Updated on 2023/12/04

Affiliation
Faculty of International Research and Education, School of International Liberal Studies
Job title
Professor
Degree
Ph.D. ( ジョージタウン大学 )
Ph.D. ( Georgetown University )

Research Areas

  • Linguistics

Research Interests

  • 理論言語学、英語教育

 

Papers

  • An Eastern Way to Overcome L2 Anxiety

    Journal of Applied Languages and Linguistics   3 ( 2 )  2019.12  [Refereed]

  • Critical thinking in theoretical linguistics: Code-switching within Singapore English

    Proceedings from 14th Annual Education and Development Conference    2019.03  [Refereed]

  • New Liberal Arts Education in Japan

    MALIM: Jurnal Pengajian Umum Asia Tenggara   20   1 - 12  2019.01  [Refereed]

  • Silent pronominals in Mandarin Chinese

    Proceedings from PALing International Conference on Linguistics    2018.11  [Refereed]

Research Projects

  • データに基づく統語カテゴリー研究

     View Summary

    前年度の日本語の形容詞の研究に続けて、今年度は主に補文標識とされる「と」の研究に従事した。今日でもHe said that he was hungryと「彼はおなかがすいたと言った」の意味的な対応から、「と」は英語の補文標識thatに相当するものとするのが一般的である。しかしながら、日本語コーパスを丹念に調べた結果、以下のことが分かった。(1)「と」に導かれる従属節は対格表示を受ける直接目的語と共起できる。例「彼はおなかがすいたと文句をいった。」(2)「と」に導かれる節に対応する疑問語は「何」ではなく副詞句に対応する「どう」である。(英語ではもちろんwhat。)これらの発見が意味することは、英語においてthatに導かれる節が主動詞の直接目的語の機能を果たしているのに対して、「と」に導かれる節は副詞的な役割を果たしているということである。つまり、英語においてthat節は主動詞の項であるが、日本語の「と節」は付加部であるということ。こうなるともはや日本語の「と」は英語のthatに対応するものとは言えなくなり、「と」の補分標識という品詞分類の基盤が根本から崩される。この結果をもってして、改めて「と」の品詞分類の研究が始まることが期待される。本研究のもうひとつのトピックである日本語の丁寧辞「ます」の研究から分かってきたことは、少なくとも疑問語疑問文の構成においては「ます」は英語の主語・動詞の逆転の役割を果たしているということだ。これに対して真偽疑問文においては「ます」の出現が必ずしも必要ではない。ここには疑問語のスコープを示す「か」の語源(orの意味を持つ「か」からの派生)が関わっているように思われるが、このことをシステマティックに解明するには時間が足りなかった。来年度以降の研究で論文にまとめたい

 

Syllabus

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Overseas Activities

  • Structure of Colloquial Singapore English/How best to teach Malay as a Foreign Language

    2017.04
    -
    2018.03

    Malaysia   Universiti Kebangsaan Malaysia

    Singapore   National University of Singapore

Sub-affiliation

  • Faculty of International Research and Education   Graduate School of International Culture and Communication Studies

Internal Special Research Projects

  • 日本語の疑問文構造:「ます」と「か」の再考察

    2004  

     View Summary

    Chomsky (1995)では、疑問文一般を引き起こす統語要素を単一の"Q"として説明しているが、これは、英語においては、Sub-Aux Inversionのみが表層で観察される真偽疑問文と、疑問語の移動のみが観察される従属疑問節の派生にのみ有効な説明である。その両方が同時に起こる疑問語直接疑問文になると、単一のQを使った分析は明らかに破綻してしまう。調査の結果、この問題は「基本的に疑問語が現れる節が疑問節」という定義に基づいていて、この考えはBaker (1970)にまで遡る。最近ではJayaseelan (2001)が、マラヤーラム語の研究を通し、関係節などとの構造上の完全一致から、疑問節が実際に疑問文として扱われるか否かは、言語使用の問題であり、統語論の関与するところではないとした。しかし、これでは、英語におけるSub-Aux Inversionという統語現象の説明が一切出来ない。そこで、この現象を引き起こす要因と疑問語移動の要因をはっきり分ける必要性を再確認し、それが目に見える形で現れる言語例として日本語を分析してみた。wh-in-situ言語と言われる日本語では、疑問語の表層移動が見られない代わりに、「か」が現れ、それが疑問語の作用域を示す。Kuno (1973)などは、「か」を疑問詞と定義し、それがつくだけで疑問文が構成されるとしたが、Takubo (1985)が指摘するように、これは特に疑問語疑問文において的を射ていない。というのも、直接疑問文として機能する疑問語疑問文は、必ず「ます」が必要になるからである。「ます」は助動詞的要素であるから、動詞素性が弱いとされる英語において、疑問文構成の際にdo-supportが観察されるのと同じように、日本語の動詞素性も弱いと仮定すれば(実際、多くの文献でこの指摘がなされている)、「ます」の挿入をdo-supportの日本語版として確立できる。つまり、ここで観察される「ます」の挿入は、英語のSub-Aux Inversionに相当するものと分析するのである。こうすると、直接疑問文構成に必要なのは、英語のSub-Aux Inversion、日本語の「ます挿入」であり、疑問語の移動や「か」の存在を要求するものではない、ということが普遍文法の観点からも言えるようになる。つまり、単一のQ分析ではなく、古くはKatz and Postal (1964)が唱えたQとwh分析が正しい疑問文分析であるということである。