2024/12/21 更新

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ムラシマ エイジ
村嶋 英治
所属
国際学術院
職名
名誉教授
学位
法学士 ( 1974年 東京大学 )
メールアドレス
メールアドレス

経歴

  • 2022年04月
    -
    継続中

    早稲田大学名誉教授

  • 1997年04月
    -
    2022年03月

    早稲田大学教授

  • 1991年04月
    -
    1997年03月

    成蹊大学 助教授/教授

  • 1974年07月
    -
    1991年03月

    特殊法人アジア経済研究所 研究員/研究主任

学歴

  • 1970年
    -
    1974年

    東京大学   法学部   第3類(政治学)  

研究分野

  • 政治学 / アジア史、アフリカ史 / 地域研究

研究キーワード

  • 東南アジア大陸部、タイ近現代史、近代日タイ関係史、仏教ナショナリズム、仏教交流、テーラワーダ仏教近代史、華僑華人、在タイ日本人社会

 

論文

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書籍等出版物

  • 天田六郎氏遺稿「シャムの三十年」など (早稲田大学リポジトリにてdownload可)

    村嶋英治

    早稲田大学アジア太平洋研究センター 研究資料シリーズNo.8  2019年03月

  • 堀井龍司憲兵中佐手記、タイ国駐屯憲兵隊勤務(1942ー45年)の想い出 付録 18方面軍参謀 原寿雄少佐手記

    村嶋英治

    早稲田大学アジア太平洋研究センター研究資料シリーズ No.7  2017年03月

  • 中国に帰ったタイ華僑共産党員:欧陽恵氏のバンコク、延安、大連、吉林、北京での経験(早稲田大学リポジトリにてDownload可)、241頁

    村嶋英治, 鄭成

    早稲田大学アジア太平洋研究センター、リサーチ・シリーズ第1号  2012年12月

  • 礒辺啓三編『ベトナムとタイ、経済発展と地域協力』大明堂

    村嶋英治, 年代におけるタイの植民地体制脱却化とインドシナの独立運動

    大明堂  1998年12月 ISBN: 4470500593

  • Hayao Fukui,Charnvit Kasetsiri eds,Jipun-Thai-Utsakhane(Japanese Scholarships on Thailand and Southeast Asia), Eiji Murashima สัมพันธมิตรไทย-ญี่ปุ่นกับชาวจีนในประเทศไทยสมัยสงครามโลกครั้งที่สอง

    村嶋英治

    Munnithi Khrongkan Tamra,Bangkok (in Thai)  1998年01月 ISBN: 9748960897

  • Kanmuang Chin Sayam (Political Movements of Overseas Chinese in Siam,1924-1941)(タイ語)(早稲田大学リポジトリにてDownload可)

    Eiji Murashima 著, Eiji Murashima, Worasak Mahatthanobon共訳

    Institute of Asian Studies,Chulalongkorn University,237p.( in Thai)  1996年 ISBN: 9746329618

  • 村嶋英治・萩原宜之・岩崎育夫編『ASEAN諸国の政党政治』

    村嶋英治

    アジア経済研究所  1993年01月 ISBN: 4258044261

  • The Making of Modern Thai Political Parties

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat, Somkiat Wanthana

    JRP Series No.86,Institute of Developing Economies,Tokyo.  1991年

  • 萩原宜之・村嶋英治編『ASEAN諸国の政治体制』

    村嶋英治, タイにおける政治体制の周期的転換, 執筆

    アジア経済研究所  1987年03月 ISBN: 4258043575

  • Vietnam-Indochina-Japan relations during the Second World War : documents and interpretations

    白石, 昌也, Nguyễn, Văn Khánh, Lockhart, Bruce McFarland( 担当: 分担執筆,  担当範囲: pp.155-195 Eiji Murashima,Thailand and Indochina 1945-1951)

    Waseda University Institute of Asia-Pacific Studies (WIAPS)  2017年02月 ISBN: 9784902590715

  • 『アジア・太平洋戦争辞典』、吉川弘文館

    村嶋英治ディレーク・チャイヤナームDirek Jayanama(p.435) プレーク・ピブーンソンクラームPlaek Phibunsongkhram, (p.592) プリーディー・パノムヨンPridi Phanomyong (pp.590-591) ワンワイタヤーコンPrince Wanwaithayakon Worawan親王(pp.717-718)

    2015年11月

  • 『Kanpathiwat lae Kanplianplaeng nai Prathet Sayam』(矢田部保吉著『シャム国革命政変の回顧』タイ語訳第2版)

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat訳

    Matichon  2014年06月 ISBN: 9789743239779

  • 『タイと共に歩んで、泰国日本人会百年史』,pp.10-46所収、「戦前期タイ国の日本人会および日本人社会:いくつかの謎の解明」

    村嶋英治

    泰国日本人会  2013年09月

  • 戦前の財団法人日本タイ協会会報集成解題(早稲田大学リポジトリにてDownload可)

    村嶋英治, 吉田千之輔編著

    早稲田大学アジア太平洋研究センター、研究資料シリーズ第4号  2013年02月

  • Pasuk Phongpaichit;Baker, Christopher John eds,Essays on Thailand's economy and society : for Professor Chatthip Nartsupha at 72

    Eiji Murashima( 担当: 共著,  担当範囲: pp.127-155 The Origins of Chinese Nationalism in Thailand)

    Sangsan  2013年01月 ISBN: 9789749936252

  • 『Phu Banchakan Chaophut:khwam songcham khong naiphon Nakamura kiaokap muangthai samai songkhram maha echia burapha』(中村明人著『ほとけの司令官ー駐タイ回想録』のタイ語訳第3版)

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat訳

    Matichon  2012年06月

  • 『岩波講座 東アジア近現代通史、第二巻(日露戦争と韓国併合)』pp.222-243.

    村嶋英治, タイ華僑社会における中国ナショナリズムの起源( 担当: 共著)

    岩波書店  2010年10月

  • 『アジア学のすすめ、第1巻、アジア政治・経済論』

    早稲田大学アジア研究機構叢書

    弘文堂  2010年06月 ISBN: 9784335501111

  • 『現代タイ動向 2006−2008』

    日本タイ協会編

    めこん  2008年12月 ISBN: 9784839602192

  • 歴史学研究会編『世界史史料、第9巻』

    村嶋英治, シャムのチャクリー改革

    岩波書店  2008年06月

  • kanpathiwat lae kanplianplaeng nai prathet sayam(矢田部保吉『シャム国革命政変の回顧』tタイ語全訳)

    Eiji Murashima, Nakharin Mektraira, 和文タイ語訳(in, Tha

    Matichon  2007年06月

  • 歴史学研究会編『世界史史料、第10巻』

    村嶋英治, タイ立憲革命, 泰緬鉄道, の項執筆

    岩波書店  2006年12月 ISBN: 4000263889

  • kanpathiwat lae kanplianplaeng nai prathet sayam(矢田部保吉『シャム国革命政変の回顧』タイ語全訳)

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat

    Faculty of Political Science,Thmasat University seminar(Dec.2004) paper 56p.  2004年12月

  • 黒田日出男他編『日本史文献事典』

    村嶋英治, ピブーン, 岩波書店, 年, の項執筆

    弘文堂  2003年12月 ISBN: 4335250584

  • Phu Banchakan Chaophut:khwam songcham khong naiphon Nakamura kiaokap muangthai samai songkhram maha echia burapha中村明人『ほとけの司令官ー駐タイ回想録』の1991年タイ語訳版の第二版

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat和文タイ語訳

    Matichon (in Thai)  2003年11月 ISBN: 9743230602

  • 綾部恒夫・林行夫編『タイを知るための60章』

    村嶋英治は, 植民地にならなかったタイ, 絶対王制と立憲君主制, チュラーロンコーン」「ピブーン, ソンクラーム」執筆

    明石書店  2003年05月 ISBN: 475031725X

  • 『岩波講座、東南アジア史、別巻』

    村嶋英治, タイ語史料, 項執筆

    岩波書店  2003年01月 ISBN: 4000110705

  • 矢田部会編『特命全権公使 矢田部保吉』

    村嶋英治, 矢田部公使のタイ研究及び留学生事業, 今日への遺産, 章執筆

    個人書店  2002年12月 ISBN: 4860910443

  • 『岩波講座東南アジア史、第8巻』

    村嶋英治, タイにおける共産主義運動と中国革命, 章執筆

    岩波書店  2002年02月 ISBN: 4000110683

  • Paul H. Kratoska ed.,Southeast Asian Minorities in the Wartime Japanese Empire,

    Eiji Murashima"The Thai-Japanese Alliance, the Chinese of Thailand

    Routledge Curzon  2002年 ISBN: 070071488X

  • 『岩波講座東南アジア史、第7巻』

    村嶋英治, タイ国の立憲革命期における文化とナショナリズム, 章執筆

    岩波書店  2002年01月 ISBN: 4000110675

  • 石井米雄・桜井由躬雄編『東南アジア史 Ⅰ』

    村嶋英治, タイ近代国家の形成, 章執筆

    山川出版社  1999年12月 ISBN: 4634413507

  • 『歴史学事典、第7巻、戦争と外交』および『歴史学事典、第12巻、王と国家』

    村嶋英治は各, 大タイ主義」, チュラーロンコーン王, の項執筆

    弘文堂  1999年 ISBN: 433521037X

  • 西川長夫他編『アジアの多文化社会と国民国家』

    村嶋英治, タイにおける国民国家, 歴史と展望, 章執筆

    人文書院  1998年09月 ISBN: 4409230301

  • 『ASEAN諸国の官僚制』

    村嶋英治, 章執筆

    アジア経済研究所,  1996年03月 ISBN: 4258044601

  • 『世界民族問題事典』

    村嶋英治, チャート, の項執筆

    平凡社  1995年 ISBN: 4582132014

  • 安中章夫編『東南アジア:政治・社会』(地域研究シリーズ6)

    221-242頁 村嶋英治, タイ国における地方選挙と地方リーダー, ナコンサワン県のケーススタディ( 担当: 共著)

    アジア経済研究所,アジア経済出版会 (発売)  1993年08月 ISBN: 425822006X

  • 原不二夫編『東南アジア華僑と中国』

    村嶋英治, タイ華僑の政治活, 運動から日中戦争まで

    アジア経済研究所  1993年08月 ISBN: 4258044369

  • 『タイの事典』

    村嶋英治, 対外関係, 民族主義, 項目執筆

    同朋社  1993年 ISBN: 4810408531

  • 上智大学アジア文化研究所編『入門 東南アジア研究』

    村嶋英治, 章, 国家と政治, 章執筆

    めこん  1992年05月 ISBN: 483960066X

  • 矢野暢編『東南アジアの政治』(講座東南アジア学第7巻)

    村嶋英治, 軍部支配と政治統合

    弘文堂、  1992年03月 ISBN: 4335000278

  • Phu Banchakan Chaophut(中村明人著『ほとけの司令官ー駐タイ回想録』のタイ語訳)

    Eiji Murashima, Nakharin Mektraira, 和文タイ語訳

    Munnithi Khrongkan Tamra,Bangkok,209p.  1991年12月

  • 『戦後史大事典』

    村嶋英治, 戦後史文献解題ータイ, の項執筆

    三省堂  1991年 ISBN: 4385154325

  • 岡部達味編『ASEANにおける国民統合と地域統合』

    村嶋英治, タイにおける中国人のタイ人化, の章執筆

    国際問題研究所  1989年03月 ISBN: 4819301063

  • 『東南アジアを知る事典』

    村嶋英治, タイの文化, タイの政治, の項執筆

    平凡社  1986年 ISBN: 4582126049

  • Political Thoughts of the Thai Military in Historical Perspective

    Eiji Murashima, Nakharin Mektrairat

    JRP Series No.55,Institute of Developing Economies,Tokyo  1986年

  • 『タイ国労働保護法解説』

    村嶋英治タイ文和訳

    バンコク日本人商工会議所、232p.  1985年11月

  • 『アジア・太平洋地域の将来展望に関する研究』(NIRA10周年記念研究)

    村嶋英治, 章執筆

    総合研究開発機構編  1985年10月 ISBN: 4795544697

  • 『平凡社大百科大事典』第8巻

    村嶋英治, タイの政治, の項執筆

    平凡社  1985年

  • タイ国主要穀菽類の収穫後処理実態調査

    村嶋英治, 上田克巳タイ文和訳

    国際協力事業団,農開技JR 83-45,157頁  1983年06月

  • 『タイ国労働法及び関係内務省令』

    村嶋英治タイ文和訳

    バンコク日本人商工会議所、119p.  1982年

  • 山崎利男・安田信之編『アジア諸国の法制度』

    村嶋英治, タイの法制度, 章執筆

    アジア経済研究所  1980年03月 ISBN: 4258090972

  • アジア経済研究所編『発展途上国の自動車産業』

    村嶋英治, 章執筆

    アジア経済研究所  1980年01月

  • 坂梨・林編『発展途上国の肥料産業』

    村嶋英治, 章執筆

    アジア経済研究所  1979年03月

  • 『1978年次経済報告ータイ』(アジア経済研究所経済開発分析プロジェクトチーム編『アジア諸国の経済概況Ⅱ』1979年に再録)

    村嶋英治

    アジア経済研究所、144p.  1979年

  • 『1977年次経済報告ータイ』

    村嶋英治

    アジア経済研究所、152p.  1978年

  • 『アジア動向年表―1976年』pp.287-337

    村嶋英治( 担当: 分担執筆,  担当範囲: タイの動向)

    アジア経済研究所  1976年03月

  • 『アジア動向年表―1975年』pp.275-322

    村嶋英治( 担当: 分担執筆,  担当範囲: タイの動向)

    アジア経済研究所  1975年03月

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 19世紀後半に於けるタイ王国の仏教ナショナリズム創出の実相の具体的且つ詳細な解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2024年04月
    -
    2027年03月
     

    村嶋英治

  • 在タイ日本人の個人文書を初めて本格利用した近代国家移行期タイの社会構造の実態解明

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2024年03月
     

    村嶋 英治

     概要を見る

    本研究は、近代国家への移行期のタイ社会構造(階層、パトロン・クライアント関係、多民族性)の実態を、従来の図式的法制的説明を超えて、詳細に明らかにしようとするものであり、かつ用いる資料は、既存研究が利用したことがない新資料、即ち在タイ日本人の個人文書である。在タイ日本人の個人資料は、タイ華僑が残した大量の僑批(出稼ぎ華僑が本国送金に添えた手紙)やタイ語資料に比しても、貴重な資料的価値を有しており、この時期のタイ社会研究の重要かつ新しいソースである。それ故、新たな知識を大幅に付け加えることができる

  • 近代タイ仏教社会における日本仏教者の知的営為:タイ地域研究の新展開と拡大に向けて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2020年03月
     

    村嶋 英治

     概要を見る

    日本のタイ地域研究は、アメリカから戦後に輸入された学問であり、戦前の日本人のタイにおける知的営為や知的蓄積を参照することなく成立した。しかも、戦前との断絶状態は戦後70年を経た今日まで続いている。本研究では、戦前の渡タイ日本人知識層中、最多数派であった仏教者の渡タイ、換言すれば、近代における南北両仏教の接触が引き起こした諸現象に着目する。第3年度は、従来の日タイ関係研究の中で、注目されたことがない二名の日本人僧侶について、調査を実施した。その一人は1900年3月に岩本千綱とともに訪タイした大三輪延弥である。彼が残した渡暹の記録及び履歴書から、彼の1900年の渡暹の意図は、仏舎利奉迎ではなく、タイで事業を展開しながら南亜における日本仏教の布教の下調べであったことが明かになった。もう一人は佐々木徳母で、彼は1900年からシャムに二年余滞在して高いタイ語力を身に付けた。しかし、岩本千綱、山本安太郎とタイ貴紳の共謀した紙幣偽造事件(1903年)に巻き込まれて、日本に強制送還されてしまった。これらの調査結果については、2019年度に刊行を期している。
    2018年度に刊行した主要な成果は、村嶋英治編集・解説『天田六郎氏遺稿、シャムの三十年など』(早稲田大学アジア太平洋研究センター、2019年3月刊行)である。本書は、1910年代末から第2次大戦末期にかけての在タイ日本人の状態について、新しく且つ詳細な知識を提供できたものと自負している。本書は339頁からなり、その3分の1は、村嶋の解説等で構成されている。この他に、世界の図書館においても所蔵数が少ない、数種のシャムダイレクトリーを資料として、村嶋英治「バンコクの日本人(92)~(96)」、『クルンテープ』(泰国日本人会月刊誌)2018年4月~2018年8月、を刊行した。

  • 第2次世界大戦期日本・仏印・ベトナム関係研究の集大成と新たな地平

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2013年10月
    -
    2018年03月
     

    白石 昌也, 笹川 秀夫, 難波 ちづる, 菊池 陽子, 村嶋 英治, 湯山 英子, 岩月 純一, 古田 元夫, 早瀬 晋三, 村嶋 英治, 笹川 秀夫, 岩月 純一, 立川 京一, 古田 元夫

     概要を見る

    第二次大戦期のベトナム、カンボジア、ラオス、タイに関して、日本人専門家10人をコアメンバーとし、ベトナムなど関係諸国の研究者の協力を得つつ5か年の共同研究を展開。とりわけ、2014年と2016年には、現時点までの研究蓄積の到達点を確認し、関連資料に関する情報を共有するための国際ワークショップを東京で開催、それぞれの成果を論集として2015年と2018年に刊行した。
    さらに、戦後70周年に当る2015年に、各自の最新の研究成果を発表しあう国際シンポジウムをハノイで開催、8か国の研究者から約30本の報告を得た。その成果は丹念な編集作業を経て、2017年に300頁を超す論集として刊行した。

  • タイ・インドシナ諸国間の国境政治の多面的体系的解明:一次資料の相互比較を通じて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2015年03月
     

    村嶋 英治, 白石 昌也, 笹川 秀夫, 難波 ちづる, 伊藤 友美

     概要を見る

    本研究は、東南アジア大陸部、とりわけタイ国とインドシナを対象として、植民地期から現在に至る時期の国境を繞る政治を、一次資料に依拠してできるだけ詳細に明らかにしようとしたものである。19世紀末におけるタイ・ラオス・カンボジア国境を跨ぐ仏教交流、1920-30年代のタイ・ラオス・ベトナム・中国国境を跨ぐ共産主義運動の連携、1940年代のタイ・仏領インドシナ紛争から植民地独立期における相互関係、現在におけるカンボジア・ラオス・ベトナム国境開発と大陸部東南アジアを横断する東西廻廊などを取り上げ、既に論文32本、研究書8冊等を刊行した。引続き、この研究により収集した資料を基に、更なる成果を準備中である。

  • 20世紀タイ国における華僑華人社会の実相と役割-未利用中国語タイ語資料を用いて

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2007年04月
    -
    2010年03月
     

    村嶋 英治, 宮田 敏之, 遠藤 元, 伊藤 友美, 安部 鶴代, 宮田 敏之, 遠藤 元, 伊藤 友美, 安部 鶴代

     概要を見る

    20世紀のタイ華僑華人社会の政治、経済、社会文化の諸相を明らかにするために、先行研究では利用されたことがない、タイ国立公文書館などの華僑華人関係一次文献資料の収集、タイ国立図書館保存のタイで刊行された中国語新聞の閲覧・撮影、バンコクや地方都市での華僑華人関係者へのインタビューや参与観察を行った。これによって、従来知られていなかった、タイにおける華僑ナショナリズムの起源と運動の展開、華僑華人の初期共産主義運動、華僑華人社会の信仰の実態、同流通資本の地方都市における状態、華僑華人社会の組織などを明かにした。

  • 東南アジア大陸部現代史に於ける共産主義運動の多面的根本的解明-タイを中心として-

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2003年04月
    -
    2006年03月
     

    村嶋 英治, 原 不二夫, 菊池 陽子, 伊藤 友美

     概要を見る

    本研究の目的は、主に次の二点にある。1,暹羅共産党((1941年以降はタイ共産党)の歴史を、中国、マラヤ、ベトナム、ラオス、クメール等の近隣諸国における共産主義運動あるいは民族解放運動との関係をも視野に入れて明らかにすること。2,タイにおける共産主義運動は、華僑華人およびベトナム人よってもたらされ、タイ人の中に次第に組織が拡大したものである。この過程においては、華僑華人の既存政治組織である、中国国民党との間に激しい対立競争が生じた。それ故、在タイ中国国民党の組織・運動と、共産党との関係を明らかにすること。
    平成17年度においては、前年度に引き続き、暹羅(タイ)共産党と中国共産党との関係に関する資料の発掘に努め、シンガポール国立大学、香港大学に出張し、両大学の中文図書館が収集している中国共産党・国民党関係資料(含む雑誌)を広範に調査した。また、バンコクにおいては、タイ国立公文書館において、中国共産党・国民党に関連した、大量の華僑関係資料を収集した。また、バンコクで、タイ国立図書館が所蔵する、戦後期の華字新聞のうち、中国共産党タイ支部の機関紙である『真話報』やタイ共産党系の『全民報』、在タイ中国国民党機関紙『正言報』を丁寧に閲覧した。戦前期の30年代においては、暹羅共産党系の言説は、一般華字紙(『中華民報』、『華僑日報』、『国民日報』など)の「副刊」にも掲載されているので、これらの新聞も通覧した。同時にバンコクでタイ共産党の元幹部等にインタビューを重ねた。また、主にマレーシア、ラオスにおいて、タイ共産党との関係を中心とする文献調査、インタビュー調査を実施した。
    これらの調査研究により、従来学界では知られていない、新しい事実、資料を多数発見することができた。例えば、1926-27年における、国民党暹羅総支部と国民党中央部の左派海外部長指導下の暹羅特別党部との間の深刻な対立。後者のメンバーは、1927年以降の暹羅における華僑華人共産党の活動と密接な関係を有すること。1927年4月以降中国の南京政府の清党と暹羅への中国共産党員の避難の具体的事実、30年代の華字紙副刊が共産主義の宣伝に果たした役割などである。

  • 第二次世界大戦期の在タイ邦人経営日刊新聞三紙(和、タイ、華文紙)に視る日タイ関係

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年04月
    -
    2002年03月
     

    村嶋 英治

     概要を見る

    本課題の成果報告書は次の3章より構成されている。即ち、第1章、戦前のタイ国における日本論
    第2章、矢田部保吉公使のタイ研究および留学生事業-今日への遺産
    第3章、1943年後半の日タイ関係と大東亜会議
    以下各章毎に、その概要を記す。
    第1章はタイ側から見た日タイ関係論であり、タイ近代政治史上の重要な転換期において、タイ政治指導者によって日本がいかに比較され、議論されたかをタイ政治史の文脈のなかで明らかにしようと試みた。日本とタイとの間に政治経済文化面で密接な交流が行われ、「日本化」とも称された現象が現れたのは、1930年代になってからであるが、本章はそれ以前の時期においてもタイに対して日本が与えた精神的影響力は大きなものがあったこと実証した。1932年の立憲革命ののちタイ側に強い日本ブームが生じ、タイ人の日本訪問が増大した。第1章末尾に付した日本に関する単行本リストから、1930年代になって出版点数が急増したことが判るが、これはこの時期に生じた日本ブームの大きさを示している。
    第2章は、矢田部保吉駐タイ公使(1928〜1936の7年半在勤)時代の日タイ関係の深まりを、日本人のタイ研究およびタイからの留学生受け入れ体制の整備の二つの面から明らかにした。第2章末尾には、矢田部保吉著作リストを付した。
    第3章は、太平洋戦争時の日タイ関係の転換点である1943年後半の時期に焦点を当てている。本章は次の点を実証した。即ち、日本の対共栄圏政策の転換により、43年7月に東條首相が訪タイし、タイの領土獲得を承認したが、その効果は短期間のうちに消滅したこと、ピブーン首相と親日派のルアン・ウィチット外相との間には対日政策に関し溝が生じたこと、および43年11月の大東亜会議時にピブーン首相の答礼訪日を求める日本側に、ピブーン首相が応じなかったことでピブーン首相の日本離れは明白化し、これを契機に日タイ関係は一挙に悪化したこと、である。

  • アジア太平洋地域におけるヒトの移動と社会・文化変容

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究促進費

    研究期間:

    1999年
    -
    2000年
     

    平野 健一郎, 村嶋 英治, 小林 英夫, 後藤 乾一, 清水 元, 白石 昌也

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    平成11年度及び12年度の特別研究推進費による本研究課題によって得られた研究成果はおおよそ次のようなものである。
    (1)平成10年度に文部省国際会議開催費などの援助を得て開催した「アジア太平洋におけるヒトの国際移動と社会・文化変容-その最新事情-」国際シンポジウム(1999年9月、於早稲田大学)の成果にもとづき、日本における「ヒトの国際移動」研究の先行業績の集約と研究者ネットワークの充実を図った。
    (2)同様に、同シンポジウムの成果の上に、日本の「ヒトの国際移動」研究とアジア太平洋地域におけるマイグレーション研究とを連接させるために、日本の研究者ネットワークに英文ホームページを設置し、APMRN(Asia Pacific Migration Research Network)とのネットワークの充実を図った。APMRN第4回会議(2001年3月、於マニラ)には日本から研究成果報告と研究状況報告を提出した。
    (3)APMJ(Asia Pacific Migration Journal)の日本特集号(Vol.IX, No.3, 2000)の編集に参画し、1999年の国際シンポジウムの報告論文5点を英訳掲載させ、日本人による研究成果の国際的な公表を実現させた。
    (4)文部省国際学術調査にもとづく平成9年度海外学術調査の成果の継続として、タイ・日本間の「ヒトの国際移動」に関する日タイ共同研究を本格的に実施する準備のため、パイロット・スタディを実現させた。
    (5)ユネスコのMOST(Management of Social Transformation)プログラムの研究提言に注目し、それとの連携を図った。
    (6)2年間を通じ、7つの個別研究グループの研究会と合同研究会を頻繁に開催し、研究の現状と課題の検討を続けた。その結果、「ヒトの国際移動」に限定せず、エスニック関係の変容、企業活動の国際化など、グローバリゼーションと社会・文化変容を、実証的、総合的、立体的に共同研究し、文化の多様性を維持する方法を追究する必要があることに見解が一致した。
    (7)その見解にもとづき、科学研究費補助金「特定領域研究(A)」として平成13年度に発足を希望する特定領域を、申請領域名「アジア太平洋におけるグローバリゼーションと社会・文化変容」で申請した。

  • アジアにおける社会・文化変容の実態と対応に関する国際比較研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際学術研究

    研究期間:

    1998年
     
     
     

    平野 健一郎, 村嶋 英治, 小林 英夫, 後藤 乾一, 白石 昌也

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    本報告書は、平成10年度科学研究費補助金を得て実施した国際学術研究(2)「アジアにおける社会・文化変容の実態と対応に関する国際比較研究」の成果報告書である。
    現在、アジア各地の社会は、「グローバリゼ-ション」の影響を受けて、急激な社会・文化変容を蒙りつつある。その変容は都市部にとどまらず、直接農村にも及んでおり、従来とは異なる性格のものであると考えられるようになっている。すなわち、人々の生活文化を大きく覆し、貴重な文化遺産を崩壊させる危険性が指摘されるようになり、それを避けるため、政策的に対応する必要性も主張されるようになっているのである。
    本研究では、まず、アジア各地において進行中の社会・文化変容の実態と、それに対して各国、各地が取り始めている政策的対応の理念と方法を、日本のアジア研究者が1999年2月〜3月の時期にタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、ラオス、東ティモールの現地に赴いて、観察調査した。そして、その成果をもとに、内外のアジア専門家と共に集中的な討議を行い、国際的な比較研究を行った。各研究分担者の和文の研究報告は現地調査をまとめたものであり、英文報告書は国際比較のためのワークショップの産物である。
    緊急に行ったパイロット・スタディであるが、上記2段階の作業によって確認されたことの一つに、ヒトの国際的な移動がアジアの農村部に直接的な影響を及ぼし、人々の生活態度・意識を大きく変化させているという事実がある。タイの農村からの日本出稼ぎ者が出身地にもたらしている社会・文化変容がその代表例である。これは「グローバリゼーション」の一環としてのヒトの国際移動の影響であるが、東ティモールではヒトの国際移動が国民形成をもたらそうとしており、場所によって社会・文化変容の実態と意義が異なることにも注意を払う必要が認められる。ベトナムでは経済開放と民族伝統文化の維持の関係が政府・党における最大の論争点になっており、急激な変化の中で文化の独自性で、ひいては文化の多様性をどう維持するか、賢明な政策的対応をするためにも、この種の研究をさらに、しかも急ぎ進める必要性が強く感じられる。

  • タイ近現代政治史における日本政治モデルをめぐる諸論争

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 一般研究(C)

    研究期間:

    1993年
     
     
     

    村嶋 英治

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    本研究が明らかにしたことを以下に要約する。
    タイにおいては自国の政治変革のモデルとして日本が議論されるようになるのは1885年以降のことであるが、それ以降第2次大戦期に至る間を3期に分けて見ることができる。第1期は1885年以降日露戦争までの期間で、日本は東洋においても清国とも比較できぬ程の小国と考えられていたが、革新的若手王族や官僚らは日本は東洋において西洋の道を歩む唯一の国であるとしてチュラーロンコーン王に日本の立憲制への努力を見習いタイも絶対王政を廃止する事を提言した。これに対し同王はタイ王政の独自性を強調した。
    日露戦争で日本が勝利すると、日本がどうして大国になったのかという議論が生じた。これから1932年の立憲革命までが第2期である。この議論もタイの政治変革と結びついていた。その1例として1912年のラッタナコーシン暦130年の乱時の議論を見ることが出来る。反乱を企図した若手将校達は日本の成功は立憲制を導入して天皇の恣意的国家歳入の浪費を抑えその分を軍事強化に回したからであると主張した。一方、ワチラーウット王は日本の成功は天皇に対する忠誠心に起因しており、それは武士道精神が基本になっているとしてタイが日本から見習うものは同精神であるとして反駁した。
    立憲革命後のタイ恒久憲法制定では明治憲法も参考にされた。この革命は推進した人民党の指導者、ピブーンは日本は英仏独と並ぶ民主主義大国でありタイのモデルであると讃えた。一方反政府のロイヤリストたちは日本における複数政党制などに見られる民主主義の現実とともに天皇に対する忠誠心とを評価し一党独裁の人民党政権の非民主性と反王族的態度を糾弾した。
    以上のようにタイにおいては重要な政治転換時において日本はモデルとして常に引照されたことを明らかにした。

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Misc

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特定課題制度(学内資金)

  • 在タイ日本人の個人文書を初めて本格利用した近代国家移行期タイの社会構造の実態解明

    2020年  

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    主に1945年以前に渡タイした日本人仏教者に関して、その人名、期間、関連資料等を調査した。同時に、日本人仏教者が在タイした当時のタイ仏教の実態について、当時のタイ官報、関連雑誌、アーカイブズ資料、葬礼記念本等、タイ語資料を幅広く閲覧した。 また、日本の領事館がバンコクにおかれた1897年以来、1941年まで毎年在バンコク領事が、本省に報告した在タイ日本人の人口、職業調査を、アジア歴史資料センター及び外交史料館(コロナ対策のため閲覧時間に制限はあったが)で収集し、在タイ日本人の職業の特徴についての分析を行った。

  • 在タイ日本人の個人文書を初めて本格利用した近代国家移行期のタイ社会構造の実態解明

    2019年  

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    本研究の課題は、近代国家移行期(本研究では主に1880-1930年代を対象期間とする)のタイ(シャム)国の社会構造(とりわけ、社会階層秩序、パトロン・クライアント関係、多民族社会的性格)の実態・実相を、従来利用されたことがない独自のソースであり、かつ他にはない詳細な情報から成る、在タイ日本人の個人文書を用いて、より具体的かつ詳細に解明することである。これによって法制面に偏った既存研究を超え、タイ社会構造の生きた実態を明らかにすることを試みた。

  • 近代タイ仏教社会における日本仏教者:タイ地域研究の新展開に向けて

    2018年  

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    近代以降の在タイ日本人に関する本格的な調査は極めて限られている。従来、資料が乏しいからリサーチも乏しいのであると誤解されてきた。本調査は、このテーマに関する新たな資料を、大幅に発掘しつつある。それらを基に、2018年度には下記の研究成果を公表した。村嶋英治『バンコクの日本人、タイ国日本人会月刊誌クルンテープ連載』(全602頁、早稲田大学リポジトリ掲載済) 村嶋英治編集・解説『天田六郎氏遺稿、シャムの三十年など』(早稲田大学アジア太平洋研究センター、研究資料シリーズ No.8, 本文316頁+ 目次・索引、2019年3月

  • 近代タイ仏教社会における日本仏教者:タイ地域研究の新展開に向けて

    2017年  

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    日本のタイ地域研究は、アメリカから戦後に輸入された学問であり、戦前の日本人のタイにおける知的営為や知的蓄積を参照することなく成立した。しかも、戦前との断絶状態は戦後70年を経た今日まで続いている。本研究では、戦前の渡タイ日本人知識層中、最多数派であった仏教者の渡タイ、換言すれば、近代における南北仏教の接触が、引き起こした諸現象に着目する。日タイ両語資料により先ず、渡タイ日本仏教者の全体像を把握後、彼らの豊かな知的営為を探り、それに触発されたタイ仏教者の北方仏教への関心の発生を明らかにすることを課題としている。

  • 近代タイ仏教社会における日本仏教者の知的営為:タイ地域研究の新展開と拡大に向けて

    2016年  

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    日本のタイ地域研究は、アメリカから戦後に輸入された学問であり、戦前の日本人のタイにおける知的営為や知的蓄積を参照することなく成立した。しかも、戦前との断絶状態は戦後70年を経た今日まで続いている。本研究では、戦前の渡タイ日本人知識層中、最多数派であった仏教者の渡タイ、換言すれば、近代における南北仏教の接触が、引き起こした諸現象に着目する。日タイ両語資料により先ず、渡タイ日本仏教者の全体像を把握後、彼らの豊かな知的営為を探り、それに触発されたタイ仏教者の北方仏教への関心の発生を明らかにすることを課題としている。

  • 近代在タイ国日本人個人商店主と日本人社会の研究

    2015年  

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    現在のタイ国における日系ビジネスの隆盛は著しいが、その起点となる1880年代末以降20世紀初頭における、在タイ日本人とその活動については、従来本格的な調査研究は存在せず、また、同時代もしくは同時代に近い時期の資料も不完全なものが多い。本研究では本格的なリサーチを根拠とした、正確な情報の発掘を目標とした。その成果として次の2論文を発表した。村嶋英治「バンコクにおける日本人商業の起源:名古屋紳商(野々垣直次郎、長坂多門)のタイ進出」、『アジア太平洋討究』第24号(2015年)39-69頁村嶋英治「1890年代に於ける岩本千綱の冒険的タイ事業:渡タイ(シャム)前の経歴と移民事業を中心に(上)」」、『アジア太平洋討究』第26号(2016年)157―223頁

  • タイ・インドシナ諸国間の国境政治の多面的体系的解明:一次資料の相互比較を通じて

    2010年  

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    本特定課題研究は、2011-2014年に科研費基盤(A)の助成を受けて実施予定であるタイ・インドシナ間の国境政治に関する研究の予備的研究として実施した。 同研究の意義は次の点にある。すなわち、今日の東南アジア大陸部の国境をめぐる状況は、経済的越境活動の活発化が見られる一方で、遺跡の帰属に関してタイ・カンボジア間に武力衝突が生じるなど、複雑さを増している。1世紀前の国境線出現に起因して生じた諸制度、政治活動、越境移民、紛争などを「国境政治」と総称すれば、国境政治に関する研究は今日的意義が極めて大きい。 科研費による本研究では、国境両側から、すなわちタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムの双方向から国境政治の歴史と現状を明らかにする計画であるが、本特定課題研究では、まずタイ側の資料収集に重点を置き、19世紀末のタイの唯一の日刊新聞バンコク・タイムズ記事の収集、および同時期のタイ官報における関連資料の収集を行った。研究成果は、『アジア太平洋討究』等に発表予定である。

  • 未利用巨大基礎史料に依拠した在タイ華僑・華人近現代史の多面的解明

    2006年  

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    2006年7月初旬の交付決定以後、2007年3月半ばまでに実施した調査研究は以下の3項の大別できる。即ち、上記期間中は、本研究者は特別研究期間適用者としてバンコクに滞在していたが、この地の利を生かして、①タイ国立公文書館での華僑・華人資料の調査と収集。②タイ国立図書館での華字新聞(バンコク刊行)の閲覧と複写・筆写。③中国およびシンガポールへの、タイ華僑・華人資料の調査・収集のための出張。上記調査研究の成果としては、①に関しては、タイ国立公文書館保存の華僑華人関係資料は膨大であるので、主に外務省文書を中心に調査収集したが、これらの資料から1920年代後半に中国から来タイした多数の中国国民党員および中国共産党員のプロファイルをある程度明らかにすることができた。②に関しては、1920年代半ばの『華暹新報』(暹羅の国民党右派の党紙)と『励青報』(暹羅の国民党左派の党紙)を中心に閲覧筆写した。これにより、暹羅における国民党左右派の深刻な対立を明らかにし、また、華僑による共産主義運動の出発点を確定することができた。③に関しては、中国共産党関係の多数の資料展示館および図書館等での調査により、共産党員として中国に戻ったタイ(暹羅)華僑・華人の、中国での足跡をある程度明らかにすることができた。なお、本研究は、出発点に過ぎず、今後極力外部研究助成資金等を獲得することによって、本研究課題を継続拡大できることを期している。

  • タイ国における華人・華僑の政治運動1920―1960年

    1998年  

     概要を見る

     本研究は、報告者の既存研究『シャム華人の政治ータイ華僑の政治運動1924―1941年』(タイ国、チュラーロンコーン大学アジア研究所中国研究センター双書第一号、1996年、237ページ、タイ語)を基礎に、同研究時には利用できなかった台湾における国民党政府、国民党資料を利用し、しかも時期も戦後にまで延長して研究の深化を図ろうとしたものであった。このため、98年8月に台湾に出張して、2週間に亘って、国民党党史委員会、国史館(国立公文書館)、中央研究院において集中的に資料収集を実施した。収集資料から、在タイ中国系の人々の中国政府との連絡、在タイ国民党組織と人事、自由タイ運動と中国国民党政権との協力の実態などについて、既存研究では未だ利用されたことがない詳細な事実が判明した。現在、これらの収集資料を利用して、報告者の上記研究書の改訂に努めており、改訂版はタイ語のみならず、日本語でも作成する予定である。 研究成果は、『上智アジア学』第17号(1999年度)に「タイの歴史記述における記念顕彰本的性格」として出版した。この他にもアジア太平洋研究センターの紀要である『アジア太平洋討究』に掲載予定である。

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