2024/11/22 更新

写真a

ナカザワ タツヤ
中澤 達哉
所属
文学学術院 文化構想学部
職名
教授
学位
博士(文学) ( 早稲田大学 )
ホームページ

経歴

  • 2018年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   文学学術院   教授

  • 2015年04月
    -
    2018年03月

    東海大学   文学部   准教授

  • 2005年04月
    -
    2015年03月

    福井大学   教育地域科学部   助教授・准教授

  • 2012年04月
    -
    2012年10月

    オックスフォード大学   歴史学部附属近代ヨーロッパ史研究センター   上席客員研究員

  • 2010年11月
     
     

    マチェイ・ベル大学   人文学部   客員教授

  • 2010年03月
    -
    2010年04月

    コメニウス大学   哲学部   客員教授

  • 2004年04月
    -
    2005年03月

    独立行政法人日本学術振興会   特別研究員 PD

  • 2002年04月
    -
    2004年03月

    早稲田大学   第一文学部   助手

  • 1999年09月
    -
    2000年03月

    ロンドン大学   スラヴ東欧学研究所   訪問研究員

  • 1997年09月
    -
    1999年08月

    スロヴァキア科学アカデミー   歴史学研究所   客員研究生

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学歴

  • 1997年04月
    -
    2003年03月

    早稲田大学   文学研究科   史学(西洋史)専攻博士後期課程  

委員歴

  • 2019年11月
    -
    継続中

    早稲田大学ナショナリズム・エスニシティ研究所  所長

  • 2017年03月
    -
    継続中

    Eruditio-Educatio (Univerzita Selye Jánoša)  editorial board

  • 2014年03月
    -
    継続中

    European Journal of Social and Human Sciences (Univerzita Máteja Bela)  editorial board

  • 2017年05月
    -
    2020年05月

    歴史学研究会  事務局長

  • 2006年
    -
    2008年03月

    東欧史研究会  編集委員(2007年度:編集長)

  • 2003年06月
    -
    2004年05月

    歴史学研究会  会務幹事

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所属学協会

  • 2012年01月
    -
    継続中

    Association for Slavic, East European and Eurasian Studies

  • 2010年04月
    -
    継続中

    史学会

  • 2002年05月
    -
    継続中

    歴史学研究会

  • 2000年03月
    -
    継続中

    Association for the Study of Ethnicity and Nationalism

  • 1994年04月
    -
    継続中

    東欧史研究会

  • 1994年04月
    -
    継続中

    日本西洋史学会

  • 1994年04月
    -
    継続中

    現代史研究会

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研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

研究キーワード

  • 複合君主政

  • 共和主義

  • 東欧史

  • ナショナリズム・スタディーズ

  • ハプスブルク帝国史

  • スロヴァキア史

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受賞

  • 平成28年度「科学研究費助成事業(科研費)」審査委員表彰

    2016年10月   日本学術振興会  

    受賞者: 中澤 達哉

  • 2009年度福井大学教育地域科学部・教育学研究科優秀教員

    2010年02月  

 

論文

  • 【コメント1】近世帝国と近代国民国家の相互浸潤

    中澤達哉

    歴史学研究   ( 1015 ) 175 - 178  2021年10月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

  • 良知力『向う岸からの世界史』ー「歴史なき民」再考

    中澤達哉

    歴史評論   ( 840 ) 27 - 38  2020年04月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者

  • 「東欧史」研究を考えるー過去・現状・展望ー

    中澤達哉

    東欧史研究   ( 42 ) 44 - 55  2020年03月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者

  • 「複合国家」「複合王政」「礫岩国家」ー主権国家の相対化

    中澤 達哉

    第18回日韓歴史家会議報告書「国際関係ーその歴史的考察」   18   35 - 47  2019年03月  [招待有り]

  • 2015年の歴史学界―回顧と展望:近代ロシア・東欧・北欧

    中澤 達哉

    史学雑誌   125 ( 5 ) 358 - 362  2016年05月

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Case Study of Students in the Slovak Department at Selye Janos University

    中澤 達哉

    Slavic Eurasian Studies   29   125 - 160  2015年

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Case Study of Students in the Hungarian Department at Selye János University

    中澤 達哉

    Slavic Eurasian Studies   27   69 - 101  2014年

  • ネイション・ナショナリズム研究の今後

    中澤 達哉

    現代史研究   ( 59 ) 37 - 53  2013年  [査読有り]

    CiNii

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Case Study of Students in the English Department at Selye János University

    中澤 達哉

    Eruditio-Educatio, 7-3   7 ( 3 ) 106 - 121  2012年

  • Situácia slovakistov a vyučovanie slovenčiny v Japonsku

    中澤 達哉

    Studia českého a slovenského jazyka ve východní Asií (Medzi národní konference při příležitosti 20. výročí založení katedry českých a slovenských studií na Korejské univerzitč zahraničních studií, Seoul, Korea)     165 - 174  2008年

  • EU諸国のボローニャ・プロセスと複合文化社会における教員養成課程改革(1)

    石井 バークマン 麻子, 湊 七雄, 中澤達哉

    福井大学教育地域科学部紀要Ⅳ(教育科学)63    2007年

  • Slovak Nation as a Corporate Body: The Process of the Conceptual Transformation of a 'Nation without History' into a Constitutional Subject during the Revolutions of 1848/49

    中澤 達哉

    Regions in Central and Eastern Europe: Past and Present (Slavic Eurasian Studies 15)    2007年

  • Slovenská politická myšlienka počas revolúcie v roku 1848 z hľadiska štátoprávnych dejín : Proces premeny slovenského národa na štátoprávnych subjekt na základe tradičných korporatívnych princípov

    中澤 達哉

    Acta historica neosoliensia   9  2006年

  • 近代スロヴァキア国民形成史研究―「歴史なき民」の近代国民法人説―

    中澤 達哉

    早稲田大学博士学位請求論文    2006年

  • 近代への架橋―歴史的権利と選挙王政―

    中澤 達哉

    東欧史研究   ( 27 ) 166 - 169  2005年

    CiNii

  • ナティオ概念の歴史的展開―18世紀のスロヴァキアを事例とする「社団国家」と「近代国民」―

    中澤 達哉

    東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII(北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ89)    2003年

  • ネイション・ナショナリズム研究の現状と課題

    中澤 達哉

    早稲田大学大学院文学研究科紀要    2002年

  • The Forms of the National Views of History in Slovak Historiography

    中澤 達哉

    Occasional Papers    2000年

  • 1848年革命におけるスロヴァキア・スラヴ主義政治思想の社会理念史的検討―伝統的観念の再解釈による「近代社会形成」過程―

    中澤 達哉

    西洋史論叢    1997年

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書籍等出版物

  • ハプスブルク事典(項目執筆:ナポレオン戦争)

    川成洋, 菊池良生, 佐竹謙一

    丸善出版  2023年01月 ISBN: 9784621306819

  • ハプスブルク事典(項目執筆:神聖ローマ帝国の消滅とオーストリア帝国の成立)

    川成洋, 菊池良生, 佐竹謙一( 担当: その他)

    丸善出版  2023年01月 ISBN: 9784621306819

  • ハプスブルク事典(項目執筆:複合国家としてのハプスブルク)

    川成洋, 菊池良生, 佐竹謙一

    丸善出版  2023年01月 ISBN: 9784621306819

  • 王のいる共和政 : ジャコバン再考

    中澤達哉( 担当: 共編者(共編著者))

    岩波書店  2022年06月 ISBN: 9784000615440

  • 中欧・東欧文化事典(項目執筆:中近世の多民族共生社会)

    中欧, 東欧文化事典編集委員会, 羽場久美子, 井口壽乃, 大津留厚, 桑名映子, 田口雅弘, 中澤達哉, 長與進, 三谷恵子, 山崎信一

    丸善出版  2021年08月 ISBN: 9784621306161

  • 中欧・東欧文化事典(項目執筆:スロヴァキアの歴史と独立スロヴァキア国)

    中欧, 東欧文化事典編集委員会, 羽場久美子, 井口壽乃, 大津留厚, 桑名映子, 田口雅弘, 中澤達哉, 長與進, 三谷恵子, 山崎信一

    丸善出版  2021年08月 ISBN: 9784621306161

  • 中欧・東欧文化事典(項目執筆:複合君主政と礫岩国家)

    中欧, 東欧文化事典編集委員会, 羽場久美子, 井口壽乃, 大津留厚, 桑名映子, 田口雅弘, 中澤達哉, 長與進, 三谷恵子, 山崎信一

    丸善出版  2021年08月 ISBN: 9784621306161

  • 中欧・東欧文化事典(項目執筆:スロヴァキア人の移動)

    中欧, 東欧文化事典編集委員会, 羽場久美子, 井口壽乃, 大津留厚, 桑名映子, 田口雅弘, 中澤達哉, 長與進, 三谷恵子, 山崎信一

    丸善出版  2021年08月 ISBN: 9784621306161

  • 中欧・東欧文化事典(項目執筆:シトゥール)

    中欧, 東欧文化事典編集委員会, 羽場久美子, 井口壽乃, 大津留厚, 桑名映子, 田口雅弘, 中澤達哉, 長與進, 三谷恵子, 山崎信一

    丸善出版  2021年08月 ISBN: 9784621306161

  • コロナの時代の歴史学(分担執筆:新型コロナウイルス感染症の副作用:感染症の人種化(racialization))

    歴史学研究会編・中澤達哉・三枝暁子監修( 担当: 共著)

    績文堂出版  2020年12月 ISBN: 9784881161364

  • コロナの時代の歴史学(分担執筆:序・問題設定:新型コロナウイルス感染症が歴史に問いかけるもの)

    歴史学研究会編・中澤達哉・三枝暁子監修( 担当: 監修)

    2020年12月

  • 論点・西洋史学(項目執筆:エトノス論)

    金澤, 周作, 藤井, 崇, 青谷, 秀紀, 古谷, 大輔, 坂本, 優一郎, 小野沢, 透( 担当: 分担執筆)

    ミネルヴァ書房  2020年04月 ISBN: 9784623087792

  • 論点・西洋史学(項目執筆:レス・プブリカ)

    金澤, 周作, 藤井, 崇, 青谷, 秀紀, 古谷, 大輔, 坂本, 優一郎, 小野沢, 透( 担当: 分担執筆)

    ミネルヴァ書房  2020年04月 ISBN: 9784623087792

  • 天皇はいかに受け継がれたか―天皇の身体と皇位継承(分担執筆:ヨーロッパの選挙王政と世襲王政―天皇譲位に寄せて)

    中澤 達哉( 担当範囲: 共著,範囲:285-308頁)

    績文堂出版  2019年02月 ISBN: 9784881161340

  • 歴史学者と読む高校世界史―教科書記述の舞台裏(分担執筆:高校世界史教科書の中・東欧史記述)

    中澤 達哉( 担当: 共著,  担当範囲: 45-67頁)

    勁草書房  2018年06月 ISBN: 9784326248483

  • ロシア・東欧史における国家と国民の相貌(分担執筆:東欧史研究の諸潮流と井内史学)

    中澤 達哉( 担当範囲: 1-6頁)

    晃洋書房  2017年06月 ISBN: 9784771029064

  • 現代歴史学の成果と課題 第2巻 世界史像の転換(分担執筆:国民国家論以後の国家史/社会史研究ー構築主義の動態化に向けて)

    中澤 達哉

    積文堂出版  2017年05月

  • Forms of Political and Media Propaganda in Central Europe, Czecho-Slovakia and Hungary (1939-1968)(Part: The exaltation of the Slovak State and its entry into the Tripartite Pact in Japanese media propaganda, 1939-1940)

    中澤 達哉( 担当範囲: 59-72)

    Univerzita Mateja Bela  2016年 ISBN: 9788081221767

  • 礫岩のようなヨーロッパ(分担執筆:ハプスブルク君主政の礫岩のような編成と集塊の理論―非常事態へのハンガリー王国の対応)

    中澤 達哉( 担当範囲: 118-135)

    山川出版社  2016年 ISBN: 9784634640832

  • 新しく学ぶ西洋の歴史―アジアから考える(分担執筆:1848年革命)

    中澤 達哉

    ミネルヴァ書房  2016年 ISBN: 9784623066810

  • 第一次世界大戦と帝国の遺産(分担執筆:二重制の帝国から「二重制の共和国」と「王冠を戴く共和国」へ)

    山川出版社  2014年 ISBN: 9784634672345

  • The First World War and the Legacy of Empires(Part:Contributor, From Dual Monarchy to Dual Republic and to Republic with Crown)

    Yamakawa  2014年 ISBN: 9784634672345

  • ヨーロッパ・「共生」の政治文化史(分担執筆:ハンガリー初期ジャコバン主義の「王のいる共和政」理論―近代ヨーロッパ共和主義の多様性と共生の諸形態―)

    成文堂  2013年 ISBN: 9784792370961

  • ハプスブルク史研究入門―歴史のラビリンスへの招待(分担執筆:第13章 言語と民族/国民の間 1 ネーション(民族/国民))

    昭和堂  2013年 ISBN: 9784812213155

  • The Symbiosis History of European Political Culture(Part:Contributor, The Theory of the 'Republic with King' in Early Hungarian Jacobinism, 1792-93: The Diversity of Modern European Republicanism and the Forms of Symbiosis)

    Seibundo  2013年 ISBN: 9784792370961

  • ハプスブルク帝国政治文化史―継承される正統性(分担執筆:ハプスブルク家とハンガリー王冠―戴冠儀礼と統治の正統性―)

    昭和堂  2012年 ISBN: 9784812212202

  • ハプスブルク帝国政治文化史―継承される正統性(分担執筆:国民を思い描く―スロヴァキアにおけるシンボルの誕生―(ドゥシャン・シクヴァルナ著・中澤達哉訳))

    昭和堂  2012年 ISBN: 9784812212202

  • Political Culture of Habsburg Monarchy(Part:Contributor, The Habsburgs and the Hungarian Crown: The Coronation Ritual and Legitimacy of Sovereignty)

    Showado  2012年 ISBN: 9784812212202

  • 近代スロヴァキア国民形成思想史研究―「歴史なき民」の近代国民法人説―

    刀水書房  2009年 ISBN: 9784887083868

  • A Study of the Theories of Slovak Nation-Building: A Theory for the Formation of a Modern Nation's Corporate Body for a 'Nation without History'

    Tosuishobo  2009年 ISBN: 9784887083868

  • 歴史学事典(第12巻 王と国家)(項目執筆:絶対主義国家)

    恒文堂  2005年

  • 歴史学事典(第12巻 王と国家)(項目執筆:社団国家)

    弘文堂  2005年 ISBN: 4335210434

  • ロシアとヨーロッパ―交差する歴史世界(分担執筆:1850年代のスロヴァキア国民形成理論と親露主義―「スラヴ的・家父長制」的伝統の構築と援用―)

    早稲田大学出版部  2004年 ISBN: 4657044079

  • ヨーロッパの分化と統合―国家・民族・社会の史的考察(分担執筆:スロヴェニア人の過去と未来(ペーテル・ヴォドピヴェツ著・中澤達哉・諸井弘輔訳))

    太陽出版  2004年

  • 近世ヨーロッパの東と西-共和政の理念と現実(分担執筆:「王国の王冠」「王国の共同体」「王国の身体」―ハンガリーのレスプブリカ再考―)

    山川出版社  2004年 ISBN: 4634649705

  • チェコとスロヴァキアを知る56章(分担執筆:第2章 チェコ人とスロヴァキア人)

    明石書店  2003年 ISBN: 4750317004

  • チェコとスロヴァキアを知る56章(分担執筆:第9章 スロヴァキア国民社会の形成)

    明石書店  2003年 ISBN: 4750317004

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講演・口頭発表等

  • 複合君主号「皇帝にして国王」と主権の分有 ―ハプスブルク・ハンガリーの選挙王政と世襲王政―

    中澤達哉  [招待有り]

    第120回史学会大会シンポジウム「君主号と歴史世界」  

    発表年月: 2022年11月

  • コメント:「近世帝国と近代国民国家の相互浸潤」

    中澤達哉

    歴史学研究会大会・合同部会シンポジウム  

    発表年月: 2021年05月

  • シンポジウム趣旨説明:「「主権国家」再考 Part4-国民国家の再点検-」

    歴史学研究会大会・合同部会シンポジウム  

    発表年月: 2021年05月

  • シンポジウム趣旨説明:「「主権国家」再考 Part3:帝国論の再定位」

    中澤達哉

    歴史学研究会大会・合同部会シンポジウム  

    発表年月: 2020年11月

  • シンポジウム趣旨説明:「皇位継承再論:女帝・女系の可能性と皇太子」

    中澤達哉

    歴研シンポジウム  

    発表年月: 2020年09月

  • 世襲原理と選挙原理の王位継承ー マリア=テレジア、表象、ジェンダー

    中澤達哉  [招待有り]

    ジェンダー史学会シンポジウム  

    発表年月: 2019年12月

  • コメント:「東欧」から、「近世・近代」から、考える

    中澤達哉

    2019年度現代史研究会大会「平成時代の現代史研究」  

    発表年月: 2019年11月

  • シンポジウム趣旨説明:「「主権国家」再考 Part2ー翻訳される主権」

    中澤 達哉

    歴史学研究会大会・合同部会シンポジウム  

    発表年月: 2019年05月

  • ハンガリー・ジャコバンの「王のいる共和政」思想の生成と展開 ー「中東欧圏」という共和主義のもうひとつの水脈

    中澤 達哉

    第69回日本西洋史学会小シンポジウム「「革命」「自由」「共和政」を読み替える―向う岸のジャコバン―」   (静岡大学)  日本西洋史学会  

    発表年月: 2019年05月

  • 「東欧史」研究を考えるー過去・現状・展望ー

    中澤 達哉  [招待有り]

    東欧史研究会2019年度大会   (立教大学)  東欧史研究会  

    発表年月: 2019年04月

  • シンポジウム趣旨説明:「天皇と皇位継承のコスモロジー ー『創られた明治、創られる明治』と『天皇はいかに受け継がれたか』から考える」

    中澤 達哉

    歴研シンポジウム  

    発表年月: 2019年04月

  • Creation of the thought of “Republic with King” of the early Hungarian Jacobins, 1793

    中澤 達哉

    International Workshop: European Jacobins and Republicanism   (Budapest, Hungary)  Grant-in-Aid for Scientific Research (B) “Reconsidering Jacobinism”, Japan Society for the Promotion of Science (JSPS), and Pasts, Inc Center for Historical Studies, Department of History (CEU)  

    発表年月: 2019年03月

  • チェコスロヴァキア主義・チェコスラヴ主義・スラヴ主義再考―主権国家論・礫岩国家論の視座

    中澤 達哉

    早稲田大学ロシア文学会秋季公開講演会(早稲田大学ロシア文学会)  

    発表年月: 2019年01月

  • 「王のいる共和政」から「王のいない共和政」へ ―ハンガリー・ジャコバン主義にみる共和主義の多様性―

    中澤 達哉

    近現代史研究会  

    発表年月: 2018年10月

  • ハンガリー初期ジャコバン主義の「王のいる共和政」理論―主権・国民・連邦制―

    中澤 達哉  [招待有り]

    早稲田大学史学会大会講演会  

    発表年月: 2018年10月

  • シンポジウム趣旨説明:「創られた明治、創られる明治―明治150年を考える」

    中澤 達哉

    合同シンポジウム  

    発表年月: 2018年

  • シンポジウム趣旨説明:「現代歴史学の新たな地平を求めて-『第4次 成果と課題』再考-」

    中澤 達哉

    歴研シンポジウム  

    発表年月: 2017年

  • 文献歴史学の場合

    中澤 達哉

    東海大学ヨーロッパ文明学科シンポジウム「ヨーロッパの「読み方」」  

    発表年月: 2017年

  • National identity as future aspirations: A case study of the students at Selye Janos University in Komarno, Slovakia - Analysing the results of questionnaires in 2011 and 2014

    中澤 達哉

    Transboundary Symbiosis over the Danube: EU Integration between Slovakia and Hungary from a Local Border Perspective (Part III)  

    発表年月: 2016年

  • The theoretical basis of the conglomerate formations of the Habsburg monarchy -Dealing with an emergency in the Kingdom of Hungary-

    中澤 達哉

    International Cambridge Workshop on 'A Conglomerate Europe: Rethinking the Early Modern Europe'  

    発表年月: 2016年

  • スロヴァキアのシリア難民問題―民族自然権原理の発動にみる東欧小民族の寛容性と排他性

    中澤 達哉

    明治大学国際武器移転史研究所主催国際シンポジウム「中東難民と欧州統合」  

    発表年月: 2016年

  • 高校世界史教科書と中東欧記述

    中澤 達哉  [招待有り]

    立教大学文学部人文研究センター公開シンポジウム「高校世界史教科書の記述を考える」  

    発表年月: 2016年

  • ローマ帝国と神聖ローマ帝国―東中欧世界における思想的正当化の概念装置

    中澤 達哉

    東海大学ヨーロッパ文明学科主催シンポジム「捏造されたローマ―その解釈の変遷」  

    発表年月: 2016年

  • Comments on prof. A. Filyushkin, J. Smith, and D. Badarian

    中澤 達哉

    The IX World Congress of ICCEES in Makuhari, Japan   The International Council for Central and East European Studies(ICCEES)  

    発表年月: 2015年

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Case Study of the Students at Selye Janos University in Komarno, Slovakia - Analysing the Results of Questionnaires in 2011 and 2014

    中澤 達哉

    The IX World Congress of ICCEES in Makuhari, Japan   The International Council for Central and East European Studies(ICCEES)  

    発表年月: 2015年

  • 民族中心主義における「人」と「動物」の乖離―正当化される軽視とつくられる保護

    中澤 達哉

    東海大学ヨーロッパ文明学科主催シンポジウム「ヨーロッパと動物 ~人との関わり、そしてその多様性」  

    発表年月: 2015年

  • 「大学の自治」の死亡診断書なのか?―地方国立大学の「ガバナンス改革」の現状

    中澤 達哉

    東京歴史科学研究会緊急シンポジム  

    発表年月: 2015年

  • Comment on prof. Peter Maťa and Lucie Storchová

    東欧史研究会・ハプスブルク史研究会  

    発表年月: 2014年

  • シンポジウム趣旨説明:礫岩国家の三点測量―歴史的ヨーロッパにおける複合政体を比較する

    早稲田大学総合研究機構・早稲田大学高等研究所国際シンポジウム  

    発表年月: 2014年

  • コメント:「共和政の祖国」を参照軸とする「祖国」の歴史的輻輳

    日本西洋史学会  

    発表年月: 2014年

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Comparative Study of Students in the English, Hungarian, and Slovak Language Departments at Selye János University

    International Workshop: Transboundary symbiosis over the Danube and EU integration Part2  

    発表年月: 2014年

  • 近世・近代ヨーロッパの諸帝国における社団・地域の比較考察―現代スコットランド・ウクライナ問題を踏まえて

    福井県高等学校社会科研究会・世界史授業研究会  

    発表年月: 2014年

  • Comment on prof. Peter Maťa and Lucie Storchová

    Association for the Study of Eastern Europe, Association for the History of Habsburg Monarchy  

    発表年月: 2014年

  • Boundary Mechanisms in the Formulation of National Identity: A Comparative Study of Students in the English, Hungarian, and Slovak Language Departments at Selye János University

    International Workshop: Transboundary symbiosis over the Danube and EU integration Part2  

    発表年月: 2014年

  • 1989年以降世代の東欧史学と二宮宏之の歴史学

    ヨーロッパ近世史研究会  

    発表年月: 2013年

  • Comment on prof. Oliver Zimmer and prof. Balazs Trenchenyi

    東欧史研究会・現代史研究会・西洋近現代史研究会・バルト=スカンジナビア研究会  

    発表年月: 2013年

  • リプライ:書評(阿南大・上村敏郎)・篠原琢・中澤達哉編『ハプスブルク帝国政治文化史』(昭和堂、2012年)合評会

    東欧史研究会  

    発表年月: 2013年

  • ハプスブルク帝国の礫岩国家編成と集塊理論―非常事態への対応:服属地域ハンガリー王国からの集塊の正統化

    日本西洋史学会  

    発表年月: 2013年

  • ハプスブルク帝国の社団国家編成と近代国民の形成―マリア・テレージア期とヨーゼフ2世期を中心に

    福井県高等学校社会科研究会・世界史授業研究会  

    発表年月: 2013年

  • Comment on prof. Oliver Zimmer and prof. Balazs Trenchenyi

    The Association for East European Studies  

    発表年月: 2013年

  • Boundary Mechanisms and the Formulation of National Identity: A Case Study of Students at Selye János University

    International Workshop (Toyota Foundation): Transboundary symbiosis over the Danube and EU integration  

    発表年月: 2012年

  • 書評:割田聖史著『プロイセンの国家・国民・地域―19世紀前半のポーゼン州・ドイツ・ポーランド』(有志舎、2012年)

    東欧史研究会・西洋近現代史研究会  

    発表年月: 2012年

  • Boundary Mechanisms and the Formulation of National Identity: A Case Study of Students at Selye János University

    International Workshop (Toyota Foundation): Transboundary symbiosis over the Danube and EU integration  

    発表年月: 2012年

  • リプライ:書評(古谷大輔)・中澤達哉著『近代スロヴァキア国民形成思想史研究―「歴史なき民」の近代国民法人説―』(刀水書房、2009年)

    早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所研究会  

    発表年月: 2011年

  • 18-19世紀ハプスブルク複合王政下の近代国民形成と政治的正統性―ヨーロッパの「極端なる典型

    早稲田大学西洋史研究会 第59回大会(共催 : 早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所)  

    発表年月: 2011年

  • ハプスブルク複合的国制下の近代国民形成と政治的正統性―ナティオ、パトリア、コローナ―

    科研基盤A研究会(代表:篠原琢)「ヨーロッパ境界地域の歴史的経験とパトリア意識/市民権」  

    発表年月: 2011年

  • リプライ:書評(池田嘉郎)・中澤達哉著『近代スロヴァキア国民形成思想史研究―「歴史なき民」の近代国民法人説―』(刀水書房、2009年)

    東欧史研究会2009年度第2回例会  

    発表年月: 2010年

  • 近世ハンガリー政治的人文主義のナティオおよびパトリア概念

    科研基盤A研究会(代表:篠原琢)「ヨーロッパ境界地域の歴史的経験とパトリア意識/市民権」  

    発表年月: 2010年

  • 南スロヴァキアにおける高等教育のグローバル化と共生の諸形態

    トヨタ財団2010年度研究助成研究会「EU統合と境界を跨ぐ地域社会の形成:ドナウ川を挟むスロヴァキア・ハンガリー国境地帯を共生の視点から問い直す」  

    発表年月: 2010年

  • 近世ハンガリー政治的人文主義における複合国家および王政論

    科研基盤B研究会(代表:古谷大輔)「近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究」  

    発表年月: 2010年

  • The Concept of "Slovak Nation" and "Corporate State": The Development of the Concepts Natio, Populus and Gens in the 18th Century

    International Workshop on ‘Regional publicity and Environment in Slavic Eurasia and Japan’  

    発表年月: 2009年

  • The Concept of "Slovak Nation" and "Corporate State": The Development of the Concepts Natio, Populus and Gens in the 18th Century

    International Workshop on ‘Regional publicity and Environment in Slavic Eurasia and Japan’  

    発表年月: 2009年

  • The Concept of Slovak Nation in Intellectual history: The Theory of the Corporate Body of Modern Nation

    Symposium at Association for East European Studies  

    発表年月: 2008年

  • Situácia slovakistov a vyučovanie slovenčiny v Japonsku

    Medzi národní konference při příležitosti 20. výročí založení katedry českých a slovenských studií na Korejské univerzitč zahraničních studií, Seoul, Korea  

    発表年月: 2008年

  • The Concept of Slovak Nation in Intellectual history: The Theory of the Corporate Body of Modern Nation

    Symposium at Association for East European Studies  

    発表年月: 2008年

  • Situácia slovakistov a vyučovanie slovenčiny v Japonsku

    Medzi národní konference při příležitosti 20. výročí založení katedry českých a slovenských studií na Korejské univerzitč zahraničních studií, Seoul, Korea  

    発表年月: 2008年

  • 選挙王政から世襲王政へ―16-17世紀の国王戴冠儀礼、国会、地方議会―

    科研基盤B研究会(代表:篠原琢)「中欧多民族帝国における地域・社団と議会主義的伝統の社会史的検討」  

    発表年月: 2007年

  • ボローニャ・プロセスの高等教育制度改革と歴史教育の現在―東欧諸国におけるホロコースト教育の事例に学ぶ

    福井大学教育地域科学部教材開発研究会・平成19年度第5回セミナー  

    発表年月: 2007年

  • スロヴァキア国民概念とヨーロッパの議会主義的伝統

    EU Institute in Japan 共同研究「EU and Culture」定例研究会  

    発表年月: 2006年

  • 書評:白木太一著『近世ポーランド「共和国」の再建―四年議会と五月三日憲法への道』(彩流社、2005年)

    東欧史研究会  

    発表年月: 2006年

  • コメント:近世ハンガリー王国の国王戴冠儀礼

    第49回早稲田大学西洋史研究会大会  

    発表年月: 2006年

  • 近代スロヴァキア国民形成理論と自然権原理―中世社団論と近代「国民法人」説―

    関西ハンガリー研究会・ハプスブルク史研究会関西例会  

    発表年月: 2005年

  • Slovak Nation as a Corporate Body

    2005 Winter International Symposium at Slavic Research Center〈CEE-Japan Forum for the 21st Century〉Cosponsored by EU Institute in Japan (EUIJ)  

    発表年月: 2005年

  • Slovak Nation as a Corporate Body

    2005 Winter International Symposium at Slavic Research Center〈CEE-Japan Forum for the 21st Century〉Cosponsored by EU Institute in Japan (EUIJ)  

    発表年月: 2005年

  • ハンガリーの「王国の王冠」「王国の共同体」「王国の身体」―ヨーロッパの「レスプブリカ」と「地域」の再考―

    21世紀COE教育研究拠点プログラム「スラブ・ユーラシア学の構築:中域圏の形成と地球化」第3回東欧中域圏研究会  

    発表年月: 2004年

  • コメント:近代への架橋

    2004年度東欧史研究会大会  

    発表年月: 2004年

  • 啓蒙とナーロト―近代東欧における普遍主義とナショナリズム―

    早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所  

    発表年月: 2003年

  • コメント:東ヨーロッパから:中近世ハンガリー王国の「王国の王冠」「王国の共同体」「王国の身体」

    ヨーロッパ近世史研究会大会(テーマ:『近世ヨーロッパの東と西:共和政の理念と現実をめぐって』)(共催・第43回早稲田大学西洋史研究会大会)  

    発表年月: 2003年

  • 近代「国民」概念の形成と「社団国家」―18世紀末-19世紀初頭のスロヴァキアにおける「ナティオ」「ゲンス」「ポプルス」の展開―

    京都大学西洋史読書会  

    発表年月: 2002年

  • 近代スロヴァキア国民形成理論における民族自然権原理

    日本西洋史学会  

    発表年月: 2001年

  • 現代西洋史研究の諸潮流と東欧史研究

    東欧史研究会  

    発表年月: 2001年

  • ネイション概念の形成と歴史的展開―スロヴァキアを事例に―

    科研研究会(代表:林忠行)「東欧・中央ユーラシアの近代とネイション」(共催・民博地域研・北大スラヴ研連携研究「スラヴ・ユーラシアにおける国家とエスニシティー」)  

    発表年月: 2001年

  • 1848年革命期のスロヴァキア国民形成理論

    北海道大学スラブ研究センター・鈴川奨励研究員研究発表会  

    発表年月: 2000年

  • イギリスにおけるナショナリズム研究の現状

    東欧史研究会  

    発表年月: 2000年

  • 1850年代におけるスロヴァキア国民形成理論と親ロシア主義

    早稲田大学史学会  

    発表年月: 2000年

  • 近代スロヴァキア国民思想におけるロシア認識

    早稲田大学現代政治経済研究所  

    発表年月: 2000年

  • 近現代東中欧史学における歴史観の諸相

    ロンドン・法政大学セミナー  

    発表年月: 1999年

  • Slovak Nation-Building in 1848/49 - The Process of the Conceptual Transformation of the ‘Nation without History’ into a ‘Sovereign Subject’ by Invoking Traditional Ideas-

    エジンバラ大学ナショナリズム研究会・トム・ネアン・セミナー  

    発表年月: 1999年

  • 1848年革命におけるスロヴァキア・スラヴ主義政治思想の検討―「歴史なき民」の「国制上の権利の主体化」過程―

    東欧史研究会  

    発表年月: 1998年

  • 1848年革命におけるスロヴァキア・スラヴ主義政治思想の国制史的検討―L.シトゥールにみる「歴史なき民」の「国制上の権利の主体化」過程―

    早稲田大学西洋史研究会  

    発表年月: 1998年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 共和政の再検討:近代史の総合的再構築をめざして

    日本学術振興会  科学研究費補助金 基盤研究(A)

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2026年03月
     

    中澤達哉, 近藤和彦, 森原隆, 高澤紀恵, 小山哲, 小森宏美, 池田嘉郎, 石川敬史, 古谷大輔, 松原宏之, 小原淳, 正木慶介

     概要を見る

    2021年度は、以下の4つの班に分かれて、共通の分析枠の構築を図った。
    1.「共和政と君主政の乖離」班は、中東欧・仏米における「王のいる共和政」論の検証を行うための分析枠を検討した。まず石川敬史は独立革命期に存在したアメリカ政体論を検証し、小山哲と中澤達哉は米仏との相互影響を踏まえ、中東欧における「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への移行過程を検討した。正木慶介は、上述の双方の共和主義の要素をもつ立憲君主政の実態を分析した。その上で共通の分析枠や視点の構築に努めた。
    2.「共和政と民主政との連動」班は、共和政が民主政と連動する過程を市民権および人民主権の動態から分析するための主軸を検討した。松原宏之は独立革命後も主導権を保持した名望家に代わり新たに新興実業家が上昇し徒弟が労働者化するという社会変動にあわせ、アメリカで市民権と共和政が再定義される過程に焦点を当てることにした。高澤紀恵と近藤和彦はソシアビリテから市民権と人民主権の動態を検証し、フランスおよびイングランド共和政の思想と実態を社会史的文脈から検証することを軸に分析枠を構築することに努めた。
    3.「共和政と国民国家との結節」班は、1990年代以来、構築主義による国民国家批判を通じて国民の創造に関する研究が蓄積されてきた状況を受けつつも、「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への構造転換と国民国家との関係を権利関係の再編から論じる方法の構築に努めた。小原淳と小森宏美は国民形成の観点から、中澤は民族集団の構築における社団の機能からこれを検討することになった。
    4.「共和政と連邦制の親和」班は、池田嘉郎と森原隆を中心に、近世に複合国家編成を採った地域の近代に「王のいる共和政」論が集中的に出現し、連邦共和国を志向したという事実に基づき、議会主義の観点からこれを分析する方法を検討した。

  • 帝国辺境の近代化と国民化する帝国

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    篠原 琢, 戸谷 浩, 吉岡 潤, 青島 陽子, 西村 木綿, 中澤 達哉, 米岡 大輔

     概要を見る

    初年度は研究分担者の具体的研究対象を相互に検討した。「辺境/境界地域の経験の帝国統治への還流」については、ロシア史における帝国研究の視角・方法論の発展と成果を検討した。実証研究としては20世紀初頭におけるロシア帝国西部境界地域の教育政策の検討を進め、帝国「辺境」の非ロシア人に対する教育(母語教育援用の是非)をめぐる議論が帝国全体の教育政策を条件づけていったことを見通した(青島)。こうした政策を18世紀末から第一次世界大戦期までの百年あまり、ポーランド世界を「ロシア世界へと同化・内部化」させようとした時期のなかに位置づけることは重要であり、さらに第一次世界大戦とポーランド独立、ソ連・ポーランド戦争、第二次世界大戦をその連続性のなかに捉えなければならない。20世紀前半における「カーゾン線」の政治的機能はそれをよく反映する(吉岡)。また戦間期ポーランドで激化する反ユダヤ主義の問題は、ロシア帝国による統治がポーランド人とユダヤ人との関係に与えた影響を分析しなければ解明できないだろう(西村)。
    「国民社会の形成と帝国統治の相互規定性」については、ハプスブルク君主国を中心に検討を進めた。近世における帝権・命令権・命令権の分析を通して主権概念の検討を行うことは、帝国秩序と近代に「主権者」として現れる国民社会との関係の研究に不可欠な基礎作業である(中澤)。1848年革命期には国民社会への政治参加圏域と帝国の行政資源の配分が争われたが、これは帝国の一体性、帝国主権の確立と不可分であった(篠原)。近世から近代にいたる時期の軍政国境地帯の変遷(戸谷)、ボスニアの複合的な法領域の変容は帝国境界地域の近代化を端的に示すものであった(米岡)。「『小さな帝国』における辺境/境界地域」については、第二次世界大戦後、住民追放が行われた地域への植民も視野にいれながら検討を進めた(篠原)。

  • 歴史的ヨーロッパにおける主権概念の批判的再構築

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2021年03月
     

    古谷 大輔, 後藤 はる美, 渋谷 聡, 中本 香, 中澤 達哉, 佐々木 真, 小山 哲, 近藤 和彦, 内村 俊太

     概要を見る

    本研究の3年度目にあたる2019年度は、年度末におけるコロナウィルスの流行と感染防止を目的とした研究計画の見直しから、年度末に予定されていた研究成果公開を目的としたワークショップを2020年度の補助事業として延期するなどの対応を図りながら実施された。2019年度の研究活動の主軸は、初年度と二年度における本研究の研究成果の中間報告を目的に、国内の歴史学界に対してその成果を公開することに置かれた。まず2019年5月26日に開催された2019年度歴史学研究会大会合同シンポジウム「「主権国家」再考Part2―翻訳される主権」の実施に協力し、①近世から近代へ、②ヨーロッパからアジアへという二つの軸に即しながら、近世ヨーロッパで錬成された「主権」概念の翻訳と拡散の過程に注目することで、世界史的な観点から「主権」概念の批判的再構築を図る糸口を見いだした。次に2019年11月16日には早稲田大学において公開研究会「「主権国家再考」の再考」を、さらに本来であれば2020年3月21-22日に島根大学で開催を予定していた公開ワークショップ「歴史的ヨーロッパにおける主権概念の批判的再構築」については、2020年6月21日にオンライン形式に実施方法を変更して開催した。これら二度の公開研究会・ワークショップにおいては、本研究に参画する研究分担者から、近世ヨーロッパにおける複合的な政治編成の存在を前提とした場合、従来の「主権」概念理解をその実態に即して相対化する個々の史料分析とその方法の提示がなされた。これらの研究成果の中間報告とは別に、2019年12月27日-28日には水戸にて研究合宿が開催され、5月に開催されたシンポジウムと11月の公開研究会で得られた国内の研究者からの意見を踏まえた本研究の方向性の再検討が議論され、これを踏まえる形で研究分担者個々の研究を包括する本研究の方針が分担者間で共有された。

  • ジャコバン主義の再検討:「王のいる共和政」の国際比較研究

    科学研究費補助金  基盤研究(B)(一般)

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    中澤 達哉

  • ヨーロッパ東部境界地域における他者概念の形成と空間的再構成

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

    篠原 琢, 鈴木 健太, 吉岡 潤, 青島 陽子, 林 佳世子, 古谷 大輔, 小森 宏美, 秋山 晋吾, 中澤 達哉, 小山 哲, 池田 嘉郎, 前田 弘毅

     概要を見る

    近年のヨーロッパの大陸帝国史研究は、帝国統治システムの構築と国民形成の相互作用をますます強調している。本研究はこの動向の上に立って、帝国を、宗派、言語・文化、身分、階級、地域などの差異によって把握される様々な住民集団相互、および住民集団と統治エリートとが複雑に交渉・競合・抗争する空間として把握した。本研究の成果は、こうした過程で他者性、近代にいたっては諸国民の社会が生成される動態を解明したことにある。さらに帝国崩壊、20世紀の破局後のヨーロッパ東部社会の集合的記憶の構造を解明し、帝国空間の再編を明らかにした。境界形成におけるロシア帝国西部とハプスブルク帝国の比較研究も大きな成果である。

  • 多層的な民族共生への道:ドナウ中流域とEU統合

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2018年03月
     

    長與 進, 家田 修, 中澤 達哉, 飯尾 唯紀, 神原 ゆうこ, コヴァーチ ドゥシャン, ドゥデコヴァー=コヴァーチョヴァー ガブリエラ, シュタイ シチェファン, ヴァイダ バルナバーシ

     概要を見る

    私たちの科研プロジェクトは、5年間で次のような成果を上げた。-1)10回(毎年2回)の研究打ち合わせ会、2)3冊の英文論文集の刊行(第I集、2014年3月、136頁;第Ⅱ集、2015年7月、198頁;第Ⅲ集、2018年3月、149頁)、3)2回の共同現地調査(2014年9月、南スロヴァキア中部とハンガリー南部;2016年9月、南スロヴァキア東部とハンガリー北東部)、4)4回の国際ワークショップ(2014年9月と2016年9月、コマールノ(スロヴァキア)、2017年9月、東京と大阪)、5)2015年8月に千葉県幕張で開かれた中東欧研究国際協議会 (ICCEES) の第9回世界大会でパネル組織

  • 歴史的ヨーロッパにおける複合政体のダイナミズムに関する国際比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2017年03月
     

    古谷 大輔, 後藤 はる美, 大津留 厚, 中本 香, 中澤 達哉, 小山 哲, 内村 俊太, 近藤 和彦

     概要を見る

    本研究は、近世ヨーロッパの国家形態に特化した複合的国家編成をめぐる従来の議論を動態的な観点から刷新する目的から、全ヨーロッパを覆った政治・社会・文化的変動に応じた政体理念と統治実践との関係に着目して、「礫岩のような政体」の可変モメントと磁気的な編成を分析した。本研究は国内外の研究者と連携しながら国際比較研究として進められ、君主政や共和政などの政体概念をめぐる知見と中世から近代へと至る国家形成の知見を結びつける新たな分析枠について、総合的な議論を歴史学界に喚起した。

  • 社会主義期東欧ロシアの歴史学

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2017年03月
     

    渡邊 昭子, 吉岡 潤, 長與 進, 中澤 達哉, 山本 明代, 小山 哲, 平田 武, 中島 崇文, 百瀬 亮司, 石田 信一, 池田 嘉郎, 山崎 信一, 立石 洋子, 鈴木 健太, 小森 宏美, 木村 真, モルナール ヤーノシュ

     概要を見る

    社会主義期東欧ロシアの歴史学について、基本的な情報を調査し提示するとともに、個別テーマを設定して分析した。各地域の歴史研究を検討するうえで歴史学の専門誌は重要な基礎となることから、参加者が担当地域での歴史学雑誌や歴史研究の公開媒体について、社会主義期を中心に調査して検討した。個別テーマでは、歴史叙述の歴史や、歴史学を支えたり規定したりする機関、そして個々の歴史家などを取り上げて検討した。

  • ハンガリー・ジャコバン主義における共和政思想の転換とその展開に関する研究

    科学研究費補助金  基盤研究(C)(一般)

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

    中澤 達哉

  • ヨーロッパ境界地域の歴史的経験とパトリア意識/市民権

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2014年03月
     

    篠原 琢, 戸谷 浩, 吉岡 潤, 割田 聖史, 青島 陽子, 古谷 大輔, 小森 宏美, 秋山 晋吾, 中澤 達哉, 小山 哲, 池田 嘉郎, 平田 武, 梶 さやか

     概要を見る

    本プロジェクトは、ポーランド=リトアニア連合王国(ロシア帝国西部諸県)、ハプスブルク帝国、沿バルト地域を中心に、近世から現代にいたるネーション、およびナショナリズムの動態を分析してきた。ここでは近世から20世紀にいたる各時代の政治社会におけるネーションの多次元的な機能と構成が分析された。近世期のネーションは、多様な政治的、文化的文脈で構築され、さまざまな価値と関連付けられ、ネーション理解は単一の政治社会に収斂しない。
    近代のネーションは政治社会における多様な交渉を全的に文脈化する傾向をもつ。本研究は個別研究と比較史の方法で境界地域におけるこの過程を明らかにした。

  • ハンガリーにおける初期ジャコバン主義の生成と展開に関する研究

    科学研究費補助金  若手研究(B)

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2013年03月
     

    中澤 達哉

  • 近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

    古谷 大輔, 立石 博高, 大津留 厚, 小山 哲, 中本 香, 中澤 達哉, 後藤 はる美, 近藤 和彦

     概要を見る

    本研究は、近世ヨーロッパ周縁部の国家編成に見られた地域統合の方法と論理に着目し、戦争・内乱などの背景に立ち現れる普遍的な秩序観や君主観の存在、そうした観念に基づいて実践された統治者と地域社会の交渉、その結果としての多様な結合関係を比較した。その結果、普遍的な秩序観や君主観を脊柱としながら複数の地域が集塊する、近世ヨーロッパに普遍的な国家の輪郭を、「礫岩国家」として結論づけた。

  • 近代スロヴァキア国民形成思想史研究

    科学研究費補助金  研究成果公開促進費(学術図書)

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2010年03月
     

    中澤 達哉

  • 東欧のコミュニティ形成と地域公論及び広域公共財

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

    家田 修, 佐々木 隆生, 仙石 学, 池本 修一, 渡邊 昭子, 中島 崇文, 中澤 達哉, 石田 信一

     概要を見る

    本研究では環境問題をも含めて公共財としてとらえ、総合地球環境学研究所との連携により、文理協働型の議論を行った。この結果、従来の政治共同体を基にした地域設定による圏域の設定を超えて、環境に基づく圏域(環境広域公共圏)が現在問題になりつつあることが本研究の成果として明らかになった。また住民へのアンケート調査の結果として、想定していたよりも人々の社会的な流動性は高くなく、地域コミュニティの役割が以前よりも重要になっていることが新たな知見として判明した。

  • 中欧多民族帝国における地域・社団と議会主義的伝統に関する社会史的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2005年
    -
    2008年
     

    篠原 琢, 秋山 晋吾, 薩摩 秀登, 戸谷 浩, 中澤 達哉, 割田 聖史

     概要を見る

    「中欧多民族帝国における地域・社団と議会主義的伝統に関する社会史的研究」は、中央ヨーロッパ(ここでは旧ポーランド王国、ハプスブルク帝国の領域を想定する)における政治的代表具現の社会的・文化的機能を総合的に検討した。その結果、近世的に存在した政治的正統の概念が、人民主権を基調とするナショナリズムの時代になっても、きわめて重要な機能を維持していたことが明らかにされた。中央ヨーロッパにおけるナショナリズムは、一極に収斂しないきわめて多層的・複合的構造を持っていたのである。プロイセン領ポーランドにおける議会代表、チェコ・ナショナリズムの文化的複層性、ハンガリー王国南部軍政国境地帯の地域意識、モラヴィアの領邦としての自立性、ハンガリー王国における国王戴冠儀礼といったテーマが個別研究として展開された。また、研究機関中に行われた国際シンポジウム、「ハプスブルク帝国における議会主義」で、総合的・理論的考察が整理された。

  • 近代スロヴァキア国民形成史研究,

    科学研究費補助金  特別研究員奨励費

    研究期間:

    2004年04月
    -
    2005年03月
     

    中澤 達哉

  • Nationalism Studies

  • Slovak History

  • Modern East European History Modern Central European History

  • History of Habsburg Monarchy

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Misc

  • 『コロナの時代の歴史学』の監修にあたって

    中澤達哉

    歴史の理論と教育   ( 157 ) 47 - 50  2022年10月  [招待有り]

    記事・総説・解説・論説等(その他)  

  • 【巻頭言】民主政の危機の時代に

    中澤達哉

    図書   ( 884 ) 1 - 1  2022年08月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 【巻頭言】コロナ・パンデミックとロシア・ウクライナ戦争

    中澤達哉

    都市問題   ( 113 ) 1 - 1  2022年07月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 【批判と反省】2020年度歴史学研究会オンライン大会の記録

    中澤達哉

    歴史学研究   ( 1009 ) 17 - 24  2021年05月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 新型コロナウィルス感染症、そして、歴研のゆくえ -事務局長退任の挨拶に代えて-

    中澤達哉

    歴史学研究月報   ( 728 ) 1 - 2  2020年08月

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 次の「歴史と場」を考える

    中澤達哉

    歴史学研究月報   ( 719 ) 6 - 8  2019年11月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 101年目に向けた基盤づくりのために

    中澤達哉

    歴史学研究月報   ( 692 ) 2 - 4  2017年08月  [招待有り]

    担当区分:筆頭著者

    その他  

  • 明と暗の世紀と「トラウマ」

    中澤 達哉

    草獅子   ( 1 ) 97 - 97  2016年11月

  • スロヴァキアのシリア難民問題

    中澤 達哉

    ブルタバ   109   4 - 4  2016年10月  [招待有り]

  • 講演記録「フランス革命からファシズムまで―二宮、柴田、グラムシとの対話」(総合討論時の発言内容の掲載)

    中澤 達哉

    クリオ   30   32 - 33  2016年05月

  • 新自由主義時代における地方国立大学の「ガバナンス改革」

    中澤 達哉

    歴史評論   786 ( 786 ) 75 - 83  2015年  [査読有り]

    CiNii

  • 東欧におけるハプスブルク帝国の政治文化

    中澤 達哉

    歴史と地理:世界史の研究   240   40 - 44  2014年

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現在担当している科目

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学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    高等研究所   兼任研究所員

  • 2019年
    -
    2024年

    ナショナリズム・エスニシティ研究所   プロジェクト研究所所長

特定課題制度(学内資金)

  • 共和政の総合的研究―革命・主権・民主主義を参照軸とする再検討

    2020年   近藤和彦, 小山哲, 森原隆, 小原淳

     概要を見る

     本研究は、18-19世紀の市民革命期に欧米諸国で形成された共和政の特性を、「王のいる共和政」を起点にしつつ、君主政・立憲制・市民権・国民国家・連邦制・独裁などの国制の諸概念とその実態を参照軸に、国際比較の上で再検討した。これによって、必ずしも民主政と等価の関係にない近代共和政がもつ多様性を確認しつつ、「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への転換に着目した。 このように、欧米近代に内包される複数の様態に着目し近代の総点検を行うことにより、旧来の主権国家像および国民国家像の相対化、ひいては、近代歴史学の従来の認識とその世界史像に転換を促すことができるような将来の研究基盤を構築することができた。

  • ハンガリー・ジャゴバン主義の「王のいる共和政」理論に対するロベルピエールの思想的影響に関する国際比較研究

    2018年  

     概要を見る

     科研費等の従前の研究において、非フランス世界におけるジャコバン主義の多様性を確認しつつ、「王のいる共和政」と「王のいない共和政」の共存という近代西洋共和主義における新たな側面の通時的・動態的把握の方法とその分析枠を提示することができた(拙稿「ハンガリー初期ジャコバン主義の「王のいる共和政」理論」(森原隆編『ヨーロッパ・共生の政治文化史』成文堂、2013年、84-105頁)。 しかし、そこで対象外となっていたのが、非西欧世界のジャコバン主義とフランス・ジャコバン主義との関係性、特にハンガリー・ジャコバン主義に対するロベスピエールの思想的影響関係の考察であった。ジャコバン・ネットワークの検証は、現地ヨーロッパでも未だ展開をみない新たな研究分野である。 特定課題研究を通じて、まず初期ロベスピエール(1792年8月以前)における「王のいる共和政」論の存在を確認したほか、初期ハンガリー・ジャコバン(1793年8月)におけるロベスピエールの自然権思想の反映を実証することができた。

  • チェコスロヴァキア主義の形成と衰退

    2003年  

     概要を見る

    昨年度の課題では19世紀前半におけるチェコスロヴァキア主義の成立過程とそのナーロト概念に関する研究を行った。この成果は「1810~1820年代のチェコスロヴァキア主義におけるナーロト概念の成立」(『史観』第150冊、2004年3月)に論文としてまとめた。今年度は、研究対象時期を1830年代に絞り、チェコスロヴァキア主義の衰退過程を中心に研究した。この結果、1840年代に興隆するスロヴァキア主義に基づくスロヴァキア国民概念は、衰退期のチェコスロヴァキア主義から多くの影響を受けていることが判明した。とりわけ、女性を含む居住民全体を包摂する言語・文化的な民族概念、そうした民族の生存権などが継承されていることが分かった。これについては、現在、学術雑誌への寄稿を視野に論文化の途上にある。

  • 1820‐40年代における「チェコスロヴァキア国民」概念の形成過程

    2002年  

     概要を見る

     本研究は、1810年代から20年代の北部ハンガリー(現スロヴァキア)の福音派のチェコスロヴァキア主義者によって措定された「チェコスロヴァキア種族」(ceskoslovensky kmen)概念を重点的に検証した。この概念は、近代の北部ハンガリーにおいて構築された最後のゲンス概念であると同時に、最後のナティオの編成例であった。当概念は、伝統的なナティオ概念の特権社団性を払拭することをめざしつつ、一方で、公用語であるラテン語に代えて俗語による議論の再構成をも企図した。こうした重層的な意図のなかで、近代「国民」概念の原型となるチェコスロヴァキア主義者の「ナーロト」概念が措定されていくことになる。 本研究の成果は、特権身分層に限定される後期中世以来の伝統的なナティオ概念が、福音派のチェコスロヴァキア主義者によって、いかなる論理をもってその社団性を概念上払拭し、言語集団全体を含み込むようなナーロト概念に転化していったのか、その過程を究明した点である。とりわけ、啓蒙的理性に裏打ちされたナーロトの生存権の定立、祖国概念の再定義、女性のシンボル化によってその論理が構築されていることが解明された。こうした論理によって、言語集団全体を含むナーロト概念、すなわち、伝統的なナティオ概念から除外されていた広範な非特権層、なによりも「女性」を含み込む概念が初めて措定されたのである。下層民や女性を含む構成上平準的なナーロト概念の初の提示は、ナーロトの「解放」や「復興」ではなく、ナーロト概念の「下方拡大」という意味において、近代「国民」概念の形成史における極めて重要な位置を占めるのである。 本研究は、早稲田大学史学会編の『史観』第150冊(2004年3月)に寄稿することをめざして、現在、論文化の過程にある。