場を中心として検討する試みである。13名の研究分担者は、それぞれヨーロッパ各地域をカヴァーしており、、比較史的検討を通じて前近代ヨーロッパ社会の合意形成システムの全体的特質を明らかにすることをめざしている

  • 近世西欧の「君主鑑」の検討を通じたカトリック的理性観念の質的転換

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    思想史の方法論的問題の故に、動態が把握できなかった宗派対立期のカトリック思想のうち、1600年前後のイエズス会の実践哲学に焦点を当て、政治や社会活動を組み込んで思想体系を捉える「新しい文化史」の方法により、君主鑑三点のテキストを背景の政治的・社会的諸関係から分析し、その実践哲学における「正しい認識」の変化を解明することで、近世カトリック圏における「理性」の変化の条件を解明し、他の西ユーラシア・キリスト教圏における同様の条件との比較の素材を準備する

  • 中近世キリスト教世界における宗教と暴力-対立と和解のポリティクス-

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    本研究は中近世のキリスト教世界を対象に、これまで地域やテーマごとに個別的に行われてきた「宗教と暴力」に関する諸問題を総合的に比較考察することにより、「宗教と暴力」に関わる歴史的事象が中近世キリスト教世界の社会構造を規定し、同時に、それが社会変動を引き起こす大きな要因になったことを解明することを目的とする。そのために、本研究では、次の3つの問題系に焦点を合わせ、共同研究を行う。1.宗教が他者の排除を目的として暴力を正当化する場合(聖戦思想の形成、十字軍、異端処罰など)、2.宗教が暴力を阻止し、和解のために機能する場合(寛容思想の形成、異教徒との共生、魔女裁判での和解など)、3.宗教が国家の利害に奉仕し暴力を容認する場合(近世ヨーロッパの宗教戦争、フロンティア地域での布教など)。これらの問題を考察することで、中近世キリスト教世界における「宗教と暴力」の相互関係とそれが社会構造の形成と変容に与えた影響を明らかにする。以上の目標に向かい、今年度は、分担者による研究会を3回開催した。初回は、分担者全員が自身の研究計画に沿って「宗教と暴力」に関するテーマについてそれぞれ報告し、今後の研究の方向性を確認した。第二回目は、「近世の魔女と暴力」をめぐるワークショップを行い、そこで魔女迫害と暴力がいかにヨーロッパ近世世界での「宗教と暴力」の問題と深く関わるものであるかを確認した。第三回目は中近世ロシアの宗教と暴力、十字軍と暴力についての分担者が報告する研究会を開催した。これらの研究会を通じて分担者が共同で討議し、今後の自身の研究をどのように展開するか話し合った。また数名の分担者が研究費で海外渡航し資料収集を行い、研究計画に沿って自身の研究を深めることができた。当初予定していた3回の研究会を開催し、各分担者が自身のテーマについて予定通り深めることができた。同様に、年に数回の研究会を開催して相互に討議を重ねていく予定である

  • 中近世ヨーロッパにおける「正しい認識力」観念の変遷

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    2018年度も前年度に引き続き、研究代表者および研究分担者は、各々の専門領域において当該研究課題の研究を推進し、二度の研究会でその研究成果の共有および全体の分析を行った。テーマは「正しい認識の評価における聖性と暴力」および「正しい認識を生み出す公共秩序の観念」である。この年度に事例研究を報告したのは三浦清美、鈴木道也、小山哲、田口正樹の四名であった。三浦はビザンツ崩壊・西欧人文主義への不信の中にあった一五世紀末ロシアで、旧約聖書を引用しアウトクラトール(地上の最高権威)の暴力を「正義」とするヴォロツキイらの議論が、ツァーリの政治権力を背景に、荒野修道制から生まれた自由な思推に基づく理論を圧殺する過程を論証した。鈴木は一五世紀初頭フランスの人文主義者ジェルソンの君主論を分析し、当時の暴君放伐論と公会議主義に共通する聖書援用(濫用)の傾向に対する批判の中で、彼がのちの宗教改革を象徴する「聖書の言葉通りに」を解釈の要としていたことを論証すると共に、その「読み」の正しさの基準に視野を広げ、修辞や全体のコンテクストからの解釈を構想していた点を明らかにした。小山は近代以降「正しさ」と誤解される多数決への問題を背景に、一八世紀ポーランドの国制問題とされる国会の「自由拒否権」が成立した一七世紀後半の背景を検討し、それが正常に機能する国会の下、当時なお存在した王の専制への正確な認識や、広大な領土で集権的対応が困難な実情、当時の政治的評価の基準であった人文主義的分析を経た実践的正義であったことを論証した。田口は一五世紀半ばまでの神聖ローマ帝国の司法制度構想の発展過程を分析し、それが公会議における教会改革の一端として案出され、帝権や諸身分の協力による常設裁判所による正義の実現が構想されたこと、しかしそれは各領邦の裁判権の温存が前提であり、構想にもその差が現れていたことを論証した。2018年度11月に招聘予定であったザルツブルク大学教授アルノ・シュトローマイヤー氏(近世中欧政治史・宗派史・情報史)の来日延期により、年度初めの段階では近世中欧の研究状況情報(とりわけ「正しい認識」の評価における人文主義の影響について)が不足し、政治史的な視点での比較検討の進展に支障を来す可能性も考えられたが、研究計画を組み替え、前年度後半の神学・哲学理論における正統性の問題を、キリスト教・人文主義と法制・政治的正統性の関係の問題に接続させることにより、前近代キリスト教圏各地の社会的行動(政治をはじめ、その枠組みを成す知識人・メディアの論争、法制や教会制度の再編活動など)の諸条件と、神学的・人文主義的理論(旧約・新約両聖書の援用、特に中西欧で感覚を支配するとされた「聖霊」=「精神」を巡る解釈)の間の組み合わせに焦点を絞ることに成功した。具体的には、中世の伝統的教会(カトリック、ビザンツ正教会)が担ってきた「正しい認識」が、東西教会における聖俗関係の制度化、およびその教会への反射である聖書解釈の多様化によって、(言説空間を含む)地域ごとの経験知との関係を強め、そこからキリスト教の枠内で、内面の自律か権威への服属か、政治的市民の自由か多数決かなど、近代政治社会における「正しい認識」の論点が焦点化し、各地域の知的・政治的アクターにとって有利な「正しい認識」が選択されたこと、である。これらの研究成果は、2018年8月と2019年3月に北海道大学と早稲田大学での研究会で行われた四つの専門研究の報告後に、研究参加者が交わした議論(これらは当初計画に従って議事録として記録し、研究参加者にフィードバックしている)、およびその間の2018年7月・11月に行った他科研費等との共催研究会を通じて、年度終了までにはおおよそ把握された。2018年度終了時においては、二つの点が未解明であった。それは、①2018年度には「正しさ」の思想的基盤(キリスト教やローマ理念)の普遍性が争われない対象の研究に力を入れたのに対し、普遍性自体が揺らいだルネサンス・近世の中欧地域や地中海地域の知的営為の中で、何が「正しい認識」の根拠とされたか、という点、もう一つは②身分的・職業的エリートにのみ焦点をあてていたこれまでの研究では全く空白であった近世民衆の「正しい認識」の生成過程、およびそれとエリートの「正しい認識」との接点である。①については2019年11月に、前年度来日予定で延期となったシュトローマイヤー氏に加え、研究分担者の石黒盛久の尽力により、ベルガモ大学教授マルコ・ペッレグリーニ氏(中世・ルネサンス思想史、宗教史)の来日講演、研究会参加の承諾を得ることができた。これにカトリック思想史の第一人者である甚野尚志とルネサンス思想史をリードする石黒盛久が報告者として加わることにより、その研究目的を達することが期待できる。また②については、人類学的・社会学的史学方法論の泰斗であり、市民や農民などの民衆世界、特に女性性の「正しい認識」について膨大な研究実績のある長谷川まゆ帆が、18世紀フランス民衆にとっての「多数決」とは何かに焦点をあて、ルイ14世期のローマ法学者ドマの理論の継受とその地方行政・農村政治への浸透、およびエリートとのインターアクションの分析を進めており、小山の研究成果と共に、近代民主政の中核的問題である「多数決」と「正しさ」の感覚の関係が解明される予定である。以上の諸研究により、北西ユーラシア・キリスト教世界の「正しい認識」が、各地域の中世中期から近世の宗教的・政治的条件に規定されて発展した多元的知性であり、「合理性」の尺度によって単純に序列化できるものではないことが解明される見込である

  • 中世ヨーロッパ世界における統治理念と社会制度の比較史的統合の研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

     概要を見る

    本研究プロジェクトでは、中世ヨーロッパ諸国(イングランド、フランス、ドイツ、ネーデルラント、チェコ等)と都市を対象に、それぞれの統治理念とそれに対応する社会制度の具体的展開との突合せを通じて、中世ヨーロッパ世界の統合的理解を得ることを目指した。13名の共同研究者により、それぞれの地域(国家)における世俗国家とカトリック教会の支配理念及び、王国と都市という中世ヨーロッパ社会を構成した中心的な組織の在り方を比較史的に検討した。その結果、それらの統治理念とそれぞれの社会制度の現実を統一的に理解することが一定程度可能となったと考えられる

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講演・口頭発表等 【 表示 / 非表示

  • 「頭」のローマ、「四肢」のコンスタンティノープル−教皇の首位権の考察−

    「日本西洋史学会」第61回大会小シンポジウム(中世ヨーロッパ世界にとっての「ローマ」)  

    発表年月: 2011年05月

  • 12世紀西欧の知識人とビザンツ世界

    「ビザンツ学会」2010年度大会シンポジウム(ビザンツ文明を考える)  

    発表年月: 2010年03月

  • 十二世紀の知識人の終末観と東西教会合同の理念

    「早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所」第2回研究会  

    発表年月: 2010年01月

  • 十二世紀中葉における「教皇首位権」と教会合同の理念−ハーフェルベルクのアンセルムスの『対話』をめぐって−

    「京都大学西洋史読書会」2009年度大会  

    発表年月: 2009年11月

  • 十二世紀ルネサンスの精神−「十二世紀ルネサンス」を真に再考するために−

    「西洋中世学会」第一回大会シンポジウム  

    発表年月: 2009年06月

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特定課題研究 【 表示 / 非表示

  • 「長い宗教改革」とヨーロッパ的多様性の拡大-中世から近代へ-

    2017年  

     概要を見る

    本特定課題研究は、「宗教改革」をプロテスタントの独占物として捉えるのでなく、中世の教会改革や対抗宗教改革も含めて、中世から近代へと至るヨーロッパのキリスト教と社会の自己改革運動ととらえ、改革が異質な宗教集団 (マイノリティ)をいかに排除し、あるいはまた、いかに包摂しつつ宗教的な権威を確立したかを考察した。その上で、この問題をヨーロッパ内部の正統と異端、異教との関係として捉えるだけでなく、ヨーロッパ外部へのキリスト教の拡大と受容の問題にまで広げて考える見通しをえた。

  • ギリシア語翻訳者の活動と12世紀の知的復興

    2013年  

     概要を見る

    西欧の「十二世紀ルネサンス」の本質的な特徴のひとつは、ビザンツ世界からラテン語訳されたギリシア語の古典文献が西欧世界にもたらされ、西欧のスコラ学の文化形成に大きな影響を与えたことである。この問題を考察するために、特定課題の研究費で南イタリアに渡航し、ナポリ、サレルノなど12世紀の時代にギリシア語のラテン語訳文献が流入し知的な中心となっていた地域の大学や教会の遺跡を巡検し、また文書館の蔵書確認を行って、今後の「十二世紀ルネサンス」研究の深化への見通しを得ることができた。今回の渡航で、私がすでに文献資料で得ていた知識が実地調査で裏付けられ、十二世紀にギリシア語の翻訳がラテン世界に対していかなる文化的影響を与えたかという問題について、今後、論文にまとめるための多くの手がかりを得ることができた。とくに今回の研究の成果として、私が年来の考察対象の12世紀の人文主義者ソールズベリのジョンが十二世紀中葉に教皇庁に滞在したさい、南イタリアでギリシア語の文献に精通する知識人と接触し、思想的に影響を受けたという事実について考察を深めることができた。私自身、今回、ソールズベリのジョンが歩いたアプリア地方などに行き、今なお残るビザンツの聖堂を見ることで、ジョンが確かにギリシア文化の影響のなかで彼の思想を構築したことが確信できた。いずれにしてもビザンツ世界のギリシア語文献は、西欧十二世紀の時期にナポリやサレルノなどの南イタリアの知的な中心で、ラテン世界の知識人に大きな影響を与えたことが疑いないことがよく理解できた。また今回の研究では、西欧の「十二世紀ルネサンス」におけるビザンツ世界からの翻訳の文化的影響について、3人のイタリアの知識人の翻訳活動-ヴェネツィアのヤコブス、ピサのブルグンディオ、ベルガモのモーセ-の翻訳活動-についても文献の調査により考察し、彼らの行ったアリストテレスの『分析論前書・後書』、『トピカ』、『ソフィスト駁論』、『自然学』、『霊魂論』、『形而上学』などを翻訳、あるいは、ヨハネス・クリュソストモスやヨハネス・ダマスケヌスの神学の著作や、農業、医学、法学のギリシア語著作の翻訳の文化史的意義を確認することができた。

  • 西欧中世におけるテキストの伝承と思想の影響 -『ポリクラティクス』の場合-

    2009年  

     概要を見る

     十二世紀の知識人を代表するソールズベリのジョンの政治社会論の著作『ポリクラティクス』が中世後期にどのような影響を与えたかについて、関係する資料を研究費で購入し、また、パリでの1週間ほどの資料調査にもとづいて詳細に考察した。『ポリクラティクス』の残存するラテン語写本は、十二世紀のものが六点、十三世紀のものが十二点、十四世紀のものが二十九点、十五世紀のものが五十二点と、しだいに数を増していることからも、この著作が中世後期の政治・社会思想に与えた影響の大きさが理解できるので、ラテン語写本の制作との関連で今回考察するとともに、『ポリクラティクス』が、中世後期のイタリアの人文主義者や法学者に大きな影響を与えていることが今回の研究で明らかになった。その顕著な例は、十四世紀中葉のナポリ大学の法学者ルカス・デ・ペンナであり、彼が書いたローマ法の注釈書では、『ポリクラティクス』での法の議論や有機体的な国家論が詳細に紹介されている。また何より、ジョンの暴君論が、フィレンツェの有名な人文主義者コルッチョ・サルターティに影響を与えていることも注目に値する。サルターティーは、『ポリクラティクス』の暴君論の大きな影響を受けて、彼自身の『暴君論』(一四〇〇年)を書いており、今後、イタリアの人文主義への十二世紀の『ポリクラティクス』のようなテクストの影響関係について、さらなる研究を進める予定である。さらに『ポリクラティクス』は、ラテン語の書物として影響を与え続けたのみでなく、十四世紀後半には俗語フランス語のテキストとしても流布した。すなわちフランス王シャルル五世が、フランシスコ会士ドニ・フルシャに『ポリクラティクス』のフランス語訳を作らせ、その結果、ラテン語を理解できない王や宮廷人もその内容を理解できるようになったからである。このことは、中世後期になお『ポリクラティクス』が「君主の鑑」としての有用性をもつ書物であったことを示している。今回は、十四世紀のシャルル五世期に、なぜ、『ポリクラティクス』がフランス語訳されたのかまでは、十分な考察が及ばなかったので、この問題は、今後の課題としたい。

 

現在担当している科目 【 表示 / 非表示

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