2024/10/10 更新

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ツチヤ アキオ
土谷 彰男
所属
法学学術院 法学部
職名
教授
学位
文学修士 ( 早稲田大学 )

経歴

  • 2018年04月
    -
    継続中

    早稲田大学   法学学術院   教授

  • 2013年04月
    -
    2018年03月

    早稲田大学   法学学術院   准教授

  • 2010年04月
    -
    2013年03月

    早稲田大学   法学学術院   専任講師

  • 2009年04月
    -
    2010年03月

    早稲田大学   法学学術院   講師

  • 2006年04月
    -
     

    早稲田大学   文学研究科中国語・中国語文学専修   助手

学歴

  •  
    -
    2008年

    早稲田大学   大学院文学研究科博士後期課程   中国語・中国文学  

  •  
    -
    2006年

    北京大学   中国語言文学系高級進修生  

  •  
    -
    2003年

    早稲田大学   大学院文学研究科修士課程   中国文学  

委員歴

  • 2019年04月
    -
    2021年03月

    日本中国学会  大会委員会委員

  • 2018年04月
    -
    2019年03月

    中唐文学会  大会幹事

  • 2013年04月
    -
    2016年03月

    早稲田大学中国文学会  監事

  • 2011年04月
    -
     

    中国詩文研究会  編集委員会委員

所属学協会

  •  
     
     

    早稲田大学法学会

  •  
     
     

    日本漢詩文学会

  •  
     
     

    早稲田大学総合研究機構 中国古籍文化研究所

  •  
     
     

    中国詩文研究会

  •  
     
     

    早稲田大学中国文学会

  •  
     
     

    中唐文学会

  •  
     
     

    中国劉禹錫研究会

  •  
     
     

    中国唐代文学学会

  •  
     
     

    日本中国語学会

  •  
     
     

    日本中国学会

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研究分野

  • 中国文学 / 外国語教育   中国語 / 文学一般

研究キーワード

  • 中国文学

  • 中国詩文

  • 中国古典文学

  • 中国古典文学理論

  • 中国古典詩歌

  • 中唐文学

  • 杜甫

  • 韋応物

  • 白居易

  • 劉禹錫

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論文

  • 韋応物の世系について——韋応物墓誌の分析(三)

    土谷彰男

    中国詩文論叢   ( 42 ) 81 - 94  2023年12月  [査読有り]

    担当区分:筆頭著者, 最終著者, 責任著者

  • 古今紀要校訂稿(巻11)

    土谷彰男

    researchmap.jp/aktsuchiya/published_works/    2023年02月

     概要を見る

    本稿は、南宋・黄震の『古今紀要』十九巻について、そのうち巻十一に見える記事の本文を校訂したものである。

  • 韋応物の滁江二州における治績に関する一考察(下)——韋応物墓誌の分析(二)

    土谷彰男

    中国詩文論叢(中国詩文研究会)   ( 41 ) 55 - 76  2022年12月  [査読有り]

  • 『古今紀要』人名索引(唐玄宗〜懿宗篇)

    土谷彰男

    『中唐文学会報』   ( 29 ) 111 - 143  2022年10月

     概要を見る

    本稿は、南宋・黄震の手になる『古今紀要』十九巻のうち、おもに盛中晩唐にわたる記事、すなわち巻十一〜十四の四巻に見える、玄宗〜懿宗十二代の人名の索引である。

  • 唐徳宗朝・貞元四年の重陽賜宴と韋応物をめぐって――貞元文壇に関する考察

    土谷彰男

    『人文論集』(早稲田大学法学会)   No. 60(2021)   93 - 130  2022年02月

     概要を見る

    The Empire and its Banquet: Study of Wei Yingwu, the Classical Chinese Poet in the Tang Dynasty, Attended a Chrysanthemum Festival in the Period of Emperor De-zong

  • オンライン授業実施に向けた法学部中国語科目によるWaseda Moodleを利用した中国語初級科目コンテンツの構築の試み

    土谷彰男

    『人文論集』(早稲田大学法学会)   No. 59(2020)   140 - 166  2021年02月

    担当区分:筆頭著者

     概要を見る

    An Attempt to Create an Overall Framework for Delivering On-Demand Content to the Chinese Basic Classes by the Chinese Language Team in the Faculty of Law Using the “Waseda Moodle” toward Online Learning Programs

  • 韋応物の滁江二州における治績に関する一考察(上) —— 韋応物墓誌の分析(一)

    土谷彰男

    『中国詩文論叢』(中国詩研究会)   ( 39 ) 95 - 116  2020年12月  [査読有り]

     概要を見る

    A Study of Wei Yingwu 韋應物's Political Achievements During His Staying in the Two States of Xu zhou 滁州 and Jiang zhou 江州: An Analysis of the Epitaph Of Wei Yingwu (I)

  • 【報告】中唐文学会第29回大会(2018年度)を振り返って

    土谷彰男

    『中唐文学会報』(中唐文学会)   ( 27 ) 49 - 56  2020年10月

  • (書評)『高橋和巳の文学と思想——その<志>と<憂愁>の彼方に』の書評に代えて 中村隆之氏「高橋和巳における政治性の否定」の読後所感

    土谷彰男

    『人文論集』(早稲田大学法学会)   No. 58(2019)   165 - 173  2020年02月

     概要を見る

    An Impression after Reading the Essay of "Kazumi Takahashi's Denial of Political Ideologies" by Takayuki Nakamura: As an Alternative to the Review of "Kazumi Takahashi's Literature and His Philosophy: Beyond the Ambition and Melancholy"

  • 李紳における韋応物の文学について——「和韋応物登北楼詩」の考察

    土谷彰男

    『人文論集』(早稲田大学法学会)   No. 58(2019)   89 - 110  2020年02月

     概要を見る

    How Did Wei Yingwu 韋應物's Literary Works Influence Li Shen 李紳?: A Probe of His Poem Titled "He Wei Yingwu Deng Beilou 和韋應物登北樓"

  • 白居易の青年期における選良意識について——慚愧の表白をめぐる韋応物との対比を通して——

    土谷彰男

    『中国文学研究』(早稲田大学中国文学会)   ( 43 ) 1 - 20  2017年12月  [査読有り]

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    白居易青年時期的精英意識 -就"慚愧的表述" 與韋應物進行對比
    Bai Juyi 白居易's Elitism in his Youth -in Comparison with Wei Yingwu 韋應物 about their Expressions of Shame

    本稿圍繞白居易青年時期的精英意識展開,探討了在唐代士大夫階層的精英意識結構內,以身為士大夫的義務性和正當性為前提,表述慚愧之情的行為,並論述了白居易在面對身為臣子的自我意識與社會現實之間存在的矛盾時所採取的做法。作為對比,首先以韋應物(735-790?)為例進行了考察。在晚年任蘇州刺使期間,韋應物身為士大夫的精英意識以表述自身慚愧之情為基礎被進一步正當化,俱有大氣暢達這一個人特色的太守文學也隨之誕生(慚愧的正當化)。本稿在此基礎上對白居易進行了考察。出於慚愧之情,白居易表露了自身對任命者即皇帝所懷的愧疚感,而在深入接觸社會現實的過程中,其自發的、俱有實質性的個人意識逐漸融入到這種慚愧之情當中(慚愧的內化),諷喻作品之一的《新樂府》五十首也由此誕生。
    【關鍵詞】 白居易 韋應物 慚愧之情 精英意識 諷喻詩 新樂府

  • 白居易、劉禹錫對韋應物“雅韻”的接受——以白居易“警策”之評為線索

    土谷彰男

    《劉禹錫研究》(曁南大學出版社)   ( 1 ) 90 - 101  2017年05月  [招待有り]

  • 洛漕斗門考――白居易「三月三日祓禊洛濱」詩をめぐって

    土谷彰男

    『植木久行教授退休記念 中国詩文論叢』(中国詩文研究会)   33   207 - 220  2014年12月

     概要を見る

    A Note on Luocao Doumen 洛漕斗門: Concerning Bai Juyi 白居易's Poem 'San Yue San Ri Fuxi Luobin' 「三月三日祓禊洛濱」

    CiNii

  • 中唐詩人秦系詩評考述—并論大暦詩人劉長卿與貞元詩人韋應物的劃分和對比

    土谷彰男

    《社會科學戰線》(吉林省社會科學院)   2013 ( 11 ) 230 - 237  2013年11月  [査読有り]

  • 杜陵野客と腐儒

    土谷彰男

    『生誕千三百年記念 杜甫研究論集』(研文出版)    2013年10月

  • 顧況文學及其文學觀―對中唐蘇州文壇的文學理論形成之影響

    土谷彰男

    《中國文論的思想與情境:古代文學理論研究》(華東師範大學出版社)   ( 34 ) 248 - 257  2012年06月

  • 『韋蘇州集』所収の伝記資料に関する一考察 —「没年疑案」問題を手がかりとして

    土谷彰男

    『中国文史論叢』(中国文史研究会)   ( 8 ) 35 - 46  2012年03月

    CiNii

  • 唐玄宗公讌附行幸年表

    土谷彰男

    『中国詩文論叢』(中国詩文研究会)   29   2 - 27  2010年12月

     概要を見る

    Chronology of Tang-era 唐 Emperor Xuanzong 玄宗's Public Banquets including Visitations

    CiNii

  • 戴偉華「李白の悲劇と詩」

    戴偉華, 土谷彰男

    『中唐文学会報』(中唐文学会)   17 ( 17 ) 62 - 84  2010年10月

    CiNii

  • 秦系伝小考—―李昭{王+己}「跋秦系詩」をめぐって

    土谷彰男

    『中唐文学会報』(中唐文学会)   ( 16 ) 63 - 78  2009年10月

    CiNii

  • 秦系詩評考—―韋応物との唱和詩を中心として

    土谷彰男

    『中国詩文論叢』(中国詩文研究会)   27   56 - 73  2008年12月

     概要を見る

    Critical Comments Posthumously Written on Qin Xi 秦系's Poetry: Particularly on the Poems he made in Correspondence with Wei Yingwu 韋應物

    CiNii

  • 關於皎然《詩式》与大暦貞元文學的劃分−以中唐蘇州文學爲中心

    土谷彰男

    《唐代文學研究》(中國唐代文學學會/廣西師範大學出版社)   12   588 - 602  2008年10月

  • 白居易・劉禹錫における『雅韻』の受容について—―白居易『警策』評を手がかりとして—

    土谷彰男

    『中国文学研究』(早稲田大学中国文学会)   33   29 - 43  2007年12月  [査読有り]

    CiNii

  • 絶句の発展と盛唐絶句芸術

    銭志煕, 土谷彰男

    『中唐文学会報』(中唐文学会)   14 ( 14 ) 29 - 50  2007年10月

    CiNii

  • 【報告】中国国家図書館所蔵『韋蘇州集』善本について

    土谷彰男

    日台共同研究・公開国際シンポジウム「文献学」研究報告概要    2007年09月

  • 中唐蘇州文壇の理論形成における顧況の文学とその文学観について

    土谷彰男

    『早稲田大学文学研究科紀要 第2分冊』(早稲田大学)   第52輯・第2分冊   41 - 49  2007年02月

    CiNii

  • 【報告】第13回唐代文学会に参加して

    土谷彰男

    日本中国学会便り(日本中国学会)   10 ( 2 ) 6 - 7  2006年12月

  • 韋応物「驪山行」詩考

    土谷彰男

    『中国詩文論叢』(中国詩文研究会)   25   93 - 109  2006年12月

     概要を見る

    Wei Yingwu 韋應物's Verse Lishan Xing 「驪山行」

    CiNii

  • 【報告】第五回『文学遺産』論壇に参加して」

    土谷彰男

    『中国古籍文化研究』(早稲田大学中国古籍文化研究所)   4 ( 4 ) 150 - 153  2006年03月

    CiNii

  • 中唐初期における蘇州文壇の形成についての一考察—文学理論の展開と五言古体詩について—

    土谷彰男

    『松浦友久博士追悼記念中国古典文学論集』(研文出版)     541 - 554  2006年03月

  • 中国国家図書館所蔵『韋蘇州集』善本について

    土谷彰男

    『早稲田大学文学研究科紀要 第2分冊』(早稲田大学)   第50輯・第2分冊   97 - 106  2005年02月

    CiNii

  • オンデマンドシステムによる中国語教育の可能性について

    土谷彰男, 共著

    コンピュータ&エデュケーション   17   159 - 165  2004年12月

     概要を見る

    【関連リンク】
    https://www.ciec.or.jp/media/004/201602/17contents.pdf

    DOI CiNii

  • 「理」の諸相――「是非」の価値対立における陶淵明、韋応物、白居易の異同

    土谷彰男

    『中国詩文論叢』(中国詩文研究会)   21   210 - 226  2002年12月

     概要を見る

    Aspects of Li 理: How Tao Yuanming 陶淵明, Wei Yingwu 韋應物 and Bo Juyi 白居易 Dealt with the Conflicts of values

    CiNii

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書籍等出版物

  • 中国詩跡事典 漢詩の歌枕

    植木久行

    研文出版  2015年03月 ISBN: 9784876363933

  • 総合現代中国語—会話と閲読

    土谷彰男, 共著

    中国詩文研究会・東方書店  2012年04月 ISBN: 9784990237608

  • 書いて覚える中国語—文法ドリル初級編

    楊達, 土谷彰男, 共著

    早稲田大学  2005年04月 ISBN: 9784887522879

講演・口頭発表等

  • 中國國家圖書館所藏明刊本《韋蘇州集》及其詩型分類刻本的淺析與探討

    土谷彰男  [招待有り]

    2024東亞漢籍研究國際學術研討會(北京大學)  

    発表年月: 2024年07月

  • 淺分中唐江州的政治社會情況對於韋應物詩歌意象的影響:從墓誌與詩歌研究談起

    土谷彰男

    東亞漢籍整理與研究學術研討會(復旦大學)  

    発表年月: 2023年12月

    開催年月:
    2023年12月
     
     
  • 白居易の諷諭詩について――中唐士大夫官僚における選良意識の展開を通じて

    土谷彰男

    日本漢詩文学会第十三回例会   (共立女子大学)  日本漢詩文学会  

    発表年月: 2019年03月

  • 中国国家図書館所蔵『韋蘇州集』善本について

    土谷彰男

    慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・日台共同研究・公開国際シンポジウム「文献学」   慶應義塾大学附属研究所斯道文庫  

    発表年月: 2007年06月

  • 徳宗・貞元期の文学における『中央と周辺』の意味 ――『江南詩人』の観点と貞元文学の位置についての考察

    土谷彰男

    日本中国学会 第58回大会研究発表   日本中国学会  

    発表年月: 2006年10月

  • 關於皎然『詩式』與大暦貞元文學的劃分 ――以中唐蘇州文壇為中心

    土谷彰男

    中国唐代文学学会第十三屆年會暨唐代文學國際學術研討會   中國唐代文学学会 ・首都師範大學文學院・首都師範大學中國詩歌研究中心  

    発表年月: 2006年08月

    開催年月:
    2006年08月
     
     
  • 徳宗期の文学――中唐文学における『中央と周辺』の観点をめぐって

    土谷彰男

    早稲田大学 中国文学会 第31回春季大会   早稲田大学 中国文学会  

    発表年月: 2006年06月

  • 白居易評『警策』考――韋應物『兵衛森畫戟,燕寢凝清香』句與白居易的影響關係

    土谷彰男

    2005'白居易詩歌國際研討會   洛陽龍門石窟研究院 ・洛陽市党委員会  

    発表年月: 2005年10月

  • 關於在中唐初期形成的蘇州文壇――文學理論的展開與五言古體詩歌的關係

    土谷彰男

    第五屆「『文學遺產』論壇」暨編委會擴大會議   中國社會科學院  

    発表年月: 2005年10月

  • 中国語教育におけるオンデマンドシステムと言語テスト(予講集)

    楊達, 土谷彰男

    2004PCカンファレンスコンピュータ/ネットワーク利用による異文化環境と外国語教育分科会   (神戸大学)  CIEC・コンピュータ利用教育協議会  

    発表年月: 2004年08月

  • 蘇州文壇の形成についての一考察

    土谷彰男

    早稲田大学21世紀COEプログラム・アジア地域文化エンハンシング研究センター 第13回定例研究会   早稲田大学21世紀COEプログラム・アジア地域文化エンハンシング研究センター  

    発表年月: 2004年06月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 新出韋応物墓誌に基づく中唐詩人韋応物の考察と唐代詞臣の文学に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    土谷 彰男

 

現在担当している科目

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社会貢献活動

  • GEC手話科目開講記念シンポジウム 「日本手話を学ぼうー日本にある『もう一つの言語』の習得を目指して!」

    早稲田大学グローバルエデュケーションセンター 

    2019年12月
    -
     

     概要を見る

    【関連リンク】
    https://www.waseda.jp/inst/gec/news/2019/11/20/8122/

学術貢献活動

  • 第74回日本中国学会大会

    大会・シンポジウム等

    2022年10月
     
     
  • 2018年度中唐文学会大会幹事

    2018年04月
    -
    2019年03月
  • "中國劉禹錫研究会"落戸連州

    中國劉禹錫研究会  

    2015年11月
     
     

特別研究期間制度(学内資金)

  • 中国古典文学研究 とりわけ中唐文学に関する研究

    2020年04月
    -
    2021年03月

    中国   北京大学

特定課題制度(学内資金)

  • 中唐徳宗朝における文学の形成と動向に関する研究

    2023年  

     概要を見る

    中唐文学の展開を考察するにあたって、蒋寅氏は「貞元八年」がひとつの画期をなすと唱えた(1994・1995・2004年)。これは、大暦時代の終焉と貞元時代の開始なすものであり、中唐文学を前後期と分けるものであるとされる。本研究においてはこのうち前者について、すなわち、権徳輿が台閣文学の中心にあったことについて、蒋寅氏が取り上げる権徳輿「韋賓客宅宴集詩序」(貞元二十年の作)に対してこれを詳細に分析し、そこに登場する韋夏卿󠄁などの人物を取り上げ「礼官之籍(勲籍)」とも言われた、この当時の文儒の実態を考察した。これとはほかに、大暦十才子について、このうち盧綸は晩年その詩が徳宗の意にかなうものであって(貞元年間後期)、その子・盧簡辞の伝には文宗の盧綸詩愛好が述べられており、これらは、晩唐の姚合『極玄集』に続く流れにあると見られるが、その際、権徳輿を領袖とする台閣文学の一翼を担い、盧綸を甥に持ち徳宗との仲介を果たした韋渠牟に着目しこれの分析を通じて、貞元年間以降における大暦十才子や大暦文学の受容と展開の考察を試みた。なお、本研究の成果はこれに係る論稿が『人文論集』(法学会紀要)に掲載される予定である。

  • 中唐徳宗朝における文学の形成と動向に関する研究

    2021年  

     概要を見る

    本研究課題においては、貞元4年(788)に徳宗の重陽賜宴において韋応物がこれに預かったことに着目し、貞元初期の前後における実態を解明すべく、これを礼制儀典の復旧及び文壇の構成人物の観点から考察検討を行なった。その結果、礼制儀典の復旧については、当時は「文経」(詩文経学)の世が求められるなか、貞元四年は廟楽の整備並びに三節会の設置を通じて「大唐開元礼」の復旧が目指され、また饗宴を通じて玄宗御世の再興が図られ、このうち廟楽の整備では、武成王廟のありかたをめぐって李紓・包佶・于邵の動向を解明し、また陸淳(陸質)の議論の分析を通じて、当時は太宗・貞観及び玄宗・開元の唐朝最盛の重層のうえに成り立つことを示そうとしていたことを明らかにした。また、文壇の構成人物については、重陽賜宴の参与者である李紓(並びに盟主として李紓と並ぶ包佶)及び于邵、並びに鮑防及び劉太真の役割や意義などをそれぞれ分析し、このうち劉太真については蘇州刺史の韋応物の郡斎宴の詩に応じた際、その作に正統典雅を認め、韋応物の作に当今の御世をことほぐ頌声の文学の復活を見出したことにおいて、貞元四年の重陽賜宴のありかたが影響していることを明らかにした。本研究課題は今後、文学史における貞元と元和の接続を検討するうえで関鍵となる、「貞元八年」命題(蒋寅)の究明、「在鎬之義」の検討、またこれ以降の周辺文学と台閣文学との具体的な関係性の分析が引き続き求められよう。

  • 中唐における文学活動の地域性と文学理論の展開に関する研究

    2007年  

     概要を見る

    報告者は、先に「中唐期における文学活動の地域性と文学理論の展開についての考察」を行い、そのなかで、中唐初期における韋応物を中心とした蘇州文壇について、この文壇が中央朝廷と対峙することによって形成されたその具体相を示した。本研究においては、その成果を踏まえたうえで、この文壇の後世への影響について、とくに、これまで作家研究において韋応物との関連が指摘されてきた白居易に関して、彼の評価を手がかりとしてこの文壇が如何なる影響を及ぼしていたのかを考察した。その結果、蘇州文壇の形成によって韋応物の文学が「雅韻」の評価のもと、この時期の蘇州の士大夫文学の規範として受容されていたこと、これは白居易ばかりでなく劉禹錫にも同様の影響が確認できることを指摘した。そもそも徳宗朝廷の規範的な文学に対峙するものとして蘇州文壇の形成をみたのではあるが、この文壇の文学が後世においては規範的なるものへと転回したことは、この時代の文学を観察することにおいて、有意の成果を得たと考える。

  • 中唐期における文学活動の地域性と文学理論の展開についての考察

    2006年  

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    報告者は先に本考察に関わる基礎的研究として「中唐初期における蘇州文壇形成についての一考察」と題する論文を執筆し、蘇州文壇における中唐詩人韋応物の役割とその文壇の文学理論を考察した。本考察ではそれにもとづき中央朝廷と対峙する形によって蘇州文壇が形成されたその具体相を明らかにし、また文壇の構成員たる皎然、顧況、劉太真について個別的に考察を行った。その結果は次の通りである。(1)唱和応酬の場における徳宗朝廷と地方との創作の状況に沿って蘇州文壇が独自の文学観のもとに創作活動を繰り広げていたこと、(2)皎然「詩式」に見られる詩歌観は蘇州文壇のそれと軌を一にし貞元期の江南詩人の活動を浮き彫りにさせ、これにより従来その区別が曖昧であった大暦と貞元の文学の差異を明らかにしうるものであること、(3)復古に価値を置き儒家的観念を文学の中心に置いていた顧況はもう一方に存在する南朝文学という文学観念との相克を乗越える視点を獲得したため多面的な創作活動を行いえたこと、(4)朝廷文壇の領袖のひとりであった劉太真も載道主義から蘇州文壇における南朝文学への発見と至る過程において顧況と同じような経路を歩んでいた可能性があることこれらの結果は、蘇州文壇の形成と皎然については、「早稲田大学中国会第31回春季大会研究発表」(6月17日於早稲田大学文学部)、および「第13回中国唐代文学会国際大会」(8月26日於中国北京・首都師範大学)において発表を行ったものである。また江南詩人における大暦・貞元の文学の画期については、「日本中国学会第58回大会研究発表」(10月8日於大東文化大学)において発表を行ったものである。また、顧況・劉太真については、「中唐蘇州文壇の理論形成における顧況の文学とその文学観について」を執筆したものである。報告者はまた、蘇州文壇の領袖である韋応物の文学に関して、彼の文学活動の初期段階における多様性に着目し、韋応物の文学活動の一端を明らかにした。その成果は、「韋応物『驪山行』詩考」にまとめた。これら一連の研究は、作家論的観点から韋応物その人の文学、あるいはそれを取り囲む詩人群の文学を解明するのに資するのみならず、文学理論的観点から唐詩における唐代中期の文学潮流の変化について一定の理解を示しえたという点において成果を残したと考える。