2023/12/05 更新

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ヤザワ マサシ
谷澤 正嗣
所属
政治経済学術院 政治経済学部
職名
准教授
学位
政治学修士
Master in Political Science

学歴

  •  
    -
    1993年

    早稲田大学   政治学研究科   政治学  

  •  
    -
    1993年

    早稲田大学   政治学研究科   政治学  

所属学協会

  •  
     
     

    日本イギリス哲学会

  •  
     
     

    日本政治思想学会

  •  
     
     

    早稲田政治学会

  •  
     
     

    社会思想史学会

  •  
     
     

    政治思想学会

  •  
     
     

    日本政治学会

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研究分野

  • 思想史 / 政治学

研究キーワード

  • 哲学

 

論文

  • 人権と私たちの義務

    アマルティア・セン著;谷澤正嗣訳

    早稲田政治経済学雑誌   ( 394 ) 9 - 17  2019年

  • 再帰的な分類の困難さ? 『来るべきデモクラシー――暴力と排除に抗して』(山崎望)書評

    谷澤正嗣

    政治思想研究   ( 13 ) 356 - 357  2013年  [招待有り]

  • 書評 岡野八代『フェミニズムの政治学 ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房刊2012年)

    谷澤正嗣

    政治哲学   ( 14 ) 51 - 58  2013年  [招待有り]

  • 「価値の多元性と規範の正当化 伊藤恭彦『多元的世界の政治哲学——ジョン・ロールズと政治哲学の現代的復権』(有斐閣、2002年)書評」

    谷澤正嗣

    『政治思想研究』   ( 6 ) 414 - 415  2006年05月

  • 「『リベラルな平等』はどこまで平等主義か」

    谷澤正嗣

    シンポジウム「社会的正義の政治経済学を目指して——法学・政治学・経済学の対話——」(COE-GLOPE、高度化推進事業、科研「政治経済学の再構築」、政治思想研究会の共催)    2006年03月

  • 「再分配の基準をめぐって:政治哲学」

    谷澤正嗣

    COE-GLOPE全体ワークショップ「国家、分配、デモクラシーの政治経済学」    2005年10月

  • 「杉田敦という境界線——杉田/非杉田の二分法は越えられるか」

    谷澤正嗣

    COE-GLOPE理念班ワークショップ(第193回政治思想研究会) 合評会 杉田敦『境界線の政治学』(岩波書店、2005年)    2005年07月

  • 「政治学の方法と問題——カンタンな取り扱い説明書」

    谷澤正嗣

    『早稲田政治経済学雑誌』   ( 360 ) 72 - 81  2005年07月

  • Comments on John Roemer, "How Much Equality Should We Desire, and How Much Can We Expect Democracy to Deliver?"

    Masashi Yazawa

    COE-GLOPE International Symposium: How Much Redistribution Should and Can We Have? A Problem in Philosophy, Economics, and Politics    2005年03月

  • 「政治思想史における公共性」

    谷澤正嗣

    第93回GLOPEワークショップ(第10回メソッドセミナー)    2004年12月

  • 「現代政治理論における『憲法政治』の構想」

    谷澤正嗣

    2004年度日本政治学会研究会(札幌大学)、 分科会H 憲法政治    2004年10月

  • 「長久領壱、『規範の受諾:説諭としてのゲーム理論』へのコメント」

    谷澤正嗣

    COE-GLOPE理念班コンファレンス(第177回政治思想研究会)    2004年03月

  • Iris Marion Young, "Responsibility and Global Labor Justice"の通訳

    谷澤正嗣

    COE-GLOPE理念班ワークショップ(第176回政治思想研究会)    2004年02月

  • 「広瀬武志『理性的対話と文化的中立』へのコメント」

    谷澤正嗣

    日本イギリス哲学会関東部会 第72回研究例会    2003年11月

  • 「リプライ」

    谷澤正嗣

    COE-GLOPE理念班ワークショップ(第174回政治思想研究会) 合評会 飯島昇藏、川岸令和編『憲法と政治思想の対話—デモクラシーの広がりと深まりのために』(新評論、2002年)    2003年10月

  • "Moral Justifications of the Welfare Policies"

    Masashi Yazawa, Shozo Iijima

    平成12年度〜平成14年度科学研究補助金研究成果報告書『高齢化時代における医療政策—生命倫理と予算制約—』   研究課題番号12620097(研究代表者 飯島昇藏)   63 - 80  2003年05月

  • 「現代リベラリズムの正義論とフェミニズム−マーサ・ヌスバウムの所説を中心に−」

    谷澤正嗣

    2002年度日本政治学会研究会(愛媛大学)、 分科会G ジェンダーと正義    2002年10月

  • "Moral Foundations of the Welfare State Revisited: Moral Justifications of Welfare Policies"

    Masashi Yazawa, Shozo Iijima

    International Conference, "Reconstructing the Welfare State: Health Care Reform in Italy, Japan, UK, and the USA" at International Jacque Maritain Institute Research and Study Center at Brenziol, Treviso, Italy    2002年09月

  • "Moral Foundations of Welfare Policies"

    Masashi Yazawa, Shozo IIjima

    International Conference, "Reconstructing the Welfare State: Health Care Reform in Italy, Japan, the UK, and the USA" at International House of Tokyo, Japan    2001年07月

  • "Revolution and Enlightenment in Kant's Political Philosophy: Is There a Kantian Liberalism?"

    Masashi Yazawa

    Waseda Political Studies, Graduate School of Political Science, Waseda University   Vol. 33  2001年

  • 「現代リベラリズムにおけるconstitutional democracy--radical democracyとの対比において」

    谷澤正嗣

    早稲田政治学会第1回研究会(早稲田大学)、分科会B 政治思想    2000年05月

  • 「ジョン・ロールズ『政治的リベラリズム』をめぐる批判—安定性の追求とそのコスト」

    谷澤正嗣

    『早稲田政治経済学雑誌』、早稲田政治経済学会   ( 341号 ) 367 - 402  2000年01月

  • 「ジョン・ロールズの重合的コンセンサスの観念−政治的理性批判の可能性」

    谷澤正嗣

    『早稲田政治経済学雑誌』、早稲田政治経済学会   ( 324号 ) 278 - 312  1995年09月

  • 「カント政治哲学の一解釈−H・アレントの解釈と自由主義的解釈の架橋の試み−」

    谷澤正嗣

    『早稲田政治経済学雑誌』、早稲田政治経済学会   ( 320号 ) 322 - 357  1994年10月

  • 書評 『ロールズを読む』(井上彰編著、ナカニシヤ出版、2018)

    谷澤正嗣

    社会思想史研究     166 - 170  [招待有り]

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書籍等出版物

  • アメリカ憲法理論史 : その基底にあるもの

    Ackerman, Bruce A., 川岸, 令和, 木下, 智史, 阪口, 正二郎, 谷澤, 正嗣

    北大路書房  2020年05月 ISBN: 9784762831065

  • 社会思想史事典

    社会思想史学会( 担当: 分担執筆)

    丸善  2019年

  • ヘイト・スピーチという危害

    ジェレミー・ウォルドロン, 谷澤正嗣, 川岸令和訳

    みすず書房  2015年 ISBN: 9784622078739

  • 『熟議の日』

    ブルース・アッカマン, ジェイムズ・フィシュキン著(川岸, 谷澤, 青山訳( 担当: 共訳)

    早稲田大学出版部  2014年

  • 『正義はどう論じられてきたか』

    デイヴィッド・ジョンストン(押村, 谷澤, 近藤, 宮崎訳( 担当: 共訳)

    みすず書房  2014年

  • 『アクセス デモクラシー論』

    齋藤純一, 田村哲樹( 担当: 共著)

    日本経済評論社  2012年

  • 『新版 現代政治理論』

    川崎修, 杉田敦( 担当: 共著)

    有斐閣  2012年

  • マルクス

    谷澤正嗣

    ジョン・ロールズ『ロールズ政治哲学史講義Ⅱ』、岩波書店  2011年09月

  • 政治理論における期待、制度、合理性(ジョン・フェアジョン著)

    谷澤正嗣

    田中愛治監修、河野勝編『期待、制度、グローバル社会』、勁草書房  2009年09月

  • フェアジョン論文へのリプライ3:政治理論と最小合理性の概念

    谷澤正嗣

    田中愛治監修、河野勝編『期待、制度、グローバル社会』、勁草書房  2009年09月

  • 正義 Ⅱ現代

    谷澤正嗣

    イギリス哲学会編『イギリス哲学・思想事典』  2007年10月

  • スティーヴン・ムルホール、アダム・スウィフト著『リベラル・コミュニタリアン論争』

    谷澤正嗣, 飯島昇藏

    勁草書房  2007年07月

  • 日本語版への序文、第2部序論、第6章、第3部序論、結論

    谷澤正嗣

    スティーヴン・ムルホール、アダム・スウィフト著、谷澤正嗣、飯島昇藏訳者代表『リベラル・コミュニタリアン論争』、勁草書房  2007年07月

  • 『悪と正義の政治理論』

    太田義器, 谷澤正嗣編

    ナカニシヤ出版  2007年05月

  • 「悪と正義の政治理論に向けて」

    谷澤正嗣, 太田義器

    太田義器、谷澤正嗣編『悪と正義の政治理論』、ナカニシヤ出版  2007年05月

  • 「悪をめぐる政治理論的考察の可能性」

    太田義器, 谷澤正嗣

    太田義器、谷澤正嗣編『悪と正義の政治理論』、ナカニシヤ出版  2007年05月

  • M・ウォルツァー著「第4章 討議と……そのほかには何が?」

    谷澤正嗣

    M・ウォルツァー著、齋藤純一、谷澤正嗣、和田泰一訳『政治と情念——より平等なリベラリズムへ——』、風行社  2006年12月

  • M・ウォルツァー著「付論 コミュニタリアンのリベラリズム批判」

    谷澤正嗣

    M・ウォルツァー著、齋藤純一、谷澤正嗣、和田泰一訳『政治と情念——より平等なリベラリズムへ——』、風行社  2006年12月

  • 「公共性—公共圏とデモクラシー」

    谷澤正嗣

    川崎修、杉田敦編『現代政治理論』、有斐閣  2006年03月

  • 『藤原保信著作集一〇 公共性の再構築に向けて』

    藤原保信著, 齋藤純一, 谷澤正嗣編

    新評論  2005年02月

  • 「解説」

    齋藤純一, 谷澤正嗣

    藤原保信著、齋藤純一、谷澤正嗣編『藤原保信著作集一〇 公共性の再構築に向けて』、新評論  2005年02月

  • H・ウィリアムズ、K・ブース著「カント、限界のない理論家」

    谷澤正嗣

    I・クラーク、I・B・ノイマン編、押村高、飯島昇藏訳者代表『国際関係思想史』、新評論  2003年04月

  • 「現代リベラリズムにおける立憲主義とデモクラシー−政治の可能性をめぐる一試論」

    谷澤正嗣

    飯島昇藏、川岸令和編『憲法と政治思想の対話』、新評論  2002年07月

  • H・ウィリアムズ著「カントと社会契約」

    谷澤正嗣

    D・バウチャー、P・ケリー編、飯島昇藏、佐藤正志訳者代表『社会契約論の系譜 ホッブズからロールズまで』、ナカニシヤ出版  1997年05月

  • 「カント−理性の支配と人間の自由」

    谷澤正嗣

    藤原保信、飯島昇藏『西洋政治思想史・I』、新評論  1995年05月

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講演・口頭発表等

  • A・ジョン・シモンズの哲学的アナーキズム

    谷澤正嗣

    社会思想史学会   (東京外国語大学) 

    発表年月: 2018年10月

  • 新古典派リベラリズムの政治理論:アメリカ保守主義の新類型?

    谷澤正嗣

    アメリカ政治思想研究会   (東京大学社会科学研究所) 

    発表年月: 2015年08月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • ポピュラー音楽をテクストとした自由の概念分析

    研究期間:

    2017年06月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    本研究の目的は、北米で親しまれるポピュラー音楽の中で、自由がどのように表現されてきたかを分析することを通して、この概念が一般の人々の日常の生活の中でどのように受容され発展してきたかを実証的に跡付けることである。本研究の計画は、データセット構築、テクスト分析、ケーススタディという三つの柱によって構成される。データセット構築がほぼ完成したので、今年度はテクスト分析の手法を用いて、様々な角度からfreeおよびfreedomという言葉の表出のパターンを検証した。幸いなことに、研究協力者であるハワイ大学のSun-Ki Chai氏が、短い間ではあったが早稲田大学に訪問研究者として滞在したので、彼から極めて的確なアドバイスを受けることができた。そのアドバイスに従い、1)一般的なシソーラス辞典(“Thesaurus.com” )を用いた分析、および2)心理学者たちの間でよく利用されているテキスト分析のソフトウェアである LIWC (Linguistic Inquiry and Word Count)を用いた分析を、それぞれすすめた。また、ケーススタディのための北米での音楽関係者に対するインタヴューもニューヨークで行うことができた。前年度の報告書で報告した通り、テキストデータを作成する上で、マニュアル操作でしか修正できない多くの問題に直面したことから、データセットの構築が遅れた。その遅れの影響が残っいたが、夏頃までにデータセット構築を終わらせることができたので、年度後半には分析作業に取りかかることができた。その第一弾の成果として、2019年9月に、政治学のテキスト分析に関わる大きな国際学会(POLTEXT)で報告した。現在、その論文を改定する作業を進めている。テキスト分析をさらに精緻に進め、どのような先行研究と関連づけて研究成果をフレーミングして公刊すべきかを、具体的に考えていく。2019年9月に、国際学会(POLTEXT)で報告した論文を改定する作業を進め、学術雑誌に投稿することを予定している。また、北米の音楽関係者やストリートミュージシャンに対して行ったインタヴューのデータが、未整理であるので、それを体系化して分析するとともに、特定の楽曲についてのケーススタディも同時に進めていく予定である

  • アメリカ思想における共和主義・立憲主義・リベラリズム:民主政を制御する諸構想

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    本年度は研究の最終年度にあたるため、これまでの研究を総括すべく、全体として共有する枠組みである共和主義・立憲主義・リベラリズム・プラグマティズムについて確認作業を行い、合わせてアメリカ政治思想史の展望を構想し、それを学会発表という形で形にした。第一の学会発表は、2019年5月25日に学習院大学で開催された政治思想学会である。このうち、シンポジウムIIにおいて、研究代表者である宇野重規が「プラグマティズムは反知性主義か」と題して報告を行った。これはアメリカにおいてプラグマティズムが重要な思想的支柱になっていること、そこに特有の反エリート主義と反合理主義がみられること、にもかかわらず、独特な反権力主義や民主的参加の契機を持つことを論じたものであった。第二の学会発表は、2019年10月27日に開催された社会思想史学会である。このうち、セッションH「アメリカ政治思想史研究の最前線」では、片山文雄が「建国期アメリカにおけるコモンセンスの政治学:スコットランド啓蒙との関連で」と題して報告を行い、石川敬史と小田川大典が討論を行った。また、研究協力者である上村剛(東大大学院)も「アメリカ啓蒙とは何か?」と題して報告を行った。このセッションは全体として、本科研プロジェクトの研究成果が結実したものとなった。以上に加え、山岡龍一は「立憲主義と政治的リアリズム」、石川敬史は「アメリカ革命における主権の不可視性」などの論文を発表し、井上弘貴は日本デューイ学会で「ジョン・デューイと実効的自由」を発表するなど、プロジェクトメンバーによる論考や学会発表が相次いだ。これらはいずれも、本研究の成果を示すものである。令和元年度が最終年度であるため、記入しない。令和元年度が最終年度であるため、記入しない

  • アメリカ政治思想における共和主義と立憲主義

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    本研究はアメリカ政治思想史を、共和主義と立憲主義という視点から捉え直そうとする試みである。その際に、建国の思想から、19世紀における超越主義とプラグマティズム、20世紀におけるリベラリズム、リバタリアニズム、保守主義へとつながる固有の思想的発展と、マルクス主義やアナーキズムを含む、ヨーロッパからの思想的影響の両側面から検討することが大きな主題であった。3年間の検討をへて、ヨーロッパの王政に対する独特の意識が、アメリカ共和政とそのコモン・センスに対する信頼を生む一方で、政府権力に対し個人の所有権の立場から厳しい制約を課す立憲主義を発展させてきた、アメリカ思想の弁証法的発展が明らかにされた

  • デモクラシーと宗教:政治思想史、政治理論、地域研究の総合的アプローチ

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2013年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    谷澤は、現代リベラルデモクラシーにおける宗教的言説の規範的位置づけに関して、ジョン・ロールズら「政治的リベラル」と称される一連の理論家の見解と、それらの批判を検討した。政治的リベラルが規範的議論に果たしうる宗教の役割をめぐって比較的寛大ないし楽観的であるのに対して、批判者は極めて懐疑的である点を明らかにした。
    厚見は、政治思想史の視野から、マキァヴェッリの思想における宗教・哲学・政治の関連の考察を行なった。「宗教の政治的利用」の近代的端緒と目される彼の思想において「近代的転回」を遂げたとされる彼の哲学が、宗教と政治の関係を規定している可能性を検討した。また、宗教の側から政治的統治者のあるべき資質を論じる中世の「君主の鑑」論の系譜が、ルネサンス期人文主義においていかなる変化を見せたかについての考察も行なった。
    近藤は、古典的政治哲学、特にクセノフォンとプラトンの政治哲学における教育とレトリックの関係を研究した。クセノフォンに関しては、『オイコノミコス』の読解からソクラテスによる「デモクラシー社会に生きる良き市民」の教育の特徴を分析した。プラトン『メネクセノス』の研究では、そのようなソクラテスの市民教育が持つ反帝国主義的な側面を明らかにした。
    石川は、主として関連する先行研究資料の収集と分析を行った。とりわけ、少数派文化集団に属する女性の自立と自由の実現をめぐる議論に注目して考察を行なった。また、ヒューマニズム(humanism、人間中心主義)の立場から宗教的少数派に対する寛容政策を批判する言説についても近年の議論の調査を進めた。
    飯島は、全体の研究会を統括とすると同時に、政治と宗教の関係に関して、「神学・政治問題」を核心とするレオ・シュトラウスの政治哲学の研究を行なった。

  • 社会的正義の政治経済学をめざして:経済学・政治学・法学による総合的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2006年
    -
    2008年
     

     概要を見る

    社会的正義の基本概念は、今日の社会的問題、公共的問題に解決策を示唆しうるもの、また社会の歴史的・民主的発展に適合的な内実を備えたものであるべき点が明らかにされた。さらに、社会的正義の諸要素間の論理的整合性を追及する一方で、政策理論の基礎を与える組合せを、対象となる財・サービスごとに検討すべきことで合意が得られ、公共財・準公共財・価値財などに関していくつかの試みがなされた。公開性、公正性、接近可能性が重視される一方で、匿名性の処遇については意見が分かれた。

  • トクヴィルと20世紀の政治理論-自由民主主義の形成についての思想史的研究-

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2006年
    -
    2007年
     

     概要を見る

    本研究の目的は、20世紀の政治理論、特にいわゆる自由民主主義の形成とトクヴィルの政治思想との関連を冷戦の終結と「新たな」資本主義の世界化という今日の状況において再考することを目的としている。すなわち、「新自由主義」の主導する経済のグローバライゼーションは新たな貧困や格差を世界大で意識化させ、アメリカの「帝国化」はアメリカのデモクラシーの見直しを迫り、民主化の課題が自由主義圏を越えて旧社会主義圏はもとより、非西洋の全域に拡がろうとしている。欧米の自由民主主義国においては、共和主義、コミュニタリアニズム、多文化主義、市民社会論といった立場からする自由主義の相対化が試みられ、非西洋地域においては、中国、インドのような経済発展の著しい諸国において経済発展と政治的民主化の跛行性が種々の問題を生み、他方では、ラテンアメリカのいくつかの反米左翼政権に見られるように、アメリカの帝国的支配とグローバライゼーションに対する新たな挑戦がなされている。これら現代の理論的実践的諸問題とトクヴィルの理論や分析との関連を問い、トクヴィルの政治思想そのものの読み直しを試みた。
    以上の問題意識の下に行った2年間の研究を通じて確認された主な知見を以下に列挙する。
    (1)冷戦の終結とソ連社会主義の崩壊は社会主義に対する自由民主主義の勝利を明らかにしたが、アメリカの覇権の下に進むグローバライゼーションは、アメリカ・モデルの世界化をもたらしたわけではなく、それへの種々の反発を生み、宗教勢力の政治的影響力の増大、格差と不平等の拡大、「社会資本」の減衰と公共生活の縮小といった近年のアメリカに際立つ傾向は、トクヴィルのアメリカ観の再考を促している。
    (2)トクヴィルがナポレオンの遺産を念頭に19世紀フランスに発した警告は今日の状況において米国の「軍産複合体」の分析にヒントを与え、20世紀後半以降のアメリカの「帝国化」を考える材料となる。
    (3)今日、非西欧世界に広がる民主化の課題を考察する上で、明治以来の日本の近代化とデモクラシーの問題をトクヴィルの視点から分析することは有益な視座を提供する

  • トクヴィルとデモクラシーの二つのモデル〜米仏政治文化の比較思想史的研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2004年
    -
    2005年
     

     概要を見る

    本研究の目的は、トクヴィルの政治理論に照らしてフランスとアメリカという近代デモクラシーの二つのモデルを比較し、両国の歴史的発展の中に二つのモデルの対立と相互影響関係の諸相を検証することにある。個別の論点として特に詳しく検討されたのは、トクヴィル以後のフランス人のアメリカ観、20世紀における反米主義の興隆、米仏両国の現代政治哲学におけるトクヴィリアン・モーメントの検出などである。
    2年間の研究を通じて確認された主な知見を以下に列挙する。
    (1)米仏友好関係はアメリカ独立革命時以来の長い歴史を有するが、20世紀に合衆国がヨーロッパに本格的に関与し、超大国に成り上がったことはフランス国民の反発を招き、とりわけ、冷戦はフランス知識人の反米主義を育てることとなった。
    (2)冷戦の終結とソ連社会主義の崩壊は社会主義に対する自由民主主義の勝利を明らかにしたが、アメリカの覇権の下に進むグローバライゼーションは、アメリカ・モデルの世界化をもたらしたわけではなく、それへの種々の反発を生み、ヨーロッパとアメリカの距離を広げ、フランス・モデルの再生をもたらした。
    (3)こうした世界の状況の変容はトクヴィルのデモクラシー論の読み直しを要請している。宗教勢力の政治的影響力の増大、格差と不平等の拡大、「社会資本」の減衰と公共生活の縮小といった近年のアメリカに際立つ傾向は、トクヴィルのアメリカ観の再考を促している。
    (4)フランスに近年著しいトクヴィル復興は、アングロ=サクソン社会に範をとった彼のフランス政治文化批判がフランスの世論にようやく受け入れられたことを示す。しかしトクヴィルのアメリカ批判も今日の歴史的文脈において新たな光を当てられている。今日の米国でトクヴィルが共和主義ないしコミュニテリアンの文脈で語られるのに対し、フランスでは共和主義の自由主義的修正に貢献しているといえよう。
    (5)トクヴィルが一九世紀の歴史状況を背景に指摘したフランス・デモクラシーの問題点や危険の多くは、今日のフランス社会にとってそれほどの脅威ではない。逆にそうした危険から免れていると彼がみた米国についてこそ、今日では深刻な問題となっている。戦争や軍事専制、政府の強大化はその著しい例である。

  • 高齢化時代における医療政策―生命倫理と予算制約

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

     概要を見る

    われわれは、3年間の研究の総決算として、2002年9月16日17日にイタリアのトレヴィーゾの国際ジャック・マリタンインスティチュートで開催された国際研究会議に次の4本の英語論文を提出し、議論に参加した.
    "Political Parties, Variety of Capitalism, and Veto Players in Health Care Retrenchment : Japan in Comparative Perspective"において井戸と眞柄は、福祉のレジームのタイプや政権党のイデオロギーよりもむしろ資本主義の多様性と拒否権プレイヤーの存在とが、福祉切り詰め時代における公的な福祉努力を規定していると主張した.
    "Constitutional Welfare Rights"において川岸は、主要国の福祉への憲法による対応の仕方-無視、社会原則の宣言、社会権の宣言、双方の宣言-と、政府の福祉への支出の割合には、相関性は認められず、社会権の実現には立法部、行政部による裁量判断の要素が極めて広いことがわかると論じた。
    "Moral Foundations of Welfare Policies"において谷澤と飯島は、人びとの「ニーズ」や「潜在能力」(capabilities)などの概念に着目して、福祉国家の道徳的基礎を検討した.M・イグナティエフ、M・ヌスバウム、R・ドゥオーキン、R・グッディンら、一連のリベラルな理論家の所説を検討しつつ得られた結論は、リベラルな伝統を-個人の自由を第一の政治的価値として追求する立場-を支持するかきり、広範な福祉政策を国家に求める道徳的根拠ないし理由が存在するというものであった.
    "Rethinking Japanese Bioethics"において田中は、日本における生命倫理の展開を現状とをアメリカ合衆国のそれらと比較検討することによって、日本の生命倫理が、近代日本の比較的閉鎖的な医療システムをより開かれたものにするには社会勢力としてはなおも不十分なものとしてきた歴史的諸条件に光を投げかけた.

  • 福祉再建の比較制度論的研究-イタリア・日本・イギリス・アメリカの医療改革

    研究期間:

    2000年
    -
    2001年
     

  • 高齢化時代における医療政策-生命倫理と予算制約

    研究期間:

    2000年
     
     
     

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 政治経済学術院   大学院経済学研究科

  • 法学学術院   法学部

特定課題制度(学内資金)

  • 現代政治理論における「政治的リベラリズム」の観念―J・ロールズの理論を中心に

    2000年  

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     本研究は、J・ロールズ、C・ラーモア、B・アッカマン、M・ヌスバウムらによって提唱されている「政治的リベラリズム」の立場を、その核心にある「理性にかなった多元性の事実」をめぐる哲学的洞察のみならず、この洞察から生じるさまざまな政治的帰結に視野を広げながら、リベラリズムに対する数々の対抗イデオロギーと比較して論じようとするものである。政治的リベラリズムのもたらす憲法上の帰結をめぐる成果の一部は、早稲田政治学会第一回研究会(2000年5月26日)において、「現代リベラリズムにおけるconstitutional democracy―radical democracyとの対比において」と題して報告した。この報告は、ロールズらの理論における、立憲主義と民主主義の関連を明らかにするために、まずデモクラシーによる政治権力の行使に正統性を認めるための条件としてのリベラルな憲法の位置づけ(ロールズ)に着目し、ついで正統性についてのこの理解の根底をなすのは「人格に対する平等な尊重」(ラーモア)という、政治的リベラリズムの核心となる道徳原理にほかならないとする見方を紹介した。さらに制度論に目を向け、正統性を満たしたデモクラシーを可能にする前提条件ないし「プレコミットメント」(S・ホームズ)として機能するために憲法が備えていなければならない条項を列挙した。これらの条項が多数派の権力行使に制限を課すかぎり、リベラルな立憲主義は民主主義と対立すると指摘される。これに対して報告は、憲法それ自体が人民の主権にもとづく「憲法政治」の所産である以上、立憲主義と民主主義は対立しないとする「二元的デモクラシー」(アッカマン)の理論を検討した。続いて報告はこうしたリベラルな立憲主義的デモクラシーと、C・ムフやS・ウォリンらの提唱するよりラディカルなデモクラシーとの対比を試みた。その後の研究成果をも踏まえて、論文「現代リベラリズムにおける立憲主義とデモクラシー--政治の可能性をめぐる一試論」、飯島昇藏、川岸令和編『憲法と政治思想の対話』(新評論、2002年)を発表した。