2025/01/07 更新

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ササキ ヒロオ
佐々木 宏夫
所属
商学学術院
職名
名誉教授
学位
Ph.D ( ロチェスター大学 )
Ph.D. ( university of Rochester )
MA ( ロチェスター大学 )
MA ( University of Rochester )
経済学修士 ( 一橋大学 )

学歴

  •  
    -
    1987年

    その他(海外の大学等)   経済学研究科  

  •  
    -
    1981年

    一橋大学   経済学研究科   理論経済学及び統計学  

  •  
    -
    1979年

    信州大学   理学部   数学科  

所属学協会

  •  
     
     

    太平洋諸島学会

研究分野

  • 理論経済学

研究キーワード

  • ミクロ経済学、ゲーム理論、経済理論

 

論文

  • ネットワーク上の資源配分問題について

    佐々木宏夫, 讃井晃司

    産研シリーズ   49   5 - 17  2108年06月

  • Second-best Efficiency of Allocation Rules:Strategy-proofness and Single-peaked Preferences with Multiple Commodities

    Hidekazu Anno, Hiroo Sasaki

    Economic Theory    2012年12月

  • 特集にあたって(佐々木宏夫編集「メカニズム・デザインに関する多面的アプローチ」特集)

    佐々木宏夫

    オペレーションズ・リサーチ(日本オペレーションズ・リサーチ学会・学会誌)   vol.54 ( No.8 ) 450 - 451  2009年08月

  • マッチング理論とその応用

    佐々木宏夫

    オペレーションズ・リサーチ(日本オペレーションズ・リサーチ学会学会誌)   vol.54 ( No.8 ) 478 - 484  2009年08月

  • 非合理に見える選択行動の合理性について

    佐々木宏夫, 佐藤歩

    産業経営   43 ( 43 ) 35 - 56  2008年11月

    CiNii

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書籍等出版物

  • されどマルクス(『経済セミナー』増刊)

    吉原直樹( 担当: 分担執筆)

    日本評論社  2018年05月

     概要を見る

    対談「現代の経済学とマルクス」(佐々木宏夫・吉原直樹対談)

  • ブロックチェーンをめぐる実務・政策と法

    久保田隆( 担当: 分担執筆)

    中央経済社  2018年03月 ISBN: 9784502253515

     概要を見る

    佐々木宏夫「ブロックチェーンは経済社会をどう変えるか:経済学的展望」

  • 第25回産研アカデミックフォーラム「ブロックチェーンが切り拓く未来」報告書

    佐々木宏夫( 担当: 編集)

    早稲田大学産業経営研究所  2017年05月

  • 図解ミクロ経済学入門

    佐々木宏夫

    ナツメ社  2011年06月 ISBN: 9784816350177

  • 基礎コース ミクロ経済学

    佐々木宏夫

    新世社  2008年06月 ISBN: 9784883841233

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講演・口頭発表等

  • "Apportionment Method and Procurement Contract"セッション座長

    Hitotsubashi GCOE Lectures and Workshop on Choice, Games, and Welfare  

    発表年月: 2010年10月

  • The Second Best Efficiency of Allocation Rules : Strategy-proofness and Single-peaked Preferences with Multiple Commodities(with Hidekazu Anno)

    神戸大学経済経営研究所RIEBセミナー(六甲台セオリーセミナー共催)  

    発表年月: 2009年09月

  • Equity and Efficiency: a method of finding all envy-free and efficient allocations where preferences are single-peaked (with Hidekazu Anno)

    9th International Meeting of the Society for Social Choice and Welfare (at Concordia University, Montreal, Canada)  

    発表年月: 2008年06月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 太平洋島嶼国の貨幣と市場制度の生成と発展に関する研究:理論と実験

    日本学術振興会  科学研究費

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2023年03月
     

    佐々木 宏夫, 山邑 紘史, 竹村 和久, 瀋 俊毅, 河野 正治, 里見 龍樹, 高瀬 浩一, 中丸 麻由子, 大川内 隆朗, 大和 毅彦, 下村 研一, 及川 浩希, 横山 和輝

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    本研究はミクロネシア地域を対象としており、現在、ミクロネシア連邦(Federated States of Micronesia: FSM)を最初の対象国として研究を推進中である。2019年5月に全体会議において、前年度の事前調査(9月ポンペイ・チューク島、3月ポンペイ・コスラエ島)の報告と検証、そして、今後の研究方針を調整・確認した。2019年8月に里見が独自にポンペイおよびチューク島の視察を行った。9月に4人のメンバー(佐々木、高瀬、山邑、大和)が経済実験準備のためグアムとポンペイに出張した。ポンペイでは、ミクロネシア大学のビジネス学部の教員であるママンゴン先生に経済実験の現地責任者をお引き受けいただき、人を対象とする倫理委員会(Institutional Review Board: IRB)への申請を進めることになった。グアム大では、ビジネススクール(School of Business and Public Administration: SBPA)のコールファックス先生とルアン先生に現地責任者をお引き受けいただき、IRB申請を開始した。11月に5人のメンバー(佐々木、高瀬、中丸、山邑、大和)がグアムとポンペイでIRB申請の詰めと経済実験の最終打ち合わせを行い、同時に、大川内を中心にして、タブレット端末によるイントラネット経済実験仕組みの開発を急ピッチで進めた。12月にグアム大でIRBが承認され、翌(2020)年2月に7人のメンバー(大川内、佐々木、下村、高瀬、中丸、山邑、大和)がグアム大のSBPAにおいて2日間、4セッション、計約80人の学生を被験者とする最初の現地での経済実験を実施し、無事終了した。そして、3月にミクロネシア大学からもIRB承認が取れ、実験に向けて準備を進めていた矢先、コロナの世界的流行により、やむを得ず実験は次年度に延期となった。本研究は採択2年目となり、ポンペイ島をフィールドとし、現地住民宅に長期間滞在し、ポンペイ語が堪能な文化人類学者である、河野が新たな研究分担者として加わった。これまでのメンバーと相乗効果も期待でき、研究課題も順調に進展している。佐々木と高瀬は従来からセミナー(通称「金曜セミナー」:第2・4金曜日)を主催し、学内外の有力な研究者を招聘することにより、当初の計画通り、経済学と関連分野の研究フロンティアの共有に努めた。今年度の金曜セミナーは、マッチング理論、計量経済学、産業組織論、ファイナンスAI分析、ゲーム理論、環境経済学、経営戦略など、幅広い専門分野から新進気鋭の研究者を招聘した。後半は、ミクロネシア・ワークショップ共催として、文化人類学や生物進化学に関するセミナーも開催し、本研究課題の目標である分野横断的な研究推進に貢献した。2019年7月には、本研究のキックオフ・イベントとして「文化を科学する-進化論で社会を理解する-」というタイトルでフォーラムを開催した。人類学、生物学、考古学における進化論的アプローチは、近年、文・理の垣根を超えて目覚ましく発展している。佐々木がコーディネーターとして第一人者の4人の研究者を講演者として招聘し、学内外の幅広い専門分野の研究者、そして、学術的に高い意識を持つ知識層など多くの聴衆とともに、最先端研究の成果を共有した。このようなセミナーやフォーラム等による知見を参考にし、更に、本年度2回のグアムとFSMでの経済実験準備のための打ち合わせ等を通じて、実験に伴うアンケート調査の文化・民族的背景に関する質問がより充実し、洗練されることになった。また、グアムの民族構成が地元チャモロ人約4割、移民フィリピン人約4割ということが判明し、グアムでも実験を行う有力な根拠となった。第3年度以降できるだけ当初の計画に従い、しかし、必要最小限の範囲で計画を調整しながら、研究課題を着実に進行する。当初の予定になかった2020年2月のグアム大での実験では、事前のインターネットによる登録とアンケート調査、イントラネット仕組みによる本番の実験、実験直後のアンケート調査、参加者とのインタビューや謝礼の支払いなど、現地における一連の経済実験作業を大過なく順調に運営することができ、3月のFSMでの実験への大きな前進となった。しかし、同年3月に予定していたポンペイでの実験は新型コロナの流行により中止となった。第3年度では、前年度グアムの実験結果の分析を進め、実験手法を改善し、ポンペイでの最初の実験を2020年10月に延期して実施する。更に、次のミクロネシア地域の対象国であるパラオでの経済実験の準備として、現地調査と打ち合わせの出張を行う。今年度の暫定的なスケジュールは以下のようになる。2020年7月に全体会議を開催し、前年度の東工大でのパイロット実験とグアム大学での実験結果について議論する。今後の経済実験の計画立案および実験手法の改善に加え、現地特有の民間金融など新たな研究テーマへの取り組みについても話し合う予定である。9月に早稲田大において、従来の投資メンテナンスゲームを改訂し、セッションの構成も改変した実験を、できるだけ現地の状況に合わせるため、経済実験室でなく、通常の大学教室(あるいは、会議室)で実施する。そして、満を持して10月にミクロネシア大学で最初の経済実験を行う。同時に、パラオでの実験体制確立に着手する。パラオへの出張時に、可能であれば、東工大での再度の実験を経て、グアム大で第3回目の実験を行う可能性もある。ただし、以上の予定は新型コロナの流行状況次第では、流動的にならざるを得ないだろう

  • グローバル経済におけるビジネスと会計制度の変化に関する経済学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年10月
    -
    2017年03月
     

    佐々木 宏夫, 片山 東, 山野井 順一, Baak SaangJoon, 笠島 洋一, 高瀬 浩一, 坂野 慎哉, 大川内 隆朗, 福川 裕徳, 鈴木 孝則, 大門 毅, 市田 敏啓, 赤星 立, 秋葉 賢一, 片岡 孝夫, 山口 圭子, 矢後 和彦

     概要を見る

    平成28年度は最終(第5)年度であり、当初の計画にしたがい、各グループ((a)ビジネス経済、(b)グローバル経済、(c)経済制度)および、メンバー全体による複数の共同研究課題が順調に推進され、それに伴い、研究成果も着々と形になってきた。当プロジェクト専用に26年度に設置されたサーバを用いて、ビジネス慣習や会計制度に関するデータ収集のため、複数のアンケート調査を実施した。28年12月に東京都23区中小企業約1万5千社を対象とした大規模なアンケート調査を実施した。また、世界の政府機関を対象にした会計制度適用に関するアンケート調査も実施した。最初は、準備的な意味合いもあり、27年3月に国や国に準ずる地域の金融当局に対する依頼文のメール配信とWEB回答による試験的な調査を実施した。そして、28年9月と29年3月には、対象国を2つに分けて、依頼文の郵便配信と郵便およびWEB回答による調査を実施した。平成29年度は前年度の予算の一部を繰り越すことにより、前年度に実施されたアンケート調査結果を纏め、データを整理・改訂し、基礎統計量や年次グラフなどによる基礎的な分析の後、本会的な計量分析を開始した。従来と同様にセミナー(通称「金曜セミナー」:第2・4金曜日)を28年度17回、29年度14回開催し、学内外の有力な研究者を招聘することにより、経済学と関連分野の研究フロンティアの共有に努めた。27年度に引き続き、会計分野に関する研究フロンティアの確認と共同研究課題の実施に資するため、「経済と会計ワークショップ」として商・企業法分野の発表を28年度に2回開催した。本課題の速報的な研究成果発表として研究結果の一部を纏める形で、平成30年6月に論文集『ビジネス慣習と会計制度に関する理論的および実証的研究』産研シリーズ第49号(全8論文、早稲田大学産業経営研究所)が刊行予定である。28年度が最終年度であるため、記入しない。28年度が最終年度であるため、記入しない

  • 投票と集合的選択についての理論と企業統治の問題等への応用に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    佐々木 宏夫

     概要を見る

    本研究では、市場機構が必ずしも有効に機能しない局面での資源配分メカニズムの設計問題について多様な角度からの研究を行った。資源配分に際して市場を用いることができない場合には、消費者等の経済主体は配分の管理者(政府等)に対して、選好に関する情報等のメッセージを伝達し、管理者はその情報を集計し、予め定められたルールに従って、配分を実行する。投票はそのような集計方法の典型であるが、我々は投票のみならず経済主体が直接選好を表明するいくつかのメカニズムについて研究し、それらの制度の望ましさを評価し、またそれらの理論的定性的な性質等を明らかにした

  • 離散的経済モデルの理論的および実証的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1994年
    -
    1996年
     

    佐々木 宏夫

     概要を見る

    本研究は理論的側面と実証的側面の両面から成っている。理論的側面については、第一に分割不可能財を伴ったone-sided modelにおいて情報の非対称性が存在する場合の競争的均衡の性質等を調べた。この研究では均衡の具体的特徴付けを行うことによって無限分割可能財のみから成る経済では存在し得ないような均衡が存在することなどが示された。第二にassignment problemにおいて「整合性」を含むいくつかの公理を用いてこの問題のコアを特徴付けた。この結果はある種の分割不可能財と貨幣を伴った一般均衡モデルにおける競争均衡の公理的特徴付けを同時に与えている。第三にマッチングモデルにおいて選好に外部性が伴っている場合に「安定性」の概念を適切に定義した上で、安定なマッチングの集合の諸性質を調べた。とりわけ、外部性がある場合、安定なマッチングは必ずしもパレート最適ではないが、少なくとも一つパレート最適かつ安定なマッチングが存在することが示された。第四に、分割不可能財と貨幣を伴ったone-sided modelにおいて価格が硬直的な場合に、「戦略的操作不可能性」、「パレート最適性」、「匿名性」を満たす資源配分メカニズムの設計可能性について考察し、これらの3条件を満たす資源配分メカニズムはただ一つしか存在しないこと示した。第五に、外部性のあるマッチング問題で、片側だけに外部性がある場合の安定なマッチングの性質を調べた。次に実証的側面についてはマッチング問題のケーススタディの一環として大学の付属高校から大学への進学者を配分・決定するメカニズムについて実際のケースに基づく研究を行った

  • 太平洋島嶼国の貨幣と市場制度の生成と発展に関する研究:理論と実験

    日本学術振興会  科学研究費

 

現在担当している科目

 

特別研究期間制度(学内資金)

  • ゲーム理論の基礎的研究とその経済学への応用

    2001年03月
    -
    2003年03月

    アメリカ   ライス大学

特定課題制度(学内資金)

  • ネットワーク上の資源配分メカニズム設計の基礎的理論研究

    2013年  

     概要を見る

     メカニズム・デザインの研究は近年複数年次に渡ってノーベル経済学賞の受賞理由になるなど、最近の経済学及びゲーム理論における重要で活発な研究テーマになっている。本研究では、メカニズムデザインの中でも、価格機構が必ずしも有効に機能しない場合の資源配分メカニズムの設計問題に焦点をあててた。とりわけ、電力送電ネットワークに代表されるネットワーク環境において、①貯蔵できず、しかも②輸送(送電など)の途中で財(電力など)の減耗が生じ得る場合に耐戦略的資源配分メカニズムを設計する問題はこれまでほとんど行われてこなかった研究課題である。本研究では、有限個のノード(点)とそれをつなぐためのエッジ(送電線など)によって構成されるネットワーク構造(連結なグラフ)が与えられているときに、ノード(点)に存在している貯蔵不可能な単一種類をネットワーク上で配分するメカニズムの設計問題を研究する。 一般に価格機構が有効に機能しない場合の資源配分メカニズムの設計において、固定価格環境などの選好が単峰型(single-peaked)で表される環境におけるメカニズムとしては、均等配分ルールを原則としながらも、(1)超過需要が存在する場合には需要が十分に小さいプレイヤーには欲しいだけの量を与え、(2)超過供給の場合には十分に大きな需要を持つプレイヤーには欲しいだけの量を与えるという形で配分を行う「ユニフォーム・ルール」が、「パレート効率性」「公平性(無羨望性や匿名性等)」「誘因両立性(耐戦略性)」という望ましい性質を満たす唯一のメカニズムであることが示されている(Sprumont(1991)など)。それに対してネットワーク上の資源配分問題の場合、輸送を通じての財の減耗が生じうることと、複数のルートでの移送があり得ることによって、均等配分の概念自体が一意に定まらない。 本研究期間(2013年度)の研究では、上述のSprumontらの環境と異なり、ネットワーク環境ではユニフォーム・ルールを定義すること自体が自明ではないので、ユニフォームルールを定義し、それがwell-definedであることを示すための研究を行った。 本年度得られた結果としては、①ネットワーク環境でuniform ruleを数学的に厳密な形で定義し、②各地点(ノード)における人の選好が単峰型である場合に、パレート効率的な配分が持つべき条件を明らかにし、③資源配分メカニズムの設計において課す公理(耐戦略性、パレート効率性、匿名性、無羨望性)などを定義した。さらに、この環境でのユニフォームルールがwell-definedであることを示すために、④ネットワーク構造(グラフ)が「木」であるときに、均等配分が区間として必ず存在することを証明した。これらの成果は、この研究を来年度以降にさらに進めるための一歩となる。 なお、この研究については、2013年11月8日に早稲田大学商学学術院の金曜セミナーで発表した。

  • グローバル経済におけるビジネスと会計制度の変化に関する経済学的研究

    2012年  

     概要を見る

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

  • グローバル経済におけるビジネスの変貌と深化が経済学の発展に与える影響の総合的研究

    2011年  

     概要を見る

    この特定課題助成は、科学研究費基盤研究Aもしくは基盤研究Bを今後申請するための予備的な研究および実績の確保を目的として大学より助成されたものである。そのため、国内外の関連分野の研究者との協力を強化し、さらに研究情報を共有することを主眼において、原則的に隔週金曜日にセミナーを開催した。さらに、2012年3月には海外から4名の学者と、国内から多数の参加者を得て3回にわたりシンポジウムを開催した。まず、第1回のシンポジウムでは、ゲーム理論の世界的第一人者でもあるロチェスター大学経済学部のWilliam Thomson教授においでいただき、ゲーム理論やメカニズムデザインについての講演を3日間行なっていただき、さらにWilliam Thomson教授を交えて、国内のこの分野に置ける若手研究者による研究発表会を開催した。ゲーム理論やメカニズムデザインは、本研究課題の中心的な考え方・方法論となる学術分野のひとつであるため、このシンポジウムは本研究課題を飛躍させる大きな一歩とななった。第2回目のコンファレンスは、やはり本研究課題において重要な分析上の枠組みであるマッチング理論の若手の第一人者であるOnur Kesten准教授(カーネギーメロン大学ビジネススクール)および栗野盛光助教授(マートリヒト大学)を招いて、マッチング理論の再申請かについて連続講演を行って頂くと同時に、William Thomson教授の時と同様に、国内の若手研究者による研究発表会を開催し、活発な討論が行われた。さらに、当研究課題では、いわゆる「市場化」のさまざまな側面を浮き彫りにさせるために、発展途上国における経済事情や「市場経済の規範」の発展等について総合的に研究することも課題としている。この点に関して、第3回シンポジウムにおいてペラデニア大学(スリランカ)上級講師のMallika Baddage Ranathilaka氏にお越し頂いて、同国経済の現状及び今後の展望についての学術的な講演を行って頂いた。スリランカにおいては、内戦終了後順調な経済発展が期待されたが、期待に反する状況に陥りつつあることが同氏によって報告された。とりわけ平和の到来は、これまで顕在化しなかったさまざまな政治的な対立を経済化させてしまい、経済発展の順調な進展が損なわれているという逆説的な事態が報告され、活発な討論が行われた。以上のシンポジウムやセミナー等によってこのプロジェクトの参加者は非常に大きな刺激を受けることができたので、今後の研究の飛躍的な発展の土台の形成が本年は達成できた。