2024/03/28 更新

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モリハラ タカシ
森原 隆
所属
文学学術院 文学部
職名
教授
学位
文学修士 ( 京都大学 )

経歴

  • 2000年
    -
     

    早稲田大学文学部教授

  • 1999年
    -
    2000年

    早稲田大学文学部助教授

  • 1992年
    -
    1999年

    金沢大学 文学部助教授

  • 1988年
    -
    1992年

    鳥取大学 教養部助教授

  • 1985年
    -
    1988年

    鳥取大学 教養部専任講師

学歴

  • 1980年04月
    -
    1983年

    京都大学大学院   文学研究科博士後期課程   西洋史学  

  • 1977年04月
    -
    1980年03月

    京都大学大学院文学研究科修士課程   西洋史学  

  •  
    -
    1977年

    早稲田大学   第一文学部   西洋史学専攻  

所属学協会

  •  
     
     

    史学研究会

  •  
     
     

    早稲田大学史学会

  •  
     
     

    日仏歴史学会

  •  
     
     

    史学会

  •  
     
     

    日本西洋史学会

  •  
     
     

    日本歴史学協会

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研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史
 

論文

  • 近世フランスの政治情報とジャーナリズムに関する研究 科学研究費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書

       2007年03月

  • フランス・アンシャン・レジーム期のジャーナリズムと世論に関する社会文化史的研究

    科学研究費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書    2004年06月

  • 近世フランスの新聞出版とジャーナリズム

    史學研究 廣島史學研究会   ( 244 ) 34 - 56  2004年06月

  • 近世フランスにおける文化統合と「文芸共和国」

    ヨーロッパ史における文化と統合の契機 科学研究費補助金基盤研究B研究成果報告書     75 - 83  2002年03月

  • フランス・アンシャン・レジーム下の新聞とジャーナリズム

    西洋近代における情報伝達に関する総合的研究 科学研究費補助金基盤研究B研究成果報告書     96 - 112  2001年

  • 一七七〇年代フランス・モープ一期の『ガゼット』改革をめぐって

    金沢大学文学部論集 史学科篇   /18  1998年

  • 一八世紀後期フランスにおける外国紙と『ガゼット』

    金沢大学文学部論集 史学科篇   /16  1996年

  • C・-J・パンクックとフランス革命前夜の新聞・雑誌

    金沢大学文学部論集 史学科篇   /13-14,  1994年

  • 18世紀中期フランスにおける新聞・雑誌と『ガゼット』

    鳥取大学教養部紀要   25  1991年

  • 18世紀フランスにおける地方新聞

    歴史と社会 鳥取大学教養部歴史と社会研究会編    1990年

  • フランス絶対王政期における『ガゼット』の成立について

    京都大学人文科学研究所紀要人文学報   63  1988年

  • 『トレヴー誌』とフランス絶対王政期のジャーナリズム

    西洋史学 日本西洋史学会   138  1985年

  • フランス啓蒙時代のフィロゾーフ像

    史林 史学研究会   65/1  1982年

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書籍等出版物

  • ヨーロッパの政治文化史 統合・分裂・戦争

    森原 隆( 担当: 編集)

    成文堂  2018年03月 ISBN: 9784792371081

     概要を見る

    本研究は、ヨーロッパ史において、政治、経済、社会、宗教、文化などの領域でとりおこなわれてきたさまざまな「統合」の活動や実態を、政治文化や社会文化システムとの関係で比較史的に共同研究したものである。16名の研究者の個別論文から構成されている。

  • 『EU・欧州統合研究―”Brexit以降の欧州ガバナンス』

    福田耕治編著森原( 担当: 分担執筆,  担当範囲: ヨーロッパとは何か―欧州統合の理念と歴史)

    成文堂  2016年03月

     概要を見る

    初版(2009年)の加筆・修正版である。

  • ヨーロッパ・「共生」の政治文化史

    森原 隆篇

    成文堂  2013年03月 ISBN: 9784792370961

     概要を見る

    本研究は、古代から現代に至るヨーロッパの歴史社会を、「共生」という観点から比較考察し、検証を試みたものである。19名の主に西洋史研究者による個別研究から構成されている。EU(ヨーロッパ連合)の現状をふまえながら、今後の方向を模索した。

  • ヨーロッパ・エリート支配と政治文化

    森原 隆編

    成文堂  2010年03月 ISBN: 9784792370862

     概要を見る

    本研究は、ヨーロッパ史の古代から現代に至る「エリート支配」の諸相を政治文化的な観点から比較考察したものである。17名の研究者の個別論文から構成されている。EU憲法の批准論議に見られるエリート支配の問題を、ヨーロッパの政治・社会・宗教・文化史の観点から検証したものである。

  • ヨーロッパとは何か−−−欧州統合の理念と歴史

    福田耕二編

    EU・欧州統合研究 成文堂  2009年10月

  • フランスのアンシャン・レジーム期における教育

    浅野啓子, 佐久間弘展編

    教育の社会史 知泉書館  2006年12月

  • フランスの「レピュブリック」理念

    小倉欣一編

    近世ヨーロッパの東と西 山川出版社  2004年12月

  • 絶対王政下の新聞と政治報道

    服部春彦, 谷川稔編

    フランス史からの問い 山川出版社  2000年

  • 18世紀ボルドーにおける知識人社会とモンテスキュー

    樋口謹一編

    モンテスキュー研究 白水社  1984年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 共和政の再検討:近代史の総合的再構築をめざして

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2021年04月
    -
    2026年03月
     

    中澤 達哉, 近藤 和彦, 森原 隆, 高澤 紀恵, 小山 哲, 小森 宏美, 池田 嘉郎, 石川 敬史, 古谷 大輔, 松原 宏之, 小原 淳, 正木 慶介

     概要を見る

    2021年度は、以下の4つの班に分かれて、共通の分析枠の構築を図った。
    1.「共和政と君主政の乖離」班は、中東欧・仏米における「王のいる共和政」論の検証を行うための分析枠を検討した。まず石川敬史は独立革命期に存在したアメリカ政体論を検証し、小山哲と中澤達哉は米仏との相互影響を踏まえ、中東欧における「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への移行過程を検討した。正木慶介は、上述の双方の共和主義の要素をもつ立憲君主政の実態を分析した。その上で共通の分析枠や視点の構築に努めた。
    2.「共和政と民主政との連動」班は、共和政が民主政と連動する過程を市民権および人民主権の動態から分析するための主軸を検討した。松原宏之は独立革命後も主導権を保持した名望家に代わり新たに新興実業家が上昇し徒弟が労働者化するという社会変動にあわせ、アメリカで市民権と共和政が再定義される過程に焦点を当てることにした。高澤紀恵と近藤和彦はソシアビリテから市民権と人民主権の動態を検証し、フランスおよびイングランド共和政の思想と実態を社会史的文脈から検証することを軸に分析枠を構築することに努めた。
    3.「共和政と国民国家との結節」班は、1990年代以来、構築主義による国民国家批判を通じて国民の創造に関する研究が蓄積されてきた状況を受けつつも、「王のいる共和政」から「王のいない共和政」への構造転換と国民国家との関係を権利関係の再編から論じる方法の構築に努めた。小原淳と小森宏美は国民形成の観点から、中澤は民族集団の構築における社団の機能からこれを検討することになった。
    4.「共和政と連邦制の親和」班は、池田嘉郎と森原隆を中心に、近世に複合国家編成を採った地域の近代に「王のいる共和政」論が集中的に出現し、連邦共和国を志向したという事実に基づき、議会主義の観点からこれを分析する方法を検討した。

  • フランス革命前夜の外務卿ヴェルジェンヌとフランス外交政策に関する総合的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2020年04月
    -
    2024年03月
     

    森原 隆

     概要を見る

    本研究は、申請時の研究計画では、近世フランス外交の意味や意義を、とくにフランス革命前夜にあたるヴェルジェンヌ外務卿時代(1774年―1787年)に焦点をあて、仏・英・墺を中心にしたヨーロッパのみならずアメリカ、ロシア、オスマン帝国なども含めたグローバルな視点から捉えなおすものであり、また外務卿を中心とした外務卿府の実態を、外交書簡・司令書・認可書・会計文書などを基に、史料分析的な観点から検討する予定であった。この研究は、現地フランスでの史料調査を念頭に置いたものであるが、しかし、2021年度は、前年度に引き続いて、新型コロナ禍の問題で、フランスへの渡航が不可能となり、フランス外務省の外交文書館や国立古文書館の手稿史料を中心にした大量の外交文書史料調査や分析など実証的な研究はほとんどできなかった。ただ、ヴェルジェンヌ外務卿に関する研究文献やこの時期の政治史・思想史に関する研究文献を今年度も新たに多数入手し、研究テーマに関する総合的な研究に着手した。例えば、近年の啓蒙思想に関する研究や、アメリカ独立戦争に関する研究に注目し、分析を進めている。
    また、この時期のアメリカの独立に関するヴェルジェンヌの外交政策や、オランダとの外交関係、特に、1780年代のオランダの革命運動との関係などに注目し、個別の考察を進めることができた。具体的には、1780年代のオランダのパトリオット革命との関係である。またヴェルジェンヌ個人の思想や活動について、とくにフランス革命の中核となる「共和政」や「パトリオット」との関係に注目し、この面での新たな研究分析に、ある程度の見通しを持つことができた。これらは、いずれもわがくにには、ほとんど本格的な研究がないテーマであり、研究価値が高いと考えられる。

  • ジャコバン主義の再検討:「王のいる共和政」の国際比較研究

    科学研究費助成事業(基盤研究B)

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    中澤 達哉

  • 1770年代フランス外交政策に関する史料学的研究

    科学研究費助成事業  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    森原 隆

  • 近世フランスの外務卿府書簡文書と対英米外交に関する史料学的研究

    科学研究費助成事業  科学研究費助成事業(萌芽研究)

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

    森原 隆

  • 近世フランスの政治情報とジャーナリズムに関する研究

    科学研究費助成事業  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2006年04月
    -
    2009年03月
     

    森原 隆

  • フランス・アンシャンレジーム期のジャーナリズムと世論に関する社会文化史的研究

    科学研究費助成事業  科学研究費助成事業(基盤研究(C))

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

    森原 隆

     概要を見る

    近世フランスの出版文化のなかで、特に新聞出版の文化を中心に、これに関連したジャーナリズム形成の問題を3年にわたって、検討した。まず国内の大学での史料調査、さらにフランスをはじめとする外国から近年の研究動向に関する文献の収集に努めた。
    特に本研究成果報告論文では、1631年にテオフラスト・ルノドーにより創刊されたフランス最初の新聞『ガゼット』Gazette紙の出版文化を分析の対象とし、創刊時からフランス革命前夜にいたるまでの時期を通史的に捉えた。まず創刊については経緯・内容、購読の実態、王権との関わりなどを論じ、その後、厳しい出版統制の中における『サヴァン誌』、『メルキュール誌』などの雑誌の出現、ナント勅令の廃止、地方版の隆盛が、『ガゼット』に与えた影響について検討した。『ガゼット』は18世紀の半ばにルノドー一族の手を離れた後、1761年に国家の直接的な管理化(第一レジー期)に入り国家新聞となったが、軌道に乗らず、また1770年代のモープー時代における第二レジー期の改革も失敗に終わった。一方、この頃から、「ジュルナル・ポリティーク」と称する政治雑誌が登場し、批評や論評を旨とする新しいタイプの政治情報誌が台頭した。ルイ16世即位後においても、オベール管理下の『ガゼット』の停滞に比べ、C.-J.パンクックが推進する「ジュルナル・ポリティーク」が部数を伸ばし、『ガゼット』を凌駕したのである。この「ガゼット」から「ジュルナル・ポリティーク」への転換がいかなる意味や意義を有するのかを論じた。
    このような新聞出版の文化と王権や政治機構との関係、また、読者公衆や公共圏・世論など近年注目されている諸問題についても検討し、別稿として「近世フランスにおける文化統合と文芸共和国」、「フランス・アンシャン・レジーム下の新聞とジャーナリズム」をこの研究期間に執筆した。

  • 西洋近代における情報伝達に関する総合的研究

    科学研究費助成事業(岡山大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(B))

    研究期間:

    1998年
    -
    2000年
     

    永田 諒一

     概要を見る

    本研究の最終年度にあたる平成12年度には、通算で第6回となる研究集会を、7月22-23日に高松で行った。この第6回の個人研究発表のテーマは、「十月革命とポーランド人共同体のネットワーク」(中山昭吉)と「食情報の伝達媒体としての料理本」(南直人)であった。中山は、ロシア十月革命の前夜に、当時ロシアへの併合によって国内の最大少数民族になっていたポーランド人が、ロシアにおける革命的情勢を積極的に作り出し、革命勢力において不可欠の支持勢力となっていたことを明らかにした。そして、このような活動を可能にしたのは、ポーランド語新聞の発行とそれを用いたプロパガンダによっていることを、豊富な事例とともに示した。また南は、食生活史研究において有力な可能性を持つ料理本を取り上げ、そこには、調理技術、栄養知識、食習慣などの種々の食情報が盛り込まれており、とくに19世紀以降、近代の市民生活を形成する上で、重要な役割を果たしたと報告した。ともに重要な知見を含んだ興味深いもので、本研究の取りまとめとして刊行された「研究成果報告書」に、その大要が収録されている。
    上記の研究打ち合せ会では、分担テーマについて、研究報告の概要を持ち寄り検討した。分担テーマによる研究の詳細は、研究成果報告書に譲るとして、全体としては、所期の目的であったヨーロッパ近代における情報伝達についての総合的な検討作業が達成された。ヨーロッパにおける情報伝達は、近代のグーテンベルクの印刷術に始まり、17・18世紀における定期刊行物の成立と発展、およびそれに伴う読み手の大衆化によって飛躍的に拡大した。しかし一方で、19・20世紀に入ると、こうした公式の情報伝達とは異なる伝達手段も意味を持った。本研究はこうした流れを明らかにするとともに、時代や場所で異なる独自性や情報伝達の多様性をも、示すことができた。

  • 近世・近代フランスにおける情報社会の形成と定期刊行物

    科学研究費助成事業(金沢大学)  科学研究費助成事業(一般研究(C))

    森原 隆

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 近世・近代フランスの社会史とジャーナリズムに関する研究

    2005年04月
    -
    2006年03月

    フランス   国立社会科学高等研究院

他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

特定課題制度(学内資金)

  • 大革命前後のフランス・オランダの外交・ジャーナリズム関係についての考察

    2022年  

     概要を見る

    本研究は、2020年度科学研究費基盤研究(c)に採択された、「フランス革命前夜の外務卿ヴェルジェンヌとフランス外交政策に関する総合的研究」の補助研究として計画したものである。 本年は、コロナ禍の問題がようやく終息したため、当初計画していたフランス・パリに現地調査に出かけることができ、フランス国立図書館、国立古文書館、外務省文書館で、関連史料収集と調査を行った。本年は、革命期から総裁政府期、さらにはナポレオン期へと移行させ、フランスにおける「パトリオット」「共和政」「ナシオン」理念の変遷を中心に、検討を進めた。さらに、フランスの1791・93・95年憲法における、議会構成や立法・行政権の規定とその変化についての分析を行い、総裁政府期の評価に関する考察を深めた。ヴェルジェンヌについては、アメリカ独立戦争への参戦やオランダとの同盟関係に深く関与し、革命前夜における両国のジャーナリズムに大きな影響を与えていた実態の分析を継続して進行させた。これらの問題について、研究報告と論文執筆の準備をすすめている。

  • フランス革命前夜のヴェルジェンヌ外務卿とフランス外交政策

    2021年  

     概要を見る

    本研究は、2020年度科学研究費基盤研究(c)に採択された、近世・近代フランス外交政策に関する総体的な研究の補助研究として計画したものである。研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、フランス外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フラン外交政策の解明をすすめている。 本年は、コロナ禍の問題のため、当初計画していたフランスに現地調査に出かけることができず、主にすでに入手済みの外交史料や研究文献の分析によって、本研究を遂行した。 本年は、18世紀におけるフランスとオランダとの外交に注目し、とくにジャーナリズムに焦点をあて、世紀転換期から革命期にかけての両国の緊密な相関関係について分析した。これらの問題については、下記における研究論文の執筆を行った。

  • フランス革命前夜のヴェルジェンヌ外務卿とルイ16世との往復書簡に関する研究

    2021年  

     概要を見る

    本研究は、2020年度科学研究費基盤研究(c)に採択された、近世・近代フランス外交政策に関する総体的な研究の補助研究として計画したものである。研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、フランス外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フラン外交政策の解明をすすめている。 本年は、コロナ禍の問題のため、当初計画していたフランスに現地調査に出かけることができず、主にすでに入手済みの外交史料や研究文献の分析によって、本研究を遂行した。本年は、ルイ16世との往復書簡などを通して、外務卿ヴェルジェンヌが1781年の宰相モールパの死で最高実力者となり、アメリカ独立戦争やオランダとの同盟関係を推進してゆく過程を克明に分析した。研究成果として以下の論文を執筆した。

  • 大革命前夜のフランス外交政策とヴェルジェンヌ外務卿に関する研究

    2019年  

     概要を見る

    研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、フランス外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フランス外交政策の解明をすすめている。 本年は、パリに現地調査に出かけ、外交書簡の分析を敢行した。またフランスのコルシカ島でも現地調査を実行した。とく前者の外交文書は、2009年にパリ北部のコルヌーヴ地区に新設の外交文書館に移転されたので、本年は、この新外交文書館を本格的に利用し、関係文書 (Correspondances politiques, Affaires diverses politiques)を中心にした文書・文献史料の調査をおこなった。とくに、ヴェルジェンヌ外務卿時代に焦点をあて、外交書簡について、主に従来より調査していたアメリカ・イギリス宛のものを詳細に分析した。またナポレオン外交についても調査を始めた。

  • フランス革命前夜におけるヴェルジェンヌ外務卿と外交政策に関する総合的研究

    2018年  

     概要を見る

    研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、フランス外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フランス外交政策の解明をすすめている。 本年は、とくパリに現地調査に出かけ、外交書簡の実態調査を敢行した。外交文書は、2009年にパリ北部のコルヌーヴ地区に新設の外交文書館に移転されたので、本年は、この新外交文書館を本格的に利用し、関係文書(Correspondances politiques, Affaires diverses politiques)を中心にした文書・文献史料の調査をおこなった。とくに革命前夜のヴェルジェンヌ外務卿時代に焦点をあて、ヴェルジェンヌが直接関わった外交書簡について、主に従来より調査していたアメリカイギリス宛のものに加えて、ウィーン・ハプスブルク帝国関連の文書を選び出し、対アメリカ、イギリス、オーストリア外交の分析に入った。

  • フランス革命前夜におけるヴェルジェンヌ外務卿の外交政策に関する総合的研究

    2018年  

     概要を見る

    研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フランス外交政策の解明をすすめている。 本年は、とくパリに現地調査に出かけ、外交書簡の実態調査を敢行した。2009年にパリ北部のコルヌーヴ地区に移転された新外交文書館を本格的に利用し、関係文書 を中心にした文書・文献史料の調査をおこなった。とくに革命前夜のヴェルジェンヌ外務卿時代に焦点をあて、ヴェルジェンヌが直接関わった外交書簡について、主に従来より調査していたアメリカイギリス宛のものに加えて、ウィーン・ハプスブルク帝国関連の文書を選び出し、対アメリカ、イギリス、オーストリア外交の分析に入った。

  • 18世紀中期フランスにおけるショワズール外交政策に関する史料学的研究

    2017年  

     概要を見る

    本研究は、近世フランスの外交政策とくにオーストリア、プロイセン、イギリスに対する対外交渉の展開を、フランスの外交書簡を中心にした文書・文献資料の渉猟と解読をとおして分析した。とりわけショワズール外務卿時代(1758年~1770年)のフランス外交France Diplomatiqueの意味や意義を、ヨーロッパだけではなくアメリカ、ロシア、スペイン、オスマン帝国、ポーランドなども含めたグローバルな視点から捉えなおそうとしたものである。ショワズール外務卿や外務係官による外交書簡、司令書、認可書などをもとに、史料分析的な観点からこれを検討した。

  • 18世紀中期フランス外交政策に関する史料学的研究

    2017年  

     概要を見る

    本研究は、2017年度科学研究費基盤研究(c)に申請中の、近世・近代フランス外交政策に関する総体的な研究の準備研究として計画したものである。とくに本特定課題研究としては、ショワズール外務卿時代の外交政策に焦点をあて、ショワズール個人に関する伝記、評伝などの研究書を渉猟し、分析することに努めた。具体的には、フランス外務省の外交文書館における、手稿史料を中心にした近世フランス外交に関する大量の外交文書Archives Diplomatiquesの現地調査を行った。とくにオーストリア、プロイセン、イギリスに対する対外交渉の展開を、とりわけショワズール外務卿時代(1758年~1770年)に限定して調査を行ったが、史料自体が膨大にあり、まだ調査自体は、ようやく緒に就いたばかりである。

  • 近世フランスにおける外務卿府とヴェルジェンヌ外交政策に関する史科学的研究

    2016年  

     概要を見る

     研究代表者は、近年、主たる研究テーマとして、フランス外交書簡を中心に文書・文献史料の渉猟と解読をとおした近世フラン外交政策の解明をすすめている。とくに本年は、フランスに現地調査に出かけ、外交書簡の実態調査を敢行した。外交文書は、これまで主に、パリのケ・ド・オルセーの外務省の文書館に所蔵されていたが、2009年にパリ北部のコルヌーヴ地区に新設の外交文書館に移転された。本年は、この新外交文書館を本格的に利用し、関係文書(Correspondances politiques, Affaires diverses politiques)を中心にした文書・文献史料の調査をおこなった。とくに革命前夜のヴェルジェンヌ外務卿時代に焦点をあて、ヴェルジェンヌが直接関わった外交書簡について、主に、アメリカとイギリス宛のものを選び出し、対アメリカ、イギリス外交の分析に入った。

  • フランス革命前夜におけるヴェルジェンヌ外交政策に関する史料学的研究

    2015年  

     概要を見る

     本研究は、近世フランスの外交・文化政策を、外交書簡を中心にした文書・文献史料の渉猟と解読をとおして、あらたに解明しようとするものである。とくに昨年、フランス社会科学高等研究院のJ.-F.ショーブ教授が来日し、早稲田での講演・研究活動のサポート活動を全面的に担当したこともあって、本年は氏の専門である近世スペインとフランスとの外交関係を中心に継続して考察と分析を行った。これによってフランスブルボン王朝期の政策に、とくにルイ14世期の外交を中心としたさまざまな政策にスペインをモデルとした国政像が大きな影響を与えていたことが明らかになった。これは氏の著書2003年『スペイン的なフランス』をふまえた上での議論であるが、これに関連しては、ヨーロッパの近世国家像をめぐって、2014年4月に、国際セミナー「『礫岩国家の3点測量』ーヨーロッパにおける複合政体を比較するー」が開催され、その研究報告が『プロジェクト研究』第10号、2015年3月、早稲田大学総合研究機構、に掲載された。さらに今年は、継続して1780年代から革命期にかけての外務卿ヴェルジェンヌ時代(1774-1787)に焦点をしぼり、史料分析に基づいた当時のフランス外交のあり方を考察するなかで、スペイン以外の国々とフランスの外交政策との関わりにも焦点をあてて考察を行った。とくに1780年代は文化史上、新古典主義の勃興期であり、ギリシャ・ローマの古典文化とかかわりに関心が当てられた時代であるが、ギリシャ・アテネの古文書館やアカデミー・博物館関連施設でフランス文化政策とのかかわりについての実態調査を並行しておこなった。

  • 1780年代フランスのヴェルジェンヌ外交政策に関する史料学的研究

    2014年  

     概要を見る

     本研究は、近世フランスの外交政策を、外交書簡を中心にした文書・文献史料の渉猟と解読をとおして、あらたに解明しようとするものである。とくに本年は、フランス社会科学高等研究院のJ.=F.ショーブ教授が来日し、早稲田での講演・研究活動のサポート活動を全面的に担当したこともあって、氏の専門である近世スペインとフランスとの外交関係を中心に、まず全般的な考察と分析を行った。その結果、フランスブルボン王朝期の政策に、とくにルイ14世期の外交を中心としたさまざまな政策にスペインをモデルとした国政像が大きな影響を与えていたことが明らかになった。これは氏の著書2003年『スペイン的なフランス』をふまえた上での議論であるが、これに関連しては、ヨーロッパの近世国家像をめぐって、2014年4月に、国際セミナー「『礫岩国家の3点測量』ーヨーロッパにおける複合政体を比較するー」が開催され、その研究報告が『プロジェクト研究』第10号、2015年3月、早稲田大学総合研究機構、に掲載された。その他については、研究計画に基づいて、フランスの国立図書館、国立古文書館において、1780年代から革命期にかけての外務卿ヴェルジェンヌ時代(1774-1787)に焦点をしぼり、史料分析に基づいた当時のフランス外交のあり方を考察した。

  • 1780年代フランスのヴェルジェンウ外交政策の史料学的研究

    2013年  

     概要を見る

     本研究は、近世フランスの外交書簡を中心にした文書・文献史料の渉猟と解読をとおして、フランス外交政策とくにイギリス、アメリカに対する外交政策の展開を分析することにより、1780年代のヴェルジェンヌ外務卿期のフランス外交の意味や意義を、ヨーロッパだけではなくアメリカ、ロシア、トルコ、エジプトなども含めたグローバルな視点から捉え直そうとするものである。とくに、この1年間は、外務卿、外務係官による外交書簡、司令書、認可書、会計文書などを基に史料分析を行った。実際に現地のフランス外務省の文書館および国立古文書館において、近世フランスの外交、対外政策に関わる大量の外交文書Archives Diplomatiques の大まかな内容や系統についての見通しをたてた。 研究計画全体は、2014年度科研費基盤研究(C)に申請している17世紀ブルボン王朝以降のフランス外交政策であり、宰相リシュリュー時代からルイ14世時代のコルベール・ド・トルシー外務卿期、さらに18世紀後半のショワズ―ル外務卿期からフランス革命期にかけてであるが、とくに本特定課題研究としては、(1)1780年代18世紀後半から革命期にかけての外務卿ヴェルジェンヌ時代(1774-1787)に焦点をしぼり、史料分析に基づいた当時のフランス外交のあり方を考察した。。そのなかでも、対アメリカ、イギリス、オーストリア、プロシア外交を中心に、外交文書に基づいた政策論議を分析した。今後は、とりわけヴェルジェンヌ時代については、アメリカ独立戦争期(1775-1783年)を中心に対アメリカ、イギリス外交など、当時のアメリカ独立に関わるフランス外交政策の理念や方針を引き続き再検討したいと考えている。また、英米だけではなく、当時の外交関係を、プロイセンやロシア、オーストリアやオスマン帝国やイタリア諸都市、北欧や東欧諸国との関係で捉えなおし、当時の複雑な利害関係の実態を明らかにできればと考えている。さらに当時の外交関係が、その後のフランス革命にいかなる影響を与えていくことになるのか、など多面的にこの問題の考察ができればと考えている。

  • ヨーロッパ史における「共生」の形成と政治文化の変容に関する比較史研究

    2012年  

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     本研究は、前年度までのテーマを継続・修正し、「ヨーロッパ共生社会の創出と政治文化システムの形成」というテーマに基づき、ヨーロッパ史の各時代・地域・領域において展開される、エリート等の支配層・指導層と市民等の一般庶民・民衆層の「共生」さらには民族、言語、宗教的差異を超えた「共生」の活動や実態を、政治文化や社会システム変容との関係で比較史的に考察・検討した。本年は、とくに3年間の共同研究の最終年にあたり、2013年3月における共同研究書の刊行を目指して、それぞれの分野における研究の深化に努め、分担者が、研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握を続け、研究会での報告や議論をとおして研究課題の検討を行なった。まず2012年7月に研究報告会・シンポジウム「ヨーロッパ・「共生」の政治文化史」を開催した。内容は以下のとおりである。 趣旨説明・司会(森原隆)1.蝶野立彦(本学非常勤講師)報告「16世紀後半のドイツにおける《隠れカルヴァン主義(Kryptocalvinismus)》紛争と反カルヴァン主義のパンフレット ―――宗教対立・共生と大衆的情報伝達」コメント 皆川卓(山梨大学准教授)2.南祐三(本学助手)報告「ヴィシー期パリにおける仏独『共生』―協力主義メディアの統制と活動の実態―」 コメント 大内宏一 3.全体的な質疑と討議。30名を超える出席者により、活発な議論が展開され、本共同研究の検討が綿密に行われた。 後期は、共同研究書の刊行に向けた具体的な編集作業に入った。その結果、2013年3月に共同研究書である、森原隆編『ヨーロッパ・「共生」の政治文化史』(成文堂、2013年)を刊行した。これは、古代から中世、近代から現代にいたる総勢19名の西洋史研究執筆陣からなる共同研究書である。今後は、この共同研究の成果をふまえ、さらに「共生と排除」の両面から、各時代のヨーロッパ社会の諸相をさらに深く掘り下げて、準備をすすめてゆく予定である。

  • ヨーロッパ型「共生社会」の形成と政治文化システムの変容に関する比較史研究

    2011年  

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     本研究は、前年度までのテーマを継続・修正し、「ヨーロッパ史における「共生」の形成と政治文化の形成」というテーマに基づき、ヨーロッパ史の各時代・地域・領域において展開される、エリート等の支配層・指導層と市民等の一般庶民・民衆層の「共生」さらには民族、言語、宗教的差異を超えた「共生」の活動や実態を、政治文化や社会システム変容との関係で比較史的に考察・検討した。本年も、研究分担者が、それぞれの研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握に努め、研究会での報告や議論をとおして研究課題の検討をそれぞれ行なった。 まず2011年4月に合評会を開催した。飯田洋介氏著『ビスマルクと大英帝国(勁草書房、2010年刊行)、中澤達哉氏著『近代スロヴァキア国民形成思想史研究』(刀水書房、2009年刊行)に関する書評・論評である。また2011年7月には、研究会と総会を開催した。小森宏美氏による「 国民国家の形成と「共生」の模索:両大戦間期エストニアの文化自治」と題する研究報告がなされた。また2011年12月にはシンポジウム: ナショナリズム再考―ヨーロッパ近代の国民形成と政治参加―を開催した。これは、小原淳氏の近著『フォルクと帝国創設』、彩流社、2011年、をめぐって、松本彰氏(新潟大学)「19世紀ドイツにおける市民社会、国民国家、戦争―協会運動と三重のナショナリズム」、 中澤達哉 (福井大学)「18-19世紀ハプスブルク複合王政下の近代国民形成と政治的正統性:ヨーロッパの「極端なる典型」」という2本の研究報告がなされ、これをめぐって、非常に熱気あふれた論評と質疑応答が展開された。今後は継続してヨーロッパ社会における「共生」の問題を政治文化を中心に検討し、2012年9月末締め切りで、個人の分担研究課題に基づいた研究論文を執筆し(約20名)、2013年3月に共同研究書の刊行をめざして、準備をすすめてゆく予定である。

  • 17世紀フランスのT・ルノドーと「公共の福利」理念・活動

    2010年  

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    本研究の目的は、17世紀前期のフランスの文人ジャーナリストである、テオフラスト・ルノドーの活動や業績を「公共の福利」「公共善」という理念から検討することによって、フランス国政史、社会史上におけるルノドーの活動の意味や意義を再検討することである。最初に、ルノドーに関する近年の研究書の収集に努め、G・ジュベール、R・ドゥラヴォー、C・トーマなどの研究の読解と検討にとりかかった。とくに、F・マゾーリックによるルノードーの「広宣局」の活動に関する博士論文の刊行は、17世紀フランスの科学思想やアカデミー行政との関わりを包括的に検討した研究として秀逸であるので、16世紀後半から17世紀前半にかけてのヨーロッパの思想、宗教、科学精神の風土から、フランスさらにはルノドーの置かれた位置についてとくに考察を加えた。ルノドー関連の文献としては、フランス国立図書館、国立古文書館において、手稿資料の入手と資料調査を敢行した。この中から、「公共の福利」に関するいくつかの発想や証言の痕跡をたどることができた。また、初期ルノドーについては、20代初期のイタリア旅行に見られるように、当時のイタリア思想・文化の影響が強くみられるので、17世紀前半のイタリアについて検討するために、ローマの古文書館、博物館、美術館等で、美術・文献等の現地調査を行った。これをとおして、17世紀イタリアのルネサンスを継承した文化や文物がルノードーの活動に与えた影響について、いくつかの知見を得ることができた。さらに、とくに新聞の刊行に見られる情報・出版事業の展開と、公共の福利に見られる医療・社会福利の理念がいかに結びついていったかの経緯について、足跡、活動、著作から仔細に検討をすすめており、論文などの執筆準備をさまざまな角度から行った。

  • ヨーロッパ「共生型社会」の創出と政治文化システムの形成に関する比較史研究

    2010年  

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    本研究は、ヨーロッパ社会の中・近世および近・現代の各時代・地域・領域において展開される、エリート等の支配層・指導層と市民等の一般庶民・民衆層の「共生」さらには民族、言語、宗教的差異を超えた「共生」の活動や実態を、政治文化や社会システム変容との関係で比較史的考察しようとするものである。研究分担者が、それぞれの研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握に努め、研究会での報告や議論をとおして研究課題の検討を行なった。まず2010年7月に研究総会と合評会を開催した。合評会は、前の共同研究書である森原隆編『ヨーロッパ・エリート支配と政治文化』(成文堂)350頁について、とくに17本の研究論文について、各執筆者・書評者による再検討と論議が活発になされた。研究総会については、今後の共同研究のテーマである「共生」の問題に関する問題提起と会計報告等がなされた。11月にスペイン史関連の主催シンポジウムがなされ、とくに現代スペインの社会福祉の問題についての詳細な研究報告と討議がなされた。12月にはシンポジウム「世界システムとオスマン帝国 ―共生と相克のダイナミズム―」 早稲田大学西洋史研究会第57回大会 / 共催:ヨーロッパ文明史研究所)が開催され、河野淳氏の近著『ハプスブルクとオスマン帝国』(講談社メチエ、2010年)を題材に、世界システム論と共生論などについて、非常に熱気あふれた報告と論議が展開された。個別研究としては、森原は、研究全体を総括し、近世フランス社会における共生現象の分析を行ない、とくにジャーナリズム形成に見られる政治文化とエリート社会の関係を考察した。前田は、古代オリエント・メソポタミアの家産制のもつ階層構造の分析を、井内は、中世ポーランドの騎士層と都市の関係から共生現象を捉え、大内は、第2帝政期ドイツにおける共生現象を、村井は、近代北欧とくにデンマークにおける共生現象を、竹本は、現代アメリカ合衆国の黒人問題に関する共生現象に関する研究を継続してそれぞれ深めた。今後は継続してヨーロッパ社会における「共生」の問題を政治文化を中心に検討し、共同研究書の刊行を目指してすすめてゆく予定である。

  • 西洋社会におけるエリート支配と政治文化システムの創成に関する比較研究

    2009年  

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    古代から近・現代ヨーロッパにおけるエリート支配と政治文化の関わりを、研究分担者が、それぞれの研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握に努め、研究会での報告や議論をとおして研究課題の再検討を行なった。2009年7月に研究総会と書評会、11月にスペイン史関連の主催シンポジウム、12月に「慈善と博愛」に関する共催シンポジウムを開催した。個別研究としては、森原は、研究全体を総括し、近世フランスのジャーナリズム・エリートの分析を行ない、とくにサロンに見られる政治文化とエリートの関係を考察した。前田は、古代オリエント・メソポタミアの家産制のもつ階層構造の分析を、甚野は、中世における王政と教会文化の関わりを論じた。また2009年3月、『12世紀ルネサンスの精神』(知泉書館)560頁、を刊行し、2009年7月合評会を行った。井内は、中世ポーランドの騎士層と都市の関係、松園は、18ー19世紀イギリスのジェントルマン貴族層、大内は、第2帝政期ドイツの政治的・社会的エリート、村井は、近代北欧のエリート、竹本は、アメリカ合衆国の黒人エリートに関する考察を継続してそれぞれ深めた。2010年3月に、森原隆編『ヨーロッパ・エリート支配と政治文化』(成文堂)350頁を刊行した。共同研究書として17名の個別の研究論文とはしがきからなり、これまでの3年間の研究成果として提出したものであるが、今後はこれに関する合評会の開催を予定している。一応、この研究成果をもって「エリート研究」を終了し、今後は「共生」をコンセプトに「ヨーロッパにおける共生社会の創出と政治文化の形成」を共同研究テーマとして新たな共同研究を開始する。継続してヨーロッパ社会における「共生」のの問題を政治・文化を中心に検討し、研究報告会や共同研究としてのシンポジウムを開催し、共同研究書の刊行を目指してすすめてゆく予定である。

  • 西洋社会におけるエリート支配と政治・文化システム形成に関する比較史的研究

    2007年  

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    西洋社会におけるエリート支配の諸相を、研究分担者が、それぞれの研究分担課題について、史料文献の収集と研究史の把握に努め、研究会での報告や議論をとおして、研究課題の再検討を行なった。森原は、研究全体を総括し、個別には、近世フランスのジャーナリズム・エリートの分析を行なった。前田は、古代メソポタミアの家産制のもつ階層構造の分析を、小林は、帝政ローマの社会的エリートの分析をすすめた。井内は、中世ポーランドの騎士層と都市の関係、松園は、18ー19世紀イギリスの貴族層、大内は、第2帝政期ドイツの政治的・社会的エリート、村井は、近代北欧のエリート、竹本は、アメリカ合衆国の黒人エリートに関する考察をそれぞれ深めた。具体的には、井内編『ヨーロッパ史のなかのエリート』 太陽出版 406ページ 2007年3月刊行、の合評会を2007年6月に開催し、ヨーロッパ社会におけるエリート支配の実態とそのさまざまな展開を、個々の論文の考察・分析をとおして検討した。2007年7月にも研究会を開催し、個々の報告の質疑・応答をとおして、それぞれの時代におけるエリート層の実態を論議した。さらに2007年12月にも研究分担者を中心に、「岐路に立つキリスト教会ー中・近世ヨーロッパにおける「改革」運動の諸相ー]というシンポジウムを共催し、ヨーロッパ中・近世史における階層分化やエリート支配の問題を検討した。総体として、まだ纏まった研究成果は出していないが、その予備作業としての研究分析や研究の方向付けを全体で行ない、今後の研究計画に関する議論を重ねた。今後は「ヨーロッパ社会における支配層と政治文化形成に関する比較史的研究」というテーマに変更・修正し、継続してヨーロッパ社会における支配層の問題を政治・文化を中心に検討し、共同研究としてのシンポジウムを開催し、共同研究書の刊行をすすめてゆく予定である。

  • 近世フランスのジャーナリズムと公論形成に関する研究

    2006年  

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     近世フランスにおける新聞・雑誌を核にしたジャーナリズム形成の問題を歴史的なパースペクティヴの下で捉え直し、とくに革命前の1770年代から80年代における政治情報や政治報道とジャーナリズムの形成の問題を中心に、定期刊行物の普及・流通とジャーナリズム形成の問題、そしてジャーナリズム形成と「公論」「公共性」「公共空間」の関係に焦点をあてて検討した。このケーススタディとしてフランス最初の新聞である『ガゼット』 Gazette、と文芸誌『メルキュール』 Mercure de France の二誌を中心にしたジャーナリズムとこれに関わるジャーナリストたちの活動を通史的に捉えた。 とりわけ研究期間内においては、1780年代の外務大臣ヴェルジェンヌの時代の政治情報やジャーナリズムの状況を考察した。ヴェルジェンヌに関して、わが国には、これを真正面から論じた研究がなく、彼の政策の新たな側面を照射した。また「ジュルナル・ポリティーク」をキー概念とする『メルキュール』誌と、同時期の『ガゼット』紙の記事の比較的な検討を詳細に行った。これに関する研究史料調査、情報交換を京都大学等で実施した。ルイ16世が即位した1774年以降、フランスのジャーナリズムに明確な変化が現れたが、この時期のジャーナリズムが近代的なジャーナリズムの理念にどの程度合致するかどうか、革命期のそれとの連続性、断絶性についての論議を展開した。 近年政治思想史や他の分野からも注目されている「公論」、「公共空間」の問題を理論的、理念的に進めると共に、実証的な見地から17、18世紀のフランス史の政治史的な流れの中でこの検証が可能かどうかの分析を進めた。J・ハーバーマスや近年のK・ベイカーの議論をふまえて、こうした研究視角の可能性や有効性について検討を加えた。フランス啓蒙専制主義の本質に関わる問題にも焦点をあて、これらを政治文化史的観点から検討した。 このような、近代的な市民的「公共性」が、中・近世ヨーロッパ史における「公共善」「公共の福利」理念、古代ギリシャ以来の「レス・プブリカ」res publica 理念といかなる関係にあるのか、さらに現代政治学的な「公共性」とどう繋がってゆくのかを問うことが今後の課題である。

  • 18世紀フランスの学校教育の社会文化史研究

    2006年  

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     18世紀フランスの学校教育の問題について、まずこれまでの研究の徹底した調査を行なった。とくにフランスのアナール派の研究を中心に統計的、数量的分析に注目し、識字能力、プチト・エコル、コレージュにかんするデータ集積に努め、学校教育に関する最新の知識や情報の獲得に努めた。京都大学、金沢大学等で史料収集や研究調査・情報交換を行なった。とくに、それぞれの段階での教育が各社会層にどの程度浸透していたかを、生徒や教員の出自・階層、通学・寄宿、無償・有償、などの諸側面を分析することで通時的な動向を把握した。期間内の本研究では、この1760年代のフランスにおける教育環境と教育思想を、最新の分析データにもとづいて、再構成し、この意義や実態を捉えるとともに、革命期の教育議論への展望を試みた。 研究成果として、研究論文「フランスのアンシャンレジーム期における教育」、浅野・佐久間編『教育の社会史ーヨーロッパ中・近世』、知泉書館、2006年、245-269頁、を執筆した。今後の研究構想では、この時期に論議される「国民教育」が真の「公教育」education publiqueであったかどうかが、重要な論点になる。ここでとりあげられる「国民」とは大半が、いわゆる特権階層を中心とした教養エリートであり、必ずしも「民衆」peupleを含むものではないからである。さらにこの時代における「公教育」と「私教育」の問題、さらに「公」public の理念の問題を明らかにし、またつねに個々の歴史的事実を文化社会史観点によって検証しながら、今後の革命期にむけたさらなる研究につなげてゆきたい。

  • 近世フランスの政治情報とジャーナリズムに関する研究

    2003年  

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     近世・近代のフランスの政治情報とジャーナリズムに関する研究を進めるために、科研での調査と連動させて、当時の新聞・雑誌などの定期刊行物についての調査を、京都大学、同志社大学、金沢大学などにおいて行った。また専修大学や一橋大学でも関連資料の収集に努めた。さらに、諸外国から近年の研究動向に関連する研究文献の発注と入手に努めた。とくに、ルイ16世即位以後のフランスにおけるジャーナリズムの状況について、とりわけ、1780年代の外務大臣ヴェルジェンヌの時代と革命前夜の時期における、当時の政治情報やジャーナリズムの状況について分析をすすめた。例えば、「ジュルナル・ポリティーク」をキー概念とする『メルキュール』誌と、同時期の『ガゼット』紙の記事の比較的な検討を、ほぼ2年間にわたって詳細に行い、「ジュルナル・ポリティーク」と「ガゼット」概念に基づくそれぞれの政治報道の内容や性格を吟味した。この時期のジャーナリズムが近代的なジャーナリズムの理念にどの程度合致するものであるかどうか、革命期のそれとの連続性、断絶性についての論議を展開した。近年政治思想史や他の分野からも注目されている「世論」、「公共空間」の問題を理論的、理念的に進めると共に、実証的な見地から17、18世紀のフランス史の政治史的な流れの中でこの検証が可能かどうかの分析を進めた。またJ・ハーバーマスや近年のK・ベイカーの議論をふまえて、こうした研究視角の可能性や有効性について検討を加えた。広島史学研究会で二度研究報告を行い、2003年度広島史学研究会大会シンポジウム(10月25日.於:広島大学)「近世の出版の社会史」において「近世フランスにおける新聞出版とジャーナリズム」と題する基調報告を行った。これに関する論稿を執筆、脱稿し、「史學研究」に掲載予定となっている。

  • フランス絶対王政期の文化的統合と「文芸共和国」

    2002年  

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    上記のテーマについて、まず内外の研究文献や史料に関する全般的な調査を行った。外国のものとしては、フランス国立図書館、国立古文書館、およびフランス外務省の文書館の『ガゼット』や外国紙関連の手稿史料について、未入手の文献の包括的な収集を継続して行った。国内では、京都大学、同志社大学所蔵の文献を中心に、収集と調査を継続して行った。本研究は、フランス絶対王政期における「文芸共和国」概念が、当時の文化的統合にいかに寄与したかを検討するものであったが、特に近年フランス史研究で注目されている、J・ハーバーマスの「文芸的公共圏」理念との関連で考察を深めた。フランス絶対王政研究やフランス革命研究においても、近年「公共圏、公共空間」、あるいは「世論」やジャーナリズムの観点からの考察や研究が続出しており、最新の研究動向の導入と検討に努めた。本年度においては、研究成果を公表するに至らなかったが、2003年10月に広島史学研究会大会のシンポジウムで、このテーマについて研究発表を行う予定であり、成果としての研究準備をすすめている。今後も支配文化と民衆文化、統合に伴う文化変容の問題などについて考察を深め、「文芸共和国」概念の持つ意味を問い直してゆきたいと考えている。研究紹介や研究ノートとしてまとめる予定であり、このため今後もこの調査や分析にかかわる必要を感じている。

  • フランス・アンシャンレジーム期の文化統合と「文芸共和国」

    2001年  

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     上記のテーマに関して、とくにフランス近世史関連の研究文献や史料についての全般的な調査を行った。国内では京都大学、同志社大学所蔵の文献を調査・使用し、外国ではフランス国立図書館、古文書館所蔵の文献史料の調査・収集に努めた。本研究は、17・18世紀絶対王政期のフランスで文化的統合がいかになされたかを検討するものであるが、16世紀における「レスプブリカ・リテラリア」というラテン語の概念が、17世紀に「レピュブリック・デ・レトル」というフランス語の表現に転化してゆく過程を、これまでの諸研究から研究史的に跡づけてゆく作業を行った。そして、この「文芸共和国」概念が、近年フランス史研究でとくに注目され始めている、J・ハーバーマスの「文芸的公共圏」の理念に通底するものであるとの観点から、この思想史的な論理のつながりについて政治思想史や社会思想史の研究業績をふまえた論議を展開することに努めた。 文部省科学研究費補助金(基盤研究B)の共同研究「ヨーロッパ史における分化と統合の契機」の平成13年度研究成果報告書(代表:前田徹)のなかで「近世フランスにおける文化統合と文芸共和国」という論文を執筆し、この問題の分析についての一つの展望を開いた。今後も支配文化と民衆文化との競合の問題、統合と分化にともなう文化変容の問題について考察を深め、「文芸共和国」概念のもつ意味を問い直してゆきたいと考えている。さらにこの研究課題にかかわる近年の研究を網羅的に調査・収集し、研究動向や研究ノートとしてまとめることを準備している。このため今後も継続してこの調査や分析にかかわる必要を感じている。

  • 近世フランスのジャーナリズム形成と「新聞の社会史」研究

    2000年  

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     上記のテーマについて、とくに近世期におけるフランス及び他の西洋諸国の新聞・雑誌とジャーナリズムに関する史料調査と史料収集を重ねて行った。外国のものとしては、フランス国立図書館、古文書館などの諸図書館、文書館所蔵の定期刊行物関連の史料を、マイクロ・フィルム、マイクロ・フィシュ、コピーなどの購入を通じて収集した。個別的には、国立図書館の定期刊行物部門やマザラン図書館、またフランス外務省の文書館の『ガゼット』や外国紙関連の手稿史料について、未入手の文献の包括的な収集に努めた。このために設備備品費を充当した。また、わが国の諸大学・諸研究機関に散在する史料の調査と収集を行った。このため、近畿圏の諸大学、東京圏の諸大学等で史料調査をし、全国的な所蔵状況を把握し、必要箇所のコピーなど文献収集に努めた。たとえば、同志社大学所蔵の定期刊行物、京大経済学部の上野文庫、都立大、専修大の革命史コレクション、などでの調査をあらためて実施した。旅費の多くをこれに充当した。さらに、上記の研究課題に関わる近年の研究書、著作を同時に収集し、近世・近代フランスのジャーナリズムとそれをめぐる諸問題について、研究動向または研究ノートの執筆を進めている。 また、「書物・新聞の社会史」や「世論」、「政治的公共性」に関する研究動向について、西洋史学のみならず社会学、政治学、文学、美学などの分野における近年の研究状況の把握に努めた。2000年度西洋史読書会大会(11月3日、於:京大会館)において、「アンシャン・レジーム下の新聞とジャーナリズム―ルイ16世即位以後の動向について―」というテーマで研究発表を行い、1770年代、1780年代のフランス社会の分析を試みた。これによってフランス革命前夜における、いわゆる官製ジャーナリズムの状況が明らかになり、革命へと連なるジャーナリズム発展の分析に一つの展望が開かれた。

  • 近世・近代フランスのジャーナリズムに関する社会文化史的研究

    1999年  

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     近世・近代フランスの新聞・雑誌などの定期刊行物について、史料調査を行なった。フランスの国立図書館、古文書館などの諸図書館、文書館所蔵の定期刊行物関連の史料を、マイクロ・フィルム、マイクロ・フィシュ、コピーなどの購入を通じて収集に努めた。とくに国立図書館の定期刊行物部門やマザラン図書館、またフランス外務省の図書資料室の『ガゼット』や外国紙関連の手稿史料について、必要箇所などの包括的な文献収集に努めた。このために設備備品費を充当した。さらに、わが国の諸大学・諸研究機関に散在する史料の調査と収集を行なった。このため、近畿圏の諸大学、東京圏の諸大学、名古屋大学、等で史料調査をし、全国的な所蔵状況を把握し、必要箇所の文献収集に努めた。たとえば、同志社大学所蔵の『メルキュール』、京大経済学部の上野文庫、都立大、専修大の革命史コレクション、名古屋大法学部の定期刊行物コレクションなどの調査を実施した。旅費の多くをこれに充当した。さらに、上記の研究課題に関わる膨大な研究書、著作を同時に収集し、近世・近代フランスのジャーナリズムとそれをめぐる諸問題について研究動向または研究ノートの執筆を試みている。 論文「絶対王政下の新聞と政治報道」、服部春彦、谷川稔編『フランス史からの問い』所収、山川出版社、2000年3月刊、を執筆し、近世フランス絶対王政下における世論やジャーナリズムと政治との関係を論じた。とくに1770年代のモープーの時代に政治新聞・雑誌の世界に大きな変化があったことを強調し、革命前のフランス社会に世論やジャーナリズムなどの政治文化が大きな役割を担うようになっていた経緯を、手稿史料などをもとに実証的に解明した。これを踏まえ、この時期の各新聞の記事内容に関する、さらに詳細な分析と検討に現在取りかかっている。

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