2024/03/28 更新

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ヤナギサワ アキラ
柳澤 明
所属
文学学術院 文化構想学部
職名
教授
学位
修士

所属学協会

  •  
     
     

    早稲田大学東洋史懇話会

  •  
     
     

    日本モンゴル学会

  •  
     
     

    内陸アジア史学会

  •  
     
     

    東方学会

  •  
     
     

    史学会

研究分野

  • アジア史、アフリカ史

研究キーワード

  • アジア史

 

論文

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書籍等出版物

  • 清朝の史跡をめぐって

    細谷, 良夫( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第6章 アムール上流域調査─アルバジンとスタノヴォイ山脈─(2004年8月);第7章 ザバイカル調査─ネルチンスクとウラン・ウデ─(2005年8月))

    東洋文庫  2022年03月 ISBN: 9784809703119

  • 論集北東アジアにおける近代的空間 : その形成と影響

    李, 曉東, 李, 正吉( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 第10章 露清外交におけるコミュニケーション=ギャップの実相──18世紀初頭と19世紀中葉の二つの事例を通じて)

    明石書店  2022年03月 ISBN: 9784750353296

  • 東アジアと東南アジアの近世 : 一五〜一八世紀

    中島, 楽章, 弘末, 雅士, 吉沢, 誠一郎, 岡本, 隆司, 岩井, 茂樹, 大木, 康, 杉山, 清彦, 柳澤, 明, 岡田, 雅志, 六反田, 豊, 松井, 洋子, 太田, 淳, 宮田, 絵津子, 新居, 洋子, 岸本, 美緒, 斎藤, 照子, 渡辺, 美季, 上田, 信( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 清朝時代のモンゴル社会)

    岩波書店  2022年03月 ISBN: 9784000114226

  • 書物のなかの近世国家 : 東アジア「一統志」の時代

    小二田, 章, 高井, 康典行, 吉野, 正史, 竹内, 洋介, 須江, 隆, 櫻井, 智美, 酒井, 規史, 高橋, 亨, 荷見, 守義, 巴, 兆祥, 向, 正樹, 柳澤, 明, 澤, 美香, 清水, 則夫, 長谷川, 成一, 高橋, 章則, 吉田, 光男, 辻, 大和, 岡田, 雅志, 森山, 央朗, 村井, 誠人, 山田, 賢, 白井, 哲哉( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 北辺からみる『大清一統志』)

    勉誠出版 (発売)  2021年08月 ISBN: 9784585325055

  • ハンドブック近代中国外交史 : 明清交替から満洲事変まで

    岡本, 隆司, 箱田, 恵子( 担当: 分担執筆,  担当範囲: 露清関係──「隣国」関係の形成と構造)

    ミネルヴァ書房  2019年04月 ISBN: 9784623084906

  • 中央ユーラシア史研究入門

    小松久男, 荒川正晴, 岡洋樹( 担当: 分担執筆)

    山川出版社  2018年04月 ISBN: 9784634640870

  • 清前歴史与盛京文化

    白文煜( 担当: 分担執筆)

    遼寧民族出版社  2015年07月 ISBN: 9787549710751

  • 内モンゴルを知るための60章

    ボルジギン・ブレンサイン( 担当: 分担執筆)

    明石書店  2015年07月 ISBN: 9784750342238

  • 紀念王鍾翰先生百年誕辰学術文集

    ( 担当: 分担執筆)

    中央民族大学出版社  2013年08月 ISBN: 9787566004765

  • 内国史院档 天聡五年Ⅱ

    東洋文庫東北アジア研究班( 担当: 共訳)

    東洋文庫  2013年03月 ISBN: 9784809702754

  • 清代満漢関係研究

    中国社会科学院近代史研究所政治史研究室( 担当: 分担執筆)

    社会科学文献出版社  2011年08月 ISBN: 9787509725917

  • モンゴル史研究─現状と展望

    早稲田大学モンゴル研究所( 担当: 分担執筆)

    明石書店  2011年06月 ISBN: 9784750334295

  • 内国史院档 天聡五年Ⅰ

    東洋文庫, 東北アジア研究班

    東洋文庫  2011年03月 ISBN: 9784809702297

  • 東アジア世界の近代 19世紀(岩波講座 東アジア近現代通史 第1巻 )

    ( 担当: 分担執筆)

    岩波書店  2010年12月 ISBN: 9784000112819

  • アジア学のすすめ 第3巻 アジア歴史・思想論

    工藤元男, 李成市( 担当: 分担執筆)

    弘文堂  2010年06月 ISBN: 9784335501135

  • 東北アジア(朝倉世界地理講座──大地と人間の物語── 2)

    岡洋樹, 境田清隆, 佐々木史郎( 担当: 分担執筆)

    朝倉書店  2009年11月 ISBN: 9784254167924

  • 清朝とは何か(別冊『環』⑯)

    岡田英弘( 担当: 分担執筆)

    藤原書店  2009年05月 ISBN: 9784894346826

  • 内なる他者=周辺民族の自己認識のなかの「中国」(東北アジア研究シリーズ⑩)

    岡洋樹( 担当: 分担執筆)

    東北大学東北アジア研究センター  2009年03月 ISBN: 9784901449533

  • 清朝史研究の新たなる地平

    細谷良夫

    山川出版社  2008年02月 ISBN: 9784634672147

  • 近現代内モンゴル東部の変容

    モンゴル研究所( 担当: 分担執筆)

    雄山閣  2007年03月 ISBN: 9784639019756

  • 内国史院档 天聡七年

    東洋文庫清代史研究委員会( 担当: 共訳)

    東洋文庫  2003年03月

  • The Bordered Red Banner Archives in Toyo Bunko

    Kanda Nobuo, Chief Edit( 担当: 共編者(共編著者))

    Toyo Bunko  2001年03月 ISBN: 4809701808

  • 『アルタン=ハーン伝』訳注

    吉田順一, 賀希格陶克陶, 柳澤明, 石濱裕美子, 井上治, 永井匠, 岡洋樹( 担当: 共訳)

    風間書房  1998年03月 ISBN: 4759910824

  • 満族の家族と社会

    愛新覚羅顕琦, 江守五夫( 担当: 共訳)

    第一書房  1996年04月 ISBN: 480420105X

  • 清代中国の諸問題

    石橋秀雄( 担当: 分担執筆)

    山川出版社  1995年07月 ISBN: 4634658909

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講演・口頭発表等

  • 黒龍江地区駐防八旗的初期情况

    柳澤 明

    満文文献与清史研究国際学術研討会  

    発表年月: 2022年12月

    開催年月:
    2022年12月
     
     
  • 清朝対中俄貿易的管理体制及其変遷:18世紀後半至19世紀初

    柳澤 明  [招待有り]

    「内亜与海洋:明清中央档案、地方文書及域外史料」国際研討会  

    発表年月: 2022年12月

    開催年月:
    2022年12月
     
     
  • 黒龍江地区における駐防八旗の成立と「民族」呼称

    柳澤 明

    満族史研究会 第37回大会  

    発表年月: 2022年06月

    開催年月:
    2022年06月
     
     
  • The Eight Banner System and Ethnic Transformation in 17–19 c. Manchuria

    Akira Yanagisawa

    "Statecraft & Identity Creation in the Border Regions of the Qing" at 23rd Biennial Conference of European Association for Chinese Studies  

    発表年月: 2021年08月

    開催年月:
    2021年08月
     
     
  • 17-18世紀大興安嶺両麓人口遷徙趨勢

    柳澤 明  [招待有り]

    内蒙古師範大学東北亜民族歴史文化研究院掲牌儀式曁“族際交流与文化互動”高峰論壇  

    発表年月: 2019年12月

    開催年月:
    2019年12月
     
     
  • 清代八旗与内属蒙古

    柳澤 明  [招待有り]

    13-20世紀中央欧亜歴史与文化国際学術研討会  

    発表年月: 2019年11月

    開催年月:
    2019年11月
     
     
  • 十八世紀黒龍江地区中俄貿易之変遷

    柳澤 明  [招待有り]

    吉林師範大学第二次国際満学学術研討会  

    発表年月: 2019年09月

    開催年月:
    2019年09月
     
     
  • 「内旗」と「外旗」の境界を越えて─黒龍江の事例から─

    柳澤 明  [招待有り]

    東北大学東北アジア研究センター研究会「清帝国におけるモビリティ再考:モンゴルの場合」  

    発表年月: 2019年07月

  • Population shifts and ethnic transformation of Non-Chinese groups in the 17-18 centuries Manchuria

    Akira Yanagisawa

    “Migration, Occupation, and Indigenous Identity in Early Modern Northeast China” in the Association for Asian Studies 2019 Annual Conference  

    発表年月: 2019年03月

    開催年月:
    2019年03月
     
     
  • 1792(乾隆57)年の「キャフタ市約」と領事裁判権

    柳澤 明  [招待有り]

    キャフタの歴史と遺産、未来   (キャフタ)  A. V. オブルチェフ・キャフタ郷土誌博物館  

    発表年月: 2018年09月

  • 清露外交中におけるモンゴル語

    柳澤 明  [招待有り]

    中央民族大学第二届蒙古文文献国際学術研討会   (北京)  中央民族大学蒙古語言文学系  

    発表年月: 2017年11月

  • 十八世紀土爾扈特部派往西蔵的三個使団

    柳澤 明  [招待有り]

    “清朝政治発展変遷研究”国際学術研討会   (上海)  復旦大学歴史地理研究中心  

    発表年月: 2017年06月

  • 清代中俄外交中満文所占的地位

    柳澤 明  [招待有り]

    北京市社会科学院満学研究所学術講座   (北京)  北京市社会科学院満学研究所  

    発表年月: 2017年03月

  • The three Kalmyk embassies to Tibet in 18th century and Qing's reaction to them

    Akira Yanagisawa

    The Nature of Inner- and East Asian Polities and Inter-polity Relations in the 18th and 19th centuries, focusing on Qing-Tibetan-Mongol relations; Perspectives from Contemporary Sources   (東京)  早稲田大学中央ユーラシア歴史文化研究所、Kreddha  

    発表年月: 2017年03月

  • 17~19世紀の露清外交と媒介言語

    柳澤 明  [招待有り]

    人間文化研究機構「北東アジア地域研究推進事業」島根県立大学NEARセンター拠点プロジェクト「北東アジアにおける近代的空間の形成とその影響」第一回国際シンポジウム「北東アジア:胚胎期の諸相」   (浜田)  島根県立大学NEARセンター、共催:人間文化研究機構  

    発表年月: 2016年11月

  • 巴爾虎人的遷徙与姓氏

    柳澤 明  [招待有り]

    中華人民共和国国家外国専家局重点引智項目“17-19世紀黒龍江流域民族文化変遷研究”外国専家学術講座   (大連)  大連民族大学  

    発表年月: 2016年10月

  • 関於清代察哈爾八旗的幾個問題

    柳澤 明  [招待有り]

    内蒙古師範大学蒙古学学院学術講座   (フフホト)  内蒙古師範大学蒙古学学院  

    発表年月: 2015年09月

  • 「八旗」と「民族」の交差─清代旗人のアイデンティティ複合─

    柳澤 明  [招待有り]

    東北大学東北アジア研究センター・共同研究「東北アジアにおける辺境地域社会再編と共生様態に関する歴史的・現在的研究」シンポジウム「越境の東北アジア:統治の動揺と地域流動化」   (東京)  東北大学東北アジア研究センター  

    発表年月: 2015年03月

  • 清朝の東北統治と奉天軍閥の形成

    柳澤 明  [招待有り]

    科研費・基盤研究[C]「現代中国の民族識別期における旗人の動向に関する研究」・費基盤研究[A]「アフロ・ユ―ラシア内陸乾燥地文明の歴史生態人類学的研究」合同ワークショップ「軍閥と近代内モンゴル」   (彦根)  滋賀県立大学  

    発表年月: 2015年02月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2024年03月
     

     概要を見る

    本研究は、国民国家が形成される19世紀を中心とし、軍人のグローバルな移動による人的ネットワークと、軍事関連書の翻訳・流通・受容という分析視角から、軍事的学知の交錯を研究するものである。日本・フランス・ドイツを主とし、オランダ・オスマン帝国・清朝を参照系と位置づけ、軍人と軍事関連書(人とモノ)の移動から、軍事的学知(学知)に光を当てることにより、軍事史的観点からみた新たな世界史像を提起したい

  • 清朝とロシアの外交における多言語翻訳とコミュニケーション・ギャップの研究

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    本研究では、まず基礎作業として、17世紀から1860年の北京条約に至る清朝-ロシア間の外交関係について、根本史料である両国間の条約・協定と外交書簡の網羅的データベースを作成する。次に、多言語テキストの存在する文書について、各言語間の内容の差異を検出し、特に清側に関して、差異が生じた原因を、言語能力・翻訳技術と意図的操作の両面を視野に入れて解明する。さらに、こうした翻訳上の問題が実質的な外交交渉に及ぼした影響についても検討を加える。本研究の第一段階の主要な目標である、1860年以前に清-ロシア間で取り交わされた条約・外交書簡のデータベース化については、フォーマットを作成し、データ入力を開始した。2019年度中に順治~雍正年間(1644~1735)部分の入力をおおむね完了し、引き続き乾隆年間以降について作業を進めている。条約・外交書簡の複数言語テキストの相互比較と、テキスト間の差異の原因に対する検討については、まず上記データベースへのデータ入力済の時期に関して、対象とする文書をいくつか選定し、予備的な対照を行ったが、精密な比較検討とそれに基づく考察は、データベースの完成を待ってあらためて行う予定である。清側における翻訳者の変遷についても、上記期間についてはある程度具体的な情報が得られたので、データベースに反映させ、それに基づく予備的な検討に取りかかっている。内モンゴル大学モンゴル学研究センターとの研究協力については、2019年12月に内モンゴル大学を訪問した際に、今後の具体的な進め方について打ち合わせを行った。本研究の成果の一端は、2019年9月に吉林師範大学長春校区で開催された「吉林師範大学第二次国際満学学術研討会」での口頭発表「十八世紀黒龍江地区中俄貿易之変遷」、および2019年12月に内モンゴル師範大学科学技術史研究院において行った公開講演「有関清前期北辺與図的幾個問題」の中で公開した。これらは、いずれも本研究課題の成果発表を主題とするものではないが、内容の一部に、本研究を進める過程で得られた情報を盛り込んでいる。特に遅れが生じているのは、海外での資料調査にかかわる部分である。本研究課題の遂行に当たっては、条約・外交書簡に関して、既刊の資料集や、研究代表者がこれまでに収集した資料ではカバーできない情報を補うために、海外の文書館等での調査が必要である。2019年度には、ロシアと中国での調査を計画していたが、ロシアでの調査は、他の科研費による調査や国際学会への参加等、諸般の事情により日程の調整がつかず、実施できなかった。また、年度末には、北京の第一歴史档案館等での調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で同館は休館となり、渡航自体も断念せざるを得なかった。代替として、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に所蔵される「黒龍江将軍衙門档案」の調査を集中的に行うとともに、関連する国内外の先行研究(書籍・論文など)をより網羅的に収集することをめざした。しかし、一定の成果が得られたとはいえ、収集しえた情報にはおのずから限界があり、今後の海外での調査についても現時点では見通しが立たないため、データベースの完成とその後の研究のとりまとめが、当初予定よりも遅延するおそれが生じている。また、内モンゴル大学モンゴル学研究センターとの研究協力に関しても、先方の状況を確認しながら、計画の見直しをはかる必要がある。上述のように、本研究を完成させるためには、海外の文書館等での資料収集が重要であり、2020年度以降は、情勢の推移を見ながら可能な限り行っていく予定である。しかし、実際のところ、どこまで実現できるかは不透明であるため、既刊の資料集や先行研究をより網羅的に収集するとともに、国内研究機関等での調査を通じて収集可能な情報をいま少し厳密に洗い出して、それらの成果をデータベースに取り込んでいくなど、次善の策を講ずる必要があるかもしれない。また、2020年度中には、外交における翻訳の問題をテーマとするワークショップを開催する計画であった。このワークショップは実施する所存であるが、当初想定していた海外からの研究者招聘に制約がかかるおそれがあるため、国内からの参加者を中心にするなど、研究協力者とも相談しながら、企画を練り直すことを検討中である。内モンゴル大学モンゴル学研究センターとの研究協力に関しては、できるだけ早期に先方との電子メール等を通じた打合せを再開し、今後の進め方について協議する。なお、上のワークショップとは別に、本年11月には、NIHU(人間文化研究機構)の「北東アジア地域研究」プロジェクトの島根県立大学拠点が主催するシンポジウムにおいて、本研究の進展状況について中間的な報告を行う予定である

  • ロシア統治下チベット仏教徒のチベット・モンゴルとの交流の研究

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2020年03月
     

     概要を見る

    (1) ダライラマ13世がモンゴルに滞在していた折、越境してきたロシアの仏教徒たちが、ダライラマ13世の身辺を警護し、仕え、それがダライラマの政治力を増していたこと、越境してきたブリヤート人はロシアではディリコフ、チベット資料ではナムダクノヤンという名前の王公であることがわかった。ダライラマ伝に基づくとナムダクノヤンは山西省五台山にまで確実に南下しており、ロシアの仏教徒の国境を越えた活動を呈示することができた。三月には本年度までの成果を、英文書籍The Resurgence of "Buddhist Government": Tibetan-Mongolian Relations in the Modern World. をUnion Press から出版した。<BR>(2) 七月にはパリのInalcoで開催された国際チベット学会(International Association for Tibetan Studies)において本書と同名のパネルをくみ、基調講演としてThe Impact of the 13th Dalai Lama’s Sojourn in Mongolia: Evoking the National Consciousness of Tibetan Buddhists from 1904 to 1908を発表した。バネルにはロシアからはブリヤートのツェレンビロフ、クチャーノフ、クズミンを迎え、日本から近代のモンゴル史の代表的な研究者である橘誠、井上岳彦、和田大知を迎え、この二年間の研究の成果を国際的に呈示する機会を得た。<BR>(3) 「大隈重信の東西文明調和論の背景にある19世紀末の普遍主義」『史観』41:242-226.を発表。本論文は、大隈重信の思想を世界を席巻していた仏教復興運動の世界史の中で捉え直したものである。(1) 過去二年間の研究業績を2019年3月、英文書籍The Resurgence of "Buddhist Government": Tibetan-Mongolian Relations in the Modern World. として出版した。本書はアメリカの雑誌Religious Studies Review, No. 45(December, 2019において好意的に評価され、論文掲載サイトにおいても多くのメンションをえた。<BR>(2) 国際チベット学会(International Association for Tibetan Studies)において筆者はこの二年の研究業績を発表するため出版済み書籍と同名のパネルを主宰し、書籍化した時点より進んだ研究内容を発表し好評を博した。このため、Brill の編集をつとめていたAlex McKayの仲介により、パネルの参加者を筆者に迎えてAmsteldam University Pressから書籍を出版する計画が進んでいる。<BR>(3) 2019年 2月にはブリヤート共和国のウランウデより歴史学研究所の副所長Vancicova氏を招聘し、氏の帰国とともブリヤート史の研究者、荒井幸康氏とともにウランウデの研究所を訪れ、20世紀初頭のブリヤート最高位の僧Iroutuevの資料を閲覧する予定であったが、コロナ禍のために、航空便がすべて欠航となり断念した。ここが唯一計画通りにいかなかった点である。コロナ禍がいつ静まるか不明なため、ウラン・ウデにおけるIroutuev の資料調査は遂行が難しいと思われる。<BR>そこで代替策として、ブリヤート最高位の僧Iroutuevやダライラマ13世の側近Dorzhievなどのロシアの仏教徒をロシア宮廷につないだ貴族、ウフトンスキー公が主宰していた新聞、Sankt Petersburgie ViedmostiのIroltuev、ならびに、インドの仏跡復興運動の機関誌 Journal of Maha Boshi Societyを、可能であれば大英図書館に閲覧にいき、それがかなわないのであれば、ブリヤート人が英領インドやスリランカの仏教徒たちと交流していた1900-1901年の期間にかぎって、そのデジタル情報を図書館交流でとりよせ、精査する。<BR>また、昨年の国際チベット学会の発表内容を英文で書籍化する作業を継続する

  • 近代移行期の港市と内陸後背地の関係に見る自然・世界・社会観の変容

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2018年03月
     

    弘末 雅士, 荷見 守義, 守川 知子, 石川 禎浩, 栗田 和明, 唐澤 達之, 中里 成章, 佐々木 洋子, 荒野 泰典, 土田 映子, 貴堂 嘉之, 清水 和裕, 渡辺 佳成, 高橋 秀樹, 疇谷 憲洋, 和田 郁子, 鈴木 英明, 上田 信, 柳澤 明, 齋藤 久美子, 野上 建紀, 阿久根 晋, 武内 房司, 澤田 英夫

     概要を見る

    4年間の研究を通して、港市と内陸社会の関係を多元的に考察でき、国民国家を台頭させる多様なネットワークが検討できた。ともすれば近代以降、交通や通信の発展により、港市と内陸社会の関係は均質なものに変容したと考えられがちであるが、必ずしも一元的な関係に収斂しないことが明らかとなった。また港市は、近代においても外世界と内世界を仲介する重要な役割を担う一方で、国民国家の成立後、内陸部で国境を接する地域が、国家間を仲介する重要な拠点となるケースがあることも示された。いずれにせよ、港市と内陸社会あるいは内陸社会間や諸海域間を仲介する存在の重要性が、改めてクローズアップされた。

  • 軍事史的観点からみた18~19世紀における名誉・忠誠・愛国心の比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    谷口 眞子, 小松 香織, 丸畠 宏太, 柳澤 明, 鈴木 直志, 西願 広望, 吉澤 誠一郎, 佐々木 真, 原田 敬一, 杉山 清彦, 須田 努, 趙景 達, 西願 広望, 松本 彰

     概要を見る

    本科研では、18~19世紀のいわゆる「近代移行期」を対象とし、日本、中国、オスマン帝国、ドイツ、フランスにおいて、軍事の担い手が帯びていたエトスの特徴を、政治・経済・軍事・近代思想などさまざまな分野で、直接的・間接的に影響を及ぼし合っていた地域相互の連関性を考慮しつつ、軍事史的観点から比較史的に考察した。名誉・忠誠・愛国心のエトスは、社会における身分・階層・階級と伝統的思考方法を基礎とし、新たな軍事技術と軍事編制の導入、軍事思想の理念や軍事教育の方法、軍人の徴募方法、宗教・民族によるアイデンティティ、「国家」意識やナショナリズムなどと、複雑に絡み合いながら形成されたことが明らかになった

  • 日本における遊牧研究史とその新展開

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2015年03月
     

     概要を見る

    ボヤンバートル(宝音巴特爾)は、外国人特別研究員としての任期中、研究代表者である柳澤明と定期的に意見交換をしながら、早稲田大学図書館、東洋文庫等に所蔵される、19世紀後半から近年にいたるまでの日本における遊牧研究の成果を渉猟し、それらを次のように総括した。①19世紀末の日本人による中央アジア探検記録は、探検の多くが政治的・軍事的背景のもとに行われたものであることから、遊牧に関する研究史の中ではあまり注目されてこなかったが、実は当時の遊牧社会に関する貴重な情報を含んでおり、正当に評価すべきである。②20世紀前半~中葉、すなわち戦前期から戦後初期の日本人による研究に関しては、梅棹忠夫を中心とする京都大学関係の研究者の業績が出色である。それらは、動物学・植物学等の該博な知識と民族学(人類学)の方法論を駆使したもので、今日重要な課題となっている遊牧と環境の関係についても先見的な指摘を行っているが、モンゴルの遊牧に関しては、遊牧の地域差の原因に対する考察が不十分である等の限界も認められる。③20世紀後半以降においては、梅棹らを継承する一連の研究成果があるが、それとは別に、モンゴルの遊牧に関する吉田順一の業績が特筆に値する。それは、広範な実地調査を基礎として、遊牧社会における農耕の位置づけ、近代以降の遊牧社会の変容過程などを視野に入れたもので、遊牧の将来を考える上で多くの示唆に富む知見を含んでいる。日本の遊牧研究をこのような視点から俯瞰的に総括した研究は、日本においてもほとんど類例がなく、関連分野の研究者にとって高い参照価値をもつと思われる。なお、上記①の部分はすでに論文として発表済である。②・③についても論文原稿はほぼ完成しており、近い将来に発表予定である。③の吉田の業績については、それらを集成してモンゴル語に翻訳した単行本の出版を計画中であり、吉田氏本人の許諾も得ている。26年度が最終年度であるため、記入しない。26年度が最終年度であるため、記入しない

  • 東北アジアにおける辺境地域社会再編と共生様態に関する歴史的・現在的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2015年03月
     

    岡 洋樹, 堀江 典生, 中村 篤志, 井上 治, 雲 和広, 今村 弘子, 柳澤 明, 馬 紅梅, 佐藤 憲行

     概要を見る

    本研究を通じて、第一変動期モンゴルに関わっては、漢人やモンゴル人の越境移動やカザフ人のモンゴルへの移住の様態の事例が明らかになり、清朝の政策対応も従来考えられていたように封鎖的なものではなかく、実際的に対応していたことが判明した。また第二変動期については、ロシアへの中国人労働移民の流入に対するロシア側の理解が報告され、また流入の背景にシベリア・極東の人口構造が存在することが知られた。その一方で中朝国境地帯では交流が限定的な状況であることが報告された。両変動期を比較してみると、共通する状況として中国側とモンゴル・ロシア側との間の経済的・人口学的非対称性の存在が指摘された

  • 18-19世紀北・東北アジアにおける交易路と交易システムの研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

    加藤 直人, 松重 充浩, 細谷 良夫, 江夏 由樹, 中見 立夫, 華 立, 柳澤 明, 楠木 賢道, 杉山 清彦

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    本研究では、中国とモンゴルを結ぶ交易路、アムール川からサハリンにかけての交易路、北部満洲から内モンゴルにかけての交易路、中国西部のウイグルや四川省における交易路の現地調査を行った。その結果、旅蒙商をはじめとした各ルートでの交易が、現地先住民族や自然環境に大きく規定されて展開していたことと、その交易システムを中核とした現地社会構造が清朝統治を越えて、20世紀前半期まで継承されていく側面を持つものだったことも確認できた

  • 14~20世紀初頭における「朝貢」・「互市」と東アジア世界秩序の変容の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2008年
    -
    2011年
     

    岩井 茂樹, 檀上 寛, 岸本 美緒, 松井 洋子, 黒田 景子, 柳澤 明, 杉山 清彦, 岡本 隆司, 村上 衛

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    本研究は14世紀から20世紀初頭にいたる東アジア・東南アジア・東北アジアを対象として、「朝貢」と「互市」の概念と実態およびその変遷の過程を明らかにすることを目指した。広州貿易を「朝貢システム」の一環とするFairbankやMancallの論理には問題点があることを指摘し, 17世紀以降の東アジアにおいて隔離と管理をともなう貿易制度の形成を重視すべきだという結論を得た

  • ロシア帝国と「東北アジア」の成立-国際関係史の視点から-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    中見 立夫, 原 暉之, 佐々木 揚, SAVELIEV lgor, 岡本 隆司, 土屋 好古, 柳澤 明, 江夏 由樹, 加藤 直人, WOLFF David, 中嶋 毅, 石川 亮太, 上田 貴子

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    本研究課題は、1850年代からロシア帝国が崩壊する1910年代までの時期を対象として、ロシア帝国の東アジアに対する外交政策、これに対する清朝、朝鮮、そして日本の対応をみながら、その過程で"東北アジア"とよばれる地域が、どのように形成されたかについて、実地調査と史料・文献研究の両面から考証することを目的とした。ロシア連邦、モンゴル、中国において実地調査をおこなったほか、ヨーロッパ、米国、韓国などの文書館においても史料調査を実施し、オーストラリア国立大学東北アジア研究プロジェクトと共催で研究集会をおこなうなど、成果の海外発信にも留意した

  • 北・東北アジアにおける社会・文化変容の研究-同じルーツをもつ人々と「国境」-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    加藤 直人, 松重 充浩, 細谷 良夫, 中見 立夫, 江夏 由樹, 華 立, 柳澤 明, 楠木 賢道, 杉山 清彦, 細谷 良夫, 中見 立夫, 江夏 由樹, 華 立

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    「国境」が北・東北アジアに暮らす同じルーツをもつ人々に対し、どのような文化・社会変容をもたらしたのか。本研究では、3年間にわたりロシア、モンゴル、中国、カザフスタンで調査を実施し、たとえば、いまだに強い「モンゴル人」というアイデンティティを有する人々に、「国境」はどのような意味を持つのか、政治的に区画された中でどのような変質がみられたのかという問題を検討した

  • 中国反日運動と歴史継承的現地構造との連関実態の解明:中国東北地域を事例として

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年
    -
    2009年
     

    松重 充浩, 柳澤 明, 塚瀬 進, 安冨 歩, 古市 大輔, 柳澤 明, 塚瀬 進, 古市 大輔, 安冨 歩

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    (1)20世紀中国東北地域における、現地開発を推進する移民漢人人社会と、その開発により既得権益喪失の危機にさらされた先住モンゴル人社会との対立構造が確認できた。(2)漢人社会と競合的関係にあった日本は、漢人社会への対抗とその正当化のため、観念的にはモンゴル人社会の既得権益保護を標榜した点が確認できた。(3)現地中国人の反日運動は、日本に対して中国ナショナリズムで対抗すると同時に、共同開発の可能性も内包するものだった点が確認できた

  • インナーモスト・アジアにおける陶瓷貿易の構造

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2006年
    -
    2009年
     

    亀井 明徳, 岡内 三眞, 二宮 修治, 白石 典之, 柳澤 明

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    中央アジア地域と旧南宋領域との陶瓷器の移動の実態を究明することを目的にした。調査地をモンゴルの首都であったカラコルム遺跡とし,かつてロシア科学アカデミーが発掘した陶瓷器を再調査し,全資料の実測図の作成,写真撮影を行い,英文サマリーを添付した報告書として公刊することによって,研究資料として活用できる成果をあげた。さらに元時代の景徳鎮窯産の青花瓷を東南アジアの遺跡出土品にも調査を広げた

  • 北・中央ユーラシアにおける異文化の波及と相互接触による文化変容の歴史的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2004年
    -
    2007年
     

    井上 治, 小松 久男, 栗林 均, 宇野 伸浩, 藤代 節, 柳澤 明

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    本研究課題は、北方ならびに中央ユーラシア地域の複雑で多様な文化を、歴史学・言語学・文学・人類学などの手法を有機的に組み合わせ、時代・地域・学問分野・方法論などの研究上の境界を超えて考究することを目指した。基本視点は異文化受容と文化変容の過程に設定し、文献資料・口頭伝承などの資料の分析を通じて、在来要素と外来要素の存在、外来要素の波及・流入過程、外来要素の流入による在来要素の変容と定着過程、在来要素の干渉による外来要素の変容と定着過程、それらの中間に存在する諸媒体などに着目して、受容・変容・定着という文化の動態を把握すること、各地域における異文化受容と文化変容のモデル化の可能性を追求すること、上記の動態あるいはモデルの相互比較により地域間の異同とそれを生んだ歴史的・社会的諸要因を究明すること、各地域における「伝統」の再構築とアイデンティティやエスニシティのダイナミズムの実態を明らかにすること、これらのいずかの側面にアプローチし、以下のような研究が行われた。(1)清朝で編纂された5言語対訳辞典『御製五体清文鑑』の研究上の問題点、(2)イランのモンゴル人政権における婚姻関係、(3)南方に移住したバルガ人たちの社会・文化変容プロセス、(4)シベリアのチュルク諸語の言語状況の動態、(5)ポスト社会主義時代のトゥバの文化的産物と文化実践の変容過程、(6)中央ユーラシアのテュルク系叙事詩の主人公側意識の多様性、(7)元における高麗在来王朝体制の保全のあり方、(8)古代ボン教の変容とその継続性、(9)モンゴル英雄叙事詩の年齢表現と「七冲」という易学の概念との関係、(10)19〜20世紀前半のモンゴルの祖先崇拝儀礼における伝統的価値観と仏教的価値観の整合過程のモデル化。また、島根県立大学服部文庫所蔵のモンゴル語、テュルク諸語文献の目録(暫定版)を完成させた

  • 清朝統治期の黒龍江地区における諸民族の形成・再編過程の研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2004年
    -
    2006年
     

    柳澤 明

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    清代の黒龍江地区(現在の内モンゴル自治区フルンボイル市を含む)においては,17世紀中葉から18世紀中葉にかけて,大規模な住民構成の再編が見られた。その主な原因は,清朝が諸々の民族集団を八旗制に組み込んだことである。清朝は,八旗に組み込んだ人々を,政策的な必要に応じて適宜移動させたので,諸集団の分布はそれによって大きく変動した。また,八旗は「民族」別編制を基本としており,その基幹組織であるニル(niru)は,ほとんどの場合,特定のエスニックな属性を帯びた集団(と清朝が認定したもの)を基礎として編成され,「民族」別の呼称を冠せられた。つまり,八旗制の施行は,国家による「民族」区分という意味をも有していたのである。清朝によって作られたこうした枠組みは,現在の諸民族集団の分類,分布,エスニシティ等にも,多分に影響を与えていると予想される。そのことを検証するために,本研究では,まず清代の櫨案(公文書)史料等に基づいて,諸集団が八旗に組み込まれ,黒龍江の各地に配置された時期の具体的状況をひととおり明らかにした。一方,平成16年度にはフルンボイル地区,平成17年度には徽江流域において,聞き取りを主とする調査を実施し,各民族集団の現況と,近い過去における再編・変容の過程を跡づけ,17〜18世紀の状況と比較した。その結果,八旗編入時に確定した「民族」区分と,八旗制下での行政・地理上の区分の双方が,いわば縦糸と横糸として,現在に至る諸民族集団の枠組みの基礎をなしていることを,ほぼ証明しえた。同時に,特に嫩江流域においては,清末以降の土地開放と移民流入が,各集団の分布や社会・文化に大きな影響を及ぼしていることも確認できた。ただし,18世紀から清末に至る時期における変化については,現時点では史料の分析が不十分で,今後の課題とせざるを得ない

  • 中華帝国の中央と周縁-現代東アジアの原型を求めて-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2002年
    -
    2005年
     

    細谷 良夫, 加藤 直人, 江夏 由樹, 山本 英史, 中見 立夫, 柳澤 明

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    平成14〜17年度に行った主要な海外調査の概要を、国別、調査対象別に、()内に実施者名を入れて記す。<中国及び台湾>第一歴史歴史档案館 新彊関連史料をめぐり軍機處満文録副奏摺とカザフ関係史料(華立)、「溥儀档案」中の清末中華民国初年の八旗関係档案(中見)、清初外交政策の決定機構をめぐる満文内国史院档案(柳沢)、江南統治の事態をめぐる諸史料の調査(山本)、「欽定モンゴル国則例」と蒙文版『理藩院則例』及び満文本『大清律例』の対照研究(岡)、満洲・蒙古・漢族関係史料の調査楠木)を実施した。遼寧省档案館清末の皇室所有地の払い下げ内務府(塩荘)をめぐり「奉天旗務処」「営口専売署」関係档案の調査(江夏)貴州省民族研究所と四川省档案館『貴州苗族林業契約文書匯編』に続く資料情況の調査と碑刻史料の収集および巴県档案と西部チベット地区をめぐる档案史料を収集した(竹内)。その他に中国国家図書館、社会科学院経済研究所、中央民族大学、人民大学清史研究所、上海図書館、南京図書館、南京大学図書館、江蘇省档案館で各種史料の調査を実施した。台湾中央研究院歴史語源研究所 内閣大庫所蔵の満洲語档冊と档案の調査を実施した。(細谷、中見、加藤、楠木)<アメリカ>ハーバード大学漢籍図書館で清朝史料と満文档案の調査(中見、加藤、華立、細谷)、米国議会図書館で江南人の筆記資料の調査(山本)を実施した。<イタリア>ヴェネチア大学スターリ教授の協力を得て実施した。国立図書館ヴェネチア、国立図書館ローマ、ヴァチカン図書館、ジェスイット文書館などで満文図書と档案の調査を実施し、満文本『乾隆会典則例』が国立図書館ローマに、清朝時代の宣教師が満文上諭などを整理し説明を記して本国に送った報告書がジェスイット文書館に多数残されている事を確認した。(細谷、中見、加藤)<ロシア>海外共同研究者コピチコ教授の協力を得て行った。アムール左岸に流入するブレーヤ川、ゼーヤ川流域で満洲ツングース遺跡の予備調査(細谷)。ロシア極東地域ハバロフスク州およびアムール州で、ロシアと清朝が衝突したアルバジン城址およびアルバジーノ博物館、ブラゴベチェンスクにあるアムール州郷土誌博物館等の調査(細谷、中見、加藤、江夏、柳沢)およびザバイカル地方チタ州、ネルチンスク市、イルクーツク州、ブリヤート共和国で清露間のネルチンスク条約の締結地の遺跡とモンゴル語訳『異域録』、キャフタ条約締結を知らせた理藩院档案などの諸史料を調査した(細谷、中見、加藤、江夏、柳沢)

  • 中華世界の成立―18世紀における狩猟・牧畜・農耕文化圏の接触と融合

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    1999年
    -
    2000年
     

    細谷 良夫, 江夏 由樹, 中見 立夫, 加藤 直人, 柳沢 明, 楠木 賢道, 松浦 章

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    19世紀末まで一つの歴史世界を構成していた黒龍江流域文化圏の現状を探るため、ハバロフスク教育大学コピチコ助教授(極東考古学)及び現地に精通する大坊公民氏の協力を得て、ロシア領黒龍江流域をハバロフスクからニコライエフスク・ナ・アムーレまでにわたる各地をヘジェ赫哲族=ナーナイ族を中心に調査し、現在でも黒龍江に依拠する文化圏の存在を確認した。山東省青州に駐屯した八旗駐防の遺跡と後裔を調査し、満城を中心に漢語音などに固有の満洲族文化が残されていることを見いだした。第一歴史档案館では内国史院档案、内閣全宗「礼科史書」、軍機処全宗「俄羅斯档」、八旗都統衙門全宗「職官類」の調査、国家図書館、科学院図書館、社会科学院近代史研究所図書館では、満漢文八旗档案の所在調査を実施した。韓国ではソウル大学校図書館及び奎章閣所蔵の満文史料と対清関係図書と文書の調査を行った。国内では本研究の国外分担研究者である中国社会科学院近代史研究所研究員劉小萌氏、カリフォルニア大学サンタバーバラ校助教授ELLIOTT, M氏および台湾中央研究院歴史語言研究所劉錚雲氏の参加を得て、東洋文庫清代史研究室などで満洲・蒙古・漢族文化が混合する八旗档案を中心にして、日本、アメリカ、中国、台湾の各機関に所蔵される八旗档案の現状とその研究状況を相互比較し検討した。また東洋文庫所蔵の廂紅旗档案と第一歴史档案館所蔵の八旗都統衙門全宗档案は清朝の廂紅旗衙門で作成された一連の档案であり、相互に補完し合うことを実証した。2年間の研究機関を通じて、文書史料については日本、台湾、中国(北京、潘陽、哈爾濱)の各機関に所蔵される満洲文と漢文档案を中心に所蔵状況と文書名の調査を実施した。また清朝=満洲文化の中華世界の周辺への波及について、雲南・貴州地方、山東地方、黒龍江下流域の調査を実施した

  • Erdeni tunumal neretu sudur orusibaの研究

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    平成5年度に“Erdeni tunumal neretu sudur orusiba"(通称『アルタン=ハーン伝』)の本文テキストの校訂とラテン文字転写(ローマナイズ)、および和訳の一部の作成を行い、平成6年度には和訳文の検討と難解語句の解釈を重点的に行ったことを受けて、平成7年度は和訳および注の草稿をほぼ完成した。この間に、研究成果を学術図書として刊行する方針が固まったので、平成8年度に至って科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を別途申請すると共に、引き続きラテン文字転写・和訳・注の全面的な再検討を行い、年度末までに原稿をほぼ完成した。次いで平成9年度には研究成果公開促進費(申請番号91052)の交付を受けて、序文・索引・年表・参考文献一覧表等の作成、原稿の校正等の作業を行い、平成10年3月に『『アルタン=ハーン伝』訳注』として風間書房から刊行した。なお、検討の過程で、『アルタン=ハーン伝』の本来の題名は“Erdeni tunumal neretu sudur orusiba"ではなく、“Altan quγan u tuγuji"と見るべきであるとの結論に達したので、英文タイトルではそのように表記した。本研究を通じて、『アルタン=ハーン伝』のテキスト校訂および難解語句(特に仏教関連語句)の解釈については、従来の研究水準を抜くことができたと信ずる。同時に、17世紀以降の多くのモンゴル文史書とは異なって伝説的要素をあまり含まず、前半では対外遠征を中心とするアルタン=ハーンの事績を、後半ではダライ=ラマの招請による仏教導入の経緯を、事実に即して記述していくという同書の特徴を、より明確にすることができた。このことはまた、16世紀におけるモンゴル-明関係の推移や、チベット仏教のモンゴルにおける普及の過程といったモンゴル史上の重要な諸問題に対しても、新たな光を投ずるものである

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現在担当している科目

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 近代モンゴルおよび中国東北(満州)における社会・文化変容

    2016年04月
    -
    2016年09月

    イギリス   ケンブリッジ大学

他学部・他研究科等兼任情報

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    高等研究所   兼任研究所員

特定課題制度(学内資金)

  • 清-ロシア関係史に関するロシアにおける研究史の総括と再検討

    2000年  

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     本研究の目的とするところは、特に18世紀の清-ロシア関係をめぐるロシア(ソ連)における研究史・研究動向を総括・再検討するための第一段階として、国内において可能な限りの情報を収集・分析することにあった。この目的を達成するため、具体的には次の3つの方面から作業を進めた。①Скачков、 П.Е. Очерки истории русского китаеведения (Москва、 1977) 、等の基本文献によって、ロシア(ソ連)の中国研究史を整理する;②既存の各種の文献目録等を基に、ロシアの中国研究に関するできるだけ総合的・網羅的な文献・資料の基礎リストを作成する;③関連文献を比較的多数所蔵する国内各機関について、②の基礎リストに基づく所蔵チェックを行うとともに、基礎リスト自体の補完も行う。以上のうち、②については、Скачков, П.Е. Библиография Китая (Москва-Ленинград、 1932);Tung-li Yuan、 Russian works on China 1918-1960 in American libraries(New Haven、 1961)等の目録のほか、研究代表者が1996年にモスクワのСинологическая библиотека(中国学図書館)における調査の際に作成した文献・資料リスト等を基に、逐次基礎リストを整備しつつあるが、現在のところ完成には至っていない。③については、早稲田大学中央図書館をはじめ、日本ロシア語情報図書館(東京都世田谷区)、北海道大学スラブ研究センター図書室等で調査を行ったほか、NACSIS-Webcat等のオンライン検索システムを通じての検索も実施し、データの充実に努めている。今後は、関連する概説書・研究書における引用・参照文献をもチェックして基礎リストをさらに充実させるとともに、より広範囲にわたる実地調査を進めた上、ある段階に達した時点で、上記①の作業に基づく適当な解題を付した上で公開する予定であるが、その方法としては、ホームページ等を活用することも考慮している。

  • 中国東北およびモンゴルにおける清朝の統治と民族集団の再形成の関係についての研究

    1998年  

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    本研究は,申請者が従来から継続的に取り組んできた清朝統治下の中国東北における諸民族集団の再形成のプロセスの解明を,隣接するモンゴルの状況との比較をも視野に入れつつ,より全面的に進めることを目的とするものであった。そのため,計画通り1998年7月から8月にかけて中国に出張し,主として北京の中国第一歴史档案館において清朝中央政府の文書史料(档案)の調査を行った。 実際に閲覧・調査したのは,1)1680~90年代の「礼科史書」と「兵科史書」と,2)1720~30年代の「朱批奏摺」で,特に1)に重点をおいた。 これは,1680~90年代が,ロシア帝国およびジュンガル部の東進によって東北とモンゴルの諸民族の分布・帰属に大きな変動が見られた時期に当たり,現在に至る民族構成の基礎が形成される画期の1つであったの認識に基づく。「史書」とは中央・地方官が皇帝に提出した上奏文(題本)の副本であり,これまで十分な調査・研究が行われておらず,また当該時期の題本の原本が多く散逸している関係上,東北・モンゴルに関しても未知の情報を相当量含んでいると期待された。しかし,実際に閲覧してみると,予想以上に残欠がはなはだしく,系統的な情報を得ることはきわめて困難であった。 それでも,1)当該時期に清朝が東北とモンゴルにおいて実施した一連の軍事行動への在地諸民族の動員状況;2)戦乱を避けて各地に分散した諸民族の各グループの動向;等について,若干の新たな知見を得ることができた。なお,中国第一歴史档案館における調査以外に,北京では相当数の関連書籍を購入した。以上の調査によって得られた知見については,これをロシア語史料から得られる情報と対比させつつ,目下分析を進めているが,具体的な発表先は現時点では確定していない。

  • 清代東北における諸民族集団の再編に関する研究

    1997年  

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    本研究は、中国東北地方の現在の諸民族集団の分布やエスニシティは、清朝による統治体制の展開の中で再形成された結果であるとの見通しを、具体的な資料に基づいて検証しようとするものである。こうした研究を進めるための一次資料としては、清代の中央・地方行政機関の文書(档案)のほか、日本支配期(「満州国」期)の調査報告・統計等も重要であるが、本研究では、これらのうち日本国内に所蔵されているものの収集・分析を行なった。実際に資料調査を行なった機関は、1)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2)一橋大学附属図書館、3)一橋大学経済研究所である。うち1)においては、マイクロフィルムの形で所蔵されている『黒竜江将軍衙門档案』のうち、康煕29(1690)年~59(1720)年の部分の一部を閲覧し、多数の文書を複写した(ただし、研究者が同研究所共同研究員である関係で複写が無料となったため、支出実績には反映されていない)。また、2)、3)においては、主として満州国期の資料を収集した。資料が膨大であるため、分析はなお完了していないが、関係するいくつかの民族集団のうち、特に現在内蒙古自治区呼倫貝爾盟陳巴爾虎旗(清代においては同地域は黒竜江の所管)の主要人口を構成するホーチン=バルガ(陳巴爾虎)と呼ばれる人々の前身が、1690~94年に戦乱を避けてハルハ(現在のモンゴル国)から黒竜江地区に流入した後、清朝によって八旗制に組み込まれながら移住を繰り返す中で、次第に民族集団としての再形成を果たしていく過程が、具体的に明らかになりつつある。本研究の成果は、「ホーチン=バルガ(陳巴爾虎)の起源と変遷」(仮題)として『社会科学討究』第44巻2号に発表する予定であるが、今後中国に所蔵される関連資料を調査・収集する機会が得られれば、研究成果をさらに充実したものとしていくことができるであろう。