2022/05/17 更新

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オオツカ タダシ
大塚 直
所属
法学学術院 法学部
職名
教授

兼担

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 理工学術院   大学院環境・エネルギー研究科

  • 法学学術院   大学院法務研究科

経歴

  • 2006年04月
    -
    継続中

    東京大学大学院   法学政治学研究科   講師

  • 2004年04月
    -
    継続中

    早稲田大学大学院法務研究科教授を併任

  • 2001年04月
    -
    継続中

    早稲田大学法学部教授

  • 1993年04月
    -
    2001年03月

    平成13年3月 学習院大学法学部教授

  • 1988年09月
    -
     

    アメリカ合衆国カリフォルニア大学バークレイ校ロースクールで客員

  • 1986年04月
    -
     

    学習院大学法学部助教授(民法)

  • 1981年04月
    -
    1986年03月

    東京大学法学部助手(民法)

  •  
     
     

    研究員として環境法、不法行為法を研究

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所属学協会

  •  
     
     

    比較法学会

  •  
     
     

    日米法学会

  •  
     
     

    日本土地法学会

  •  
     
     

    環境法政策学会

  •  
     
     

    日本私法学会

 

研究分野

  • 民事法学   環境法

研究キーワード

  • 民法、環境法

論文

  • 環境法入門〔新版〕

    日本経済新聞社    2003年04月

  • 環境法

    有斐閣    2002年12月

  • 環境法学の挑戦

    日本評論社    2002年

  • 共同不法行為論

    法律事報/日本評論社   73巻3号20-25  2001年03月

  • 循環型社会 科学と政策

    有斐閣アルマ    2000年12月

  • 市街地土壌汚染の環境基準および対策基準の考え方(大野正人と共著)

    資源環境対策/公害対策技術同友会   11号65-71  2000年11月

  • 東海村臨界事故と損害賠償

    ジュリスト/有斐閣   1186号36-43  2000年10月

  • 環境影響評価法の法的評価

    『環境影響評価法実務』   21-47  2000年10月

  • 循環型諸立法の全体的評価

    ジュリスト/有斐閣   1184号2-16  2000年09月

  • 排出権取引の新たな展開(2・完)

    ジュリスト/有斐閣   1183号158-167  2000年08月

  • 土壌地下水汚染対策と法的責任

    (環境法政策学会)    2000年06月

  • 市街地土壌汚染浄化をめぐる新たな動向と法的論点(三・完)

    自治研究/良書普及会   76巻4号  2000年04月

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書籍等出版物

  • 環境法BASIC(第2版)

    大塚 直( 担当: 単著)

    有斐閣  2016年

  • 震災・原発事故と環境法

    大塚 直( 担当: 共編者(共編著者))

    民事法研究会  2013年

  • 国内排出枠取引制度と温暖化対策

    大塚 直( 担当: 単著)

    岩波書店  2011年

  • 環境リスク管理と予防原則―法学的・経済学的検討

    大塚 直( 担当: 共編者(共編著者))

    2010年

  • 環境法(第3版)

    大塚 直( 担当: 単著)

    有斐閣  2010年

  • 地球温暖化をめぐる法政策

    大塚 直

    昭和堂  2004年

  • 土壌汚染と企業の責任

    大塚 直( 担当: 共編者(共編著者))

    有斐閣  1996年

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Misc

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 環境リスク規制に関する包括的研究―統一的視座の確立と環境損害賠償制度構築に向けて

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2013年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    本研究は、環境リスクを意識した環境法制度を構築することを目的とし、環境リスク規制に係る統一的視座を確立すること、及び環境損害賠償制度の構築を試みること、を2本柱としている。
    本年度は、特に環境リスク規制に焦点を当てた。リスク規制のためには、環境法の基本原則である予防原則について検討が必要となる。そこで、6月には、国際シンポジウム「EU,イギリス及び日本における予防原則」を開催した。研究代表者による報告「わが国における予防原則について」のほか、イギリスから招聘した法学研究者から「Precautionary Principle in the EU and the UK including the relation between Precautionary Principle and Proportionality Principle」について、国内から招聘した法学研究者から「予防原則と化学物質規制」についてもご報告をいただいた。その後のパネルディスカッションでは、参加者からの質問も交えて、活発な議論を行うことができた。
    また、リスク規制については、各々の分野の環境問題

  • 法の国際化における民事責任の総合的・比較法的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2010年
    -
    2012年
     

     概要を見る

    本研究では、欧州を中心とする諸外国の動向を踏まえ、(1)事前規制の緩和により、事後的な段階で働く民事責任の制裁的側面が重要になるとともに、(2)事前の救済手段である差止請求の役割が、特に環境法等の分野においては増大していること、(3)生命・身体・財産・環境・プライバシー等にかかわる安全性の保護や、(4)競争秩序の確保を含めた取引の公正性の確保のために、契約責任・不法行為責任の役割が増大していることを確認し、これらが、各国の法の改革、さらに国を超えた法の統一・調和への動きの中で、どのように受容、拡大、あるいは変容されるかを解明し、これを通して、わが国の民事責任法の今後を展望した。近時重要になっている消費者法領域や商事法領域における民事責任法の展開を含め、上記(1)~(4)の諸相を中心とする一定の成果を得ることができたと考えている。

  • 日本民法典財産法編の改正に向けた立法論的研究

    科学研究費助成事業(上智大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2008年
    -
    2012年
     

     概要を見る

    現在、 法務省による債権法(民法第3 編)の改正が進行中である。 ただ、民法典の途中から改正作業を開始し、順次改正をしていくと、改正民法典に枝番号条文や空白条文が出現し、民法典の構成がいびつになる。また、法務省の改正提案は、欧米の民法と日本民法を同化させようとする比較法的関心によるものであるが、国民の生活を規律する民法は、日本社会の需要にあわせた改正を行う必要がある。そこで、法務省とは別に、国民各層の声を聞いたうえで、民法改正提案を行った。

  • 中長期的な地球温暖化防止の国際制度を規律する法原則に関する研究

    研究期間:

    2004年
    -
    2006年
     

  • 社会・文化的特性を考慮した持続可能性配慮型建設システムの創出に関する研究

    科学研究費助成事業(東京大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

     概要を見る

    本研究の成果は以下の三点に集約される
    1「持続可能配慮型建設システム」と社会的・文化的特性の関係を明らかにした
    日本の法制度枠組みにおける環境法制のあり方に関する考究、環境的持続可能性にかかわる意志決定の社会的側面及びアジア地域における建設システムの制度運用にかかわる調査分析を通じて、持続可能配慮型建設システムを成立させるためには、社会的・文化的特性をふまえてどのような制度設計をする必要があるのかその論点をまとめた。
    2マテリアルフロー・バランスからみた「持続可能配慮型建設システム」のあり方を明らかにした
    都市レベルでの物質収支、建築解体工法の分析及びそれに伴うマテリアル・フローの分析を通じて、資源生産性の観点から見て、「持続可能配慮型建設システム」が備えるべき要件を整理したうえで、静脈ロジスティックスを媒介にした、セクター間の連関のあり方を構想した
    3建設関連セクターのサービス・プロバイダー化のあ

  • 無形の利益が侵害された場合の損害賠償における損害の把握と賠償額の決定

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    1999年
    -
    2000年
     

     概要を見る

    無形の利益が侵害された場合の損害賠償における損害の把握と賠償額の決定に関して、(1)損害論のあり方(水野)、(2)延命利益の賠償(大塚)、(3)自己決定権侵害における損害賠償(手嶋)、(4)純粋財産損害の賠償(山田)、(5)慰藉料請求権の内容と機能(窪田)の各テーマについて、各担当者が、我が国の判例と学説ならびに比較法的な状況を分析し、研究会においてその分析と解釈論的な提案を検討するという形で共同研究を進めた。
    その結果、(1)損害論のあり方においては、担当者より、従来の裁判例の分析を踏まえたうえで、口頭弁論終結時までの「プロセスにおける不利益状態」を類型ごとに規範的・金銭的に評価したものを損害と捉えるという従来の損害=事実説対差額説という図式に入らない損害概念の把握が提案された。(2)延命利益の賠償については、近時の最高裁判決を、延命利益論、割合的因果関係論、確率的心証論、機会の喪失論、救命率に応じた救命可能性の侵害論などの最近の

  • 循環型社会システム実現のための法的手法の評価

    科学研究費助成事業(立教大学)  科学研究費助成事業(重点領域研究)

    研究期間:

    1997年
     
     
     

     概要を見る

    本研究の目的は、地球本位型社会システム実現にむけてのもっとも根幹的な課題である環境低負荷型・循環型社会への転換を促す法的手法のあり方を考察することであり、そのために次のような研究を実施した。
    1 昨年度より引き続いて、地球温暖化防止のための国際的取り組みのあり方について、本研究メンバーを中心に検討を行い、提言した。この点に関する今後の研究テーマは、国内法・国内法政策のあり方である。
    2 本年度においては、新たに廃棄物リサイクルの促進に関する法制度の一つである容器包装廃棄物リサイクル法(略称)を中心に取り上げ、次のような検討を行った。
    (1) 外国の制度、特に、ドイツのDSD、フランスのエコ・アンバラージュの研究
    (2) わが国における国および自治体の新たな取り組みの調査、たとえば、国が関与する各種のゼロ・エミッション計画および新たな制度としての家電リサイクル法案、自治体の取り組みとして、東京ルール、自治体のゼロ・エミ

  • 地球温暖化防止対策の法的手法の評価

    科学研究費助成事業(立教大学)  科学研究費助成事業(重点領域研究)

    研究期間:

    1996年
     
     
     

     概要を見る

    1 本研究は、一般的環境負担型ともいうべき地球温暖化問題を扱うものである。
    2 研究の枠組み。(1)国際的に合意された政策目標-(1)温室効果ガスの2000年における1990年レベルの安定化、今後については、(2)2000年以降における温室効果ガス削減のための国際的枠組みづくり、(3)一律削減目標の数値の明確化、(4)削減のための政策措置の明確化-を国内レベルで実施する法的手法(包括手法と個別手法)の評価を行う。(2)国内レベルでも、受益と負担との関係を直接にあらわすことができず、原因と負担との関係も個別的には希薄なので、負担の配分の問題としてとらえられる。したがって、その対策にかかわる関係主体の同意調達のあり方とその裏面としての正当性の論証が問題になる。(3)包括手法には、(1)単独立法・法規的命令型、(2)法規的計画型、(3)計画型がある。個別手法には、(1)権利を制限し義務を課すタイプ、(2)温暖化防止目的に適合する料金設定を義務づけ、あるいは誘導するタイプ

  • 自然環境保全法則の国際比較研究

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1994年
    -
    1995年
     

     概要を見る

    1.第一年度(1994年)は,フランス,ドイツ,スウェーデン,スイス,アメリカ合衆国,フィージ-・西サモア,ニュージーランド,オーストラリアなど各国を訪問し,政府関係機関や国際条約事務局,大学・研究所などの研究機関でのヒアリングなどを通じて各国の法制度やその現場での運用の実態,国際的な条約の実施状況などを調査研究した.また,自然保護地域などの現地を視察した.
    第2年度(1995年)は,まず,昨年度の調査を通じて得られた知見を整理し,収集した資料等に基づき分析を深めるとともに,なおも理解が困難であるところに重点をおいて,再度の調査を実施した.アメリカ合衆国,フランス,スウェーデンについて,今年度も現地調査を実施した.
    さらに,調査の対象範囲(国)を拡大して,多角的な検討をおこなった.コスタリカおよびカナダにおいて,生物多様性条約など自然保全に関する諸条約の国内実施の状況や,それらの条約に基づく国際協力の実態について調査を行った.また,ニュージーランド・オース

  • 自然環境法制の総合的再構築:国際的動向をふまえたわが国法制の改善の提言

    科学研究費助成事業(神戸大学)  科学研究費助成事業(総合研究(A))

    研究期間:

    1992年
    -
    1993年
     

     概要を見る

    平成4、5年度にわたり、各自の研究と合宿における報告・討論・視察・ヒアリングなどによって、研究を進めるとともに、平成5年度の後半には、以下のような構成で報告書の取りまとめる作業を進めた。
    第一に、国内法の現状分析として、自然環境保全法・自然公園法、森林法制、鳥獣保護法と狩猟法、文化財保護法、絶滅危機種保存法といったわが国の自然保護に関する法制度について、第二に、国際法制度の現状分析として、自然環境に関する条約の概観、国際的指定地のための制度、自然保護のための地域指定制度、条約の効果的実施のための制度、国際援助のための制度について、第三に、規制および監督手法の現状分析として、土地利用規制手法や、補償・協定・基金など金銭を利用したコントロール手法について、それぞれ検討を加え、望ましい方向を提案した。最後に、外国法制度の現状分析として、アメリカ、スウェーデン、フランス、ドイツの自然環境保護のための法

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特定課題研究

  • 環境損害及び原子力損害の責任システムとそのリスク抑止機能についての検討

    2020年  

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    福島原発事故の国家賠償訴訟判決においては、国の賠償責任を肯定する裁判例と、否定する裁判例が分かれており、最近では仙台高裁が初めての高裁判決として、国の責任を肯定した(仙台高判令和2・9・30)。本研究では、国家賠償法1条の過失要件とリスク論との関係について検討し、国の責任を肯定する裁判例も否定する裁判例もいずれも、長期評価を、科学的知見として確立されていないとしつつ、無視できない知見として、事故の予見可能性を認めた点が、予防原則の考え方を過失の判断に導入したものといえること、裁判例の中には、損害の回避可能性があったかについて、原告の立証負担を軽減するものがあるが、そこに理論的な問題点があることを指摘した。

  • 環境リスク・環境公益訴訟の新たな展開

    2019年  

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     環境公益訴訟の例として気候変動に関連する訴訟について研究した。公害調停としてのシロクマ調停及び日本の各地で提起されている石炭火力訴訟を扱った。その結果、現行法の解釈論としては、民事差止訴訟では因果関係、行政訴訟では原告適格及び処分性がハードルになることを結論として得た。その間、民事損害賠償訴訟では、確率的心証論をとれば、競合的不法行為としての賠償請求をする可能性があることを指摘し、この点について更に深めていきたいと考えている。他方、立法論としては、オーフス条約との関係を踏まえつつ、わが国でも、行政訴訟及び民事訴訟において、環境保護団体による団体訴訟の導入が必要である。

  • 予防原則と将来世代との衡平の確保

    2018年  

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     予防原則に関する環境法の個別分野を研究し、第1に、気候変動に関して将来世代の利益を確保するための制度化として、イギリス気候変動委員会に注目した。気候変動には科学的不確実性は残されているが、近い将来様々な災厄が襲ってくることは確実であることからすると、わが国でもこの種の委員会を導入すべきである。第2に、プラスチック海洋汚染に関しては、人間の健康への影響についてはまだ科学的に不確実な状況にある。第1に、プラスチック資源戦略を展開する際には、資源管理、温暖化、海洋汚染の3つの課題を総合的に扱う必要があること、第2に、プラスチックについて容器包装に特化した制度は改変する必要があることが明らかになった。

  • 化学物質に関する予防原則の在り方

    2017年  

     概要を見る

     化学物質過敏症訴訟につき、裁判例では、①環境汚染としての、廃プラスチックリサイクル施設の操業から発生する未同定化学物質による場合には、原告の救済はなされていないが、室内汚染としての、②ホルムアルデヒドを含む建材等や、③製造物(中国製電気ストーブ)による場合には原告の救済がなされている。②、③については、予防原則的考慮が裁判例上なされていると評価することもできよう。  化学物質過敏症の不法行為責任の判断に関しては、因果関係の判断において、原因物質の特定は必ずしも必要でなく、また、①化学物質の濃度が行政上の指針値を超えていたか、②他に同様の状況下で化学物質過敏状態となった者が数多くいたかが重視されるべきである。

  • 環境リスクに対する損害賠償の在り方-環境法における予防原則の具体化の一側面

    2016年  

     概要を見る

     成果としては、原発民事差止訴訟について以下の結論を得た。第1に、(行政訴訟ではなく)民事(差止)訴訟の目的は、周辺住民の人格権侵害の防止・予防であり、人格権侵害の防止・予防のために必要があれば、原発が現在の科学技術水準を満たしていても、差し止めうるというべきである。第2に、原発訴訟を行政訴訟のみに委ねようとする見解は、行政訴訟を提起した場合の訴訟要件等におけるハードルの高さを軽視した議論である。第3に、新規制基準(行政基準)に対する敬譲は必要である一方で、民事訴訟においても行政基準に全く追随するのでは意味がなく、両極端の立場をとらない判断枠組が必要である。

  • 環境損害と行政責任に関する研究

    2015年  

     概要を見る

    本研究においては、フランスにおける純粋環境損害の議論について、民事の損害賠償だけでなく、新たな視点として、狭義の環境損害に対する行政責任との比較や関係性を念頭におきながら検討をおこなった。狭義の環境損害に対する責任を定めた2004年のEU環境責任指令を国内法化することによって、フランスには公法に基づく責任も存在するが、フランス国内における行政責任と民事責任の双方に焦点を当てた検討をおこなった。特にエリカ号事件判決が下されるに至るまでの議論の変化に注目した。

  • 許可の抗弁と環境損害に対する責任(制度)

    2014年   二見絵里子

     概要を見る

    本研究は、環境リスクに対する規制として、化学物質や遺伝子組換え技術の活用のような最先端技術には許可制や届出制が用いられているが、そのような許可や届出が与えられた活動によって環境損害が引き起こされた場合には、事業者に責任を課することは適切なのか、汚染原因者への責任の免責として許可の抗弁がどの程度認められるべきかという問題を検討することである。この点、フランスの民事責任に関する学説は許可の抗弁により民事責任を制限することに反対するものが多いが、判例は、行政許可がある場合には民事責任の一部である民事差止は認めないとしており、この点は環境損害にも及ぶものと解される。

  • 環境法における予防原則と持続可能な発展原則

    2013年  

     概要を見る

    本特定課題研究助成費は、遺伝子組換えリスクに関する規制やそれに起因した損害に対する責任、その(持続可能な)利用に関する研究への図書資料費及びコピー代として用いた。 本助成費も一部とした成果として、2014年3月に、“A Japanese approach to the domestic implementation of the Supplementary Protocol”, Akiho Shibata (ed.), International Liability Regime for Biodiversity Damage—The Nagoya Kuala Lumpur Supplementary Protocol (Routledge, 2014), Chapter13を発表した。これは、遺伝子組換え生物等による生物多様性への損害に対する責任を定めた「名古屋・クアラルンプール補足議定書」について、日本における国内実施を検討したものである。従来、日本において遺伝子組換えリスクに対する規制として、「カルタヘナ法」は存在したが、名古屋・クアラルンプール補足議定書の国内実施を検討するにあたり、それとこのリスクに起因した損害に対する責任を合わせた法枠組みについての考察が中心となっている。生態系リスクを問題とするカルタヘナ法の意義を確認し、生物多様性損害への回復を求める対応措置の実施をどのように導入することによって、悪影響が生じるおそれがある場合に遺伝子組換え生物等を回収や中止する従来の予防原則の枠組みをより強化できるかについての検討を行った。これに対しては、従来の生物多様性影響と生物多様性損害の概念を区別すること、従来の措置命令と対応措置の区別を行うことによるべきであることを示した。また、このように予防と責任を示した成果は、遺伝子組換え生物のリスクへの配慮だけでなく、環境容量内でその資源をどのように利用するかという、持続可能な発展原則への研究にもつながっている。単にリスクの予防だけでなく、利用の結果に対する事後的な責任を合わせて検討したように、遺伝子組換え資源をどのように利用するかを意識した研究であり、持続可能な発展原則の今後の研究につながると考えられる。

  • リスクの先端法学-金融リスク・災害リスク・環境リスク-

    2012年  

     概要を見る

    環境リスク・災害リスクを防止するための原子力規制について検討し、原子力規制・環境規制、各種事業規制のような規制システム、緊急時の対応計画、原子力発電所事業の規制についての組織の在り方等を検討した。 また、放射性物質の環境規制における扱いについて、2012年に原子力規制委員会設置法の制定により、環境基本法における放射性物質適用除外の規定が削除されたが、その背景事情、今後の個別環境法における放射性物質適用除外規定の削除についても検討した。その結果、従来存在した環境基本法13条の「汚染の防止」は「汚染の除去等」を含みうる概念であり、2012年の前記改正においては、放射性物質汚染対処特措法を環境基本法体系下にある環境法令として位置付けるために、環境基本法13条を削ることが望ましいと考えられたことが明らかになった。 さらに、原子力発電所の環境リスク・災害リスクを防止するため、環境影響評価手続を活用できないかについても検討した。この点について、アメリカの国家環境政策法(NEPA)では、事業の環境影響評価においてworst caseが検討されている。特に危険性のある施設については、worst caseを想定しておく必要があろう。これに対しては、「なぜ時間をかけて起こりもしないことを検討しなければならないのか」という疑問が提起されうるが、わが国の環境影響評価法の下では、許認可等権者及び環境大臣は環境影響評価書について、危険施設に関しては、worst caseについての調査が十分かを確認し、不十分な場合にはもう一度調査するよう意見を提出すべきである(同法23,24条)。この問題に関しては、さらに、その前提として、現行の環境影響評価法はそもそも事故時における対応を評価する仕組みになっていなことから、この点をどうするかについての基本的な検討も行わなければならない。 予防原則とも関連する環境損害についてはどうか。原子力事故に対する損害賠償においては、放射性物質汚染対処特措法やそれに伴う紛争審査会指針において、一種の環境損害が認められたことは重要であるが、いわゆる純粋環境損害は認められていないことが明らかになった。すなわち、2011年8月26日、放射性物質により汚染された廃棄物の処理及び土壌等の除染等の措置については、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(放射性物質環境汚染対処特別措置法)が制定され、国・自治体が同法に基づいて講じた措置について関係原子力事業者に対する求償が認められたのである(但し、努力義務。44条。2012年1月施行)。この種の費用の賠償は(わが国は加盟していないが)ウィーン条約1997年改正議定書に含まれること(1条1項(k)。環境損害の一種)、この種の費用は通常の国、自治体の事務とは言い難いこと、この種の被害を賠償の対象としておかないと国や自治体が浚渫等をしない結果となるおそれについて懸念があることなどから、積極的に評価できると思われる。もっとも、国や地方公共団体の河川浚渫費用等を国、地方公共団体が支払った場合については、指針には含まれておらず、引き続き検討の必要があると考えられる。

  • 環境損害に対する責任に関する課題と立法提言

    2008年  

     概要を見る

    環境損害には広義と狭義とがあるが、ここでは、環境影響起因の損害のうち、人格的利益や財産的利益に関する損害以外のもの(狭義)を用いている。2004年にはEUで環境損害責任指令が採択されたが、構成国により若干の相違が見られることが明らかになった。ドイツでは第1に、市民らの行政庁に対する作為請求権の範囲を修復措置に限定していること、第2に、原告適格の範囲について伝統的な保護規範説を維持し、「個人の権利を根拠づける」環境法規違反を要件としたことである。イギリスでは規則案の段階であるが、ドイツのような限定はしない方向が打ち出されている。EU指令とわが国の法状況を比較してみると、わが国の制度は、公害防止事業については公害概念を用いているため、健康被害又は生活環境被害に限定する形式がとられており、この点が大いに異なっているものの、公害防止事業費事業者負担法の健康被害、生活環境被害は広く解されていること、土壌については、わが国もEUも健康被害のおそれのある場合のみを対象としていることなど、実質的には類似した面もないではない。また、EU指令とアメリカの自然資源損害を比較すると、EUでは原因者負担原則と予防原則の実現が重視されていることも明らかになった。 今日、わが国で環境損害責任を導入する意義としては、原因者負担原則の徹底、それに伴う環境関連の損害の未然防止の徹底、環境政策の費用便益分析の基礎の提供、団体訴訟との連結の可能性の構築などをあげることができる。わが国においても、個人の利益の範囲を超えた環境に対する損害、生態系に対する損害が広がっており、「人類の存続の基盤」である「環境」に対する損害を防止・修復するため、狭義の環境損害を対象にすることが必要となっている。 環境損害責任の立法化にあたっては、どのような点に注意すべきかを検討し、修復中心のアプローチを取るべきこと、回復の対象となる環境損害については、とりあえず必要性の高い分野(水、生物多様性、土壌)に限定して制度を構築することが考えられること、環境損害の修復の主体は原因者を基本とすること、修復請求の主体は行政庁とすること、その際、団体訴訟を導入すべきこと、責任については不遡及とすること、行政庁の許可がある場合には環境損害を認めることは困難なこと、責任限度額を設けることが考えられることなど、一定の結論を得た。立法化にあたり、検討すべき点はなおいくつか残されており、更に検討を続けたいと考えている。

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現在担当している科目

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