2024/04/18 更新

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ミヤザキ サトシ
宮崎 里司
所属
国際学術院 大学院日本語教育研究科
職名
教授
学位
学術博士 ( モナシュ大学(オーストラリア) )
Doctor of Philosophy
Ph.D(応用言語学博士)

学歴

  •  
    -
    1997年

    モナシュ大学大学院   日本語研究科   日本語応用言語学  

  •  
    -
    1982年

    早稲田大学   文学部   社会専攻  

所属学協会

  •  
     
     

    社会言語科学会

  •  
     
     

    留学生教育学会

  •  
     
     

    言語政策学会

  •  
     
     

    日本語教育学会

  •  
     
     

    オーストラリア日本研究学会

研究分野

  • 言語学

研究キーワード

  • 日本語教育、社会言語学、学習ストラテジー、談話習得、遠隔教育、脳の言語処理過程、アイカメラ、バイリンガル・イマーションプログラム

 

論文

  • 総括(<特集>2011年度オーストラリア学会全国研究大会 シンポジウム オーストラリアの言語教育政策:多文化社会化する日本への提言)

    宮崎里司

    オーストラリア研究   ( 25 ) 1 - 1  2012年03月

    CiNii

  • 言語の自然習得とは

    日本語学   24号   6 - 19  2005年04月

  • 新時代の日本語教育をめざして:早稲田大学大学院 日本語教育研究科の取り組み — 産学官連携事業と日本語教育:地域社会との協同をめざして

    日本語学   ( 23 ) 62 - 72  2004年07月

  • 新時代の日本語教育をめざして:早稲田大学大学院 日本語教育研究科の取り組み — 学習者の多様化と自然習得:教師から見えない学習者たち 2

    日本語学   ( 23 ) 86 - 97  2004年06月

  • 新時代の日本語教育をめざして:早稲田大学大学院 日本語教育研究科の取り組み — 学習者の多様化と自然習得:教師から見えない学習者たち 1

    日本語学   ( 23 ) 72 - 83  2004年05月

  • 新時代の日本語教育をめざして:早稲田大学大学院 日本語教育研究科の取り組み — 座標軸を問い直す日本語教育への提言

    日本語学   ( 23 ) 84 - 93  2004年04月

  • 学習者の眼球運動の軌跡からみた文章産出過程 — アイカメラと内省報告からの検証

    早稲田大学日本語教育研究   5   1 - 18  2004年

  • 意味および時制の逸脱に関する脳の言語処理過程研究

    早稲田大学日本語教育研究   ( 3 ) 15 - 22  2003年

  • 学習ストラテジー研究再考:理論,方法論,応用の観点から

    早稲田大学日本語教育研究   ( 2 ) 17 - 26  2003年

  • 異境から来た21世紀の力びと

    月刊 大相撲    2003年01月

  • 外国人力士はなぜ日本語がうまいのか

    日本語学     44 - 45  2002年11月

  • 「フォリナートーク」、「接触場面」

    応用言語学事典     48 - 49  2002年

  • 外国人力士の日本語習得:言語管理と自然習得

    早稲田大学日本語研究教育センター紀要   ( 15 ) 119 - 131  2002年

  • 第二言語習得研究における意味交渉の課題

    早稲田大学日本語教育研究     71 - 90  2002年

  • 「外国人力士に見ることばの習得」学

    日本語学   ( 21 )  2002年01月

  • 外国人力士の日本語習得と学習ストラテジー:社会的ストラテジーを中心として

    講座 日本語教育     71 - 83  2001年

  • 外国人力士の日本語インターアクション能力:イマージョンプログラムのモデルとしての習得環境

    21世紀の日本事情   ( 3 ) 70 - 81  2001年

  • Communicative Adjustment between Native Speakers and Non-Native Speakers of Japanese

    Ph.D論文 Department of Japanese Studies, Monash University   266  1998年07月

  • 第二言語修得理論における調整、意味交渉及びインプット

    日本語研究教育センター紀要   11;pp177-190  1998年06月

  • インドネシア人日本語学習者のインターアクション行動:学習ストラテジーの観点より

    アカデミア 文学・語学編 63号   33-43頁  1997年

  • インターアクション場面の変化と社会ストラテジー:日豪での縦断的調査研究から

    JALT Journal. 18巻. 2号   269-278頁  1997年

  • Interacting with the Japanese : A comprehensive communication course. K. Ogawa, S. Miyazaki, Y. Hashimoto, S. Enomoto and R. Spence-Brown (eds.)

    Melbourne: Japanese Studies Centre   Book 5 and 6  1995年

  • The negotiation process between Japanese native and non-native speaker teachers in lesson planning situations. Studies in Team Teaching. M. Wada and A. Cominos. (eds.)

    Tokyo: Kenkyusha   pp.143-161  1994年

  • Australia as a benchmark for understanding Japan. Japanese images of Australia: A collection of Japanese writing on Australia. in R. Mouer. (ed.). Asian Perceptions of Australia. no.2.

    Monash Asia Institute. Monash University   pp.89-96  1992年

  • 日本語教育と敬語: 主として敬語回避の観点から

    世界の日本語教育、 国際交流基金日本語センター1号   91-103頁  1991年

  • 接触場面における仲介訂正ネットワーク

    日本語教育71号   171-180頁  1990年

  • 日本語教科書の会話ディスコースとめ維持的(explicit)、暗示的(implicit)な調整行動:教科書談話から学べること・学べないこと

    早稲田大学日本語教育研究   第7号   1 - 26

  • 言語管理と脳の言語処理過程:事象関連電位(ERP)を使った日本語学習者のカタカナの表記逸脱研究

    接触場面の言語管理研究   ( 3 ) 91 - 105

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書籍等出版物

  • コミュニティ・ジャパニーズ、LOTEジャパニーズ:日本語がマイノリティ言語か」 『オーストラリアのマイノリティ研究

    オセアニア出版  2005年06月

  • おかみ学:なぜ人を育てるのがうまいのか

    PHP  2005年06月

  • カタカナ表記逸脱における日本語学習者の脳波分析:事象関連電位(ERP)を応用した言語処理過程の研究

    接触場面と日本語教育:ネウストプニーのインパクト  2003年

  • 接触場面と日本語教育:ネウストプニーのインパクト

    2003年

  • イマージョンプログラム入門:インターアクション能力の習得をめざしたコースデザイン

    ことばと文化を結ぶ日本語教育  2002年

  • 対象者の内省を調査する(4):発話思考法,学習ダイアリー,再生刺激法,回想法

    言語研究の方法:言語学,日本語学,日本語教育学に携わる人のために  2002年

  • 対象者の内省を調査する(3):脳波研究

    言語研究の方法:言語学,日本語学,日本語教育学に携わる人のために  2002年

  • 話しことばの研究

    言語研究の方法:言語学,日本語学,日本語教育学に携わる人のために  2002年

  • 言語研究の方法:言語学,日本語学,日本語教育学に携わる人のために

    2002年

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 外国人介護人材養成のための日本語能力判定基準の開発に基づく効果検証

    研究期間:

    2019年04月
    -
    2022年03月
     

     概要を見る

    外国人の介護人材が就業している現場では、徐々に、日本語教育の重要性が認知されてきたが、候補者や実習生の、介護現場での的確な日本語能力を判定するスケールが開発されておらず、まずは、介護人材の適切な日本語能力診断が求められる。今回の申請では、これまでの研究によって開発されたWKBSを、さまざまな介護現場で、外国人介護就労人材の研修に当たる関係者が、簡便にアクセスし使用できる、インターネット上でのアプリケーションを開発することを大きな目的としている。それによって、より多くの利用者からのフィードバックを得られ、その効果を検証することで、完成度の高いバンドスケールに仕上げていくことができると考えられる。19年度は、主に、基礎研究として、外国人の介護従事者の研修を担当する日本人スタッフ向けに以下のようなカリキュラムをデザインし、いくつかの介護養成校でワークショップを行った。<BR>外国人介護就労者の受け入れと移民政策事情や外国人介護就労者の在留資格(EPA・介護・留学生・技能実習生・特定技能・定住/永住など)の概要を盛り込んだ、「日本での外国人介護就労者の受け入れ事情」、介護福祉士国家試験を日本語教育の観点から分析する。また、技能実習制度について、1号から2号へ移行する際の技能評価試験について解説し、問題についての検討、および、「やさしい日本語」を使ったコミュニケーション指導、介護の現場での「やさしい日本語」の作り方と話し方、介護の場面別の指導例、専門用語のわかりやすい言い換え、介護記録の読み方、ならびに申し送りの聞き方を中心とした、「介護日本語」、JLPT(日本語能力試験)とは異なる、介護場面での日本語能力評価(ワセダバンドスケール:WBS)の目的およびWBSを用いた評価判定実践を目的とする、「介護現場での介護日本語力の評価方法」、そして、日本の生活習慣や日本事情を指導する、「生活習慣および社会適応」<BR>次に、アクティブシニア層を中心とした日本人 と、日本語を学びたい海外の学習者が、オンラインでつながり日本語で会話できる日本語でのコミュニケーション・アプリの開発に参加し、実証実験を行い分析を開始した。技能実習制度や特定技能において、介護をはじめ、外食、宿泊などの人的サービスの業種が増加している。そうした領域で、十全に役割参参加する上で、日本語能力は重要であるが、介護養成校でのワークショップや、アプリ開発を通して、当該研究の意義が再確認された。次年度は、収集したデータを基に、カリキュラムやアプリの精度を、さらに向上させるべく、研究を継続させていきたい。【現在までの進捗状況】で述べたように、介護養成校でのワークショップを継続し、かつアクティブシニアの社会的な孤立を防ぎ、認知症予防にも繋がる、日本語を使った、異文化交流アプリを開発し、検証を続けていきたい。さらに、申請者は、全国老人保健施設協会(全老健)の人材対策委員会人材対策部の委員に嘱任されたこともあり、全国の老健施設で働く外国人介護人材の就労状況や、課題解決に向けた状況把握のためのアンケート調査を開始した。これを基に、どのような課題があるのかを分析し、日本語教育の観点から解決に向けた提言やアプリ開発を進めていきたい

  • 外国人受刑者に対する矯正処遇のための日本語教育プログラム実践研究

    研究期間:

    2017年06月
    -
    2019年03月
     

     概要を見る

    本研究では、出所後に引き続き日本に在留する外国人受刑者が少なからず存在する現状を示し、改善更生や再犯防止の観点を含め、彼らの円滑な社会復帰(居住地を定め、就労先を見つけ、独立した生計を営み、かつ、職場や居住地域で良好な人間関係を築くこと)に向けた日本語教育の必要性について、刑事施設職員の意識に着目しつつ明らかにした。また、円滑な社会復帰を達成させるために、どのような日本語教育が行われるべきなのかについて外国人受刑者の文脈に即し考察した。加えて、研究内容について、日本の刑事施設で外国人受刑者に日本語教育を行うことにどのような意味があるのかという、矯正処遇に係る基本的視座(日本語教育を通じて、外国人受刑者の円滑な社会復帰・再犯防止を目指す。)を示した上で、こうした基本的視座に立脚した日本語教育とはどのようなものなのかについて、以下に示す、外国人受刑者の文脈に即しつつ考察した。【外国人受刑者に対する日本語教育を考察していく上で留意しなければならないこと】① 広島刑務所逃走事故(法務省が日本語教育の重要性を強く認識した事例)、② 消極的処遇主義と積極的処遇主義、③ 積極的仮釈放政策、④ 刑の執行後の退去強制手続、⑤ 国際受刑者移送制度、⑥ 刑事施設職員の日本語教育に係る意識、⑦ 居住・定住型の受刑者の円滑な社会復帰・再犯防止に向けた矯正処遇の必要性【外国人受刑者に対する矯正処遇と日本語教育】① 刑務作業・職業訓練、② 改善指導(一般改善指導、特別改善指導)、③ 教科指

  • 外国人受刑者に対する矯正処遇プログラムのための日本語教育プログラム改善

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2016年04月
    -
    2017年03月
     

    宮崎 里司

     概要を見る

    本研究は、国内の刑事施設に収容されている外国人受刑者(F指標)への矯正処遇における日本語指導プログラムの導入や改善を目的とした基礎データの収集および提言に基づき、矯正行政及び受刑者の改善指導を行った。その結果、国際対策室が設置されている、6カ所の刑事施設(府中、横浜、大阪、名古屋、福島、栃木)の職員を中心にした、日本語指導プログラム検討会議を設置し、成果物として、「外国人受刑者に対する日本語指導用ワークブック」を作成した。この成果は、外国人受刑者の心情把握や施設内での懲罰の減少にもつながり、処遇職員とのコミュニケーションを円滑に遂行させ,施設職員の接遇能力の向上にもつながるものである

  • 注視点記録装置を使った外国人留学生の講義理解過程分析

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2014年04月
    -
    2017年03月
     

    宮崎 里司

     概要を見る

    本研究は、注視点記録装置(アイマーク・レコーダー:Eye Mark Recorder EMR)を用い、日本語母語話者と非母語話者が参加する、講義理解過程における視覚情報処理のインターアクション問題が、どのように解決されるのかを検証するものである。具体的には、大学での講義場面における調査対象者の眼球運動の軌跡を、EMRによって記録し、さらに、調査対象者の内省データから、「講義理解のための学習ストラテジー」と「留学生に対して用いる講義理解促進のための教授ストラテジー」を抽出し、大学の講義のあり方を考察する。この成果は、留学生教育に対する提言と共に、教員のFDカリキュラム構築にも寄与すると思われる

  • 短期留学生のための日本語教育プログラムの総合的開発

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2000年
    -
    2002年
     

    宮崎 里司, 北條 淳子, 細川 英雄, 川口 義一, 蒲谷 宏, 佐久間 まゆみ, 吉岡 英幸, 鈴木 義昭, 宮崎 里司

     概要を見る

    本研究は、こうした短期留学生への日本語教育のプログラムの策定と共通教材の開発をめざすことを目的として始まった。本研究は、当センター内の多様な教師が集い、プログラムのあり方・共通教材の開発について協議・検討を行い、さらにその成果を発表することで学外における人的ネットワークや交流を拡充するとともに今後の日本語教育のための新しい基盤を築くという意義をもっている。具体的には、短期留学生が在籍者の中心である、早稲田大学日本語研究教育センター(以下日本語センター)別科日本語専修課程の学生を対象にした、主題別・領域別の、全クラス共通教材作成を目指した。そうした背景には、日本語センターには複数の日本語学・日本語教育関係者が所属しており、教員間で統一的な理念と方法について検証する機会をもつ必要性が高かったことが挙げられる。平成12年度は、別科に所属する学生の特色や傾向などを踏まえ、教材としてどのようなものが求められているかを協議・検討した。あわせて市販の教材・解説書の類からいくつかのサンプルをとりだし、本研究のモデルとしての使用の可能性をさぐる試みを行った。具体的な開発教材の参考資料として、例えば、教室場面での学生と教師とのインターアクションをビデオ録画し、データ収集するとともに、「文章表現」のクラスでは、学生の成果を今後の分析のために毎回コピーし、保存する作業を続けた。さらに、隔週ごとに、本研究分担者がコーディネーターを務める、別科コーディネーター会を招集し、研究実績の概要に基づいた協議・検討が行われた。早稲田大学は、平成13年度に、大学院日本語教育研究科を設立したが、特色のひとつとして、日本語教育の理論と実践を統合した総合的な「実践研究」クラスを開講しており、留学生のための日本語教育の現場で、実践的な知見を得ている。平成13年度には、教材の研究開発に着手した。具体的には、研究分担者間で、定期的に会合を開き、新年度に向けた教材開発を手がけた結果、「読解」、「口頭表現」、ならびに「総合」クラス用の試用版教材、および初級向け教科書が作成できた。最終年度の成果として開発された教材は、日本語研究教育センターの留学生用としてだけではなく、日本語教育学を学ぶ学生にとっても、実証研究のための素材になったと思われるが、今後は、3年間の教材試用版の作成および検討を通して得られた研究成果を公刊し、本研究を通して構築された、学外の留学生日本語教育担当機関とのネットワークを援用した上で、海外の日本語教育機関の日本語教育関係者との意見交換などをはじめとする、さまざまな教育カリキュラム等の連携・協力の可能性を探っていきたい

  • 異文化接触に伴うアカデミック・スタイルの不適応問題

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    本研究は、アカデミックススタイル(教授スタイルや学習スタイル)に関する異文化間の比較を、日本とオーストラリアで収集されたデータをもとに分析する実証研究として計画されたものである。アカデミック・スタイルのデータ収集のために、日豪で同じようなデザインを設定した。日本では、千葉大学及び立教大学に留学している、モナシュ大学とオーストラリア国立大学出身の6名の学生から、ある学期科目を履修するために、クラス内外でどのような活動を行っているかについて、2、3週間に一度インタビューを行った。一方、オーストラリアでは、モナシュ大学日本研究科に在籍する2人の日本人大学院生の協力を得て、日本と同じようなインタビューを行い、また、その比較のために、オーストラリア人の大学院生にも、同じ内容のインタビューを行った。なお、このデータ収集は、同研究科に所属する教員の協力を得て収集された。これまで、収集されたデータを基にして、これまで中間報告を含む成果の報告を行ってきた。一つは、オーストラリア側のデータをまとめた論文で、「留学生のマクロ学習ストラテジー」(マリオット,H 宮崎里司翻訳)『日本語教育と学習ストラテジー』(くろしお出版)で、日本人留学生を中心に、日本とオーストラリアの大学のアカデミックスタイル(教授スタイルや学習スタイル)に関する異文化間の比較とその問題分析を行ったものである。もう一つは、同様な内容を学会発表("Japanese students and their cultures of learning"(The 1999 National Language and Academic Skills Conference,モナシュ大学 平成11年11月26日)を、前述の共同研究者と行った。今回のこれまでのデータ分析によって明らかになったのは、日本人留学生、オーストラリア人留学生共々、第二言語である英語及び日本語の習得だけではなく、異なるアカデミックスタイルの適応する過程で、問題を感じていることが明らかになった。今後は、このアカデミックスタイルの問題も、日本語教育のシラバスの中に取り入れる必要性がある。同時に、留学前に行う、システムマティックな出発前教育を望む被験者が多かった。これからの作業として、アカデミック・スタイルの適応及び不適応について、日豪のデータをさらに比較検討し、国内、海外の学会誌に発表していく予定である

  • 年少者のための日本語教育に関する基礎的調査研究

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    年少者への日本語教育という定義は、きわめて曖昧である。本研究では、従来ほとんど検討されることのなかった高等学校レベルに焦点を絞り、かつ国語教育との比較の上で、年少者のための日本語教育を位置づける。その方法論としては、外国人留学生のための日本語クラスにおける総合的な言語学習活動の組織化と支援についての理論を用い、教室実践上の試みとして考察・検討を行う。本研究は、当初、地域を限定した年少者のための日本語教育の実態を網羅的に調査することを予定したが、実際の地域とのやり取りの中では、そうした網羅的な調査は現実的でなく、結果として表層的なものに終わってしまうことが危惧された。そのため、むしろ具体的な教室実践を比較し、その中で、特定のレベルに限定した観察・分析が重要であると認め、当初の計画を変更して調査研究を行うこととした。本研究は、第1言語としての日本語教育としての「文章表現」プログラムと、第2言語としての日本語教育としての「取り出し日本語」クラスの分析・検討によって、教室プログラムと学習者の達成の関係をデータ化しを作成し、この実践をもとにデータを収集することにあった。具体的な教室実践を比較し、その中での学習の状況や教師役割を分析することによって、教室活動そのものの設計および組織化と支援についての理論を構築するところにある。この成果については、その一部を牲川・細川『わたしを語ることばを求めて』(三省堂、2004・3)として刊行し、続いて『考えるための日本語-問題を発見・解決する総合活動型日本語教育のすすめ』(明石書店、2004・12)の形で公表した。なお、当初、研究分担者であった牲川波都季は、2004年8月付けで早稲田大学を退職したため、研究協力者として研究に参加した

  • テレビ会議を用いた語学教育のあり方

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    本研究プロジェクトにより語学教育のクラスにおけるビデオ会議は、現実の言語使用を直接的に提示する腰のできるメディアとして過度な負担なく利用可能であることが証明された。調査の結果、適正な条件の下では、ビデオ会議による相互交流により、学習者間に語学学習に不可欠だと考えられる「意味の交渉」が起こっていることが確認された。一方でまた、調査結果から、想定されたコミュニケーションのレベルを達成するのが困難な場合もあることが判明した。まず、時差のある地域間でのスケジュールの調整、教師間の打ち合わせ、機械の不具合などの要因が、すべてではないとしても、継続的なコミュニケーションの妨げになっているという実践上の問題が存在する。それ以外にも、「ビデオ会議」というメディアの構造的問題もある。それは、「コンテキストが減退する」ということで、そのため、談話の参加者は、対面コミュニケーションの場合には得られる非言語的な、あるいは感情的な意味理解のきっかけがなかなか得られないことになる。これは、コミュニケーションのために十分なコンテキストを必要とする非母語話者にとっては、コミュニケーションを支障なく運ぶことがむずかしくなってくるということを意味する。交信時のタイム・ラグも、コミュニケーションのしかたに大きな制限を課すものとなる。そのため、調査の初期段階の結果では、「ビデオ会議」というメディアを通じてコミュニケーション環境を整えるということに関する困難点が明白となった。調査の次の段階では、このようなコミュニケーション環境にタスクをベースにした環境を導入してみるという、半実験的な活動を行ったが、そこから得られたデータでは、このように高度に構造化されたタスク付の環境ではインタラクションがより効率的になり、参加者が意味交渉をする機会が増えた。さらに、会議前と会議中にタスクを繰り返すことにより、学習者がインタラクションに先んじて使用言語の枠組みをとらえることができるため、効果が上がることも判明した

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現在担当している科目

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特別研究期間制度(学内資金)

  • テレビ会議システムを利用した海外の日本語学習者及び日本語教師に対する支援

    2004年09月
    -
    2005年08月

    イギリス   オックスフォード゙大学ウォルフソンカレッジ

    アメリカ   プリンストン大学

    オーストラリア   モナシュ大学

他学部・他研究科等兼任情報

  • 国際学術院   国際コミュニケーション研究科

  • 附属機関・学校   グローバルエデュケーションセンター

学内研究所・附属機関兼任歴

  • 2022年
    -
    2024年

    日本語教育研究センター   兼任センター員

特定課題制度(学内資金)

  • 外国人人材養成のための日本語能力判定基準の開発に基づく効果検証

    2018年   中野玲子

     概要を見る

    &nbsp;本研究の成果として、開発された早稲田介護バンドスケール「WASEDA介護バンドスケール(WKBS: Waseda Kaigo Band Scale) には、以下のような利点がある。①&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; 外国人介護従事者と日本人介護職員が協力して学習を進めることができる②&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; 測定に加え、次のステップに到達するための学習内容が示されている③&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; 現場の日常業務と日本語学習を結び付けることができる&nbsp;&nbsp;このWKBSの効果検証を進めることで、さまざまな形態の介護サービスに適応し、介護の基礎知識を持たない外国人人材でも介護の基礎知識と日本語をあわせ学習し、能力を向上させていく仕組みを作ることで、介護サービスの質の確保を目指すことができた。具体的には、技能実習生、EPA、留学生などの在留資格で来日し、各福祉施設に配属された外国人の研修を担当する日本人担当者からフィードバックをもらいながら、改善し、日本語による介護実践能力を向上させるノウハウの開発を目指すことができた。

  • 外国人受刑者の矯正処遇における日本語教育研究

    2015年   吉村幸司

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    本研究は、国内の刑事施設に収容されている外国人受刑者(F指標)への矯正処遇における日本語指導プログラムの導入や改善を目的とした基礎データの収集および提言を目的とするものである。こうした成果は、外国人受刑者の心情把握や施設内での懲罰の減少にもつながり、処遇職員とのコミュニケーションを円滑に遂行させ,施設職員の接遇能力の向上や、自己肯定感に基づいた処遇の自信回復の醸成につながる。具体的には、法務省矯正局成人矯正課の支援を受けながら、刑事施設に配役されている職員に対する研修プログラムの改善も検討する。欧米などでは、すでに実践プログラムなどが導入されているが、今後移民社会化する日本においても、同様な処遇環境整備ならびにサスティナブルな多文化共生社会の観点から重要な政策となると思われる。本研究の成果を基に、平成28年度、科研「挑戦的萌芽」に申請し採択に至った。

  • 注視点記録装置(EMR)を使った外国人留学生の講義理解過程分析

    2013年  

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    本研究は、眼球運動を瞳孔、角膜反射方式による注視点記録装置(アイマークレコーダ:Eye Mark Recorder EMR)を用い、日本語母語話者と日本語非母語話者が参加する接触場面中でも、大学の講義場面に特化し、どのようなインターアクション行動が現れ、講義理解過程における視覚情報処理の問題を、どのように解決するのかを検証するものである。具体的には、大学での講義場面における講義場面のインターアクションを、注視点記録装置を装着した調査対象者によって記録させ、どのような講義理解のストラテジーが援用されているか、また講義担当者が、留学生に対し、内容理解を促すために、どのような講義理解のストラテジーを用いているかを検証し、国際化に向けた大学の講義のあり方を論究する。また、講義を配信する講義担当者側も、日本語教育関係者とどのような協同連携を図るべきかを考えなければならないので、教員研修(Faculty Development)のための具体的カリキュラム構築の参考にもなると考えられる。具体的な研究成果については、平成18年12月20日付で、平成18年度私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学研究設備等整備費)の交付の内定(18文科高第512号)を受けたので、それを利用して、以下のような実験を行い、継続して分析を行っている。実験1 実験1では、アカデミック講義場面における留学生の視線の軌跡をアイマークレコーダーで記録し、留学生が文字情報や非言語情報をどのように処理しているかの検証を行い、従来使われていたCCDカメラでは困難であった精緻な観察を遂行することで、より信頼性、客観性の高いデータを得ることができた。実験2 実験2では、意見構築のための読解において読み手が用いる読解ストラテジーを眼球運動の軌跡から調査した。具体的には、読後、指定された文章に対する、調査対象者自身の意見を述べるという課題を与え、PC画面上にパワーポイントを用いて、一段落ごとに展示される文章を読む課程で、アイマークレコーダーにて、眼球運動を記録した。これら2回の実験から得られたデータおよびアイマークレコーダーを使用する、新たな方法論の意義を検証することにより、日本語遠隔教育における学習者の眼球運動、アイコンタクトを、対面接触場面との比較を試みた。以上のような研究を基に、2014年度は、研究発表を行うとともに、科研申請を予定している。

  • 注視点記録装置を使った外国人留学生の講義理解過程分析

    2012年  

     概要を見る

    本研究は、眼球運動を瞳孔、角膜反射方式により、精度よく計測し、コンピューターによって簡便に定量解析ができる装置である、注視点記録装置(アイマークレコーダ:Eye Mark Recorder EMR)を用い、日本語母語話者と日本語非母語話者が参加する接触場面中でも、大学の講義場面に特化し、どのようなインターアクション行動が現れ、講義理解過程における視覚情報処理の問題を、どのように解決するのかを検証するものである。具体的には、大学での講義場面における講義場面のインターアクションを、注視点記録装置を装着した調査対象者によって記録させ、どのような講義理解のストラテジーが援用されているか、また講義担当者が、留学生に対し、内容理解を促すために、どのような講義理解のストラテジーを用いているかを検証し、国際化に向けた大学の講義のあり方を論究する。また、講義を配信する講義担当者側も、留学生教育に携わる一員として、日本語教育関係者とどのような協同連携を図るべきかを考えなければならないので、こうした検証は、留学生教育に携わる全ての教員に対する、教員研修(Faculty Development)の重要項目となりうると思われるので、教員のFD(Faculty Development)の具体的カリキュラム構築の参考にもなると考えられる。具体的な研究成果については、平成18年12月20日付で、平成18年度私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学研究設備等整備費)の交付の内定(18文科高第512号)を受けたので、それを利用して、以下のような実験を行い、継続して分析を行っている。実験1 実験1では、アカデミック講義場面における留学生の視線の軌跡をアイマークレコーダーで記録し、留学生が文字情報や非言語情報をどのように処理しているかの検証を行った。調査者は修士論文では、CCDカメラを用いて視線の方向のデータを採り、その後フォローアップ・インタビュー(FUI)を行ったが、CCDカメラでは、調査対象者の大まかな視線方向は認知できるものの、精緻な観察はできない。本実験では、アイマークレコーダーを用いることで、より信頼性、客観性の高いデータを得ることができた。実験2 実験2では、意見構築のための読解において読み手が用いる読解ストラテジーを眼球運動の軌跡から調査した。具体的には、読後、指定された文章に対する、調査対象者自身の意見を述べるという課題を与え、PC画面上にパワーポイントを用いて、一段落ごとに展示される文章を読む課程で、アイマークレコーダーにて、眼球運動を記録した。さらに、このデータをもとにFUIを行い、眼球運動のもと機能を調査した。これら2回の実験から得られたデータおよびアイマークレコーダーを使用する、新たな方法論の意義を検証することにより、日本語遠隔教育における学習者の眼球運動、アイコンタクトを、対面接触場面との比較を試みた。以上のような研究を基に、2013年度は、研究発表を行う予定である。

  • 外国人介護福祉士向けインターアクション能力測定方法としてのバンドスケールの開発

    2012年  

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    2010年に作成した、『外国人介護福祉士候補者に向けた介護福祉士国家試験日本語教育マニュアル』でも提案した、外国人介護従事者の「日本語による業務遂行能力」を測定するツールであるバンドスケール(Foreign Care-Workers Band Scales: FCWBS)は、外国人介護福祉士候補者を受け入れている施設の人々が、候補者の日本語能力を測定するために特別に開発された測定基準であり、候補者の日常生活場面、介護場面、国家試験対策学習場面といった、候補者の置かれている状況を踏まえた場面設定がなされている。このバンドスケールは次の2つの目的のために作られている。まず、第一の目的は、外国人介護候補者の現在の日本語能力の到達度を把握することであり、第二の目的は、候補者の次の到達目標を明確にすることである。スケールは「業務場面」、「生活場面」、「国家試験対策場面」の3場面がそれぞれ8段階に分かれている。非日本語教育専門家も評価作業に参加し、外国人介護従事者の能力の到達度を把握することで、主体的な日本語教育の設計者になり、育成型移民政策のモデルの構築に寄与する意識づけが期待される。今回の特定課題の研究は、以前に開発した介護用バンドスケールを、①介護分野における専門日本語への理解を深める、②インターアクション問題全般を把握する、③非日本語教育専門家が使用可能なバンドスケールを開発することといった目的により、外国人介護従事者の「日本語による業務遂行能力」を測定するツールとして、介護の専門家から寄せられたコメントやフィードバックから改良を加えた。こうした測定は、これまでの日本語能力検定試験(日本国際教育支援協会主催)や日本留学試験(日本学生支援機構)、ACTFL OPI(American Council on the Teaching Foreign Languages Oral Proficiency Interview)、さらには、BJTビジネス日本語能力テスト(日本漢字能力検定協会)などといった能力判定試験にはない、独創的な測定であると結論付けることができた。さらに、統一した介護用バンドスケールではなく、施設ごとによるオリジナル版バンドスケールを作成することが効果的であり、介護分野の専門家が使用しやすいように、日本語習得上の諸特徴ではなく、具体的な業務場面を掲載することが重要であることが明らかになった。

  • アイマーク・レコーダーを使った日本語接触場面における参加者のインターアクション行動分析

    2009年  

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    日本語教育研究センターならびに大学院日本語教育研究科では、日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラムの開発を継続的に試行しており、遠隔日本語教育も重要な開発課題のひとつになっている。本件申請者は、遠隔教育センター管理委員および、専門部会であるCCDL部門委員会の委員に嘱任されているが、今年度の特定課題の成果として、遠隔教育型インターアクションの実用性を検証するため、早稲田エデュケーション・タイランド(WET)をはじめ、早稲田と大学間協定を締結している、台湾の淡江大学や、アメリカのGLCAグループである、Albion Collegeとの遠隔日本語教育の実験を行った。これを受け、日本語教育オンデマンド講座の展開や留学生のための渡日前準備講座、さらには、海外の日本語養成講座支援プログラムや、海外で教える日本語教師のための現職者研修プログラムの可能性を検討した。その上で、検討課題を受け、海外協定校との、テレビ会議システムによる日本語遠隔事業を推進しながら、本研究に関わる実験協力校に依頼したが、時間の制約上、十分な成果が得られなかったため、当初計画していた、遠隔会話中の参加者の視線行動が、実際の対話型会話とどのような違いがあるのかといった問題の解明には至らなかった。この遠隔実験には、本学研究推進部に、平成18年度大型設備〔私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等研究設備等整備費)〕で、購入のための研究整備計画書を申請していた、眼球運動計測システム(アイマークレコーダ、NAC社製EMR8B)を使用し、遠隔インターアクションにおける眼球運動を精査することができた。これにより、継続的な実証研究のデザインが可能となり、条件が整ったため、今後も、応用研究の展開に向け、眼球運動測定装置を援用した実証研究を継続する予定である。

  • 外国人学齢期児童の補習教育場面での教科学習支援の検証

    2007年  

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    本研究は、外国人児童・生徒の教科学習能力向上を前提とした基礎日本語能力の習得を、東京都墨田区と大学との連携事業の一環として位置づけ、地域の多文化共生社会への理解度を醸成し、その実現に寄与することを目的とする。具体的には、墨田区内で日本語指導教室の設置運営を目指すとともに、区教育委員会等に働きかけ、さらなる理解を得て、地域の区立小・中学校での日本語学級増設及び新設に向けた受け入れ態勢の充実と財政的援助基盤を構築することを目的とする。現在墨田区には、初等、中等教育レベルに在籍する外国籍の生徒が、平成18年度現在、約280人在住しているにもかかわらず、日本語学級の常設校は、小学校レベルで一校(堤小学校)、中学校では、一般の中学生は入学できない、文花中学夜間学級が設置されているのみで、基礎日本語力を学習させる場の確保が課題となっている。こうした状況の下、日本語指導を望む関係者の要望に応えるため、申請者が管理する、言語習得研究室が中心となり、2004年から、上記の学校にボランティアとして大学院生を派遣しながら、実践活動を通して、日本語教育支援に携わってきたが、日本語力に問題を抱える学習者には、未だ十分対応しきれていない現状である。そうした中、時期を同じくして、墨田区内のボランティア団体によって、自主的に外国人生徒のための日本語学習教室を設置する機運が高まり、専門領域の立場から、今般のプロジェクトを通して、さらに、より強固な基盤形成をめざした。

  • アイマークレコーダーによる外国人日本語学習者のインターアクション行動分析

    2007年  

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    日本語教育研究センターならびに大学院日本語教育研究科では、日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラムの開発を継続的に試行しており、遠隔日本語教育も重要な開発課題のひとつになっている。本件申請者は、遠隔教育センター管理委員および、専門部会であるCCDL部門委員会の委員に嘱任されているが、今年度の特定課題の成果として、遠隔教育型インターアクションの実用性を検証するため、早稲田エデュケーション・タイランド(WET)との遠隔日本語教育の実験を行った。これを受け、日本語教育オンデマンド講座の展開や留学生のための渡日前準備講座、さらには、海外の日本語養成講座支援プログラムや、海外で教える日本語教師のための現職者研修プログラムの可能性を検討した。その上で、検討課題を受け、海外協定校との、テレビ会議システムによる日本語遠隔事業を推進しながら、本研究に関わる実験協力校に依頼したが、時間の制約上、十分な成果が得られなかったため、当初計画していた、遠隔会話中の参加者の視線行動が、実際の対話型会話とどのような違いがあるのかといった問題の解明には至らなかった。そうした折、かねてより、本学研究推進部に、平成18年度大型設備〔私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等研究設備等整備費)〕で、眼球運動計測システム(アイマークレコーダ、NAC社製EMR8B)購入のための研究整備計画書を提出し申請していたが、年度末に認可が下り、設置されることになった。これにより、継続的な実証研究のデザインが可能となり、条件が整ったため、今後、応用研究の展開に向け、眼球運動測定装置を援用した実証研究を申請する予定である。

  • 遠隔教育場面におけるインターアクション分析:アイマークレコーダーによる外国人日本語学習者の眼球運動解析

    2006年  

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    日本語教育研究センターならびに大学院日本語教育研究科では、日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラムの開発を試行しており、遠隔日本語教育も重要な開発課題のひとつになっている。本件申請者は、遠隔教育センター管理委員および、専門部会であるCCDL部門委員会の委員に嘱任されているが、今年度の特定課題の成果として、遠隔教育型インターアクションの実用性を検証するため、早稲田エデュケーション・タイランド(WET)との遠隔日本語教育の実験を行った。これを受け、日本語教育オンデマンド講座の展開や留学生のための渡日前準備講座、さらには、海外の日本語養成講座支援プログラムや、海外で教える日本語教師のための現職者研修プログラムの可能性を検討した。その上で、検討課題を受け、海外協定校との、テレビ会議システムによる日本語遠隔事業を推進しながら、本研究に関わる実験協力校に依頼したが、時間の制約上、十分な成果が得られなかったため、当初計画していた、遠隔会話中の参加者の視線行動が、実際の対話型会話とどのような違いがあるのかといった問題の解明には至らなかった。そうした折、かねてより、本学研究推進部に、平成18年度大型設備〔私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等研究設備等整備費)〕で、眼球運動計測システム(アイマークレコーダ、NAC社製EMR8B)購入のための研究整備計画書を提出し申請していたが、年度末に認可が下り、ようやく設置が叶った。これにより、継続的な実証研究のデザインが可能となり、条件が整ったため、次年度は、応用研究の展開に向け、今年度のパイロット研究を基に、特定課題研究「アイマークレコーダーによる外国人日本語学習者のインターアクション行動分析」を申請する予定である。

  • ビデオ会議システムを利用した海外の日本語教師遠隔支援

    2004年  

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    本研究は、今後増加が予想される、海外の日本語学習者のうち、日本語教育に携わる教師の支援及びその方法について、ビデオ会議システムを利用した遠隔支援という枠組みの中で検証するものである。具体的には、インターネットを利用し、ビデオ会議システムによる遠隔教育機能を、オンキャンパス、オフキャンパス両面から実用化し、海外の日本語学習者を対象とした日本語教育支援を目的とするものである。本学は、Cross Cultural Distance Learning(CCDL)といった遠隔教育事業を開始し、英語、中国語などで、海外提携校との共同ゼミナールを展開している。日本語も、こうしたCCDLの活動の中で、大きな役割を果たしているが、とくに、国内外の教育現場においても、非母語話者の日本語教師が、ビデオ会議システムを利用して、母語話者とのインターアクションを行うことで、日本語教育の支援、教授活動上のハンディを克服でき、継続学習の機会が少ない学習者や、上級学習者の学習促進など、学習者のモティベーションを高める機会とも成り得る。こうした現状を考慮し、ビデオ会議システム(BizMate)やSkypeを利用し、画像のみのインターアクションではなく、音声、および筆記やチャットを用いてのインターアクションである、“ビデオビュー”や“スライドビュー”“ウェブビュー”“テキストチャット”などを利用しながら、海外との遠隔環境の下で、音声、チャット、及び複数同時参加によるインターアクションを主眼に置いた、E-learningの可能性を、海外の研究機関で検証した。その成果報告として、2005年1月21日に「早稲田大学における遠隔日本語教育」というテーマで研究会を行った。発表者は、主に、遠隔教育を研究テーマとする日本語教育研究科の大学院生で、「早稲田エデュケーション・タイランドとの遠隔教育」、「ビデオ会議システムを用いた会話の授業の試み-西早稲田キャンパスと本庄キャンパスを繋いで-」、「「総合」における遠隔教育-2004年度春学期ワセダ・エデュケーション・タイランドとのオンデマンド授業の試み-」、「ロシア極東大学との遠隔教育-テレビ会議システムを介した1対1のチュートリアル-」などについて、口頭発表が行われた。なお、2004年度に行われた日本語センターおよび日研の遠隔教育事業は以下のようであった。プログラム名

  • ビデオ会議システムを利用した海外の日本語教師遠隔支援

    2004年  

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    本研究は、ビデオ会議システムによる、海外の日本語教師を対象とした日本語教育支援を目的とするものであり、独創的な現職者研修プログラムの可能性を示唆するものである。現在、海外の日本語教育は、それぞれの地域の特色を生かしながら、学習者の日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラム開発が行われているが、日本語非母語話者の教師は、自らの日本語能力の向上も含め、日本語教育全般に対し、さまざまな問題を抱えている。早稲田大学は、Cross Cultural Distance Learning(CCDL)といった遠隔教育事業を開始し、英語、中国語などで、海外提携校との共同ゼミナールを展開しているが、日本語も、アジア・太平洋地域の実験提携大学との遠隔教育を発展させ、新しい日本語教育を展開するための基盤整備を図っているが、担当者は、2004年9月から2005年8月まで、特別研究期間を利用し、英語圏の3大学(プリンストン大学東アジア研究科 04年9月~12月、モナシュ大学日本研究科 05年1月~5月、オックスフォード大学東洋学科 05年6月~8月)で遠隔教育関連の知見を拡げると共に、今後のプログラム整備の可能性を検証した。その結果、時差によるリアルタイムの問題障壁はあるものの、ビデオ会議システムを援用した教師ネットワークの形成により、web-based trainingの共同開発などの可能性について、情報交換できたことが最大の成果であった。具体的には、ビデオ会議システム(BizMate)を利用し、“ビデオビュー”や“スライドビュー”“ウェブビュー”“テキストチャット”に加え、オンデマンド型のインターアクションなども可能である。交付期間中の研究発表として、フランス日本語教師会や日本語国際大会での論文発表、さらには南オーストラリア大学でのセミナーなどで、海外の日本語教師遠隔支援の意義について情報交換できた。

  • 海外の日本語バイリンガル・イマーションプログラム導入教育

    2002年   川口 義一, 戸田 貴子

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    本研究は、海外の年少者並びに大学レベルの日本語教育の中で導入されている、日本語バイリンガルイマーションプログラムの資料収集を行いながら、そうしたコースの特徴的なデザインを検証するとともに、学習者の日本語習得過程についても調査解明することを目的としたものであった。また、海外で、イマーションプログラムを導入している教育機関に所属する教育関係者からの発信が不十分であるために、当該プログラムに関する情報が共有されていないため、一部の語学教育者及び教育機関の関心にはなっているが、これまでの日本語教育の分野では、注目すべきキーワードにはなっていない、イマージョンプログラムに関する学際的な位置付けを図ることも目的とした。具体的な研究成果として、2001年、2002年の両年度で、海外、とくにオーストラリアの日本語イマーションプログラムを検証し、言語習得にとって大きな発達要因となる「目標言語に付け浸す」教育が、どのような効果をもたらすかを解明した。とりわけ、ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クィーンズランド州の、初等レベルのバイリンガルイマーションプログラム導入校での資料収集を行い、州教育省のバイリンガル教育担当者、イマーションプログラム研究者との面談、並びに現地の大学の日本研究科の教員との意見交換、さらに学校関係者、PTA及び児童に対する面接調査を、現地の研究補助員を使い、収集資料の分析、整理を行った。明らかになった結果をもとに、関連論文を執筆し、さらに、教育面では、大学での担当講座である、オープン科目「日本語イマージョンプログラム」やテーマカレッジ「オーストラリアの言語教育政策」(いずれも研究代表者担当)などの充実を図ることができた。こうした成果は、これからの日本語教育に貴重な知見や提言を与え、従来の日本語教育(とくに、外国語としての日本語教育)を大きく前進させる役割を果たすと予想される。

  • 事象関連電位による外国人日本語学習者の脳の言語処理過程の研究

    1999年  

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     今年度は、外国人日本語学習者と日本語母語話者を被験者にして得られた、脳における漢字処理過程で現れた事象関連電位(P300)を比較した実証研究を行った。その結果、日本語学習者と日本語母語話者とでは、漢字判読の情報処理過程が異なることがわかり、ERPの言語習得研究への応用の可能性が示唆された。その研究結果をもとに、平成11年5月14日には、第48回日本臨床衛生検査学会にて、「外国人日本語学習者の言語処理とERP」と題した共同研究発表を行った。また、平成11年7月10日には、「生理心理学・精神生理学研究会」(代表山崎勝男教授)にて、「外国人日本語話者と日本語母語話者の脳内言語情報処理過程の比較」と題したセミナーの発表を行った。さらに、平成11年11月11日に開かれた、第29回日本脳波・筋電図学会学術大会にて、「ERPによる外国人日本語学習者の言語処理機能の検討」、「外国人日本語学習者と日本語母語話者の脳内言語処理過程の比較」を共同発表した。こうした一連の発表をもとに、「日本語学習者の脳の言語処理過程:漢字の表記逸脱刺激による事象関連電位(ERP)分析の試み」と題した論文にまとめ、日本語研究教育センターの『講座日本語教育』35号に投稿し、査読の結果掲載された。今回のパイロット研究を今後発展させていくために、より適切なタスクに基づいた実験を重ね、精度の高い結果を導き出していく必要性がある。そのために、さらなる研究助成を求めていきたい。

  • 外国人留学生の日本語取得に関する日豪間の縦断的研究

    1998年  

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     98年度は、早稲田大学を中心に、日本語・日本文化研修プログラムや、短期留学生プログラムなどで留学している、オーストラリア人留学生のデータ収集を行ってきたが、縦断的な収集の点からは、分析するに足りる十分な数が集まらなかったので、今年度も追加収集している。また、あわせて日本の大学に在籍する短期留学生との比較研究の立場から、オーストラリアの大学に留学している日本人留学生についてもデータを収集した。モナシュ大学に本研究科(オーストラリア メルボルン)で行われた、データ収集作業が、当初の予定より早く終わったため、今年度は、まず、日本人留学生の分析から行われた。その分析結果は、以下に挙げた著書の中で発表される予定である。続いて、今年度末から来年度にかけて、日豪で収集されたデータの分析をまとめ、比較検討した結果を発表する計画を立てている。

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