2024/12/21 更新

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マツゾノ シン
松園 伸
所属
文学学術院 文学部
職名
教授
学位
PhD ( 英国リーズ大学 )
PhD ( University of Leeds, England, UK )
政治学修士 ( 早稲田大学 )

経歴

  • 2000年
    -
     

    早稲田大学文学部教授

  • 1997年
    -
    2000年

    早稲田大学文学部助教授

  • 1994年
    -
    1997年

    国士舘大学政経学部助教授

  • 1991年
    -
    1994年

    国士舘大学政経学部専任講師

学歴

  •  
    -
    1990年

    リーズ大学大学院   歴史学   イギリス近代史  

  •  
    -
    1983年

    早稲田大学   政治経済学部   政治学科  

所属学協会

  •  
     
     

    INSTITUTE OF HISTORICAL RESEARCH LONDON

  •  
     
     

    日本18世紀学会

  •  
     
     

    日本イギリス哲学会

  •  
     
     

    日本政治学会

  •  
     
     

    日本西洋史学会

  •  
     
     

    英国王立歴史学会フェロー

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研究分野

  • ヨーロッパ史、アメリカ史

研究キーワード

  • イギリス、議会、政党、選挙、政治、政府

 

論文

  • 2003年の歴史学界−回顧と展望ヨーロッパ−近代−一般

    史学雑誌   113編、第5号  2004年05月

  • 「貴族法案」(peerage bill, 1719)と1722年スコットランド代表貴族選挙研究序説

    早稲田大学文学研究科紀要   49:4  2004年02月

  • 'Bare Faced Invasion upon Scottish Liberty'?: the election of the Scottish representative peers in 1707 and 1708

    Shin Matsuzono

    Parliamentary History, published by Edinburgh University Press   23 ( part 2 )  2004年

  • 近世ヨーロッパの東と西−共和政の理念と現実をめぐって 政治思想史・イングランドから

    早稲田大学西洋史研究会第43回大会(早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所との共催)    2003年12月

  • The Long Eighteenth Centyry: A Response to the Paper delivered by Joanna Innes (Oxford University)

    Anglo-Japanese Conference of Historians 2003, State and Empire in British History    2003年09月

  • 近藤和彦編「長い18世紀のイギリス−その政治社会」

    史学雑誌   112:4  2003年04月

  • The Long Eighteenth Century: A response to the paper delivered by Joanna Innes (Oxford University)

    Proceedings of the Fourth Anglo-Japanese Conference of Historians edited by Kazuhiko Kondo    2003年

  • ヨーロッパの市民と自由—その歴史的諸相の解明,第二部近代の市民的自由,8名誉革命と自由

    アジア太平洋研究センター(ヨーロッパ思想史部会)   pp.209-224  1999年03月

  • 英国貴族院の司法的機能—18世紀を中心にして

    史観/早稲田大学史学会   140,pp.4-16  1999年03月

  • ウエストミンスター議会とスコットランド政治(1714年〜1760年)

    早稲田大学大学院文学研究科紀要   第43輯第4分冊117〜35頁  1998年02月

  • 英国議会・委員会活動の歴史とその現状

    議会政治研究   44巻41-46頁  1997年12月

  • 山下重一著 ジェイムズミル 小泉仰著 J.S.ミル いずれも研究社刊

    週刊読書人   2206号  1997年10月

  • 英国議会と「弁論」の伝統

    議会政治研究   42巻37-44頁  1997年06月

  • 近代初期イギリス政治史の一側面−国と国教会の関係についての考察、

    鈴木健夫編「ヨーロッパ」の歴史的再検討/現代政治経済研究所研究叢書8    1997年03月

  • J.S.ミル−自由の擁護と民主主義

    藤原保信、飯島昇藏編 西洋政治思想史II/新評論    1995年12月

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書籍等出版物

  • 近世ヨーロッパの東と西−共和政の理念と現実 分担執筆 イングランドのレスプブリカ理念と議会

    小倉欣一編

    山川出版社  2004年11月

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 1707年イングランド・スコットランド合同に関する再検討-新発見史料を用いて

    研究期間:

    2017年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    ① これまで、エジンバラ大学図書館 (Edinburgh University Library), スコットランド国立文書館 (National Records of Scotland), スコットランド国立図書館 (National Library of Scotland) などスコットランドにおいて蒐集した史料と、英国図書館 (British Library)、国立文書館 (National Archives) など所蔵の史料を比較検討することで、1707年イングランド、スコットランド合同 (英蘇合同 1707) 前後のスコットランド政治について、どちらか一方に偏らない古文書研究ができたと信じる。② これまでの文書リサーチで協力してくれた、ビュート侯爵 (Marquess of Bute), ホープトン伯爵Earl of Hopetounなど諸貴族家のアーキビストからの情報によって、これら英蘇合同において大きな役割を果たしたスコットランド貴族について、新しい知見を得ることができた。③ これまで未知のスコットランドにおける反合同キャンペーンを展開した政治的パンフレットを多数閲覧することができ、政治エリートに限定されず、「下からの」反合同運動について詳細なリサーチができた。④ 上記の研究に基づいて、1707年合同以降のスコットランド政局を分析した論文をまとめて、これを上梓した。2019年夏、および2020年春、英国におけるリサーチ、研究会報告を予定していたが、家族の入院、感染症の大流行のため実現できなかった。しかし過半の史料は閲覧済みであり、スコットランドのアーキビストの親身な協力によって、幸い学術論文をまとめ、上梓することができた。2019年度で果たすことのできなかったロンドン、エジンバラ等における古文書史料閲覧、、及び研究会報告は、感染症の収束状況にもよるがぜひ実現させたい。そして英蘇合同を含むスコットランド政治史、議会史の単行本に結実させていく予定である。また英蘇合同前後の政治史上のトピックについて、英語、日本語の論文を執筆する

  • 18世紀スコットランド政治社会―1707年合同のインパクト

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    松園 伸

     概要を見る

    1707年に締結されたイングランド・スコットランド間の国家連合(英蘇合同)について、これまでしばしば見られた党派的な見方ではなく、当時の指導的な貴族政治家であったハミルトン、ロクスバラ両公爵などの貴族私文書について史料調査を綿密に行うことにより、以下の点について英文、邦文の論文、学会報告を実施した。1 合同前のスコットランド議会の実態と、1707年以降ウエストミンスター議会でのスコットランド代表議員 2 18世紀のスコットランド貴族、特に1719年の貴族法案問題、3 合同とスコットランド法曹、4 合同に対するエジンバラ市の対

  • イギリス史における議会制統治モデルの限界

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2011年04月
    -
    2014年03月
     

    青木 康, 川分 圭子, 水井 万里子, 松園 伸, 君塚 直隆, 金澤 周作, 一柳 峻夫

     概要を見る

    イギリス近世・近代史は、国内各地の利害を代表する議員、特に州共同体における地主貴族出身議員が集まる議会が王権と対抗しつつ国政の主導権を獲得(=議会主権の国制を確立)していく過程として理解されてきた。この議会制統治のモデルに立つイギリス史理解は、議会制民主政治の母国イギリスに加え議会制度を導入した日本他多数の国の歴史学界において通説的地位を認められている。しかし、この通説史的理解には理論、実証の両面から疑問が提示されている。本研究はイギリス議会史に関する実証研究蓄積から、近世・近代イギリス史の通説的理解を批判的に再検討し、論集として成果を出版し、イギリス近世・近代史像をめぐる議論に貢献する

  • ヨーロッパ史における政治と宗教のダイナミズムと国家的秩序の形成

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2010年04月
    -
    2013年03月
     

    甚野 尚志, 三浦 清美, 印出 忠夫, 根占 献一, 長谷川 まゆ帆, 関 哲行, 松園 伸, 大月 康弘, 和田 光司, 皆川 卓, 踊 共二

     概要を見る

    本科研では、中近世ヨーロッパ世界における政治権力構造の発達を、キリスト教の諸宗派(カトリック、ギリシア正教、プロテスタント諸派)の多元性と宗派化の過程との関連で考察した。すなわち、中世から近世にかけてのヨーロッパ世界では、キリスト教会が多元的にそれぞれの宗教世界を構築するとともに、特定の宗派教会と政治権力が一体化し、同一宗派の政治勢力のブロック化が進行し、教会、国家、社会のあらゆる領域で宗派化が進展する。その実態を地域ごとに解明し、また諸宗派間の紛争の形態や、調停の制度と寛容理念の形成も考察した

 

現在担当している科目

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特別研究期間制度(学内資金)

  • 18世紀イギリス政治文化の研究

    2012年04月
    -
    2013年03月

    イギリス   オックスフォード大学ウォルフソ ン・カレッジ

  • 18・19世紀イギリス議会政治史の研究

    2002年04月
    -
    2003年03月

    イギリス   エジンバラ大学

他学部・他研究科等兼任情報

  • 法学学術院   法学部

  • 文学学術院   大学院文学研究科

  • 政治経済学術院   大学院政治学研究科

  • 政治経済学術院   政治経済学部

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2024年
    -
    2027年

    ヨーロッパ文明史研究所   プロジェクト研究所所長

特定課題制度(学内資金)

  • 近代イギリス議会における議事手続の研究-新発見史料に基づいて

    2017年  

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    18世紀ブリテン議会を代表する下院議院書記(Clerk of the House of Commons) 、ジョン・ハットセル(John Hatsell,1733-1820) の著した下院議事手続についての覚え書き「メモラビリア」(Memorabilia)を研究代表者は米国サンマリノ在ヘンリ・ハンティントン図書館(Henry Huntington Library) で発見した。ハットセルは、彼が出版した『下院議事手続研究』で有名であるが、本人の残した手稿史料は少ない。この新発見史料と既知の史料とを綿密に比較検討することで、近代イギリス議会、とくに下院における議事手続を明らかにすることができた。また彼が書いた書簡はエクセター地方史料館、大英図書館、国立文書館に散見されるがこれらの史料を本特定課題研究で閲覧することができ、上記『メモラビリア』と比較することができた。

  • 政治文化としての19~20世紀イギリス議会政治-我が国との比較において

    2016年  

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    19世紀における英国議会の議事運営について研究した。その最大の特徴の一つは、政府の立法への関与強化である。かつて、平議員が自ら法案を提案することは珍しいな行動ではなかった。しかし議会の立法業務は1801年以降10年間だけでも2倍に増加し、その傾向は世紀後半ますます顕著になる。政党の組織化は、個々の議員の活動を一層制約した。だが都市インフラ整備などは依然、私的立法によって進められていた。政党間の対立による議場の紛糾は、自由な議論を阻害したが、なお「討論の文化」は、相当程度確保されていた。本研究では、政府による議事の「管理」management と一般議員によるprivate legislation という一見相反する現象がどのように進行したのかを考察した。成果は邦文、英文の論文の形で2017年度以降発表される。その一部は、議事運営についての日英比較の形をとる。

  • 18世紀後半スコットランド社会とイギリス議会政治

    2013年  

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    本特定課題研究においては、18世紀ブリテン議会がスコットランド社会の変容に与えた影響について詳細な研究を行った。とりわけ1747年議会で制定された「スコットランド世襲的司法権廃止法」(Heritable Jurisdictions (Scotland) Act)は、伝統的なスコットランド社会のあり方に大きな変更を加えるものであった。 1707年のイングランド・スコットランド合同(The Union)はグレート・ブリテン王国という統一国家を形成しながらも、イングランドではイングランド法、スコットランドにおいてはスコットランド法の支配が認められ、スコットランド古来の司法制度は基本的に温存された。しかし1745-46年のスコットランド・ジャコバイト反乱によって、とりわけスコットランド北部高地地方においてなお氏族支配が続き、社会の近代化が阻害されていると考えられた。「世襲的司法権廃止法」案はロンドン政府と、近代化を望むスコットランド貴族・中産階級の合作であり、氏族族長の世襲的な裁判権を否定し、新たにイングランドと歩調を合わせた司法制度を地方において作ろうとするものであった。しかし族長らの抵抗はなお著しく、法案は多額の金銭補償を族長に与えることでようやく実現した。しかしいったん世襲的司法権が否定された後は、スコットランドは私兵制度の廃止、武装解除、高地地方の貧農の強制立ち退きと土地整理(Highland clearance)などによって急速に近代化の波に乗ることとなる。本研究ではハミルトン(Hamilton)公爵、ホープトン(Hopetoun)伯爵、ヒューム(Home)伯爵らがなお自邸内に有する私文書を含む詳細な史料調査を行い、スコットランド近代化の転機になった世襲的司法権廃止の過程を追っている。研究成果はこれまで同様、Parliamentary History, Scottish Historical Review 誌など英国の代表的な査読雑誌に投稿し、掲載を目指すものである。

  • 18世紀スコットランド政治社会―1707年合同のインパクト

    2010年  

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    標題の「18世紀スコットランド政治社会―1707年合同のインパクト」について研究を進めることができた。またこれについて特定課題研究費は非常に有用であり、改めて謝辞を述べたい。具体的には1 スコットランド史関係の洋書20冊余りを購入できたこと2 国内学会においては、研究領域が隣接している者と活発に意見交換ができたこと。3 2011年3月研究出張で英国エジンバラ大学などを訪ね、多くの未刊行史料を閲覧でき、かつエジンバラ大を初めとする研究者と意見交換ができたこと。これらの研究成果はことしにも、英国の代表的査読誌Parliamentary History などに掲載される。

  • 18世紀スコットランド政治社会―1707年合同のインパクト

    2009年  

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     研究課題が主として英国スコットランドであるため、夏期休暇などを利用してスコットランド国立文書館(National Archives of Scotland), スコットランド国立図書館(National Library of Scotland), エディンバラ大学図書館等で精力的に未刊行史料の調査をすることができた。さらにスコットランドのアーキビストの協力を得て、ハミルトン公爵 (Duke of Hamilton) 家私蔵の有力政治家にかんする古文書について実地調査も行うことができ、多くの有益な書簡を見つけることができた。さらに昨秋この分野の専門家William A. Speck リーズ大学名誉教授を東京に招聘し、研究上の様々な議論を行っている。 そしてこれらのリサーチや討議の結果、1730年代の議会史料の中から、非常に歴史的に価値のある新史料を発見することができ、この史料的な意義はすでに英国の専門研究者も認めている。2010年度中には英国の代表的な査読学会誌にその研究成果が報告される。この論文によって1707年のイングランド・スコットランド合同以後の政治史、議会史研究に貢献ができると信じている。

  • 近代政治史における政治的賢慮概念の展開-アングローサクソンと大陸ヨーロッパ

    2005年  

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    標題である「近代政治史における政治的賢慮概念の展開-アングローサクソンと大陸ヨーロッパ」は、主に欧米の近代政治(思想)史や政治理論を専攻する飯島昇藏(政治経済学部、政治的賢慮概念のアメリカ合衆国の政治、政治理論への浸透・展開)、仲内英三(同、近世、近代ドイツにおける政治的賢慮概念)、谷澤正嗣(同、政治的賢慮概念と現代の政治理論)、松園伸(文学部、近世以降のイングランドにおける政治的賢慮概念の変遷)、厚見恵一郎(社会科学部、イタリア、マキャヴェリなどにみる政治的賢慮概念)のそれぞれの方面で研究を深化させられたと信じる。その意味で3月に特定課題を資金の一部にしてWilliam A. Speck 英国リーズ大学名誉教授、元英国歴史学協会Historical Association会長を招聘することができたのはきわめて幸運なことであったと言わねばならない。スペック氏は求めに応じ、「バークからディズレーリまでのイギリス保守主義」(British Conservatism from Buruke to Beaconsfield)の題目で1時間のレクチャーを行ない、この講演自体われわれの関心の中心である政治的賢慮概念と深く関わるものであった。またスペック教授とはこのテーマに関して頻繁にわれわれと意見交換を行なっており、かれのヨーロッパ史全体についての深い理解は、われわれの共同研究についてもこれを大きく進めたと言えるだろう。今後は個別の研究を進めるとともに、政治的賢慮概念をキーワードとして共同研究に立脚した著作・論集を上梓したい。そして一般にわが国においてはなじみの薄い「政治的賢慮」概念に新しい光を当てることができれば、その学問的な効果はきわめて大きいであろう。

  • 近代イギリス議会と政党政治

    2005年  

     概要を見る

    標記の課題「近代イギリス政治と政党政治」について1年間で相当の知見を深めることができた。本来わたしの研究対象は、英国リーズ大学博士学位論文"The House of Lords and the Godolphin Ministry 1702-1710"(1990)以来18世紀(ここで言う18世紀とは名誉革命から1830年代までの「長い18世紀」)に主に焦点が当てられていたが、これをより古い時代すなわちテューダー期、初期スチュアート期、また後代についても19世紀ヴィクトリア期の古典的議会政治の時代、さらには20世紀の大衆社会状況でのイギリス議会制民主主義とリンクさせ、はるかに広い視座で研究する基盤ができた。本年(2006年)9月にはロンドンでの国際会議「日英歴史家会議」(Anglo-Japanese Historians' Conference)があり、ここでの個人研究報告に生かすことはもちろん、その後に作られる論集(Proceedings)にも結実させていきたい。そして最終的には16世紀から現代までの近世、近現代にわたるイギリス議会史にまとめていきたい。その場合の観点としては1 当然のことながらイギリス議会史イコールイングランド議会史ではない。スコットランド、アイアランドに存在した議会との関連性を見る。2 Church and State が英国の政体を評する言葉としてしばしば使われることからも分かるように(国)教会は直接、間接に政治に深く影響を与えてきたし、程度の違いはあるもののいまもなおそうである。抽象的な神学論議は回避しつつ、上位、下位の聖職者が議会に、そして下院議員を選出する選挙にいかに関与してきたかを詳細に考察したい。

  • 近代政治史における政治的賢慮の展開

    2004年  

     概要を見る

    主にイギリス近代の政治史、政治思想史に焦点を絞って共同研究を進めてきた。とくに今回の特定課題の一部を用いて、2004年12月、ウィリアム・スペック(William Arthur Speck) 英国リーズ大学名誉教授(前英国歴史学会会長)を招聘することができた。スペック教授は1688-89年のイングランド名誉革命、および17世紀末から18世紀初頭にかけての政治史、政党史について高いレヴェルの講演を行うとともに日本人研究者との討議を深め、当時のイングランドにおける「政治的国民」(political nation)の形成について活発な議論ができたと信じる。また2005年3月には、同じく英国からハリー・ディキンソン(Harry Dickinson) エジンバラ大学歴史学部教授(現英国歴史学会会長、王立歴史学会副会長)が京都大学の招きで短期間来日しているのを機に、かれを4日間にわたって早稲田大学にも招くことができた。ディキンソン教授は主に18世紀後半アメリカ独立革命期における英国の対応についてレクチャーを行うとともに、当時の英国の政治家の政治的叡智についての討議を通じて本共同研究はいっそう充実することになった。いずれの講義、研究上の討議においても、本特定課題共同研究者だけでなく、参加者は本学専任教員、院生はもちろん東京大学、東京都立大学、立教大学、成城大学、日本学術振興会特別研究員(PD)などが多数参加し充実した討論が行われたことは、今後この課題を共同研究者が深化させていくのに大きな起動力になろう。なお研究上の成果は図書、論文、学会報告などの形で発表される。

  • 19世紀イギリス議会政治史-新しい「憲政史」の構築をめざして

    2001年  

     概要を見る

    2年間にわたる特定課題研究によってまず、19世紀英国政治史研究に不可欠な首相、有力政治家の書簡集、メモアール等を多数入手することができた。早稲田大学においては各箇所でこれら史料が多く所蔵されているが、それでも一部欠けているピット、リバプール、カスルレー、キャニング、グレイ、メルボーン、パーマストン、ソールスベリなどの文書によって新たな知見が得られたことは幸いであった。また第一次から第三次にいたる選挙法改正、選挙腐敗防止の過程など憲政史を語る上で欠かせない問題についても研究を深めることができたと信じる。 2002年度、私は特別研究期間を利用して英国エジンバラ大学大学院でフェローとして研究活動する機会を与えられた。このチャンスを利用して、現地のマニュスクリプト史料を積極的に活用するとともに研究者との交流を深めたい。さらにこれまで私が著した18世紀イギリス史の単著2点(「イギリス議会政治の形成」「産業社会の発展と議会政治」いずれも早大出版部刊)を踏まえた著作をまとめたい。

  • 18世紀中葉から後期にかけての英国議会の研究

    1998年  

     概要を見る

     本特定課題の採用によって、18世紀英国の政治、社会に関する一次史料、研究書を購入した。その結果、18世紀半ばから後期にかけてのイギリス議会史についてまとめることができた。その成果は主に拙著「産業社会の発展と議会政治」(早稲田大学出版部刊、1999年2月)の中で示されている。この研究によって18世紀英国議会における政党政治の変遷が明らかにされるとともに、当時産業化の道を歩みつつあったイギリス社会と議会の関係がかなりの程度解明できたと考える。

  • 18世紀中葉から後期にかけての英国議会の研究

    1997年  

     概要を見る

    本特定課題助成費の支給によって、18世紀英国議会関係の史料を購入することができた。また国内での大学、研究施設の史料を閲覧した。その結果、18世紀初期において「最初の政党時代」として英国に現れた政党政治が、その後急速に解体していく過程を中央、地方の両方の面から解明した。しかしその一方で、18世紀後半にいたってもなお(その内容はかつてとは大きく異なっていたとはいえ)ヴィッグ主義、トーリー主義といわれる政党の原理、原則が残存していたことをみた。 第二に18世紀中葉から後半にかけての英国議会での上下両院における議事手続などを考察することを通じて、議会がそれ以前よりますます経済、産業の発展のために活発な審議を行い、たとえば私法律の形で運河、有料道路建設、農林漁業の振興などを図っていたことを明らかにした。また産業化の進行に伴い都市の貧民増大を背景に議会、政府はすでに社会政策的な施策を始めていたことをみた。研究成果の発表1999年 産業社会の発展と議会政治―18世紀イギリス史(単行本、早稲田大学出版部1999年2月刊行予定)

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