2022/01/19 更新

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ハコイ タカシ
箱井 崇史
所属
法学学術院 法学部
職名
教授

兼担

  • 法学学術院   大学院法学研究科

  • 政治経済学術院   政治経済学部

  • 法学学術院   大学院法務研究科

学歴

  •  
    -
    1995年

    早稲田大学   法学研究科   民事法学  

  •  
    -
    1995年

    早稲田大学   法学研究科   民事法学  

  •  
    -
    1987年

    早稲田大学   法学部  

学位

  • Doctor of Law

  • 早稲田大学   博士(法学)

  • Master of Laws

  • 早稲田大学   法学修士

経歴

  • 2002年
    -
     

    早稲田大学 教授

  • 1997年
    -
    2001年

    早稲田大学 助教授

  • 1995年
    -
    1997年

    早稲田大学 専任講師

  • 1995年
    -
    1997年

    早稲田大学 専任講師

  • 1992年
    -
    1995年

    早稲田大学 助手

所属学協会

  •  
     
     

    韓国海法学会

  •  
     
     

    日韓法学会

  •  
     
     

    日本公証法学会

  •  
     
     

    日本私法学会

  •  
     
     

    日本海法学会

 

研究分野

  • 民事法学

論文

  • 船舶衝突の意義に関する一考察−船舶の種別による海商法規定の適用関係を中心として

    箱井崇史

    早稲田法学   87 ( 2 ) 359 - 385  2012年01月

  • 法学理論教育・研究者養成の現状に対する若干の問題提起−わが国による海商法の継受とその後の展開から

    箱井崇史

    法科大学院時代における法理論の役割(日本評論社)     274 - 294  2009年03月

  • 1681年フランス海事王令試訳(3・完)

    箱井崇史

    早稲田法学   82 ( 2 ) 175 - 191  2007年03月

  • 1681年フランス海事王令試訳(2)

    早稲田法学   82 ( 4 )  2006年11月

  • 1681年フランス海事王令試訳(1)

    早稲田法学   81 ( 4 )  2006年07月

  • 船舶の衝突から生じた損害賠償請求権の消滅時効

    ジュリスト増刊 平成17年度重要判例解説/有斐閣    2006年06月

  • 仮渡しを行った運送人の損害賠償責任と船荷証券上の不知約款の効力

    早稲田法学   81 ( 2 )  2006年03月

  • 独裁から民主主義への憲法的変容過程にあるチェコスロヴァキア

    比較法学(早稲田大学比較法研究所)   39 ( 1 )  2005年07月

  • 代理権限の濫用と手形偽造

    別冊ジュリスト商法(手形法・小切手法)判例百選〔第6版〕/有斐閣    2004年10月

  • 「ハンガリーの2度の体制転換と民商事立法」の研究構想について

    早稲田大学比較法研究所講演記録集   6  2004年03月

  • コンサイス法律用語辞典

    三省堂    2003年12月

  • 海上旅客運送契約

    日本海法会創立百周年祝賀・海法大系/商事法務    2003年07月

  • 船荷証券による運送品の特定と「運送品の種類」の記載−船荷証券債権的効力論序説−

    早稲田法学/早稲田大学法学会   78 ( 2 )  2003年01月

  • 航空機事故による旅客の死亡に関する運送人の責任

    別冊ジュリスト商法(総則・商行為)判例百選〔第4版〕/有斐閣    2002年10月

  • フランス法律用語辞典〔第2版〕

    三省堂    2002年01月

  • 船荷証券中の裁判管轄条項に関するフランス判例の動向

    日本海法学会    2001年10月

  • エクス・マルセイユ第3大学(フランス)での在外研究より帰国(1998年度より3カ年)

       2001年03月

  • 判例研究:船荷証券による裁判管轄の合意とEC条約の適用−1968年ブリュッセル条約の解釈に関するEC裁判所の新判決−

    海事法研究会誌/日本海運集会所   ( 155 )  2000年04月

  • 伊藤正己・園部逸夫編 現代法律百科大辞典〈全八巻〉

    ぎょうせい    2000年03月

  • エクス・マルセイユ第3大学(フランス)にて在外研究に従事(2000年度通年)

       2000年

  • 船荷証券中の裁判管轄条項への承諾に関するフランス判例の新展開—一九九〇年代破毀院判例を中心として—

    奥島孝康先生還暦記念第二巻・近代企業法の形成と展開/成文堂     641 - 660  1999年12月

  • 1999年アメリカ合衆国新海上物品運送法案(下)

    国際商事法務   28 ( 7 )  1999年07月

  • 1999年アメリカ合衆国新海上物品運送法案(上)

    国際商事法務   28 ( 6 )  1999年06月

  • エクス・マルセイユ第3大学(フランス)にて在外研究に従事(1999年度通年)

       1999年

  • 宮島司・丸山秀平編 基本判例7 会社法

    法学書院    1998年12月

  • 運送人の特定における船荷証券の記載と証券外の事実

    早稲田法学   73 ( 3 )  1998年03月

  • エクス・マルセイユ第3大学(フランス)にて在外研究に従事(1998年度通年)

       1998年

  • 商法五一八条に基づく手形金供託の効果

    別冊ジュリスト 手形小切手判例百選 第五版/有斐閣   ( 144 )  1997年07月

  • マロリ・ビュゲ・コルディエ「フランス家族法および相続法における医療介助生殖」

    公証法学/日本公証法学会   ( 26 )  1997年06月

  • 船荷証券の解釈による運送人の特定−フランス判例の研究

    早稲田法学   72 ( 3 )  1997年03月

  • 頭書のない船荷証券上の運送人の特定

    海事法研究会誌/日本海運集会所   134  1996年10月

  • フランス法律用語辞典

    三省堂    1996年03月

  • 小町谷賞(論文の部)

    日本海法学会    1995年10月

  • フランス法におけるクリーンB/Lのための補償状

    日本海法学会    1995年10月

  • 無留保船荷証券のための補償状(3)−フランス海上物品運送法を中心として−

    早稲田法学   70 ( 4 )  1995年03月

  • 無留保船荷証券のための補償状(2)−フランス海上物品運送法を中心として−

    早稲田法学   70 ( 2 )  1994年12月

  • 荷送人に対する「留保状」による無留保船荷証券の発行

    海運/日本海運集会所   807  1994年12月

  • 無留保船荷証券のための補償状(1)−フランス海上物品運送法を中心として−

    早稲田法学   70 ( 1 )  1994年07月

  • フランス法における補償状規定の構造と適用範囲

    海運/日本海運集会所   795  1993年12月

  • 明告を欠く高価品の滅失と運送人の責任赤帽運送組合の名板貸責任

    早稲田法学   68 ( 1・2 )  1993年02月

  • フランスにおける取締役民事責任法理の形成と展開 −業務執行上の過失と対第三者責任−

    早稲田法学会誌   42  1992年03月

  • 2012年の海上貨物運送代理の紛争事件に関する中国最高人民法院規定《附、海事に関する中国最高人民法院の解釈規定一覧》

    箱井崇史, 史恒志

    海事法研究会誌   217   54 - 58

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書籍等出版物

  • 船舶衝突法

    箱井崇史, 編著

    成文堂  2012年06月 ISBN: 9784792326272

  • 海商法

    中村眞澄, 箱井崇史

    成文堂  2010年04月 ISBN: 9784792325848

受賞

  • 住田正一海事技術奨励賞

    2012年11月  

  • 日本海法学会 小町谷賞(論文の部)

    1995年10月  

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 商法等改正法案における物品運送人の責任制度に関する研究

    研究期間:

    2018年04月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    2019年度は、勤務先大学の行政職により、引き続き大幅なエフォート低下の中で研究を継続することとなった。特に、法曹養成制度改革の実施および新型コロナウイルス感染症への学部対応に、さらなるエフォートを要することになった。そのため、研究費の支出も低く、それに応じて文献収集を含めて研究そのものが低調に推移した。研究実施計画に応じた研究はこのように低調であるが、研究目的との関連では、2018年改正商法に関する研究そのものは強い関心を持って継続しており、拙編著『船舶衝突法』および拙著『基本講義現代海商法』の第3版に向けた改定準備は一定程度進めることができた。後者については、本研究の一部とする部分があるので、さしあたりこのような形であれ成果を公表したいと考えている。また、「運送人の重過失」の課題について、研究成果発表の構想がまとまりつつあるので、2020年度の研究につながるものと考えている。これまで、「重過失」については、主として民法研究者によって議論されてきたが、民法で重過失が問題となる局面はそれほど多くなく、また「失火責任法」というきわめて特殊的な法律を意識した議論がなされているように思われる。周知のように、失火責任法は重過失を広く認めることによりその適用範囲が絞られているように思われるが、商法における重過失の考え方とはずいぶんと解離があるように思われる。なぜなら、運送人の重過失が問題となる場合には、大量の運送品を迅速に扱うという運送の性質(=商行為の性質)から、故意の場合はともかく、重過失については問題としない(なお契約による問題解決を維持する)との解決に強い合理性が認められるものと思うのである。このような新たな発想を得たことは本研究の遂行にとって重要な意義を有するものと考えている。前述したように、行政職によるエフォート低下の影響を大きく受けている。2019年4月に本研究を開始したが、開始後2か月経たないうちに法学部長に選出され、同年9月以降、従来とほぼ同じコマ数の授業を継続しながら、行政職を遂行している。これは、本研究申請時および開始時には予期しないことであり、研究の遅延はきわめて遺憾に思う。行政職は、2022年9月まで継続する予定であり、本研究を当初予定の研究期間に完了することはきわめて難しい。しかし、上述のように、拙著『基本講義現代海商法』に本研究の成果の一部を反映することは可能であり、また当初の計画である運送人の重過失については構想をまとめることができたので、2020年度は、なんとかこれを公表できる段階まで進めたいと思う。また、2020年度が最終年度となるが、1年の延長を視野に入れて、所期の目的を達するよう研究を継続したい

  • 1681年フランス海事王令におけるアミロテの研究―フランス海商法研究序説―

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

     概要を見る

    本研究は、1681年のフランス海事王令研究の第一歩として、同王令第1編が対象としており、同王令全体に関連規定の置かれたアミロテの実態を明らかにしようとしたものである。本研究は、海事王令の条文を実質的に理解し、海事王令の全体像を把握することを最終目的とする研究の一部である。アミロテについては日本での研究は皆無であるが、フランスには、関連する博士論文が存在する。本研究においては、同論文よりアミロテの沿革、組織、管轄などに関する詳細を知ることができた。また、関連文献を入手して、その裏付けを行うとともに理解を深めることができた。本研究は、提督も対象としていたが、完全に名目的存在であり、考察に値しない

  • 船荷証券の各種記載事項の個別的性質とその効力に関する基礎理論の構築と応用

     概要を見る

    本研究は、船荷証券の記載事項ごとの性質を検討することにより、記載の効力を記載事項ごとに再検討しようという構想により平成14年度より開始された。そして、船荷証券による運送品の特定方法に着目して、記載事項を「個性に関する記載」と「数量に関する記載」に分けて分析を進める方針をとった。しかし、その前提として、船荷証券法(統一条約・国際海上物品運送法)の意図する、船荷証券による運送品の特定基準の分析と、この関係で記載事項の中でも運送品の種類に関する分析とを先行させる必要を感じ、まずこれに着手したのち、平成14年度中に論説として成果を公表した。平成15年度は、これを踏まえて、上記分類に基づく記載の分析を進めてきた。現在まで研究により、運送品の特定という観点からは個性の記載と数量の記載では性質において相当の相違があることを確認し、これがそれぞれの効果の点でも相違を生じさせうるものであるとの認識をいっそう強めることができた。また、運送品の種類という、個性に関する記載が問題となるいわゆる「品違い」の場合について、従来なされてきた議論と異なる視点からの議論を展開する可能性を見いだすことができた。そこで、まずは個性に関する記載と数量に関する記載の性質の相違を明らかにする論説を研究成果として公表し、それがいかに記載の効力の問題と結びつくかについて、「品違い」に関するものを含めてさらに各論的検討を進めていきたいと考えている

  • 船荷証券の債権的効力に関する各論的研究(不知約款の効力・不実記載責任)

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    わが国の従来の学説は、船荷証券の記載事項とその効力との関係を特に意識しないで議論してきているといえる。そして、国際海運法7条1項1号・2号に掲げる記載事項、すなわち運送品の種類、数量、記号について、その性質の相違およびその記載の効力への影響を検討してきていない。報告者は前稿において船荷証券統一条約との比較においてこの点を指摘し、特に運送品の種類の記載を運送品の特定に関する重要な記載であり、これを絶対的記載事項とみる従来の見解を批判した。本研究は、第一に、こうした従前の研究を発展させて、まず運送品の個性に関する記載と数量に関する記載との性質の相違を明らかにすることにより、それぞれの記載の効力への影響を指摘した。ここでは、運送品に関する記載が、現実の運送品の同一性を識別する機能を果たすと同時に、ひとたび不実記載があった場合には、善意の第三者に対しては、この識別機能とは別に運送品引渡債務の内容自体(証券上の運送品といえる)を決定する機能を果たす(国海運9条)ことに着目して、特に後者の場合に各記載事項の性質の差異がいかなる特性を示すかについて考察した。その上で、この総論的研究に関して得られた仮説に基づき、本研究の副題にある各論的研究に取り組んだ。ここでは、(1)不知約款の効力および(2)品違い・空券を発行した運送人の責任について検討を加えた。その結果、荷主詰コンテナの中品に関する記載は運送品を特定するための記載とはいえず、したがって不実記載の場合でも不知約款の助けを借りるまでもなく運送人の証券上の責任は生じないこと、また、品違いとされる種類の不実記載についても、記号等により同一性が識別された運送品を引き渡せば、運送人の証券上の責任は生じないことを仮説として提示して、船荷証券の債権的効力論に新しい視点を提供することができた

特定課題研究

  • 改正商法における船舶衝突規定の研究

    2018年  

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    2018年改正商法において、船舶衝突規定には大きな改正が加えられたといえる。本研究は、その改正点全般を俯瞰するとともに、重要改正点についての検証を目的とした。その中心としたのが船舶衝突の意義であり、これは報告者がかつて公表した研究の改正による影響を考察するものである。研究の後半に行政職に就くという想定外の事情があったものの、研究そのものは予定通りに実施することができた。研究成果は、個別論文を予定していたが、こうした事情により、報告者の編著書である『船舶衝突法』(2012年、成文堂)を商法改正に合わせて改訂する中で公表する方針とした。現在、2校校正中であり、年度内に刊行予定である。

  • 中国海商法における船舶および船舶所有者規定の研究

    2017年   張 秀娟

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    本研究は、中国海商法における「船舶」および「船舶所有者規定」を対象とするものである。報告者が、共同研究者である張秀娟・鹿児島大学特任准教授と行ってきた1992年中国海商法に関する一連の研究の締めくくりとして、これまでと同様のアプローチで実施したものである。本研究が対象とした具体的な項目は、①海商法上の船舶概念、②船舶の公示、③船舶所有者の意義、責任等、④船舶共有者の意義、責任等、⑤船員の概念、船長・水先人の責任等である。これらは、従来の方針通り、わが国で一般に行われている体系化を念頭に中国海商法の関連項目の理論構造および運用を明らかにしようとの意図で選択・構成したものである。研究も、日中比較の観点から行った。

  • 中国における海上物品運送契約法の研究

    2016年   張 秀娟

     概要を見る

    本研究は、これまで筆者と共同研究者で進めてきた中国海商法の総合的研究のうち、主要部分となる海上物品運送契約法を対象とする。わが国では、中国の海上物品運送法について、1992年の海商法およびいくつかの海事司法解釈の翻訳や、断片的な研究が発表されているが、その全体像を明らかにする研究は存在していない。本研究は、すでに公表した船舶衝突法に関する研究と同様の手法により、日本の海上物品運送契約との比較という視点において、海商法が適用されない内航船による運送を含めた中国海上物品運送法の全体像とその特徴を示そうとするものである。研究成果は4回の連載で公表する予定であり、すでに2回の公表を終えている。

  • 1681年フランス海事王令第5編に関する研究

    2013年  

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     報告者は、1681年のフランス海事王令について全713箇条の翻訳を公表しており、その各章について実質的な研究を始めたいと考えていた。本研究では、助成申請金額が30万円ときわめて限られていることから、科研費申請への助走として、特に海商法とは距離のある第5編「漁業」の諸規定をテーマとして取り上げた。 これは、拙訳に対して鹿児島大学水産学部長の松岡教授よりいくつかのご示唆をいただき、水産学の観点を採り入れて拙訳を改訳する必要があると感じていたからである。本研究の過程においても、鹿児島大学水産学部を訪問して、基本的な訳語について直接に意見交換をするとともに、関連する水産学的知見をご教示いただくことができた。 また、研究期間内に、わが国の漁業法および漁法・漁具に関する基本的な資料を入手することができた。なにぶん、17世紀の法文が前提とする漁業と今日のわが国の漁業では大きな相違があって、ただちに当時の漁法等に関する規定の正確な理解につながるわけではないが、漁法や漁具の歴史的変遷に関する資料もわずかながら入手することができ、引き続いて研究を継続していきたい。残念であったのは、関連するフランスの資料がわが国ではまったく入手し得なかったことである。 本研究の、現時点での「成果」といえば、本研究を基礎とする研究テーマで、科研費の申請を行うことができたことである。科研費が採択されれば、当該研究についてフランスでの資料収集も計画しているので、あわせて17世紀フランスの「漁業」関係の資料を探索して、本研究の継続に役立てたいと考えている。 本研究の成果は、現時点ではなお困難であるものの、既発表の1681年フランス海事王令第5編について全面的な改訳として発表したいと考えている。これは、科研費研究で予定している海事王令第1編の研究とセットになるものであって、おそらくはライフワークとなるであろう同海事王令全体の研究の一部をなすことになる。これは、海事王令の713箇条の条文全体の改訳であるとともに、各編についての詳細な分析を行おうとするものである。

  • 「ローマ海法」に関する基礎的研究

    2007年  

     概要を見る

     本研究会は、フランス海商法研究の基礎史料の1つであるCollection de Lois Maritimes Anterieures au XVIII.e siecleに収録されている、主として学説彙纂から抜粋された海商法関連のラテン語諸法文を邦訳・発表することを目的とする。 研究期間中に、連続して研究会を開催し、学説彙纂の邦訳、外国語訳(英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語)の他、海商法関連の論文・単著を適宜参照して翻訳作業を進めてきた。 古代ローマの「海商法(と我々が呼び得る法領域)」については、とりわけ邦語での先行研究が乏しい。それゆえ、古代ローマ海商法にかんする用語の定訳というものはほとんどない。また、近現代の海商法における用語法も、それに特殊固有のものであるから、これを古代ローマの「海商法」にそのまま流用することには慎重にならざるを得ない。したがって、ラテン語の一語一句について、現代の海商法の用語をそのまま用いることが妥当かどうか、妥当でない場合にはいかなる訳語が適当であるか、それによって海商法研究者ならびに一般の読者が法文の文意を正確に理解することが可能かどうか、以上の点に十分な注意を払って邦訳を進めている。 現在までに、「預かった荷物を船で運送する契約を締結した航海管理者(操船には携わらず、船舶の運行管理を統括する責任者。船舶所有者、傭船者がこれを兼ねる場合もある、と考えられる)の保管責任」にかんする諸法文を翻訳している。 1年の研究期間に到底終了できるものではないが、今後も研究を継続して、研究成果は学内紀要にできるだけ早く公表したい。

  • 1807年フランス商法典第2編の研究-海商法の実質的意義の解明に向けて-

    2006年  

     概要を見る

     報告者は2007年度の単年度で本研究を実施した。この1807年フランス商法典(いわゆるナポレオン商法典)第2編「海商」については、1681年のルイ14世の海法(海事王令)の影響を色濃く残していることはよく知られているところである。本研究では、報告者が同じく特定課題研究助成費を受けて前年度に実施した「1681年海事王令」の研究(全文713箇条の試訳を完成させて「早稲田法学」に連載公表中)を受けて、両者の相互関係を細部にわたり明らかにしようとしたものである。 研究の結果、1807年フランス商法典第2編「海商」は、商法典という位置づけを得ながらも、従来の海法の私法部分をまとめたものであり、他方で商法との体系的整合性はほとんど考慮されていないのではないか、また、フランス法を継受したドイツ法およびこれを経たわが国の商法典海商編の基本的理解についても再検討の余地があるとの仮説を得た。この点については、今後、論説の形でまとめて公表していきたい。 また、従来、わが国で公表されてきている同海商編の翻訳に、海事王令の研究成果に照らして誤りと思われる箇所のあることも判明した。こちらも、商法典第2編の全訳(1807年原法文の邦訳は存在しない)を公表する予定であり、海商法の実質的意義の解明に向けてさらに研究を進めたいと考えている。 なお、研究過程でトロント大学所蔵の貴重書をマイクロフィルムで入手するなど、これまで接していない各種資料を入手することができた。わが国ではほとんど行われていないこの領域の研究にとって有益な成果であったと考えている。残念であったのは、予定していたフランス出張を実施できず、当時の文献には触れられていながら存在が確認できない商法典編纂時の各地裁判所へのアンケート調査に関する資料を探すことができなかった。これはについては他日を期したい。

  • 1681年フランス海事勅令の研究-海商法の実質的意義の解明に向けて-

    2005年  

     概要を見る

     2005年度単年度の研究ではあるが、まだわが国で十分な研究がなされておらず、全文の邦訳もない1681年フランス海事王令の研究を行ってきた。本王令は、海事に関する公法・私法を含むものであり、およそ六法のすべてと国際法領域にまたがるため、研究開始当初から関連文献の収集に努力した。これは、アンシャン・レジーム期の司法制度・行政制度の理解、そして当時の航海の理解が研究の前提となるためである。その結果、すでに入手済みの注釈書2冊に加えて、フランスの学位論文を含む数多くの和文・仏文資料を入手することができた。 そこで、まずは王令の各条文の理解のために、王令の章立てに沿って研究を進め、①「アミロテ(海事裁判所)」を中心とした当時の司法制度、行政制度、②船舶および船員の航海組織、③領事制度、④船舶の競売などについて、一通りの研究を終了した。その結果、王令第1編および第2編の計266箇条の翻訳を終了することができた。その後、海事契約に関する第3編の研究を継続した結果、現在までにあわせて509箇条分の範囲について、新たな知見を得るとともに、その邦訳が完了している。 今後は、第4編および第5編につき研究を継続し、全702箇条の全文訳を完成させるとともに、個別テーマの研究に着手して研究成果を公表していきたいと考えている。とくに、上記①、②および④については、本研究で明らかとなった当時の制度等については、わが国では先行研究がほとんど存在していないので、早期に成果をとりまとめていきたいと考えている。 もとより、このテーマでの単年度の研究には限界があるが、本研究は、同王令と1807年のフランス商法典(ナポレオン商法典)との関連を解明することにより、海法の実質的意義を明らかにしようという最終目標に向けた出発点でもあり、その意味でも有意義な研究を行うことができたと考えている。先行して公表する王令条文訳も、わが国では初めてのものであり、海法はもとより、法律学の各分野の基礎研究として重要な意義があろう。 当面予定している研究は以上に示したが、さしあたり入稿済み・入稿予定の成果としては次の項目に掲げるものがある。

  • 船荷証券の記載とその効力に関する比較法的研究

    1997年  

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    船荷証券が傭船契約の下で発行された場合に、債務者たる運送人が傭船者であるかそれとも船主であるかという、いわゆる運送人の特定の問題が生じることがある。古くは傭船契約の法的性質を検討することにより、対外的責任主体の帰属を決するという解決が示されていたが、近時は船荷証券の記載とその解釈によりこれを決するという立場がほぼ確立している。しかし、その際の解釈がいかになされるかについては未だに明確な基準が示されるに至っていない。私は、すでにこの問題について、証券の徹底した外観解釈により解決を図るフランスの判例理論に関する研究を公表している。今回の研究では、現在の船荷証券法の下で考えうる妥当な解決を探るため、運送人特定のプロセスにおいて、船荷証券の記載と証券外の事実がどのように考慮されるのか、その相互の関係はいかに調整されるべきなのか、という点の解明に努めた。その成果は、論説「運送人の特定における船荷証券の記載と証券外の事実」として公表した。 論説の総論にあたる前半部分では、船荷証券の記載の解釈という視点による運送人特定のプロセスについて検討し、私見を提示した。すなわち、船荷証券上の運送人の特定プロセスにおいて、証券所持人の視点における証券表示上の運送人の特定と、その者が責任を負うか否かの判断は、それぞれ明確に区別すべきであり、原則として前者については証券外の事実を考慮すべきではないとの結論を導いた。次いで、後半では、わが国の裁判例において具体的に問題とされている「船長のため」の表示とデマイズ条項について、運送人の特定に際するそれぞれの意義を考察し、現在の裁判例・通説の立場は、こうした運送人特定のプロセスからみて疑問であることを指摘した。 これにより、2年間にわたった運送人の特定をめぐる研究は、ひとまず所期の目的を達成することができた。研究成果の発表1998年3月 「運送人の特定における船荷証券の記載と証券外の事実」早稲田法学73巻3号      「船荷証券責任論」(学位請求論文として大学院法学研究科に提出済)

  • 船荷証券の記載とその効力に関する比較法的研究

    1996年  

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     申請者が継続している船荷証券の記載の効力に関する比較法的研究の一環として、本年度は船荷証券の記載と運送人の特定に関する問題を取りあげた。 証券上の責任主体=運送人が不明確なまま船荷証券が発行された場合に、いったい誰が責任を負うのかという、きわめてプリミティヴな問題が、なお未解決の問題として国際的な議論が続けられている。これについて、近時のわが国の裁判例は、定期傭船契約の下で発行された船荷証券上の運送人は、船荷証券の記載とその解釈により特定されるものとし、「船長のために」との署名が存在する場合には、たとえ定期傭船者の頭書が印刷されていても、運送人は定期傭船者ではなく船主であると判示し(ジャスミン号事件)、大いに注目を集めた。ところで、フランスでは、この問題に関する豊富な裁判例の蓄積がみられ、いくつかの学説も示されており、すでに解決された問題であるとの指摘もなされている。そこで、本研究はこうしたフランスの判例・学説を分析することにより、この問題のわが国の議論に示唆を得ようと試みたものである。 第一に、フランスでは傭船契約の法的性質から導かれる責任主体にかかわらず、船荷証券上の責任の帰属主体は当該船荷証券の記載とその解釈によって導かれるとの原則が、もっぱら証券を譲り受ける善意の第三者を保護するために確立されていることをみた。そして、第二に、この場合の解釈は、やはり第三者の保護を確保するため、常に第三者の視点に立って、第三者に有利な解釈がなされてきていることを確認した。そして、わが国の前述の裁判例のようなケースでは、証券上に頭書の記載のある傭船者が運送人であるとの結論が当然に導かれている。 わが国でもフランスでも船荷証券上の運送人は船荷証券の解釈により導かれているのであり、結論の差異は、その解釈そのものに存在している。すなわち、フランスにおいては第三者の保護を指向した解釈が徹底されているのに対して、わが国においては、従来の海運慣行に大きく傾斜する解釈がなされているのである。船荷証券上の運送人が船荷証券の記載により特定されるべきとの要請は、前述のように、もっぱら第三者の保護を目的とするものであり、その解釈は当然にこうした目的に合致するようになされるべきであろう。 この点においてわが国の裁判例は支持しえないのであって、船荷証券条項の解釈とあわせて、今後もさらなる検討を要するものと考えられる。なお、本研究については、拙稿「船荷証券の解釈による運送人の特定」早稲田法学72巻3号として公表した。

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