2024/05/20 更新

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フユキ ヒロミ
冬木 ひろみ
所属
文学学術院 文学部
職名
教授
学位
文学修士 ( 早稲田大学 )
Master of Arts

経歴

  • 2018年11月
    -
    2022年09月

    早稲田大学研究推進部   副部長

  • 2016年09月
    -
    2018年09月

    文学学術院教務   教務   研究推進担当主任

  • 2010年09月
    -
    2012年09月

    文学学術院教務   教務   教務担当副主任

  • 2011年
    -
     

    早稲田大学文学部 教授

  • 2011年
     
     

    早稲田大学文学部 教授

  • 2003年
    -
    2011年

    早稲田大学文学部 准教授

  • 2002年
    -
    2003年

    早稲田大学文学部 専任講師

  • 1999年
    -
    2002年

    拓殖大学政経学部 専任講師

  • 1992年
    -
    2002年

    早稲田大学文学部 非常勤講師

  • 1996年
    -
    1999年

    東京工業大学 非常勤講師

  • 1990年
    -
    1992年

    早稲田大学文学部 助手

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学歴

  •  
    -
    1990年

    早稲田大学大学院   文学研究科   英文学  

  •  
    -
    1980年

    早稲田大学   文学部   英文学  

委員歴

  • 2017年04月
    -
    2021年03月

    日本シェイクスピア協会  イベント、ホームページ担当委員

  • 2017年04月
    -
    2020年03月

    日本英文学会関東支部  大会準備委員(2019年・委員長)

  • 2009年04月
    -
    2013年03月

    日本シェイクスピア協会  学会担当委員

所属学協会

  •  
     
     

    早稲田大学英文学会

  •  
     
     

    日本シェイクスピア協会

  •  
     
     

    日本英文学会

研究分野

  • 英文学、英語圏文学

研究キーワード

  • 英語・英米文学、文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典

メディア報道

  • 「『ハムネット 』:劇聖と魅力的な妻の家族愛」、マギー・オファーレル著、小説『ハムネット』の書評

    新聞・雑誌

    執筆者: 本人  

    日本経済新聞   日本経済新聞  

    2022年02月

  • 「シェイクスピア翻案に見る異文化受容の実際」、芦津かおり『股倉からみる「ハムレット」』書評

    執筆者: 本人  

    武久出版株式会社   図書新聞  

    2020年11月

  • 「シェイクスピアのもう一つの受容史」、北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書』書評

    新聞・雑誌

    東京新聞   東京新聞  

    2018年05月

  • 「事実と想像の織りなすスリリングな伝記」『シェイクスピアとコーヒータイム』書評

    新聞・雑誌

    武久出版株式会社   図書新聞  

    2016年02月

  • シェイクスピア解説/ワールドワイド・オブ・タカラヅカ

    会誌・広報誌

    執筆者: 本人  

    株式会社宝塚クリエイティブアーツ   歌劇1月号  

    2016年01月

 

論文

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書籍等出版物

  • Shakespeare in Succession: Translation and Time

    Hiromi Fuyuki( 担当: 共著,  担当範囲: Chapter 11: A Mirror up to "Hamlet": Translations of Shakespeare in Japan)

    McGill-Queen’s University Press  2023年02月 ISBN: 9780228016496  [査読有り]

  • 「規範としての英文学 -- シェイクスピアの翻訳をめぐって」『近代人文学はいかに形成されたか』

    冬木ひろみ:甚野尚久, 河野貴美子, 陣野英則編( 担当: 共著)

    勉誠出版  2019年02月 ISBN: 9784585200680

  • 記憶と五感から見る『ハムレット』(『甦るシェイクスピア―没後400年記念論文集』)

    冬木ひろみ, 日本シェイクスピア協( 担当: 共著)

    研究社  2016年10月  [査読有り]

  • 『冬物語』の神話世界―祈りから再生へ(『祈りと再生のコスモロジー』)

    冬木ひろみ, 瀧澤雅彦, 紺本英雄( 担当: 共著)

    成文堂  2016年09月

  • 「『リア王』--人間の絶望と苦悩を見つめる」pp.41-52、『震災後に読む文学』

    冬木ひろみ, 堀内正規編( 担当: 共著)

    早稲田大学出版部  2013年03月 ISBN: 9784657133021

  • 坪内逍遥書簡集 第二巻(冬木ひろみ「坪内逍遥と伝統の継承」pp.521-525)

    早稲田大学演劇博物館逍遙協会

    早稲田大学出版部  2013年03月 ISBN: 9784657138026

  • 『シェイクスピアの広がる世界』(冬木ひろみ「『夏の夜の夢』の視覚と変容をめぐって」pp.39-60)

    冬木ひろみ, 本山哲人編著

    彩流社  2011年03月 ISBN: 9784779116056

  • 『英語世界のことばと文化』(冬木ひろみ「近代英語の誕生」)

    矢野安剛, 池田雅之編著

    成文社  2008年03月 ISBN: 9784792370831

  • 『演劇学のキーワーズ』(項目執筆)

    佐和田敬司, 藤井慎太郎, 冬木ひろみ, 丸本隆, 八木斉子編著

    ぺりかん社  2007年03月

  • 『ことばと文化のシェイクスピア』 (冬木ひろみ「『二人の貴公子』の二重のまなざし」)

    冬木ひろみ編著

    早稲田大学出版部  2007年03月

  • 『ヨーロッパ世界のことばと文化」(冬木ひろみ「シェイクスピアの言語の世界から現代へ」)

    池田雅之, 矢野安剛編著

    成文堂  2006年05月

  • 『イギリス・ルネサンス演劇集II』[新装改定版]「ウィット・知恵蔵とサイエンス・華子」(ジョンレッドフォード作)/翻訳と論文

    大井邦雄監修

    早稲田大学出版部  2005年05月

  • 『初期オペラの研究』(冬木ひろみ:「二つの≪オルフェーオ≫—モンテヴェルディとグルックのオペラにおける劇的手法をめぐって」)

    丸本隆編

    彩流社  2005年04月  [査読有り]

  • 『シェイクスピア大事典』(項目執筆: 冬木ひろみ「シェイクスピア時代の演劇・劇作家、3項目」

    荒井良雄, 大場健治, 川崎淳之介

    日本図書センター  2002年10月

  • 『イギリス・ルネサンス演劇集2』(冬木ひろみ訳「ウィット・知恵蔵とサイエンス・華子」)

    大井邦雄監修( 担当: 共訳)

    早稲田大学出版部  2002年03月

  • 『エリザベス朝喜劇10選、第二期』第1巻(大井邦雄・冬木ひろみ共訳「ジェームズ四世のロマンス」)

    大井邦雄, 冬木ひろみ訳( 担当: 共訳)

    早稲田大学出版部  1996年10月

  • イギリス歴史地名辞典(A.D.ミルズ編)

    中林瑞松, 冬木ひろみ, 中林正身

    東洋書林  1996年01月

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講演・口頭発表等

  • 『アテネのタイモン』における貨幣・友情・病

    冬木ひろみ  [招待有り]

    第60回シェイクスピア学会、パネル・ディスカッション「シェイクスピアと新経済批評」   (神戸・甲南大学)  日本シェイクスピア協会  

    発表年月: 2022年10月

    開催年月:
    2022年10月
     
     
  • ストラットフォードにおける蜷川演出舞台『リア王』と『タイタス・アンドロニカス』を再考する

     [招待有り] [国際共著]

    第11回国際シェイクスピア学会  

    発表年月: 2021年06月

    開催年月:
    2021年06月
     
     
  • 「ページとステージの相互関係」、シンポジウム1「時代と文化のはざまのシェイクスピア」

    冬木ひろみ(司会・講師)  [招待有り]

    日本英文学会関東支部秋季大会2018  

    発表年月: 2018年10月

    開催年月:
    2018年10月
     
     
  • 時代と文化のはざまのシェイクスピア

    篠崎実, 近藤弘幸, 小泉勇人, 冬木ひろみ

    日本英文学会関東支部秋季大会   日本英文学会関東支部  

    発表年月: 2018年10月

  • 戯曲を新たに翻訳する意義とは?— シェイクスピアの場合、現代演劇の場合 —

    冬木ひろみ, 河合祥一郎, 小田島恒志

    早稲田大学 私立大学戦略的基盤形成支援事業   (早稲田大学)  早稲田大学 私立大学戦略的基盤形成支援事業  

    発表年月: 2018年01月

  • 16世紀後半から17世紀のイギリスにおける宗教とエンブレムの関係

    冬木ひろみ  [招待有り]

    早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所・第8回シンポジウム  

    発表年月: 2017年09月

  • 日本のシェイクスピア

    冬木ひろみ  [招待有り]

    早稲田大学演劇博物館ギャラリートーク  

    発表年月: 2016年11月

  • シェイクスピアの視覚的表象をめぐって

    冬木ひろみ  [招待有り]

    日本シェイクスピア学会北海道支部第61回大会   (北海道 旭川)  日本シェイクスピア協会 北海道支部  

    発表年月: 2016年10月

  • 日本のシェイクスピア-- 逍遙からNINAGAWAへ

    冬木ひろみ  [招待有り]

    バーミンガム大学特別セミナー   (ストラットフォード・アポン・エイヴォン(英国))  バーミンガム大学・シェイクスピア・インスティチュート  

    発表年月: 2016年03月

  • 『ハムレット』における記憶と五感

    第53回シェイクスピア学会  

    発表年月: 2014年10月

  • シェイクスピアを教えることの諸問題

    日本英文学会関東支部 第7回大会(2013年度夏季大会)  

    発表年月: 2013年06月

  • 『シンベリン』というパラドックス

    科研費プロジェクト『シェイクスピア劇における弱者』第二回研究会  

    発表年月: 2012年04月

  • 神話からオペラへ—モンテヴェルディとグルックの場合

    21世紀COE演劇研究センター:西洋比較演劇コース、第16回オペラ・音楽劇研究会  

    発表年月: 2004年01月

  • 日本のシェイクスピア—独白と余白をめぐって

    第184回早稲田大学比較文学会  

    発表年月: 2003年06月

  • 魔女と魔法とシェイクスピア

    シェイクスピア祭(早稲田大学演劇博物館主催)  

    発表年月: 2003年04月

  • 『恋の骨折り損』と喜劇の精神

    第40回早稲田大学英文学会  

    発表年月: 2000年12月

  • シェイクスピアの世界−『尺には尺を』をめぐって

    跡見学園女子大学第16回公開講座  

    発表年月: 1995年10月

  • 『お気に召すまま』における牧歌の変容

    第31回日本シェイクスピア学会  

    発表年月: 1992年12月

  • 『あらし』の劇幻影について

    第31回早稲田大学英文学会  

    発表年月: 1991年12月

  • 『ハムレット』における語りの要素

    第29回早稲田大学英文学会  

    発表年月: 1989年12月

  • 『リア王』における認識の問題

    第27回早稲田大学英文学会  

    発表年月: 1987年12月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本のシェイクスピア翻案研究の再考

    文部科学省  科研費 基盤研究B

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2027年03月
     

  • A Brave New World for Japanese Shakespeare Adaptations: Rethinking Shakespeare Studies through Adaptations

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2026年03月
     

    本山 哲人, 冬木 ひろみ, 児玉 竜一, 小泉 勇人, 井上 優, 芦津 かおり, 森田 典正, 本多 まりえ, 飛田 勘文, 今野 史昭, Gallimore Daniel

  • シェイクスピアの視覚的表象の研究

    学術振興会  科学研究費

    研究期間:

    2018年07月
    -
    2021年03月
     

     概要を見る

    シェイクスピア劇における視覚的要素を詳細に調べ、その表象の特異性を明確にする

その他

  • 第52回シェイクスピ...

     概要を見る

    第52回シェイクスピア学会:第8回ワークショップにて、コメンテイターを務める。(2013年10月6日:鹿児島大学)

  • 第52回シェイクスピア学会:第8回ワークショップにて、コメンテイターを務める。(2013年10月6日:鹿児島大学)

 

現在担当している科目

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社会貢献活動

  • 「フォルスタッフのいた風景」、オペラ『ファルスタッフ』のプログラム

    新国立劇場  オペラ『ファルスタッフ』プログラム 

    2023年02月
    -
     

  • 舞台で輝く松岡和子訳

    早稲田大学演劇博物館  Words, words, words.—— 松岡和子とシェイクスピア劇翻訳(ブックレット) 

    2022年10月
    -
     

  • 「言葉と向き合う、翻訳を楽しむ」対談=松岡和子×冬木ひろみ

    株式会社読書人  週間読書人 

    2022年07月
    -
     

  • 演劇集団円・舞台『夏の夜の夢』のプログラム

    演劇集団円  演劇集団円・舞台『夏の夜の夢』プログラム 

    2021年10月
    -
     

  • シェイクスピアの翻訳と上演--舞台のための翻訳をめぐって

    早稲田大学国際日本学拠点 

    2021年07月
    -
     

  • 「ステージとページをつなぐ松岡和子訳」、舞台『終わりよければすべてよし』のプログラム

    ホリプロ  舞台『終わりよければすべてよし』プログラム 

    2021年06月
    -
     

  • 現代を生きるシェイクスピア —— 逍遙からNINAGAWAまで

    福岡大学附属大濠高校  福岡大学附属大濠高校・特別公演 

    2017年05月
    -
     

  • 「シェイクスピアを演じる」吉田鋼太郎・講演会

    早稲田大学文学部英文学コース  吉田鋼太郎・講演会「シェイクスピアを演じる」 

    2016年11月
    -
     

  • 「シャイロックへの眼差し」舞台用プログラム

    劇団昴  劇団昴・公演『ヴェニスの商人』プログラム 

    2016年04月
    -
     

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学術貢献活動

  • 翻訳を考える:国際的対話を通したシェイクスピア理解

    大会・シンポジウム等

    早稲田大学国際日本学拠点・イギリス バーミンガム大学   早稲田大学

    2022年09月
     
     
  • シェイクスピアを翻訳する--日・英翻訳の実際

    大会・シンポジウム等

    早稲田大学私立大学戦略的研究基盤形成支援事業  

    2019年01月
    -
     
  • 日英国際シンポジウム:現代のシェイクスピアの翻案と上演をめぐって

    大会・シンポジウム等

    早稲田大学文学学術院・イギリス バーミンガム大学   早稲田大学

    2018年11月
     
     

     概要を見る

    早稲田大学とバーミンガム大学は、2000年に学術協定を締結して以来、学生交流・研究者交流を活発に行い、信頼関係を高めてきた。その後、2016年に共同研究の戦略パートナーシップに合意し、現在、多くの分野で共同研究が進んでいる。この間の共同研究成果の発表と、今後に続く交流活性化のための舞台として、この度、早稲田大学におけるバーミンガム大学デーを企画し、その初日にシェイクスピアの翻訳・翻案に関するシンポジウムを行った。

  • 国際学会 シェイクスピア・映画・東洋と西洋

    大会・シンポジウム等

    早稲田大学・イギリス バーミンガム大学  

    2017年01月
     
     
  • アジアのシェイクスピア

    早稲田大学私立大学戦略的基盤形成支援事業  

    2017年01月
    -
     
  • シェイクスピアの翻訳を考える

    大会・シンポジウム等

    早稲田大学国際日本学拠点  

    2016年12月
    -
     

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 17世紀初頭のイギリス演劇の変容-ロマンス劇と悲喜劇を中心に

    2008年04月
    -
    2009年03月

    イギリス   ケンブリッジ大学

他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

特定課題制度(学内資金)

  • シェイクスピアの後期の劇における虚構と政治性―『シンベリン』を中心に―

    2013年  

     概要を見る

     『シンベリン』は、シェイクスピアのロマンス劇というジャンルに入れることが多いが、初出である1623年のThe First Folioでは全集の一番後に置かれ、しかもその分類は「悲劇」であった。『シンベリン』は、ジャンルも文体も含め、実際複雑で技巧的であることは否めないし、多様な視点を許容しうる劇でもある。ただ、現在の批評の方向としては政治的・歴史的なアプローチが多いのだが、それに則ってテクストを読んでゆくと、かなりの違和感とテクスト自体との齟齬が出てくる。この劇の政治性・同時代性・歴史の表象が大きいのは確かであるが、もう一つの内包する大きな要素であるロマンス、あるいは神話的な下部構造が複雑に絡み、しかも調和することなく複雑さや不均衡がそのまま止揚されている。つまり、ロマンスという中世的な概念も含む枠の中に、政治的歴史劇を入れこんだところに、この劇の一番の矛盾律(paradox)があると言える。以下、この劇特有のparadoxの表象を検証してみたい。 広く見れば、シェイクスピアの劇全体にはparadoxの発想があると言えるし、Macbethの’fair is foul, and foul is fair’はその典型ではあるが、Elizabeth Iの時代とは明らかに異なる時代精神が、後期の劇を書いた頃のシェイクスピアの筆により大きな影響を与えていることは重視してよいと思われる。無論、同時代のtopicalityと劇との関連の研究はこれまでも行われてきたことであるが、本研究がさらに注目したいのは、王権への賛美や追従以上に、この劇が見えない形での王権に対する矛盾の提起をしているのではないかということである。 当時の国王James I自身には多くの出版物、あるいは記録された言説があり、書かれた言葉に対するJames自身の強い思いが読み取れる。その点をひとつの手がかりとして『シンベリン』のテクストを詳細に読み込んでみると、幾つかの場面で言葉への疑念、およびparadoxと考えられる言説が見えてくる。まず、冒頭で紳士たちが交わす会話に含まれるKings/King’/Kingというテクスト編纂上の異字にも国王Jamesを指す可能性を含むtopicalな問題が含まれる。また、ブリテンをめぐっての人物たちの言説からは、通常の歴史劇にあるようなプロパガンダも見えてくるが、その一方、悪事をなす王妃(特に女性という存在)に親ブリテン(イングランド)言説をさせることで、その真意と言葉の価値を曖昧にしてしまう。さらに、ブリテンの国土をローマと併置することにより、当時の時事的な問題を含むと同時に、ブリテンにとってローマの存在は見本とすべき中心でもあり、一方主人公の一人であるPosthumusがローマ軍に入ってブリテンを攻撃するという点で、外でもあるというparadoxが現れてくる。さらにこのPosthumusのエピソードは、シェイクスピア後期の劇に現れる中世のロマンスを相対化し、その価値を両義的(paradox)にしているとも言える。 最後の場面ですべてが明るみに出るプロセスはシェイクスピアの劇の中でも最も混沌として、解釈を困難にしている箇所であるが、paradoxという視点とtopicalな政治的状況と重ねて分析することにより、ここに現れているシェイクスピアのひとつの方向性が見えてくると考えられる。まず、ジュピターの神託の言葉が明確には解釈できないというこれまでの劇ではあり得ない状況は、前記したJames Iの言葉への執着、および王への信頼の矛盾を提起することにもなる。同時にそれを解釈する占い師の言葉自体が途中で変わり、曖昧になってしまうことにもparadoxがある。また、ヒロインInnogenの言葉が夫には信じてもらえず、最後の最後になって和解できることも異例である。悪事を重ねた王妃は寓話の枠の中の悪人として死ぬが、かつては親ブリテンを語っていた人物であることを考えると、妻を信頼していた国王であるシンベリンの立脚点は最後に揺らぎを見せ、彼の最後の言葉への信頼も相対化されることになる。 こうして、ブリテンという国土、国王への敬意、言葉への信頼すべてが、最後の場面で表面上は回復し、国を担うべき新たな若い世代が発見される一方、その背後に書き込まれたシェイクスピアの筆は、国家の価値の相対化、および言葉自体の価値の矛盾を突くものであったと言えるのではないか。彼の属する劇団であるKing’s Menとして国王への賛辞を入れ込みながらも、表面上には見えにくい形で書き込まれたシェイクスピア独自のparadoxを含んだ言葉が、『シンベリン』をジャンル的にも曖昧で特異な劇にしていると考えられる。

  • シェイクスピアの『二人の貴公子』から見る同時代の悲喜劇のパースペクティブ

    2006年  

     概要を見る

     一年の過程の中で、17世紀初頭のイギリスにおける悲喜劇そのものの流れを広範な作品群のなかで追うことに関しては、若干の時間的不足があったが、少なくとも、フランシス・ボーモントとジョン・フレッチャーの共作による当時人気の悲喜劇というジャンルからの射程のなかで、シェイクスピアがこの『二人の貴公子』に何を書き込もうとしたのかに関する考察はかなり深められたように思う。 今回の特定課題の成果として、本年度最後(2007年3月)に上梓することになった論文「『二人の貴公子』の二重のまなざし」(『ことばと文化のシェイクスピア』冬木ひろみ編、早稲田大学出版部)では、悲喜劇の視座に立って、主に言語と結婚観の面からの分析をした。最も中心としたのは、『二人の貴公子』における結婚に対する悲喜劇的な二重の視点であり、シェイクスピアのこれまでの劇にはない暗さとアイロニーである。この劇には、最初から結婚に関して、皮肉で冷ややかな視点があり、それがヒロインとサブ・プロットの狂ってしまう牢番の娘との対比的な描き方に通じている。また、そうした乖離した視点が最後の悲劇とも見まごうような結末において最も明瞭になり、登場人物の実際の死を経なければ結婚など成立しない、という一種のペシミスティックな、時代をも予感させる終り方を現出している。 悲喜劇は、当時の定型的な概念しては、悲劇寸前まで行くが少なくとも人物は死なず、すべてがうまく解決されるというものであるが、そうした概念から大きく逸脱しながらも『二人の貴公子』は、やはりタイトル通り「悲喜劇」であるに違いない。というのも、プロットからも言語からも、最後の場面は最初の場面へと円環を描いてゆくような意匠をもっており、それは死と結婚が常に並列されるもの、という二重性を響かせているからだ。しかしながら、結婚に至る過程も含め、その欺瞞と疑念を女性の側からも描きえているこの劇は、悲喜劇のパースペクティブから見ても、通俗に堕さない思考の深さを兼ね備えた、この時代としては極めて特異な存在だったといえよう。