2024/12/21 更新

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ハラ トモアキ
原 知章
所属
人間科学学術院 人間科学部
職名
教授
学位
博士(文学) ( 2003年03月 早稲田大学 )
ホームページ

経歴

  • 2020年
    -
    継続中

    早稲田大学   人間科学学術院   教授

  • 2014年
    -
    2020年

    早稲田大学人間科学学術院   准教授

  • 2012年
    -
    2014年

    静岡大学   人文社会科学部   准教授

  • 2007年
    -
    2014年

    静岡大学人文学部准教授

  • 2002年
    -
    2007年

    静岡大学人文学部助教授

  • 1998年
    -
    2002年

    大分県立芸術文化短期大学国際文化学科専任講師

  • 1996年
    -
    1998年

    早稲田大学第一文学部助手

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学歴

  • 1995年
    -
    1998年

    早稲田大学   大学院文学研究科   史学(考古学・文化人類学)専攻 博士後期課程  

  • 1993年
    -
    1995年

    早稲田大学   大学院文学研究科   史学(考古学・文化人類学)専攻 修士課程  

  • 1989年
    -
    1993年

    早稲田大学   第一文学部   史学科考古学(文化人類学)専修  

委員歴

  • 2020年
    -
    2022年

    現代文化人類学会  理事

  • 2020年
    -
    2022年

    日本文化人類学会  『文化人類学』編集委員

  • 2003年
    -
    2021年

    日本文化人類学会  広報情報化委員

  • 2018年
    -
    2019年

    日本文化人類学会  研究大会運営検討委員

  • 2016年
    -
    2019年

    日本文化人類学会  Japanese Review of Cultural Anthropology 編集委員

  • 2014年
    -
    2018年

    現代文化人類学会  事務局長

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所属学協会

  •  
     
     

    日本民俗学会

  •  
     
     

    現代文化人類学会(旧:早稲田文化人類学会)

  •  
     
     

    日本文化人類学会

研究分野

  • 文化人類学、民俗学

研究キーワード

  • 文化的持続可能性

  • 共生

  • 持続可能な開発

  • 地域づくり

  • 消費

  • メディア

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受賞

  • フルブライト奨学金 研究員プログラム

    2009年  

 

論文

  • 文化的持続可能性の概念に関する一考察

    原 知章

    比較文化研究   ( 149 ) 15 - 27  2022年  [査読有り]

  • An Anthropological Approach to Consumption Practices in Contemporary Asia: Introduction

    HARA Tomoaki

    Japanese Review of Cultural Anthropology   21 ( 1 ) 147 - 170  2020年  [査読有り]

  • ハワイにおける砂糖革命と多民族化 1850-1920

    原 知章

    人文論集 : 静岡大学人文社会科学部社会学科・言語文化学科研究報告   63 ( 2 ) 59 - 81  2013年  [査読有り]

    DOI CiNii

  • 「コミュニティ」とは何か――地域SNS をめぐる政策から考える

    原 知章

    国立民族学博物館調査報告 = Senri Ethnological Reports   106 ( 106 ) 15 - 40  2012年  [査読有り]

    DOI CiNii

  • US Military Bases and Funshi: The Anti-Base Movement and Community Development in Yomitan Village, Okinawa

    HARA Tomoaki

    Japanese Review of Cultural Anthropology   12   67 - 100  2011年  [査読有り]

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    One of the unprecedented features of our contemporary world is the global scale of US military bases. In what aspects, and to what extent, have US bases abroad affected adjacent communities? How have these communities responded to the presence of the US bases? In addressing these questions, this paper explores the development and significance of the 1997 municipal master plan of Yomitan Village in Okinawa. The municipal master plan of Yomitan is unique in all of Japan in that it uses funshi (feng shui) as one of its aesthetic principles. This paper is concerned with how Yomitan's officials relied on the notion of funshi to forge their cultural identity despite the looming presence of US bases. By examining the history of the and-base movement and of community development in Yomitan, this paper demonstrates how a reliance on funshi was used to counter and resist the presence and influence of these military bases.

    DOI CiNii

  • On the Internal Diversity and Complexity of Okinawan Identity

    HARA Tomoaki

    アジア研究   6 ( 6 ) 87 - 95  2011年  [査読有り]

    DOI CiNii

  • 「多文化共生」を内破する実践──東京都新宿区・大久保地区の「共住懇」の事例より

    原 知章

    文化人類学   74 ( 1 ) 136 - 155  2009年  [査読有り]

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    本稿の目的は、日本における多文化共生政策の問題点を検討し、多文化共生政策を「内破」する実践の可能性について考察することにある。日本では、近年、国が多文化共生政策を推進する動きが活発化している。本稿ではまず、多文化主義を唱える言説を人類学の立場から検討した米山リサの議論をふまえて、現在、日本において広がりを見せている多文化共生政策の問題点を検討する。米山リサは多文化主義を唱える言説を、企業的多文化主義、リベラル多文化主義、批判的多文化主義に大別した上で、批判的多文化主義の立場から企業的多文化主義とリベラル多文化主義の問題点について検討している。現在、日本において進められつつある多文化共生政策には一定の意義を認めることができるものの、それと同時に、米山が指摘する企業的多文化主義とリベラル多文化主義の問題点も見いだすことができる。しかし他方で、批判的多文化主義に対しては、必ずしもマイノリティの人々のエンパワーメントにつながらない可能性があるとの指摘がなされている。それでは、これらの議論をふまえた上で、多文化共生政策を内破する実践をどのように構想することができるだろうか。本稿では、そうした実践のひとつの可能性を、東京都新宿区・大久保地区を中心に活動してきた市民団体「共住懇」の取り組みに見いだす。大久保地区における多文化共生のまちづくりに取り組んできた共住懇は、その活動を継続するなかで、国籍やエスニシティだけでなく、ジェンダー、世代、職業、階層の差異、あるいは身体的な障碍の有無などに文化的差異を見いだす多次元的な文化観を提示するようになった。本稿の後半では、共住懇がこのような文化観を提示するに至るまでの過程と、それに基づく実践が胚胎する可能性について論じる。

    DOI CiNii

  • 文化概念を再考する

    原 知章

    文化経済学   6 ( 1 ) 3 - 12  2008年  [査読有り]

    DOI CiNii

  • 文化概念の再構想──心理学・経済学との対話を通して

    原 知章

    文化人類学研究   9   1 - 14  2008年  [査読有り]

    CiNii

  • Okinawan Studies in Japan, 1879-2007

    HARA Tomoaki

    Japanese Review of Cultural Anthropology   8   101 - 136  2007年  [査読有り]

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    The purposes of this paper are to track the main trends of Okinawan studies by Japanese scholars from the Meiji period to the present and to discuss the prospects for future studies. Before the Asian-Pacific War, most scholars embraced and attempted to verify the hypothesis called Nichiryu dosoron in which the Okinawan and Yamato peoples were thought to have a common racial and ethnic ancestry. After the war, however, interest in the origins of the Okinawan and Japanese peoples declined while interest in the socio-religious aspects of Okinawan culture increased. In the last two decades, Okinawan studies have become more diversified and specialized than ever before under the influence of postmodernism and postcolonialism. There are still, however, important subjects that remain almost untouched in Okinawan studies. Along with exploring subjects that have been ignored in the past, practitioners of Okinawan studies should strive to provide a common platform for promoting dialogue among themselves.

    DOI CiNii

  • メディア人類学の射程

    原 知章

    文化人類学   69 ( 1 ) 93 - 114  2004年  [査読有り]

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    近年、英米系の社会・文化人類学では、「メディア」に対する関心が高まっており、メディア人類学と呼ばれる領域が確立しつつある。本稿の目的は、メディア概念の検討および英米系のメディア人類学の批判的検討を通じて、メディア人類学の射程を明らかにし、メディア人類学の再構想の見通しを示すことにある。II章では「メディア」概念の検討を行なう。ここではまず、メディア概念の外延と内包について論じた上で、メディア人類学が対象とするメディアを「マスメディア=印刷メディアおよび電子メディア」と仮説的に規定する。そして、竹内俊郎が提出する社会的コミュニケーションの類型を援用してメディア人類学の射程について論じる。III章では、2つのメディア人類学(メディア人類学I/メディア人類学II)の動向について批判的に検討する。ここではまず、1990年代を通じてメディア人類学Iが出現する過程でカルチュラル・スタディーズが強力な参照枠組になってきたこと、そして他方では、カルチュラル・スタディーズ以外のメディア研究が十分に参照されてこなかったことを指摘する。つぎに、1970年代に人類学的な知識・洞察を公衆(the public)と広く共有することを目的とするメディア人類学IIが現れていたこと、そしてメディア人類学IIの議論のなかで、メディア人類学Iとメディア人類学IIを包括する、いわば「総合メディア人類学」の構想が提示されていたことに注目する。この構想は、メディア人類学Iとメディア人類学IIを連関させる視座を欠いているものの、人類学的なメディア研究の1つの方向性を示唆すると筆者は考える。IV章では、以上の議論と、近年の日本の人類学におけるマスメディアに対する問題関心の広がりをふまえて、「人類学と社会とマスメディアの関係を明らかにし、批判的に検討し、再構築するプロジェクト」としてのメディア人類学の構想を提示する。

    DOI CiNii

  • 沖縄の風水と文化創造──読谷村における将来地域構想と風水

    原 知章

    アジア遊学   ( 47 ) 131 - 141  2003年  [査読有り]

    CiNii

  • 沖縄・読谷村の都市計画マスタープランと「風水」

    原 知章

    都市計画   52 ( 4 ) 21 - 24  2003年  [査読有り]

    CiNii

  • 八重山諸島から見た日本/沖縄 『境界の島々』の歴史(四)

    原 知章

    人権21   ( 162 ) 53 - 59  2003年  [査読有り]

    CiNii

  • 八重山諸島から見た日本/沖縄 『境界の島々』の歴史(五)

    原 知章

    人権21   ( 165 ) 43 - 49  2003年  [査読有り]

    CiNii

  • Building a Learning Community on the Web: Two Cases of Distance Education Projects Based on WWW Technology

    HARA Tomoaki

      9   163 - 173  2002年  [査読有り]

  • 八重山諸島から見た日本/沖縄 『境界の島々』の歴史(一)

    原 知章

    人権21   ( 159 ) 32 - 39  2002年  [査読有り]

    CiNii

  • 八重山諸島から見た日本/沖縄 『境界の島々』の歴史(二)

    原 知章

    人権21   ( 160 ) 56 - 63  2002年  [査読有り]

    CiNii

  • 八重山諸島から見た日本/沖縄 『境界の島々』の歴史(三)

    原 知章

    人権21   ( 161 ) 38 - 45  2002年  [査読有り]

    CiNii

  • 儀礼と社会変動――沖縄・与那国島における死者儀礼の事例より

    原 知章

    日本民俗学   ( 217 ) 32 - 62  1999年  [査読有り]

    CiNii

  • 「島民」とは誰か?――反民族誌的全体論のための予備的考察

    原 知章

    史観   ( 138 ) 86 - 110  1998年  [査読有り]

    CiNii

  • 伝承の正典化――沖縄・与那国島の事例より

    原 知章

    民族學研究   62 ( 2 ) 147 - 168  1997年  [査読有り]

     概要を見る

    今日, 奄美・沖縄研究者が現地で出会う人々は, 素朴な意味での「生の資料」の提供者ではなく, 「研究者」や「先生」に対する知識および経験と文化的自意識を備えている。「現地の人類学者」や「郷土史家」も多く, 外部の研究者による奄美・沖縄関係の印刷物は現地に広く流通している。このような視角からすれば, 奄美・沖縄研究の歴史は現地の人々と外部の研究者の言説の複雑な<絡まり合い>の歴史として捉え直すことができる。本論はこの歴史認識を出発点として, 沖縄・与那国島におけるある伝承をめぐる言説を検討するものである。与那国島には, 海賊や外敵の襲撃を避けるためにかつて大草鞋を海に流していたという伝承が存在する。この大草鞋の伝承をめぐる戦前の言説は多様で暖昧であった。しかし戦後になると, この伝承をめぐる言説は, 整序され固定化していく。伝承のいわば「定本」が形成されていくこのような言説の変化のプロセスを本論では<正典化>と呼ぶ。大草鞋の伝承の正典化は少なくとも部分的には, 奄美・沖縄研究の趨勢の変化を反映しており, それはまた, 伝承の脱政治化・無害化というプロセスであったと筆者は考える。ただし, このように述べることは伝承の正典化に与那国島の人々が関与しなかったということを意味しない。地元の郷土史家や知識人は, 外部の研究者の言説を引用・参照しており, それらの人々の言説は外部の研究者の言説との連続性において捉えることができるものである。また, こうした言説の絡まり合いに巻き込まれているのは郷土史家や知識人だけではない。大草鞋の伝承をめぐる奄美・沖縄研究者の言説は自律的に変化してきたのではなく, 与那国島の人々の言説と複雑に絡まり合いながら変化してきたのであり, 今日, 与那国島で聞くことの出来る大草鞋の伝承についても, このような言説の絡まり合いの産物として捉えるべきである。

    DOI CiNii

  • 風水研究の諸前提について

    原 知章

    早稲田大学大学院文学研究科紀要 第4分冊   ( 41 ) 163 - 172  1995年  [査読有り]

    CiNii

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書籍等出版物

  • 文化的持続可能性とは何か : 文化のゆるやかな共鳴を捉えるために

    原, 知章, 松田, 俊介, 酒井, 貴広, 都築, 由理子, 大澤, 誠, 山越, 英嗣

    ナカニシヤ出版  2023年08月 ISBN: 9784779517280

  • モノとメディアの人類学

    藤野, 陽平, 奈良, 雅史, 近藤, 祉秋( 担当: 分担執筆)

    ナカニシヤ出版  2021年 ISBN: 9784779515484

  • 沖縄

    谷川, 健一, 大和, 岩雄( 担当: 分担執筆)

    大和書房  2019年 ISBN: 9784479861140

  • 多文化社会の教育課題 : 学びの多様性と学習権の保障

    川村, 千鶴子( 担当: 分担執筆)

    明石書店  2014年 ISBN: 9784750339764

  • 「ハーフ」とは誰か : 人種混淆・メディア表象・交渉実践

    岩渕, 功一( 担当: 分担執筆)

    青弓社  2014年 ISBN: 9784787233714

  • ハワイを知るための60章

    山本, 真鳥, 山田, 亨( 担当: 分担執筆)

    明石書店  2013年 ISBN: 9784750337531

  • 統計データで読み解く移動する人々と日本社会 : ライフサイクルの視点から情報分析を学ぶ : ディスカッション:多文化共生社会を考える

    川村, 千鶴子, 郭, 潔蓉, 原, 知章, 貫, 真英( 担当: 共著)

    ナカニシヤ出版  2013年 ISBN: 9784779507649

  • フィールドワーカーズ・ハンドブック = Fieldworkers handbook

    鏡味, 治也, 関根, 康正, 橋本, 和也, 森山, 工, 日本文化人類学会( 担当: 分担執筆)

    世界思想社  2011年 ISBN: 9784790715269

  • 多文化社会の「文化」を問う : 共生/コミュニティ/メディア

    岩渕, 功一( 担当: 分担執筆)

    青弓社  2010年 ISBN: 9784787233165

  • 比較考古学の新地平

    菊池, 徹夫( 担当: 分担執筆)

    同成社  2010年 ISBN: 9784886215093

  • 沖縄民俗辞典

    渡辺, 欣雄, 岡野, 宣勝, 佐藤, 壮広, 塩月, 亮子, 宮下, 克也( 担当: 分担執筆)

    吉川弘文館  2008年 ISBN: 9784642014489

  • 文化人類学

    内堀, 基光, Stewart, Henry( 担当: 分担執筆)

    放送大学教育振興会  2008年 ISBN: 9784595308246

  • 電子メディアを飼いならす : 異文化を橋渡すフィールド研究の視座

    飯田, 卓, 原, 知章, 増田, 研, 南, 真木人, 大西, 秀之, 門田, 修, 湖中, 真哉, 吉岡, 政徳, 山中, 速人, 松田, 凡, 赤嶺, 淳, 川村, 清志, 岡田, 浩樹, 川田, 牧人, 大森, 康宏, 大村, 敬一( 担当: 共編者(共編著者))

    せりか書房  2005年 ISBN: 4796702660

  • 文化人類学文献事典

    小松, 和彦, 田中, 雅一, 谷, 泰, 原, 毅彦, 渡辺, 公三( 担当: 分担執筆)

    弘文堂  2004年 ISBN: 4335561016

  • 民俗文化の現在 : 沖縄・与那国島の「民俗」へのまなざし

    原, 知章( 担当: 単著)

    同成社  2000年 ISBN: 4886211917

  • 間主観性の人間科学 : 他者・行為・物・環境の言説再構にむけて

    川野, 健治, 円岡, 偉男, 余語, 琢磨, 太田, 俊二( 担当: 分担執筆)

    言叢社  1999年 ISBN: 4905913667

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 沖縄・竹富島におけるホスト―ゲスト関係の変容をめぐる観光人類学的研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2022年04月
    -
    2025年03月
     

    原 知章

  • 沖縄における米軍基地跡地開発の文化人類学的研究:読谷村の事例より

    研究期間:

    2015年04月
    -
    2018年03月
     

     概要を見る

    本研究の目的は、沖縄本島中部に位置する読谷村における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的過程ならびに現段階の成果と課題を明らかにすることにあった。このプロジェクトは、跡地の7割を農地とし、残りの3割を公共用地として活用するという計画に基づいて進められてきた。このユニークな跡地開発計画は、旧地主会と行政の協力によって策定されたものであり、これまで沖縄における「内発的発展」の可能性を有する取り組みとして注目されてきた。しかし本研究を通じて、旧地主会内で農業中心の開発に対して意見の相違が生じるなど、同プロジェクトが多くの課題に直面していることが明らかになった。先行研究では、読谷補助飛行場の跡地開発プロジェクトは、沖縄における「内発的発展」の可能性を有する取り組みとして注目されてきた。しかし本研究を通じて、同プロジェクトは、多くの課題に直面していることが明らかになった。現在進行中の米軍基地跡地開発プロジェクトの課題を浮き彫りにできたことが、本研究の学術的・社会的意義である

  • 多元化するアイデンティティと「多文化社会・日本」の構想

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2012年04月
    -
    2015年03月
     

    河合 優子, 川端 浩平, 高 美哿, 田中 東子, 鳥越 千絵, 原 知章, 山本 敦久, 渡会 環, 井本 由紀, 工藤 正子, 岩渕 功一, 堀口 佐知子

     概要を見る

    理論的文献やエスニック・マイノリティ当事者によるメディア発信を検討する中で、「日本人と外国人」という二項対立を乗り越え、構造的力関係を考慮しつつ多元的な帰属意識のあり方を理解する鍵概念としての「交錯」の重要性を認識した。韓国・台湾の研究者との2回の国際研究会でも、マジョリティの同質性を強調する支配的な言説がマイノリティの周縁化とつながっていることが共通主要課題の一つであることがわかった。聞き取り調査、フィールドワーク、メディア表象分析を通して、日本社会における「人種」、エスニシティ、国籍、ジェンダー、階級などが交錯する複雑な構造的力関係と多元的かつ混淆的な帰属意識を考察した

  • ハワイ・ホノルル大都市圏における沖縄系コミュニティの持続と変容に関する研究

    日本学術振興会  科学研究費助成事業

    研究期間:

    2009年
    -
    2011年
     

    原 知章

     概要を見る

    近年、人類学やその隣接諸分野において、ハワイの「沖縄系コミュニティ」に対する研究関心が高まっている。沖縄系コミュニティとは、沖縄文化の継承と普及を目的とした活動に従事する人びとのコミュニティのことである。本研究では、主にハワイのホノルル大都市圏を中心に活動を展開している沖縄系コミュニティの持続と変容の過程を明らかにすることを試みた。この研究を通して、沖縄系コミュニティの活動に参加する人びとは、エスニシティや思想などの面で多様性を増してきたこと、そして、こうした内的多様性が、現代の沖縄系コミュニティの活力の重要な源泉となっていることを明らかにした

  • 「国境の島」・与那国島における文化的動態に関する歴史人類学的研究

     概要を見る

    平成9年度から2年間にわたって、日本の「国境」に位置する与那国島の文化的動態について調査・研究をおこなってきた。平成10度はとくに交通、通信、マス・メディアの発展がどのように与那国島の文化的動態にかかわってきたのかという点、すなわち、広義の<コミュニケーション>の様式の発展が、どのように与那国の「伝統文化」の持続/変容にかかわってきたのかという点に問題を特化させて、調査・研究をおこなった。その成果は拙著『〈民俗文化〉の現在-沖縄・与那国島の〈民俗〉へのまなざし-』(同成社、1999年刊行予定)によって明らかにする予定である。本書では、従来の文化人類学や民俗学において、現代の民俗社会に深く浸透している印刷メディアや電子メディアがしばしば軽視されてきたことを指摘したうえで、直接的・対面的なコミュニケーションの連鎖とその産物である〈民俗文化〉のほかに、(1)国や地方自治体によって認可される〈公的文化〉、(2)マス・メディアや商品によって媒介される〈大衆文化〉、そして(3)研究者・専門家によって生産・消費される〈学間文化〉という〈文化〉の理念型を設定し、現代の民俗社会においてはこれら4つの〈文化〉が相互に浸透し、複雑に絡み合いながら重層的に展開しているという〈文化〉モデルを提示した。すなわち、〈民俗文化〉が、〈公的文化〉・〈大衆文化〉・〈学問文化〉といかなる関係を切り結んできたのか(あるいは切り結んでこなかったのか)という問題設定をとおして、〈民俗文化〉を動態的に把握しようとすることを試みた。具体的には、以上に述べた観点から、与那国島における民俗的知識、死者儀礼、口承伝承などを対象として取り上げて、これらの〈民俗文化〉が現在にいたるまでどのように持続/変容してきたのか、そのプロセスを明らかにした

  • 沖縄のマルチメディア民族誌の構築とその民族誌論的意義に関する研究

     概要を見る

    本研究では、沖縄のマルチメディア民族誌の構築・公開およびその民族誌論的意義についての検討を行なった。具体的には、(1)既存の、もしくは新規に収集することができた映像・音声資料、(2)既発表の論文、(3)文献資料データベース、(4)調査地の概況・統計資料などをインターネット上で公開した。さらに、電子掲示板を設置し、Eメールアドレスを公開することによって、読者との双方向的なコミュニケーション手段を確保した。読者からのフィードバックとしては、特に筆者が長らく調査を行なってきた沖縄県与那国町の関係者から好意的なコメントが届くとともに、与那国町役場のホームページのリンク集等で本研究の成果が紹介された。本研究の成果は、http://hara.pro.tok2.com/で公開している。本研究の成果の一部は「多重メディア環境と民族誌」研究会(国立民族学博物館)で発表した。ここでは、世界各地のマルチメディア民族誌の事例を紹介するとともに、「メディア人類学」と称される電子メディアに関する文化人類学的研究の系譜を(1)「電子メディアと社会の関係性」を問う研究と(2)「文化人類学と社会の関係性」を問う研究に整理し、さらにこれに(3)「電子メディアと文化人類学の関係性」を問う研究を加えた「総合メディア人類学」の構想を提示した。この総合メディア人類学においては、文化人類学の知識の伝達における電子メディアの利用も重要な主題として位置づけられるが、本研究の成果も、講義において学生への提示資料として有効に活用することができた。マルチメディア民族誌の重要な特性は、内容を不断に更新することができる点にあるため、今後もより一層の内容の充実を図りたいと考えている

  • 沖縄・読谷村における米軍と「地域文化」の相互作用に関する文化人類学的研究

     概要を見る

    本研究の目的は、冲縄・読谷村において「地域文化」と米軍の間でいかなる相互作用が展開されてきたのかを実証的に明らかにすることにある。平成19年度は、第二次世界大戦後の読谷村における物質文化の変容の一側面として、「読谷山花織」といっ織物の衰退と復興の過程に焦点を当てて、現地調査を行なった。また、並行して、これまでの沖縄研究の成果をあらためて整理し、本研究の意義を位置づける作業を行なった。500年以上の歴史をもつとされる議谷山花織は、20世紀に入ると徐々に哀退していき、特に第二次世界木戦後、アメリカ的な消費社会化が進むなかで、人びとの生活のなかで用いられることなくなっていた。しかし1960年代半ばに、当時の村長が、読谷山花織の復興を提唱し、これを大きな契機とし、失われつつあつた読谷山花織の技術の復元が進められた。その後、1972年の施政権返還を経て、日本本土で読谷山花織の存在か次第に知ちれるようになると、読谷山花織は地場産業として発展を遂げていった。一方、施政権返還後の読谷村では、米軍基地の撤去と米軍基地に依存した経済からの脱却を進めようと様々な取り組みに着手していた。そしてこうした状況のなかで、読谷山花織には、米軍基地に対峙する読谷村の文化のシンボルとしての意義が見いだされることになった。本年度の現地調査を通じて、以上に概括的に述べたような読谷山花織の衰退と復興の過程、そして読谷山花織に新たな意義が見いだされるに至った過程を詳らかにすることができた

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Misc

  • 研究室だより――人間環境科学科開発人類学研究室

    原 知章

    人間科学研究 = Waseda Journal of Human Sciences   31 ( 1 ) 31 - 32  2018年

    CiNii

  • 【書評】米城惠著『よみがえるドゥナン――写真が語る与那国の歴史』(南山舎)

    原 知章

    琉球新報   ( 朝刊 )  2015年05月

  • 基地を耕す

    原 知章

    出版ニュース   ( 2369 ) 50 - 50  2015年

  • ハワイ、沖縄、フィリピンの歴史が交錯する街

    原 知章

    月刊みんぱく   35 ( 6 ) 16 - 17  2011年

  • 【書評】Christopher T. Nelson, Dancing with the Dead: Memory, Performance, and Everyday Life in Postwar Okinawa. Durham: Duke University Press

    HARA Tomoaki

    Comparative Studies in Society and History   53 ( 2 ) 441 - 442  2011年  [査読有り]

  • 戦前ハワイの沖縄文化について

    原 知章

    ハワイ報知    2010年08月

  • Okinawan Culture in Prewar Hawai`i

    HARA Tomoaki

    The Hawai`i Herald   31 ( 16 ) 10 - 13  2010年

  • 【書評】蔵持不三也監修『エコ・イマジネール──文化の生態系と人類学的眺望』(言叢社)

    原 知章

    週間読書人     4 - 4  2007年10月

  • 資源とネットワーク

    原 知章

    資源人類学 DATA&REPORT   ( 8 ) 11 - 11  2006年

  • バーチャル・ユニバーシティがもたらす学び

    原 知章

    ハイパーフラッシュ   ( 20 ) 10 - 11  2001年

  • 【書評】西江雅之著『花のある遠景』(大巧社)

    原 知章

    琉球新報   ( 朝刊 )  2000年12月

  • 再現されなかった伝説――構成主義的アプローチの可能性

    原 知章

    大分県立芸術文化短期大学研究紀要   38   41 - 54  2000年

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    A trend in Japanese folklore studies in the last ten years has been the rise and establishment of studies which introduce "invention of tradition" and "objectification of culture" as key concepts. In spite of this trend, however, these concepts have been rarely scrutinized so far. "Invention of tradition" and "objectification of culture" have become cliches, and the studies introducing these concepts are in danger of being perceived as merely adding a new sub-discipline to folklore studies. These two concepts, however, raise a general problem that concerns the epistemology and methodology of folklore studies as a whole. And, these two concepts resonate with a trend variously called "constructionism" or "constructivism" in neighboring disciplines, especially in sociology. This essay explores the potential of a constructionist approach in folklore studies. In the first half of the essay, I reexamine the arguments of Richard Handler and Jocelyn Linnekin who have a great influence on the studies of "invention of tradition" and "objectification of culture." Then I write an overview of constructionism in sociology and show that the arguments of Handler and Linnekin resonate with constructionsim. In the latter half of the essay, I raise some important points when introducing the constructionist approach to folklore studies. Then I cite an event I encountered in Okinawa, and I examine the event from both objectivist and constructionist perspectives, and argue that the latter perspective has a clear advantage. By these arguments, I suggest that the constructionist approach will revitalize the studies of "invention of tradition" and "objectification of culture" in Japanes folklore studies.

    CiNii

  • 世界を結ぶ早稲田の学術調査──八重山・与那国島の調査から(2)

    原 知章

    早稲田ウィークリー   ( 854 )  1998年

  • 世界を結ぶ早稲田の学術調査──八重山・与那国島の調査から(1)

    原 知章

    早稲田ウィークリー   ( 853 )  1998年

  • 【新刊紹介】川田順造著, 『ブラジルの記憶――「悲しき熱帯」は今』, 東京, NTT出版, 1996年7月, 238頁, 1,500円

    原 知章

    民族學研究   61 ( 4 ) 661 - 661  1997年  [査読有り]

    DOI CiNii

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現在担当している科目

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他学部・他研究科等兼任情報

  • 人間科学学術院   人間科学部通信課程

  • 人間科学学術院   大学院人間科学研究科

特定課題制度(学内資金)

  • 日本における「文化的持続可能性」概念の意義と可能性に関する検討

    2022年  

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    近年海外では、文化と持続可能な開発/持続可能性の関わりをめぐって、「文化的持続可能性(cultural sustainability)」を鍵概念とする研究が様々な分野で活発になりつつある。本研究では、先行研究の里程標として位置づけることができる欧州科学技術研究協力機構による「文化的持続可能性の検討」という大規模な学際的・学融合的な研究プロジェクトに特に注目した。そして、同プロジェクトに関連する研究を中心に先行研究の検討を進め、同プロジェクトの報告書において提示された文化的持続可能性をめぐる3つの視点の複合の可能性を織り込んだ、持続可能な開発に関する新たな概念枠組みの構築に取り組んだ。

  • 文化的持続可能性とは何か:日本から問い直す

    2021年  

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    近年海外、特にヨーロッパ、アメリカ合衆国、オーストラリアを中心とする欧米圏では、持続可能な開発をめぐる議論において「文化的持続可能性(cultural sustainability)」という概念が提起され、文化的持続可能性を鍵概念とする研究が様々な分野で活発になりつつある。しかし管見では、日本においてはこの概念や関連する先行研究の検討はほとんど行なわれていない。そこで本研究では、先行研究を整理・検討し、これらの先行研究に対して、日本からどのような応答ができるか、また、文化的持続可能性の概念にどのような意義を見いだすことができるか考察した。

  • 沖縄・竹富島における内発的観光開発の展開に関する歴史人類学的研究

    2020年  

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     コロナ禍の影響により、研究課題を「『文化的持続可能性』概念の検討」に変更した。本課題の目的は、人類学を中心とする人文学の立場から「文化的持続可能性」の概念の意義や可能性を問い直すことにある。従来の持続可能な開発の取り組みにおいては――少なくとも日本では――「文化」への視点は、必ずしも重視されてこなかった。一方海外では、近年、人文学から自然科学に至る様々な分野や領域を横断する形で、「文化的持続可能性」をめぐる学術的研究や政策的議論が活発化してきている。本研究では、これらの海外における先行議論を批判的に検討しつつ、人文学の立場から日本における「文化的持続可能性」の意義や可能性を問い直すことを試みた。

  • 沖縄・竹富島における内発的観光開発の展開に関する歴史的人類学的研究

    2019年  

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    八重山諸島・竹富島は、沖縄における「内発的観光開発」の実例として、様々な分野の研究者の注目を集めてきた。先行研究の多くは、竹富島の住民の「自律的意志」に基づいて進められてきた観光開発や「文化の創造」に焦点を当てて分析を行ってきた。それでは、竹富島における「内発的観光開発」はどのように進んできたのか。また、竹富島における「内発的観光開発」に外部アクターはどのように関わってきたのか。本研究では、特に1960年代に竹富島でどのように観光地化が進んだのかを、①人口減少と農業の衰退、②民芸関係者との交流の活発化、③学生旅行者の増加、という3つの側面に焦点を当てて明らかにした。

  • 沖縄・竹富島におけるホストーゲスト間の関係に関する観光人類学的研究

    2019年  

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    八重山諸島・竹富島は、沖縄における「内発的観光開発」の実例として、様々な分野の研究者の注目を集めてきた。ただし先行研究では、竹富島における住民(ホスト)と観光客(ゲスト)の間の具体的な関係に焦点を当てた分析は、行われてこなかった。一方、近年の竹富島では、観光客の急増や島の生態系と集落景観の保全を目的にした地域計画など、ホスト―ゲスト間の関係に大きな影響を及ぼす新たな状況が現われている。本研究では、竹富島におけるホスト―ゲスト間の関係を調査した。調査の結果、近年の竹富島では、住民と観光客、そして住民と観光業者の間で、いくつかのコンフリクトが生じていることが明らかになった。

  • 沖縄における米軍基地跡地開発の文化人類学的研究-読谷村の事例より

    2018年  

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    本研究の目的は、沖縄本島における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的経緯および現段階における成果と課題を明らかにすることにある。具体的には、読谷村の読谷補助飛行場の跡地開発プロジェクトの事例についての調査に加えて、沖縄における住民主体の地域づくりの成功例として知られている竹富島の事例についての調査も行った。その上で、これら2つの事例の記述・比較・分析を通じて、各事例の特徴・成果・課題を浮彫りにすることを試みた。

  • 沖縄における米軍基地跡地開発の文化人類学的研究―読谷村の事例より

    2017年  

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    本研究の目的は、沖縄本島における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的経緯および現段階における成果と課題を明らかにすることにある。具体的には、北谷町の西海岸一帯の開発プロジェクトと読谷村の読谷補助飛行場の跡地開発プロジェクトについて調査し、これら2つのプロジェクトの記述・比較・分析を通じて、各プロジェクトの特徴・成果・課題を浮彫りにすることを試みた。

  • 沖縄における米軍基地跡地開発の文化人類学的研究-読谷村の事例より

    2016年  

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    本研究の目的は、沖縄本島中部地域における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的経緯および現段階における成果と課題を、開発プロジェクトに関わってきた諸アクター間の関係を詳らかにしつつ、明らかにすることにある。具体的に取り上げたのは、読谷村と北谷町における米軍基地跡地の開発プロジェクトである。今年度は特に、読谷補助飛行場の土地の旧地主へのインタビューを中心とする現地調査を通して、開発プロジェクトの課題を明らかにすることを試みた。

  • 沖縄における米軍基地跡地開発の文化人類学的研究--読谷村の事例より

    2015年  

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    本研究の目的は、沖縄本島中部地域における米軍基地跡地開発のプロジェクトの歴史的経緯および現段階における成果と課題を、開発プロジェクトに関わってきた諸アクター間の関係を詳らかにしつつ、明らかにすることにある。本研究では、読谷村の中央部に位置し、広大な土地を占めてきた読谷補助飛行場の跡地開発プロジェクトに焦点を当てるとともに、基地跡地開発の成功事例として喧伝されてきた北谷町の西海岸一帯の開発プロジェクトについても、あわせて調査を行なった。これら2つの事例の記述・比較・分析を通じて、各々のプロジェクトの特徴・成果・課題を浮彫りにすることを試みた。

  • 現代ハワイにおけるエスニック関係モデルの再検討

    2014年  

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    研究の方向性が変わったため、「沖縄・読谷村における米軍基地跡地開発に関する文化人類学的研究」というテーマで研究に取り組んだ。具体的に焦点を当てたのは、読谷村の中央部に位置し、広大な土地を占めてきた読谷補助飛行場の跡地開発プロジェクトである。この開発プロジェクトは、農業を中心に据えたものであり、沖縄における「内発的発展」の可能性を有する取り組みとして注目を集めてきた。本研究では、この開発プロジェクトの重要なアクターである行政・旧地主・JA(農業協同組合)関係者へのインタビューを中心とする現地調査を実施し、この開発プロジェクトの具体的な成果と課題を明らかにすることを試みた。

  • 国境の島の「伝統」と「近代」―沖縄・与那国島における歴史人類学的研究―

    1997年  

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    97年7月下旬から9月下旬にかけて、主な調査地である与那国島を中心に、沖縄県内にて現地調査を実施した。そしてその成果にもとづいて、いくつかの研究成果を発表することができた。 9月には論文「伝承の正典化―沖縄・与那国島の事例より―」(『民族学研究』62巻2号、日本民族学会)を発表することができた。この論文では、与那国島に伝わる伝承が、過去100年間にどのように変化し、また持続してきたのかということを「沖縄学」の趨勢の変化という歴史的コンテクストのもとで論じた。この研究は沖縄(特に与那国島)におけるメディア発達の歴史と文化変容の相関という歴史人類学的研究の課題の一環として行なったものである。 また、97年度は、与那国町史編纂作業に携わり、『与那国町史別巻I 記録写真集 与那国』(与那国町史編纂委員会編、与那国町発行)が刊行された。沖縄では地域史づくりが盛んであるが、今後は、こうした地域史編纂作業への関わりを通して沖縄における地域史という活字メディアの興隆が、地域住民の歴史意識や文化的アイデンティティの変容とどのように関わっているのか、という問題についても考察していきたいと考えている。 98年3月にはこれらの研究の認識論的な基盤を整理した論文「島民とは誰か―反民族誌的全体論のための予備的考察―」(『史観』第138冊、早稲田大学史学会発行)を発表した。現地調査にもとづくその他の成果として、来年度には共著『沖縄のエイサー』(沖縄市観光課・平和文化振興市史編集室編、那覇出版刊)が刊行される予定である。

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