2022/05/26 更新

写真a

アサダ タダシ
浅田 匡
所属
人間科学学術院 人間科学部
職名
教授

兼担

  • 人間科学学術院   大学院人間科学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学歴

  •  
    -
    1985年

    大阪大学   人間科学研究科   教育学  

  •  
    -
    1985年

    大阪大学   人間科学研究科   教育学  

  •  
    -
    1982年

    大阪大学   人間科学部   人間科学科  

学位

  • 修士

所属学協会

  •  
     
     

    イギリス教育学会

  •  
     
     

    日本人間性心理学会

  •  
     
     

    アメリカ教育学会

  •  
     
     

    日本教育心理学会

  •  
     
     

    日本教育工学会

  •  
     
     

    日本教育方法学会

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研究分野

  • 教育学

  • 教育心理学

  • 教育工学

研究キーワード

  • カリキュラム・教授法開発、アクションリサーチ、メンタリング、学校教育、自己概念の発達

論文

  • アクションリサーチに基づく教師の力量発達を支援するメンタリングに関する研究

    浅田 匡

    科学研究費補助金(基盤(B)(1))研究成果報告書    2005年03月

  • 教育目標と評価基準を考える

    浅田 匡

    教育フォーラム 金子書房   ( 35 ) 6 - 15  2005年02月

  • 教師として成長すること−教員の資質向上を考える−

    浅田 匡

    日本教育新聞社    2004年12月

  • 指導力を育成する教師教育

    浅田 匡

    教育フォーラム 金子書房   ( 34 ) 72 - 84  2004年08月

  • 教師教育の視座に立つ子どもの社会化と教師の認知様式に関する実践研究

    浅田 匡, 蘭千壽他

    科学研究費補助金研究報告書(基盤研究B(2))    2000年03月

  • 授業設計・運営における教室情報の活用に関する事例研究:経験教師と若手教師との比較

    浅田 匡

    日本教育工学雑誌   22 ( 1 ) 57 - 69  1998年06月

  • テレビゲーム・アニメーションの面白さに関する研究−時間変数に着目して−

    浅田 匡, 米田麻美

    神戸大学発達科学部研究紀要   5 ( 2 ) 167 - 187  1998年03月

  • 子どもの「自己」把握様式と教育評価との関係

    浅田 匡

    神戸大学発達科学部研究紀要   5 ( 1 ) 245 - 261  1997年09月

  • 授業場面における経営行動の抽出とそのモデル化−授業分析における経営的視点の導入について−

    浅田 匡, 佐古秀一

    日本教育工学雑誌   15 ( 3 ) 105 - 113  1991年12月

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書籍等出版物

  • 実践研究における理論の探求−実践の改善プロセスにおける研究とは−

    浅田 匡

    『教育心理学の新しいかたち』 誠信書房  2005年02月

  • 授業体験の知

    浅田 匡

    『授業の知 学校と大学の教育革新』 有斐閣  2004年02月

  • 中等教育ルネッサンス−生徒が育つ・教師が育つ学校づくり−

    中島章夫, 浅田 匡

    学事出版  2003年03月

  • 教授学習過程における「時間」の意味を考える ヒトの反応時間に着目した授業分析

    浅田 匡

    『教育実践を記述する 教えること・学ぶことの技法』 金子書房  2002年02月

  • 成長する教師〜教師学への誘い〜

    浅田 匡

    金子書房  1998年05月

Misc

  • アクションリサーチに基づく教師の力量発達を支援するメンタリングに関する研究

    浅田 匡

    科学研究費補助金(基盤(B)(1))研究成果報告書    2005年03月

  • 教育目標と評価基準を考える

    浅田 匡

    教育フォーラム 金子書房   ( 35 ) 6 - 15  2005年02月  [査読有り]

  • 教師として成長すること−教員の資質向上を考える−

    浅田 匡

    日本教育新聞社    2004年12月  [査読有り]

  • 指導力を育成する教師教育

    浅田 匡

    教育フォーラム 金子書房   ( 34 ) 72 - 84  2004年08月  [査読有り]

  • 教師教育の視座に立つ子どもの社会化と教師の認知様式に関する実践研究

    浅田 匡, 蘭千壽他

    科学研究費補助金研究報告書(基盤研究B(2))    2000年03月  [査読有り]

  • 授業設計・運営における教室情報の活用に関する事例研究:経験教師と若手教師との比較

    浅田 匡

    日本教育工学雑誌   22 ( 1 ) 57 - 69  1998年06月  [査読有り]

  • テレビゲーム・アニメーションの面白さに関する研究−時間変数に着目して−

    浅田 匡, 米田麻美

    神戸大学発達科学部研究紀要   5 ( 2 ) 167 - 187  1998年03月  [査読有り]

  • 子どもの「自己」把握様式と教育評価との関係

    浅田 匡

    神戸大学発達科学部研究紀要   5 ( 1 ) 245 - 261  1997年09月  [査読有り]

  • 授業場面における経営行動の抽出とそのモデル化−授業分析における経営的視点の導入について−

    浅田 匡, 佐古秀一

    日本教育工学雑誌   15 ( 3 ) 105 - 113  1991年12月  [査読有り]

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受賞

  • 日本教育工学会研究奨励賞(前任校)

    1994年10月  

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 感情的意思決定論による授業場面での教師の認知・判断・思考に関する実証研究

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

  • 幼稚園教師のわざとしての教師の動線と思考内容との関連

    研究期間:

    2020年07月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    本研究は,机上シミュレーション法を開発し,幼稚園教師の判断・思考と行為との関係を明らかにすることが目的である。教師の保育の動き(動線)は教師のスキルとして重要であり,教師の判断・思考と行為との関連を捉えるには適しており,兵庫県内の国公立幼稚園を対象とする。机上シミュレーション法は,模造紙上に幼稚園の平面図を印刷し,そこに幼稚園の施設と園児を配置し,保育者が想定する動線を描きながら思考内容を発話する方法である。この方法によって教師の判断・思考と行為との関係のパターンを抽出し,その関係を明らかにすることができる。この点は,教師教育研究上の意義は大きいと考えられる

  • 授業認知の位相転換に基づく授業技術の向上を支援するVR映像プラットフォームの構築

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    2019年度は、1)授業の設計、2)授業の360°カメラによる記録、3)VR映像による授業検討とそ の記録を行い、4)授業プロトコルと映像を合成してプラットフォームの基礎データを作成した。これをもとに、5)教員研修のために暗黙知、メンタリング 、非同期的研修を行った。 1)授業の設計では教材解釈・授業方略・授業メディア・学習者特性などを記録し、2)授業記録は360°カメラ2台とワイアレスマイクでの音声を合成しVR映像を作成した。3)このVR映像を活用し、非同期型の授業検討を実施し、エビデンスべースによる暗黙知の表出を試みた。暗黙知を含む熟達者のわざを記録し抽出するには、長期に渡る授業記録を必要とすることから、定期的に授業をVR記録した。このことで、子どもの成長発達に応じた教師のわざが把握され、わざの特性が映像として記録把握できた。本年度は、VRによる授業検討会を実質化することで、教師及び参観者が自らのわざをVR映像をもとに授業認知・判断・決定を語ることで、自己のわざを対象化する とともに、各自の主観を語り交換しあうことで、授業研究にける間主観性を組みこんだ体制を検討することができた。VR授業検討をとおして、従来の非同 期的検討会とともに新たな非同期的研修の基礎データを得ることができた。以上の研究成果は、INTERNATIONAL CONFERENCE COGNITION AND EXPLORATORY IN DIGITAL AGE,日本教育工学会、日本教育実践学会、日本教師学学会 等で発表した。現在までに、360度カメラを駆使して授業を記録し、VR授業映像を開発した。これを授業者及び授業参観者に活用してもらう過程を経て、① 授業者が自己の授業を省察する際にVR授業の意義を、従来のビデオと比べて、明確に意識するようになった。②授業参観者の授業認知が、一過性ではなく、VRによる再生可能性により、他者の認知の多様性を知るようになった。③本システムの構内研修への活用は、VR編集などテクニカルな要素があり、直ちに一般校へは課題があるが、その可能性が確かめられた。④海外の学会発表もVR授業研修は評価された。開発したVR授業映像を、一般の教師に活用してもらい、非同期的授業研修での有用性を確認するとともに、暗黙知としての教師のわざの習得に関わり研究成果をまとめ、社会に公表する

  • 状況に埋め込まれた知としての「わざ」に関する総合的研究

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    教師および看護師の「わざ」に関するこれまでの研究成果の公開と海外での「わざ」伝承に関する教育プログラムの交流を目的とした国際カンフェランスを2019年11月に東京と神戸で開催した。研究成果の1つである机上シミュレーション法に加えて,アバターによるシミュレーション教育(USA),看護教育におけるリフレクティブ・ナーシング(UK),リーダーシップ・コーチング(NZ),そして,work-based education(TH)の専門家によるシンポジウム及びワークショップ,さらに,国内の研究者による発表を行い,研究交流を行った。参加者は,看護教育,学校教育関係者でいずれもほぼ100名の参加者であった。研究成果の評価だけでなく,教師や看護師の「わざ」研究の研究グループが新たに構築できたことも研究成果と評価できる。これからの研究展開として,教師教育領域においては,幼稚園教師の動線と思考過程との関連に机上シミュレーション法の特徴が活かせるとの発想から,発展研究として保育における教師の動線と思考に関するパイロット研究を行った。分析は十分に行ってはいないが,少なくとも保育についての教師の具体的なイメージと思考内容,特にどの子どものどのような遊びに注目しようと考えているか,ということとの関連性が重要であることが示唆された。また,小学校教師については,ウェアラブル・カメラによる授業記録の分析法として,教師の視線の方向と動きとの関係を図示し,授業の言語記録との照合により教師の授業認知の検討を行った。ただ,現段階では視線と動きがかなり細かいため,具体的な記述レベルにとどまっている。さらに,これらを継続発展する予定である。また,看護領域では,臨地実習指導者を対象に看護学生に対する教育的判断過程における看護実践と教育実践との不可分な関係を明らかにし,机上シミュレーションの教材化への可能性を示した。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない

  • 自動化とSensemakingの観点から捉える教師の熟達過程に関する研究

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    本研究は教師の授業をする力量の形成と熟達化の過程を,授業者の授業経験の積み重ねによる教授行動の“自動化”と授業者が個々の授業中に何に気づきその気づいた内容にどのような意味を付与するのかという“Sensemaking”という2つの観点から捉えるものである。6年間にわたり教員志望の教職課程大学生と初任者教員を対象として,模擬授業及び授業を撮影した動画と授業者の生理的指標から得られる心理的作業負荷をキューとした精緻なリフレクションの内容をデータとして収集し,授業者の思考内容と意志決定を分析,検討した。そして教師として成長,熟達化する中で,教師が授業をしながら何を意識するようになるのかだけでなく,何を意識しなくなっていくのかについても明らかにした。データの収集,分析を行った結果,以下のような知見が得られた。(1)教職課程の大学生及び教員は授業の精緻なリフレクションのためのキューとして,授業を撮影したビデオとその際に心拍計を用いて収集したR-R intervalから算出されたリラックス率を用いることができる。(2)そして,経験の少ない段階では教授活動内の自身の行動とその予定のみを意識し「授業時間に自分や子どもが予定通り予想通りに活動すること」に主眼をおいた授業とリフレクションをする。だが,仲間や同僚,指導者などの指導を受けながら同じ内容の授業をより改善することを目指して授業を繰り返すこと,様々な異なる内容の授業を経験すること,仲間や同僚の授業及びその振り返りを見学することなどを通じて,自らの行動やその予定についての集中的な思考が減少し,それ以外の内容を思考する余裕が生まれる。(3)さらにその余裕の中で思考するべき内容についての理解が,子どもの将来など広範囲に渡る教育の影響や目的をイメージした授業,子どもの反応にあわせた臨機応変に対応する授業をする力量のもととなる

  • 若手教員育成のための介入授業型メンタリングシステムの基礎研究

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

     概要を見る

    若手教員の教授技術の習得・向上を目的としたメンタリング・システムの開発を行った。本システムは、共同の授業設計、授業中の認知的介入、授業後の介入場面についての省察的対話、の3フェーズから構成されている。本システムを用いて小学校3名と中学校1名の若手教員を対象にメンタリングを合計5回行い、指導教師と若手教師の対話の分析を行った。その結果、指導教師による具体的な状況における教授技術の提示は、若手教師にとって効果あることが示されたとともに、事後の話し合いによって、なぜその教授技術が用いられたのかというメンターの個人的実践理論が明示され、教師教育における教授技術の教育可能性が示された

  • 多世代型アプローチによる認知症高齢者支援プログラムの開発

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    [目的]本研究は、多世代参加型の認知症支援プログラムを開発することを目的としている。 [方法]東京近郊の都市において、以下の6つのアクションリサーチを行い、2年後に効果測定を実施した。【認知症の学習活動】【ボランティア集団の創出】【地域医療・介護連携活動】【高齢者団地調査】【小学生を対象とした認知症教育】【マインドフルネスによる介護者支援】 [結果] 6つのアクションリサーチは、活動するボランティアを増やす効用はなかったが、「居住する地域で他の人の役に立ちたい」と考えている人は有意に増加した。[結論]ボランティア自身を支援する体制を組み込むことで、住民が実際の支援者となり得ることが示唆された

  • 若手教員育成のための介入授業型メンタリングシステムの基礎研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(挑戦的萌芽研究)

    研究期間:

    2014年
    -
    2016年
     

  • 新しいネットワーク型幼稚園研修システム開発の基礎研究

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

     概要を見る

    ネットワーク型の幼稚園研修システムの開発をめざして,複数幼稚園の教師からなる研究会を組織し,ネットワーク上のリソースとして指導案及びビデオクリップの有用性を探った.その結果,いずれも教師の保育実践に関する知識や信念,あるいは保育観の問い直しに有用であることが示唆された.しかしながら,その教師間の相互作用には批判的な問いかけが必要であり,本研究では大学教員がその役割を果たした.ネットワーク型研修システムにおいてリソースして指導案およびビデオクリップのデータベース化と教師間の相互作用におけるマネジメントの役割が必要要件であることが示された.今後,個々の具体的な問題に対応することが課題である

  • 教師自作テストに見る中学校教師が有する認知的学力構造の探索的研究

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

     概要を見る

    中学校教師を対象に,テストを作成する時に意識していることや,作成したテストそのものを見直して,工夫や特徴などを尋ねる聞き取り及び質問紙調査を実施した。その結果,テスト作成時に教師が保持している観点として,「評価情報の活用」「生徒にとっての難易度」などを抽出した。担当する教科や学年によって視点は異なっており,また教職経験年数の違いも影響することが示唆された。さらに,テスト作成時の教員同士の協働が課題となっている点も明らかになった

  • 新しいネットワーク型幼稚園研修システム開発の基礎研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(挑戦的萌芽研究)

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

     概要を見る

    ネットワーク型の幼稚園研修システムの開発をめざして,複数幼稚園の教師からなる研究会を組織し,ネットワーク上のリソースとして指導案及びビデオクリップの有用性を探った.
    その結果,いずれも教師の保育実践に関する知識や信念,あるいは保育観の問い直しに有用であることが示唆された.しかしながら,その教師間の相互作用には批判的な問いかけが必要であり,本研究では大学教員がその役割を果たした.ネットワーク型研修システムにおいてリソースして指導案およびビデオクリップのデータベース化と教師間の相互作用におけるマネジメントの役割が必要要件であることが示された.
    今後,個々の具体的な問題に対応することが課題である.

  • 教師自作テストに見る中学校教師が有する認知的学力構造の探索的研究

    科学研究費助成事業(秋田大学)  科学研究費助成事業(若手研究(B))

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

     概要を見る

    中学校教師を対象に,テストを作成する時に意識していることや,作成したテストそのものを見直して,工夫や特徴などを尋ねる聞き取り及び質問紙調査を実施した。その結果,テスト作成時に教師が保持している観点として,「評価情報の活用」「生徒にとっての難易度」などを抽出した。担当する教科や学年によって視点は異なっており,また教職経験年数の違いも影響することが示唆された。さらに,テスト作成時の教員同士の協働が課題となっている点も明らかになった。

  • ライブ映像はEスクールにおいてなぜ有効か?

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2008年
    -
    2010年
     

     概要を見る

    早稲田大学eスクールのコンテンツは、その多くが大学の授業のライブ映像を用いている。この間、eスクールは8年目に入っているが、常に200名を前後する学生を安定的に受け入れている。このような状況を考えるとき、何故にライブ映像がeスクールの学生に迎えられているのか検討する必要と価値を感ずる。
    この研究は、ライブ映像の場面に表出される人間としての教師でしか表現しえない表現力、情報量の問題が焦点化される。この問題は、前川ら(1988)のパラ言語の問題として既に部分的に明らかになっていた。
    パラ言語とは、音声言語には属するが言語情報とは異なり、言語情報以外に韻律的表現をされている従来ならば言語情報として分類されることのない情報であり、その韻律的に表現された情報が言語と同等にみなされうるものとして注目を集めた言語である。パラ言語情報は、発話において言語情報を変容したり補助したりすることによって、話者の意図や態度、発話スタイルを伝達するものとされている。パラ言語情報は、イントネーションの変化、抑揚、パワーの強弱によって表現される韻律情報であるが、文字言語に転写すると判断不能になる。
    授業中における教師の言語行動の中に、どのようなパラ言語が含まれ、そしてそれが受講者たちからどの程度共通の意味理解をされたかを明らかにすることに努めた。本実験においては、連続的な音声言語の流れの中で表現されるパラ言語情報のカテゴリをあらかじめ被験者に与えた際に、どの程度そのカテゴリ,を使って各パラ言語を識別できるか実験した。「注目」、「確認」、「反語」、「強制」などの意を汲むパラ言語は、ほぼ70%以上の一致度をもっていることが明らかになった。このような学習行動を強化する機能をもったパラ言語は、明らかにeラーニングの学習を豊かにするものと考えられる。

  • 授業中に発現する能動的学習行動が学習促進に及ぼす効果に関する実証的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2004年
    -
    2007年
     

     概要を見る

    授業中に発現する能動的学習行動が学習促進に及ぼす効果に関する実証的研究をテーマとして、本研究は進められた。この研究は、1)教室授業場面における児童の挙手行動と2)ノートテイキィング、3)テキストへのアンダーライニングおよび4)eラーニングを併用した講義型授業におけるeラーニングの利用の様態についての研究がまとめられている。それらの結果は、以下のようにまとめることができる。
    1)実際の教室授業場面の観察を通し、児童の挙手行動のメカニズムの検討を行った。その結果、挙手は児童個人の信念だけではなく、児童の授業認知などの学級環境要因によって規定されていることが示された。
    2)講義におけるノートテイキング行動と事後テスト得点との関連について検討した。講義の情報をキーセンテンスごとに分類し、ノートテイキングされた項目とその量について調べ、授業ごと2週間後に課したテストの得点との関係について分析した。その結果、直後テスト、2週間後のテスト、どちらにおいてもノートテイキング量とテスト得点の間に強い相関が認められた。
    3)テキストを読みながら学習者が自発的に下線をひく行為が、文章理解に及ぼす影響について章の難易度と読解時間という2要因に着目し、テキストにあらかじめつけておいた下線強調の比較という観点から、実践的に検討した。その結果、テキストの下線強調は、文章の難易度や読解時間の長さにかかわらず、強調部分の再生を高める効果をもつことが示された。
    4)講義型授業をアーカイブ化したeラーニング教材を、講義型授業に付加する形で用意した。講義型授業を受講した後、アーカイブ化したeラーニング教材がどのように利用されるか検討した。その結果、学習者は学習中の自己評価から授業を再受講する必要性を感じた場合に、授業をeラーニングで再受講することが確認された。

  • e-learning機能を付加した高次講義型授業方式の実践と評価

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2004年
    -
    2006年
     

     概要を見る

    本年度は最終年度にあたり、最も大規模な実践研究を行った。教育実践の概要は以下のとおりである。2006年度後期(2006年10月〜2007年1月)早稲田大学人間科学部(通学制)で実施された講義「教育測定評価論」を対象とした。学生数約140人。eラーニング教材として同授業をライブ録画し、編集を施した教材が併行利用された。eラーニング教材は、講義動画,パワーポイント資料,およびBBSによる質疑応答機能から構成されていた。学習者には授業開始と同時に、eラーニング教材が提供され、それの利用方法について入念な説明と予備的試行が行われた。以後、授業内容からみた3つの主要テーマに関連したレポートの提出が求められた。
    この研究の眼目は、eラーニング教材の利用の状況と学習者のレポートの評価の関連性を分析することにある。全ての学習者のeラーニング教材の学習履歴と評価の関連性が分析された。結果の概要を述べる。(1)評価の得点に応じて、上位群,中位群,下位群の3群に分けた場合、中位群,下位群の学生において、eラーニング教材の利用を重ねた場合、高い得点上昇率が見られた。(2)これに比べ、上位群においてはeラーニング教材の利用と評価の得点との関連の有意性は見出されなかった。しかし、このグループのeラーニング教材の利用傾向を見ると、個人差が大きく、eラーニング教材の利用ストラテジーを詳細に調べる必要性指摘できる。この件に関しては、中位群,下位群においてもその必要性を感じる。拘束性の少ない自由な学習環境において、学習者がどのような学習行動を自発的にとるかの研究が必要である。

  • ポートフォリオ評価を活用したオンディマンド型講義における学生評価法の開発

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2004年
    -
    2006年
     

     概要を見る

    ポートフォリオの1つとしてビジュアル型レポートを考案したが、レポート作成の学生への負荷が予想以上に高く、仕事と学習とのバランスに多大な影響を与えることが想定された。生涯学習としての高等教育という観点から、さらに学習行動の分析が必要であると思われた。そこで、訓練型のe-learningではなく、学校型e-learningシステムとして、早稲田大学e-schoolの実践の中で、学生の学習履歴(ポートフォリオ)の活用による評価を試みた。また、学校生活の要素であるホームルームのログの再分析を行なった。すなわち、学習面と学生生活面との両面から、e-learningによる学習評価を行なった。
    学習面では、BBS上のグループ討論の活発性に関して、活発、非活発の2グループとそれらの中間に位置するグループ間の比較をテキストデータマイニングを用いて明らかにした。その結果、話し合いを活性化するのは具体的な数字などデータを含む投稿であり、一方話し合いを抑制するのは、抽象度が高く投稿者のはっきりした価値観が表現されている発言であることが示された。
    学生生活面では、ホームルームBBSのカテゴリー分析を行なった結果、学習者同士のコミュニティの形成にホームルーム(HR)が役立っていることが示された。HRは、学習者の社会心理的なサポートと学習活動スキルや学習に関する情報の共有といった学業的支援の両面を持っていると考えられた。しかし、ROM(read only member)がクラスの60%存在し、受動的参加にとどまっていると推察された。
    いずれにおいてもBBSに書き込むという能動性をどのように引き出すか、それを支援するためにBBSのログを中心としたポートフォリオの活用が学校型e-learningにおいては学習マネジメントとしてだけではなく、学習評価法としてどのように位置づけるかが課題であると考えられた。

  • ブロードバンドを利用した新しい高等教育の有機的モデルとプロトタイプの開発

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2003年
    -
    2006年
     

     概要を見る

    フルオンデマンドによるeラーニングのコースを実質的に成果のあるものにするためには、教員、コーチ、サポートスタッフの3種類の人的資源がそれぞれに割り当てられた仕事をこなすこと、そしてラーニング・マネジメント・システム(LMS)を含むeラーニングシステムが学習者の学習を促進するような機能をもつことが必要である。
    教員の仕事は大きく分けて、コースの設計、実施、評価と改善の3つに分類できる。eラーニングになってとりわけ重要なことは、コースの設計と詳細化における仕事に重心が移ることである。eラーニングにおける教員の仕事はコースの設計と詳細化という部分に重心が移った。それによってコースの実施段階では教員を補佐し、実質的に授業運営の大きな部分を担う人材が必須のものとなった。それがコーチである。コーチの仕事は、大きく分けて、学習活動の促進、雰囲気と規範作り、議論プロセスの主導の3つである。LMSについては、有償・無償のものを含めてさまざまな種類のものが利用できる。最低限、ビデオ配信、BBS、レポート・テストのやりとりができるシステムであればeラーニングを実施することができる。しかし、eラーニング授業をもっと着実なものにするためには、それぞれの機能についていっそうの工夫が必要である。将来的な学習環境について述べる。現在の環境は、学習者がLMSにログインして、そこで学習のリソースを見て、自分の手元でノートを取るというような形になっている。しかし、将来的には、Webブラウザを開けば、すぐにそこが自分の学習用のワークスペースになっているようなイメージにしたい。

  • “人間科学"授業アーカイブの開発とケーブルテレビ網を利用した生涯学習への適用

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2001年
    -
    2003年
     

     概要を見る

    本研究を平成13年から15年にかけての3年研究として申請した当時、所沢シティーケーブルネットワークを通じて、生涯学習を前提として、細々としたチャンネルを一つ確保しようというもくろみであった。しかし、大学革新の波は激しく、思いもかけず、早大人間科学部にe-schoolを併設する申請を大学の方針として提出し、翌年認可を受け、平成15年4月スタートという結果になった。
    私たちのプロジェクトは、もともと
    (1)授業アーカイブ作成方式の確立
    (2)オンデマンド型遠隔授業方式の確立
    (3)オンデマンド授業方式のオンキャンパス,オフキャンパス授業への利用
    の3つの目的から構成されていたので、(3)の実践対象が所沢市ケーブル網から一挙に世界中に配信可能なADSL対応に変えられた。結論的には、研究そのものは、一挙にわれわれの使命である、早大人間科学部e-schoolのスタートのための先行研究としてのみこまれていった。
    結論的にはいえば、われわれのこの3ヵ年の研究は全く完壁にこの目標を完遂することができた。
    (1)に関しては、スタジオ撮影と教室のライブ撮影の2つのスタイルの映像からストリーミング技法を用いた、Web教材を基本的に15分のモジュールのN倍(基本的に60分程度)の長さを持った教材に編集し、実用に供している。
    (2)に関しては、BBSを利用し、30人1クラス単位に教育コーチを割り当て、e-schoolでなくては実現できない、個別教授方式を実現している。小テスト、期末テストを実施、管理する評価機能も有している。
    (3)に関して、オフキャンパス利用は、約160人の社会人を対象(海外在住者を含む)として、人間環境科学科,健康福祉科学科,人間情報科学科で、計約40科目が実践されている。
    更にオンキャンパス利用では、対面授業とWEB教材の併行利用が実践され、論文作成中である。

  • 教授学習過程の固有性を考慮した新しい教育測定法の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1998年
    -
    2000年
     

     概要を見る

    教育測定といえば、従来から紙と鉛筆による、期末に行なわれるテストと相場が決まっていた。しかし、測定の中心が教授学習過程に移り、学習の中心が集団からの学びに移っていくにつれて、従来の測定方法では間に合わなくなってきた。更に、マルチメディア、インターネットなどの普及につれて、遠隔型の授業もオンキャンパスの授業と同様に普及しつつある。この段階からはどうしても、教師が後に退いた、学習者の能動性を重視した学習が中心となる。
    これからの教育活動の測定は、それの成果及び改善のどちらを目的としようと、授業中の測定が中心となる。むしろ、授業の質の評価を生徒の側からすることになる。我々の研究は、それが、授業そのものを対象としていようと、あるいは、授業との類似した場面であろうと、リアルタイムで処理されているその場における測定にターゲットをしぼって行なわれた。視聴覚機器を映像提示の機器と見るだけでなく、測定の機器と見立てたのもこのためである。また、エスノメソドロジカルな測定は試行錯誤の結果であるが、保育、老人ホームにおける活動を中心に重要な成果を得た。授業がますます個性的な表現をされる今日、必然的に、授業の測定も個性的にならねばならない。

  • 兵庫県南部地震の震源地域における防災教育データベースの構築とネットワーク化

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1998年
    -
    2000年
     

     概要を見る

    本研究は次のことを目的にしている。
    1.兵庫県南部地震における震源地域の小・中学校で開発された防災教育に関するカリキュラムやその関連資料を体系化する。
    2.これら防災教育関連資料のデータベースを構築する。
    3.これらをWWWネットワークにおいて運用するシステムを作成する。
    これら目的について成果は次のとおりである。
    1.については震災に関する問題と震災後にどのような防災教育が計画・実施されたのか、また、それらのネットワーク化について1999年日本科学教育学会で開催した自主企画シンポジウム「震災と防災教育のデータベース化」を行い成果を発表した。つづいて、2年次までに作成したデータ-ベースを活用し、2000年3月と11月に「震災体験に学ぶ命の大切さ」の公開授業研究会を開催し成果を得た。
    2.3.については、1998年〜2001年2月までに収集した「震災と防災教育、心のケア」に関する資料のデータベース化を行い、WWWネットワークにおいて運用するシステムについて開発を行った。データベースは文献、画像の二部編成になっている。また画像は、地盤被害と学校被害に分けて運用している。Web上でこれらを検索できるようホームページを立ち上げた。
    震災後6年が過ぎ、震災体験の風化が心配されている。これらシステムを防災教育に役立てていけるよう一層充実が求められよう。

  • 高齢者のライフ・スキルとサクセスフル・エイジングに関する実証研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1997年
    -
    2000年
     

     概要を見る

    サクセスフル・エイジングは、社会老年学やエイジング研究と呼ばれる領域では早くからもっとも多くの関心を集めてきたテーマであるが、高齢者(高齢期)のライフ・スキルと関連させた研究は内外ともにほとんどない。本研究では、サクセスフル・エイジングやライフ・スキル、コンピテンスに関する理論的検討を行った後に、神戸市在住の65歳以上の男女二十数万人の中から5千人を無作為に抽出し、A4判31頁、総質問数約700問の調査票を用いて郵送調査を行った。2,732人から回答があり、回収率は55%である。その調査結果に基づいて、探索的因子分析および共分散構造分析を用いて、サクセスフル・エイジングに関する尺度として、それぞれ2つの1次元尺度からなる「老後生活観尺度」、「アフェクト・バランス尺度」、「主観的老化度尺度」を作成するとともに、類似尺度を含めて54個のライフ・スキル/コンピテンスに関する1次元尺度を開発した。その中からそれぞれ独立な29個の1次元尺度を高齢者のライフ・スキル/コンピテンスを測定する尺度として提案した。そして、以上の諸尺度を用いて、ライフ・スキルがサクセスフル・エイジングにどのように作用しているかを分析した。その結果、以下のことが明らかになった。「自分を大切にする」、「目標設定」、「ストレス処理」、「明朗快活」といったライフ・スキルは、年齢や経済水準よりも「肯定的老後生活観」をより強く促進していること、「自分に忠実」や「怒りの処理」、「孤高」、「積極的親密性」といったライフ・スキルは、「年齢」という人口学的要因よりも「否定的老後生活観」をより強く促進していること、「アスピレーション」や「手先の器用さ」、「個性が強い」といったライフ・スキルは「ポジティブ・アフェクト」を促進し、「おしゃれ」、「ナルシシズム」、「親和性」といったライフ・スキルは「ネガティブ・アフェクト」に促進的に作用していること、「孤立性」、「自分に忠実」、「孤高」、「依存性」、「ナルシシズム」、「個性が強い」、「ノーティ」といったライフ・スキルは「主観的老化度」を促進していること。以上の結果は、サクセスフル・エィジングをめぐるこれまでの理解や施策として取り入れられている諸事業や学習・訓練プログラムなどに再検討を求める新たな知見であると考える。

  • 総合学科・総合選択制高校のアカウンタビリティの研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(萌芽的研究)

    研究期間:

    1998年
    -
    1999年
     

     概要を見る

    埼玉県立伊奈学園総合高校の評価にかかわる研究は、我々の手により、文部省科学研究費の助成により既に一度なされている(平成4〜5年度総合研究(A)「伊奈学園総合高等学校をモデルとした総合選択制の有効性に関する実証的研究」、代表者:佐古順彦)。今回の調査研究は前回の補足的研究であると同時に、従来の質問紙的研究から脱却した調査手法の開発を含め、更なる新しい学校モデルのアカウンタビリティー研究を一歩押し進めたわけである。昨年は、ハウス制という制度が登校している生徒達にどの程度定着しているか認知地図的手法によって、自己のハウスの位置、他のハウスの位置の認知の相対的関係を明らかにした。
    更に今年度は教師側のコミュニケーションの様態を基軸に伊奈学園固有のシステムが教師集団にどのような結果を残しているか、人類学的手法からの長期的観察から考察した。また一方で、人間形成の観点から力を入れているキャリアガイダンスのシステムの評価を、これは伝統的調査技法を用いて行なった。

  • 教師教育の視座に立つ子どもの社会化と教師の認知様式に関する実践的研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1997年
    -
    1999年
     

     概要を見る

    本研究は、授業における子どもの社会化に焦点をあてた教師教育の改善を意図して行われたものである。本研究は、授業に焦点をあてた社会化へのアプローチと学級への適応へのアプローチから行われた。
    【授業に焦点をあてた社会化】
    (1)理科教育における実践的授業研究での社会文化的アプローチの意義を考察した。さらに、小学校6年生の理科授業を対象に、相互行為分析を行なった。その結果、教師や子どもが多様な社会的言語と出会い、学習が成立していることが明らかにされた。
    (2)子どもの人間関係のあり方が学習成果に影響することを明らかにした。1時間の授業においては必ずしも認知的授業成果は人間関係とは関連はみられないが、学習活動への取り組みについては構成されたグループ構成員の親密度が関係することが明らかにされた。
    【学級への適応】
    (1)対人認知の変容過程に関する非平衡型認知理論を、具体的な教育場面での教師と生徒達の2年間にわたる活動事例をもとに検討を行なった。教師と生徒の認知のダイナミックな変容過程が、ミクローマクロな構造、閉じられた学級・開かれた学級、自己参照による自己創出の概念によって考察を行なった。
    (2)転校生が学級集団への適応する過程を、転校生の意識変容からとらえた研究である。他者及び自己の視線の変更が適応過程では問題とされることが示された。
    (3)子どもの社会化の問題を「公」と「私」という視点から検討した。すなわち、「個人のありよう」と「公共性とは何か」を問題とした。公教育と自己決定性との関係が明らかにされた。
    (4)子どもの学級不適応の問題を子どもの自己との関係から明らかにした。これは、子どもの自己を他者評価およびその認知からとらえ、学級不適応との関係を探ったものである。また、その中で教師の子どもの認知枠組みを明らかにした。

  • 教育臨床的知見を組み入れた授業実践力形成のためのマルチメディア教材の開発

    科学研究費助成事業(新潟大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1997年
    -
    1999年
     

     概要を見る

    本研究の目的は、教育臨床的知見を組み入れたマルチメディア教材を開発することである。教師の授業実践力を育成するには、授業事象の認知とそれに基づく授業技術の適応が、授業者自身の中で、反省的になされることが最も重要であるとされている。そこで本研究では、授業設計の段階で、学生が授業に関わる多様な情報を自由にアクセスすると共に、自分の授業設計書を反省的に振り返り、書き直し、再設計できる、マルチメディアシステムの開発を目指した。本システムは基本的に次のモジュールから成り立っている。
    ・ホームページは学生の利用に供するようにhtmlで書いてある。ホームページは、テキストブック、指導計画書(目標、単元、教材、授業の流れ、授業プロトコル、MPEGによる授業映像)
    ・コモンゲートインターフェース:データへのリンク情報を記録する。
    ・リクエストブラウズCGI:データへのリクエストを、視覚的に表示し、チャートで示す。
    小学校の国語教材を主にシステムを構成し実施した結果、(1)学生は反省的に指導案を作成した。教育実習経験の程度に応じて、反省的に使用する情報の違いが見られた。つまり、教育実習経験の浅い学生は主として授業計画書のテクストデーターに依存し、経験の豊かな学生は、テキスト情報と共に、実習の動画情報を総合的に活用して反省的思考をすることが分かった。(2)その過程は、学生の情報要求を視覚化することができた。(3)学生は、生徒の興味関心よりも教材理解に関する情報を要求することが分かった。(4)テキストと視覚情報を関連させたチャート図は、ハイパーテキストの最適化に有効であることが判明した。

  • 授業における実践的知識獲得過程に基づく教師モデルの開発

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(萌芽的研究)

    研究期間:

    1996年
    -
    1998年
     

     概要を見る

    今年度は、最終年度であり、2年間のまとめを行なった。
    まず、指導技術としての発問スキルの検討を行なった。特に、外側から計測可能である発問後の待ち時間の意味と発問スキルの多様性との2点を、場面・対象の把握・認知という点から検討した。その結果、教師の指導技術(経験・学習を通して獲得されたもの)および行動選択のための情報獲得方法としての注意の配分、さらに意思決定能力に代表される認知スキルの総合としての教授スキルレベルの指標として、発問後の待ち時間は用いることができると判断された。
    また、昨年度の研究成果から、教師モデル、特に初任者教師において教師としてのアイデンティティ確立が大きな意味を持つと考えられたため、同一学校に勤務した男女各1名の教師像の変容とその変容をもたらした出来事に関する調査を行なった。これは、本研究で開発された授業日誌法の変形版として1ヶ月単位で行われたものである。これにより、授業目誌法と命名した、記述型リフレクション様式は、教師の日常性をとらえる道具として有効であると考えられた。
    本研究の結果としては、初任者教師の発達は、教授技術の未熱さが障害となっていることが示唆された。それは、板書などのスキルレベルというよりもむしろ、子どもの情報獲得のスキルの未熟さである。
    そのために、授業認知が指導案に基づく枠組みに執着するという結果を招いていることが示唆された。
    最後に、本研究の報告書を作成した。報告書の内容は、教師による授業認知と教授スキルの関係を初任者教師のデータにより明らかにし、教師の発達過程に関するモデル提案している。その際、教師の教室の出来事の記憶という点を重視している。特に、行動決定のための記憶の働きに着目している。本研究ではこの点は明確にできなかったが、今後の研究課題である。

  • 21世紀の科学技術社会に求められるライフスキルの研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1995年
    -
    1997年
     

     概要を見る

    本研究は,次の課題に基づいて展開された。
    「今後も発達するであろう科学技術社会は,私たちがこれまで気づかなかった“ライフスキル"を必要としているのではないか?それはどうやって育成されるか?」
    この課題に対して,諸科学の専門家を通して検討した結果,次の諸点が明らかになった。
    ・現代社会は,社会そのものが科学技術化し,一般的に情報技術社会として認識される。
    ・私たちは,科学技術の産物を使いこなし,溢れる情報から適切なものを選択し,自己教育力を身につけ,自己認識(セルフエステ-ムの重要な要素)をはかり,意思決定(あるいは目標設定)をする力が必要である。
    第2年度は,神戸大学発達科学部附属幼稚園,附属明石小学校,附属明石中学校で,上記の要請を導入した授業を試み,授業内容を中心として研究協議を行った。その結果,ライフスキルの育成は教科学習の枠組みを越えた横断的・総合的なアプローチを必然的なものにすることが見出され,新たな単元開発,カリキュラム開発の必要性が明らかになった。
    最終年度は,上記の成果について,さらに独・英の研究者によるレビューを受け,ライフスキル育成プログラム開発は教育の現場で実験的に構築する以外に方法はない,という結論を得た。この立場から,神戸市内の小学校を中心として実験的な単元開発を試みた。開発過程の詳細な記録から,単元開発リーダーの資質が極めて重要な役割を持つことが見出された。
    今後の課題として,ライフスキル育成プログラム開発リーダーの育成がクローズアップされた。

  • 大学教授法の総合的研究

    科学研究費助成事業(京都大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1995年
    -
    1996年
     

     概要を見る

    本年度は、本研究は「大学教授法の開発」を担当する第1班、「大学カリキュラムの改善と教育内容・教材の『精選』」を担当する第2班、「大学教育評価システムの開発」を担当する第3班の構成で研究を実施した。第1班は、国内外の文献収集・分析を行うとともに、大学卒業生を対象とするアンケート調査を実施し、教え方・教材の選び方など各学問分野の知識を体系的に教授するさいに有効なシラバスや授業モデル等の調査を行なった。卒業生にとっては、現在有効と考えている、大学で得られた「もの」は、学部(専門領域)により年度毎に異なるものであること。例えば医学部における大学教育改革によると思われる教育効果の有効性認識の上昇、文学部における高くない程度に一定した有効性認識等である。こうした有効性認識の変化の要因については異なる検証を必要とする。第2班では、公開実験講義を1年間にわたって開講し、同講義をVTR・4分割記録システム等の機器を用いて記録・分析し、事例的かつ実践的な授業分析を集団的に検討した。その中でカリキュラム編成と調整の在り方の事例調査も行なった。第3班は、アメリカ、ドイツ、フランス等を中心とする外国の大学教授法、大学評価報告書の収集分析を中心にして検討・分析した。

  • 初任者教師の授業運営能力の獲得過程の分析

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(奨励研究(A))

    研究期間:

    1995年
     
     
     

     概要を見る

    本研究は、1年間に亘る教師の授業運営のあり方を、教師自身にとっての授業を中心とした学校生活における経験に基づいて探索している。授業運営を教師自身の考える基準(満足度や授業観など)に到達しているかどうかを日々の教育実践における問題状況の把握という形で抽出することを試みている。この方法は、授業日誌方式と呼び、研究代表者が開発したものである。同時に、毎月授業のVTR記録とそれに基づくインタビュー、および教師自身による一人ひとりの自動の目標に記入を行なった。これらのデータをコンピュータを活用しながら、KJ法により分類し、授業運営の変容を明らかにしている。対象は、初任者教師を想定していたが、阪神大震災の影響により教職経験14年の女性教師となった。ただ、担任した1年生に今まで対象教師が担当したことのないタイプの児童が数人含まれており、初任者教師の授業運営能力、特に児童理解のあり方に関しては有用なデータであると想われる。
    分析の結果、次のことが明らかになった。第一に、教師は一人ひとりの子どもの理解(学力、性格面)にかなりの勢力を注ぐが、その観点は学級としての秩序維持から問題となる行動である。次に、ある程度学級秩序が形成されると、教師は児童のプラス面を評価するとともに、一人ひとりの個別目標を設定し、授業において働きかけるようになる。第3番目として、教師は問題状況に接しても、即時的に手立てを打たず、問題状況での児童の行動の意味解釈を熟慮的に行なうことが多いことがあげられる。最後に、授業を運営していくために必ずしも学力が高いのではないが、教師自身も言語化できない特徴を持った児童をリーダーというよりも教師のメッセンジャーを育てることが要件であることが示された。
    また、開発した授業日誌と授業VTRによるインタビュー等の手法を組み合わせて用いることは、教師自身の成長を促し、かつ児童理解を深化することに役立つことが示唆された。

  • 授業における初任者教師の教授理論形成に関する研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(奨励研究(A))

    研究期間:

    1994年
     
     
     

     概要を見る

    1.教師の信念と教授行動との関係について、調査研究を行なった。信念として、授業観、学級観、子ども観、社会科学力観および評価観を取り上げた。37名の小学校教師を対象とした調査の結果、教師は、問題解決力に代表されるような高次の認知的能力と意欲・態度の情意領域および社会性(協調性)を重視する傾向が明かになった。また、教授行動との関係は明確ではなかった。
    2.この調査研究を踏まえて、小学校5年生担当教師(教職経験5年)の追跡研究を行なった。その結果、授業観、学力観が授業設計、実施段階においては反映し、他の信念はあまり反映していなかった。また、信念は子どもの反応に応じてそのレベルを変えていることも示唆された。さらに、教授経験のない学年においては、授業観や学力観は授業を積み重ねるにつれて、具体化する傾向があることも示唆された。
    3.初任者教師の状況判断のあり方を追跡研究した。状況判断のあり方は、ビデオ中断法を用いた。その結果、初任者教師は、学年当初、学級経営的な視点で授業をとらえていたが、2学期以降教材の内容の伝達という狭義の教授へ視点が移行することが示された。また、学年当初は特定の子どもに関心が向いているのに対し、徐々に行動に関心が向くようになることも示された。このように、初任者教師は近視眼的に教室で生起する問題に対して対応行動をとっているが、それが教室全体を見渡せるようになると考えられる。そのプロセスは、学級経営的視点から教授の視点へ、そしてその両者が統合されるということであると思われる。

  • 授業における教師の知識の機能に関する実証研究-教師教育の視点から-

    科学研究費助成事業(横浜国立大学)  科学研究費助成事業(一般研究(B))

    研究期間:

    1993年
    -
    1994年
     

     概要を見る

    授業の実施過程における5人の教師の思考内容を、授業リフレクション(授業者の授業時の内観報告)による「教育的意味単位」によって記述した。11の分析カテゴリーによる分析の結果、児童の思考や行動の予想や予測、過去の児童に対する再認識、授業中の教師の感情などが、児童の思考や行動を受け入れて授業を展開するか、教師の予定や計画をに合わせて展開するかを規定することがわかった。(藤岡)
    授業観察にカード構造化法を適用することによって、信念に基づいて観察する、距離をおいて客観的に観察する、授業に即して観察する、授業に即しかつ対象化して観察するなど、授業観察の際の知識構造の個人差を抽出することができた。(藤岡)
    初任者教師の成長過程を教室情報の解釈の変容で調べたところ、経験者教師が客観的に授業状況を判断しているのに対して、初任教師は、学級の眼前の問題を反映した状況判断を行っている傾向がみられた。また初期においては教師の注意が授業への参加といった学級運営上の問題に集中し、年度の後半になると教師自身あるいは指導法に注意が向くようになることがわかった。(浅田)
    教師の信念(児童観、授業観、学級観、指導観、学力観)と教授行動の関連を社会科で調べたところ、教師は信念としては、意欲・自主性などの情意領域、思考力や問題解決能力などの高次の認知能力、協調性を重視していることがわかった。しかしそれは必ずしも授業内容として具体化されていない。また、授業場面における教師行動が、子どもや、学級や、授業についての考え方に影響を受けていることが、示唆された。(浅田)
    コンピュータの利用した学習活動における、教師の知識の影響を参与観察、調査紙、ビデオとコンピュータを利用したリフレクション記録等で分析した結果、(1)子どもの自発性を重視した学習活動のセッティングにおいて、教師の特性が子どもの活動の方向や内容に影響を与える(2)全体的な状況の把握に際して教師の教育観や個々の子どもに関する知識、コンピュータに関する知識が二次的に影響を与えることがわかった。(大島)

  • 文章読解過程における情報補足に関する実験的国語科授業研究

    科学研究費助成事業(創価大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1993年
    -
    1994年
     

     概要を見る

    本研究では、大別すると、2つの研究を行なった。1つは、説明文教材における情報補足のあり方についての論考である。情報補足ということについてはまだ概念が確立されているとはいえず、数回の研究会を開催し、読者論、教材論などの観点からいくつかの論考を行なった。
    もう1つは、調査研究である。
    第1の調査研究は、挿し絵の有無、問いかけ文の有無など情報補足要因によって4グループに分けて実施し、データ分析を行なった。その結果、挿し絵は誤解を生じる可能性があることを示唆し、問いかけ文は読解に影響を与えることが明らかになった。すなわち、情報補足および情報提示の様式と子どもの理解との間に関係が見出された。さらに、それを踏まえて授業展開を構成し、子どもの読解過程の分析を行なった。また、挿し絵の効果を見るための実験研究も併せて行なった。これは、挿し絵の有無が、文章の再生、内容理解に影響するかどうかを探ったものである。その結果、挿し絵は内容理解には効果が確認された。また、子どもの成績との関係も検討されている。
    第2は、授業設計段階における情報補足のあり方の調査研究を行なった。これは、前者の子どもの読解過程の分析に対して、考える側の分析である。その結果、授業目標に関する部分については、言語情報による情報補足が考えられ、そのための知識・理解に関する部分については図あるいは写真などイメージ化に関する映像情報の補足がみられた。また、教師自身の授業反省による教材の分析も併せて行なっている。
    以上の研究に基づき報告書を作成した。

  • マルチメディア電子ニュースシステムにおけるモニタ機能と記事評価機能に関する研究

    科学研究費助成事業(大阪大学)  科学研究費助成事業(一般研究(C))

    研究期間:

    1993年
     
     
     

     概要を見る

    本研究の目的の一つは、電子ニュースにおいて、読者が手間をかけずに記事のS/N比(全記事に対する自分の読みたい記事の割合)を向上させるための方法を見出すことにある。このために、電子ニュースシステムを改造し、読者が電子ニュースを読むときの行動(記事を読む速さ・時間、保存したか否かなど)を自動的にモニタする仕組を組み込んだ。さらに、読者の行動と記事の重要性の関係を調べるため、電子ニュースシステムにアンケート収集機能を組込み、利用者がそれぞれの記事を読んだ後で、どのような印象を持ったか(記事が有用であったか、他の人に薦めるかなど)を3〜5段階評価として収集するアンケート調査を行った。この調査では、1,500名の学生から、延べ15万件の記事についての情報を得た。
    それらの分析結果から、各記事の平均閲覧時間(各記事に対して、その記事を読んだすべての読者の平均閲覧時間)と記事の有用性に正の相関が比較的高いことが分かった。また、予想に反して、記事を読む速度と記事の有用性の間には強い相関は見られなかった。調査の結果をもとに、平均閲覧時間が50秒以上の記事を抽出すると、有用な記事の40%を70%の精度で(抽出した記事の70%が有用である)取り出すことができることが分かった。ニュースグループ毎に閥値を変更することでこの精度をあげることができる。
    今後は、このアンケート結果を基に、読者の行動より得られるモニタ情報を記事の書き手および他の読者に帰還させ、それらの情報を利用して利用者の手で情報の取捨選択を行える仕組みを提供すること、および、このような情報を利用者に帰還すること自体が与える影響を調べる必要がある。また、マルチメディア情報を含むニュース記事に対して、画面上でどのように表示するのが分かりやすいかという点について実験を行ない、効果的な情報提示方法を得ることも今後の課題である。

  • 授業における教師の情況判断と信念・知識に関する研究-教師の成長過程との関連から-

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(奨励研究(A))

    研究期間:

    1993年
     
     
     

     概要を見る

    本研究は、教師の授業情況判断を探るために、授業情況における教室情報の活用を中学校教師を対象に、明らかにした。対象授業は、数学「点の集合と図形」である。その結果、授業情況において教師が活用する教室情報は、授業展開決定情報、授業計画寄与情報、授業改善情報、の3種類であった。これらの情報の活用に教師の授業情況の判断および教師の信念・知識が反映していた。経験教師と若手教師との相違点は次のようなことであった。
    1.経験教師、若手教師に比べて、授業展開決定情報を数多く活用している。この差異は、若手教師は設計段階での思考内容は多いが、授業計画が曖昧であり、経験教師は授業計画はポイント連結型という授業のポイントが明確であり、そのポイントを結ぶように授業計画は立てられているために、授業計画の形式は大雑把であるが、授業情況において自省する内容は、明確である。
    2.経験教師は、授業情況、教授経験(該当クラスでの教授経験と教職経験)、教材構成、個人的な教授理論とを総合した判断・解釈に基づく情報の活用を行なう授業情況依存型と捉えることができる。一方、若手教師は、自らがもつ授業パターンの始まりの段階を、生徒の反応(到達度)に応じて決定している。すなわち、若手教師は、生徒の理解の程度、あるいは作図方法の習得レベルの累積的なモデル(教授過程)にしたがって、どのレベルから授業展開を始めるか、を決定するために、教室情報を活用している。したがって、若手教師は、教授理論依存型と捉えられる。
    最後に、本研究では扱っていないが、教師による自己内省によって教室情報の活用というエピソードを知識として獲得し、それが組織化、構造化されることによって個人的な教授理論を形成していくという教師の成長系があると思われ、今後の課題である。

  • 伊奈学園総合高等学校をモデルとした総合選択制の有効性に関する実証的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1992年
    -
    1993年
     

     概要を見る

    日本で唯一の大規模総合選択制高校である伊奈学園を多面的に評価した。学校の設置計画と運営の実際を概観した後で、多様な教科の選択制、3300の生徒を収容する大規模、大規模を小規模に分割するハウス制(学校内学校プランあるいはキャンパスプラン)というこの学校の独自の特質の効果を検討した。主要な結果は以下のとおりであった。
    1.教科教室制と大規模な学校建築が教師の空間利用を制限している。
    2.大規模校の場面の匿名性と小規模校の部分(特にホームルーム)の親密性の均衡が重要である。
    3.教科選択と満足の関係に男女差や学系(コース)の差がみられる。
    4.卒業生の自己像に自己実現と同時にシニシズム(冷笑主義)の傾向がみられる。
    5.進路指導の事例調査によると、進学や職業希望の形成に加えて高校生活の指導が重要である。
    6.進路選択に関する他校との比較調査によると、大学進学希望の要求水準は他校のように学力によって高低に二極分化せず、比較的に高い水準を維持する。
    7.学校経営の財政基盤の分析によると、建築や設備などの資本的支出はやや大きいが、本務教員あたり生徒数や生徒一人あたりの支出や標準運営費は平均的である。
    8.教育情報処理システムは、この学校の大規模とカリキュラムの個別化に必須のものであるが、情報処理にともなう作業の多様さと作業量の多さが特徴である。教務関連、情報教育関連、教科教育関連のシステムの増強と人材の育成が必要である。

  • 新しい国語科授業モデルの構築と授業分析手法の開発

    科学研究費助成事業(創価大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1991年
    -
    1992年
     

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    国語科の授業研究では、従来、認知領域が中心であり、教師と子どもとのインターラクションを扱ったコミュニケーション分析や、認知領域と情意領域(関心・態度など)との関係の問題を扱った研究は、あまり多くはなかった。
    本研究においては、教師の教授活動の中で、子どもの言語行動に対応して教師のとった行動、及びその裏にある教師の判断過程の分析を試みた。そして、教師の意思決定のための要因として、指名した子どもの状態についての教師の認識のほか、クラスの雰囲気や授業の「空気」も作用していることが分析によって確認された。
    また、教師の持っている教材観や教育観などの信念・理念が授業場面でどのように具体化され、教授行動に発現しているかが明らかにされた。これらはいずれも、教授行動の各場面を再現しつつ、担当教師との面接により行われた。
    更に、授業形態のちがい(演繹的方法と帰納的方法)により、子どもの理解や思考方法がどう違ってくるかについても、実験的な試みがなされた。
    次に、作文の教材開発については、毎時間の指導の目標である言語技能を具体化した「文章の書き方」に役立つような教材の開発が試みられた。
    一方、教材分析の手法として有力である文法論的文章論は、間接的ではあるが、授業計画の立案に際しても、また、授業分析についても有効であることが確認された。
    以上を通じて、新しい国語科授業モデルの試みが提示された。

  • 社会科授業実践ビデオ情報処理システムの開発に基づく体系的授業研究

    科学研究費助成事業(国立教育研究所)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1990年
    -
    1992年
     

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    本年度は以下のことを目標として研究がなされた。
    1.各地域において,社会科授業実践ビデオ及び学習指導案の補充と,収集したビデオをデータベースに追加入力する。
    2.各地域において収集する社会科授業実践ビデオの録画内容やデータ構造などについての共通理解をはかる。
    3.社会科授業実践ビデオのデータベース及び学習指導案に基づいて,各研究者による社会科授業構成の規則性の解明,及びデータベースの活用モデルに関する研究を行う。
    4.収集した社会科授業実践ビデオデータベース及び学習指導案とそれらの活用モデルの研究に関する研究報告書を作成する。
    研究の結果,以下のような成果を得られた。
    1.社会科授業実践ビデオを,小学校では287事例,中学校では168事例,高等学校では39事例,合計494事例ほど収集し,データベースに入力した。そして,データベース一覧は研究報告書の付録資料としてまとめた。
    2.社会科授業実践ビデオの録画内容やデータ構造の検討を行い,その成果を研究報告書の「第I部 社会科授業実践ビデオデータベースの開発」としてまとめた。
    3.各研究者ごとに,社会科授業実践ビデオデータベースを分析し,社会科授業構成の規則性を解明した。その成果は研究報告書の「第II部 社会科授業実践ビデオの収集状況と授業研究的活用」としてまとめた。
    4.社会科授業実践ビデオデータベース及び学習指導案とそれらの活用モデル検討を行い,その成果を研究報告書「第III部 社会科授業実践ビデオ活用に基づく授業研究の方法」としてまとめた。

  • 小中学校の学習活動用日本語ワ-プロの基本辞書の開発と変換方式の基礎的研究

    科学研究費助成事業(鳴門教育大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1989年
    -
    1990年
     

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    平成2年度は、前年度の研究活動を継続発展させて、次の成果を得た。
    1.教育・学習向け基本辞書の開発
    前年度は試作版の成果にとどまったが、これを改良して、実用に耐える電子辞書を開発した。単語辞書291キロバイト、漢字辞書74キロバイトとなったフロッピイディスクで提供できるようにした。小中学校の現職教師に試用して、好結果を得ている。今後は、機能強化を続け小中学校の実用に供することにしている。
    2.変換方式の検討
    実験協力技において、各種の変換方式を使った日本語入力活動を実施した。その結果、教師側と生徒児童の双方から支持した方式は、文節変換と熟語方式であった。自動変換方式は漢字学習の面から好ましくないという調査結果を得た。
    3.手書き活動とワ-プロによる日本語入力による作文活動の比較
    小学生高学年を対象に、従来の作文と日本語入力による作文活動とを比較したところ、日本語入力は初期には入力習熟度が低く、手書き作文の25%程度の文章量であった。しかし5回目には手書きに迫る分量となること、漢字の使用率が高いこと、作文のスタイルが異なること、などが明らかになった。今後は手書きとワ-プロを有機的に活用する方向で学習活動を搆成する必要があることがわかった。
    4.小中学生の日本語入力点検システムの開発
    本研究を通じて、いったん入力された文書中の漢字や熟語を自動的に抽出し計測(計数)するソフトウェアを開発した。これによって、今後この分野の研究活動が促進されることが期待できる。
    5.最終報告書の刊行
    B5版230ペ-ジの報告書を作成し開係機関に配布した。

  • 個別化教育の現状分析とそれを支えるメディア・システムに関する研究

    科学研究費助成事業(大阪大学)  科学研究費助成事業(一般研究(B))

    研究期間:

    1987年
    -
    1989年
     

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    (1)中学校における教科内選択学習、教科間選択学習および総合学習という三つの異なる学習場面をとって、それぞれの授業設計、教授ストラテジ-、生徒の個人差の現れ方や学習成果、などを分析してきた。それと共に、上記した三つの学習を成立させるメディア・システムの開発研究をしてきた。デ-タベ-スやハイパ-的な機能を生かしたコンピュ-タ・ソフトと、ビデオとを組み合わせ、新しいメディア・ミックスを実現する方向で。愛媛大学附属中学校、滋賀大学附属中学校、北海道音更中学校などを中心に。
    (2)小学校では、前年度に引き続いて、オ-プンスク-ルと低学年生活科の授業分析、個に応じた指導のあり方、メディア支援システムの構築とその効果、などについて研究してきた。愛知県緒川小学校、富山県福光中部小学校、神戸市立湊小学校、岐阜県柳津小学校などを中心に。
    (3)前年度からの継続で「チュ-タシリ-ズCALシステム」の構築と評価を継続研究した。バギ-、ゲ-ムのアイディアに基いて構築したコンピュ-タとの対話を通して、小学校2年生の多桁減算を学習していくというシステム。約5年かけて各地で実施してきた実証研究の総決算をした。
    (4)小学校4年生に対して交通安全教育の実証研究をした。映像教材を中心に、コンピュ-タのハイパ-機能を生かした自作プログラムと組み合わせ、印刷教材や外部人材(警察官など)も活用した多メディアにより、教材パッケ-ジの開発研究を主眼とした。
    こうした一連の研究を持ちより、3年間の研究成果とつなげて、個別化教育とメディア・システムのあるべき姿を討議した。その成果はB5版100ペ-ジ強の報告書にまとめて提出する。

  • 生涯学習社会に求められる学校教育を主とした教育専門家育成システムの開発・評価研究

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    1 映像配信システム(VOD)とテレビ会議システムを併用した現職教員研修システムを開発した.これは,明石市所有のケーブルテレビ網,WWWサーバ,VODサーバといったインフラストラクチャーを借用しながら,システム関係機器を増設したものである.このシステムによって,神戸大学発達科学部附属明石校園カリキュラム開発センター(附属明石小学校内),明石市教育研究所,明石市立二見西小学校の3地点がネットワークで接続された.2 上記1で運用するための現職教員研修プログラムを開発した.開発されたプログラムは,「ダンスセラピーの研修プログラム」,「算数.数学の研修プログラム」,「総合的な学習の研修プログラム」,「子育て支援の研修プログラム」の4種類,計15であった.これらのプログラムはすべて,研究代表者・分担者と神戸大学発達科学部附属明石校園の教官および関係協力者の共同で開発された.3.上記2のプログラムを利用した現職教員研修の有効性を検証するための実証実験を計3回実施した.この実証実験はすべて,明石市立二見西小学校の校内研修や明石市教育研究所主催の現職教員研修の一環として実施された.4 高度情報通信社会における現職教員研修と地域連携に関する対談を計1回開催した.対談の参加者は,明石市の行政関係者,明石市の教育関係者,および神戸大学関係者(研究分担者)であった.5 情報通信技術を利用した現職教員研修のあり方に関するシンポジウムを計1回開催した.6 明石市の現職教員を対象としたメンタリングに関するワークショップを計1回開催した

  • アクションリサーチに基づく教師の力量発達を支援するメンタリングに関する研究

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    授業設計段階における目標分析過程におけるメンターの役割を探った。目標分析においては、教師の経験知をゆさぶるような問いを投げかけることが教師自身の成長を促すことが示された。また、幼稚園教育実習におけるメンタリングのプロセス及び実習生の教師としてのアイデンティティ、教師としての自己認知に関しての保育観や子ども観などの変容を分析した。また、教師の力量形成の観点から指導教師及び実習生間の情報交流を促進することをねらいとして導入したメーリングリストの有効性について検討した。教育実習にいては、指導教師と実習生との徒弟的関係が教師の力量形成に関してモデルとしての教師としての意義はあるが、それが障害となり実習での学びを狭くしていることが示唆された。中学校教育実習において大学研究者と経験教師とがメンターとして教育実習にかかわり、ビデオによるリフレクションを行なう中で教育実習におけるメンターの役割を明らかにした。さらに、わが国におけるアクション・リサーチやメンタリングの障害として指摘される教師の自己開示に関して、教師の自己開示が生徒にどのような影響を与えるかという調査研究を行なった。また、メンター制を新任教師の研修に位置づけているイギリスにおけるメンタリングとその改善に関して、わが国における校内研究がもつ利点に関して、3年間にわたりイギリス研究者と研究交流をもち、その成果の一部はイギリス教育学会において発表を行なった。メンタリングにおける基本的な研究方法としてのアクションリサーチに関しては、研究プロセスにおいて重要なポイントである授業実践の問題の確定に関して、オン・ゴーイング認知法を用いて教授経験の差による授業認知のあり方を実証的に明らかにした。また、教育研究におけるアクションリサーチに関して歴史的に、また現在の動向についてのまとめを行なった。以上の研究成果を報告書としてまとめた

  • アクションリサーチによる教師の臨床的教育力形成プログラムの開発

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    本研究は,教師の臨床的教育力に関わる要因を質的調査により把握し、それをもとに、アクションリサーチにより,子どもとの人間関係構築に関わる教師の臨床的教育力を明らかにし、それらの諸能力を生成する研修のあり方を明らかにした。臨床的要因が複合的であるところから、質的アプローチとしてオン・ゴーイング法とリフレクション法を用いて,主として小学校の教員を対象に,事例研究を行い,教師の実践的力量の特徴を把握した。教師は、観察者として授業に参加し,授業過程での認知を可能な限り内言し,授業後それをプロトコルに文字化し,授業過程と内言を対応させた記録を作成し,内言の意味を反省的に分析することで,授業認知の特徴を把握した。結果として,「子どもの学習状況から学習課題の適正を探る」「子どもの学習状況をとらえ、学習課題や授業展開を修正しようとする」「子どもの発言の意味を正しくとらえようとする」「子どもをできるだけ前面に出そうとする」などの特徴が授業事象と連動して把握された。これをふまえ、授業課題をアクションリサーチにより明らかにし、その改善方策をアクションリサーチのサイクルで実施した。その結果、課題把握過程において、授業者が意識できない認知をメンタリングにより意識化できること、さらに、改善策を実施する過程においてメンターとの対話は、授業の局所的認知だけではなく、教師の授業観にまで反省的試行を促すことが確認された。このことにより、アクションリサーチにおけるメンターの重要な機能が示唆された。さらに、教師の不断の実践研究を推進するために、アクションリサーチを基盤とする研修体制について、内発的省察的授業研修が重要であることが明らかになった

  • 教師によるカリキュラム開発を支援する学校研修システムに関する実証研究

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    本研究は、次の4つのアプローチを行なった。教師の認知に関する研究に関しては、教師の認知と子どもの認知とのズレは学習方略、思考内容・思考過程などにおいて大きいことが明らかになった。単元開発に関する研究に関しては、単元開発の進め方(相互作用)によって教師の学びに差があることが示された。校内・園内研修に関する研究に関しては、校内研究は必ずしも教師の成長・発達におよびカリキュラム開発に関する知識創造が生起していないことが示された。また、校内研究が十全に機能するためには、継続的な記録、互いが心理的に支え合う文化(風土)、プライマリーグループの存在、組織へのコミットメントが関連することが示唆された。メンタリングに関しては、徒弟的関係に基づくメンタリングが行われ、心理社会的機能が重視されていることが明らかになった

  • メンタリング機能を組み込んだe-learning教員研修システムの開発

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    教師の発達を支援し、その教育技術習得を支援するために、メンタリングによる講話機能、対話機能、ディベート機能、省察機能を組み入れ、教師が各自の暗黙知を対象化するための研修として教育方法の講座を開発した.この枠組みより研修講座を遠隔による学習方法によるe-learningの手法を用いて、実施した.その結果、現在のネットワーク事情を勘案するとき、DVD的研修教材としての活用が有効であることが明らかになった

  • 通知表に見る学力観の変遷に関する研究

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    1970年代後半から2000年までの指導要録改訂に関わった関係者へのインタビュー調査を通して、背景にある戦後から現在までの評価観や学力観の歴史的変遷のターニングポイントに関する歴史的証言を収集することができた。また、通知表に使用されている用語のカテゴリー分析を通して、利用パターンと教科特性について定量的な分析から学校独自の学力観を抽出することができた

  • 教師の専門性を継続的に発達支援する学校学習システムに関する実証的研究

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    学校改善の中心をなす概念の一つは教師の継続的な職能的発達(CPD : Continuing Professional Development)である。本研究は、この目標を達成することを前提に試みられた二つの実践的試行モデルについてその理念と有効性に言及するものである。その一つは、館山市立北条小学校において長年にわたり複合的に機能しているプラン検証システムであり、いまひとつは早稲田大学の学生により所沢市立明峰小学校で実践された過去2年間に渡る持続的な学校改善への取り組みである

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特定課題研究

  • 教師学の視座に立つ人を相手とする専門家のわざ・知恵の継承に関する総合的研究

    2014年   野嶋栄一郎

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    ヨーロッパ教育学会2014(European Conference for Educational Research2014 at Porto)にて,口頭発表を行った.日本教育工学会第30回全国大会(岐阜大学)にて,ポスター発表を行った.

  • メンタリングを用いた授業に関する「わざ」共有化システムの開発

    2012年  

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     初任者研修におけるメンターとメンティとの関係、互いに持つ期待とメンターのコンピテンシィの評価との関連、およびメンティの学びに関する評価研究の発表をヨーロッパ教育学会にて行った。その結果として、メンティの期待は全般的に高く、メンターに依存的であった。学びの内容についても教師としてのあり方から指導法や学級経営にいたるまで広範であった。また、教材研究に関しての言及も多かった。このことから、教員養成段階において、授業に関する「わざ」はうまく伝承されているとは言い難く、メンタリングによる「わざ」の共有化は、初任者研修においては重要な側面であることが示された。 また、授業において重要と考えられる指導法に関する教師の認知についての調査研究を行った。対象は、小学校教師122名であった。その結果、①導入段階で児童の興味・関心が持てる発問や教材を提示する、②本時のねらいにそった課題、発問を出し、児童の興味・関心の持続を図る、③児童の実態を把握し、教材研究をする、の3つが重要だと認知され、また実施されていた。一方、児童の発言をつなげる、学び方を学べる授業をすること、は重要とされながらも実施はあまりされていなかった。また実施に移せない理由として、技術不足と準備不足という2点があげられた。以上から、教師は授業において行うべき指導法を知っていながら、実際には実行できない指導法があり、実行に移せない一因として教師の信念(教師は~であるべきだ)が影響していることが示唆された。 さらに、経験教師を対象とした教授ストラテジーと教授スキルとの関連に関する事例研究を行った。その結果、教授ストラテジーを授業において実現するために用いられる教授スキルへと変換する際に、単元に関する知識など、9つの知識が用いられていることが明らかにされたとともに、学級が異なることで変換される教授スキルが異なること、などが明らかになった。 以上から、本研究では、経験教師と若手あるいは新任教師との関係、授業において重視される指導法(わざ)、また指導法が実行できない要因、そして教授ストラテジーを教授スキル(わざ)へと変換するための知識、といったことが明らかになり、わざを共有化するためのシステムに必要とされる要件の一部が明らかにされた。

  • デザイン実験アプローチによる学校を基盤とした持続型現職教育システムの開発

    2011年   今村 こころ

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     学校と大学との連携による現職教育を支援するシステム構築のために、埼玉県内小学校2校との協働を行った。具体的な取り組みとして、1)学生ボランティアによる教育活動支援、2)デジタル教科書の活用による授業の開発、3)校内研修での情報提供、4)国際交流活動の支援、5)ゼミの開放、などがあげられる。これらは、教育研究あるいは教育実践研究において問題とされてきた、理論と実践との乖離という課題に関して、イギリスにおいてこれからの教師の資質能力として提唱されたキャパシティ概念をいかに伸長するか、ということへの1つの試みである。 その結果、デジタル教科書の活用やボランティアの活用など、新たな教育実践への取り組みにおいて、若手及び経験教師間の協働や学校を超えての教師の協働が生起した。それ故、新たな教育実践に向けて大学が協働することが、教師の学びや協働にポジティブな影響をもたらすことが示された。 しかしながら同時に、学校と大学とのパートナーシップの確立は容易ではないことも明らかになった。とりわけ学生と各教師との関係性のあり方は、この協働の成果を左右することが示された。また、校長をはじめとする学校管理職が学生ボランティアをどのように意味づけるか、ということも重要な要因であることが示唆された。すなわち、この協働によって学生を教育するという視点に立つ場合と、それぞれの教育実践をより改善するということを第一に考える立場に立つ場合とでは、学生に求められる活動が異なり、学生による授業等の支援が十分には行われないことが生じた。さらに、教師にとってゼミ参加のハードルは高いことが示された。教師の多忙化の問題はあるにしろ、むしろ研究へのアレルギーともいえる感情的な要因が障害になっていると思われた。 これらの問題に関して、学生ボランティアとして、ボランティア活動をより有用に行えるように、アクション・リサーチの考え方に基づき実践を積み重ね、学生が成長するとともに、教師との関係が成立していくことが示された。 これらを踏まえて、今後進めていく予定であるICTを活用した支援システム開発の開発コンセプトとして、関係性と情緒的要因をどのように組み入れるかが課題であることが示された。

  • 制約理論による職業的自己概念の変容をもたらす幼稚園スクールリーダーのスキル開発

    2010年  

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     規模が小さく、研修が困難だと言われている幼稚園において、幼稚園教師の職業的自己概念に変容をもたらすような研修を行うことを支援することができる道具の開発を目的として、幼稚園スクールリーダーとして、兵庫県内公立幼稚園園長および主任(市町村によっては教頭)各3名を対象に、インタビュー調査を行った。調査内容は、主任クラスは保育において必ず行わなければならないこと(保育の設計・実施・評価における保育スキル)、園長には園において教師の成長発達を促すために行うべき園経営の具体的な方策・園長としての行動についてのインタビューである。これらのインタビュー調査に基づき、保育を行う上で幼稚園教師として重要なスキルを明らかにした。例えば、幼児理解は一般に重要だと言われているが、具体的に「教師が意識して行ったこと(保育活動)について子どもはどのように反応し、その活動から子どもに何が育ったのかを見つける」というようにチェックできる項目として作成した。また、評価に関しては、「保育記録は、子どもの行動、言葉、仕草、表情、できれば視線を記録する」という項目である。これらの項目によって、幼稚園教師として行うべき行動項目暫定版を作成した。 同様に、園長に対して行ったインタビューに基づき、園長として行うべき行動項目暫定版を作成した。これら暫定版が研修を支援する道具の1つである。ただ本年度は、行動項目暫定版の作成にとどまったが、今後、これらの幼稚園教師としての行動項目および園長としての行動項目について、重要度と実行度(実際に行っているかどうか)を調査し、重要度は高いが実行できていない項目を明らかにし、実行できない理由を探る予定である。さらに、実行できない理由を分析することにより、保育の改善と幼稚園における教師の成長を制約する要因を明らかにすることにより、幼稚園リーダーとして求められるスキルを探る。

  • キャパシティ概念に基づく大学と連携した学校基盤の持続可能な現職教育システムの開発

    2010年   油布佐和子, 夛屋早菊

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     本研究において、埼玉県所沢市内小学校2校との連携プロジェクトを実施した。プロジェクト内容は、①学生による教育ボランティア、②大学ゼミの開放、③学生による授業分析及びそれに基づく授業検討会、である。これらは、教師の(実践)能力とされるcapacityの獲得を促すことを目的とした。すなわち、教育実践に関する研究情報へのアクセス、授業実践の分析による課題発見など教師のモチベーションの喚起、学生をはじめとするリソースの活用、を保障することであった。プロジェクトを試行した結果、以下のようないくつかの課題が明らかになった。1)多様なボランティア経験を学生にさせることを意図して学年を固定化しなかったことが、教師とのコミュニケーション不足を招きボランティア活動の差が大きかった。2)教育ボランティアに対する教師の理解が、教育実習と同様といった捉えがあり、本来3つの活動が有機的に結びつけたプロジェクトが教育ボランティアが主になった。3)ゼミへの参加、あるいは授業を公開するという点に関する教師の心理的なハードルが高く、それを軽減する有効な方法を見出せなかった。 これらの課題を踏まえて、2011年度は同一の2校と之連携プロジェクトを継続する予定である。 また、本研究においては、静岡県内公立小学校2校の教師及び児童を対象に、教師の指導理論と子どもの学習理論とのズレが子どもの学び(いわゆる勉強嫌い)と関係の調査研究を行った。その結果、教師の指導理論と子どもの学習理論とのズレの様相は、それぞれのクラス固有である傾向が強く、また必ずしも教師の指導理論が子どもの学びには反映せず、むしろ子どもの学習理論が反映していることが明らかになった。すなわち、大学との連携において現職教育を進める場合も、クラス単位での活動をベースすることが重要であることが示唆されるとともに、クラス単位での活動の成果をそのように学校として共有化するかが課題であることが示された。

  • 看護における人に対する技術習得過程の同定とその改善プログラムの開発

    2008年   田村 由美

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    看護教育において、専門性に関する知識・技能を獲得するプリセプターシップは重要な段階である。プリセプターシップは、メンタリングの1つとして位置づけられ、プリセプティ(新任看護師)とプリセプター(中堅看護師)との関係性に、その効果が左右される。また、看護基礎教育において看護技術の習得に関して、看護技術(人に対する技術)をどう捉えるかということも問題となってきた。本研究では、(1)プリセプティとプリセプターの関係性を捉えることと(2)看護技術の捉え方とを問題とした。(1)の関係性については、メンタリングにおける関係性に関する調査項目をベースにプリセプターシップ版を作成した。その予備調査として、7名程度のプリセプター及びプリセプティに対するインタビューを行なった結果、プリセプター及びプリセプティ間の個人差が大きいことが明らかになった。また、現状では中堅看護師の不足問題もあり、プリセプター経験を有する看護師も存在し、プリセプターシップを捉える枠組みそのものを再検討する必要性が窺えた。さらに、プリセプターが実践的スキルよりも心理社会的なサポートに傾斜することが窺え、人に対する技術習得におけるプリセプターの役割がはっきりしないことも示唆された。(2)の人の対する技術に関しては、患者の状態(状況)に基づく判断過程を含む看護技術の測定を問題とした。教師の意思決定研究にみられたように、再生刺激法や思考発話法、あるいはリフレクション等の方法が考えられたが、むしろ看護が「できる」ということを問うことの重要性が明らかになった。すなわち、「知っている(わかる)こと」と「できること」との間にはギャップがあるということである。その意味から、看護基礎教育カリキュラムの構造が、「わかる」から「できる」というシークエンスになっていないかどうか、といった点を中心に今後検討していく必要が示唆された。

  • 看護における人に対する技術習得過程の同定とその改善プログラムの開発

    2007年  

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    本研究は、看護における人に対する技術獲得過程をメンタリングのプロセスから明らかにすることを目的とした。わが国ではメンタリングは企業内教育で数多く行なわれているが、看護のような専門家養成に関してはほとんど研究が行われていない。本研究では、プリセプターシップを看護におけるメンタリングとして捉え、プリセプターへの研修プログラムの分析を行なった。そこでは、技術そのもの獲得よりも看護して行なわれた技術を患者と看護の両視点から捉え直すという思考様式の獲得に力点が行われていることが明らかになった。また、同時に熟達看護師(いわゆるスーパーナース)が研修を担当する場合、熟達看護師と経験の少ない看護師との関係性、特にコミュニケーションのあり方が思考様式を含む技術獲得に重要な役割を果たすことが示唆された。それらの示唆を含めて、新任教師あるいは教育実習生へのメンタリングにおいて重要とされるメンターからメンティへの期待とメンティからメンターへの期待に関するチェック項目から、プリセプターシップにおけるプリセプターとプリセプティとの関係性を調べる質問項目の開発を行なった。さらに、メンターに求められる9つのコンピテンシー(有能さ)に関する調査項目を、教師教育用項目を参照にしながら作成した。 これらに加えて、看護師の技術獲得において重要な意味を持つエピソードの記述方法の開発を行なった。いわゆるナラティブ・アプローチの変型と考えられるが、看護師とその人間関係の中で自己把握を行う絵画図法である。 以上、質問項目及びエピソードを捉える方法の開発が本年度の成果概要であり、看護師を対象とした調査を行い看護師としての思考様式に影響を与えたエピソードとメンタリングとの関係を明らかにする予定である。

  • ポートフォリオ評価を活用したオンディマンド型講義における学生評価法の開発

    2004年   野嶋 栄一郎, 佐古 順彦

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    オンディマンド型講義の改善のための基礎研究として、以下の研究を行なった。(1)Blogを活用した協調学習の場としての中学と大学の連携による総合的な学習の実践所沢市立中央中学校において、環境教育(前期:総合的な学習、第2学年全6クラス)の支援を実施する。中央中の教員とカリキュラムの設計を行った後、環境科学の専門家による入門講義(デジタルビデオコンテンツ)の提供、授業時間中のPC操作サポート、Blogを活用した生徒による協同作業支援(サーバの提供、トラブル対応)、インターネットを利用した生徒への調べ学習サポート(アドバイス)を実施した。そのとり組みの一部を第55回関東甲信越地方放送教育研究大会埼玉大会(第52回関東甲信越が校視聴覚教育大会/第8回埼玉県教育メディア 活用大会)(2004年11月26日、所沢市)において公開授業として紹介した。(2)動画像BBSによる教員研修支援動画像の添付が可能な電子掲示板システム(動画像BBS)を構築し、所沢市の教員研修で活用した。教員研修のメンバーは小学校教諭:6名、中学教諭:1 名、教育センター指導主事:1名、早稲田大学:西村昭治で、動画像BBSを用い日頃の授業/教室での工夫点等の情報を交換し、教員研修用動画像コンテンツの素材とした。動画像BBSに投稿された記事数は約500で、そのうち動画像が添付されたものは約100であった。この研修については「コンピュータ を使った遠隔研修(e-learning)研究部 研究報告:所沢市教育委員会」としてまとめられた。(3)高等教育機関におけるe-Learningの実践/評価ほぼすべての授業がストリーミング動画像として配信される早稲田大学人間科学部通信教育課程の実践において、主として収録場所(スタジオ、教室)の違い、画質、音質等の観点から授業コンテンツの品質の評価を実施し、日本教育工学会等で報告した。(4)e-スクールにおけるHRの機能分析e-learningにおいて、学習者の孤立化を軽減させ、学習活動を維持していくことをねらいとしたHRのログを分析し、その機能を明らかにした。

  • ナレッジ・マネジメントの視座に立つ学校を基盤としたカリキュラム開発のモデル構築

    2002年  

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    本研究は、公立小学校における事前研究会-研究授業-事後研究会を校内研究ととらえ、事前および事後研究会における教師により表出された経験的知識を会話分析により明らかにすることを目的とした。分析の視点として、それぞれの教師が持つ経験知が、研究授業の観察という共通の体験により表出され、新たな指導法あるいはカリキュラムなど教育実践に関する知識創造が行なわれるかという知識変換という視点を用いた。その結果、教師から表出される知識は、研究授業の内容に依存するものの、多くは指導法および教材という1時間の研究授業に焦点化され、カリキュラムなどに言及されることは少ないことが明らかになった。年間を通して実施される校内研究には継続性がなく、むしろ各研究授業で完結する傾向が強いということである。また、教師同士の会話のつながりを見てみると、研究授業に依拠した発話に対しては、同じレベルでの応答がなされており、研究授業という具体的な事実から抽象化された知識への変換が十分にはなされていないことも明らかになった。それは、具体的な知識を抽象的な知識(授業内容に依存しない形式の知識)へと転換する、いわゆるナレッジ・マネージャーの存在の欠如が一因として考えられた。校内研究では、いわゆる研究部と称される教師がその役割を果たすことになると考えられるが、必ずしも機能していないことも明らかになった。あるいは、教師自身による経験知の表出が難しいということも考えられる。暗黙知といわれる臨床の知あるいは実践知という知識の表現の難しさである。したがって、校内研究が学校を基盤としたカリキュラム開発の重要な場であるにもかかわらず、必ずしも現状では十分に機能していないということ、それは、ナレッジ・マネージャーという役割の存在が欠如していることが明らかになった。同時に、暗黙知をいかに記述するのか、あるいは表出するのかが課題である。これについては、image-based approachによる予備的研究を行ない、暗黙知の表現可能性は示唆された。

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海外研究活動

  • アクションリサーチ及びメンタリングによる教師教育プログラムの開発

    2009年03月
    -
    2010年03月

    イギリス   ロンドン大学

 

現在担当している科目

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