2022/06/30 更新

写真a

ハシモト キイチロウ
橋本 喜一朗
所属
理工学術院
職名
名誉教授

学位

  • 理学博士

所属学協会

  •  
     
     

    日本数学会, AMS(American Mathematical Society)

 

研究分野

  • 代数学

研究キーワード

  • ガロア理論、生成的多項式族、数論幾何学

論文

  • Geometric generalization of gaussian period relations with application to noether’s problem for meta-cyclic groups

    Ki-Ichiro Hashimoto, Akinari Hoshi

    Tokyo Journal of Mathematics   28 ( 1 ) 13 - 32  2005年

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    We study Noether’s problem over Q for meta-cyclic groups. This paper is an extension of the previous work [2], which was concerned with the cyclic group Cn of order n. We shall give a simple description of the action of the normalizer of Cn in Sn to the function field Q(x1,…, xn), in terms of the generators of the fixed field of Cn given in [2]. Using this, we settle Noether’s problem for the dihedral group of order 2n (n ≤ 6) and the Frobenius group of order 20 with explicit construction of independent generators of the fixed fields. We shall also reconstruct some simple one-parameter families of cyclic and dihedral polynomials. © 2005 International Academic Printing Co. Ltd. All rights reserved.

    DOI

  • Families of cyclic polynomials obtained from geometric generalization of Gaussian period relations

    KI Hashimoto, A Hoshi

    MATHEMATICS OF COMPUTATION   74 ( 251 ) 1519 - 1530  2005年  [査読有り]

     概要を見る

    A general method of constructing families of cyclic polynomials over Q with more than one parameter will be discussed, which may be called a geometric generalization of the Gaussian period relations. Using this, we obtain explicit multi-parametric families of cyclic polynomials over Q of degree 3 <= e <= 7. We also give a simple family of cyclic polynomials with one parameter in each case, by specializing our parameters.

  • Q-curves of rational j-invaritants and Jacobian surfaces of GL2-type

    Galoas Theory and Modular Forms,DEVM 11, Kluwer Acad. Publ.   11  2003年  [査読有り]

  • Galoas Theory and Modular Forms

    Ki-ichiro Hashimoto, Katsuya Miyake, Hiroaki Nakamula

    Developments in Mathematics, Kluwer Acad. Publ.   11  2003年

  • Generic polynomials over Q with two parameters for the transitive groups of degree five

    Ki-ichiro Hashimoto, Hiroshi Tsunogai

    Proceedings of Japan Academy   79A ( 9 ) 148 - 151  2003年  [査読有り]

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 代数学における保型形式的構造とゼータ関数の明示的研究

    科学研究費助成事業(大阪大学)  科学研究費助成事業(基盤研究(A))

    研究期間:

    2001年
    -
    2004年
     

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    研究代表者は研究期間中の4年間に、ドイツOberwolfach研究集会1回、スプリングコンファレンス3回、オータムワークショップ2回(うち1回は学術振興会後援による日独セミナー)、「保型形式とゼータ関数」研究集会1回、整数論ミニ研究集会1回の計8回を開催し、多くの外国人研究者、国内の研究分担者、協力者とともに有効な研究を行った。これらの多くは当科研費で報告集を発行しており、その総ページ数は970ページにのぼる。特に3回にわたる合宿形式のスプリングコンファレンスでは、異分野間の交流をめざし、保型形式環、頂点作用素代数、および最新の話題のそれぞれのテーマで当初予定していたとおりの進行で、保型形式とその周辺分野の研究を行い、研究集会で提示された他分野の予想を解くなど、満足のできる成果をあげ、さらには報告集は今後の研究の基礎資料になっている。具体的な研究成果としては、研究代表者は、次数2の重さ整数および半整数のベクトル値ジーゲル保型形式の間の志村タイプの同型対応予想を離散群とウェイトのを正確に指定した1対1予想の形で精密な実験データとともに提出し、その他、ジーゲル保型形式環の構造と微分作用素、Borcherds積、重さ整数および半整数のベクトル値ジーゲル保型形式の構成、保型形式上の微分作用素から決まるホロノミー系、エータ積の正値性に関するK.Saito予想の一部の証明、各種リフティングのKoecher-Maass級数の研究、ベクトル値ヤコービ形式の研究、分数ウェイトの保型形式環の研究などを行った。分担者もまた論文リストからわかるように、この間、共形場理論、球関数、Whittaker関数、概均質ベクトル空間、ユニタリー群上の保型形式、楕円ルート系、p進保型形式、L-packet,アデール幾何、逆定理、頂点作用素代数、L関数の特殊値、組合せ的デザイン、弱球等質空間、ガロアの逆問題、CAP形式などで研究成果をあげた。

  • 統計的漸近理論の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(一般研究(C))

    研究期間:

    1986年
    -
    1987年
     

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    1.確率過程における母数推測問題は今年度はとくに重点的にとりくみ,エルゴディックモデルおよび非エルゴディックモデルにおける母数の有効推定量,最良検定の存在と構成についてしらべた。いくつかの成果もえられ現在はその整理段階である。2.非正則統計モデルにおける推測については,確率解析の応用により見通しのよい議論ができることが予想されるが,現在の段階ではいくつかの個別モデルにおける応用がみられる程度で,今後の研究課題である。さらに非正則モデルにおいては,正則モデルにおける場合と異なり漸近有効推定量,漸近十分統計量の構成については統一的な結果は得られてなく,今年度においては主としてこれまでの成果と問題点の整理がなされた。3.統計的実験の比較の理論は大きくわけて2つの方向から研究されている。一つは,非常に一般的な構造である非支配的構造をもつ二つの実験を比較する問題であり,他の一つは,Σ>0を正の定数としたとき,許容度Σの範囲でそれらを比較するいわゆる“Σー比較"の議論である。前者は数学基礎論とも関連し,非常に精緻な議論を必要とし,後者は抽象Lー空間,Mー空間,transition,projection等の概念を通して関数解析とも密接に結びつけている。これらは現在積極的に研究されつつある

  • 統計的漸近理論の研究

    科学研究費助成事業(早稲田大学)  科学研究費助成事業(一般研究(C))

    研究期間:

    1986年
    -
    1987年
     

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    1.確率過程における母数推測問題は今年度はとくに重点的にとりくみ,エルゴディックモデルおよび非エルゴディックモデルにおける母数の有効推定量,最良検定の存在と構成についてしらべた。いくつかの成果もえられ現在はその整理段階である。2.非正則統計モデルにおける推測については,確率解析の応用により見通しのよい議論ができることが予想されるが,現在の段階ではいくつかの個別モデルにおける応用がみられる程度で,今後の研究課題である。さらに非正則モデルにおいては,正則モデルにおける場合と異なり漸近有効推定量,漸近十分統計量の構成については統一的な結果は得られてなく,今年度においては主としてこれまでの成果と問題点の整理がなされた。3.統計的実験の比較の理論は大きくわけて2つの方向から研究されている。一つは,非常に一般的な構造である非支配的構造をもつ二つの実験を比較する問題であり,他の一つは,Σ>0を正の定数としたとき,許容度Σの範囲でそれらを比較するいわゆる“Σー比較"の議論である。前者は数学基礎論とも関連し,非常に精緻な議論を必要とし,後者は抽象Lー空間,Mー空間,transition,projection等の概念を通して関数解析とも密接に結びつけている。これらは現在積極的に研究されつつある

  • 各種微分方程式の数理解析的研究

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    (1)非線形移流項をもつ特異摂動問題とε→οとしたとき得られる問題に対する一般的理論を整理しその発展を試みた。とくに数値解析に重点を置いてE-scheme等差分schemeの特長を調べた。(2)自然科学における現象を記述するモデルの非線形微分方程式に対し、理論的解析および有効な計算法の開発をめざした。(3)各種微分方程式の特性を利用したadaptiveな数値計算法の開発てめざした。そのため、対象の微分方程式の性質を数理解析的にもとらえ直しを試みた。(1)と(2)については必要な研究の基礎はつかまえたがまだ部分的な解決に留っており、今後も継続した研究が必要である。(3)については一定の成果を得ることができた。とくに、計算法と誤差解析との関連がより明確化できた。結果は順次整理して発表する予定である

  • 代数群上の保型函数論とP-進離散群の研究

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    1.ユニタリ-群の類数の研究。虚2次体Kを係数とする正値ユニタリ-形式の類数を求める問題は代数群の数論に於ける一つの基本問題であるが、本研究ではこれをSelbergの跡公式を応用する事により求める事を試みた。この方法は既に四元数環や二次形式の類数の計算で応用され多くの成果が上げられているが、ユニタリ-群(正値エルミ-ト形式)ではこれが最初の成果である。まず一般階数のユニタリ-群の共役類の分類研究をし、次に跡公式の主要項であるMass formulaの具体的表示の初等的証明を与えた。また階数が2、及び3の場合に、unimodular latticeを含む種(genus)の類数に対する具体的公式を与えた。2.P-進離散群のSelberg-Ihara型ゼ-タ関数の研究。伊原氏はLie群の離散群に対するSelbergゼ-タ関数の類似をP-進体K上の二次特殊線形群(PSL(2、K)の離散群に対して考察し著しい結果を得た。本研究では伊原の結果をK-rankが1の線形代数群に一般化する事を試み、所期の成果を収めたものである。主要な成果はゼ-タ関数の有理式表示及び特殊因子(1-u)が商空間の2乗可積分関数空間のスペクトル分解に於いて所謂Steinberg表現に対応し両者の重複度が等しいという結果である。3.有限グラフのゼ-タ関数の研究。上記2の研究を更に一般化したもので、任意の連結有限グラフXとその基本群の有限次ユニタリ-表現pに対してゼ-タ関数Z(X、p;u)を定義し、これに関数行列式としての表示を与え、それより導かれる多くの性質を研究した

  • 場の理論の数学

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    2次元共形場理論の出発点は,複素解析的にouカーstateとin stateを記述することにある。4次元共形場理論においても複素解析的手法を適用し,粒子場と反粒子場とが,各々複素平面のはりあわせとして関係していることを示し,共形場理論への出発点を与えることができた。S^4上のディラック作用素と赤道S^3上のハミルトニアンを複素ベクトル場を成分とする行列で具体的に表示することにより,S^4上の調和スピノ-ルの特徴づけを与え,またS^3上のハミルトニアンの固有値および完全固有スピノ-ル系を求めた。一方S^3へのSU(2,D)の左及び右からの作用より得られる最高ウエイメト表現に附随した球函数を2次元複素座標により表示した。これは初等的な結果であるが新しい。この球函数の族が上記固有スピノ-ルを系統的に与えることがわかる。この固有函数系に自然に附随してS^3上の無限次元グラスマン多様体が構成される。このグラスマン多様体の各元はS^4の北半球,南半球のスピノ-ルに境界系件を与えていると考えられる(witten's idea)が,このtransmission問題を考え解訳した。とくにディラック作堂素の指数定理の直接計算による証明が得られた。さらに進んでフェルミオン・フォック空間を導入した。ヴィラソロ代数の4次元の類似を探することが今後の問題となる。(以上 郡)量子群の研究に関しいは,A_< nー1>型のヘッケ代数により量子群Vg(gl(n+1))の表現の指標を訳定する研究が行なわれた(上野)この他,函数解析の基本的定理に関して,Whitteyーschwartzによるdistribntionの特徴づけの定理の精密化が得られた(垣田

  • 単項化定理と関連する諸題目の研究

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    類体論はア-ベル拡大論の理論であるが,その中心はアルチンの相互法則である。高木が類体論を完成し,アルチンが相互法則をその画竜点晴として加えた。現在類体論の証明は相互法則の証明を直接目指し,その系として高木の同型定理・分解定理などを証明する。筆者はこういう証明方法の不透明さ,非直観性を指摘し,歴史的段階に従って同型定理分解定理を証明して後,相互法則を証明する道筋をより直観性に富むと考え,その方針で証明を簡易化した。今迄の証明法の非直観性はアルチン写像4:Ck→Gal(J/k)を直接定義せず,その逆写像を定義することに由来すると思われる。そのような方法になる理由はコホモロジカルな証明を用いるからである。同型定理・分解法則の接接証明を目指するとき,ネックとなるのは存在定理を用いるところにある。その存在定理の証明ま大変困難で,相互法則を用いると大変簡単になるのが問題点である。筆者は,同型定理‥分解法則の証明に用いられる存在定理は実は限定された種類のものであることを指摘し,限定された存在定理はごく簡単に証明できることを示した。かくして「高木の等式」⇒「高木の類体論」⇒「相互法則」⇒「存在定理」のル-トが確立し,見通しのよい証明法が得られたと確信する。なおこの証明構成は津田塾大学でひらかれた研究会で報告し,論文集も4月には発行されるが,その成度にのっとった類体論の証明を単行書として日本評論社から評行の予定である

  • 無限次元リー群およびリー環の表現とその応用

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    当該年度において上記研究課題の下で、下記の成果および追展があった。Vuiasoro代数の可約Verma加群Vhc((h,C)(〓^2)をパラメータ化する多項式の決定と可約Verma間のInterting作用素を頂点作用素を用いて表示する計算に、特別の場合にではあるが成功した。又、頂点作用素環の定式化と偶二次形式をもつ格子から頂点作用素環の構成に有効な知見を得た。分担者の上野喜三雄はMacdonan-1多項式を統御する量子群が"Upt(ηl∞)"であるべきだとの立場から、Belavinの完全Zm対線行列の概念を更に発展させ完全Z対称R行列の概念を導入し、その方程式をみたしていることを示した。又、Rの有限次元表現も構成している。上野は他に、量子SU(1,1)群のCasimier作用素の不変q-差分作用素のスペクトル解析についての結果も出している。分担者の郡敏昭は、Virasono代数の自然な拡張であるVat(S^3)のある中心拡大代数を把えることに成功した。即ち、多様体上の擬微分作用素環上のコサイクルを利用してVect(S^3)上の非自明なコサイクルを表現論的な計算を通じて具体的に与えたもので、この中心拡大代数は今後この方面の重要な研究対象になると考えている。この他、投稿基準中であるがBowdary Value Proflem for the Dirai Operators on S^4"でDirac作用素の固有関数で張られる無限次元Grassman多様体を用いて、場の量子論の試みを行っている。橋本喜一朗は、有限グラフXの自己同型群Aut(X)のある部分群Gとその有限次元表現Pに付随するArtin型L-関数L(m,p.X,G)を定式化し、これがある線型作用素の行列式で表示できることを証明し、有限グラフのPrime cycleに対する密度定理を巧妙な方法で証明している。この研究は有限グラフのSelfcrag-伊原のξ-関数の研究に連なる重要なものである

  • P-進代数群の離散群とHecke環の表現の研究

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    1有理数体上の正定値四元数環をB,その判別式をqとする.qと素な自然数Nに対して,level(q,N)のsplit order(極大と限らない整数環)が定義される。その同型類の個数(Type number)T(q,N)及び左(右)イデアル類数H(q,N),は有限でq,Nのみで決まる重要なBの不変量である.類数H(q,N)はlevel qN,重さ2の保型形式の空間の次元と一致し,その空間のBrandt行列及びtheta級数による正確な記述が知られている。これより,保型形式やモジュラー曲線,楕円曲線に関する各種の性質および,これらと関連する諸問題が四元数環のEichler orderの数論に翻訳され,前者の研究の重要な手段を与える。(1)申請者は今回の研究によって,一般のsplit orderに対してType number T(q,N)をlevel qN,重さ2の保型形式のうち,Atkin-Lehnerによるinvolution W_p(P|qN)の固有部分空間の次元と関係付ける公式を発見し,その証明を与えた。Eichler型orderの場合には,この結果は,Heck環の表現の分解を調べることにより,理論的な解釈を与えることが出来た。(2)さらに,これらの結果を応用して,theta級数による保型形式の構成を利用して,モジュラー曲線の自己同型群による商として得られる曲線が超楕円的になるものを分類する問題について,Nが平方因子を持たない場合の完全な解決を得た

  • P-進代数群の離散群とHecke環の表現の研究

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    本研究では,有理数体上の正定値四元数環のlevel(q,N)のEichler型orderについて以下の様な諸問題を研究した:1.Type number T(q,N)をlevel qN,重さ2の保型形式のうち,Atkin-LehnerによるinvolutionW_p(p|qN)の固有部分空間の次元と関係付ける公式を発見し,その証明を与えた.2.Brandt行列が各固有部分空間上に以下に作用するかを,数論的に記述子,Brandt行列とHecke作用素の跡を細分して比較する事によりその証明を与えた.3.与えられたlevel(q,N)に対して,Eichler orderの族O(p,s)を二つのパラメーターp,sを用いて構成した.更に,コンピュータを用いて,qN<5000の範囲内では常に族O(p,s)がT(q,N)個のEichler orderの各同型類を尽くす事が確かめられた.4.qN<5000の範囲内で,各(q,N)に対してT(q,N)個のEichler orderのtheta級数を計算し,その一次独立性を調べた.5.これらのtheta級数のランク(階数)は,保型形式fのうちHecke作用素の固有関数で,L-関数がL(f,1)≠0をみたすものの個数に等しい事が知られている.我々の計算は,s=1に於いてL(f,s)が2位の零点を持つ保型形式fの個数を与える.その様なfのlevel qNに関する分布を調べた結果,著しい一様性を示す事が明らかになった.6.Eichler orderに付随する他の4種類の二次形式付き格子に対してもtheta級数を計算し,その一次独立性を調べた.その結果これらのtheta級数の間に著しい関係が存在する事が明らかになった

  • 四元数theta級数とモジュラー曲線のヤコビ多様体の数論研究

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    1.四元数theta級数について. 今回の研究では,有理数体上の正定値四元数環Bでその判別式 qがq<10000なる素数の場合に,各q毎に(Type number T(q)個存在する)全ての極大整還の同型類の代表を求め,そのtheta級数を計算して,その一次独立性を調べた。これは従来の範囲q<5000を大きく拡大するもので,この結果,新たに90個のlevel q,重さ2の保型形式fで,s=1でのrankが2であるものが発見された(論文を準備中)。2.1.に於ける計算からtheta級数として得られた保型形式のFourier係数を用いて,モジュラー曲線とそのヤコビ多様体の研究を種々の角度から行った。特に,モジュラー曲線のAtkin-Lehner's involutionの群による商曲線X^*_0(N)のうちで超楕円的曲線になるものをlevel Nがsquare freeの場合に完全に分類した。更に申請者の研究室の助手・大学院生によって,Nが一般の場合や,X_0(N)の部分商なる曲線についても分類が完成された。また,同様に保型形式のFourier係数を用いて,モジュラー曲線X_0(N)の上に存在するHeckeの代数対応の方程式を多くの例について計算した。これは,ヤコビ多様体の自己準同型を詳しく研究する為に貴重な資料となる。3.「有理数体上の楕円曲線Eはモジュラー曲線X_0(N)のヤコビ多様体のQ-factorである」といういわゆる谷山-志村予想は,1994年にWiles-TaylorによりEが半安定な場合に解決されたが,我々は,ある種のQ上のアーベル多様体にこの結果を拡張し,その応用として代数体上のQ-curveと呼ばれる楕円曲線や,種数2の代数曲線で,ヤコビ多様体が四元数乗法をもつもの(QM-curve)について,谷山-志村予想を証明した。これは,中央大学の百瀬氏等との共同研究で,1996年度の代数学シンポジウムで3時間にわたって報告した

  • モジュラー予想

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    有機数体上定義されたG2_2型のアーベル多様体が、モジュール曲線のヤコビ多様体の因子に同種であろう、というRibet-Seneによるモジュラリティ予想を研究している。Wiles,Taylor, Diamondによるガロア表現の変形理論を、extra twistinngを持つアーベル多様体に適用することにより、或る条件の下にこの予想の成立をみた。この3年間では特に以下の事を得た。与えられた素イデアルについて、対象のアーベル多様体が潜在的に通常の場合にはWiles-Skinnaの理論を用いて、モジュラリティの条件を簡略化できた。また、潜在的に高さ2の還元を持つ場合には、Conrad,Diamond,Taylorの理論により通常考えられる範囲で、より条件を簡略化出来た。またGL_2型のアーベル多様体の族(/同種)のモジュライをGL_2型の志村多様体の自然な自己同型群による商多様体を用いて記述した。これは、ElkiesのQ曲線の分類におけるローカル・トゥリーの一般化と、Ribet-Ryleのdescent理論を組み合わせることにより得られた。これにより、対象となるアーベル多様体(/同種)がどの位あるかが分る。さらに、このモジュライ空間(/*)の整数論幾何学の研究により、どの位の範囲で、上記のモジュラリティに関する結果が適用されるかが分る

  • 代数曲線とヤコビ多様体の数論研究

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    1994年にWiles-Taylorにより有理数体上の楕円曲線の「谷山-志村予想」が半安定な場合に解決され, 応用としてフェルマーの最終定理(予想)が証明されたことは整数論の歴史に輝く画期的な展開であった. 本研究に先立ち我々は, ある種のQ上のアーベル多様体にWiles等の結果を拡張し, その応用として代数体上のQ-curveや, 四元数乗法をもつ(QM型)種数2の代数曲線について, 「谷山-志村予想」を証明した.本研究は, 上記の結果を適用できる代数曲線を具体的に構成し, その数論的性質を調べるという課題を組織的に遂行したものであるが, 十分に満足のいく成果が得られたと信ずる。主要な結果を数点挙げると・Q上の種数2の代数曲線Cでそのヤコビ多様体が非自明な自己準同型を持つものの族をいくつか構成し, GL(2)-型となるものを多数見い出し, それ等に対して「谷山-志村予想」を検証した.・逆に, 重さ2の保型(尖点)形式(new form) f(z)でそのFourier係数の生成する体が2次体Kであるものに対して, 対応する志村のアーベル曲面A(f)/Qについて, Q上の種数2の代数曲線でヤコビ多様体がA(f)とQ^-上同種なものを具体的に求める, という問題を研究し, K=Q(√<-5>), Q(√<-1>)となることが知られている11個の例について解答を得た.・楕円曲線の二重被覆をなす種数2の曲線の最も一般的な方程式を, 7個の自由パラメータを持つ族として得た. この特殊化により, 曲線属C(j)で, そのコビ多様体が2次体Q(√<j-12^3>)上ではj-不変量がjに等しい楕円曲線(Q-曲線)の積に分解するものを具体的に構成し「谷山-志村予想」を検証した

  • 保型関数の特殊値による正規底の構成

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    素数Pに対して,δ_pをしの原始P乗根とする。平成10年度はQ(δ_5)のZ_p-拡大のfirst layerの正規底をSiegel modular functionの特殊値として具体的に構成した。即ち,y^2=1-x^5のprincipal pelazlizationをもったヤコービ多様体にふづいしたCM点でのSiegel modular functionの値として構成した。これは1番目の論文に発表された。Z_p-拡大の正規底の存在はGreenberg予想と関係があるが,Greenberg予想については,Qのmod73のray class fieldの3次の部分体についてZ_3-拡大のλ-不変量が0になることを示した。これは6番目の論文に発表された。さらにQ(δ_5)のmod6のray class fieldの中にfull rankの単数群をSiegel modular functionの特殊値として構成した。これは2番目の論文に発表された。又3月には整数論の研究集会を開いた。平成11年度はQ(δ_5)のmod18のray class fieidの中にrank299の単数群をSiegel modular functionの特殊値として構成した。この結果は4番目の論文とした発表された。さらにQ(δ_5)のmod6のray class fieldの中にSiegel modular functionの特殊値としてMinkowski unitsを構成した。平成12年度には,Q(δ_5)のmod6のray class fieldのすべての単数をSiegel modular functionの特殊値として構成することに成功した。(ただし一般化されたリーマン予想を仮定する。)さらに曲線y^2=x^5-156x^4+10816x^3-421824x^2-8998912x-8042776を用いて,Q(δ_<13>)の4次の部分体のmod6のray class fieldの中にfull rankの単数群をSiegel modular functionの特殊値として構成できた

  • ガロアの逆問題とその数論への応用

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    1.研究代表者は本研究初年度の1999年に2回のワーク・ショップを開催,また翌年度に2回の研究集会に参画,それらの準備のもとで最終年度に国際研究集会「Galois Theory and Automorphic Forms」を開催した.現在その「報告集」を編纂しており,Kluwer Acad.Publ.から出版される.目的とするところは,古典的で,しかも多岐に展開された関連諸分野から本研究計画に密接にかかわるものを厳選し,その手法を含む情報を収集するとともに,我々の側の研究成果を発信することであった.本研究期間中にこれらの研究集会での招待講演者を含め,総勢14名の研究者を海外から招聘し,研究の実をあげた.2.特に研究代表者は,(1)二面体群に関するガロアの逆問題について奇数nを位数とする巡回群に対して1次分数変換を利用してただ1個のパラメータを持つ「生成的な多項式族」を簡明な形で提示し,さらに橋本喜一朗とともにこの方法を発展させて位数2n(nは奇数)の二面体群に対しても同様に簡明な生成的多項式族を与えた.(2)またn=3の場合の前項の多項式族を数論へ応用し,類数が3で割れる2次体およびその上の3次不分岐巡回拡大のすべてをパラメトライズする3次多項式の族を与えた.(3)数論における代数的方法と解析的方法の相互関連について,歴史的なアイデアの展開を中心にした総合報告を最終年度にまとめた.森田康夫の指導生椎名建仁はPSL_2(P^2)をガロア群に持つ有理数体上の1変数函数体のガロア拡大体の構成に成功した.また橋本喜一朗は正5角形上の二面体群に関して5有理数体上の2-パラメータの生成的多項式族を構成した.3.研究分担者総勢で研究期間中に73編の研究論文をまとめた.最新のもの10点(総計209ペイジ)を選ぴ,研究報告書に付録IIとして添付する

  • アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究

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    本研究の課題は,「ガロアの逆問題に対する構成的方法」の立場からアーベル方程式を構成する一般的メカニズムを得ることを目標とするものであるが,特にガロア群が巡回群である場合に焦点を絞って研究を進めた.2000-2002年度基盤C(一般)「アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究」において,申請者は学院生(修士)星明考君と共同研究で,ガウス周期の関係式の一部を幾何的に一般化し,多変数関数体上の巡回多項式族の構成を行った。本研究はその継続研究であり,ガウス周期の満たすある基本関係式を公理として関数体上で類似物を構成するという幾何的一般化を行ない,これによりガウス周期の既約多項式から巡回多項式族が得られるしくみを明らかにし,パラメータの個数も複数個に増やすことに成功した.すなわちガウス周期y_0,..,y_{e-l}をe個の独立な不定元とみなすと,基本関係式から関数体L=Q(y_0,..,y_(e-l))に成分を持つ行列Cが得られ,これらを全て添加した体K=Q(c_{i, j})は巡回置換によるLの固定体となる.これよりL/Kはe次巡回拡大であり,Cの特性多項式の根体となる.このアイデアに基づいて小さなeに対してパラメータ付きe次巡回多項式族が得られた.特に,この構成から得られた巡回多項式族のパラメータを特殊化し,e=7おいて定数項がn^7である簡単な表示をもつパラメータの族を得た.この結果はLehmerプロジェクトとして知られている研究の一般化を与えるもので,総実代数体の巡回拡大の単数の構成問題などに重要な研究方法を提供するものである.本研究の成果は2002年度春の日本数学会及び早稲田大学整数論シンポジウムを含む幾つかの研究集会で講演発表された.この研究を更に高次の場合に進展させることは重要な課題である

  • Siegel modular関数の特殊値による単数群の構成

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    虚2次体のアーベル拡大体の中の楕円単数がCM型楕円曲線のBirch-Swinnerton-Dyer予想の研究にとって重要であった。従って虚4次アーベル体のアーベル拡大のなかにSigel modular関数の特殊値で単数を構成する事が、その虚4次アーベル体にふづいしたアーベル多様体の研究にとって重要になってくる。以上の背景のもと本研究では次の成果を得た。平成13年度虚2次体上楕円曲線の等分点で生成されるZ_p-拡大についてGreenberg予想の類似例を発見した。(裏面4番目の論文)平成14年度S=e^<2πi/13>を有理数体Qに附加した体Q(ζ)のQ上に4次の部分体k=Q(5+5^3+5^9)のアーベル拡大の中にSigel modular関数の特殊値として単数を構成した。この単数とL-関数におけるKronecker limit formulaとの関係を調べた。即ち、村林、梅垣、Wamelenによって発見された種数2の代数曲線C : y^2=x^5-156x^4+10816x^3-421824x^2+8998912x-8042776のJacobian variety J(C)はCM型アーベル多様体となり、そのCM体は前述のkとなる。うまくSigel modular関数をみつけて、J(C)に対応するCM点を代入してkのmod 6のray class fieldの中にMinkowski unitを構成した。さらにkの2次拡大に対応しているHeckeのL-関数の1での値を上の単数をもちいて表すことに成功した。(裏面3番目の論文)平成15年度曲線y^2=x^5-1のJacobian varietyの2べき分点とQ(e^<2πi/5>)のmod4,mod8のray class fieldの単数との関係を調べた。各年度とも、3月に早稲田大学で整数論の研究集会を開き、毎年100人近い出席者を得た

  • 未踏数学の開拓と情報発信の高度化

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    本研究課題は,現在世界の第一線で指導的立場にある研究者を,個々の専門分野の境界を越えて有機的に結集し,共同研究や研究情報の交換を集約的に行うことにより,「未踏数学」(すなわち二十世紀後半に残された未解決問題や,二十一世紀の諸科学を結びつける要となる新理論)の研究の基盤を築くことを目的に遂行された.とくに,Advanced Studies in Pure Mathematicsのシリーズの刊行を軸に,わが国で得られたこのような未踏数学に関する研究成果を,高度な研究情報として迅速に世界に発信し,基礎科学としての数学の新しい展開に向けて,問題提起を継続的に行うことを目指した.この目的のために,本研究課題で行った主要なプロジェクトは次の通りである.1.未踏数学の開拓に関して(a)4つの国際研究集会の開催(b)4つの国内研究集会の支援(c)「$21$世紀の数学-幾何学の未踏峰-」の出版2.情報発信の高度化に関して(a)12の国際研究集会のプロシーディングスの刊行(b)数学ジャーナルの電子化を推進するためのワークショップの開催(c)Advanced Studies in Pure Mathematicsのホームページの整備(d)Advanced Studies in Pure Mathematicsのオンライン編集システムの整備(e)Advanced Studies in Pure Mathematricsの既刊分のデジタル化(f)Advanced Studies in Pure Mathematricsのクラスファイルの作成(g)幾何学分科会のホームページの整備とサーバーの更

  • ガロア理論における生成的多項式族の構成とその数論研究

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    本研究補助費の援助によって研究代表者が主催者となり開催した,研究集会に於いて多くの講演・討論が活発に行われ,直接・間接の両面で数多くの成果が挙げられた.特に,研究上で共通の課題をもち,近年著しい研究成果を挙げつつあることを鑑みて,海外から7名の研究者を招聘した.これによって互いの研究に大きな進展が得られたのみならず,今後の協力体制を確立できたことは大変有意義であった.本研究の主要課題である「生成的」多項式族の構成について,第一の成果は,5次の可移な置換群である5個の有限群S_5,A_5,F_5,D_5,C_5に対して,2個のパラメータを持つ生成的多項式族を具体的に構成したことである.更にこの研究の応用として最終年度においては長年の懸案であった,A.Brumerによる3助変数をもつ6次のA_5多項式族のがQ上生成的であることが証明できたことは特筆に値する.また,Noether問題に関しては,例えば8次巡回群については答は否定的であることが知られているが,8を法とする1次元有限アフィン変換群の位数16の非可換部分群Gで8次巡回群を含むものすべてに対して4次元線型Noether問題を考察し,その肯定的な解答と最適と思われる生成系を具体的に与えた.応用として,4次巡回拡大が8次巡回拡大に埋蔵され得るための極めて簡明な必要十分条件を与えた.また,基礎体をいろいろ変化させた場合にversalな8次巡回多項式の助変数を4から3に下げられる為の条件についても考察をし,簡明な必要十分条件を与えた

  • Siegel modylar関数の特殊値とJaccbian variety

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    平成16年度と平成17年度は、種数2の具体的な代数曲線で、そのJacobian varietyの自己準同型環の商体が虚の4次巡回体になるもについて研究した。即ち,その4次巡回体をKとするとき,Jacobian varietyの2べき分点をKに附加した体はKomod2べきのray class fieldを含むことを示し,さらにテータ関数の特殊値として得られるKomond2べきのray class fieldの元に表われる素因子がKで完全分解していることを示した。さらにmod4,mod8のray class filedの中にテータ関数の特殊値として単数を構成した。さらに平成17年および平成18年3月に早稲田大学において整数論の研究集会を開いた。平成18年度は,より一般なCM型アーベル多様体について,そのモーデルヴェイユrankとラムダ不変量の関係を調べて。即ち,Kを2d次のQ上ガロア拡大であるCM対とし、QをKの整数環とし、AをQと同型な自己準同型環をもつアーベル多様体とする。AはK上定義されているとし,PをKで完全分解する奇素数とする。AはPの上にあるKのprime でgood reductionをもつとし,Pの上にあるKのprime idealは単項イデアルとし,それを(π)とする。Aのπ-べき分点をすべてKに附加した体Lには岩澤ラムダ不変量が定義されている。AのK-有理点全体のQ-rankをrとするとき,我々は,上記岩澤ラムダ不変量がr-d以上であることを示した。これは岩澤理論がアーベル多様体のBirch-Swinnerton-Dyer予想についても役にたつことを示している。平成19年3月にも,早稲田大学で整数論研究集会を開き,100人以上の参加者を得た

  • 代数体上の有限クレモナ変換群に対するネーター問題と数論への応用

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    本研究においては,与えられた有限群Gの,代数的数を係数とする多変数有理関数体のクレモナ変換作用に関するネーター問題を研究し,所期の研究成果を得た.その成果を現在総合的に取りまとめる作業を行っているが,完成までにまだ多少の時間が必要である.また,本課題研究の一環として,研究集会「ガロア理論とその周辺」を山形大(2007),徳島大(2008),金沢(2007)において開催するとともに,各年度末に早稲田大学理工学部において整数論研究集会を開催し,海外の研究者を交えた講演と討論を通じて本課題研究の進展と今後の研究の進め方などについて討議した.これらの研究集会のいくつかについては報告集の冊子が印刷・配布されている

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特定課題研究

  • 代数体上の有限クレモナ変換群に対するネーター問題と数論への応用

    2006年   小松 啓一

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    (1) 「ネーター問題」の研究に関して, 6 次の可移置換群の有理関数体への 2 種類の作用について, 研究した. 6 次の可移置換群は共役を除いて全部で 16 個存在するが, そのような群 G の各々に対して, (i) 6 個の独立変数の置換作用に関する古典的なネーター問題および, (ii) それらの複比が生成する 3 変数有理関数体 Q(x,y,z)への G のクレモナ変換作用に関するネーター問題を考察し, これまでは未解決であった場合のうち, G=(6T10),(6T11),(6T14)について新手法によって固定体の生成元を構成し, 同問題を肯定的に解決した. (2) 6 次可移置換群のネーター問題と, 種数 2 の代数曲線のヤコビ多様体の 2 等分におけるガロア表現との関連について研究を進め, 2 次のジーゲルモジュラー群のレベル 2 の主合同部分群に対するジーゲル保型形式の次数付き環の商体に自然に引き起こされる商群 PGSp(2)= S_6 の作用が, 本研究と深く関連することを明らかにした. この見地から, とくに可移置換群の作用に関する固定体の幾何学的構造の研究が可能となった. (3) 種数 2 の代数曲線のヤコビ多様体の 3 等分におけるガロア表現についても同様な研究を進めた. 特に, 一般 5 次方程式から定まる種数 2 の代数曲線上の trigonal な関数を特徴付けることに成功し, これを用いてガロア表現の像が PGSp(3)になることを示し, その固定体を生成する40 次多項式を元の方程式の係数から求める簡明な手順を得た. (4) 研究集会「ガロア理論とその周辺」を徳島大学理学部において, 整数論研究集会を早稲田大学理工学部において開催し, この一年間の成果と今後の課題について討論した.

  • アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究

    2002年  

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    2000-2002 年度 基盤C(一般)「アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究」 において, 申請者の大学院生(修士)星 明考 君と共同研究で, ガウス周期の関係式の一部を幾何的に一般化し, 多変数関数体上の巡回多項式族の構成を行った. ガウス周期の既約多項式については, E.Lehmerによって 次数 e=3,4,5,6,8 の場合に 簡単な表示をもつ 1パラメータの e 次巡回多項式族が知られていたが, 高次のガウス周期の既約多項式に対して同様な巡回多項式族を得ることは困難で, その背後にはガウス周期の情報を与えるヤコビ和が e=7 で本質的に二種類に増えることが起因している. この障害を解決する方法として, 我々はガウス周期の満たす関係式関数体上での類似物を構成するという幾何的一般化を行ない, これによりガウス周期の既約多項式から巡回多項式族が得られるしくみを明らかにし, パラメータの個数も複数個に増やすことに成功した.この構成法は, さらに高い次数の考察及び次数に対する一般化も期待される. この研究は 上記の Lehmer の仕事を拡張する F.Thaine の最近の研究にヒントを得て, それをさらに一般化したものである. また e > 3 に対してある条件を付加することにより, e=4,5,6,7,8 に対して e-[(e-3)/2]個のパラメータがついた e次巡回多項式族が得られることを示した. 特に, この構成から得られた巡回多項式族のパラメータを特殊化し, e=7 において定数項が n^7 である簡単な表示をもつ 1パラメータの族を得た:F_7(n;X)= X^7-(n^3+n^2+5n+6)X^6+3(3n^3+3n^2+8n+4)X^5 +(n^7+n^6+9n^5-5n^4-15n^3-22n^2-36n-8)X^4 -n(n^7+5n^6+12n^5+24n^4-6n^3 +2n^2-20n-16)X^3 + n^2(2n^6+7n^5+19n^4+14n^3+2n^2+8n-8)X^2 -n^4(n^4+4n^3+8n^2+4)X+n^7.  nとして(総実)代数体 K の単数を走らせると,F_7(n;X) が既約であればK の 7次巡回拡大の単数が得られる.これらの研究を更に高次の場合に進展させることは今後の重要な課題である.

  • アーベル方程式の構成とガウス和の数論研究

    2001年  

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    「ガロアの逆問題」の最終課題は 与えられた体 k に対して, 与えられた有限群 G をガロア群とするガロア拡大 K/k を全てを求める問題であるが, 簡単な構造を持つ群の場合でも満足な結果は殆ど知られていない. 本研究では, ${\bf Q}$ 上の巡回方程式として基本的である「ガウス周期」の既約方程式を組織的に調べ, ${\ell}$ 次ガウス周期の既約方程式 $F_{\ell}(p;X)$ が, 前世紀半ばに Dickson により研究された「円分数」の行列の固有多項式として把握できることを解明, これを利用して巡回方程式の族を構成することを試みた. すなわち, ガウス周期の満たす性質の一部を公理として関数体上のモデルを構成することにより,このようなガウス周期から巡回多項式族が得られるしくみを明らかにし, これよりガウス周期がみたす種々の代数関係式を「円分数」の関係式性として解釈し, これを公理化して関数体上のモデルを構成することを試みた. その結果, ${\ell}=3,4,5,6,8$ の場合に, 複数個のパラメータ付きの巡回多項式族が比較的 simple な形(代数的整数論などへの応用も期待される)で得ることができた.

  • モジュラー曲線Xo(N)とそのHecke代数対応の数論研究

    2000年  

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     有理数体上の楕円曲線に関する「谷山―志村予想(Wilesの定理)」の一般化として、Serre-Ribetにより高次元のアーベル多様体に関して「アーベル多様体A/QがJO(N)のQ-因子と同種となる条件は、AがGL(2)型であることである」という予想が提唱されている。我々は、これまでの研究で、この予想および関連する問題を研究し、代数体上のQ-curveと呼ばれる楕円曲線や、種数2の代数曲線で、ヤコビ多様態が四元数上をもつもの(QM-curve)について、予想を証明した(中央大学の百瀬氏等との共同研究)。さらにGL(2)型の「アーベル多様体A/Qを組織的に構成・分類するという、具体的な研究を行ない、 (i)Jac(C)がGL(2)型となる代数曲線C/Qのパラメータ族の構成、 (ii)2次体上のQ-curveおよび、対応するGL(2)型アーベル曲面(Jac(C))の族を構成、 等々の結果を得た。本研究では、上記予想の一般証明の重要なステップとなる、モジュラー曲線XO(N)のHecke代数対応Hn(n=2,3,4,…)の代数曲線としての定義方程式を求め、合同関係式をXO(N)のmodularityに依存しない形で記述し、そのメカニズムを解明した。この結果の主要部は、理工学部助手の金山直樹氏との共同研究であり、論文にまとめる作業を継続中である。超楕円的なモジュラー曲線の場合に、小さなnにたいするHnの方程式については、1999年秋の日本数学会で発表済みである。 当初の目標はさらに、Hn自身をQ上の代数曲線とみてHasse-Weil L-関数を調べ、その解析接続と関数等式を研究することであったがこの課題については、2、3の特殊な例を扱うに留まった。モジュラー曲線の代数対応に対する、このような視点からの研究はこれまで皆無であり、極めて興味深い結果が期待でき、今後の大きな課題である。

  • GL(2)型の代数曲線の構成と数論研究

    1999年  

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    楕円曲線に対する「谷山-志村予想」は昨年完全な解決が得られ、その後の目標は高次元のアーベル多様体に対する予想の一般化に移行した。 Serre-Ribet により「アーベル多様体 A/Q が J_1(N) の Q-因子と同種となる条件は、A が GL(2) 型であることである」という予想がある。本特定研究では GL(2) 型のアーベル多様体を組織的に構成分類するという、基本的なアプローチから研究を進めた。具体的な研究成果は以下の通りである:(1) 2 元 6 次形式 f(X,Y) の空間に於ける PGL(2)作用(対称テンソル表現)を調べ、楕円曲線の二重被覆をなす種数 2 の曲線の最も一般的な方程式族が得られた。この特殊化により、曲線族 C(j)でそのヤコビ多様体が 2 次体上では 不変量が j の Q-曲線の積に分解するものを具体的に構成した。その結果、j が有理数のとき、JacC(j) は 「擬 GL(2)型」なることが判明した。(2) 上記ヤコビ曲面 JacC(j)/Q は殆んどの j に対して modular であることを示し、対応する保型形式の Neben type character を決定した。(3) 以上の研究をモデルとして、有理数を j-不変量に持つ 2 次体 k 上の楕円曲線(Q-曲線)の数論に体する一般理論を構築した。即ち、その minimality および k 上の 2 次 twist に体する sign change という現象を明らかにした。特に、各 j に対して この様な Q-曲線の類と k を含む 4 次巡回体が 1 対 1 に対応することが示された。(4) 非自明な実指標を持つ 尖点形式 f(z)でその Fourier 係数の生成する体が 2 次体が ガウスの数体であるもの(N=37,65,104,157,397,877)に対して、志村のアーベル曲面 A(f)/Q のモデルとして Q上の種数 2 の代数曲線で ヤコビ多様体が A(f) と 代数体上同種なものを具体的に求め、対応する 尖点形式を 4 変数の正定値二次形式のテータ級数として具体的に求めた。(5) Q上の自己準同型環が 判別式 8 の二次体の整数環となる曲線の族を構成した。

  • ガロアの逆問題の計算機による構成的研究

    1998年  

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     与えられた体kと有限群Gに対して、ガロア拡大K/kでそのガロア群Gal(K/k)がGと同型であるものが存在するかどうかを調べ、そのようなK/kを全て求める問題を「ガロアの逆問題」という。一般のGに対しては存在の証明すら未解決の難問である。一方、存在が知られている場合に全てを求める問題に関しては、そのガロア群がGと同型な既約多項式をパラメータ付きで構成し、全てのK/kがパラメータを特殊化することによって得られること(genericな多項式)を示すという手法が考えられる。本研究は、比較的簡単な非アーベル群である二面体群に対して、この手法を計算機の数式処理を利用して実行したもので、以下のような成果を得た:Dn:=<α, β|αn=β2=1, βαβ-1=α-1>(位数2nの二面体群;nは奇数)とする。このときcos (2π/n)∈kという条件の下で、cをパラメータとする多項式G (X; c):=Пn-1/j=0(X-ζjζj+1)+c (ζj :=ζ j-ζ-j/ζ-ζ-1)はk (c)上のn次既約多項式であり、そのガロア群はDnと同型になる(ζは1の原始n乗根)。さらに、G(X; c)はk上genericであることが判明した。これは、任意のDn-拡大K/kが以下の様な生成元xを持つ、というそれ自身興味深い定理を示すことにより証明される。α(x)=1/-x+ω' β(x)=1/x' (ω:=ζ+1/ζ).以上の結果はn=3の場合J. P. Serreにより知られていた事実を著しく一般化したものである。また応用として、k上のgenericなn次巡回多項式で極めて単純な形のものが得られる。与えられた代数体k上にアーベル拡大を構成する問題はHilbertの第12問題として知られる難問であるが、本研究はn次巡回拡大という特別な場合の一般解を与えるものである。

  • 四元数環に付随する4種のtheta級数の数論研究

    1997年  

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    本研究では、有理数体上の正定置四元数環のlevel(q, N)のEichler型orderについて以下の様な諸問題を研究した:1. 2年前に筆者はType numberT(q, N)をlevelQn、重さ2の保型形式のうち、Atkin Lehner involution Wp(p|qN)の固有部分空間の次元と関係付ける公式を発見し、その証明を与えたが、の関係をEichler型ordersのtheta級数によってより具体的に実現する問題を研究した。2. 与えられたlevel(q, N)に対して、Eichler order の族δ(p s)がつねにT(q, N)個のEichler order の各同型類を尽くすであろう」という従来の予想がqN<15000の範囲内で検証された。3. qN<10000の範囲内で、各(q, N)に対してT(q, N)個のEicher orders から得られる4種類のtheta級数を計算し、その一次独立性を調べた。その結果これらのtheta級数の間に著しい関係が存在する事が明らかになった。これらのtheta級数たちが一次独立であることは、N=1、でq(q≡1 mod 4)が素数の場合に北岡の予想と呼ばれていたが、多くの反例があり、かつ一次従属の場合には、L-関数のs=1でのvanishingという興味深い現象と対応している。4. 3で求めたtheta級数の一次結合からNeben characterを持つcusp form f(z)でHecke作用素の同時固有関数となるものを得て、そのFourier係数を使って、jacobian varietyが志村のアーベル曲面Afと同種になる、種数2の代数曲線の方程式を求めた。研究成果の発表1) On modularity conjecture for Q-curves and QM-curves, (with Y. Hasegawa, F.Momose), International J. Math.1999.,to appear2) Q-curves of degree 5 and jacobian surfaces of GL2-type, Manuscripta Math. 1998, to appear.3)  2次体上の楕円曲線とGL(2)型アーベル曲面、1997年度日本数学会秋季総合分科会、総合講演・企画特別講演アブストラクト、72-81.4)  志村のアーベル曲面と種数2の代数曲線、1998早稲田大学整数論シンポジウム報告集、1998.

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