2022/01/21 更新

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スアミ タカオ
須網 隆夫
所属
法学学術院 大学院法務研究科
職名
教授

兼担

  • 法学学術院   法学部

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学位

  • 修士

所属学協会

  •  
     
     

    法社会学会

  •  
     
     

    日本国際経済法学会

  •  
     
     

    国際法学会

  •  
     
     

    日本EU学会

 

研究分野

  • 国際法学

論文

  • ECにおける国際条約の直接効果—「条約の自動執行性」と「EC法の直接効果」—

    早稲田法学   76巻3号pp.53-110  2001年03月

  • ヨーロッパにおける法律職の動向—国境を越える弁護士の移動—

    月刊司法改革   18号pp.42-46  2001年03月

  • 欧州におけるグローバル経済化と構造改革の課題に関する調査研究

    (財)国際貿易投資研究所    2001年03月

  • 地方公共団体における国際協定への対応のあり方に関する調査研究

    (財)地方自治研究機構    2001年03月

  • Trevor. C. Hartley, Constitutiional Problems of the European Union (Hart, 1999)

    国際学会雑誌   114巻1-2号pp.97-100  2001年02月

  • アンチダンピング手続における消費者の権利—欧州消費者連盟事件—

    貿易と関税   49巻2号pp.92-96  2001年02月

  • 企業内(社内)弁護士と弁護士倫理

    現代刑事法   3巻3号pp.41-48  2001年02月

  • ベルギーの裁判官制度—市民の批判に応える司法改革

    月刊司法改革   16号pp.52-57  2001年01月

  • オランダの裁判官制度—裁判官の多様性・独立性、そして国民参加をどのように実現するか

    月刊司法改革   15号pp.68-73  2000年12月

  • ヨーロッパ対外政策の焦点—EU通商戦略の新展開—(長部重康・田中友義編著)

    ジェトロ    2000年11月

  • ●●經濟法—●●單一市場●完成●●法的基盤(崔洪培・葵炯福訳)

    図書出版・芝山(韓国)   pp.1-394  2000年09月

  • 法曹人口—司法改革の「要」としての役割を期待する

    月刊司法改革   12号pp.26-30  2000年09月

  • ロースクール構想とは何か

    世界   678号pp.212-213  2000年08月

  • 裁判所の変化が「法の支配」実現の道—欧州に見る「多様さ」と「参加」

    論座   63号pp.110-119  2000年08月

  • 法理論教育と法実務教育

    月刊司法改革臨時増刊 シリーズ21世紀の司法改革1   pp.85-89  2000年08月

  • 司法制度と法律家—弁護士法72条問題への視点

    月刊司法改革   8号pp.14-18  2000年05月

  • 商標権の国際的消尽—シルエット事件判決

    貿易と関税   48巻5号pp.75-71  2000年05月

  • 法曹人口の増加とあるべき弁護士像—ロースクール構想への視点—

    法律時報増刊 シリーズ司法改革Ⅰ   pp. 107-126  2000年04月

  • EU入門ー誕生から、政治・法律・経済まで

    有斐閣   pp.11-34  2000年03月

  • EU対外関係の法的基礎

    EUの対外政策の基本的性格と戦略展開の実態/国際貿易投資研究所   pp.17-34  2000年03月

  • 国際法務戦略(奥島孝康・堀龍兒編)

    早稲田大学出版部   pp.21-43  2000年02月

  • 行政訴訟論議活性化のために

    月刊司法改革   2,pp.10-14  1999年12月

  • 現行法曹養成制度の批判的分析における法科大学院論の位置づけ

    月刊司法改革   3,pp.33-37  1999年12月

  • 規制緩和と経済法ーECにおける規制緩和と競争法の強化ー

    奥島孝康教授還暦記念第2巻『近代企業法の形成と展開』   pp.787-813  1999年12月

  • 加盟国権利救済制度の自律性

    貿易と関税   47;11,pp.80-83  1999年11月

  • 国際人権法に見る証拠開示

    季刊刑事弁護   19,pp.104-107  1999年07月

  • 欧州経済通貨同盟の法的側面

    早稲田法学   74;4,pp.107-156  1999年05月

  • 第2章「経済通貨同盟(EMU)の法的諸問題」ユーロ導入と欧州産業競争力の低下

    国際貿易投資研究所    1999年03月

  • 司法制度改革への視点—法曹一元と諸外国の経験

    月刊Keidanren   11月号 p.30  1998年11月

  • 法学レッスン(鴨野幸雄他編著)

    成文堂    1998年09月

  • 大陸法諸国における「法曹一元」的対応

    自由と正義   49;7,p.34  1998年07月

  • 第7章「事後救済措置・遡及的保護(損害賠償その他)」WTO紛争解決手続の改正提案の検討

    公正貿易センター    1998年04月

  • 正田彬著「EC独占禁止法」・村上政博著「EC競争法[EU競争法]」

    ジュリスト/有斐閣   1108  1997年03月

  • EU統合と産業再編の構造(その2)

    国際貿易投資研究所    1997年03月

  • 紛争解決手続・手段の諸類型−APECにおける新たな手続の構築に向けて

    国際貿易投資研究所/公正貿易センター    1996年05月

  • EC競争法の加盟国裁判所による適用

    欧州問題研究会報告/(財)世界平和研究所   4  1996年02月

  • ECにおけるヨーロッパ人権規約の意義

    法と民主主義/日本民主法律家協会   304  1995年12月

  • 主張制限−主張の提出時期

    ガット/WTOの紛争解決における手続法上の諸問題(第4章)/公正貿易センター    1995年06月

  • EC市場統合と企業活動の法的規制

    成文堂    1995年06月

  • ECの水際関連法

    平成6年知的財産の裁判外紛争処理に関する調査研究報告書I(第2編2章)/(社)日本機械工業連合会,(財)知的財産研究所    1995年05月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • データ駆動型社会の法に関する領域横断的研究‐デジタルプラットフォームを焦点に

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    インターネットやAIを中心とする技術革新は、現代社会に多大の利便性をもたらし、明るい未来を切り拓くように思われるが、同時に多くの深刻な問題をも投げかけている。優れた技術革新の芽を摘むことなく、裏腹の弊害にどのように対処すればよいのか。イノベーションのインセンティブを失わせる過剰規制と必要な場合に適切な措置を行わない過小規制を共に排して、妥当な法規制・規律を行うにはどうすればよいのか。本研究は、こうした課題について、経済法、民法、刑法、憲法、情報法、労働法、国際経済法、EU法の各領域からアプローチし、これを総合しようという研究である

  • 「裁判官対話」の実態とその可能性:ヨーロッパとアジアの視座から

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2023年03月
     

     概要を見る

    本研究は,国際法専攻者とEU法専攻者との共同により,異なる法秩序間の調整または新たな形成のメカニズムとしての「裁判官対話」現象が世界で最も顕著に見られるヨーロッパを主たる素材とし,第一に,その実態に迫ること,第二に,それが特殊ヨーロッパ的現象に過ぎないのかあるいは普遍的射程を持つ現象なのか,普遍性を持つならばアジアでも「裁判官対話」が発展する可能性があるのかといった問題,第三に,「裁判官対話」に関わる解釈権,正統性等の理論的問題の検討を目的とする研究である.本研究の課題は,第一に,未だ十分な実証研究がなされているとは言えないヨーロッパにおける「裁判官対話」の実態解明,第二に,ヨーロッパにおける「裁判官対話」の普遍性ないし射程を,アジアにおける動向の調査をおこないつつ,日本を含むアジアをも念頭に置いて検討すること,第三に,「裁判官対話」に関する理論的問題については,既に多くの文献がありながら,正面からあまり検討されてきていない国際法・EU法上の理論的問題の検討であった.今年度は,上記第一および第二の課題につき進展が見られた.まず第一の課題につき,伊藤がフランスにおける「裁判官対話」の実態解明の一環として,フランスの行政裁判所系統の最上級審である国務院および民刑事裁判所系統の最上級審である破毀院に関する調査を継続し,EFTA裁判所のBaudenbacher元長官が回顧録を公刊した(Baudenbacher, Carl, Judicial Independence. Memoirs of a European Judge, Berlin, Springer, 2019, XLII, 520 p.)ことから,共同研究者が同回顧録の各章を交互に読んで報告することにした.第二の課題については,まず日本の裁判所における「裁判官対話」の可能性を検討する前提として,裁判所の国際交流,比較法の実態研究の必要性認識を共有した共同研究者全員が,最高裁寺田元長官のインタビューに参加し,その後インタビュー内容について討議することができた.その他,伊藤が最高裁の大谷長官および調査官と,裁判所内部における比較法利用の実態につき話す機会を得た.また,アジアにおける「裁判官対話」の可能性については,須網・伊藤が,韓国の延世大学で開催された日韓シンポジウムに参加し,韓国憲法裁判所および大法院(民刑事の最高裁)における比較法研究の実態につき情報を得ることができた.本研究の上記第一の課題については,伊藤が「裁判官対話」の実態解明の事例研究として,フランスをとりあげ,パリで資料収集および実態調査を行った.具体的には,フランス国立公文書館で今年公開された1994年度の憲法院の評議要録,1980年代後半に国務院副院長を務めたLong関係文書の一部を調査・収集することができた.また,Poillot-Peruzzetto教授のご協力を得て,破毀院の報告調査部のSommer部長および2名の職員の聞き取り調査を行い,近年の破毀院における比較法調査の実態・体制につき貴重な情報を得ることができた.また,上記Baudenbacher回顧録には,部外者には到底窺い知ることのできないような国際裁判所の法廷内外の「裁判官対話」に関する戦略・活動が活写されており,ヨーロッパにおける「裁判官対話」の実態を知る極めて有益な資料であるため,共同研究者が同回顧録の各章につき報告・討議することにした.第二の課題については,まず日本の裁判所における「裁判官対話」の可能性を検討する前提となる文献・データが,ヨーロッパに比べ極めて乏しいため,インタビュー等による調査の必要性が共同研究者の間で共有されていた.そこで,特任教授として早稲田大学に出講していた最高裁の寺田元長官を招いて,共同研究者全員がインタビューに参加し,その後インタビュー内容について討議することができた.その他,伊藤が最高裁図書委員会の機会を利用し,大谷最高裁長官および調査官と,裁判所内部における比較法利用の実態につきインタビューする機会を得た.また,アジアにおける「裁判官対話」の可能性については,須網・伊藤が,韓国の延世大学で開催された日韓シンポジウムに参加・報告した際に,韓国憲法裁判所および大法院(民刑事の最高裁)関係者から,韓国の裁判所における比較法研究の実態につき貴重な直接情報を得ることができた.本研究の第一の課題については,ヨーロッパにおける「裁判官対話」の実態に迫るために,伊藤が「大国」フランス,濵本が「小国」(EU加盟国のベルギー,ルクセンブルク,EFTA加盟国のスイス,EEA加盟国のリヒテンシュタイン)の国内裁判所を対象として,その実態調査を継続する.EFTA裁判所のBaudenbacher元長官の上記回顧録に含まれる,EU/EEAにおける「裁判官対話」の実態に関する貴重な証言を手掛かりとし研究を進める.また,伊藤は,2018年に発効した欧州人権条約第16議定書の最初の適用例が早くも2019年に現れたので,その分析を進める予定である.本研究の第二の課題であるアジアにおける「裁判官対話」の萌芽の存在・実態調査については,まず近年活発な国際的活動を展開している韓国憲法裁判所,韓国がホスト国となっているアジア憲法裁判所協会(AACC)等を介して,更なる調査計画を検討したい.また,日本の国内でも知財高裁は,他の裁判所とは対照的に,裁判所の国際交流,比較法に積極姿勢をとっている模様であり,日本における「裁判官対話」の萌芽たりうる例外的存在として注目に値するので,インタビュー調査を検討したい.上述のような「裁判官対話」の実態研究を基礎として,本研究の第三の課題である「裁判官対話」に関わる解釈権,正統性等の理論的問題の検討を深めたい.そのために不可欠な基礎作業として,近時公刊が相次いでいる「裁判官対話」研究関連文献の調査・収集も継続的に行う予定である

  • グローバル化時代における憲法秩序の再構築

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    グローバル化の中で,国際的・超国家的・地域的レベルへの国家権限の委譲や非国家主体による国家機能の補完がすすみ,主権国家の基本構造そのものが強く揺さぶられている。国内法の立場から主権国家の存立と諸活動を法的に規律する役割を担う憲法もまた,このような問題状況に直面し動揺している。憲法の想定する規範的秩序を根本で支えてきた,領域主権を前提とするピラミッド型ないし階層型の一元的法秩序観,それこそがグローバル化が進行していく中で再考を迫られているからである。本研究は,法秩序の基礎に据えられるべき生身の個人=市民という視座に立脚して,グローバル化時代における憲法秩序の再構築を目指す。I「憲法秩序の基礎」については,グローバル化時代における国内憲法秩序の法的成立基盤について,ポツダム宣言によって成立するとされてきた日本国憲法の法的妥当性を素材に再考した。また,いわゆるグローバル立憲主義のフランス憲法学における対応のあり方を分析し,その三対の原理(法の支配,民主主義,人権の保護)の通用性の射程の検討,とりわけ西洋外の諸地域におけるそれらの諸原理の意義と限界に関する検討を行った。II「グローバルな公共空間の発展と憲法秩序」については,現在主流のリベラル・ヴァージョン立憲主義を再検討することを目指して,先進国の移民問題がそれぞれの憲法秩序にもたらす影響を歴史的かつ具体的に検討した。また従来の民主的正統性に基づく統治構造像の再検討の一環として,在留外国人の選挙権について分析した。法規範の多様化についてはソフトロー論の国際社会における現代的な意義を見直した。移民の国際家族関係と多文化主義の諸相について,慎重に判断して制度設計をする必要があることを立証した。刑事法におけるグローバル化については,実効的な対策のためには,規制根拠の分析・明確化と,刑事法・行政法・民事法を横断的に視野に入れたエンフォースメントの構築が必要であることを立証し,刑事規制の必要性を根拠づける立法事実を,いくつかの問題領域に関して分析する作業を進めた。Ⅲ「グローバル化経済と憲法秩序」については,「経済」を「流通」に限定して理解した上で,そのような流通過程における「消費者」と,生活弱者としての「消費者」とを峻別することで,経済市場という場と生活社会という場の2つを提示し,その各々について国家活動を分析する視点を提示した。またグローバル化経済の下では,規制の対象となる経済活動およびその主体をどのように特定するかによって,規制の対象およびその範囲を適切にできるかどうかに影響が生じることを立証した。研究グループの会合を定期的にもって研究発表及び意見交換を行い,活発に研究活動を行っている。とりわけ多分野の研究者と議論する中で,相互に有意義な示唆を得ながら各自の研究の意義を確認するとともに,今後研究を進めるべき方向性に互いに啓発して研究を進めることができている。具体的な各論点についても,当初の計画に沿って今後の研究の進展への手がかりを得ることができている。研究活動のあり方としては,これまでと同様に,定期的に会合をもつことで,意見交換を行いながら研究活動を行うことが期待される。研究全体の方向性としては,近代国民国家に関する主権やメンバーシップをめぐる議論について,比較思想史・比較法制史の成果を基盤としつつ,憲法,国際法及び国際私法の視点を踏まえて,多角的視野から研究を進めたい。具体的な論点としては,現代立憲主義にとって国際人権規範の果たす役割,諸国家の公共的決定に対する民主的正統性の担保のあり方についての「被利害影響原理」とは異なる諸原理を通じたデモスの範囲の確定のあり方についての研究を進める予定である。さらに,国際社会の利益について国家および国際社会が果たすべき役割について,理論的および実際的検討を行う。現代世界における法的アクターや法規範の多様化について,引き続き従来の国際法学の議論の基礎理論的な再検討を継続するとともに,それらが憲法秩序に及ぼす影響について,伝統的論点である国際法と国内法との関係の議論の見直しに繋げる議論を具体化する方向で考察をすすめる。刑事法との関連では,環境や文化的価値という人類規模の利益の刑事的保護について,国際的な法執行への取組みにも研究の重点を置く。経済秩序との関係では,規制の対象となる経済活動およびその主体をどのように特定するかについて,内外の裁判例の検討を継続し,裁判所によって用いられている考慮要素を抽出することを目指す。また,経済市場との関係についても,経済法や消費者法の理解を深めると共に,経済学・経済史学等の知見も頼りに経済という概念をより明確にしつつ,本研究で提示する経済市場と国家との関係に関する理論の精緻化を図る予定である

  • 持続可能な風評対策と放射性物質検査体制に関する実証的研究ー行動経済学による接近

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    本研究では、風評被害に関する新たな視点として「当初に誤解や偏見がなくても風評被害は発生しうる可能性」を実証的に検証するため、福島県産農産物の風評被害に注目する。また、このような可能性を考慮に入れた上で、福島県全体にとって最適な風評対策について考察する。国内外における聞き取り調査や経済実験を実施し、それぞれの利害関係者の異なる視点と行動様式を統合的に分析することで、より広い視野から福島県における米の放射性物質検査と情報提供の体制に関する政策的示唆を導き出す。本研究では、風評被害に関する新たな視点として「当初に誤解や偏見がなくても風評被害は発生しうる可能性」を実証的に検証するため、福島県産農産物の風評被害に注目する。また、このような可能性を考慮に入れた上で、福島県全体にとって最適な風評対策について考察する。原発事故から9年、たとえ当初は福島県産に対する誤解や偏見がなかった人でも、「時間の経過とともに風評被害を引き起こす可能性」や「周囲に流されてとった行動から、事後的に福島県産への偏見をもつ可能性」を検証する。<BR>令和1年には、まず「当初に誤解や偏見がなくても風評被害は発生しうる可能性」について人間の限定合理性(特に認識の慣性)の視点から概念的に整理し、これまでの福島産農産物の需要に関する実証研究との整合性について検証した。検証結果は、5月に開催された国際ワークショップ(Institutional Study and Implications to Inductive Game Theory)において発表された。また9月には、福島県双葉郡において、住民、事業者、役所に対する聞き込み調査を実施した。聞き込み調査の結果は報告書にまとめ、調査協力者に送付した。加えて、調査の一環として実施した「リスク選好に関するパイロット実験」の結果を、11月に開催された第23回実験社会科学カンファレンスにおいて発表した。さらに、表情解析ソフトなどを購入し、表情や視線から福島産農産物に対する評価を測るラボ実験の内容や実施方法について準備した。(1)これまでの福島産農産物の需要に関する実証研究と新たな概念モデルとの整合性について、国際ワークショップで国内外に発表する機会を得た。(2)福島第一原発事故による影響がもっとも大きかった地域である福島県双葉郡において、幅広い関係者にたいして聞き取り調査を実施し、現時点での現地の声をより明らかにできた。また、調査報告書を協力者に郵送することで、調査結果の現地への還元および共有に努めた。(3)現地聞き取り調査におけるリスク選好に関する実験結果について、国内カンファレンスで公表する機会を得た。(4)ラボ実験に必要な機材(フェイスリーダーなど)を購入し、今後の実験の準備を進めることができた。引き続き、表情や視線から「福島産農産物に対する消費者の評価」および「情報提供の影響」を計測するラボ実験の内容や実施方法について準備を進める。また、ラボ実験だけでなく、現地調査でも使用できる視線トラッカーを購入し、現地調査の準備も進める。令和2年9月に福島県双葉郡における聞き取り調査を再度実施する予定であったが、新型コロナの影響もあり、実施時期を調整中

  • 国境を越える立憲主義の成立可能性と国際法・憲法の基本概念

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2022年03月
     

  • ASEAN経済共同体構築による加盟国法へのインパクト

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    ASEANは、共同体設立宣言にもかかわらず、その機関自身の域内統治統制力は依然として弱く、むしろ域内から域外に広がるネットワークのハブとみる方が実態にあっている。その下で、加盟国法は、市場統合により自律的な調和に向い、ASEANは、それを助けるように、頻繁に開かれる会議を軸として、独自のものというより国際スタンダードの導入を促進している。加盟国政治において構造化している権威主義的要素を回避するために、この地域に影響を及ぼしているアクターの政策は、機能主義的色彩を色濃く有している。しかし、今日の過剰な市場化に鑑みると、どのように立憲的価値を導入していくか、を課題として意識する必要がある。EUでは、域内の経済協力の高度化は、EU法が法の統一をもたらし、これを基盤として価値の共有を前提とする憲法秩序の構築に向かった。これに対して、ASEANでは、域内の法の調和は、ネットワークのなかでの国際基準の推奨という形で進んでいる。このように、本研究は、地域的な国際経済協力のダイナミクスについて、EUとは異なる、しかし機能している論理を発見した。したがって、ここでは、機能する市場経済を確立し、地域の人々の福祉を実現するためには、はるかに複雑な戦略をとる必要がある。さしあたり、価値を性急に振りかざすことを慎み、過剰な市場化がもたらす具体的な問題に対して協力していくことが有効であろう

  • 人口減少社会における生活保障のあり方-原発被災地復興支援を題材に-

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    割り当て分の当年度への繰り越しは、本研究の共同研究者である岡田正則教授の申し入れにより申請したものである。今年度の岡田教授の本研究にかかわる取り組みとしては、「人口減少社会における生活保障のあり方」という視点から、福島原発事故避難者からの聞き取り調査を継続し、また、「ケア社会」に関する研究を地域自治の面から進展させた。こうした研究の成果は、2019年度における日本地方自治学会での岡田教授の報告「地方自治からみた災害対策法制の課題」(学会誌・地方自治叢書33で2020年度に論文として公刊予定)、および論文「持続可能な地域社会の法的基盤形成:ケア情報の共有システムを例として」(早大比較法研究所叢書48、2020年・近刊、中塚富士雄氏と共著)である。繰り越した研究費は、「ケア社会」論、地域自治、社会保障行政文献、社会保障の権利論史に関する文献の購入に充当したほか、福島被災地への調査費用として使用した。なお、今回の報告は、共同研究者1名の研究の推進に関わって繰り越しを依頼した分にかかわるものであり、実質的には、既に前年度において本研究全体の最終報告を終えているものであることにご留意いただきたい

  • 法曹倫理の3元的展開ーー当事者・法曹・専門職自治組織の役割

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    H30年度から依頼者弁護士間の秘密保護制度の研究を開始した。東京および名古屋の研究協力組織と連携し、年度を通じて月例の研究会で議論を深め、内外の研究協力者と協働しながら進めた。研究成果は、年度末のILEST19(法曹倫理国際シンポジウム東京2019)「秘密の保持――その理論と実践」で報告した。理論面では、Georgetown大学のD. Luban教授を招き、「なぜ秘密保護が必要か」について掘り下げて考察した。実践面では、「この制度をわが国に導入すべきか」との時局的問題を論じた。12月開催のILEC8(第8回国際法曹倫理会議)では、上記課題と連動させた、秘密保護を巡る日米独伊の比較法パネルを組んだ。守秘義務の扱いが大きく異なる法圏間でどのような調整が可能か、議論した。本年度はまた、弁護士職務基本規程改正にかかる諸問題、とくに守秘義務規定改正の検討を行い、成果を日弁連弁護士倫理委員と共有した。さらに、臨床法学教育学会法曹倫理部会では、パネルで「弁護士(会)にとって育児の負担はいかにあるべきか」を問うた。よりよく依頼者の権利を実現するには、弁護士家庭における育児の負担が個々の家庭に集中している現状を是とするのか、それとも弁護士会が会費軽減等、負担分散を図り、執務体制を改善すべきかを論じた。H31年度は、計画どおり8月に本研究の成果発信の柱である、法科大学院・倫理研修用のテクスト『法曹の倫理』の第3版を発刊した。前年度予定の出版を遅らせる原因となった日弁連における弁護士職務基本規程改正作業の遅延は、その滞りの解消が困難と判断せざるを得ず、関連する記述を削減、また、改正の有無にかかわらず妥当することがらを指摘するのにとどめた。なお、IVR(法哲学社会哲学国際学会連合)世界会議では、議長を務めたワークショップで、本書の基盤となる社会正義と法曹倫理の関係について報告した。平成30年度が最終年度であるため、記入しない。平成30年度が最終年度であるため、記入しない

  • 法専門職教育の再定義と臨床法学教育の研究

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    本研究課題は、①法専門職教育の再定義、②法専門職教育の社会貢献、③医師養成教育との比較による臨床方法論の検討、および④国際比較を、4つの柱としている。①法専門職教育の再定義については、法律サービスの提供におけるインターネットの利用が、どのように法専門職の教育に影響を与えるかについて、セミナーを開催し検討を行った。また、アメリカ、イギリス、および韓国における法律関連職の業務形態および養成制度について検討した。②法専門職教育の社会貢献については、心理的精神的ストレスの下にある依頼者に、いかに対応するかについて、臨床心理学の知見から司法修習の選択型実務修習として提供するプログラムを、その実施内容の改善について検討した。また、家事紛争解決プログラムについて、若手弁護士を対象とする研修の内容の検討をおこなった。③医師養成教育との比較による臨床方法論の検討については、日本医科大学における一年次生による模擬患者に対する模擬医療面接、および医師としての専門職倫理に関わる授業の見学会を実施し、法専門職教育への応用の可能性を検討した。④臨床法学教育の国際比較については、アメリカ・ロースクール協会年次大会、および同協会の臨床法学大会に研究者を派遣し、アメリカのロースクール教育の動向を把握することに努めた。また、中国の法学教育者との日本での共同研究の機会を設定し、日中の法学教育の動向について検討した。①法専門職教育の再定義については、アメリカ、イギリス、および韓国について、法関連専門職の業態および養成のあり方について、『青山法務研究論集』13号(2017年3月発行)に、「リーガルサービス・プロバイダの多様性に関する予備的考察」として、研究分担者と研究協力者による一連の研究を発表した。②法専門職教育による社会貢献については、臨床心理学の知見を法律相談において活用する司法修習選択型実務修習を実施し、プログラムの質の向上を実現することができた。家事紛争解決プログラムについては、研究協力者の貢献により『臨床実務家のための家族法コンメンタール(民法相続編)』(2017年1月刊)の刊行を見ることができた。③医師養成と法曹養成との方法論上の比較については、2度にわたる日本医科大学の授業見学の機会を設けることができた。第一は、模擬患者の協力による医療面接の教育に関する見学であった。第二は、医学生を小グループに分割し、医療倫理に関わる具体的問題についての討論を中心とする授業の見学であった。このような授業形態における指導教員の役割についての考察をとおして、法曹教育における指導教員の役割と類似する点が多く、今後とも医師教育と法曹教育の方法論上の比較の重要性を認識することができた。④アメリカのロースクール教育について、アメリカ・ロースクール協会の年次大会や臨床法学大会に積極的に参加して、アメリカの教育方法論の改善への取り組みを把握することができた。例えば、2016年度からJD取得要件として臨床科目6単位が必修化されたことについては、学修成果目標の設定とその達成度の評価、学生の実務経験を事後的に省察する機会の設定、および学生成績の集積的(summative)評価だけでなく形成的(formative)評価の導入など、教育心理学の知見を組み込んだ取り組みを把握することができた。①法専門職教育の再定義については、2017年度は諸外国における法関連専門職の業態および養成の実情についての検討を継続し、また日本の司法書士、税理士、弁理士、社会保険労務士等についても、さらにその養成および継続研修の実態を把握することに努める。さらに、インターネットの利用による法律サービスの提供形態の変化についても、検討を継続する。②法専門職教育による社会貢献については、臨床心理プログラムおよび家事紛争解決プログラムの内容の充実に努める。また、大学に付設された法律事務所や法実務センターなどの活動について調査し、リーガルクリニックの実施等で、法実務教育の実施面で大学がどのような社会貢献を行いうるかについて検討を継続する。③医師養成と法曹養成における臨床方法論の利用について比較研究を継続する。とりわけ、専門職責任についての教育において、医師の患者に接する態度やより広範な社会的責任についての教育方法論を、法曹養成においていかに導入することができるかを検討する。④国際比較については、アメリカ・ロースクール協会の動向、国際臨床法学教育ジャーナル学会の動向、および中国や韓国における法曹教育改革の動向の把握に努める。特に、2017年12月には、これまで4年に一度交互に開催してきた早稲田大学とカリフォルニア大学バークレー校との共催シンポジウムを、第4回目としての開催し、ロースクール教育の需要についての変化、法曹界の階層化の変化、臨床方法論の変化等について、日米の比較検討を行う

  • ヨーロッパにおける多元的法秩序の調整メカニズム―制度設計と「裁判官対話」

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2019年03月
     

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    複数の自律的法秩序間での調整問題が最も先鋭に現れているヨーロッパを対象として,具体的調整メカニズムの制度設計及びその運用を,「裁判官対話(dialogue des juges)」に注目しつつ研究し,現在ヨーロッパで流行となっている「裁判官対話」も,最初から順調に展開してものではなく,むしろ当初は極めて激しい対話拒否姿勢が見られたにもかかわらず,その後1980年代末前後以降,関係アクターが次第に態度を変化させ,いまやヨーロッパレベルの国際裁判所,各国の国内憲法裁判所・最上級審が,自覚的に「裁判官対話」政策を展開するようになった経緯を,特にフランス国務院,憲法院を素材とする事例研究を行った.学術的意義としては,複数の自律的法秩序間での調整問題が最も先鋭に現れているヨーロッパを対象として,従来深く研究されてこなかった「裁判官対話」に注目することにより,ヨーロッパ・国際レベルでの規範形成過程の実態に迫ったこと, またヨーロッパの国際裁判所と国内最上級審がいずれも自覚的に「裁判官対話」推進政策を展開していることを明らかにした点を指摘しうる.社会的意義としては,そのような過程の存在に殆ど関心を持たず,また関与もしない結果「ガラパゴス化」が進行しつつあるように思われる日本の学説・判例実務の将来を考える素材を提供したことを指摘できよう

  • 「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」の交錯下での新たな人権保障システム理論の構築

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

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    本研究は、グローバル化する世界における法のありようとして、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」という現象における両者の接合面に注目し、人権実施における問題点を明らかにしながら、より実効的な人権保障システムに関する理論構築を目指した。その結果、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」の接合面において比較憲法と国際人権法の積極的接合関係を観察することができ、人権保障の実効性を高める新たな人権保障システムを構築することは可能であり、そこでのキー概念は多元性、循環性、非階層性であることが析出できた

  • グローバル化に伴う領域横断的法学研究・教育の課題と可能性

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

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    人権論に関しては,国際人権条約機関の意見と国内裁判機関との関係を解明し,また国際的な家族関係をめぐる新たな法的課題に対応する手法について検討した。公法理論に関しては,グローバル化が公法学のパラダイムにとってどのような影響を与えているかを解明した。行政法では,行政過程における民主主義的正当性を解明した。刑事法では,各国の文化的・宗教的相違をふまえた法規制のあり方を検討した。商事法では,国家法に代替する秩序について検討した。基礎理論では,比較衡量こそ現在グローバル化している法的思考様式であることを明らかにした。グローバル化の下の法学教育については,法整備支援・教育の意義を明らかにした

  • 経済法、比較・国際経済法とフェアコノミー:自由、公正、責任の競争法秩序

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2018年03月
     

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    2016年度は、2017年度に予定している著書の刊行のための研究会を実施するとともに、マレーシア競争当局等への現地調査を行った。まず、研究代表者と分担者では対応できない法域や課題について、報告者をメンバー外に拡げて研究会を実施した。すなわち、2016年6月25日:岩本諭、菅久修一、渡辺昭成、7月30日:中里浩、長谷河亜希子、9月24日:洪淳康、土田和博、10月22日:柴田潤子、鳥山恭一、林秀弥、多田敏明、11月19日:大槻文彦、清水章雄、須網隆夫、12月17日:東條吉純、森平明彦、2017年1月28日:越知保見、瀬領真悟、若林亜理砂の各氏の報告を行い、出版を意識しつつ質疑応答を行った。また本共同研究は、比較的新しい法域の競争法を1つの研究対象としているが、2012年に初めて競争法が導入され施行から5年を迎えたマレーシアについて、既存の規制当局の権限やTPPの影響を踏まえ、同国の競争当局であるマレーシア競争委員会、マレーシア国立大学准教授、国有企業法務担当者、法律事務所弁護士から聴き取り調査を行った(洪、瀬領、中里、渡辺の研究分担者、協力者の出張)。具体的には、Adlin Abdul Majid弁護士からマレーシア競争委員会のこれまでの活動や弁護士会の関わりについてインタビューをするとともに、Dr.Haniff AHAMAT准教授からはマレーシア経済における競争法の意義や企業結合規制の必要性を、ペトロナスAidil Tupari上級法務顧問らからは競争法の導入やTPPを踏まえた国有企業の対応について、マレーシア競争委員会Tuan Ragunath Kesavan委員らからは、委員会の独立性や政策優先課題について聴き取り調査を行った。共同研究は、ほぼ順調に進捗しており、基本的に、当初予定した年度計画に沿った形で、研究を実施してきている。2014年度に予定した独占禁止法上の不公正な取引方法の検討、韓国を中心とするアジア諸国の調査、UNCTAD本部調査、15年度の産業政策的観点からの競争法運用、その関係で予定した中国・競争当局へのインタビューは既に実施済みである。また「フェアコノミー」の語の由来となったW. Fikentscher, P. Hacker, R. Podszun, FairEconomy-Crisis, Culture, Competition and the Rule of Law (2013, Springer) の執筆者の一人であるPodszun教授へのインタビューも既に実施した。予定よりやや早く進行しているのは、17年度中に予定している著書による共同研究の成果の公表である。16年度に出版に向けて研究会を行った結果、3部構成・全19章からなる著書が17年度前半に刊行できる見通しとなった(舟田正之・土田和博共編著『独占禁止法とフェアコノミー‐公正な経済における経済法秩序のあり方』(仮題))。本書においては、a.独占禁止法、景品表示法、下請法、電気通信事業法等に関する諸問題、b. EU・加盟国、米国、豪州、韓国、中国、台湾等との比較法学的検討、c.これらを踏まえた独禁法・経済法の基礎理論的検討が主要な編別となる。他方、2016年度に出版に向けた研究会に注力した関係で、同年度に予定したEU競争法の調査や独禁法の適用除外、正当化事由については取り組みがやや遅れている。昨年度に訪問を予定していたベトナム競争当局もインタビュー先の事情があって実施できなかった(代替の調査として、マレーシア競争当局等へのヒアリング調査を行った)。これらは可能な限り、17年度に実施することを企画したい。最終年度である2017年度においては、①総括的・理論的研究、②締括りの意義を有する国際シンポジウムのほか、③上記のような共同研究の成果の出版、④ニューエコノミーと呼ばれる分野における「公正な経済のあり方」をめぐる諸問題を検討したい。①については、R. Pitofsky ed., How the Chicago School Overshot the Mark- the Effect of Conservative Economic Analysis on U.S. Antitrust (2008, Oxford University Press))や「公正経済」を支える法制度の構想に向けて、Fikentscher et al, FairEconomy: Crises, Culture, Competition and the Role of Law (2013, Springer)等を検討する必要がある。②国際シンポジウムについては、4年間の研究の総括の意味で、欧米だけでなく、途上国、体制移行国からのパネリストの参加も得て国際シンポジウムを開くこととする。トランプ政権の反トラスト政策、民事救済をめぐるEU競争法の展開、中国における取引上の優越的地位濫用規制の可能性、日本の独占禁止法70年目の課題、国際貿易・投資の行方、金融・産業全体にわたる経済法制度の改革の現状など、多面的に検討することとなろう。③は上記の著書をまもなく出版することとなる。④今年度に、従来取り上げることのできなかった経済法上の新しい問題-ニューエコノミーといわれるデジタルプラットフォーム等の関係で生じてきている諸問題についても、「フェアコノミー(公正経済)」との関係で検討することとしたい

  • 人権条約実施状況の分析を通じた欧州地域秩序の「憲法化」構造の把握

    研究期間:

    2012年10月
    -
    2015年03月
     

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    欧州では、人権条約制度、EUおよび各国は、価値の共有意識を基盤として、制度的にも緊密な関係を保ち、一種の「憲法秩序」としてのまとまりをもっている。しかし、この憲法秩序においては、人権条約制度ないしEU制度が階層的秩序の頂点に立つというような、近代国内憲法(学)が想定するようなヒエラルキー構造は存在しない。内部的な各国との緊張関係のゆえに、人権裁判所も介入を可能な限り価値中立的に行おうとする。比例原則の一般化はそれを示す代表例である。しかし他方、外部との関係では、人権の原則的な保障を確保しようというモーメントが強く働く。ノン・ルフールマン原則の解釈適用でもその傾向が現れている。<br

  • 法曹の職域拡大に伴う法曹倫理の展開

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2015年03月
     

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    組織内の弁護士など、拡大した分野における弁護士の職業倫理については、規定も少なく、考え方が十分に定まっていない。職域拡大時代における職務倫理規範やそれを支える核心的価値について、チームで築き上げた法曹倫理研究のネットワークを活用し、国内外の研究者や実務家と連携して比較調査し、実務家の指針とその基盤となる理論を探究した。日弁連と協力しつつ、弁護士法31条の指導監督、弁護士職務基本規程50-51条の解釈、預り金、第3者委員会の規程等の難問に取り組み、各年度末に開催する国際シンポジウムでの研究報告を中心に、内外での講演、講義や研修、学術誌その他のメディアでの発表を通して法曹倫理の研究教育に寄与

  • パワー・シフトの進む国際環境における日EU協力の包括的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2011年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    本年度は、本科研費研究の第3年度に当たり、前年度までの成果を基礎に、引き続き、国内では、外部からの報告者を交えて全員参加の研究会を開催するとともに、上智大学と共催で国際シンポを開催した。国外では、例年通り、日・EU会議をブリュッセルで開催し、さらに法学系ワークショップをやはりベルギーで開催した。詳細は、以下の通りである。
    第一に、国内研究会・研究打ち合わせを4回開催した。すなわち、6月1日は、外務省よりの報告者からの日EUEPA交渉の現状につき報告して頂き、質疑した。7月30日は、秋に予定する国内会議の内容を分担者・協力者で議論し、9月11日は、欧州ビジネス協会の報告者から、欧州企業の観点からの日EU関係の現状を報告して頂き、質疑した。最後に、12月4日には、外務省よりの報告者による日EU定期首脳会議の報告とともに、最終年度の国際会議を含めた、今後の進め方を討議した。第二に、前述のように12月13~14日に、「人の移動と地域統合」をテーマに、公開の国際シンポを開催し、高度人材の越境移動、移民・外国人労働力の受け入れなど、人の移動に関する側面につき、7名の分担者・協力者が、これまでの研究成果を公表した。第三に、11月25日に日EU会議をブリュッセルで開催し、日EU経済関係とともに、災害対応・人道問題での日EU協力の可能性を主に議論した。第四に、国内の研究協力者の参加を得て、法学系ワークショップの準備会合を年末までに3回開催し、その成果を踏まえて、2月21日~22日、ヨーロッパ(ドイツ、ノルウェー、ベルギー)、東アジア(中国・韓国・台湾)の協力者とともに、ルーヴァン大学(ベルギー)で、第1回ワークショップを開催し、グローバル立憲主義をテーマに、国際関係秩序の変容の方向性を議論した。
    そして年度末より、最終年度に向けた研究の統合のために、分野横断的な議論の準備を開始した。

  • 多元的法秩序間の調整メカニズムに関する研究─EC法とEFTA法

    研究期間:

    2009年04月
    -
    2014年03月
     

     概要を見る

    EEAは,立法権限の移譲を伴わないため,EC型の直接適用性・優越原理を持たないとされたにも拘わらず,EEAにおいてもEC法秩序との「同質性」を確保せねばならないという,そもそも不可能に近い制度設計の試みであったにも拘わらず,当初のEC法関係者の予想に反して,存続しえたのみならず,実際上ECにおけると同等の私人の権利保障を達成したと言われるようになっていることが明かとなった.この事実は,EC法が唯一の実効的な経済統合モデルとは必ずしも言えないこと,ヨーロッパにおける国際裁判所・国内裁判所相互間の「対話」に基づく法形成の重要性を示すものと思われる

  • 臨床法学教育の課題と法科大学院教育の再検討

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2014年
     

     概要を見る

    臨床法学教育の国際的動向の研究については、研究代表者の宮川が、今年度年5月および9月に、韓国の大学に講演者として招かれたときに、韓国のロースクール制度の実施状況について情報収集するとともに、同国の研究者と意見交換を行った。また、今年度12月には、カリフォルニア大学バークレー校と本科研費グループの共催による国際シンポジウムを同大学で開催し、アメリカのロースクールの直面している入学志願者の減少や、修了生の就職難等の状況について、日本の法科大学院と現象的に似た問題であるが、重要な点で性質が異なることについて、日米双方の研究者による研究報告を行った。
    法科大学院における臨床法学教育の実施状況についての研究は、法科大学院で臨床教育科目を履修した修了生を対象とするアンケートを実施するための質問項目を選定し、アンケート調査票の原案をほぼ確定することができた。またこの調査の協力を受けるための法科大学院数校からの協力承認を得ることができた。
    臨床法学教育の方法論を活用した継続法曹教育については、本研究グループが開発した臨床心理学の知見を活用した司法修習選択型実務修習プログラムの改善改良に取り組んだ。このプログラムは、早稲田大学臨床法学教育研究所との連携の下に、平成23年度の初めてのプログラム実施以来、今年度で3回目の実施を実現した。また、家事紛争解決プログラムとして、本研究グループは、家事調停委員を対象とした研修プログラムを考案しており、今年度は首都圏の家事調停委員の参加を得て、その研修を実施した。
    臨床方法論を用いた法曹養成と医師養成の比較についての研究は、現在中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会で検討中の共通到達度確認試験について研究会を開催して、医学部で実施されているOSCE(臨床実習を履修する能力を確認する試験)との異同について検討を行った。

  • 支配的地位の濫用規制と不公正取引の規制が切り開く東アジア競争法の新しい地平へ

    科学研究費助成事業(北海道大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2010年
    -
    2014年
     

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    今年度も、東アジア競争法などの国際シンポジュウムを開催し、また、各種の国際シンポジュウムに参加した。
    2013年9月6に、ACA(アジア競争協会)の年次総会が、ソウルのホテルプレジデントで開催され、韓国の公正取引委員会・委員長のDae-lae NOH氏の基調報告のあと、①カルテル規制、②合併規制の最近の展開と経済学、③グローバル下の市場支配力の濫用、の3つのセッションで、報告と議論が行われた。栗田誠教授(千葉大学)は、③のセッションで、JASRACの私的独占の事例を報告した。稗貫俊文は、閉会の辞で、財閥に対する規制を強める韓国独禁法の2013年改正を自由競争の観点から評価した。そのほか研究分担者の川島富士雄教授、林秀弥教授(いずれも名古屋大学)が参加した。
    2013年11月23日、24日に、台湾の銘傳大学法学院(台北)で、国際シンポジュウム「金融システムと競争法」が開催された。韓国、中国やドイツの学者が参加した。栗田誠教授が「金融法と競争法規制の交錯・・・TIBORと独占禁止法」の報告をし、中山武憲教授(名古屋経済大学)がコメントした。また、林秀弥教授が「金融商品取引法と独占禁止法のエンフォースメント比較-課徴金制度を中心に-」という報告をした。川島富士雄教授は中国の徐士英教授(華東政法大学)の報告にコメントした。
    2013年12月15日に、札幌の北海道大学で、「中国のカルテル規制の現状と課題」をテーマに国際シンポジュウムを開催した。叶高芬教授(浙江理工大学法政学院)が中国のカルテル規制の課題を紹介し、王健教授(同大学)がカルテルに関する損害賠償の事例を紹介した。その後、向田直範教授(北海学園大学)らとの議論が行われた。
    2014年3月27日に、稗貫研究代表者(北海学園大学)は、東京の早稲田大学で、須網隆夫教授(早稲田大学)と栗田誠教授と、来年度の研究会計画と今後の研究体制、出版計画について議論した。

  • 独占禁止法を中心とする経済法の国際的執行に関する経済法学・国際経済法学的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2011年
    -
    2013年
     

     概要を見る

    本共同研究は、独占禁止法の域外適用、国際的執行について、諸外国と比較するため、2011年に東アジアの研究者と合同セミナーを行い、12年には米国司法省、法律事務所(ワシントンDC)および欧州委員会、法律事務所(ブリュッセル)でヒアリングを行った。この間、研究成果の一部を土田和博編著『独占禁止法の国際的執行』(2012年、日本評論社)、『競争法の国際的執行』(日本経済法学会年報34号、2013年、有斐閣)として刊行する共に、3年間の共同研究の締括りとして、2014年3月に早稲田大学にて、欧米アジアからの報告者を招いて「グローバル化時代における競争法の国際的執行」と題する国際シンポジウムを行った。

  • 法曹養成教育における経験的方法論としての臨床法学教育の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2007年
    -
    2010年
     

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    法科大学院の臨床教育科目について全国調査を行い、リーガル・クリニックおよび模擬裁判科目について、その調査結果を公表した。欧米の臨床法学教育に関する研究大会に研究員を派遣し、また、日本に、アメリカ、イギリス、中国、および韓国の研究者を招聘してシンポジウムを開催し、各国の臨床教育の状況を把握するとともに、その概要を公表した。臨床方法論を用いる医学教育との比較研究をするために、医学教育者と法学教育者によるシンポジウムを開催し、医学と法学に共通する教育方法論の課題を検討した。継続的法曹教育への臨床教育の活用のあり方として、司法修習生に対する選択型実務修習プログラムを開発し、その実施の方法を検討した。

  • リーガル・クリニックによる臨床法学教育に関する理論的・実践的研究

    文部科学省 

    研究期間:

    2002年
    -
    2006年
     

  • 日本法のアイデンティティに関する総合的・比較法的研究-源流の法とグローバル化の法

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    2002年
    -
    2004年
     

     概要を見る

    本研究は、研究代表者及び研究分担者の全員が早稲田大学比較法研究所兼任研究員であり、2001年から現在も進行中の同研究所プロジェクト「比較法研究の新段階」(I期)「日本法の国際的文脈」(II期)「比較と歴史のなかの日本法学」(III期)との関連において構想・企画されたものであり、それらの成果も踏まえつつ、各研究分担者の専攻法領域に係る自国法形成過程における外国法制度の関わりが考察された。そのなかで、三年間の共同研究の成果として日本法のアイデンティティ、そして、法の移植と定着についての多くの知見が得られることとなった。具体的には、まず、刑事法分野で、遺棄罪の旧刑法立法過程が考察され「家」制度が同罪の危険犯としての純化を妨げたことが明らかにされた。また刑事司法の日本的特色としての「精密司法論」が取り扱われ、実体的真実主義の意義が改めて問い直された。一方、独占禁止法の分野では、不公正な競争方法に係る規定の制定過程が考察対象とされ、原始独禁法制定と米国法制との関係が批判的に再検討された。同様に米国法の日本法への影響という視点からは、企業倒産法制と企業統治法制に対する分析もなされ、急激な米国法制化の背景や問題点が明らかにされた。これに対し、「地域」という捉え方から、EU拡大と新加盟国における法継受の問題が正面から考察され、また「アジアの憲法裁判」という視点において違憲審査制がアジア各国でどのように展開されたかが明らかにされた。アジアにおける日本法からの「法整備支援」に関連しては、ヴェトナム民法改正の現状と問題点、台湾・満州・華北農村の慣行調査からの教訓がまとめられた。このほか、ハンガリーにおける体制転換を題材にして東中欧諸国の「再同定化」過程が明らかにされ、以上の研究成果は、国際シンポジウムの講演・報告内容とともに『日本法のアイデンティティに関する総合的・比較法的研究-源流の法とグローバル化の法-』(成文堂、2006年)として刊行される予定になっている。

  • マルチメディアに関する著作権制度の展望

    科学研究費助成事業(横浜国立大学)  科学研究費助成事業(国際学術研究)

    研究期間:

    1996年
    -
    1997年
     

     概要を見る

    本研究は、マルチメディアの発達に伴う著作権制度の在り方について国際的動向を調査することを目的としており、平成9年度は、前年度に引き続き、米国及びEU諸国の対応について調査を行うとともに、アジア諸国及びオーストラリアの状況について調査を行った。
    1)研究代表者吉田は、アジア諸国の動向を調査することとし、現地調査を予定していたが1997年11月に東京でWIPO(知的所有権機関)及び日本攻府の援助によるアジア地域著作権・著作隣接権に関する特別研修が開催され、ブ-タン、ネパール、ラオス、中国、韓国、モンゴル、インドネシア及びフィリピンの政府職員及び著作権関係機関が参加することから、そのプログラムに参加することによって、調査の実を挙げた。
    2)研究分担者須網は、昨年度に引き続きEU諸国における動向調査を行った。EUは、域内の制度的ハ-モナイゼーションのために、各種の「ディレクティブ(理事会指令)」を策定している。EC本部、欧州裁判所においてディレクティブの検討状況、過去のディレクティブの実施状況を調査するとともに、活発な対応を行っているイギリスを調査した。
    3)研究分担者村上は、独占禁止法の視点からの検討のために追加した研究分担者であるが昨年度の米国の状況に続いて、本年度はオーストラリアについて、独占禁止法の視点(知的所有権法は情報の独占と結びつくことが多いために、近年独占禁止法の視点からの検討も必須となっている。)も併せて調査を行った。
    4)研究分担者井上は、米国のマルチメディア産業における技術動向及び市場動向について企業訪問により調査するとともに、企業と大学との産学協同の状況及び米国におけるマルチメディアに関係する著作権法制の動向について大学の研究者との意見交換等を行った。

  • 東アジア地域主義の法制度像-地域法秩序の多層的形成の比較分析

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    本研究は二カ年度にわたる。初年度は、1990年代から生成してきた東アジア(ASEAN+日中韓)の域主義について、欧州と米州の地域主義と比較して、普遍的な特徴と固有の特徴を分析することであった。EU、 NAFTA・Mercosur、東アジアの三地域主義の比較は、2006年7月5、16日に国際会議を開催して集中的に行った。国際会議での報告をもとに執筆した原稿と会議での討論要旨を一冊の英文の研究報告書として公刊した(2007年2月)。Tamio Nakamura (ed.) The Dynamics of East Asian Regio nalism in Comparative Perspective (Institute of Social Science, University of Tokyo, 2007)である。第二年度である本年度の研究目的は、東アジア諸国間の共同体制度を具体的に提案し、欧米・東アジアの研究者と討論することであった。前年度の後半から今年度の前半まで、東アジア共同体憲章案の起草のために、中村民雄・須網隆夫・佐藤義明・臼井陽一郎の4名が10回にわたり研究会を開き、憲章案を起草した。最終案はDiscussion Paperとして刊行した。英文で起草した東アジア共同体憲章案を、欧米および東アジア諸国からの研究者と国際会議を一般聴衆にも公開して開いて討論した(2007年7月21日)。国際会議の議事録はTamio Nakamura (ed.) Future East Asian Regionalism: Proposal for an East Asian Gharter (Institute of Social Science, University of Tokyo, February 2008)として公刊した

  • 構造調整をふまえた東アジア経済法の新段階へ:共同体を先取りするモデル競争法の提言

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    東アジアの共通競争法は、当面は、行政権優位の競争法が相応しい。行政権が競争制限に関与する度合いが大きいので、それを規制する行政当局は、独立性よりも、強い実行力が求められるべきである。さらに、競争法のグローバルスタンダードはカルテル規制と市場支配的地位の濫用規制、企業結合規制という3本柱であるが、東アジアでは、不公正な取引方法、不公正な競争方法の規制に力を入れ、市場支配的地位の濫用規制に力を入れるべきである

  • EUをモデルとする地球公共政策とリスク・マネジメント

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    EUの公共政策とリスク・マネジメントの事例として、気候変動など地球環境に関わるリスク、国境を越える感染症のリスク制御等については、2008年9月日本公益学会他で報告し、2009年4月に福田耕治編『EUとグローバル・ガバナンス』(早稲田大学出版部)を刊行した。またEU高齢社会のリスクおよびEUによる国際テロリズムへの法的規制、タバコ規制とリスク・マネジメントのあり方は、福田耕治編『EU・欧州統合研究』(成文堂)2009年7月刊行される予定である

  • ヨーロッパ地域における人権(基本権)規範のハーモナイゼーションとその限界

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    ヨーロッパにおける人権規範のハーモナイゼーションは、ヨーロッパ・レヴェルおよび各国レヴェルの関係規範・判断審級の重層的構造を保持しながら進展している。一方で、前者が各国の単純な上級審となって一元化することもなく、他方で、各「層」が完全に自律的に活動するのでもない構造が維持されている。このような重層的構造は、グローバル化とそれにともなう多文化社会化に柔軟に対処できるという機能を有しており、それを維持するために、EUの人権条約加入や人権裁判所の判決実施をめぐってさまざまな具体的試みが展開している

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特定課題研究

  • 主権国家体系の構造変容に対応する法政策の基礎理論に関する学際的研究

    2016年   最上敏樹, 清水章雄

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    今日、グローバル・ガバナンスの枠組は揺らぎ、新たな秩序像も明らかでないが、ヨーロッパでは「グローバル立憲主義」論が有力に主張され、立憲主義を基礎に国際社会の新たな枠組形成を探求している。これは、世界の秩序化を推進する魅力的理論だが、他方ヨーロッパの経験を基礎にグローバルを議論する弱点があり、そのままでは普遍的理論となり得ない。本研究は、同理論に東アジア的要素を注入して脱ヨーロッパ化し、真に普遍的な理論に成長させようとする。そのためには、東アジア・ヨーロッパ双方の研究者による共同作業が不可欠である。2016年度は、同理論の提唱者であるAnne Peters教授を招請してワークショップを開催し、共同討議を核とした研究方法の妥当性を確認でき、その継続により、研究目的を達成できる展望が明らかになった。

  • 地域経済統合の法的検討-EU法の発展と日本の課題-

    2003年  

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     地域経済統合、特に自由貿易協定を利用した地域経済協力の進展は、東アジアにおいても顕著である。法的観点からの議論は、これまで必ずしも多くなかった。最近、日本でも東アジア共同体に関する議論が開始されているが、なお法的な検討は不十分であることに変化はない。しかし、NAFTAの締結に際してアメリカでは主権論争があったように、FTAは本来きわめて法的な現象である。そして、東アジアの多くの国がWTOに既に加盟し、その司法化された紛争解決手続きを利用していることが示すように、この地域においても法化の傾向は顕著である。東アジア地域の諸国間で締結されたFTAの中に、法的に整備された紛争解決制度を備えるものもみられるようになっていることもそれを示唆している。それでは、地域経済統合を法化させる程度は、どのように考えるべきであろうか。東アジア地域は、これまでソフトな法制度化が進められてきた地域であり、法制度化には馴染まない地域であるとの意見は少なくない。しかし、既にWTOに加盟し、WTOの司法化された紛争解決手続きを受け入れている以上、東アジアにおいても、WTOと同レベルの法制度化、具体的には司法化された紛争解決手続きを地域統合においても実現することは容易であるはずである。但し、この場合、WTOとFTA両者の紛争解決手続きがリンクしていないために、両者において異なる解釈が発展する可能性があり、両者の整合性に対する配慮が求められることになる。この点では、EUが締結しているFTAが参考になり、両者において一貫した法解釈が発展することを担保するために必要な幾つかの方法を示している。 そもそも、EUにおける地域統合の進展を検討すれば、法制度を利用した統合が、政治的合意の制度化に止まらず、法制度内部のダイナミクスが、統合自体の推進力を生み出す可能性のあることが理解できる。その意味で、統合に果す法の役割を軽視することはできない。

  • 欧州連合(EU)法の憲法化―基本条約改正とEUの法的性格の変化―

    2002年  

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     本研究においては、2つの視点から、EUの憲法化と言われる現象を考察した。第一に、1980年代の一連の基本条約改正の結果として、加盟国からECに移譲された権限の内容を詳細に検討した。一見すると多くの領域においてECの権限行使が可能となっているが、その内容をさらに検討すると、必ずしも加盟国の国家主権と正面から対立するものではないEC権限も少なくなく、単純なゼロサムゲームが、ECと加盟国という垂直的な関係において行われているとは評価できない。第二に、それらのEC権限行使に適用される「補完性の原則」を検討した。1993年に発効したEU条約は、「補完性の原則」を新たに導入した。補完性の原則の意義については、様々な見解が対立するが、実定法的にはEC権限行使を制約する原理であると評価せざるを得ず、ECに移譲された諸権限の行使は、同原則導入以前より抑制されることになる。もっとも、司法審査が十分に機能しておらず、その意味で抑制原理としての機能に限界があることも明らかと成った。 現在EUは、憲法条約制定に向かった議論を煮詰めており、憲法化の過程は、一層進行するように見える。しかし他方で、1990年代における進展が、単純なEUの国家化ではないことを明らかにした本研究の成果は、今後のEUにおける変化を分析する際に、無視することの出来ない視点を提供することになるだろう。

  • 自由貿易協定の法的検討

    2001年  

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     1990年代以降、特にWTOの創設後、世界の各地域において、自由貿易協定の締結による地域経済統合を推進する動きが活発化し、その傾向は東アジアにおいても例外ではなく、日本も日本・シンガポール経済連携協定の締結を契機に、そのような動きに参画している。このような地域経済統合については、経済的な観点から議論されることが多いが、法的な観点からも様々な問題がある。すなわち、そもそも地域経済統合を国際法を中心とした法的手段を利用して進めることにどのような意義かあるのか、また地域経済統合とWTOとの関係をどのように理解するか、より具体的には、二国間FTAを利用した地域統合の推進は、マルチの貿易自由化を目的とするWTOを推進する役割を果すのか、それを阻害する役割を果すのか等の問題である。また、自由貿易協定において規定される内容についても、様々な問題がある。 このような課題を明らかにするためには、過去に締結された自由貿易協定の内容とともに、現在締結されようとしているアジアにおける自由貿易協定の内容を合わせて検討する必要がある。これらの検討からは、単に事実上の経済関係を推進するだけではなく、それを法を利用して制度化することの重要性を窺うことができる。 

  • ECと加盟国の権限配分―「EC法の優位」と専占理論―

    2000年  

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     ECは、加盟国より国家主権の一部を移譲されて成立した組織であると通常説明されている。本課題は、このECに移譲されたと加盟国に残された権限との関係を法的に考察することを目的としたものである。両者の権限関係を考察するためには、ECが有する権限が、どのような性質を有するものであるかをまず明らかにする必要がある。そこで、ECの対外的な権限を素材にして、権限の性質を概観したのが、『ヨーロッパ対外政策の焦点』所収の「EU対外関係の法的基礎」という論文であり、ECの権限が排他的権限と競合的権限という二種類に区分されること、通商政策の権限は排他的権限であることを明確にした。しかし、本論文は出発点としての概念の整理を行ったに止まり、それだけではECと加盟国の権限関係は、未だ明確ではない。そこで、次に権利主体として国際社会に登場しているECの位置を明らかにするために、ECが当事者となっている国際条約の「直接効果」に関する欧州裁判所の判例を検討した。これが、早稲田法学に掲載した「ECにおける国際条約の直接効果―「条約の自動執行性」と「EC法の直接効果」―」である。国際条約の直接効果は、EC法の直接効果と同一レベルで議論されることが少なくない。しかし本論文は、ECが独自の国際法主体性を持つ以上、EC内部の法であるEC法の直接効果と、ECと域外第三国との間に締結された国際条約の直接効果は、理論的には同視できないことを証明しようとしたものであり、不十分ながらその目的を達成することができたと考える。今後は、これらの成果を前提にして、さらにEC法の優位と専占理論の関係を深めていく予定である。

  • EU条約を改正するアムステルダム条約の検討

    1998年  

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     アムステルダム条約は本年(1999年)5月に発効した。これにより従来のマーストリヒト条約による体制は修正され、3月に開始したコソボへの空爆への対応も、この改正された共通外交安全性策によって行われている。 本研究では、まずEUの三本柱の列柱構造自体が、アムステルダム条約によりどのように変容するのかを検討した。第二の柱における一方での特定多数決の拡大と、他方での建設的棄権制・重要な国家利益の主張による特定多数決による採択の阻止の導入、第三の柱における欧州裁判所の管轄権の拡大により、列柱構造はより複雑化した。この結果、従来は、政府間協力として並列的に論じられてきた第二・第三の柱について、さらに両者の法的性格の差違を議論する必要が生じている。 本研究では、次いで第一の柱における機構改革の内容を検討した。ECにおいては、今回の条約改正以前より、意思決定過程の民主的正統性が大きな論点であった。具体的には、理事会が特定多数決による決定を行う場合には、直接的な民主的正統性を持った欧州議会・加盟国議会による統制が制約されることが、「民主主義の赤字」であると意識されてきた。今回の改正では、議会が拒否権を行使できる共同決定手続きの適用範囲が拡大するとともに、その内容が簡易化され、欧州議会の権限が拡大した。この他、EC各機関の情報公開など透明性も増加した。また、加盟国議会の役割への配慮も見られる。その意味で、「赤字」の程度は減少した。しかし、理事会と議会に決定権限が分有する構造自体に変化はなく、そのような権限の分有をどう正当化するか、換言すれば、分有を前提として、議会の権限強化によって、最終的に「赤字」が解消するかどうかが、理論的課題として残る。今回の検討により明らかになった問題点は、さらに今後の研究の中で追究して行きたい。

  • マーストリヒト条約の改正によるEU法秩序への影響

    1997年  

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    マーストリヒト条約改正のために1996年3月より開始されたEU加盟国間の政府間会議は、1997年6月に合意に達し、同年10月に正式に改正条約が調印された。同条約は、アムステルダム条約と一般に呼称されている。アムステルダム条約は、ECの意思決定手続の改善(共同決定手続の簡素化・理事会における特定多数決の適用範囲の拡張など)・共通外交安全政策の改正・司法内務協力のうち難民政策に関する部分の共同体化など相当数の成果をあげた。しかし他方、東欧諸国の新規加盟による加盟国数の増加に対する機構改革の点では、なお不十分さを残している。同条約付属の議定書は、加盟国数が20を越える1年前に条約改正の為の政府間会議が再度開催されることを予定しており、更なる条約改正が近い将来行われることは間違いない。 アムステルダム条約の内容をどのように評価するかについての議論には、様々なものがある。不十分ながらもEUによる欧州統合をより進める方向への前進であり、不十分さは全加盟国の同意を必要とするという条約改正の性格から不可避なものであると評価する立場が比較的多いが、他方には、難民政策のEC条約内への取り込みの内容が十分ではないために、既存の共同体法秩序の性格が歪められることにならないかという見解もある。 本研究においては、アムステルダム条約の成立に至る経緯及び条約の内容検討を主として行ってきた。今後は、それらの基礎的研究を前提に、EU/ECの国際機関としての性格への今回の改正の影響を考察していきたい。研究成果の発表1998年3月 (共著)統合ヨーロッパの焦点―ユーロ誕生をにらむ産業再編(ジェトロ)

  • 共同市場の創設とそこでの公正競争の維持に果たすEC法の役割

    1996年  

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     本研究の成果は、「ヨーロッパ経済法」(新世社・1997年7月刊行)として公表されるところとなった。このため、同書の内容を紹介することによって、研究成果の概要に代える。 同書は、欧州共同体の法秩序であるEC法の基本原則を明らかにする部分と欧州共同体の目的である共同市場の設立に関わる部分より成る。後者は、物・人・サービス・資本という4つの自由移動を共同体内に実現するためにEC条約の条文が欧州裁判所にどのように解釈されてきたかを明らかにする部分である。そして、そのように解釈されたEC法が加盟国法秩序に対してどのような効果を生じるかを研究したのが前者の部分であり、両者を合わせて、EC法による加盟国市場統合の過程を明確にすることができた。 ECにおける市場統合の経験は、他の地域的経済統合、さらにWTOによる貿易投資の自由化の直面する法的諸問題の解決に示唆を与えるものであり、本研究の成果は、今後の国際経済法研究の基礎としての意味を持つと言うことができる。

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現在担当している科目

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