瀬戸 直彦 (セト ナオヒコ)

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所属

文学学術院 文学部

職名

教授

兼担 【 表示 / 非表示

  • 文学学術院   大学院文学研究科

学歴 【 表示 / 非表示

  •  
    -
    1987年

    その他(海外の大学等)   人文科学研究科   オック語文学語学研究課程  

  •  
    -
    1987年

    早稲田大学   文学研究科   フランス文学  

  •  
    -
    1987年

    早稲田大学   文学研究科   フランス文学  

  •  
    -
    1978年

    早稲田大学   文学部   フランス文学専修  

学位 【 表示 / 非表示

  • l'Universite de Paris IV (Sorbonne)   l'Universite de Paris IV : doctorat de 3e cycle

  • パリ第4大学(ソルボンヌ)   文学博士

  • Universite Waseda   maitrise

  • 早稲田大学   文学修士

所属学協会 【 表示 / 非表示

  •  
     
     

    西洋中世学会

  •  
     
     

    国際オック語圏研究学会

  •  
     
     

    日仏ギリシア・ローマ学会

  •  
     
     

    国際アーサー王学会

  •  
     
     

    日本フランス語フランス文学会

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研究分野 【 表示 / 非表示

  • ヨーロッパ文学

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 仏語・仏文学

論文 【 表示 / 非表示

  • ダウデ・デ・プラダスの「教訓詩」(PC 124, 2)について ーtozetaという単語の意味ー

    瀬戸直彦

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   66   271 - 290  2021年03月

  • Quelques remarques sur un texte du "Maestre dels trobadors" : Leu chansonet' e vil (Giraut de Bornelh, PC 242, 45)

    Naohiko Seto

    Actes du XIIe Congres de l'Association Internationale des Etudes Occitanes, 7. 2019 Albi     103 - 112  2019年03月  [査読有り]

  • 「太陽が恥じらうかのように赤く上ると」-中世南仏の物語『フラメンカ』をめぐってー

    瀬戸直彦

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   64   1 - 13  2019年03月

  • アササンassasinという単語の初出について

    瀬戸直彦

    Etudes Francaise - 早稲田フランス語フランス文学論集   25   22 - 41  2018年03月

  • "Bella domna ab fresca color" : misogynie occitane dans le 'Secret des Secrets'

    瀬戸直彦

    Actes de l'XIe congres de l'Association Internationala d'Estudis Occitans     649 - 659  2017年07月  [査読有り]

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書籍等出版物 【 表示 / 非表示

  • 西洋写本学(翻訳・佐藤彰一との共訳)

    ベルンハルト・ビショッフ

    岩波書店  2015年 ISBN: 9784000610650

  • "May deu hom voler lo frug que l'escorsa" ? Remarques sur un cas d'hiatus (PC 389, 32, v.27)

    Naohiko Seto

    Actes du VIIIe congres de l'Association Internationale d'Etudes Occitanes, Bordeaux, 12-17 septembre 2005 (Presses Universitaires de Bordeaux), pp.339-353.  2009年09月 ISBN: 9782867815768

  • トルバドゥール

    瀬戸直彦

    『フランス中世文学を学ぶ人のために』 (原野昇編,京都,世界思想社)(分担執筆)  2007年02月 ISBN: 9784790712299

  • 写本テクスト学の構築に向けて—中世フランス抒情詩の諸相

    瀬戸直彦

    平成16−17年度科学研究費補助金研究成果報告書  2006年05月

  • Laus stultitiae de Peire Cardenal. edition et interpretation de la "fable" de la pluie merveilleuse

    Naohiko SETO

    Etudes de langue et de litterature medievales offerts a Peter T. Ricketts, Turnhout, Brepols(分担執筆)  2005年12月 ISBN: 2503516408

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受賞 【 表示 / 非表示

  • フェリブリージュ・ソシ

    2009年05月   フェリブリージュ  

共同研究・競争的資金等の研究課題 【 表示 / 非表示

  • フランス中世写本における欠損部分の研究―とくにオック語文献について

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    鞣皮紙写本における欠損部分は,作者ないしは写字生による写本成立時からのもの(故意の白紙など)のほかに写本を構成するの人々が受容する間に毀損したり改変したりしたものがありうる。本研究では,南フランスのオック語によるトルバドゥール写本(抒情詩写本)のなかで,とくにCとRと名付けられているものについての欠損部分の研究を行う。さらに,抒情詩ではなく,唯一の写本に残された『フラメンカ』という物語における欠損を詳しく研究してみる。巻頭・巻末の欠損,途中の切り取り,読者の羞恥心によるものか,大胆な削り取りなど,さまざまのテクストの「不在」がありうる。そのもつ意味を考究してみたいと考えている

  • 巻子本からコーデクスへ―「マルギナリア」を手がかりにして

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    中世オック語(南仏語)の写本のひとつに,欄外の挿画として,テクストを巻物に記している姿が描かれていることに着目して,中世の抒情詩がもともと口承で伝えられたのか,あるいは最初から書記化されていたのかという問題を考察するために始めた研究である。具体的には,二つの軸を中心に研究を進めていった。ひとつは,ジラウト・デ・ボルネーユという12世紀後半の著名なトルバドゥールの一作品の諸写本の検討とその校訂について,もうひとつは,現在カルカッソンヌに保存されている写本が唯一伝える『フラメンカ』という韻文物語の,とくに後半部分の解釈と,伝承過程における写本の脱落ないし抹消部分への着目である。中世の作品が口承によるものか,最初から書記化されていたかという問題はジャンルによっても時代によってもアプローチの仕方が異なる。一律に解答が出るわけではない。本研究においては,12世紀末のオック語詩人のじっさいのテクストをもとに解釈をほどこし(内的な批判),ヴァリアントを勘案して校訂のさいの欄外挿画の意味(外的な批判)をさぐってみた。口承という曖昧な概念ではなく,諸写本に書記化されたそのテクストを地道に検討すること,また,抒情詩だけではなく,長い物語(『フラメンカ』)を俎上にのせることによって,唯一残されたその写本のマテリアルな姿(脱落・抹消など)を現代のわれわれがいかに受容すべきかを示した

  • 俗語版『秘中の秘』の伝播の研究―西欧中世における養生術の系譜

    研究期間:

    2013年04月
    -
    2016年03月
     

     概要を見る

    『秘中の秘』という,9世紀ペルシアの「王者の鑑」につき,そのラテン語版2種類,中世オック語版,中世フランス語版をそのほかのロマンス語ないし英語版と比較することにより,とくにその養生術の部分に注目して検討を加えた。オック語版を中心にしてまず,12-15世紀における根強い女性嫌厭思想をその「シュナミティスム」にかかわる部分より指摘した。また中世フランス語版における10に上るヴァージョンのうちの9-10番目にあたる写本について調査した。そして,従来は『秘中の秘』につながるものとは認識されてこなかったウスタシュ・デシャンの一作品が,その養生術の部分を引き継ぎ集大成したものであると結論づけた

  • 俗語版『秘中の秘』の伝播の研究―西欧中世における養生術の系譜

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2013年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    研究の準備期間として,2013年3月に発表した「『秘中の秘』覚え書き―その養生術(中世オック語版)について―」(早稲田大学大学院文学研究科紀要,t. 58, 2012, pp.35-56)をもとに,とくに14世紀北フランスの抒情詩人ウスタシュ・デシャン(ca1346-ca1407)の作品における養生術を探った。3月の論文において比較校合した13世紀の韻文の南仏語版(写本は2種類)とそれがもとにした12世紀のヨハンネス・ヒスパレンシスのラテン語版(ショートヴァージョン)と,それを含む13世紀のフィリップス・トリポリタヌスによるロング・ヴァージョンの一部,すなわち養生術としての「シュナミティスム」の部分は,今回デシャンの5作品においては削除され,「半インテリ」層のための短い韻文の養生術としての側面がさらに強調されていることを確認した。
    5作品とは,「身体の健康を維持するための著名な教え」(1496番,226行),「ジャン・デマレ氏,ジャン・デ師,シモン・デ・ラ・フォンテーヌ師(高等法院判事)に宛てた書簡詩」(1417番,138行),「疫病に対するバラッド」(1452番,39行),「疫病に対する忠告のヴィルレー」(708番,41行),「疫病についてのバラッド」(1162番,24行)である。この中でとくに重要なものは一番目の作品で,私は「著名な教え」notable enseignementとわざわざ記していることに注目した。春夏秋冬における健康法,とくに胃のもたれやウェヌスの効用について詳述しているのは,明らかに『秘中の秘』を経由した古代医学のヒポクラテース,ガレノスの系譜につらなるものではないだろうか。

  • 俗語版『秘中の秘』の伝播の研究―西欧中世における養生術の系譜

    基盤研究(C)

    研究期間:

    2013年
    -
    2015年
     

     概要を見る

    研究の準備期間として,2013年3月に発表した「『秘中の秘』覚え書き―その養生術(中世オック語版)について―」(早稲田大学大学院文学研究科紀要,t. 58, 2012, pp.35-56)をもとに,とくに14世紀北フランスの抒情詩人ウスタシュ・デシャン(ca1346-ca1407)の作品における養生術を探った。3月の論文において比較校合した13世紀の韻文の南仏語版(写本は2種類)とそれがもとにした12世紀のヨハンネス・ヒスパレンシスのラテン語版(ショートヴァージョン)と,それを含む13世紀のフィリップス・トリポリタヌスによるロング・ヴァージョンの一部,すなわち養生術としての「シュナミティスム」の部分は,今回デシャンの5作品においては削除され,「半インテリ」層のための短い韻文の養生術としての側面がさらに強調されていることを確認した。
    5作品とは,「身体の健康を維持するための著名な教え」(1496番,226行),「ジャン・デマレ氏,ジャン・デ師,シモン・デ・ラ・フォンテーヌ師(高等法院判事)に宛てた書簡詩」(1417番,138行),「疫病に対するバラッド」(1452番,39行),「疫病に対する忠告のヴィルレー」(708番,41行),「疫病についてのバラッド」(1162番,24行)である。この中でとくに重要なものは一番目の作品で,私は「著名な教え」notable enseignementとわざわざ記していることに注目した。春夏秋冬における健康法,とくに胃のもたれやウェヌスの効用について詳述しているのは,明らかに『秘中の秘』を経由した古代医学のヒポクラテース,ガレノスの系譜につらなるものではないだろうか。

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特定課題研究 【 表示 / 非表示

  • フォルケ・ド・マルセイユの校訂について

    1995年  

     概要を見る

    1994年度は在外研究の機会にめぐまれ,以前よりてがけていたトルバドゥールの校訂の仕事が多少とも進んだ,すなわち中世の抒情詩人フォルケ・ド・マルセイユ(フォルケット・デ・マルセリャ)のイタリア写本を筆写し,パリではInstitut de Recherchre et d'Histoire de Textesやフランス国立図書館に通って,中世韻文作品の校訂の現状を知ることができた。 95年度には,前年度に得た資料や情報によって,あらたに写本のマイクロフィルムを入手し,また在外研究期間中に学んだイタリアでの,フランス中世抒情詩にかんする研究を整理し,校訂の作業にあらたにとりかかることができた。この作業は現在も続けているが,これまでなされ,また,つぎつぎになされつつある,ほかの研究者による研究の整理をおこない,自分の仕事にあらたな方向づけを与えることを,ひとつの課題とすれば,じっさいに数十存在する写本の校合を続けることはまたおのずから別の課題であるといえる。自分にとっては,この二つの課題は,研究の両輪と考えている。 前者については,パリ第4大学の研究誌に,従来よりわたしの研究対象にしてきたC写本(B.N.F. fondsfrancais 856)の研究とフォルケ・ド・マルセイユの関係をまとめて整理してみた。また,写本校合の過程で判明してきた a写本(フィレンツェ,リッカルディアナ図書館2814とモデナ,エステンセ図書館,Campori,N.8.4; 11, 12, 13に収録されている)の写字生の,原本をしるすにさいしての態度,そしてそれがCの写字生と対照的なことを主題にして,『新村猛先生追悼論文集』(96年末刊行予定)に一文をしるしてみた。 後者については,『大学院文学研究科紀要』に,じっさいの校訂の例として,フォルケの十字軍歌を選び,あわせて校訂の問題点をまとめて,自分なりの校訂の基準(principes d'edition)をしめし,批判をあおぎたいと考えている。

  • 中世フランスのトルバドゥール、フォルケ・デ・マルセイユの作品校訂

    1996年  

     概要を見る

     1231年にトゥールーズの司教として没したこの詩人についての校訂を目標にしているわけだが、具体的にはつぎの二つの方向を見据えながら研究をすすめた。すなわち: (1)ほかの研究者による校訂を調べ、方法論を模索すること (2)じっさいに数十ある写本を校合すること 今年度は事実上前者の方向を探るのが主になった。というのは、4月に、『文学研究科紀要』に載せた論文において、フォルケ・デ・マルセイユの詩を、いわば見本として一つ選びC写本をもとに校訂し、注釈をほどこしてみたところ、なぜC写本に固執するのかという疑義が寄せられたからである(たとえばFreie Universitat のAngelica Rieger教授)。自分としては、すでにこの写本の性格についてはある程度論じていたので(たとえば95年の《Le chansonnier C et le troubadour Folquet de Marseille》in La France Latine において)、十分な説得力をもっているかと思っていたのだが、やはり問題は残るのかもしれない。つまりCにしか収録されていない作品は別にして、ほかのヨリ古いイタリア写本(ヴァティカンのA写本-13世紀末、モデナのD写本-1254年)のほうが、底本には適しているのではないかというのである。CやRは、13世紀末から14世紀初めのラングドック地方で作られたと推定される写本で、多かれ少なかれアルビ十字軍以降の、南仏の政治情勢をただよわせたテクストといえる。 それでは、イタリアに残されたテクストのほうが、トルバドゥールの作品を忠実に伝える度合が多いか、多いとしたらいかなる点においてか、といった問題にとりくむ必要があった。そのためには、別の詩人のテクストをも検討し、Cとの差異を比較しなくてはならない。そこで初期のトルバドゥールであるマルカブリュとジャウフレ・リュデルのいくつかの詩を爼上にのせてみた。マルカブリュの作品については、97年4月の日本ロマンス語学会の30周年記念シンポジウムで発表する予定、ジャウフレ・リュデルのほうについては別の機会にあきらかにしたいと考えている。

  • コーデクス(冊子本)の成立について-ジラウト・デ・ボルネーユの場合

    2018年  

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    2017年7月にトゥールーズ大学 (Institut National Universitaire Champollion (アルビ))で開催された第12回国際オック語オック文学研究学会において,12世紀のトルバドゥールであるジラウト・デ・ボルネーユの一作品における解釈と校訂を軸に研究発表を行いました。Leu chansonet' e vil で始まる第45作品を詳細に検討し,1910-1935年のコルゼン版と1989年のシャーマン版を俎上にのぼせて,従来の校訂版の問題点をあきらかにしました。また本文テクストの選択と詩節の順番という問題にかんして,この第45作品におけるある程度の解答を用意して,ジラウト・デ・ボルネーユという難解な作者の文体の秘密に多少とも迫ってみました。この発表は,査読された上で,2019年中に刊行される論文集に掲載が決まりましたが,査読委員の,トゥールーズ大学のドミニック・ビイイ教授(旧知の方です)と頻繁にやり取りを行うことができました。2018年度はまた,写本(コーデクス)の成立という本研究課題にかんして,ジラウト・デ・ボルネーユ以外に,南仏において13世紀後半に記されたらしい『フラメンカ』という物語について研究を行うことができました。8000行以上におよぶ長い物語です。これは内容的にもきわめて興味深いものですが,写本はひとつしか残らず,それが冒頭と巻末を欠いており,途中にも脱落があります。とくに途中の脱落と,伝承過程における一部の抹消部分について研究を進めてみました。それが大学院の紀要にしるした論文です。

  • 中性フランス叙情詩のC写本による読解―フォルケ・デ・マルセイユを中心に―

    1998年  

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     1998年度には前年度より研究を進めてきた、12世紀のトルバドゥール、ジャウフレ・リュデルの第4歌の解釈を、M〈SUP〉h2〈/SUP〉というマドリッドの写本をもとに、新たな視点から行ったものを紀要に発表した。Cとeという2伝本を折衷した従来の読みをあらため、後者が、詩節の構成と数から作者のオリジナルに近いであろうこと、そして、この作品が、同時代の《スキャンダル》であったアベラールとエロイーズの恋愛事件に想をえているのではないかという仮説を提示してみたのである。そして、その後の研究成果も踏まえて、e写本を底本にしたテクストを作り、12月にパリ大学(ソルボンヌ)中世研究所50周年記念コロックで、その骨子を発表した。そのさい、ジュネーヴ大学のペルージ教授から、eの読みでは弱い点をいくつか指摘された。長年の懸案であるフォルケ・デ・マルセイユの校訂には、まだなかなか本格的な取り組みができないでいるが、C写本の読みをこうして、すこしづつ外堀から埋めるようなかたちで、浮き彫りにしていければと思っている。 またロマンス語文献学の研究の上で、イタリア学派と称するべき写本校訂への一傾向(上記のペルージ教授も現在ではその代表者のひとりである)の、これまでに果たしてきた役割をまとめてみた。これは結果的に、トリノ大学のダルコ・スィルヴィオ・アヴァッレによる抒情詩の写本に関する総合的な研究(1961年、第2版1992年)の批判的な紹介ということになった。イタリア学派の特色は、現存する複数の写本の読みを、ラハマン法を用いて系統樹を作って重ね合わせ、祖本にさかのぼるところにある。推論に推論を重ねて「原作」に肉薄するその方法は、第2次大戦前のドイツの文献学の衣鉢を継ぐものだが、テクスト校訂上の一写本優先の方法(1929年以降のベディエの方法を基本とするフランス学派と、それに追随するイギリス・アメリカの研究者たちの方法)の対極をなすものである。

  • 中世フランス抒情誌の諸写本におけるテクストの性格―C写本の読みは底本に値するか―

    1997年  

     概要を見る

    中世フランス抒情詩のオック語写本について、フォルテ・デ・マルセイユの校訂をC写本を底本として実現するという作業を通じて、その性格をさぐるのが私の久しい前からのテーマである。 本年度は、まず4月末のロマンス言語学にかんするシンポジウムで、12世紀の詩人マルカブリュの一作品(PC, 293-18)をもとに、C写本と他の写本の提供するテクストの相違を検討してみた。従来じゅうぶんな形で活字にされることのなかったCによる本文は、他写本のしめすものに10近い詩節を加えて、かなりきわどい、それだけに解釈の困難な詩行となっている。この写本の編纂者(写字生)の面目躍如といった感があって、その饒舌な(原テクストに自由に付加するという)側面を照射できたのではないかと思う。 つぎに、やはり古典期にぞくするトルバドゥール、ジャウフレ・リュデルの作品(PC, 262-1)について、文学研究科の紀要にしるした論文で考えてみた。Cとe(=Mh2)という2写本により伝えられる詩であり、内容に不可解なところがあるため従来のアンソロジーには採られてこなかったものである。さて、Cはこの作品末尾の第6・7詩節を収録していない。なぜだろうか。これはやはりCの編纂者の性格によるのではないか、というのが、私の結論で、以前ギレーム9世の作品について云々したときにも指摘した、その合理主義者としての削除の結果だと考えられる。自分にとって難解な部分は訂正してしまうか、それができないときは、ばさりと切って捨てる態度である。この論文のなかでは、この作品がもともとアベラールとエロイーズの伝説を想起しつつ書かれたのではないか、という私なりの解釈もしめしておいた。なお、C写本のこのような性格(やたらに長くする傾向と、難解の箇所を切って縮める傾向)については、98年3月に出版された『新村猛先生追悼文集』で、Cとaの写字生のメンタリティ(心性)の比較という観点からも検討してみた。参照されたい。研究成果の発表1998.3 「ジャウフレ・リュデルの「災厄の記」―第4歌の一解釈」、in『早稲田大学大学院文学研究科紀要』、t, 43-2, 1997. pp.25-44.1998.3 「寡黙の饒舌―中世南仏の二人の写字生」、in『新村猛先生追悼論文集』、1998. pp.225-236.1998(予定) 《Fals'amor de Marcabru selon un chansonnier occitan (PC.293-18)》,in Lesser-Used Languages and Romance Linguistics, Roma, Einaudi.

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海外研究活動 【 表示 / 非表示

  • 中世フランス抒情詩の文献学的研究

    2011年03月
    -
    2012年03月

    フランス   高等実習研究院・モンペリエ大学

 

現在担当している科目 【 表示 / 非表示

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